JP2013116841A - 周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法、周期表第13族金属窒化物半導体基板および周期表第13族金属窒化物半導体結晶 - Google Patents

周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法、周期表第13族金属窒化物半導体基板および周期表第13族金属窒化物半導体結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】径が大きくて厚膜の結晶を切り出すことが可能な周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記式(1)を満たすように周期表第13族金属窒化物半導体結晶を下地基板上に成長させることにより、平坦領域と非平坦領域からなる周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造する。
Figure 2013116841

[V1は前記平坦領域の中心部における前記結晶の成長速度であり、V2は前記平坦領域にあって前記中心部から最も離れた位置における前記結晶の成長速度である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法と、その方法を利用して製造される周期表第13族金属窒化物半導体基板および周期表第13族金属窒化物半導体結晶に関する。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶を用いたLEDなどの半導体発光デバイスは、基板上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させることにより一般に製造されている。このとき、異種基板上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させると結晶欠陥が発生しやすいため、効率のよい半導体発光デバイスを提供することが困難であるが、同種の基板上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させれば結晶欠陥の発生が抑制されるために、高性能な半導体発光デバイスを提供しやすいことが知られている。また、成長に用いる周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板は、結晶欠陥が少ないほど、その上に良好な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長できることも知られている。このため、できるだけ結晶欠陥が少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を提供することが必要とされている。また、近年ではより大型な結晶を製造することが必要とされるようになっており、そのためにサイズが大きな周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を提供することが必要になってきている。
そこで、このような周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板として用いることができるような良質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造する方法が、これまでに種々研究され、幾つかの方法が提案されるに至っている。
例えば非特許文献1には、サファイア基板上にMOCVD法で3μm厚のGaN結晶を成長させた下地基板を用意し、そのC面上にHVPE法によりGaN結晶をc軸方向に成長させる方法が記載されている。この文献には、径が52mmで厚みが5.8mmのGaN結晶を成長させ、径が46mmのピットがない領域を得たことが記載されている。また、得られた結晶をC面と平行に切り出すことによりC面を主面とするGaN結晶基板を得たことも記載されている。
Journal of Crystal Growth 311 (2009) 3011-3014
上記の非特許文献1には、下地基板上にGaN結晶を成長させると周縁部から内側に向かう[10−11]面、[10−12]面、[11−22]面等の傾斜面が現れることが記載されている。また、非特許文献1に記載される方法にしたがって厚膜のGaN結晶を成長させて行くと、中央部が外周部よりも厚い結晶が形成され、下地基板から遠ざかるにしたがって径が小さくなってしまう。このため、下地基板に平行な方向に厚膜の結晶を切り出そうとしても、径が大きくて厚膜の結晶を切り出すことができないという課題があった。また、下地基板に平行な方向に薄膜の結晶を多数枚切りだそうとしても、径が大きな結晶の切り出し枚数が限られてしまうという課題があった。
本発明者らは、このような従来技術の課題に鑑みて、径が大きくて厚膜の結晶を切り出すことが可能な周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法を提供することを目的として鋭意検討を進めた。
本発明者らは、上記の従来技術の課題を解決するために、非特許文献1に記載されている径よりもより大きな径を有する下地基板を用いてGaN結晶を成長させることを検討した。しかしながら、大きな径を有する下地基板を用いて非特許文献1と同様の条件でGaN結晶を成長させると、GaN結晶の成長に伴って周縁部から内側へ向かって異常結晶成長が進行し、ピットが多くて表面の凹凸が激しい外周部が内側へ向かって拡大することが明らかになった。このため、単に径が大きな下地基板を用いて結晶を成長させても、異常成長した外周部を除く中央部から十分な径と厚みを有する結晶を切り出すことができないことが判明した。
同様に、非特許文献1に記載されている径と同等の径を有する下地基板を用いて6mm以上GaN結晶を成長させた場合でも、GaN結晶の成長に伴って周縁部から内側へ向かって異常結晶成長が進行し、ピットが多くて表面の凹凸が激しい外周部が内側へ向かって拡大することが明らかになった。このため、単に厚くGaN結晶を成長させても、異常成長した外周部を除く中央部から十分な径と厚みを有する結晶を切り出すことができないことが判明した。
そこで、本発明者らは、外周部の異常成長を抑えながら結晶を成長させることにより、十分な径と厚みを有する良質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることができるようにすることを目的としてさらなる検討を進めた。その結果、結晶成長面の中の特定の2地点における成長速度を制御することにより、目的を達成できることを見出すに至った。本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、以下の内容を含むものである。
[1] 下記式(1)を満たすように周期表第13族金属窒化物半導体結晶を下地基板上に成長させることにより、平坦領域と非平坦領域からなる周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造することを特徴とする、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
Figure 2013116841
[上式において、V1は前記平坦領域の中心部における前記結晶の成長速度(単位:μm/h)であり、V2は前記平坦領域にあって前記中心部から最も離れた位置における前記結晶の成長速度(単位:μm/h)である。]
[2] 前記結晶を成長させることができる前記下地基板表面の最大径が50mm以上である[1]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[3] 前記中心部における前記結晶の厚みが6.0mm以上になるまで前記結晶の成長を行う[1]または[2]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[4] 前記結晶成長を行う反応容器への周期表第13属金属原料の供給速度が2.6m/min以上である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[5] 周期表第13属金属原料の供給口から前記下地基板までの距離が10cm以下である
[1]〜[4]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[6] 前記結晶の成長時間が50時間以上である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[7] 下記式(3)を満たすように前記結晶を成長させる[1]〜[6]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
Figure 2013116841
[上式において、A1は前記結晶の平坦領域の表面積(単位:mm2)であり、A2は前記結晶を成長させることができる前記下地基板表面の表面積(単位:mm2)である。]
[8] 下記式(4)を満たすように前記結晶を成長させる[1]〜[7]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
Figure 2013116841
[上式において、T1は前記平坦領域の中心部における前記結晶の厚み(単位:mm)であり、T2は前記非平坦領域であって前記中心部から最も離れた位置における前記結晶の厚み(単位:mm)である。]
[9] [1]〜[8]のいずれか1項に記載の製造方法にて得られた周期表第13族金属窒化物半導体結晶を加工して得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板。
[10] [1]〜[8]のいずれか1項に記載の製造方法により製造される周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
[11] 下記式(4)を満たすことを特徴とする、平坦領域と非平坦領域からなる周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
Figure 2013116841
[上式において、T1は前記平坦領域の中心部における前記結晶の厚み(単位:mm)であり、T2は前記平坦領域にあって前記中心部から最も離れた位置における前記結晶の厚み(単位:mm)である。]
本発明の製造方法によれば、下地基板上に良質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶をより大きく成長させることができる。このため、本発明の製造方法により製造される結晶から、良質で径が大きくて厚膜の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を切り出すことが可能である。
本発明の製造方法で用いることができる製造装置の一例を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。例えば、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の代表例としてGaN結晶を例に挙げて説明がなされることがあるが、本発明はGaN結晶およびその製造方法に限定されるものではない。
本明細書において下地基板や結晶の「主面」とは、当該下地基板や結晶における最も広い面であって、結晶成長を行うべき面を指す。本明細書において「C面」とは、六方晶構造(ウルツ鋼型結晶構造)における{0001}面と等価な面であり、極性面である。周期表第13族金属窒化物半導体結晶では、C面は周期表第13族面または周期表第15族面であり、GaNではそれぞれGa面またはN面に相当する。また、本明細書において「M面」とは、{1−100}面として包括的に表される非極性面であり、具体的には(1−100)面、(01−10)面、(−1010)面、(−1100)面、(0−110)面、(10−10)面を意味する。さらに、本明細書において「A面」とは、{11−20}面として包括的に表される非極性面であり、具体的には(2−1−10)面、(−12−10)面、(−1−120)面、(−2110)面、(1−210)面、(11−20)面を意味する。本明細書において「c軸」「m軸」「a軸」とは、それぞれC面、M面、A面に垂直な軸を意味する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本明細書において<・・・・>との表記は方向の集合表現、[・・・・]との表記は方向の個別表現を表す。それに対して{・・・・}との表記は面の集合表現、(・・・・)との表記は面の個別表現を表す。
本明細書において「非極性面」とは、表面に周期表第13族元素と窒素元素の両方が存在しており、かつその存在比が1:1である面を意味する。具体的には、M面やA面を好ましい面として挙げることができる。本明細書において「半極性面」とは、例えば、周期表第13族金属窒化物が六方晶であってその主面が(hklm)で表される場合、[0001]面以外で、m=0ではない面をいう。すなわち(0001)面に対して傾いた面で、かつ非極性面ではない面をいう。h、k、l、mはそれぞれ独立に−5〜5のいずれかの整数であることが好ましく、−2〜2のいずれかの整数であることがより好ましく、低指数面であることが好ましい。本発明において好ましく採用できる半極性面として、例えば(10−11)面、(10−1−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(20−21)面、(20−2−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(11−21)面、(11−2−1)面、(11−22)面、(11−2−2)面、(11−24)面、(11−2−4)面などを挙げることができる。
なお、本明細書においてC面、M面、A面や特定の指数面を称する場合には、±0.01°以内の精度で計測される各結晶軸から10°以内のオフ角を有する範囲内の面を含む。好ましくはオフ角が5°以内であり、より好ましくは3°以内である。
[周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法]
(基本構成)
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法は、下記式(1)を満たすように周期表第13族金属窒化物半導体結晶を下地基板上に成長させることにより、平坦領域と非平坦領域からなる周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造することを特徴とする。
Figure 2013116841
[上式において、V1は前記平坦領域の中心部における前記結晶の成長速度(単位:μm/h)であり、V2は前記平坦領域にあって前記中心部から最も離れた位置における前記結晶の成長速度(単位:μm/h)である。]
本発明における「平坦領域」とは、成長させた周期表第13族金属窒化物半導体結晶表面の10mm×10mmあたりのピット数が2個以下であり、かつ、前記ピットを除いた部分の厚みの変動が2mm以内である領域を指す。平坦領域の「中心部」とは、平坦領域の重心を指す。ただし、重心が平坦領域でない場合(例えばドーナツ形状)や重心にピットが存在する場合には、平坦領域でかつピットが存在しない部位であって、重心からの距離が最短である部位を言う。本発明における「非平坦領域」とは、成長させた周期表第13族金属窒化物半導体結晶において、上記の平坦領域の定義に当てはまらない領域を指す。
本発明における「ピット」とは、前記平坦領域の中心部における前記結晶の厚みをt(単位:mm)とするとき、径が (t−4.2)×1.06以上であって、深さがt−4.2以上である凹部を意味する。例えば、平坦領域の中心部における結晶の厚みが7mmであるとき、径が3mm以上であって、深さが2.8mm以上である凹部がピットとなる。ピットの径については定規やノギスなどで測定することが可能であり、ピットの深さについては切削したときの厚み方向の切削深さをみて判断したり、レーザー変位計により簡易に測定したりすることが可能である。
(下地基板)
本発明の製造方法で用いる下地基板は、本発明により成長しようとしている周期表第13族金属窒化物半導体結晶と同種の結晶からなる基板であってもよいし、異種の結晶からなる基板であってもよい。例えば、GaN結晶を製造しようとしている場合は、GaN基板を用いてもよいし、サファイアなどの異種基板を用いてもよい。異種の結晶としては、サファイア以外にSiC、ZnOなどの化合物半導体、シリコンなどを挙げることができる。異種の結晶として好ましいのは、サファイアである。本発明では、成長しようとしている周期表第13族金属窒化物半導体結晶と同種の結晶からなる基板を用いることが特に好ましい。
本発明の製造方法で用いる下地基板の主面の種類は特に制限されず、最終的に取得したい結晶の主面などを考慮して適宜決定することができる。例えば、C面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を切り出すことを目的とする場合は、C面を主面とする下地基板を採用することが効率的である。また、M面やA面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を切り出すことを目的とする場合は、それぞれM面、A面を主面とする下地基板を採用することが効率的である。さらに、C面のような極性面、M面やA面のような非極性面だけでなく、半極性面を主面とする下地基板を採用してもよい。なお、本発明では、下地基板と必ずしも平行に結晶を切り出す態様に限定されないため、切り出したい結晶の主面と下地基板の主面は一致していない場合も本発明に含まれる。
本発明の製造方法で用いる下地基板の形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、5角形以上の多角形などの主面を有する下地基板を、成長しようとしている周期表第13族金属窒化物半導体結晶の形状やサイズ等を考慮して適宜選択して使用することができる。本発明では、比較的大きな周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率良く製造することができるため、それに応じた大きな下地基板を用いることができる。例えば、下地基板の径は50mm以上にすることができ、60mm以上にすることが可能であり、100mm以上にすることも可能であり、150mm以上にすることも可能である。典型的な下地基板の径として50〜100mmの範囲を挙げることができる。なお、ここでいう径とは、下地基板の最大径を意味する。下地基板は自己支持性を有する厚みを持つことが好ましく、通常は厚みが0.3mm以上であり、好ましくは0.35mm以上であり、さらに好ましくは0.4mm以上である。
下地基板の製法は特に制限されない。例えば、サファイア基板の上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させたものなどを好ましい例として挙げることができる。成長方法は特に制限されず、例えばハイドライド気相成長(HVPE)法、有機金属化学気相堆積(MOCVD)法、昇華法などの気相法、アモノサーマル法、フラックス法などを採用することが可能である。
また、本発明の製造方法で用いる下地基板には、マスキングが施されていてもよい。例えば、円形の主面を有する下地基板の主面に正方形の開口部を有するマスキングを施すことによって、正方形の主面を有する周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させること等が可能である。マスキングの材料や方法については、通常用いられている材料や方法の中から適宜選択して採用することができる。
(周期表第13族金属窒化物半導体結晶の成長速度)
本発明の製造方法では、下地基板上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を上記式(1)を満たすように成長させる。すなわち、平坦領域の中心部における結晶の成長速度V1よりも、平坦領域にあって中心部から最も離れた位置における前記結晶の成長速度V2が大きい条件下で結晶を成長させる。例えば、主面が円形の下地基板を用いて結晶を成長させる場合、平坦領域は円の中心を含む中央部に形成され、非平坦領域は中央部を囲む外周部に通常は形成される。典型的な態様では、平坦領域の結晶は円対称またはほぼ円対称に成長するため、平坦領域の中心部は円の中心に一致する。また、平坦領域にあって中心部から最も離れた位置は、中央部の平坦領域と外周部の非平坦領域の境界となる。
成長速度V1と成長速度V2の比(V1/V2)は、下記式(2)を満たすことがより好ましい。
Figure 2013116841
成長速度V1と成長速度V2の比(V1/V2)は0.98以下であることが好ましく、さらに0.95以下であることが好ましく、0.90以下であることがより好ましく、0.85以下であることがさらに好ましく、0.80以下であることがよりさらに好ましく、0.75以下であることが特に好ましい。また、成長速度V1と成長速度V2の比(V1/V2)は、0.30以上であることが好ましく、0.40以上であることがより好ましく、0.50以上であることがさらに好ましい。なお、成長速度は後述する結晶の厚みを、成長時間で除することにより算出することができる。
成長速度V1と成長速度V2の比(V1/V2)は、結晶成長を行う際の条件を調整することによって式(1)の範囲内に制御することができる。
例えば、結晶成長を行う反応容器への周期表第13属金属原料の供給速度を調整することにより制御することができる。周期表第13属金属原料の供給速度は、2.6m/min以上にすることが好ましく、2.7m/min以上にすることがより好ましく、2.8m/min以上にすることがさらに好ましく、2.9m/min以上にすることが特に好ましい。また、上限値については、5.0m/min以下にすることが好ましく、4.5m/min以下にすることがより好ましく、4.0m/min以下にすることがさらに好ましい。下限未満の場合には平坦領域の表面積が減少する傾向があり、上限超過の場合には結晶の成長速度が著しく低下する傾向がある。例えば、GaN結晶を成長させる場合、周期表第13属金属原料としてGaClガスの供給速度を調整することにより、成長速度比(V1/V2)を制御することができる。
また、周期表第13属金属原料の供給口から下地基板までの距離を調整することによっても制御することができる。周期表第13属金属原料の供給口から下地基板までの距離は、10cm以下にすることが好ましく、9cm以下にすることがより好ましく、7cm以下にすることがさらに好ましい。また、下限値については、3cm以上にすることが好ましく、4cm以上にすることがより好ましく、5cm以上にすることがさらに好ましい。上限超過の場合には平坦領域の表面積が減少する傾向があり、下限未満の場合には結晶の成長速度が著しく低下する傾向がある。
さらに、周期表第13属金属原料の供給口の供給断面積を調整することもできる。周期表第13属金属原料の供給断面積は、0.7×103mm2以上にすることが好ましく、1.0×103mm2以上にすることがより好ましく、1.2×103mm2以上にすることがさらに好ましい。上限値については、5.0×103mm2以下にすることが好ましく、3.8×103mm2以下にすることがより好ましく、2.8×103mm2以下にすることがさらに好ましい。上限超過の場合には結晶の成長速度が著しく低下する傾向があり、下限未満の場合には平坦領域の表面積が減少する傾向がある。
上記の条件は、それぞれ組み合わせて総合的に制御することが好ましい。例えば、周期表第13属金属原料の供給速度と周期表第13属金属原料の供給口から下地基板までの距離は、下記の関係式を満たすように調整することが好ましい。
Figure 2013116841
より好ましくは30以上であり、さらに好ましくは35以上であり、特に好ましくは40以上である。下限以下の場合には、平坦領域の表面積が減少する傾向がある。
また、周期表第13属金属原料の供給口の断面積と周期表第13属金属原料の供給口から下地基板までの距離は、下記の関係式を満たすように調整することが好ましい。
Figure 2013116841
より好ましくは0.014以上、さらに好ましくは0.016以上、よりさらに好ましくは0.020以上、特に好ましくは0.025以上である。下限未満の場合には、平坦領域の表面積が減少する傾向がある。
その他に、下記の関係式を満たすように調整することが好ましい。
Figure 2013116841
より好ましくは12以上、さらに好ましくは13以上である。下限未満の場合には、平坦領域の表面積が減少する傾向がある。
(周期表第13族金属窒化物半導体結晶の成長)
本発明における周期表第13族金属窒化物半導体結晶の成長は、平坦領域の中心部における成長結晶の厚みが3.0mm以上になるまで行うことが好ましく、5.0mm以上になるまで行うことがより好ましく、6.0mm以上になるまで行うことがさらに好ましい。また、本発明における周期表第13族金属窒化物半導体結晶の成長時間は、例えば50時間以上にすることができ、100時間以上にすることもできる。本発明の製造方法によれば、平坦領域の領域を広く確保しながら結晶成長を継続することができる。上記の非特許文献1に記載されるような従来法では、成長に伴って異常成長した非平坦領域が拡大し、平坦領域が狭くなるという問題があったが、本発明によればそのような問題を大幅に抑えることができる。したがって、結晶を厚く成長するほど、本発明の利点を享受することができる。
本発明の製造方法にしたがって周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させることによって、下記式(3)を満たす結晶を得ることができる。
Figure 2013116841
式(3)において、A1は成長した結晶の平坦領域の表面積(単位:mm2)であり、A2は結晶を成長させることができる下地基板表面の表面積(単位:mm2)である。これらの表面積は、例えば円形の下地基板上に円形の結晶を成長させた場合には、平坦領域の重心と平坦領域と非平坦領域の境界との距離を複数測定し、円形とみなすことにより得ることができる。成長した結晶の平坦領域の表面積A1と結晶を成長させることができる下地基板表面の表面積A2との比(A1/A2)は、0.8以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましい。また、上限値は例えば1以下とすることができる。本発明によれば、表面積比(A1/A2)を従来法よりも大きくすることができるため、下地基板上に効率良く結晶成長を行うことができる。このことは、取得したい結晶に近いサイズの下地基板を用意すれば足りることを意味しており、下地基板作製の手間やコストを軽減することにも資するものである。
本発明の製造方法にしたがって周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させることによって、下記式(4)を満たす結晶を得ることができる。
Figure 2013116841
式(4)において、T1は前記平坦領域の中心部における前記結晶の厚み(単位:mm)であり、T2は前記平坦領域であって前記中心部から最も離れた位置における前記結晶の厚み(単位:mm)である。これらの厚みは、例えばノギス、レーザー変位計などで測定することができる。成長した結晶の平坦領域の中心部における結晶の厚みT1と非平坦領域であって中心部から最も離れた位置における結晶の厚みT2との比(T1/T2)は、0.98以下であることが好ましく、0.96以下であることがより好ましく、0.95以下であることがさらに好ましい。本発明によれば、厚み比(T1/T2)を従来法よりも1に近づけることができるため、下地基板上に成長させた結晶から、効率良く所望の主面を有する結晶を切り出すことができる。
本発明における平坦領域中心部の結晶成長速度は、例えば80μm/hr以上にすることができ、好ましくは100μm/hr以上、さらに好ましくは120μm/hr以上、特に好ましくは150μm/hr以上にすることができる。
本発明で成長させる周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、周期表第13族元素の窒化物からなる。具体的には、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、またはこれらが混ざった単結晶を挙げることができる。好ましくは窒化ガリウムである。
本発明において周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる方法としては、例えば、ハイドライド気相成長(HVPE)法、有機金属化学気相堆積(MOCVD)法、昇華法などの気相法などを採用することが可能であり、HVPE法を好ましく用いることができる。以下において、好ましい製造装置の一例として、図1を参照しながらHVPE法の製造装置を説明する。
1)基本構造
図1の製造装置は、リアクター100内に、下地基板(シード)106を載置するためのサセプター107と、成長させる周期表第13族金属窒化物半導体結晶の周期表第13族金属原料を入れるリザーバー104とを備えている。また、リアクター100内にガスを導入するための導入管101〜103と、排気するための排気管108が設置されている。さらに、リアクター100を側面から加熱するためのヒーター109が設置されている。
2)リアクターの材質、雰囲気ガスのガス種
リアクター100の材質としては、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられる。好ましい材質は石英である。リアクター100内には、反応開始前にあらかじめ雰囲気ガスを充填しておく。雰囲気ガス(キャリアガス)としては、例えば、水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
3)サセプターの材質、形状、成長面からサセプターまでの距離
サセプター107の材質としてはカーボンが好ましく、SiCで表面をコーティングしているものがより好ましい。サセプター107の形状は、本発明で用いる下地基板を設置することができる形状であれば特に制限されないが、結晶成長する際に結晶成長面付近に構造物が存在しないものであることが好ましい。結晶成長面付近に成長する可能性のある構造物が存在すると、そこに多結晶体が付着し、その生成物としてHClガスが発生して結晶成長させようとしている結晶に悪影響が及んでしまう。下地基板106とサセプター107の接触面は、下地基板の主面(結晶成長面)から1mm以上離れていることが好ましく、3mm以上離れていることがより好ましく、5mm以上離れていることがさらに好ましい。
4)リザーバー
リザーバー104には、成長させる周期表第13族金属窒化物半導体結晶の周期表第13族金属原料を入れる。そのような周期表第13族金属源となる原料として、Ga、Al、Inなどを挙げることができる。リザーバー104にガスを導入するための導入管103からは、リザーバー104に入れた原料と反応するガスを供給する。例えば、リザーバー104に周期表第13族金属源となる原料を入れた場合は、導入管103からHClガスを供給することができる。このとき、HClガスとともに、導入管103からキャリアガスを供給してもよい。キャリアガスとしては、例えば水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
5)窒素源(アンモニア)、セパレートガス、ドーパントガス
導入管102からは、窒素源となる原料ガスを供給する。通常はNH3を供給する。また、導入管101からは、キャリアガスを供給する。キャリアガスとしては、導入管103から供給するキャリアガスと同じものを例示することができる。このキャリアガスは原料ガス同士の気相での反応を抑制し、ノズル先端にポリ結晶が付着することを防ぐ効果もある。また、導入管102からは、ドーパントガスを供給することもできる。例えば、SiH4やSiH2Cl2、H2S等のn型のドーパントガスを供給することができる。
6)ガス導入方法
導入管101〜103から供給する上記ガスは、それぞれ互いに入れ替えて別の導入管から供給しても構わない。また、窒素源となる原料ガスとキャリアガスは、同じ導入管から混合して供給してもよい。さらに他の導入管からキャリアガスを混合してもよい。これらの供給態様は、リアクター100の大きさや形状、原料の反応性、目的とする結晶成長速度などに応じて、適宜決定することができる。
7)排気管の設置場所
ガス排気管108は、リアクター内壁の上面、底面、側面に設置することができる。ゴミ落ちの観点から結晶成長端よりも下部にあることが好ましく、図1のようにリアクター底面にガス排気管109が設置されていることがより好ましい。
8)結晶成長条件
上記の製造装置を用いた結晶成長は、950℃以上で行うことが好ましく、970℃以上で行うことがより好ましく、980℃以上で行うことがさらに好ましい。また、1200℃以下で行うことが好ましく、1150℃以下で行うことがより好ましく、1100℃以下で行うことがさらに好ましい。結晶成長中の温度低下は60℃以内に制御することが好ましく、40℃以内に制御することがより好ましく、20℃以内に制御することがさらに好ましい。リアクター内の圧力は10kPa以上とすることが好ましく、30kPa以上とすることがより好ましく、50kPa以上とすることがさらに好ましい。また、200kPa以下とすることが好ましく、150kPa以下とすることがより好ましく、120kPa以下とすることがさらに好ましい。
[周期表第13族金属窒化物半導体結晶]
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法により製造される結晶は、従来にない特徴的な構造を有している。すなわち、本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、平坦領域と非平坦領域からなるものであり、下記式(4)を満たすことを特徴とする。
Figure 2013116841
1は平坦領域の中心部における結晶の厚み(単位:mm)であり、T2は平坦領域にあって中心部から最も離れた位置における結晶の厚み(単位:mm)である。成長した結晶の平坦領域の中心部における結晶の厚みT1と非平坦領域であって中心部から最も離れた位置における結晶の厚みT2との比(T1/T2)の好ましい範囲については、上記の製造方法の対応する記載を参照することができる。
[周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板]
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法により製造した結晶を加工することにより、周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を製造することができる。所望の形状の周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を得るために、得られた周期表第13族金属窒化物半導体結晶に対してスライス、外形加工、表面研磨などを適宜行うことが好ましい。これらの方法は、いずれか1つだけを選択して用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。組み合わせて用いる場合は、例えば、スライス、外形加工、表面研磨の順に行うことができる。各処理について詳しく説明すると、スライスは、例えばワイヤーで切断することにより行うことができる。外形加工とは、基板形状を円形にしたり、長方形にしたりすることを意味し、例えばダイシング、外周研磨、ワイヤーで切断する方法などを挙げることができる。表面研磨の例として、ダイヤモンド砥粒などの砥粒を用いて表面を研磨する方法、CMP(chemical mechanical polishing)、機械研磨後のRIEでのダメージ層エッチングなどを挙げることができる。
本発明の製造方法によれば、高品質でサイズが大きな周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることができる。このため、従来法では取得することが困難であった大きな主面を有する周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を得ることが可能である。また、本発明の製造方法によれば、効率良く一度に多くの周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を製造することが可能である。
本発明を利用すれば、例えば最大径が50mm以上の周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を提供することが可能であり、さらには最大径が100mm以上の周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板を提供することも可能である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下の具体例では、図1に示すリアクター100内において下地基板上にGaN結晶を成長させた。
<実施例1>
サファイア基板上に有機金属化学堆積(MOCVD)法により窒化ガリウム(GaN)を成長することにより、ノンドープで主面をC面とするGaNテンプレートを準備した。このテンプレート上にSi34のマスクを形成し、マスクの開口部を通じるエピタキシャル横方向過度成長でC面−GaN層を成長させて、厚み約450μmの下地基板を準備した。
次いで、下地基板のC面−GaN層が3848mm2(径70mm)の面積だけ上面に露出するように、サセプター107上に下地基板106を配置した。このときのガス導入管の供給口105の先端と下地基板106の最上部の距離は7cmとした。また供給口の供給断面積は1.3×103mm2とした。
下地基板106をHVPE装置のリアクター100内に配置して、反応室の温度を1010℃まで上げ、GaN単結晶を成長させた。この単結晶成長工程においては成長圧力を1.01×105Paとし、GaClガスの分圧を5.52×102Paとし、NH3ガスの分圧を7.22×103Paとした。この時、GaClガスの流速は供給口105の先端において3.0m/minになるようにした。成長時間は63時間とした。
単結晶の成長が終了後、室温まで降温し、GaN単結晶を得た。下地基板上に成長した結晶の重心における厚さは6.1mmであった。結晶の重心は下地基板上の結晶がφ70mmの中心を軸としてほぼ円対称に成長していたためにφ70mmの中心点を重心とみなした。結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における厚さが6.2mmであり主面がC面であるGaN単結晶(以下、C面−GaN単結晶と称する)が得られた。
C面−GaN単結晶の厚みと成長時間から成長速度を算出したところ、結晶の重心における成長速度は97μm/hであり、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における成長速度は99μm/hであった。このとき平坦領域の面積は下地基板の面積に対して80%であった。
<実施例2>
成長時間を92時間としたこと以外は、実施例1と同様にしてGaN単結晶を得た。下地基板上に結晶の重心における厚さが7.6mm、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における厚さが7.7mmであり主面がC面であるGaN単結晶(以下、C面−GaN単結晶と称する)が得られた。
C面−GaN単結晶の厚みと成長時間から成長速度を算出したところ、結晶の重心における成長速度は83μm/hであり、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における成長速度は84μm/hであった。このとき平坦領域の面積は下地基板の面積に対して79%であった。
<実施例3>
ガス導入管の断面積を2.0×103mm2としたことと、GaClガスの分圧を6.16×102Paとしたことと、GaClガスの流速を供給口の先端において3.1m/minにしたことと、下地基板のC面−GaN層の露出する面積を6793mm2(φ93mm)にしたことと、成長時間を54時間としたこと以外は、実施例1と同様にしてGaN単結晶を得た。下地基板上に結晶の重心における厚さが2.1mm、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における厚さが3.0mmであり主面がC面であるGaN単結晶(以下、C面−GaN単結晶と称する)が得られた。
C面−GaN単結晶の厚みと成長時間から成長速度を算出したところ、結晶の重心における成長速度は40μm/hであり、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における成長速度は55μm/hであった。このとき平坦領域の面積は下地基板の面積に対して88%であった。
<実施例4>
ガス導入管の断面積が2.0×103mm2であることと、GaClガスの分圧を6.83×102Paとしたことと、GaClガスの流速を供給口の先端において2.9m/minにしたことと、下地基板のC面−GaN層の露出する面積を6793mm2(径93mm)にしたことと、成長時間を78時間としたこと以外は、実施例1と同様にしてGaN単結晶を得た。下地基板上に結晶の重心における厚さが3.8mm、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における厚さが5.2mmであり主面がC面であるGaN単結晶(以下、C面−GaN単結晶と称する)が得られた。
C面−GaN単結晶の厚みと成長時間から成長速度を算出したところ、結晶の重心における成長速度は48μm/hであり、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における成長速度は66μm/hであった。このとき平坦領域の面積は下地基板の面積に対して88%であった。
<比較例1>
GaClガスの流速を供給口の先端において2.2m/minにしたことと、成長時間を56時間としたこと以外は、実施例1と同様にしてGaN単結晶を得た。下地基板上に結晶の重心における厚さが6.0mm、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における厚さが3.9mmであり主面がC面であるGaN単結晶(以下、C面−GaN単結晶と称する)が得られた。
C面−GaN単結晶の厚みと成長時間から成長速度を算出したところ、結晶の重心における成長速度は108μm/hであり、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における成長速度は70μm/hであった。このとき平坦領域の面積は下地基板の面積に対して87%であった。
<比較例2>
GaClガスの流速をガス導入管の先端において2.2m/minにしたことと、成長時間を80時間としたこと以外は、実施例1と同様にしてGaN単結晶を得た。下地基板上に結晶の重心における厚さが8.7mm、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における厚さが8.6mmであり主面がC面であるGaN単結晶(以下、C面−GaN単結晶と称する)が得られた。
C面−GaN単結晶の厚みと成長時間から成長速度を算出したところ、結晶の重心における成長速度は109μm/hであり、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における成長速度は108μm/hであった。このとき平坦領域の面積は下地基板の面積に対して41%であった。
<比較例3>
下地基板のC面−GaN層が2376mm2(径55mm)の面積だけ上面に露出するように、サセプター107上に下地基板106を配置したこと、GaClガスの流速を供給口の先端において2.2m/minにしたこと、成長時間を45時間としたことと、ガス導入管の供給口105の先端と下地基板106の最上部の距離を9cmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてGaN単結晶を得た。下地基板上に結晶の重心における厚さが5.7mm、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における厚さが4.3mmであり主面がC面であるGaN単結晶(以下、C面−GaN単結晶と称する)が得られた。
C面−GaN単結晶の厚みと成長時間から成長速度を算出したところ、結晶の重心における成長速度は126μm/hであり、結晶の平坦領域内で重心からの距離が最も大きい点における成長速度は96μm/hであった。このとき平坦領域の面積は下地基板の面積に対して76%であった。
Figure 2013116841
本発明の製造方法によれば、下地基板上に良質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶をより大きく成長させることができる。このため、本発明の製造方法により製造される結晶から、良質で径が大きくて厚膜の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を切り出すことが可能である。大型で良質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、従来法では容易に製造することができなかったことから、本発明によれば高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板やそれを利用したデバイスの提供が可能になる。したがって、本発明の産業上の利用可能性は極めて高い。
100 リアクター
101 キャリアガス用配管
102 周期表第15族原料用配管
103 HClガス用配管
104 周期表第13族原料用リザーバー
105 供給口
106 下地基板
107 サセプター
108 排気管
109 ヒーター

Claims (11)

  1. 下記式(1)を満たすように周期表第13族金属窒化物半導体結晶を下地基板上に成長させることにより、平坦領域と非平坦領域からなる周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造することを特徴とする、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
    Figure 2013116841
    [上式において、V1は前記平坦領域の中心部における前記結晶の成長速度(単位:μm/h)であり、V2は前記平坦領域にあって前記中心部から最も離れた位置における前記結晶の成長速度(単位:μm/h)である。]
  2. 前記結晶を成長させることができる前記下地基板表面の最大径が50mm以上である請求項1に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  3. 前記中心部における前記結晶の厚みが6.0mm以上になるまで前記結晶の成長を行う請求項1または2に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  4. 前記結晶成長を行う反応容器への周期表第13属金属原料の供給速度が2.6m/min以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  5. 周期表第13属金属原料の供給口から前記下地基板までの距離が10cm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  6. 前記結晶の成長時間が50時間以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  7. 下記式(3)を満たすように前記結晶を成長させる請求項1〜6のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
    Figure 2013116841
    [上式において、A1は前記結晶の平坦領域の表面積(単位:mm2)であり、A2は前記結晶を成長させることができる前記下地基板表面の表面積(単位:mm2)である。]
  8. 下記式(4)を満たすように前記結晶を成長させる請求項1〜7のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
    Figure 2013116841
    [上式において、T1は前記平坦領域の中心部における前記結晶の厚み(単位:mm)であり、T2は前記非平坦領域であって前記中心部から最も離れた位置における前記結晶の厚み(単位:mm)である。]
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法にて得られた周期表第13族金属窒化物半導体結晶を加工して得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶基板。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法により製造される周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
  11. 下記式(4)を満たすことを特徴とする、平坦領域と非平坦領域からなる周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
    Figure 2013116841
    [上式において、T1は前記平坦領域の中心部における前記結晶の厚み(単位:mm)であり、T2は前記平坦領域にあって前記中心部から最も離れた位置における前記結晶の厚み(単位:mm)である。]
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