JP2005210084A - エピタキシャル基板、半導体積層構造、転位低減方法およびエピタキシャル形成用基板 - Google Patents

エピタキシャル基板、半導体積層構造、転位低減方法およびエピタキシャル形成用基板 Download PDF

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光浩 田中
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Abstract

【課題】低転位密度のIII族窒化物のエピタキシャル基板を提供する。
【解決手段】図1は、第1実施形態に係るエピタキシャル基板1Aの積層構造を示す断面模式図である。エピタキシャル基板1Aは、下地層102、中間層103および目的とするIII族窒化物層104を基材101の上にMOCVD法等を用いて順次にエピタキシャル成長させることにより得られる。エピタキシャル基板1Aでは、下地層102および中間層103もIII族窒化物からなり、中間層103にBを含有させることにより、目的とするIII族窒化物層104の転位密度を下地層の転位密度以下に低下させている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エピタキシャル基板、半導体積層構造、転位低減方法およびエピタキシャル形成用基板に関する。
III族窒化物半導体は、バンドギャップが大きい、絶縁破壊電界が大きいおよび飽和電子移動度が高い等の、他の半導体とは異なる特徴を有する。このため、III族窒化物半導体は、紫外〜緑色領域のLED(発光ダイオード;Light Emitting Diode),LD(レーザーダイオード;Laser Diode)および受光素子等の光デバイスや、高周波特性に優れたHEMT(高電子移動度トランジスタ;High Electron Mobility Transistor)およびHBT(ヘテロバイポーラトランジスタ;Hetero Bipolar Transistor)等の電子デバイスの材料として研究対象となっている。
しかし、III族窒化物半導体の大サイズのバルク単結晶を作製することが現状では困難であるため、上記の光デバイスや電子デバイスに使用される基板は、例えば、MOCVD法(有機金属化学気相成長法;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いてIII族窒化物半導体をサファイアやSiC等の単結晶基材上にヘテロエピタキシャル成長させることにより得られている。
しかし、ヘテロエピタキシャル成長においては基材との格子不整合等に起因する転位が生じるため、転位低減のために様々な試みが行われている。
例えば、特許文献1では、基板とGaN系半導体からなる半導体層群との間に下地層およびバッファ層を設ける技術が開示されている。
なお、非特許文献1では、Bを含むIII族窒化物のエピタキシャル成長に関する技術が開示されている。
特開2002−252177号公報 S.Watanabe et al , "Abstract of 5th International Conference on Nitride Semiconductor" , p.91
しかし、特許文献1の技術は、転位低減に効果はあるものの、製造条件や製造装置の影響が大きく、十分な転位低減効果が得られないことも多かった。
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、低転位密度のIII族窒化物のエピタキシャル基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、エピタキシャル基板であって、基材と、前記基材上にエピタキシャル形成された複数の層とを備え、前記複数の層が、B含有III族窒化物層と、前記B含有III族窒化物層の上に隣接してエピタキシャル形成された、前記B含有III族窒化物層よりも面内格子定数が大きい、目的とするIII族窒化物層とを含むことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のエピタキシャル基板において、前記複数の層が、前記基材と中間層である前記B含有III族窒化物層との間に、前記中間層に隣接してエピタキシャル形成された、下地層であるIII族窒化物層をさらに備え、前記下地層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であり、前記中間層よりも面内格子定数が大きいことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載のエピタキシャル基板において、下地層である前記B含有III族窒化物層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエピタキシャル基板において、前記B含有III族窒化物層における、含有する全III族元素に対するBのモル分率が、前記基材に近い側の界面から前記基材から遠い側の界面に向かって増加するように傾斜が与えられることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエピタキシャル基板において、前記B含有III族窒化物層が複数層からなることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項2または請求項3に記載のエピタキシャル基板において、前記下地層における、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が80%以上であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項2に記載のエピタキシャル基板において、前記下地層に係るIII族窒化物がAlNであることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項2または請求項3に記載のエピタキシャル基板において、前記下地層の(102)面のX線ロッキングカーブ半値幅が1500秒以下であることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項2または請求項3に記載のエピタキシャル基板において、前記下地層の(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が200秒以下であることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項2に記載のエピタキシャル基板において、前記中間層の層厚が100nm以下であることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項2に記載のエピタキシャル基板において、前記中間層の層厚が、隣接層との界面において発生した応力の緩和を実質的に発生させないように決定されることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項2に記載のエピタキシャル基板において、前記中間層の組成が、隣接層との界面において発生した応力の緩和を実質的に発生させないように決定されることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のエピタキシャル基板において、前記基材のエピタキシャル成長面が窒化処理されていることを特徴とする。
請求項14の発明は、エピタキシャル基板上にエピタキシャル形成された目的とするIII族窒化物層の転位低減方法であって、前記目的とするIII族窒化物層の形成に先立って、ひとつ以上の層を基材上にエピタキシャル形成するエピタキシャル工程を実行するとともに、前記エピタキシャル工程が、前記目的とするIII族窒化物層よりも面内格子定数が小さいB含有III族窒化物層を前記目的とするIII族窒化物層に隣接するように形成する第1形成工程を含むことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14に記載の転位低減方法において、前記エピタキシャル工程が、中間層である前記B含有III族窒化物層よりも面内格子定数が大きいIII族窒化物層を前記B含有III族窒化物層に隣接するように下地層として形成する第2形成工程をさらに備え、前記第2形成工程が前記第1形成工程に先だって行われ、前記下地層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であることを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項14に記載の転位低減方法において、下地層である前記B含有III族窒化物層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であることを特徴とする。
請求項17の発明は、半導体積層構造であって、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載にエピタキシャル基板と、前記エピタキシャル基板上に形成されたIII族窒化物半導体層群とを備えることを特徴とする。
請求項18の発明は、目的とするIII族窒化物層のエピタキシャル形成用に供されるエピタキシャル形成用基板であって、基材と、前記基材上にエピタキシャル形成されたひとつ以上の層とを備え、前記ひとつ以上の層が、目的とするIII族窒化物層よりも面内格子定数が小さいB含有III族窒化物層を含むことを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項18に記載のエピタキシャル形成用基板において、前記ひとつ以上の層が、前記基材と中間層である前記B含有III族窒化物層との間に、前記中間層に隣接してエピタキシャル形成された、下地層であるIII族窒化物層をさらに備え、前記下地層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であり、前記中間層よりも面内格子定数が大きいことを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項18に記載のエピタキシャル形成用基板において、下地層である前記B含有III族窒化物層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であることを特徴とする。
請求項1〜請求項16および請求項18〜請求項20の発明によれば、低転位密度のIII族窒化物層がエピタキシャル形成されたエピタキシャル基板を得ることができる。
また、請求項4または請求項5の発明によれば、より低転位密度のIII族窒化物層がエピタキシャル形成されたエピタキシャル基板を得ることができる。
また、請求項17の発明によれば、特性が良好な半導体素子の作製に利用可能な半導体積層構造を得ることができる。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るエピタキシャル基板1Aの積層構造を示す断面模式図である。エピタキシャル基板1Aは、下地層102、中間層103および目的とするIII族窒化物層104を基材101の上に各種薄膜形成法を用いて順次にエピタキシャル成長させることにより得られる。たとえば、MOCVD法、HVPE法(ハイドライド気相エピタキシャル成長法;Hydride Vapor Phase Epitaxy)、などのCVD法(化学気相成長法;Chemical Vapor Deposition)、MBE法(分子線エピタキシ法;Molecular Beam Epitaxy)を用いることができる。CVD法としては、PALE法(パルス原子層エピタキシ法;Pulsed Atomic Layer Epitaxy)、プラズマアシスト法やレーザーアシスト法などを適用することもできるし、MBE法に関しても、同様な技術を併用することが可能である。エピタキシャル基板1Aでは、下地層102および中間層103もIII族窒化物からなり、中間層103にBを含有させることにより、目的とするIII族窒化物層104の転位密度を下地層102の転位密度以下に低下させている。換言すれば、基材101、下地層102および中間層103は、目的とする低転位密度のIII族窒化物層104のエピタキシャル形成に供するエピタキシャル形成用基板となっている。
基材101の材質は、例えば、サファイア,ZnO,LiAlO2,LiGaO2,MgAl24,(LaSr)(AlTa)O3,NdGaO3,MgOといった各種酸化物材料,Si,Geといった各種IV族単結晶、SiC、SiGeといった各種IV−IV族化合物,GaAs,AlN,GaN,AlGaNといった各種III―V族化合物およびZrB2といった各種ホウ化物の単結晶から適宜選択される。基材101のエピタキシャル成長面は、エピタキシャル成長させる層の表面平坦性を確保するために、C面のIII族窒化物層をエピタキシャル成長可能な面であることが望ましい。特に、エピタキシャル成長面105および基材101の材質は、エピタキシャル成長させる層の結晶品質を向上するため、A面・C面サファイア単結晶、C面4H―SiC・6H−SiC単結晶およびC面III族窒化物単結晶から選択されることが望ましい。ここでいうA面およびC面は、それぞれ、結晶面の(11−20)面および(0001)面を意味する。基材101の厚みは制限されないが、100μm〜3000μmの範囲が好適である。さらに、エピタキシャル成長される層の結晶品質を向上するために、基材101のエピタキシャル成長面(主面)105に窒化処理を行うことも望ましい。この場合、下地層102の転位密度を1011/cm2以下、好ましくは5×1010/cm2以下、さらに好ましくは1010/cm2以下とすることができる。下地層102の転位密度をこのように1011/cm2以下に低下させることにより、下地層上に成長するIII属窒化物層の転位密度を1010/cm2以下まで特に効果的に低減させることができる。これにより、エピタキシャル基板1Aを発光デバイスの作製に用いた場合の発光効率や電子デバイスの作製に用いた場合の電気特性を向上可能である。下地層102は、一般式がBwAlxGayInzN(w+x+y+z=1)で表現されるIII族窒化物よりなる。下地層102は、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上(x≧0.5)、好ましくは80%以上(x≧0.8)であることが望ましい。より好ましくは、下地層102はAlNよりなる(x=1)。下地層102の組成としてAlNが最も望ましい形態である理由は、下地層のAlの組成が下地層上に成長するIII族窒化物層のAlの組成より大きく、かつ、両層のAlの組成差が大きいほどそのIII族窒化物層の転位密度を低減できるからである。その上、AlNは、組成ばらつきが生じないという利点も持つ。ただ、下地層102のAl組成を減らした場合、前記転位低減の効果は抑制されるものの、MOCVDでの最適な成膜温度を下げることができ、下地層102のAlの組成を抑えることはプロセスの観点から利点を持つため、下地層のAl組成をある程度まで低く抑えることも可能である。特に、Alのモル分率が80%以上であれば、AlNとほぼ同条件でAlNと同品質の下地層102を形成することができる。ただし、下地層102が、製造工程において不可避的に混入するコンタミネーション等を層特性が本質的に変化しない範囲で含有することは妨げられない。この点は、以後説明する各層においても同様である。下地層102の結晶品質が低下するとIII族窒化物層104の結晶品質へも悪影響を与えるので、下地層102の結晶品質は良好であることが望まれる。具体的には、下地層102は、結晶の配向のゆらぎの指標となる(002)面のωスキャンでのX線ロッキングカーブ測定におけるX線ロッキングカーブ半値幅(以下では、単に「ロッキングカーブ半値幅」とも称する)が200秒以下、好ましくは100秒以下であることが望まれる。また、結晶の面内配向のゆらぎの指標となる(102)面のロッキングカーブ半値幅は1500秒以下であることが望ましい。また、下地層102の厚みは、0.01μm以上、好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。下地層102の厚みの上限は特に制限されないが、クラックや剥離の発生防止を考慮して適宜決定する。
中間層103は、一般式がBwAlxGayInzN(w+x+y+z=1)で表現されるIII族窒化物よりなる。中間層103の具体的組成は、中間層103の面内格子定数が、下地層102およびIII族窒化物層104の面内格子定数より小さくなるように選択される。これにより、下地層102と中間層103との界面106および中間層103とIII族窒化物層104との界面107には格子不整合による応力が生ずる。なお、中間層103の厚みは、100nmを超えるとIII族窒化物層104の転位低減効果が低下するのみならずクラックが発生することがあるので、100nm以下であることが望ましい。
III族窒化物層104は、一般式がAlxGayInzN(x+y+z=1)で表現されるIII族窒化物よりなる。当該III族窒化物には、必要に応じて、Mg,Be,Zn,Si,GeおよびP等のドナーまたはアクセプタがドープされる。また、図1では、III族窒化物層104は、単一の層として表現されているが、III族窒化物層104が複数の層から構成されてもよい。
エピタキシャル基板1Aでは、上述の応力をIII族窒化物層104の転位の低減に利用している。すなわち、中間層103にBを含有させて中間層103の面内格子定数を小さくすることにより、転位低減に有効な応力を中間層103とその隣接層(下地層102およびIII族窒化物層104)との界面106および107に生じせめている。したがって、中間層103の組成は、転位低減に有効な応力を発生する範囲に選択されることが好ましい。また、中間層103の厚みが上述の限界を超えて厚くなった場合も、応力の緩和が起こり転位低減効果が低下する。さらに、下地層102の平坦性が損なわれた場合も、界面形状の荒れによる応力緩和が起こり、III族窒化物層104の転位低減効果が低下する。なお、中間層103の中のB含有量は均一であっても転位低減に有効であるが、界面106から界面107に向かってB含有量が増加するような組成傾斜を与えることにより、より優れた転位低減効果を発現させることもできる。このような組成傾斜の具体例は後述する実施例において示される。
なお、上述のB導入による面内格子定数の減少は、主要なIII族窒化物であるBN,AlN,GaNおよびInNの中では、BNが他の3者よりも著しく小さい格子定数を有することを利用したものである。しかし、室温で最も安定な結晶系はBNと他の3者とでは異なるので、結晶系に影響を与えるほど多量のBを導入すること好ましくなく、Bのモル分率の上限は20%とすることが望まれる。この点は、後述する第2実施形態においても同様である。
また、この転位低減の効果は、一般に低転位化が困難となるIII族窒化物104がAlを含む場合により顕著であり、III族窒化物104における全III族元素に対するAlのモル分率が20%以上、望ましくは50%以上、さらに望ましくは100%(AlN)の場合に適用することが望ましい。また、エピタキシャル基板1Aの上にさらに半導体性を付与された層を含む半導体層をエピタキシャル形成することにより、優れた特性を有する半導体素子を作製することが可能である。
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態に係るエピタキシャル基板1Bの積層構造を示す断面模式図である。エピタキシャル基板1Bは、下地層112および目的とするIII族窒化物層113を基材111の上にMOCVD法を用いて順次にエピタキシャル成長させることにより得られる。エピタキシャル基板1Bでは、下地層112もIII族窒化物からなり、下地層112にBを含有させることにより、III族窒化物層113の転位密度を下地層112の転位密度以下に低下させている。換言すれば、基材111および下地層112は、目的とする低転位密度のIII族窒化物層113のエピタキシャル形成に供するエピタキシャル基板となっている。
基材111には、第1実施形態の基材101と同様の基材を採用可能である。
下地層112は、一般式がBwAlxGayInzN(w+x+y+z=1)で表現されるIII族窒化物よりなる。下地層112は、全III族元素に対するAl元素のモル分率が50%以上(x≧0.5)、好ましくは80%以上(x≧0.8)であることが望ましい。また、下地層112は、第1実施形態の下地層102と同程度の良好な結晶性を有することが望まれる。また、下地層112の厚みは、第1実施形態の下地層102と同程度の厚みであることが好ましい。
III族窒化物層113は、第1実施形態と同様に、一般式がBwAlxGayInzN(w+x+y+z=1)で表現されるIII族窒化物よりなる。当該III族窒化物には、必要に応じて、Mg,Be,Zn,Si,GeおよびP等のドナーまたはアクセプタがドープされる。また、図2でも、III族窒化物層113は、単一の層として表現されているが、III族窒化物層113が複数の層から構成されてもよい。
エピタキシャル基板1Bでは、第1実施形態と同様に、応力をIII族窒化物層113の転位の低減に利用している。なお、第2実施形態においては、下地層112にBを含有させて面内格子定数を小さくすることにより、転位低減に有効な応力を下地層112とその隣接層であるIII族窒化物層113との界面115に生じせめている。したがって、下地層112の組成は転位低減に有効な応力を発生する範囲内で選択されることが望ましい。さらに、下地層112の平坦性が損なわれた場合も、界面形状の荒れによる応力緩和が起こり、III族窒化物層113の転位低減効果が低下してしまう。また、第1実施形態と同様に、下地層23の中のB含有量に傾斜を与えることも、転位密度の更なる低減に有効である。
また、この転位低減の効果は、一般に低転位化が困難となるIII族窒化物113がAlを含む場合により顕著であり、III族窒化物113における全III族元素に対するAlのモル分率が20%以上、望ましくは50%以上、さらに望ましくは100%(AlN)の場合に適用することが望ましい。
また、エピタキシャル基板1Bの上にさらに半導体性を付与された層を含む半導体層をエピタキシャル形成することにより、優れた特性を有する半導体素子を作製することが可能である。
<製造装置>
図3は、エピタキシャル基板1Aおよび1Bの製造装置2の断面模式図である。製造装置2は、III族有機金属ガスを原料ガスとして用い、化学気相成長法によってIII族窒化物膜を形成する、いわゆる「MOCVD装置」である。製造装置2は、エピタキシャル基板1Aおよび1Bを作製するための原料ガスを、基材11の主面上に流すことができるように構成されている。
製造装置2は、反応性ガスを基材11の主面に導入するための反応性ガス導入管31を備える。反応性ガス導入管31は、気密の反応容器21の内部に設置され、その2つの外部端は、それぞれ、反応性ガスの導入口22および排気口24となっている。また、反応性ガス導入管31には、基材11の主面上に反応性ガスを接触させるための開口部31hが設けられている。
導入口22には、配管系L1およびL2が接続される。
配管系L1は、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を供給するための配管系である。
一方、配管系L2は、TMA(トリメチルアルミニウム;Al(CH33)、TMG(トリメチルガリウム;Ga(CH33)、TMI(トリメチルインジウム;In(CH33)、TEB(トリエチルボロン;B(C253)、CP2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム;Mg(C552)、シランガス(SiH4)、窒素ガスおよび水素ガスを供給するための配管系である。CP2Mgおよびシランガスは、それぞれ、III族窒化物においてアクセプタおよびドナーとなるMgおよびSiの原料であるので、使用するアクセプタおよびドナーに応じて適宜変更しうる。
なお、TMA、TMG、TMI、TEBおよびCP2Mgの供給源24d〜24hは、バブリングを行うために、窒素ガスの供給源24bに接続されている。同様に、TMA、TMG、TMI、TEBおよびCP2Mgの供給源24d〜24hは、水素ガスの供給源24cに接続される。
製造装置2では、水素ガスもしくは窒素ガス又はこれらの混合ガスがキャリアガスとなる。また、全てのガス供給系は、流量計によりガス流量を制御可能となっている。製造装置2では、各ガスの流量を適宜に制御することにより、単相も含めた様々な混晶組成を有するIII族窒化物をエピタキシャル成長させることが可能になる。
また、排気口24には、反応性ガス導入管31の内部のガスを強制排気する真空ポンプ27が接続されている。
反応容器21の内部には、基材11を載置する基材台(サセプタ)28と、基材台28を反応容器21の内部に支持する支持脚29とが設けられる。基材台28の温度は、その直下に設けられたヒータ30を用いて制御可能である。ヒータ30は、例えば、抵抗加熱式のヒータである。製造装置2では、基材11と密着している基材台28の温度を変更することにより、エピタキシャル層の成長温度を変化させることが可能である。換言すれば、MOCVD法におけるエピタキシャル成長温度は、ヒータ30によって可変とされている。
本実施の形態に係るエピタキシャル基板1Aおよび1Bの製造方法の具体例と、当該エピタキシャル基板1Aおよび1Bの品質評価結果の具体例とを以下の実施例1〜4に示す。なお、実施例1〜3は第1実施形態に係る実施例であり、実施例4は第2実施形態に係る実施例である。また、実施例5は、実施例4のエピタキシャル基板上にさらにIII族窒化物半導体層群をエピタキシャル成長させた半導体積層構造に関する実施例である。
また、本願発明の範囲外となるエピタキシャル基板の製造方法と、当該エピタキシャル基板の品質評価結果とを以下の比較例1に示す。
<実施例1>
図4は、実施例1に係るエピタキシャル基板1Aの製造の工程フローを示す図である。
実施例1では、直径が2インチ、厚さが430μmの略円形状のC面サファイア単結晶を基材101として使用した。エピタキシャル成長面は、C面サファイア単結晶の(001)面である(実施例1〜5、比較例1も同様)。
実施例1に係るエピタキシャル基板1Aでは、下地層102、中間層103およびIII族窒化物層104の組成は、それぞれ、AlN、Al0.980.02NよびAl0.4Ga0.6Nである。中間層103の組成は、面内格子定数が下地層102およびIII族窒化物層104より小さくなるように選択されている。
以下では、実施例1に係るエピタキシャル基板1Aの製造の工程フローについて図4を参照しながら説明する。
最初に、エピタキシャル成長面(基材表面)105を洗浄した(ステップS1)。洗浄には、有機溶剤および硫酸(H2SO4)と過酸化水素水(H22)との混合液を用いた。
次に、基材台28に基材101を載置し(ステップS2)、基材101のエピタキシャル成長面105のサーマルクリーニングを行った(ステップS3)。サーマルクリーニングは、反応性ガス導入管31の内圧を10Torrに保持した状態で水素ガスを基材101のエピタキシャル成長面105の上に流速2m/secで流し、基材101を1200℃で10分間保持することにより行った。なお、以後の処理においては、2m/secの総ガス流速を維持するように水素ガス流量を調整した。サーマルクリーニングにより、エピタキシャル成長面105が洗浄されるとともに、エピタキシャル成長面105の再結晶化(水素アニール)も進行させることができる。
サーマルクリーニングに続き、エピタキシャル成長面105の窒化処理を行った(ステップS4)。窒化処理は、基材温度を1200℃に保持した状態で、アンモニアガスを分圧が2Torrになるように反応性ガス導入管31に導入することにより行った。窒化時間は、基材表面の窒素原子濃度が7mol%となるように調整した。
窒化処理終了後、アンモニアガスの導入を一旦停止して基材温度を1250℃に変更し、下地層102のエピタキシャル形成を行った(ステップS5)。下地層102の形成は、アンモニアガス、およびTMAをキャリアガスとともに反応性ガス導入管31に導入することにより行った。これにより、1μm厚の下地層102が基材101の上に形成された。当該工程により得られた下地層102の(002)面および(102)面のロッキングカーブ半値幅を測定したところ、それぞれ、90秒および1100秒であり、転位密度は2×1010/cm2下地層102の結晶性は良好であった。
続いて、基板温度を1100℃に変更して、中間層103のエピタキシャル形成を行った(ステップS6)。中間層103の形成は、アンモニアガス、TMAおよびTEBをキャリアガスとともに反応性ガス導入管31に導入することにより行った。これにより、20nm厚の中間層103が形成された。
さらに続いて、III族窒化物層104をエピタキシャル形成した(ステップS7)。III族窒化物層104の形成は、基材温度を1150℃へ変更して、アンモニアガスおよびTMGをキャリアガスとともに反応性ガス導入管31に導入することにより行った。これにより、1μm厚のIII族窒化物層104が形成された。カソードルミネセンスによるダークスポット観察によりIII族窒化物(Al0.4Ga0.6N)層104の転位密度を測定したところ、1×109/cm2であり、低転位密度のIII族窒化物層104を得られていることが確認できた。
<実施例2>
図5は、実施例2に係るエピタキシャル基板1Aの積層構造を示す図である。
実施例2に係るエピタキシャル基板1Aは、中間層103が複数の層103a〜103cからなる点が実施例1と異なり、基材101、下地層102およびIII族窒化物層104は実施例1と同等である。さらに実施例2では、中間層103におけるB含有量が、基材に近い側の界面106から、基材から遠い側の界面107に向かって不連続的に(ステップ状に)増加している。具体的には、実施例2では、層103a〜103cの組成がAl0.980.02N、Al0.970.03NおよびAl0.960.04Nと不連続的に変化している。このようなエピタキシャル基板1Aは、図4に示す工程フローのステップS6において、反応性ガスの混合比を不連続的に変化させることにより得られた。このようにして得られた層103a〜103cの層厚が各15nm(合計45nm)のエピタキシャル基板1AについてIII族窒化物層(Al0.4Ga0.6N)104の転位密度を測定したところ8×108/cm2であり、実施例1よりも低転位密度のIII族窒化物層104を得られていることを確認できた。
<実施例3>
実施例3に係るエピタキシャル基板1Aは、中間層103におけるB含有量が、界面106から界面107に向かって連続的に増加するように傾斜している点が実施例1と異なり、基材101、下地層102およびIII族窒化物層104は実施例1と同等である。具体的には、実施例3では、中間層103の組成がAl0.980.02NからAl0.960.04Nへと連続的に変化している。このようなエピタキシャル基板1Aは、図4に示す工程フローのステップS6において、反応性ガスの混合比を連続的に変化させることにより得られた。このようにして得られたエピタキシャル基板1AについてIII族窒化物層104の転位密度を測定したところ8×108/cm2であり、実施例1よりも低転位密度のIII族窒化物層104を得られていることを確認できた。
<比較例1>
比較例1に係るエピタキシャル基板1Aは、中間層を形成しない点のみが実施例1と異なり、基材101、下地層102およびIII族窒化物層104は実施例1と同等である。このようにして得られたエピタキシャル基板1AについてIII族窒化物層104の転位密度を測定したところ、3×109/cm2であり、実施例1よりも転位が顕著に増加していることを確認できた。
<実施例4>
図6は、実施例4に係るエピタキシャル基板1Bの製造の工程フローを示す図である。
第2実施形態に係る実施例4では、下地層112およびIII族窒化物層113の組成は、それぞれ、Al0.990.01NおよびAlNである。下地層112の組成は、面内格子定数がIII族窒化物層113より小さくなるように選択されている。
実施例4では、まず、実施例1と同様の条件および手順で基材111の窒化処理までを行った(ステップS11〜S14)。
窒化処理終了後、アンモニアガスの導入を一旦停止して基材温度を1200℃に変更し、下地層112のエピタキシャル形成を行った(ステップS15)。下地層112の形成は、アンモニアガス、TMAおよびTEBをキャリアガスとともに反応性ガス導入管31に導入することにより行った。これにより、1μm厚の下地層112が基材111の上に形成された。当該工程により得られた下地層112の(002)および(102)面のロッキングカーブ半値幅を測定したところ、それぞれ、90秒および1300秒であった。
続いて、III族窒化物層113をエピタキシャル形成した(ステップS16)。III族窒化物層113の形成は、基材温度を1200℃に変更して、アンモニアガスおよびTMAをキャリアガスとともに反応性ガス導入管31に導入することにより行った。これにより、1μm厚のIII族窒化物層113が形成された。カソードルミネセンス測定によるダークスポット観察によりIII族窒化物層113の転位密度を測定したところ、8×109/cm2であり、下地層112をAlNとして、直接基材111上に形成した場合の転位密度2×1010/cm2より低い転位密度のIII族窒化物層113を得られていることが確認できた。
<実施例5>
図7は、実施例5に係る半導体積層構造3を示す断面模式図である。
半導体積層構造3は、実施例4のエピタキシャル基板1Bの上に、さらにIII族窒化物半導体層301〜303をエピタキシャル成長させて得られる。III族窒化物半導体層301〜303は、ぞれぞれ、nタイプAl0.4Ga0.6N、Al0.29Ga0.7In0.01NおよびpタイプAl0.4Ga0.6Nなる平均組成を有する。
続いて、半導体積層構造3の製造方法を図8に示す工程フローを参照しながら説明する。
まず、実施例4と同様の条件および手順でエピタキシャル基板1Bの作製までを行った(ステップS21〜S26)。
続いて、基材温度を1150℃へ変更して、III族窒化物半導体層301〜303のエピタキシャル形成を行った(ステップS27)。III族窒化物半導体層301〜303の形成に当たっては、最初に、アンモニアガス、シランガス、TMAおよびTMGをキャリアガスとともに反応性ガス導入管31へ導入し、層厚2μmのIII族窒化物半導体層301を形成した。さらに、アンモニアガス、TMAおよびTMGをキャリアガスとともに反応性ガス導入管31へ導入した。これにより、層厚0.5nmのIII族窒化物半導体層302が形成された。さらに続けて、TMAおよびTMGおよびCP2Mgをキャリアガスとともに反応性ガス導入管31へ導入した。これにより、層厚200nmのIII族窒化物半導体層303が形成された。
このようにして得られた半導体積層構造3は、低転位密度のエピタキシャル基板1B上にIII族窒化物半導体層301〜303が形成されているので、良好な特性を有する半導体発光素子の作製に利用可能である。この場合、発光層よりバンドギャップの広い材料を用いているため、光吸収による特性劣化も無い。
実施例1〜4と比較例1とを比較すれば明らかなように、本実施の形態に係るエピタキシャル基板は、目的とするIII族窒化物層の転位密度が小さい高品質の基板となっている。すなわち、B含有III族窒化物層を中間層103または下地層112として利用することにより、目的とするIII族窒化物層の転位密度を低減できている。また、実施例2および実施例3から明らかなように、B含有III族窒化物層においてB含有量に傾斜を与えることにより、目的とするIII族窒化物層の転位をさらに低減できている。
<変形例>
実施例1〜5においては、目的とするIII族窒化物層104または113の組成はGaNまたはAlNであったが、一般式BwAlxGayInzN(w+x+y+z=1)で表現される組成であっても同様の転位低減効果が得られる。また、BwAlxGayInzN(w+x+y+z=1)で表現される組成を有するIII族窒化物に、Mg,Be,Zn,Si,GeおよびP等のドナーおよびアクセプタを含有させた場合も同等の転位低減効果が得られる。また、転位低減の効果をより高めるために、Bを含む中間層を複数層挿入することもできる。
第1実施形態に係るエピタキシャル基板1Aの積層構造を示す断面模式図である。 第2実施形態に係るエピタキシャル基板1Bの積層構造を示す断面模式図である。 実施の形態に係るエピタキシャル基板1Aおよび1Bの製造装置2の断面模式図である。 実施例1に係るエピタキシャル基板1Aの製造の工程フローを示す図である。 実施例2に係るエピタキシャル基板1Aの積層構造を示す断面模式図である。 実施例4に係るエピタキシャル基板1Bの製造の工程フローを示す図である。 実施例5に係る半導体積層構造3を示す断面模式図である。 実施例5に係る半導体積層構造3の製造の工程フローを示す図である。
符号の説明
1A,1B エピタキシャル基板
11 基材
28 基材台
30 ヒータ
31 反応性ガス導入管

Claims (20)

  1. エピタキシャル基板であって、
    基材と、
    前記基材上にエピタキシャル形成された複数の層と、
    を備え、
    前記複数の層が、
    B含有III族窒化物層と、
    前記B含有III族窒化物層の上に隣接してエピタキシャル形成された、前記B含有III族窒化物層よりも面内格子定数が大きい、目的とするIII族窒化物層と、
    を含むことを特徴とするエピタキシャル基板。
  2. 請求項1に記載のエピタキシャル基板において、
    前記複数の層が、
    前記基材と中間層である前記B含有III族窒化物層との間に、前記中間層に隣接してエピタキシャル形成された、下地層であるIII族窒化物層をさらに備え、
    前記下地層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であり、前記中間層よりも面内格子定数が大きいことを特徴とするエピタキシャル基板。
  3. 請求項1に記載のエピタキシャル基板において、
    下地層である前記B含有III族窒化物層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であることを特徴とするエピタキシャル基板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエピタキシャル基板において、
    前記B含有III族窒化物層における、含有する全III族元素に対するBのモル分率が、前記基材に近い側の界面から前記基材から遠い側の界面に向かって増加するように傾斜が与えられることを特徴とするエピタキシャル基板。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエピタキシャル基板において、
    前記B含有III族窒化物層が複数層からなることを特徴とするエピタキシャル基板。
  6. 請求項2または請求項3に記載のエピタキシャル基板において、
    前記下地層における、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が80%以上であることを特徴とするエピタキシャル基板。
  7. 請求項2に記載のエピタキシャル基板において、
    前記下地層に係るIII族窒化物がAlNであることを特徴とするエピタキシャル基板。
  8. 請求項2または請求項3に記載のエピタキシャル基板において、
    前記下地層の(102)面のX線ロッキングカーブ半値幅が1500秒以下であることを特徴とするエピタキシャル基板。
  9. 請求項2または請求項3に記載のエピタキシャル基板において、
    前記下地層の(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が200秒以下であることを特徴とするエピタキシャル基板。
  10. 請求項2に記載のエピタキシャル基板において、
    前記中間層の層厚が100nm以下であることを特徴とするエピタキシャル基板。
  11. 請求項2に記載のエピタキシャル基板において、
    前記中間層の層厚が、隣接層との界面において発生した応力の緩和を実質的に発生させないように決定されることを特徴とするエピタキシャル基板。
  12. 請求項2に記載のエピタキシャル基板において、
    前記中間層の組成が、隣接層との界面において発生した応力の緩和を実質的に発生させないように決定されることを特徴とするエピタキシャル基板。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のエピタキシャル基板において、
    前記基材のエピタキシャル成長面が窒化処理されていることを特徴とするエピタキシャル基板。
  14. エピタキシャル基板上にエピタキシャル形成された目的とするIII族窒化物層の転位低減方法であって、
    前記目的とするIII族窒化物層の形成に先立って、ひとつ以上の層を基材上にエピタキシャル形成するエピタキシャル工程を実行するとともに、
    前記エピタキシャル工程が、
    前記目的とするIII族窒化物層よりも面内格子定数が小さいB含有III族窒化物層を前記目的とするIII族窒化物層に隣接するように形成する第1形成工程を含むことを特徴とする転位低減方法。
  15. 請求項14に記載の転位低減方法において、
    前記エピタキシャル工程が、
    中間層である前記B含有III族窒化物層よりも面内格子定数が大きいIII族窒化物層を前記B含有III族窒化物層に隣接するように下地層として形成する第2形成工程をさらに備え、
    前記第2形成工程が前記第1形成工程に先だって行われ、
    前記下地層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であることを特徴とする転位低減方法。
  16. 請求項14に記載の転位低減方法において、
    下地層である前記B含有III族窒化物層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であることを特徴とする転位低減方法。
  17. 半導体積層構造であって、
    請求項1ないし請求項13のいずれかに記載にエピタキシャル基板と、
    前記エピタキシャル基板上に形成されたIII族窒化物半導体層群と、
    を備えることを特徴とする半導体積層構造。
  18. 目的とするIII族窒化物層のエピタキシャル形成用に供されるエピタキシャル形成用基板であって、
    基材と、
    前記基材上にエピタキシャル形成されたひとつ以上の層と、
    を備え、
    前記ひとつ以上の層が、目的とするIII族窒化物層よりも面内格子定数が小さいB含有III族窒化物層を含むことを特徴とするエピタキシャル形成用基板。
  19. 請求項18に記載のエピタキシャル形成用基板において、
    前記ひとつ以上の層が、
    前記基材と中間層である前記B含有III族窒化物層との間に、前記中間層に隣接してエピタキシャル形成された、下地層であるIII族窒化物層をさらに備え、
    前記下地層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であり、前記中間層よりも面内格子定数が大きいことを特徴とするエピタキシャル形成用基板。
  20. 請求項18に記載のエピタキシャル形成用基板において、
    下地層である前記B含有III族窒化物層は、転位密度が1×1011/cm2以下であり、含有する全III族元素に対するAlのモル分率が50%以上であることを特徴とするエピタキシャル形成用基板。
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