JP2003282863A - ショットキーデバイス - Google Patents
ショットキーデバイスInfo
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Abstract
るショットキーデバイスを提供できるとともに、ブレイ
クダウン電圧の絶対値の増大に起因して大電流大容量タ
イプのショットキーデバイスを提供する。 【解決手段】基板1上に、転位密度1011/cm2以
下、(002)面におけるX線ロッキングカーブにおけ
る半値幅90秒以下の、Alを含む窒化物からなる下地
層2をエピタキシャル成長させ、この下地層2上に、転
位密度1010/cm2以下であり、(002)面にお
けるX線ロッキングカーブ半値幅が150秒以下の、A
l、Ga、及びInの少なくとも一つを含む窒化物から
なる導電層3をエピタキシャル成長させる。そして、導
電層3上にAl/Niからなるショットキー電極4を設
けるとともに、Al/Tiからなるオーミック電極5を
設ける。
Description
イスに関し、詳しくはショットキーダイオードなどとし
て好適に使用することのできるショットキーデバイスに
関する。
れ、レーザ・プラズマといった高電圧・大電流が必要と
される機器への応用が進められている。そうした応用に
対して、高効率の電力変換効率を有し、大電力でのスイ
ッチング特性に優れた半導体電子デバイスに対する需要
が急速に増大している。特に、ショットキーダイオード
などのショットキーデバイスは、このような電子デバイ
スとして着目されている。
一例を示す構成図である。図1に示すショットキーダイ
オード10は、サファイア単結晶などからなる基板1上
において、GaNなどからエピタキシャル成長された下
地層2及びi−GaNなどからエピタキシャル成長され
た導電層3を具えている。そして、導電層3上において
Al/Niなどからなるショットキー電極4を具えると
ともに、その外周部においてAl/Tiなどからなるオ
ーミック電極5を具えている。
出した導電層3の表面の荒れを防止すべく、導電層3
の、電極4及び5間にパッシベーション膜(図示せず)
を作製することができる。また、導電層3の、電極4及
び5間にMg2+などのイオン注入を行なってイオン注
入層6を形成し、電極4から電極5への横方向への空乏
層の広がりを抑制することもできる。なお、図中の矢印
は、電流の流れる方向を示している。
ドの電流−電圧特性を示す図である。図2から明らかな
ように、ショットキー電極4を正電位、オーミック電極
5を負電位として、両者の電極間に印加する電圧の大き
さを増大させていくと、図2のグラフの右半分で示すよ
うに、しきい値を越えた電圧レベルにおいて、図1中の
矢印で示すように電流が流れ、電圧の増大に伴って電流
値が急激に増大するようになる。
ミック電極5を正電位として、両者の電極間に印加する
電圧の大きさを増大させていくと、図2のグラフの左半
分で示すように、微小なリーク電流が流れるのみで、電
極間には電流が流れずに整流性を呈するようになる。し
かしながら、印加する電圧の大きさをさらに増大させ、
ショットキーダイオード10のブレイクダウン電圧より
も大きな電圧が印加されるようになると、上述した整流
性が破壊され、オーミック電極5からショットキー電極
4に向けて電流が流れるようになる。
ダイオードにおいては、リーク電流ができるだけ小さい
ことが望まれているとともに、大電流大容量タイプのシ
ョットキーダイオードにおいては、上述したブレイクダ
ウン電圧の絶対値ができるだけ大きいことが望まれてい
る。しかしながら、図1に示すような構成のショットキ
ーダイオードでは、現状において、リーク電流は数nA
の大きさであり、ブレイクダウン電圧の絶対値は300
0V程度である。したがって、リーク電流をより低減す
るとともに、大電流大容量タイプへの応用を可能とすべ
く、さらなるブレイクダウン電圧の絶対値を増大させる
ことが望まれている。
にブレイクダウン電圧の絶対値を増大させた、新規なシ
ョットキーダイオードなどのショットキーデバイスを提
供することを目的とする。
本発明は、基板と、この基板上にエピタキシャル成長さ
れたAlを含み、転位密度が10 11/cm2以下であ
り、(002)面におけるX線ロッキングカーブにおけ
る半値幅が100秒以下である第1の窒化物半導体から
なる下地層と、この下地層上にエピタキシャル成長され
たAl、Ga、及びInの少なくとも一つを含み、転位
密度が1010/cm2以下であり、(002)面にお
けるX線ロッキングカーブにおける半値幅が200秒以
下である第2の窒化物半導体からなる導電層とを実質的
に具えることを特徴とする、ショットキーデバイスに関
する。
検討を実施した。その結果、以下に示すような事実を発
見した。図1に示すような従来のショットキーダイオー
ド10では、下地層2は基板1と導電層3との格子定数
差を緩和して、基板1上に導電層3をエピタキシャル成
長させるためのバッファ層として機能するものであっ
た。そのため、下地層2は、例えばMOCVD法によ
り、基板1を500〜600℃の低い温度に加熱して形
成していた。その結果、下地層2の結晶品質は極めて低
く、内部には基板1及び下地層2間のミスフィット転位
などに起因した多量の転位が存在するとともに、その結
晶性も極めて低いものであった。
した導電層3も下地層2の低結晶品質を受け継いで、多
量の転位を含有するとともに、その結晶性も極めて低く
なってしまっていた。
流及びブレイクダウン電圧が、導電層3の結晶品質に由
来するものであると想定し、導電層3の結晶品質に重大
な影響を及ぼす下地層2の結晶品質を向上させることを
試みた。
ら構成するものであるため、従来は、導電層3のエピタ
キシャル成長を実現させるため下地層2も同じGaNか
ら構成することが当然であると考えられていた。そし
て、上述したように、基板1と導電層3との格子定数差
を緩和して導電層3のエピタキシャル成長を可能とすべ
く、下地層2は低温で成膜されていた。なお、導電層3
を構成するGaNは、キャリアを全く含まない場合のみ
ならず、微量な不純物などによってn型化あるいはp型
化された場合をも含むものである。
窒化物から下地層を構成した場合は、前記下地層と基板
との間に生じる格子定数差に起因して、下地層/基板界
面に発生したミスフィット転位が界面で絡まり、前記下
地層内に前記ミスフィット転位に起因した転位が存在し
なくなり、転位密度が低減されることを見出した。
ァ機能を無視して結晶性を向上させた場合においても、
i−GaNからなる導電層を、材料成分の違いにもかか
わらず、前記下地層上に十分にエピタキシャル成長でき
ることを見出した。
導電層は、前記下地層の低転位密度及び高結晶性に起因
して、転位密度が低減されるとともに結晶性も向上す
る。そして、最終的に得たショットキーダイオードのリ
ーク電流は予想通りに低減されるとともに、ブレイクダ
ウン電圧の絶対値も予想通りに大幅に増大できることを
見出したものである。
を低減して実用に供することのできるショットキーデバ
イスを提供できるとともに、ブレイクダウン電圧の絶対
値の増大に起因して大電流大容量タイプのショットキー
デバイスを提供することができる。
に即して詳細に説明する。以下においては、本発明のシ
ョットキーデバイスとしてショットキーダイオードにつ
いて説明する。このショットキーダイオードは、基本的
には図1と同じ構成を有するため、以下においては、図
1と関連させて本発明を説明する。
おいて、下地層2は、Alを含む窒化物からなり、転位
密度が1011/cm2以下、好ましくは101 0/c
m2以下であって、(002)面におけるX線ロッキン
グカーブにおける半値幅が100秒以下、好ましくは5
0秒以下であることが必要である。すなわち、下地層2
は、転位密度及び半値幅が前述した範囲内に規定された
高結晶品質のAl含有窒化物から構成されることが必要
である。
し、転位密度が低減されるとともに、結晶性が向上し、
ショットキーダイオード10のリーク電流を低減できる
とともに、ブレイクダウン電圧を増大させて大電流大容
量の使用に耐え得るようにすることができる。
オード10の導電層3中の転位密度を1010/cm2
以下、好ましくは109/cm2以下まで低減させるこ
とができる。また、(002)面におけるX線ロッキン
グカーブの半値幅を200秒以下、好ましくは150秒
以下にまで向上させることができる。その結果、リーク
電流を1nAまで低減することができ、ブレイクダウン
電圧の絶対値を4000Vまで増大させることができ
る。
上述したミスフィット転位低減などの作用効果を顕著に
発現する。具体的には、下地層2を構成する窒化物中の
全III族元素に対してAlを50原子%以上含むことが
好ましく、さらにはIII族元素の総てがAlから構成さ
れたAlNから構成されることが好ましい。
の少なくとも一つを含んでいることが必要であり、前述
したように、i−GaNから構成することができる。ま
た、ショットキー電極4はAl/Niなどから構成する
ことができ、オーミック電極5はAl/Tiなどから構
成することができる。
ば、Al供給原料ガスとしてトリメチルアルミニウム
(TMA)を用い、窒素供給原料ガスとしてアンモニア
(NH3)を用い、さらに必要に応じてその他の原料ガ
スを用い、これらの原料ガスを、1100℃以上、好ま
しくは1100℃〜1250℃に加熱した基板1上に供
給してMOCVD法により形成することができる。この
ような温度は、上述した従来のバッファ層としての機能
を付与した下地層の形成温度と比較すると極めて高いも
のであり、下地層に対してバッファ機能を付与するとい
う従来の方法からは全く想到することのできない高温度
である。なお、上記温度は、基板1の設定温度である。
1250℃を超えて設定した場合、下地層2を構成する
窒化物の材料組成などに依存した表面の荒れ、さらには
下地層2内における組成成分の拡散を効果的に抑制する
ことができる。これによって、下地層2を構成する窒化
物の材料組成によらずに、下地層2の結晶性を良好な状
態に保持することが可能となるとともに、表面の荒れに
起因する導電層の結晶品質の劣化を効果的に防止するこ
とができる。
10μmの厚さに形成することが好ましく、さらには
0.5μm〜3μmの厚さに形成することが好ましい。
これによって下地層2の結晶品質が向上し、これに伴っ
て導電層3の結晶品質をさらに向上させることができる
ようになる。但し、膜厚を厚くした場合、下地層2内部
でクラックが発生する可能性があるため、用途などに依
存して、適宜選択し、設定する。
む場合において、下地層2内でのクラックの発生を防止
すべく、下地層2を構成する窒化物の成分含有量、具体
的にはAl含有量を基板1側から導電層3側に向かって
連続的又はステップ状に変化させることが好ましい。こ
れによって、下地層2内に発生する引張応力の大きさを
減少し、下地層2又は導電層3におけるクラックの発生
を効果的に防止することができる。
晶、LiAlO2単結晶、LiGaO2単結晶、MgA
l2O4単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、S
i単結晶、SiC単結晶などのIV族あるいはIV−IV族単
結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶、
及びAlGaN単結晶などのIII−V族単結晶、ZrB
2などのホウ化物単結晶などの、公知の基板材料から構
成することができる。
ついては、下地層2を形成すべき主面に対して表面窒化
処理を施すことが好ましい。前記表面窒化処理は、前記
サファイア単結晶基板をアンモニアなどの窒素含有雰囲
気中に配置し、所定時間加熱することによって実施す
る。そして、窒素濃度や窒化温度、窒化時間を適宜に制
御することによって、前記主面に形成される窒化層の厚
さを制御する。
ファイア単結晶基板を用いれば、その主面上に直接的に
形成される下地層2の結晶性をさらに向上させることが
できる。前記表面窒化層は、比較的に薄く、例えば1n
m以下に形成する、又は比較的厚く、例えば、前記主面
から1nmの深さにおける窒素含有量が2原子%以上と
なるように厚く形成することが好ましい。
AlやGaなどのIII族元素の他に、必要に応じてG
e、Si、Mg、Zn、Be、P、及びBなどの添加元
素を含むことができる。また、意識的に添加した元素に
限らず、成膜条件、原料、及び反応管材質に含まれる微
量不純物を含むこともできる。
ようなショットキーダイオードを作製した。2インチ径
の厚さ430μmのサファイア基板をH2SO4+H2O2
で前処理した後、MOCVD装置の中に設置した。その
後、圧力を15Torrに設定して、水素キャリアガス
を流速3m/secとなるように供給した後、ヒータに
より、前記基板を1200℃まで加熱した。
キャリアガスとともに5分間流し、前記基板の主面を窒
化させた。なお、ESCAによる分析の結果、この表面
窒化処理によって、前記主面には窒化層が形成されてお
り、前記主面から深さ1nmにおける窒素含有量が7原
子%であることが判明した。
0m/secで流して、下地層としてのAlN層を厚さ
1μmまでエピタキシャル成長させた。このAlN層の
転位密度は8×109/cm2であり、(002)面に
おけるX線回折ロッキングカーブの半値幅は70秒であ
り、良質のAlN層であることがわかった。
10m/secで流して、導電層としてのi−GaN層
を厚さ10μmにエピタキシャル成長させた。このi−
GaN層の転位密度は2×108/cm2であり、(0
02)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅は12
0秒であった。
iからなるショットキー電極を形成するともに、Al/
Tiからなるオーミック電極を形成した。なお、図1に
示すように、ショットキー電極4とオーミック電極5と
の間には、Mg2 +イオン注入によるイオン注入層6を
形成するとともに、図示しないパッシベーション膜を設
けた。
ドのリーク電流及びブレイクダウン電圧を調べたとこ
ろ、それぞれ0.5nA及び4500Vであった。
℃の低温でGaN下地層を厚さ0.03μmに形成した
以外は、実施例と同様にしてショットキーダイオードを
作製した。i−GaN導電層の転位密度は2×1010
/cm2であり、(002)面におけるX線ロッキング
カーブの半値幅は300秒であった。
キーダイオードのリーク電流及びブレイクダウン電圧を
調べたところ、それぞれ3nA及び2500Vであっ
た。
に、本発明に従って、転位密度及び結晶性が改善され、
結晶品質に優れた下地層を用いた場合は、この下地層上
に形成された導電層の結晶品質も改善され、最終的に得
たショットキーダイオードのリーク電流を低減できると
ともに、ブレイクダウン電圧の絶対値をも増大できるこ
とが判明した。
の実施の形態に即して詳細に説明してきたが、本発明は
上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸
脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能であ
る。例えば、上記においては、ショットキーデバイスと
してリングタイプのショットキーダイオードを中心に述
べてきたが、他の電極構造にしたり、ショットキーデバ
イスを並列あるいは直列に複数配置することもできる。
リーク電流を低減するとともに、ブレイクダウン電圧の
絶対値をも増大させりことができるので、実用かつ大電
流大容量のショットキーダイオードなどのショットキー
デバイスを提供することができる。
例を示す構成図である。
圧特性を示す図である。
電極、5 オーミック電極、6 イオン注入層、10
ショットキーダイオード
Claims (8)
- 【請求項1】基板と、この基板上にエピタキシャル成長
されたAlを含み、転位密度が1011/cm2以下で
あり、(002)面におけるX線ロッキングカーブにお
ける半値幅が100秒以下である第1の窒化物半導体か
らなる下地層と、この下地層上にエピタキシャル成長さ
れたAl、Ga、及びInの少なくとも一つを含み、転
位密度が1010/cm2以下であり、(002)面に
おけるX線ロッキングカーブにおける半値幅が200秒
以下である第2の窒化物半導体からなる導電層とを実質
的に具えることを特徴とする、ショットキーデバイス。 - 【請求項2】 前記下地層を構成する前記第1の窒化物
半導体中におけるAl含有量が、50原子%以上である
ことを特徴とする、請求項1に記載のショットキーデバ
イス。 - 【請求項3】 前記下地層を構成する前記第1の窒化物
半導体は、AlNであることを特徴とする、請求項2に
記載のショットキーデバイス。 - 【請求項4】前記下地層を構成する前記第1の窒化物半
導体は、CVD法により1100℃以上の温度で形成さ
れたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記
載のショットキーデバイス。 - 【請求項5】前記下地層を構成する前記第1の窒化物半
導体は、CVD法により1100℃〜1250℃の温度
で形成されたことを特徴とする、請求項4に記載のショ
ットキーデバイス。 - 【請求項6】前記基板はサファイア単結晶からなり、前
記下地層は前記基板の、表面窒化処理が施された主面上
に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のい
ずれか一に記載のショットキーデバイス。 - 【請求項7】前記下地層を構成する前記第1の窒化物半
導体中の成分含有量が、前記基板側から前記導電層に向
かって連続的又はステップ状に変化していることを特徴
とする、請求項1〜6のいずれか一に記載のショットキ
ーデバイス。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれか一に記載のショッ
トキーデバイスと、このショットキーデバイス上におい
てショットキー電極を具えることを特徴とする、ショッ
トキーダイオード。
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- 2002-03-20 JP JP2002078644A patent/JP3973938B2/ja not_active Expired - Lifetime
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