JP2014028722A - 第13族窒化物結晶の製造方法 - Google Patents

第13族窒化物結晶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014028722A
JP2014028722A JP2012170166A JP2012170166A JP2014028722A JP 2014028722 A JP2014028722 A JP 2014028722A JP 2012170166 A JP2012170166 A JP 2012170166A JP 2012170166 A JP2012170166 A JP 2012170166A JP 2014028722 A JP2014028722 A JP 2014028722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
plane
growth
nitride
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012170166A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Enatsu
悠貴 江夏
Shuichi Kubo
秀一 久保
Hirotaka Ikeda
宏隆 池田
Satoru Nagao
哲 長尾
Takeshi Fujito
健史 藤戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2012170166A priority Critical patent/JP2014028722A/ja
Publication of JP2014028722A publication Critical patent/JP2014028722A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】積層欠陥が少なくて大型の第13族窒化物結晶を製造することができる方法を提供すること。
【解決手段】第13族窒化物からなり非極性面または半極性面を主面とする下地基板を配置した成長部の温度を、少なくとも水素ガスを含有する雰囲気にて所定の温度Tまで昇温する昇温工程と、気相成長法により下地基板上に第13族窒化物層を成長させる成長工程とを含む第13族窒化物結晶の製造方法によって、積層欠陥が少なくて大型の非極性面または半極性面を主面とする第13族窒化物結晶を簡便に提供することが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、第13族窒化物結晶の製造方法に関する。
LEDなどの発光デバイスは、基板上に第13族窒化物結晶を成長させることにより一般に製造されている。このとき、異種基板上に第13族窒化物結晶を成長させると、積層欠陥が発生するために、効率のよい発光デバイスを提供することができないが(非特許文献1〜4参照)、積層欠陥がない第13族窒化物自立基板上に第13族窒化物結晶をホモエピタキシャル成長させれば、高性能な発光デバイスを提供しうることが知られている(非特許文献3参照)。このため、高性能な発光デバイスを提供するためには、積層欠陥などの結晶欠陥がない第13族窒化物結晶を提供することが必要とされている。
第13族窒化物結晶を製造する代表的な方法として、(0001)面などの極性面を主面とする第13族窒化物基板上に結晶をホモエピタキシャル成長させた後に、所望の面が現われるように切り出すことにより、特定の面を主面とする第13族窒化物結晶を得る方法がある。例えば、GaN結晶基板の(0001)面上にGaNをホモエピタキシャル成長させた後に、(10−10)面が現れるように研磨または切断することにより非極性面である(10−10)面を主面とするGaN半導体結晶を得ることができる。このような方法により得られるGaN半導体結晶は積層欠陥が少ないことが確認されている(非特許文献2および非特許文献5参照)。しかしながら、極性面を主面とする基板上に結晶を成長させる方法では、当該極性面以外の面を主面とする大きいサイズの半導体基板を提供するのが困難であるという課題がある。
一方、主面が極性面ではない第13族窒化物基板を用いて結晶をホモエピタキシャル成長させる方法については、極性面を利用する上記方法に比べて報告例が極めて少ない。特許文献1には、サファイア基板の(10−10)面上に(10−10)面を主面とするGaN薄膜を成長させた後に、さらに液相法によって1.5mm厚のGaN結晶を成長させた例が記載されている。同文献によると、成長させた(10−10)面を主面とするGaN結晶の積層欠陥は10cm−1であったと報告されている。
特許文献2には、{0001}面以外を主面とする複数の窒化ガリウム(GaN)結晶片上に、HVPE法にて3mm厚のGaN結晶を成長させることが記載されており、特許文献3には、{1−100}面に対するオフ角が4.1°以上47.8°以下である主面を有する下地基板上にHVPE法にてGaN結晶を成長させることが記載されている。さらに特許文献4には、{0001}以外を主面とする複数の窒化ガリウム(GaN)結晶片について、[0001]方向が同一になるように、結晶片がそれぞれ接合されている基板が記載されている。そして結晶成長温度1050℃で、40体積%の水素ガス(キャリアガス)を含む大気圧雰囲気下で、GaN結晶をエピタキシャル成長させることが記載されている。
特開2010−1209号公報 特開2010−13298号公報 特開2011−16676号公報 特開2010−13298号公報
Applied Physics Express 1 (2008) 091102 Phys. stat. sol. (a) 205 No.5 (2008) 1056 Japanese Journal of Applied Physicshys Vol.46 No.40 (2007) L960 Appl. Phys. Lett. 91 (2007) 191906 Applied Physics Express 2 (2009) 021002
上記のとおり、極性面を主面とする第13族窒化物基板上に結晶をホモエピタキシャル成長させた後に、所望の面が現われるように切り出す方法では、積層欠陥が少ない第13族窒化物結晶が得られるものの大きいサイズの基板を得ることができないという課題がある。一方、(10−10)面のような非極性面を主面とする第13族窒化物基板上に結晶をホモエピタキシャル成長させた後に、(10−10)面を主面とする基板を切り出す方法を本発明者らが検討したところ、厚膜の結晶を成長させて基板を作製しようとすると積層欠陥が極端に多くなってしまうというという課題があることが明らかになった。つまり、本発明者らの検討において、(10−10)面を主面とする第13族窒化物基板上でホモエピタキシャル成長をして得られた第13族窒化物結晶は、(0001)面を主面とする第13族窒化物基板上でホモエピタキシャル成長をして得られた第13族窒化物結晶に比べて、厚膜成長をさせた場合に多くの積層欠陥を有するとの課題が判明した。
このように、従来の方法では積層欠陥が少なくて、なおかつ、大きな第13族窒化物結晶を提供することはできなかった。
一方、基板の主面上にホモエピタキシャル成長を行ったときに、特に極性面に平行な方向の積層欠陥(基底面積層欠陥)の発生を顕著に抑えることができれば、高性能で高効率な発光デバイスの製造に極めて有用であると考えられる。しかしながら、そのような第13族窒化物結晶を提供する方法は従来ほとんど提供されていなかった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、積層欠陥が少なくて大型の第13族窒化物結晶を提供することが可能である新しい製造方法を提供することを本発明の目的として検討を進めた。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の面方位の主面を有する下地基板を用いて、成長前に下地基板の表面を高品質結晶成長に必要な2次元成長が促進され易い状態に処理することにより、従来技術の課題を解決しうることを見出した。すなわち、課題を解決する手段として、以下の本発明を提供するに至った。
[1] 第13族窒化物からなり非極性面または半極性面を主面とする下地基板を配置した成長部の温度を所定の温度Tまで昇温する昇温工程と、気相成長法により前記下地基板上に第13族窒化物層を成長させる成長工程とを含む第13族窒化物結晶の製造方法であって、前記昇温工程が、少なくとも水素ガスを含有する雰囲気にて行われることを特徴とする、第13族窒化物結晶の製造方法。
[2] 前記下地基板の主面の面方位が{10−10}面であり、かつ昇温工程における前記雰囲気がさらに窒素ガスを含有する、[1]に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
[3] 前記下地基板の主面が5°未満のオフ角を有する、[2]に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
[4] 前記下地基板の主面が半極性面であり、かつ昇温工程における前記雰囲気中の水素ガスの濃度が50体積%以上である、[1]に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。[5] 前記下地基板の主面の面方位が、{10−10}面から[0001]方向もしくは[000−1]方向に5°〜30°傾斜した面である、[1]又は[4]に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
[6] 前記下地基板が第13族窒化物からなる単一の結晶である、[1]〜[5]の何れかに記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
[7] 前記下地基板が、第13族窒化物からなる複数の結晶を配列したものである、[1]〜[5]の何れかに記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
[8] 前記気相成長法がハイドライド気相成長法である、[1]〜[7]の何れかに記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
[9] 前記温度Tが700℃≦T≦1100℃である、[1]〜[8]の何れかに記載の第13族窒化物結晶の製造方法
[10] 前記成長工程が、第13族窒化物層の厚みを100μm以上成長させる工程である、[1]〜[9]の何れかに記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
[11] [1]〜[10]の何れかに記載の第13族窒化物結晶の製造方法によって製造された第13族窒化物結晶からなる第13族窒化物基板。
本発明の製造方法によれば、積層欠陥が少なくて大型の非極性面または半極性面を主面とする第13族窒化物基板を簡便に提供することが可能である。そして製造される第13族窒化物基板を半導体基板として、該基板の主面上にホモエピタキシャル成長を行えば、積層欠陥が少なくて、特に極性面に平行な方向の積層欠陥が顕著に抑えられた結晶を得ることができる。このため、本発明を利用すれば、発光強度が強くて、耐久性に優れた半導体発光デバイスを提供することができる。
本発明の製造方法における昇温工程および成長工程を経時的に表す概念図である。 本発明の製造方法で用いることができる製造装置の一例を示す概略図である。
以下において、本発明の第13族窒化物結晶の製造方法について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。
なお、本願において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本願におけるミラー指数は、指数が負である場合に当該指数の前にマイナス記号をつけて表記している。また、本明細書において<・・・・>との表記は方向の集合表現、[・・・・]との表記は方向の個別表現を表す。それに対して{・・・・}との表記は面の集合表現、(・・・・)との表記は面の個別表現を表す。
本明細書において「オフ角」とは、ある面の指数面からのずれを表す角度である。
本願明細書において下地基板の「主面」とは、下地基板が有する表面のうち最も広い面であって、本発明において結晶成長が行われるべき面である。よって第13族窒化物層の主面は、該下地基板の主面に平行な面を指すものとする。一方で、下地基板上に形成した第13族窒化物層上に現れる表面のうち、最も広い面を「主表面」と表現するものとする

本願明細書において、「C面」とは、六方晶構造(ウルツ鉱型結晶構造)における{0001}面であり、c軸に直交する面である。かかる面は極性面であり、第13族窒化物結晶では「+C面」は第13族金属面(窒化ガリウムの場合はガリウム面)であり、「−C面」は窒素面である。
また、本願明細書において、「M面」とは{1−100}面と等価な面であり、具体的には(1−100)面、(01−10)面、(−1010)面、(−1100)面、(0−110)面、或いは(10−10)面であり、m軸に直交する面である。かかる面は非極性面であり、通常は劈開面である。
また、本願明細書において、「A面」とは{2−1−10}面と等価な面であり、具体的には(2−1−10)面、(−12−10)面、(−1−120)面、(−2110)面、(1−210)面、或いは(11−20)面であり、a軸に直交する面である。かかる面は非極性面である。本明細書において「c軸」「m軸」「a軸」とは、それぞれC面、M面、A面に垂直な軸を意味する。
また、本願明細書において「半極性面」とは、例えば、第13族窒化物結晶が六方晶であってその主面が(hklm)で表される場合、h、k、lのうち少なくとも2つが0でなく、且つmが0でない面をいう。また、半極性面は、C面、すなわち{0001}面に対して傾いた面で、表面に第13族元素と窒素元素の両方あるいは片方のみが存在する場合で、かつその存在比が1:1でない面を意味する。h、k、l、mはそれぞれ独立に−5〜5のいずれかの整数であることが好ましく、−3〜3のいずれかの整数であることがより好ましく、低指数面であることが好ましい。具体的には、例えば{20−21}面、{20−2−1}面、{30−31}面、{30−3−1}面、{10−11}面、{10−1−1}面、{10−12}面、{10−1−2}面、{11−22}面、{11−2−2}面、{11−21}面、{11−2−1}面など低指数面が挙げられる。
[第13族窒化物結晶の製造方法]
本発明の第13族窒化物結晶の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、「第13族窒化物からなり、非極性面または半極性面を主面とする下地基板を配置した成長部の温度を所定の温度Tまで昇温する昇温工程(以下、「昇温工程」と略す場合がある。)」と、「気相成長法により前記下地基板上に第13族窒化物層を成長させる成長工程(以下、「成長工程」と略す場合がある。)」とを含む製造方法である。そして、昇温工程が、少なくとも水素ガスを含有する雰囲気にて行われることを特徴とする。
上記のとおり、(10−10)面のような非極性面を主面とする第13族窒化物基板上に厚膜の結晶を成長させて(以下、「厚膜成長」と略す場合がある。)第13族窒化物層を作製しようとすると、積層欠陥が極端に多くなってしまうというという課題を本発明者らは明らかとしている。これは、従来の成長条件では、成長初期段階において、主に3次元成長モードによる結晶成長が進行してしまうためであると考えられる。結晶成長の成長モードとして、3次元成長モード、2次元成長モードあるいはステップフロー成長モードが存在することが知られているが、例えば、成長初期段階において3次元成長が進行する、即ち島状(3次元)の第13族窒化物が形成して結晶成長が進行すると、島同士がコレアス(会合)する際に多量の欠陥が発生してしまうことが考えられる。従って、結晶成長、特に成長初期段階において、第13族窒化物層に対する下地基板表面の濡れ性を高めるような条件設定を行い、2次元成長あるいはステップフロー成長を促すことによって、厚膜成長させる場合であっても、積層欠陥の発生や伝播を効果的に抑制することができるものと考えられる。
そして、本発明者らは、上記の知見に基づいて検討を重ねた結果、下記の(a)および(b)の手段が、積層欠陥密度の低減に有効であることを見出している。
(a)下地基板の主面として、(10−10)もしくは(10−10)面から[0001
]または[000−1]方向に1.5°以上傾斜した面を設定すること。
(b)結晶成長を行う雰囲気ガスについて、全体のガス流量の40体積%以上を窒素等の不活性ガス種とすること。
極性面を主面とする下地基板を使用して、ハイドライド気相成長法により第13族窒化物結晶を結晶成長させる場合、キャリアガスとして水素等を用いることが一般的である。これは窒素等の不活性ガス種を使用すると、リアクター内に大量の多結晶が付着してリアクターの劣化原因となったり、得られる結晶の結晶性が悪くなったりする傾向があるためである。これに対し、本発明者らは、極性面以外を主面とする下地基板を使用する場合には、全体のガス流量の40体積%以上を窒素等の不活性ガス種とすることによって、第13族窒化物層に対する下地基板表面の濡れ性を高めることができ、積層欠陥密度を低減することができることを明らかとしたのである。
また、本発明者らは、更なる積層欠陥密度の低減を図るべく検討を重ねた結果、下記の(c)の手段も積層欠陥密度の低減に極めて有効であることを見出した。
(c)第13族原料および窒素原料を供給(以下、「原料供給」と略す場合がある。)して結晶成長を開始する前に、少なくとも水素ガス(H)を含有する雰囲気下で成長部の温度を昇温すること。
これは、水素ガスによる下地基板表面のエッチング効果によって、結晶成長を開始する前に下地基板表面を清浄化する作用があると考えられる。このような作用によって、原子レベルでステップとテラスを有することから2次元成長を促進し易い、ステップ構造が形成されて、積層欠陥のより少ない良質な第13族窒化物層を製造することができるものと考えられる。
本発明の製造方法は、上記(c)の手段を利用した発明であり、少なくとも水素ガスを含有する雰囲気下、成長部の温度を所定の温度Tまで昇温することを特徴とする。
本発明における「成長部の温度」とは、結晶成長が進行する下地基板表面近傍の温度を意図するものであるが、厳密には下地基板を設置するサセプターの温度を意味するものとする。
また、「成長工程」とは、実際に第13族窒化物層の成長が進行しているか否かに関わらず、第13族原料および窒素原料の両原料の同時供給が行われ、結晶成長が進行し得る条件が整った状態にあれば、本発明の「成長工程」に該当するものとする。よって、第13族原料および窒素原料の両原料の同時供給が行われた時点で成長工程に移行するものとする。「両原料の同時供給」とは、第13族原料および窒素原料が共に成長部に供給されている状態を意味し、第13族原料および窒素原料の両原料の供給を同時に開始するほか、例えば、昇温工程において既に窒素原料を流通させているような場合においては、これに加えて第13族原料の供給を開始し、両原料の供給が揃った時点で「両原料の同時供給」を行っているものとする。
<下地基板>
本発明の製造方法において使用する下地基板は、第13族窒化物結晶からなるものであり、具体的種類は特に限定されないが、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、又はこれらの混晶などを挙げることができる。但し、本発明の製造方法によって成長させる第13族窒化物層と同種の第13族窒化物を下地基板として用いることが好ましい。例えば、窒化ガリウム(GaN)半導体基板を製造する場合は、窒化ガリウム(GaN)下地基板を用いて窒化ガリウム層を製造することが好ましい。なお、成長させる第13族窒化物層と下地基板とは、完全に同一の組成である必要はなく、99.75%(原子比)以上の組成が一致していれば同種の第13族窒化物であるとする。例えば、GaN下地基板上に、ケイ素(Si)や酸素(O)等をドーピングした第13族窒化物層を成長させる場合は、同種の第13族窒化物を成長させているとしてホモエピタキシャル成長と称する。
本発明の製造方法において使用する下地基板は、主面が非極性面または半極性面であれ
ば、主面の具体的な面方位は特に限定されないが、非極性面である{10−10}面、または{10−10}面から[0001]方向もしくは[000−1]方向に5°〜30°傾斜した半極性面を主面とすることが好ましい。なお、{10−10}面からの傾斜角が5°未満の場合には主面は{10−10}面であって、5°未満のオフ角を有する下地基板と称する。
下地基板の主面が非極性面である場合には、{10−10}面であることが好ましく、{10−10}面から<0001>方向に1.5°以上のオフ角を有することが好ましい。{10−10}面からの傾斜方向としては、[000−1]方向にオフ角を有することがより好ましく、オフ角としてより好ましくは1.75°以上、さらに好ましくは2.0°以上である。
下地基板の主面が半極性面である場合には、{10−10}面からの傾斜角は、通常5°以上が好ましく、より好ましくは7°以上、さらに好ましくは9°以上であり、通常30°以下、好ましくは15°以下、より好ましくは10°以下である。また、(10−10)面からの傾斜方向としては、[000−1]であることがより好ましい。具体的な面方位としては、主面が{20−21}面、{20−2−1}面、{30−31}面、{30−3−1}面、{10−11}面、{10−1−1}面であることが好ましい。上記のような範囲とすることで、成長初期段階での2次元成長あるいはステップフロー成長を促進することにくわえて、第13族窒化物の多結晶が発生するのを抑制することができ、下地基板上に良好な第13族窒化物層を成長させることが可能である。なお、下地基板の主面の面方位に応じて、雰囲気中の水素ガス濃度の好適な範囲が異なることとなるが、詳細については後述するものとする。
本発明の製造方法は、第13族窒化物からなる単一の結晶を下地基板として使用する態様に限られず、第13族窒化物からなる複数の結晶を配列して下地基板として使用する態様であってもよい(以下、第13族窒化物からなる複数の結晶を配列して下地基板として使用した場合の各結晶を「第13族窒化物シード」と略す場合がある。)。下地基板として大型のものを準備できない場合でも、複数の第13族窒化物シードの主面の面方位を非極性面または半極性面として配列し、大面積の主面を作製すればよい。複数の第13族窒化物シードを使用した場合であっても、複数の第13族窒化物シード上に一体となった結晶を成長させることができるため、大面積の第13族窒化物を得ることが可能となる。複数の第13族窒化物シードを配列する場合の主面の面方位は、全体として非極性面または半極性面、好ましくは{10−10}面から[0001]方向もしくは[000−1]方向に1.5°〜30°傾斜した面を成していればよく、面内は不均一であっても、均一であってもよい。
複数の第13族窒化物シードは、同一の指数面を有するものを用いても、異なる指数面を有するものあわせて用いてもよい。複数の第13族窒化物シードを並べる際には、同一平面上に結晶方位(面方位)をそろえて並べ、隣り合うシードが互いに接していても、接していなくてもよい。なお、結晶方位(面方位)とは各シードにおける主面法線方向の傾きを意味するものであるため、結晶方位(面方位)をそろえることはシード間のオフ角度をそろえることと同義である。
特に、得られる第13族窒化物結晶が均一になることから、第13族窒化物シード間の主面の面方位の分布が±5°以内であることが好ましく、より好ましくは±3°以内、さらに好ましくは±1°以内、もっとも好ましくは±0.5°以内である。なお、面方位とは各シードにおける主面法線方向の傾きを意味するものであるため、面方位の分布が±5°以内であることはオフ角度が±5°以内であることと同義である。
複数の第13族窒化物シードの配置方法は特に限定されず、同一平面上に隣り合うように配置してもよいし、平面上で重なり合って隣り合うように配置してもよい。複数の第1
3族窒化物シードの主面が異なる面方位である場合には、各々の主面の面方位が同一方向となるように配置すると、第13族窒化物シードの接合部上に得られる第13族窒化物結晶の結晶性が良好になる傾向があり好ましい。なお、複数の第13族窒化物シードを並べる際には各第13族窒化物シードの主面と極性面との交線方向を揃えて並べることが好ましく、各第13族窒化物シード間の主面と極性面との交線方向の分布が±5°以内となるように揃えることが好ましく、±3°以内となるように揃えることがより好ましく、±1°以内となるようにそろえることがさらに好ましく、±0.5°以内となるように揃えることが特に好ましい。
<昇温工程>
昇温工程は、少なくとも水素ガス(H)を含有する雰囲気にて、成長部の温度を所定の温度Tまで昇温する工程であるが、温度Tは両原料の同時供給を行って結晶成長を開始する温度であり、その具体的温度は特に限定されない。但し、温度Tは通常700℃以上、好ましくは750℃以上、より好ましくは790℃以上、さらに好ましくは830℃以上であり、通常1100℃以下、好ましくは1000℃以下、より好ましくは950℃以下であり、後述するように成長工程において昇温過程を含む場合にはさらに好ましくは870℃以下である。上記のような範囲とすることで、下地基板表面を適度に清浄化することができ、積層欠陥密度をより低く抑えることができる。
昇温工程における温度Tまでの昇温速度は特に限定されないが、通常5℃/min以上、好ましくは8℃/min以上、より好ましくは11℃/min以上であり、通常30℃/min以下、好ましくは27℃/min以下、より好ましくは24℃/min以下である。上記のような範囲とすることで、下地基板表面を適度に清浄化することができ、積層欠陥密度をより低く抑えることができる。
昇温工程における雰囲気は、少なくとも水素ガス(H)を含有するものであればその他の条件については特に限定されないが、窒素ガス(N)、ヘリウムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス(Ar)等の不活性ガス種もしくはアンモニア(NH)、又はこれらの混合ガスが挙げられる。
昇温工程における雰囲気中の水素ガス(H)の濃度は特に限定されないが、下地基板の主面の面方位に応じて、雰囲気中の水素ガスの濃度を適宜設定することが好ましい。
本発明者らは、(10−10)面のような非極性面を主面とする下地基板を用いて、水素ガス(H)雰囲気下、成長部の温度を所定の温度に昇温すると、下地基板表面が荒れてしまう傾向にあること、また窒素ガス(N)雰囲気下で昇温すると下地基板表面が平坦になる傾向があることを確認している。これは水素ガス(H)の濃度が高すぎるとエッチング効果が強すぎ、表面が荒れてしまうためであると考えられる。従って、適度な清浄化作用を発揮しつつ、下地基板表面の平坦性を維持することによって、良好な2次元成長を実現することができ、結果積層欠陥のより少ない良質な第13族窒化物結晶を製造することができるものと考えられる。
但し、水素ガス(H)のこのようなエッチング効果は、下地基板表面の面方位によってその影響の大きさが異なることを本発明者らは明らかとしている。これは面方位による原子構造の違いによって、下地基板表面の熱的安定性に差異が生じるためであると考えられる。従って、下地基板の主面の面方位に応じて、雰囲気中の水素ガスの濃度を適宜設定することが好ましいのである。なお、以下に{10−10}面および半極性面の場合の雰囲気中の水素ガス(H)の濃度の好ましい範囲を説明するが、本発明の製造方法はこれらの範囲に限定されるものではない。また、前述の通り{10−10}面と称する場合には5°未満のオフ角を有する{10−10}面を含むものであり、オフ角が5°未満であれば下地基板の表面の熱的安定性などの特性は{10−10}面と同様に考えられる。
下地基板の主面が{10−10}面である場合、水素ガス(H)以外のガス種を含む
ことが好ましく、雰囲気中の水素ガス(H)の濃度は、通常1体積%以上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上であり、通常90体積%以下、好ましくは80体積%以下、より好ましくは70体積%以下である。なお、水素ガス以外のガス種としては窒素ガス(N)が特に好ましい。
下地基板の主面が半極性面である場合には、雰囲気中の水素ガス(H)の濃度は、通常50体積%以上、好ましくは70体積%以上、より好ましくは90%体積以上である。
上記のような範囲とすることで、適度な清浄化作用を発揮しつつ、下地基板表面の平坦性を維持することができ、積層欠陥密度をより低く抑えることができる。
昇温工程における雰囲気は、密閉系であっても或いは雰囲気ガスを逐次導入する流通系であってもよいが、雰囲気中の水素ガス(H)の濃度を制御し易くなる観点から、雰囲気ガスを逐次導入して排気する流通系とし、導入する雰囲気ガスによって、雰囲気中の水素ガス(H)の濃度を制御することが好ましい。
昇温工程は、リアクター内の温度条件等が安定するまで、設定条件を短時間保持するような保持過程が含まれるものであってもよい。例えば、温度Tに達した後、第13族原料および窒素原料の供給を開始する前に保持過程が含まれる態様が挙げられる(以下、温度Tに達した後、第13族原料および窒素原料の両方が供給されている状態になるまでの所定の時間を「時間M1」と略す場合がある。)。時間M1は、不純物の堆積を抑制する観点から極力短い方が好ましいが、製造装置の構造等によって、リアクター内の温度が安定するまでに時間を要する場合もある。従って、M1の具体的な時間は、製造装置の構造等によって適宜設定されるべきものであるが、通常60分以下、好ましくは30分以下、より好ましくは10以下であり、通常0分以上である。上記のような範囲であれば、不純物の堆積を抑制して、積層欠陥密度をより低く抑えることができる。
<成長工程>
成長工程は、気相成長法により下地基板上に第13族窒化物層を成長させる工程であれば具体的な成長方法及び成長条件等は特に限定されず、
1)ハイドライド気相成長法(HVPE法)、
2)有機金属化学蒸着法(MOCVD法)、
3)有機金属塩化物気相成長法(MOC法)、
4)昇華法
等の公知の気相成長法を適宜採用することができる。この中でもハイドライド気相成長法を採用することが特に好ましい。
以下、ハイドライド気相成長法を採用した場合の成長条件および製造装置について、具体例を挙げて説明するが、成長工程はこれに限られるものではない。 また、成長工程は、一定の条件に保たれる必要はなく、成長条件等を変更し、段階(過程)分けされた成長工程であってもよい。例えば、結晶成長を進める上での主条件となる本成長過程(以下、「本成長過程」と略す場合がある。)のほか、第13族原料および窒素原料の両原料を供給しながら成長部の温度を昇温する昇温過程(以下、「昇温過程」と略す場合がある。)、或いは第13族原料および窒素原料を供給しながら成長部の温度を降温する降温過程を含むものが挙げられる。
具体的な流れを、図1を参照して説明する。上記昇温工程を終えた後、即ち所定の温度Tとして成長部の温度がT2に達した後、直ぐに本成長過程に移行する態様が挙げられるが、この場合T2は両原料の同時供給を開始する温度であり、かつ本成長過程の温度条件となる。一方で、上記昇温工程を終えた後、即ち所定の温度Tとして成長部の温度がT1に達した後、両原料の同時供給を開始し、第13族原料および窒素原料を供給しながら成長部の温度をT1からT2まで昇温する昇温過程を経て、本成長過程に移行するような態様も挙げられるが、この場合は所定の温度TはT1となり、T2が本成長過程の温度条件となる。本発明の製造方法において、ハイドライド気相成長法を用いる場合には、昇温過
程を含む成長工程であることが好ましい。これは、ケイ素(Si)等の不純物が下地基板表面上に付着してしまう前に結晶成長を開始することによって、第13族窒化物層に対する下地基板表面の濡れ性を高めることができ、結果より積層欠陥の少ない良質な第13族窒化物結晶を製造することができると考えられるためである。
以下、成長工程における本成長過程および昇温過程の好ましい条件について説明する。
本成長過程の温度(T2)は、結晶成長方法やその他の条件に応じて適宜設定すべきものであるが、ハイドライド気相成長法の場合、通常800℃以上、好ましくは900℃以上、より好ましくは920℃以上、さらに好ましくは950℃以上であり、通常1200℃以下、好ましくは1100℃以下、より好ましくは1050℃以下、さらに好ましくは980℃以下である。上記のような範囲であれば、良質な第13族窒化物結晶を効率よく成長させることができる。
本成長過程の圧力(リアクター内の圧力)は、ハイドライド気相成長法の場合、通常10kPa以上、好ましくは30kPa以上、より好ましくは50kPa以上であり、通常200kPa以下、好ましくは150kPa以下、より好ましくは120kPa以下である。
本成長過程における第13族原料の供給量は、GaClを使用するハイドライド気相成長法の場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるGaClの分圧として、通常1.20×10Pa以上、好ましくは1.60×10Pa以上、より好ましくは2.00×10Paであり、通常9.00×10Pa以下、好ましくは7.00×10Pa以下、より好ましくは5.00×10Pa以下である。
本成長過程における窒素原料の供給量は、NHを使用するハイドライド気相成長法の場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるNHの分圧として、通常3.50×10Pa以上、好ましくは6.20×10Pa以上、より好ましくは9.30×10Paであり、通常2.70×10Pa以下、好ましくは圧力2.00×10Pa以下、より好ましくは1.20×10Pa以下である。
キャリアガスとして水素(H)を使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるHの分圧として、1.00×10Pa以上、好ましくは5.00×10Pa以上、より好ましくは1.00×10Pa以上である。また、成長初期の所定のHキャリアガス量は、通常7.00×10Pa以下、好ましくは6.00×10Pa以下、より好ましくは5.00×10Pa以下である。
極性面以外を主面とする下地基板を使用する場合には、雰囲気ガスについて、全体のガス流量の40体積%以上を窒素等の不活性ガス種とすることによって、積層欠陥密度を低減することができることを前述したが、本発明の製造方法も「非極性面または半極性面を主面とする下地基板」を使用するものであり、本成長工程の雰囲気ガスについて、全体のガス流量の40体積%以上を窒素等の不活性ガス種とすることが好ましい。なお、全体のガス流量の70体積%以上を不活性ガス種とすることが好ましく、90%体積%以上を不活性ガス種とすることがより好ましい。全体のガス流量における不活性ガス種の濃度は、反応装置に流通させたすべてのガスの流量の総和に対する反応装置に流通させたすべての不活性ガス種の流量の総和から算出することができる。不活性ガス種の具体的種類も特に限定されず、窒素(N)のほか、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)等も挙げられる。
また不活性ガス種の濃度は、成長工程中一定であっても、或いは成長工程中に変更するものであってもよい。成長工程中に不活性ガス種の濃度を変更する場合、成長初期に不活性ガス種の濃度を高くすることが好ましく、より好ましくは成長初期に不活性ガス種のみとすることである。また、成長初期に不活性ガス種の濃度を高くする時間としては、成長開始から10分以内とすることが好ましく、5分以内とすることがより好ましい。但し、不活性ガス種の濃度を変更する場合には、変更時間は1秒以上であることが好ましく、1
分以上であることがより好ましく、1時間以上であることが更に好ましい。前記変更は、全ガス種を同時に変更してもよいし、ガス種毎に順次変更してもよい。また、成長工程中の間にガス種を変更せずに一定にしてもよいし、変更してもよく、例えば成長初期の不活性ガスとしてNを用い、本成長は不活性ガスとしてArを用いるといった場合が考えられる。
成長工程のガス導入に際して、各ガスが所定のガス分圧(ガス流量)に達するまでにかかる時間(以下、ガス導入時間と称する)を、比較的短時間にすることで、初期成長層の表面モフォロジーや成長様式に影響を与え、その後に第13族窒化物層を厚膜化する場合にも、成長方向と成長面との間の異方的な歪みの発生が抑制され、積層欠陥の拡大・伝播を抑制することが可能となるので好ましい。具体的には、10分以下であることが好ましく、5分以下であることがより好ましく、2分以下であることがさらに好ましい。特に、成長工程において、水素ガスを含むキャリアガスを用いる場合に、上述の効果が得やすいため好ましい。
全体のガス流量における不活性ガス種の濃度の増加に伴い、リアクター内部でのガス流れに変化が生じる。各導入管からのガス流れのバランス関係が崩れるとノズル内部に多結晶が多量に付着し、冷却時にリアクターが劣化するといった問題がある。そこで第13族原料と窒素原料とをガスで供給するための導入管内部に多結晶が発生しないようにするためのガス条件を探索し、第13族原料を含むガス(以下、「第13族原料ガス」と略す場合がある。)と窒素原料を含むガス(以下、「窒素原料ガス」と略す場合がある。)との密度の比(第13族原料ガス密度/窒素原料ガス密度)が特定の範囲内であることが好ましいことを見出した。第13族原料ガス密度/窒素原料ガス密度としては、好ましくは1未満であり、より好ましくは0.8以下である。この範囲であれば、導入管の出口とサセプター、下地基板表面との間で自然対流が発生しにくく、導入管内で多結晶が発生することを抑制できるためこのましい。ここで、第13族原料ガスおよび窒素原料ガスは、それぞれ窒原料ガスとキャリアガスの混合ガスであるような場合が想定されるが、混合ガスの密度は、各々のガス単独の密度と混合比率から算出することができる。例えば、以下の式(1)を用いて算出可能である。
DT=Σ(DnLn)/ΣLn (1)
(DT:混合ガスの密度、Dn:各々のガスの単独の密度、Ln:各々のガスの供給流量)
本成長過程の成長時間は、特に限定されないが、通常10時間〜100時間である。成長膜厚によって成長時間は適宜変更可能である。
本成長過程の成長速度は、成長方法、成長温度、原料ガス供給量、結晶成長面方位等により適宜設定されるものであるが、一般的に5μm/h〜500μm/hの範囲であり、30μm/h以上が好ましく、70μm/h以上がより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。成長速度は、上記の他、キャリアガスの種類、流量、供給口−結晶成長端距離等を適宜設定することによって制御することができる。
昇温過程を有する場合には、昇温過程を開始する温度(T1)は、結晶成長方法やその他の条件に応じて適宜設定すべきものであるが、ハイドライド気相成長法の場合、通常700℃以上、好ましくは750℃以上、より好ましくは790℃以上、さらに好ましくは830℃以上であり、通常1100℃以下、好ましくは1000℃以下、より好ましくは950℃以下、さらに好ましくは870℃以下である。上記のような範囲であれば、良質な第13族窒化物結晶を効率よく成長させることができる。
昇温過程における昇温速度は特に限定されないが、通常5℃/min以上、好ましくは8℃/min以上、より好ましくは11℃/min以上であり、通常30℃/min以下、好ましくは27℃/min以下、より好ましくは24℃/min以下である。上記のような範囲とすることで、不純物の堆積を抑制して、積層欠陥密度をより低く抑えることができる。
昇温過程における第13族原料および窒素原料の供給量も特に限定されないが、第13族原料としてGaClを使用するハイドライド気相成長法の場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるGaClの分圧は、通常1.20×10Pa以上、好ましくは1.60×10Pa以上、より好ましくは2.00×10Paであり、通常9.00×10Pa以下、好ましくは7.00×10Pa以下、より好ましくは5.00×10Pa以下である。
窒素原料としてNHを使用するハイドライド気相成長法の場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるNHの分圧は、通常3.50×10Pa以上、好ましくは6.20×10Pa以上、より好ましくは9.30×10Paであり、通常2.70×10Pa以下、好ましくは圧力2.00×10Pa以下、より好ましくは1.20×10Pa以下である。
昇温過程の雰囲気ガスについては、前述した本成長工程の雰囲気ガスと同様な条件とすることが好ましい。
上記のような範囲とすることで、昇温過程における結晶成長速度を適度な範囲に制御し、積層欠陥密度をより低く抑えることができる。
成長工程は、下地基板の主面以外の面からも成長が進行する工程であってもよい。成長させる第13族窒化物層は、下地基板の主面上に成長するものであれば、主面に対して必ずしも垂直な方向に成長させるものでなくてもよい。また、成長の方向は成長工程中に変わってもよい。
成長工程において成長させる第13族窒化物層の厚さは、最終的に取得したい第13族窒化物のサイズ等に応じて適宜決定することができるが、上記のとおり、非極性面や半極性面を主面とする第13族窒化物基板上に結晶を厚めに成長させると、積層欠陥が多くなってしまう傾向にあり、より厚く成長させるほど本発明の効果をより好適に利用することができる。具体的な厚さとしては、通常100μm以上、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは10mm以上であり、通常51mm以下、好ましくは24mm以下、より好ましくは14mm以下である。ここでいう厚さは、下地基板の主面に対して垂直な方向の厚さを意味する。
<製造装置>
1)基本構造
図2には、ハイドライド気相成長法に用いられる装置(以下、「HVPE装置」と略す場合がある。)の概念図を示す。図2に図示したHVPE装置は、リアクター100内に、下地基板(シード)を載置するためのサセプター107と、成長させる第13族源を入れるリザーバー105とを備えている。また、リアクター100内にガスを導入するための導入管101〜104と、排気するための排気管108が設置されている。さらに、リアクター100を側面から加熱するためのヒーター106が設置されている。
2)リアクターの材質
リアクター100の材質としては、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられる。好ましい材質は石英である。
3)サセプターの材質、形状、成長面からサセプターまでの距離
サセプター107の材質としてはカーボンが好ましく、SiCで表面をコーティングしているものがより好ましい。サセプター108の形状は、本発明で用い下地基板(シード)を設置することができる形状であれば特に制限されないが、結晶成長する際に結晶成長面付近に構造物が存在しないものであることが好ましい。結晶成長面付近に成長する可能性のある構造物が存在すると、そこに多結晶体が付着し、その生成物としてHClガスが発生して結晶成長させようとしている結晶に悪影響が及んでしまう。シード110とサセプター107の接触面は、シードの主面(結晶成長面)から1mm以上離れていることが好ましく、3mm以上離れていることがより好ましく、5mm以上離れていることがさらに好ましい。
4)リザーバー
リザーバー105には、成長させる第13族源を入れる。そのような第13族源として、Ga、Al、Inなどを挙げることができる。リザーバー105にガスを導入するための導入管103からは、リザーバー105に入れた原料と反応するガスを供給する。例えば、リザーバー105に第13族源を入れた場合は、導入管103からHClガスを供給することができる。このとき、HClガスとともに、導入管103からキャリアガスを供給してもよい。キャリアガスとしては、例えば水素、窒素、He、Ne、Arのようなガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
5)窒素源(アンモニア)、セパレートガス、ドーパントガス
導入管104からは、窒素原料を供給する。通常はNHを供給する。また、導入管101および導入管102からは、キャリアガスを供給する。キャリアガスとしては、導入管103から供給するキャリアガスと同じものを例示することができる。このキャリアガスは原料ガス同士の気相での反応を抑制し、ノズル先端にポリ結晶が付着することを防ぐ効果もある。また、導入管102からは、ドーパントガスを供給することもできる。例えば、SiHやSiHCl、HS等のn型のドーパントガスを供給することができる。
6)ガス導入方法
導入管101〜104から供給する上記ガスは、それぞれ互いに入れ替えて別の導入管から供給しても構わない。また、窒素原料とキャリアガスは、同じ導入管から混合して供給してもよい。さらに他の導入管からキャリアガスを混合してもよい。これらの供給態様は、リアクター100の大きさや形状、原料の反応性、目的とする結晶成長速度などに応じて、適宜決定することができる。
7)排気管の設置場所
ガス排気管108は、リアクター内壁の上面、底面、側面に設置することができる。ゴミ落ちの観点から結晶成長端よりも下部にあることが好ましく、図2のようにリアクター底面にガス排気管108が設置されていることがより好ましい。
<積層欠陥>
本発明者らの検討では、第13族窒化物基板の半極性面上又は非極性面上に第13族窒化物層を従来法で成長させると、成長した結晶に内在する主たる積層欠陥は極性面と平行な面として観測される。積層欠陥は極性面である(0001)面[すなわちC面]に平行に存在する面欠陥であるため、極性面に交差する断面(特に極性面に垂直な断面)を観察すれば積層欠陥を直線状の輝線として確認することができる。積層欠陥は、例えば結晶表面を蛍光顕微鏡や低温CL(カソードルミネッセンス法)で観察することにより観察することができる。具体的には、積層欠陥を観察したい結晶表面に405nmの発光を示すようなLED構造を作製し、この表面を蛍光顕微鏡で像観察すると積層欠陥部位に輝線が見える。または、低温PLで観察されるスペクトルには3.41eV(364nm)付近に積層欠陥(基底面積層欠陥;BSF)由来のピーク(BSFピーク)が見える。これを利用して、LED構造を作製せず積層欠陥を観察したい結晶そのものであっても、波長分光可能な低温CLで像観察すると、積層欠陥部位に輝線を観察することができる。
通常、C面上にc軸方向に結晶成長させて得られた結晶を特定の角度や向きに切断することによって作製した非極性面や半極性面を主面とする下地基板(シード)上に、ハイドライド気相成長法等で下地基板と同種の第13族窒化物層を成長させた場合、下地基板中に内在する積層欠陥の数よりも成長結晶に内在する積層欠陥の数が多くなる。例えば、下地基板では積層欠陥の数は少なく、観察される輝線が短いので輝線密度は小さくなるが、成長結晶では積層欠陥の数は増加し、観察される輝線が長くなるので輝線密度は大きくなる。このことから、積層欠陥は第13族窒化物層の成長が進むにしたがって拡大する、または種結晶では観察されなかった欠陥が第13族窒化物層において新たに発生する可能性が考えられ、厚膜成長を実施した際には、積層欠陥の多くなるとの問題が顕著であった。
本発明の製造方法では、厚膜成長を行ったとしても、積層欠陥の極めて少ない第13族窒化物結晶を得ることができる。本発明において第13族窒化物結晶の積層欠陥の多少は、得られた結晶自体を低温(10K)にてPL測定を行うことで評価することが可能である。本発明の製造方法を用いた場合、積層欠陥由来の3.41eVのピーク強度I(BSF)とバンド端発光由来の3.47eVのピーク強度I(D)の強度比(低温PL強度)I(BSF)/I(D)が0.1以下である第13族窒化物結晶を得ることが可能であり、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.005以下である。
本発明の製造方法により製造された第13族窒化物結晶では、積層欠陥密度を1.0×10cm−1以下とすることが可能であり、好ましくは5.0×10cm−1以下、より好ましくは1.0×10cm−1以下である。また、貫通転位密度を1.0×10cm−2以下とすることが可能であり、好ましくは7.5×10cm−2以下、より好ましくは5.0×10cm−2以下である。
[第13族窒化物基板]
1)特徴
本発明の製造方法によって製造された第13族窒化物結晶から下地基板の少なくとも一部を除去して第13族窒化物基板とすることができる。第13族窒化物基板は、非極性面または半極性面を主面とすることが好ましく、極性面と主面の交差線方向の基板の反りが、前記交差線に直交する方向の基板の反りよりも小さくて、前記交差線に直交する方向の基板の反りが40mmあたり0.8°未満であることを特徴とする。ここでいう交差線方向とそれに直交する方向は、いずれも基板の面内に想定される方向である。
2)厚さ
本発明の第13族窒化物基板は、自立基板であることが好ましい。具体的には、厚さが0.2mm以上であることが好ましく、0.3mm以上であることがより好ましく、0.4mm以上であることがさらに好ましい。基板の厚さやサイズは、研磨、切断、エッチング等を調節したりすることにより、所望の範囲内に調整することができる。
3)主面
本発明の第13族窒化物基板の主面は、非極性面または半極性面のいずれであってもよいが、低指数面であることが好ましい。例えば、下地基板が六方晶であってその主面が(hklm)で表される場合、h、k、l、mはそれぞれ独立に−3〜3のいずれかの整数であることが好ましく、−2〜2のいずれかの整数であることがより好ましい。本発明の第13族窒化物結晶基板の主面の具体例として、{20−21}面、{20−2−1}面、{30−31}面、{30−3−1}面、{10−11}面、{10−1−1}面、{10−12}面、{10−1−2}面、{11−22}面、{11−2−2}面、{11−21}面、{11−2−1}面などを挙げることができ、なかでも{20−21}面、{20−2−1}面、{30−31}面、{30−3−1}面、{10−11}面、{1
0−1−1}面が好ましい。
本発明の第13族窒化物基板における交差線に直交する方向の基板の反りは、40mmあたり0.80°未満であることが好ましく、0.70°未満であることがより好ましく、0.60°未満であることがさらに好ましく、0.40°未満であることが特に好ましい。交差線方向の基板の反りは、40mmあたり0.80°未満であることが好ましく、0.60°未満であることがより好ましく、0.40°未満であることがさらに好ましく、0.20°未満であることが特に好ましい。交差線に直交する方向の40mmあたりの基板の反りと、交差線方向の40mmあたりの基板の反りの差は、通常0.02〜1.0°であり、0.03〜0.75°であることが好ましく、0.05〜0.5°であることがより好ましい。
例えば、本発明の第13族窒化物基板の主面が六方晶の{10−10}面[すなわちM面]である場合、極性面である{0001}面[すなわちC面]と主面の交差線方向[すなわちa軸方向]の反りは、それに直交する方向[すなわちc軸方向]の反りよりも小さい。このとき、c軸方向の反りは40mmあたり1°未満である。また、他の例として、本発明の第13族窒化物基板の主面が六方晶の(11−20)面[すなわちA面]である場合、極性面である(0001)面[すなわちC面]と主面の交差線方向[すなわちm軸方向]の反りは、それに直交する方向[すなわちc軸方向]の反りよりも小さい。このとき、c軸方向の反りは40mmあたり1°未満である。
極性面と主面の交差線方向の基板の反り(W1)と、その交差線に直交する方向の基板の反り(W2)の比(W1/W2)は、1未満であることが好ましく、0.8未満であることがより好ましく、0.5未満であることがさらに好ましい。また、下限値は0.01以上であることが好ましく、0.02以上であることがより好ましく、0.04以上であることがさらに好ましい。
4)基板及び該基板上に形成される結晶の結晶性
本発明の第13族窒化物基板の主面上に第13族窒化物層をホモエピタキシャル成長させると、成長した結晶内に発生する主たる積層欠陥は極性面に平行となる。積層欠陥は、例えば下記実施例に記載されるように結晶表面を低温下においてカソードルミネッセンス(CL)測定で観察することにより確認することができる。
例えば、主面が(10−10)面[すなわちM面]である本発明の第13族窒化物基板では、主面上に第13族窒化物結晶を成長させると極性面である(0001)面[すなわちC面]に平行な積層欠陥が主として発生し、低温CL測定で主面側から観察するとa軸方向へ伸びる直線状に観察される。
本発明の第13族窒化物基板および、該基板上に形成される結晶は、積層欠陥が少なく、よってLEDなどの半導体発光素子として用いた場合に良好な発光を示す。積層欠陥の程度は、上記の本発明の製造方法で得られる第13族窒化物層と同様である。
また、第13族窒化物基板および該基板上に形成される結晶の主面には、貫通転位が存在する。これは、通常貫通転位は結晶の成長方向に伸びるように発生するため、本発明の製造方法のように下地基板上に成長した結晶の成長面には、貫通転位が存在することによる。貫通転位はCL測定で観測される暗点に略一致する。
[半導体発光デバイス]
上記の本発明の第13族窒化物基板を用いることにより、半導体発光デバイスを製造することができる。通常は、本発明の第13族窒化物基板の主面上に第13族窒化物結晶を成長させることにより、LEDなどの半導体発光デバイスを製造する。成長させる第13族窒化物結晶としては、例えばGaN、GaAlAs、AlInGaP、AlInGaP
、InGaNなどを挙げることができる。結晶成長の方法は特に制限されず、例えば有機金属化学気相堆積法(MOCVD法)などを挙げることができる。本発明の第13族窒化物基板上に結晶を成長させれば、例えば従来のサファイアベースの基板や積層欠陥の多い第13族窒化物基板上に結晶を成長させた場合に比べて結晶欠陥が少なくなるため、高出力で耐久性のある半導体発光デバイスを提供することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1〜3、比較例1>
結晶成長用の下地基板として主面が(10−10)面であり、且つ主面が−c軸([000−1])方向に2°傾斜(オフ角−2°)したGaNからなる下地基板を各実施例、比較例に付き1枚用意した。その後、図2に示すHVPE装置のリアクター内の基板ホルダーに主面が上向きになるように下地基板をセットした。
雰囲気中の水素ガス(H)の濃度が0体積%(比較例1 窒素ガスの濃度:90体積%、アンモニアガス(NH):10体積%)、40体積%(実施例1 窒素ガスの濃度:50体積%、アンモニアガス(NH):10体積%)、70体積%(実施例2 窒素ガスの濃度:20体積%、アンモニアガス(NH):10体積%)、および90体積%(実施例3 窒素ガスの濃度:0体積%、アンモニアガス(NH):10体積%)である場合のそれぞれについて、成長部(サセプター107)の温度を950℃まで上げてから、第13族原料であるGaClと窒素原料であるNHの両原料を、各々の導入管から下地基板の主面方向へ供給することによりGaN層を30時間成長させた。
なお、この成長工程においては成長圧力を1.01×10Paとし、GaClガスの分圧を3.54×10Paとし、NHガスの分圧を1.13×10Paとした。また、成長工程の始めの5分間については、キャリアガスをNのみとし、Nの分圧を8.90×10Paとした。その後、キャリアガスをHとNとし、Hガスの分圧を4.40×10Pa、Nガスの分圧を4.34×10Paとした。成長工程の終了後室温まで降温し、GaN結晶を得た。
得られたGaN結晶の膜厚は約1mmであった。得られたGaN結晶の積層欠陥をフォトルミネッセンス(PL)測定(LTPL測定)にて評価した。測定温度は10K、励起光源に中心波長325nmのHe−Cdレーザーを用いた。結果を表1に示す。積層欠陥由来の3.41eVのピーク強度I(BSF)とバンド端発光由来の3.47eVのピーク強度I(D)の強度比I(BSF)/I(D)に着目すると、雰囲気中の水素ガス(H)の濃度が高いほど、強度比I(BSF)/I(D)は小さくなり、70体積%を境に再び悪化する傾向が確認された。
<実施例4〜6、比較例2>
結晶成長用の下地基板として主面が(20−2−1)面、つまり(10−10)面から−c軸([000−1])方向に15°傾斜した半極性面である下地基板を各実施例、比較例に付き1枚用意した。その後HVPE装置のリアクター内の基板ホルダーに主面が上向きになるように下地基板をセットした。
実施例1〜3および比較例1と同様の条件下において結晶成長させ、該工程の終了後室温まで降温しGaN結晶を得た。
得られたGaN結晶の膜厚は約1.8mmであった。得られたGaN結晶の積層欠陥をフォトルミネッセンス(PL)測定(LTPL測定)にて評価した。測定温度は10K、
励起光源に中心波長325nmのHe−Cdレーザーを用いた。積層欠陥由来の3.41eVのピーク強度I(BSF)とバンド端発光由来の3.47eVのピーク強度I(D)の強度比I(BSF)/I(D)に着目すると、雰囲気中の水素ガス(H)の濃度が高いほど、強度比I(BSF)/I(D)は小さくなる傾向が確認された。
<実施例7〜9、比較例3>
結晶成長用の下地基板として主面が(30−3−1)面、つまり(10−10)面から−c軸([000−1])方向に10°傾斜した半極性面である下地基板を各実施例、比較例に付き1枚用意した。その後HVPE装置のリアクター内の基板ホルダーに主面が上向きになるように結晶をセットした。
実施例1〜6および比較例1、2と同様の条件下において結晶成長させ、該工程の終了後室温まで降温しGaN結晶を得た。
得られたGaN結晶の膜厚は約1.4mmであった。得られたGaN結晶の積層欠陥をフォトルミネッセンス(PL)測定(LTPL測定)にて評価した。測定温度は10K、励起光源に中心波長325nmのHe−Cdレーザーを用いた。積層欠陥由来の3.41eVのピーク強度I(BSF)とバンド端発光由来の3.47eVのピーク強度I(D)の強度比I(BSF)/I(D)に着目すると、雰囲気中の水素ガス(H)の濃度が高いほど、強度比I(BSF)/I(D)は小さくなる傾向が確認された。
Figure 2014028722
Figure 2014028722
Figure 2014028722

表1〜3から明らかなように、非極性面と半極性面とでは異なる傾向が見られた。これは各面方位での安定性の違いが影響していると考えられる。
(10−10)面のような非極性面は、Ga原子とN原子が同一面上にあるため、バックボンド数が少なく脱離し易いため、安定性が他の面よりも弱いのに対し、(20−2−1)面や(30−3−1)面等の半極性面は、C面に類似した特徴が表れ、バックボンド数が非極性面より多く、安定性が非極性面より高いことが予想される。水素ガス(H)の効果は、表面エッチングにより成長阻害となる不純物原子の除去や2次元成長が促進さ
れるステップ形状が表面に形成されることにあるが、添加量が多すぎるとオーバーエッチングになり逆に表面状態が悪化し、その後の成長にも悪影響を及ぼすと考えられる。
100 リアクター
101 キャリアガス用導入管
102 ドーパントガス用導入管
103 第13族原料用導入管
104 窒素原料用導入管
105 第13族原料用リザーバー
106 ヒーター
107 サセプター
108 排気管
109 下地基板(シード)

Claims (11)

  1. 第13族窒化物からなり非極性面または半極性面を主面とする下地基板を配置した成長部の温度を所定の温度Tまで昇温する昇温工程と、気相成長法により前記下地基板上に第13族窒化物層を成長させる成長工程とを含む第13族窒化物結晶の製造方法であって、
    前記昇温工程が、少なくとも水素ガスを含有する雰囲気にて行われることを特徴とする、第13族窒化物結晶の製造方法。
  2. 前記下地基板の主面の面方位が{10−10}面であり、かつ昇温工程における前記雰囲気がさらに窒素ガスを含有する、請求項1に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
  3. 前記下地基板の主面が5°未満のオフ角を有する、請求項2に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
  4. 前記下地基板の主面が半極性面であり、かつ昇温工程における前記雰囲気中の水素ガスの濃度が50体積%以上である、請求項1に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
  5. 前記下地基板の主面の面方位が、{10−10}面から[0001]方向もしくは[000−1]方向に5°〜30°傾斜した面である、請求項1又は4に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
  6. 前記下地基板が第13族窒化物からなる単一の結晶である、請求項1〜5の何れか1項に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
  7. 前記下地基板が、第13族窒化物からなる複数の結晶を配列したものである、請求項1〜5の何れか1項に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
  8. 前記気相成長法がハイドライド気相成長法である、請求項1〜7の何れか1項に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
  9. 前記温度Tが700℃≦T≦1100℃である、請求項1〜8の何れか1項に記載の第13族窒化物結晶の製造方法
  10. 前記成長工程が、第13族窒化物層の厚みを100μm以上成長させる工程である、請求項1〜9の何れか1項に記載の第13族窒化物結晶の製造方法。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の第13族窒化物結晶の製造方法によって製造された第13族窒化物結晶からなる第13族窒化物基板。
JP2012170166A 2012-07-31 2012-07-31 第13族窒化物結晶の製造方法 Pending JP2014028722A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012170166A JP2014028722A (ja) 2012-07-31 2012-07-31 第13族窒化物結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012170166A JP2014028722A (ja) 2012-07-31 2012-07-31 第13族窒化物結晶の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014028722A true JP2014028722A (ja) 2014-02-13

Family

ID=50201604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012170166A Pending JP2014028722A (ja) 2012-07-31 2012-07-31 第13族窒化物結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014028722A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018058737A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 古河機械金属株式会社 Iii族窒化物半導体基板、及び、iii族窒化物半導体基板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018058737A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 古河機械金属株式会社 Iii族窒化物半導体基板、及び、iii族窒化物半導体基板の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101410950B (zh) 使用纳米结构柔性层和hvpe制造高质量化合物半导体材料的生长方法
JP6031733B2 (ja) GaN結晶の製造方法
JP5295871B2 (ja) Iii族窒化物半導体基板の製造方法
JP5509680B2 (ja) Iii族窒化物結晶及びその製造方法
US20130264606A1 (en) Group iii nitride semiconductor substrate and method for producing the same, and semiconductor light-emitting device and method for producing the same
US10570530B2 (en) Periodic table group 13 metal nitride crystals and method for manufacturing periodic table group 13 metal nitride crystals
JP2013230976A (ja) 窒化物半導体結晶およびその製造方法
JP2005210084A (ja) エピタキシャル基板、半導体積層構造、転位低減方法およびエピタキシャル形成用基板
JP2014088272A (ja) 周期表第13族金属窒化物半導体結晶
JP2013082611A (ja) Iii族窒化物半導体結晶とその製造方法、およびiii族窒化物基板
JP2013075791A (ja) Iii族窒化物半導体結晶の製造方法、iii族窒化物半導体基板およびiii族窒化物半導体結晶
JP2013209274A (ja) 周期表第13族金属窒化物結晶
JP2014028722A (ja) 第13族窒化物結晶の製造方法
JP2013040059A (ja) Iii族窒化物半導体結晶の製造方法、及び該製造方法により製造されるiii族窒化物半導体結晶
JP4612403B2 (ja) Iii族窒化物半導体自立基板の製造方法
JP5942547B2 (ja) Iii族窒化物結晶の製造方法
JP6089821B2 (ja) 周期表第13族金属窒化物半導体結晶
JP2013170096A (ja) 第13族窒化物結晶の製造方法
JP2013209270A (ja) 周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法および当該製造方法によって得られた周期表第13族金属窒化物半導体結晶
JP2014177375A (ja) 周期表第13族金属窒化物半導体結晶
JP2012136418A (ja) Iii族窒化物半導体基板とその製造方法
JP6457442B2 (ja) GaN結晶基板
JP2013199412A (ja) Iii族窒化物半導体結晶の製造方法
JP2013212941A (ja) 周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法および当該製造方法によって得られた周期表第13族金属窒化物半導体結晶
JP2013035696A (ja) Iii族窒化物半導体単結晶の製造方法