JP2010275171A - Iii族窒化物結晶及びその製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物結晶及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】(0001)面以外の任意に特定される主面を有する結晶性の高い大面積III族窒化物結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】オフ角を有する複数のシードを準備する工程と、シードの主面が略同一方向に向くようにしてシードを配置する工程と、シードの主面上に、III族窒化物結晶を成長させる工程と、を含むIII族窒化物結晶の製造方法であって、前記配置工程において、前記複数のシードのオフ角の方向がほぼ同一方向となるように配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、III族窒化物結晶の製造方法に関し、(0001)面以外の任意に特定され
る面方位の主面を有する大面積III族窒化物結晶の製造方法に関する。
窒化ガリウムに代表される窒化物半導体は、大きなバンドギャップを有し、またバンド間遷移が直接遷移型であることから、紫外、青色又は緑色等の発光ダイオード、半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子や、電子デバイス等の半導体デバイスの基板として有望な材料である。
現在最も一般的な窒化物半導体基板は(0001)面を主面とする基板である(ここでいう主面とは、デバイスを形成すべき面、あるいは、構造体において最も広い面を意味する)。しかしながら(0001)面を主面とするGaN基板を用いたInGaN系青色、緑色LEDやLDにおいては、その成長軸である[0001]軸方向にピエゾ電界が生じるという問題点があった。ピエゾ電界はInGaN層の結晶構造が歪んで圧電分極が生じるために発生し、この分極により発光層に注入される正孔と電子が離れ、発光に寄与する再結合確率が低下してしまう。このため内部量子効率が低くなり、発光デバイスの外部量子効率の低下につながる。前記ピエゾ電界の影響を弱めるためにGaN結晶の(0001)面に垂直な{11−20}面、{10−10}面等の非極性面を成長面としたInGaN系青色、緑色LEDやLD研究が盛んになりつつある(非特許文献1参照)。
窒化物半導体は、高融点であり、しかも融点付近の窒素の解離圧が高いことから、融液からのバルク成長が困難である。一方、ハイドライド気相成長法(HVPE法)や有機金属化学気相成長法(MOCVD法)等の気相成長法を用いることによって、窒化物半導体基板を製造できることが知られている。このとき、下地基板を支持体上に設置したうえで原料ガスを供給することにより、下地基板表面に窒化物半導体結晶を成長させることができる下地基板上に成長させた窒化物半導体結晶は、下地基板とともに支持体から分離し、必要に応じて下地基板を研磨等の方法により除去することにより取り出すことができる。(例えば特許文献1参照)。
神原らは、複数の窒化物半導体バーを、隣り合う窒化物半導体バーの(0001)面同士、(000−1)面同士、または(0001)面と(000−1)面が対向し、各窒化物半導体バーの{10−10}面が上面になるように配列し、配列された窒化物半導体バーの上面に窒化物半導体を再成長させることにより、連続した{10−10}面を主面に有する窒化物半導体層を形成し、大面積の{10−10}面窒化物半導体ウエハを得ている(特許文献2参照)。
水原らは、複数の窒化物半導体バーを用意し、複数の窒化物半導体バーの主面が互いに平行で、かつ、それらのバーの[0001]方向が同一になるように、横方向にそれらの基板を互いに隣り合わせて配列し、配列された窒化物半導体バーの上面に窒化物半導体を再成長させることにより、連続した{10−10}面を主面に有する窒化物半導体層を形成し、窒化物半導体ウエハを得ている(特許文献3参照)。
特開2006−240988号公報 特開2006−315947号公報 特開2008−143772号公報
日経エレクトロニクス2006.8.14 P65〜P70
特許文献1の方法によって希望どおりの主面を有する板状の窒化物半導体基板を製造しようとすると、下記の問題に直面することがある。例えば、非極性面を主面とする比較的大きな板状の窒化物半導体基板を製造しようとすると、下地基板として比較的大きな非極性面を主面とする窒化物半導体基板は存在しないため、(1−102)面サファイア基板や{10−10}面SiC基板等の異種下地基板上に、非極性面を成長面として成長させ、下地基板を分離し基板を得るか、または、いったん下地基板の極性面上にその極性面に垂直な方向に結晶を成長させた後に、スライスして所望の非極性面を切り出さなければならない。前者の場合、異種下地基板上の成長のため、結晶中に多くの積層欠陥が入ってしまい、高品質な結晶は得られない。後者の場合、積層欠陥のない高品質な結晶が得られるが、厚い結晶を成長させることが極めて困難であり、この方法により所望の窒化物半導体結晶を得るには限界があった。
特許文献2、特許文献3のような複数のバーを配列し再成長させることにより、大面積の非極性面基板を得る方法では、シードとシードの間の境界領域の上方の領域の結晶の結晶性低下が課題である。
特許文献2では、窒化物半導体シードの表面法線方向を{10−10}面に対し傾けることにより、窒化物半導体シード同士の接合部において段差部を形成させ、この段差部を窒化物半導体層を再成長させる際の成長核とさせ、接合部における再成長層の結晶性を改善している。しかしながら、接合部に段差をつける目的で窒化物半導体シードの表面法線方向のみを{10−10}面に対し傾けると、表面と裏面の平行度が悪くなり、研磨等の加工が行いにくくなるといった問題が生じる。また、窒化物半導体シードの接合面と再成長面とが交差する稜部を面取りし、接合部に再成長の成長核を形成させる方法が示されている。この方法によると、接合部上にV字溝が形成され、V字溝における窒化物半導体層の成長はファセット成長となり、接合部で発生した転位がループを形成して消滅し、転位密度を低減させるとされている。しかしながら、現実的に、このような微小領域の面取り作業は非常に困難である。且つ、面取り後は研磨工程時のシードの固定がうまくいかずシードが動き、研磨がうまく行えない問題も生じてしまう。
さらに特許文献3では、接合部上の結晶性改善策としては、シード間の隙間を少なくするためにシード同士を隣接させると示してある。しかしながら、原子レベルで隙間を完全に無くすことは困難である。特許文献3では、その結果、接合部上方領域の貫通転位密度は、シード直上領域と比較して、高くなる、としている。
本発明は、上記の接合部上における結晶性低下の問題点を解決し、(0001)面以外の任意に特定される面方位の主面を有する結晶性の高い大面積のIII族窒化物結晶の製造
方法を提供することを目的とし、鋭意検討を行った。その結果、シードの間の境界領域の上方の領域の結晶の転位が飛躍的に減少することを見出し、本発明に到達した。本発明はオフ角を有する複数のシードを準備する工程と、
シードの主面が略同一方向に向くようにしてシードを配置する工程と、
シードの主面上に、III族窒化物結晶を成長させる工程と、
を含むIII族窒化物結晶の製造方法であって、
前記配置工程において、前記複数のシードのオフ角の方向がほぼ同一方向となるように配置することを特徴とするIII族窒化物結晶の製造方法である。
すなわち、課題を解決する手段として、以下の本発明を提供するに至った。
[1]オフ角を有する複数のシードを準備する工程と、
シードの主面が略同一方向に向くようにしてシードを配置する工程と、
シードの主面上に、III族窒化物結晶を成長させる工程と、
を含むIII族窒化物結晶の製造方法であって、
前記配置工程において、前記複数のシードのオフ角の方向がほぼ同一方向となるように配置することを特徴とするIII族窒化物結晶の製造方法。
[2]前記オフ角の絶対値が、0.1°〜15°の範囲であることを特徴とする〔1〕に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
[3]前記シードが主面及び裏面を有することを特徴とする〔1〕、[2]に記載のIII
族窒化物結晶の製造方法。
[4]前記シードが接合面を有し、かつ、該接合面が互いに対向するように配置することを特徴とする[1]〜[3]に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
[5]前記シードの主面の面方位が(0001)面以外の面であることを特徴とする[1]〜[4]に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
[6]前記シードの主面の面方位が{10−10}面であることを特徴とする[1]〜[5]に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
[7]前記シードの主面の面方位が{11−20}面であることを特徴とする[1]〜[6]に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
[8][1]〜[7]のいずれか1項に記載された製造方法を用いて製造したIII族窒化
物結晶。
[9](0001)面以外の面方位の面を有することを特徴とする[8]に記載のIII族
窒化物結晶。
[10][8]に記載された製造方法を用いて製造したIII族窒化物結晶であって、
前記シードの上方の領域におけるバンド端PL強度に対する、前記シードとシードの間の境界領域の上方の領域におけるバンド端PL強度の低下が60%以下であることを特徴とするIII族窒化物結晶。
[11][8]に記載された製造方法を用いて製造したIII族窒化物結晶であって、
前記シードの上方の領域における転位密度に対する、前記シードとシードの間の境界領域の上方の領域における転位密度の増加が5倍以下であることを特徴とするIII族窒化物結
晶。
[12]請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたIII族窒化物結晶、
または請求項8〜11のいずれか1項に記載のIII族窒化物結晶を用いたことを特徴とす
る波長350〜600nmの発光デバイスまたは電子デバイス。
本発明の窒化物半導体結晶の製造方法によれば、(0001)面以外の任意に特定される面方位の主面を有する大面積の窒化物半導体結晶を簡便な方法で効率よく製造することができる。シードとシードの間の境界領域の上方の領域の貫通転位密度を低く抑えた窒化物半導体結晶を容易に製造することができる。
HVPE装置 m面GaN自立基板セッティング方法(実施例1、5、6) m面GaN自立基板セッティング方法(実施例2) m面GaN自立基板セッティング方法(実施例3、比較例1) m面GaN自立基板セッティング方法(実施例4) 接合部跡 オフ角を説明するための模式図
以下において、本発明の窒化物半導体結晶の製造方法について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。また、以下の説明では、窒化物半導体結晶として窒化ガリウム結晶を例として説明することがあるが、本発明で採用することができる窒化物半導体結晶はこれに限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(シードの材質、格子定数、熱膨張係数)
シードは、結晶成長面上に所望の窒化物半導体結晶を成長させることができるものであれば、その種類は問わない。結晶成長用の下地基板として用いてもよい。例えば、サファイア、SiC、ZnO、III族窒化物半導体を挙げることができる。好ましくは、製造し
ようとしている窒化物半導体と同じか、または異なる種類の窒化物半導体のシードを用いる場合であり、より好ましくは、製造しようとしている窒化物半導体を構成するIII族元
素と同じ種類のIII族元素を少なくとも含む窒化物半導体のシードを用いる場合であり、
さらに好ましくは、製造しようとしている窒化物半導体と同一種の窒化物半導体のシードを用いる場合である。別の観点から言うと、製造しようとしている窒化物半導体結晶と格子定数が近くて、熱膨張係数の差が小さいシードを選択することが好ましい。
(シードの形状)
本発明の本質から外れない限り、シードの形状は特に限定されるものではないが、いわゆるバー状の形状のものを用いてもよい。また、複数のシードが同じ形状であれば、多数枚のシードの配列がしやすくなるため好ましい。シードの主面の形状は多角形であってもよく、長方形や正方形も好ましく用いることができる。シードの主面の一辺の長さが短いと、大面積の窒化物半導体基板を作製する際に、シードをより多く準備しなければならない。そのため、シードの主面の一辺の長さは5mm以上が好ましく、15mm以上がさらに好ましく、20mm以上がさらに好ましい。大型のシードを用いると、配置したシードの方位合わせの精度を向上できたり、結晶性の低下を招きやすいシードの接合面を少なくできることからも好ましい。
(シードの面方位)
結晶幾何学においては、結晶面の面方位を表わすために(hkl)または(hkil)などの表示が用いられる。III族窒化物結晶などの六方晶系の結晶における結晶面の面方
位は、(hkil)で表わされる。ここで、h、k、iおよびlはミラー指数と呼ばれる整数であり、i=−(h+k)の関係を有する。この面方位(hkil)の面を(hkil)面という。また、{hkil}面は(hkil)面およびそれに結晶幾何学的に等価な個々の面方位を含む総称的な面方位を意味する。
シード主面の面方位は(0001)面以外であれば特に制限されることはなく、(000−1)面の極性面、{1−100}面や{11−20}面等の非極性面、{1−102}面、{11−22}面等の半極性面を挙げることができる。シードの形状が長方形の場合、シード主面が{10−10}面もしくは{11−20}面で、4つの側面の面方位が(0001)面、(000−1)面、{11−20}面、{11−20}面、もしくは(0001)面、(000−1)面、{10−10}面、{10−10}面である場合が好ましく、シード主面が{10−10}面で、4つの側面の面方位が(0001)面、(000−1)面、{11−20}面、{11−20}面である場合がより好ましい。
(シードの主面面積)
シードの主面の面積が小さいと、より多くのシードを準備しなければならず、さらに接
合面の数も増加するため、シード上に成長させた窒化物半導体結晶におけるツイスト角分布が増大する危険が増す。そこで、前記シードの主面の面積は大きいほどよく、50mm以上であることが好ましく、75mm以上であることがより好ましく、100mm以上がさらに好ましい。
(接合面と主面のなす角度)
接合面と主面のなす角度は特に限定されないが、シード準備加工の行い易さを考慮すると、ほぼ直角が望ましい。接合面と主面のなす角度は、88°〜92°が好ましく、89°〜91°がより好ましく、89.5°〜90.5°がさらに好ましい。
(オフ角の表現方法)
図7は、低指数面に対する主面法線方向の傾き(オフ角)を説明するための、シードの主面法線方向と、シード結晶軸方向の方向との関係を示した模式図である。ここでは、主面の低指数面が(10−10)面、接合面が(0001)面及び(11−20)面である場合を想定している。シード主面法線方向と[10−10]軸とのなす角度をφとし、シード主面法線を[10−10]軸と[0001]軸とで定義される平面に投影した投影軸と[10−10]軸とのなす角度をφc、シード主面法線をシード結晶軸の[10−10]軸と[11−20]軸とで定義される平面に投影した投影軸と[10−10]軸とのなす角度をφaとする。この場合は、シードの主面法線方向が主面の低指数面、つまり(10−10)面に対し、[0001]方向にφc傾き、且つ[11−20]方向にφa傾いている、と表現することができる。ここで、[hkil]方向とは、(hkil)面に垂直な方向((hkil)面の法線方向)のことをいい、<hkil>方向とは、[hkil]方向およびそれに結晶幾何学的に等価な個々の方向を含む総称的な方向を意味する。
(オフ角とシード上の結晶成長)
シード主面法線方向が低指数面の方位と一致していると、シード各面の法線方向への成長が支配的になる。この場合、接合部では隣り合うシードからの横方向成長部が隙間上で会合する。この隙間上の会合部にはELO会合部同様に、転位が大量に発生してしまう。低指数面に対する主面法線方向の傾き(オフ角)を適度に付け成長させることにより、主面から傾いた低指数面が発生する。この面は低指数面を保ちながら主面に対し斜めに成長する。接合面の法線方向にオフ角が付いている場合、片方のシードから接合部上を斜めに成長し、隣のシード上に到達する。隣のシード上で会合させることにより、転位の大量発生を抑制することができる。オフ角が小さいと、片方のシードの低指数面の成長部が隙間を跨ぐ前に、隣り合うの双方からの横方向成長部が、隙間上で会合してしまう。したがって、シードのオフ角の絶対値の下限は、0.1°以上が好ましく、1°以上がより好ましく、3°以上がさらに好ましい。一方、オフ角が大きいと、表面ステップ密度が高くなることから、成長時にステップバンチング(ステップの粗密化)を起こしやすいといった問題も生じてくる。したがって、オフ角の絶対値の上限は、15°以下が好ましく、10°以下がより好ましく、7°以下がさらに好ましい。
またシード間のオフ角分布が小さいときに、接合後の結晶のチルト角分布を小さくできる。シード間のオフ角分布は、1°以内が好ましく、0.7°以内がさらに好ましく、0.5°以内がより好ましい。
ここで、低指数面とは、面方位をミラー指数(hklm)で表した場合、それぞれの指数の絶対値が2以下(|h|≦2,|k|≦2,|l|≦2,|m|≦2)であり、かつそれぞれの指数の絶対値の和が6以下(|h|+|k|+|l|+|m|≦6)である面をいう。例えば、下地結晶基板として、六方晶系の結晶構造を有するシードを用いる場合は、低指数面として(1−100)面およびそれと結晶学的に等価な面、(11−20)面およびそれと結晶学的に等価な面、(1−102)面およびそれと結晶学的に等価な面などを挙げることができる。
(接合面法線方向の低指数面に対する傾き)
接合面法線方向は、低指数面から傾いていてもよいし、傾いていなくてもよい。但し、配置し易さと接合後の結晶のツイスト角分布を考えると、向かい合う2つの接合面の各軸方向の低指数面からの傾きの差が小さい方が望ましい。例えば、[11−20]方向に+5°、[10−10]方向に+5°接合面法線方向が(0001)面から傾いている接合面に対向する接合面は、[11−20]方向に+5°、[10−10]方向に+5°接合面法線方向が(000−1)面から傾いている接合面が望ましい。従って、対向する2つの接合面の各軸方向の低指数面からの傾きの差は、1°以内が好ましく、0.7°以内がさらに好ましく、0.5°以内がより好ましい。
またシード間の各軸方向の低指数面からの傾きの絶対値分布が小さいときに、接合面をほぼ平行に向い合わせることにより、接合後の結晶のツイスト角分布を小さくできる。シード間の各軸方向の低指数面からの傾きの絶対値分布は、1°以内が好ましく、0.7°以内がさらに好ましく、0.5°以内がより好ましい。
(主面の切り出し、切り出し方法)
所望の面を有するシードは、必要に応じて結晶を切り出すことにより得ることができる。例えば、(0001)面を有するIII族窒化物半導体基板を形成し、その後に{10−10}面又は{11−20}面が現れるように切り出すことによって{10−10}面又は{11−20}面を主面とするシードを得ることができる。切り出し方法としては、鑢、研削盤、内周刃スライサー、ワイヤーソー等で加工(研削、切断)する方法、研磨によって磨く方法、劈開によって分割する方法などがあるが、劈開により{10−10}面又は{11−20}面を形成することが好ましい。劈開の方法については、ダイヤモンドスクライバーによって切り欠きを入れて割ってもよいし、レーザースクライバー装置を使用してもよい。そのまま手で割ってもよいし、他の土台に乗せてのブレーキング装置で行ってもよい。
シードの表裏面の平行度は1°以内であることが好ましく、0.7°以内であることがより好ましく、0.5°以内であることがさらに好ましい。シードの平行度が悪くなると研磨等の加工が行いにくくなるといった問題が生じる。
(製造装置)
本発明では、シードに対して、原料ガスを供給することによって、シードの結晶成長面に対して垂直な方向へ板状結晶を成長させる。成長方法としては、有機金属化学堆積法(MOCVD法)やハイドライド気相堆積法(HVPE法)等が挙げられるが、成長速度の速いHVPE法が好ましい。
図1は、本発明に用いられる窒化物半導体結晶の製造装置の構成例を説明するための図であるが、構成の詳細に特別な制限はない。図1に図示したHVPE装置は、リアクター100内に、シードを載置するためのサセプター108と、成長させる窒化物半導体の原料を入れるリザーバー106とを備えている。また、リアクター100内にガスを導入するための導入管101〜105と、排気するための排気管109が設置されている。さらに、リアクター100を側面から加熱するためのヒーター107が設置されている。
(リアクター材質、雰囲気ガスのガス種)
リアクター100の材質としては、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられる。好ましい材質は石英である。リアクター100内には、反応開始前にあらかじめ雰囲気ガスを充填しておく。雰囲気ガス(キャリアガス)としては、例えば、水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
(サセプター材質、形状、成長面からサセプターまでの距離)
サセプター108の材質としてはカーボンが好ましく、SiCで表面をコーティングしているものがより好ましい。サセプター108の形状は、本発明で用いるシードを設置することができる形状であれば特に制限されないが、結晶成長する際に結晶成長面付近に構造物が存在しないものであることが好ましい。結晶成長面付近に成長する可能性のある構造物が存在すると、そこに多結晶体が付着し、その生成物としてHClガスが発生して結晶成長させようとしている結晶に悪影響が及んでしまう。シードとサセプター108の接触面は、シードの結晶成長面から1mm以上離れていることが好ましく、3mm以上離れていることがより好ましく、5mm以上離れていることがさらに好ましい。
(リザーバー)
リザーバー106には、成長させる窒化物半導体の原料を入れる。例えば、III−V族
の窒化物半導体を成長させる場合は、III族源となる原料を入れる。そのようなIII族源となる原料として、Ga、Al、Inなどを挙げることができる。リザーバー106にガスを導入するための導入管103からは、リザーバー106に入れた原料と反応するガスを供給する。例えば、リザーバー106にIII族源となる原料を入れた場合は、導入管10
3からHClガスを供給することができる。このとき、HClガスとともに、導入管103からキャリアガスを供給してもよい。キャリアガスとしては、例えば水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
(窒素源(アンモニア)、セパレートガス、ドーパントガス)
導入管104からは、窒素源となる原料ガスを供給する。通常はNHを供給する。また、導入管101からは、キャリアガスを供給する。キャリアガスとしては、導入管104から供給するキャリアガスと同じものを例示することができる。このキャリアガスは原料ガスノズルを分離し、ノズル先端にポリ結晶が付着することを防ぐ効果もある。また、導入管102からは、ドーパントガスを供給することもできる。例えば、SiHやSiHCl、HS等のn型のドーパントガスを供給することができる。
(ガス導入方法)
導入管101〜104から供給する上記ガスは、それぞれ互いに入れ替えて別の導入管から供給しても構わない。また、窒素源となる原料ガスとキャリアガスは、同じ導入管から混合して供給してもよい。さらに他の導入管からキャリアガスを混合してもよい。これらの供給態様は、リアクター100の大きさや形状、原料の反応性、目的とする結晶成長速度などに応じて、適宜決定することができる。
(排気管の設置場所)
ガス排気管109は、リアクター内壁の上面、底面、側面に設置することができる。ゴミ落ちの観点から結晶成長端よりも下部にあることが好ましく、図1のようにリアクター底面にガス排気管109が設置されていることがより好ましい。
(結晶成長条件)
本発明における結晶成長は、通常は950℃〜1120℃で行い、970℃〜1100℃で行うことが好ましく、980℃〜1090℃で行うことがより好ましく、990℃〜1080℃で行うことがさらに好ましい。リアクター内の圧力は10kPa〜200kPaであるのが好ましく、30kPa〜150kPaであるのがより好ましく、50kPa〜120kPaであるのがさらに好ましい。
(結晶の成長速度)
本発明における結晶成長の成長速度は、成長方法、成長温度、原料ガス供給量、結晶成長面方位等により異なるが、一般的には5μm/h〜500μm/hの範囲であり、10μm/h以上が好ましく、50μm/h以上がより好ましく、70μm以上であることがさらに好ましい。成長速度は、上記の他、キャリアガスの種類、流量、供給口−結晶成長端距離等を適宜設定することによって制御することができる。
(窒化物半導体結晶の面積)
本発明によれば、主面の面積が大きな窒化物半導体結晶を容易に得ることができる。主面の面積は、シードの結晶成長面のサイズや結晶成長時間により適宜調整することが可能である。本発明によれば、例えば主面の面積を500mm以上にすることができ、2500mm以上にすることが可能であり、さらには10000mm以上にすることが可能である。
(窒化物半導体結晶の種類)
本発明により提供される窒化物半導体結晶の種類は特に制限されない。具体的には、III族窒化物半導体結晶を挙げることができ、より具体的には、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、又はこれらの混晶を挙げることができる。
(窒化物半導体結晶の用途)
本発明の製造方法により得られた窒化物半導体結晶は、さまざまな用途に用いることができる。特に、紫外、青色又は緑色等の発光ダイオード、半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子や、電子デバイス等の半導体デバイスの基板として有用である。また、本発明の製造方法により製造した窒化物半導体結晶をシードとして用いて、さらに大きな窒化物半導体結晶を得ることも可能である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[11−20]方向に25mm、[0001]方向に3mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、[0001]方向に−5°、[11−20]方向に0°のオフ角を有している(10−10)面GaN自立基板シードを2枚用意した。シードm面の表裏面の平行度は0.5°以内である。
接合面として、(0001)面と(000−1)面を選択した。図2に示すように、2枚のシードを[0001]方向2列、(0001)面の断面と(000−1)面の断面が対向するように、また断面どうしが0.5°以内の平行度になるようにサセプター上に並べ、サセプターをリアクター100内に配置して、反応室の温度を1020℃まで上げ、GaN単結晶膜を40時間成長させた。この単結晶成長工程においては成長圧力を1.01×10Paとし、GaClガスG3の分圧を1.85×10Paとし、NH3ガスG4の分圧を7.05×10Paとした。
単結晶成長工程が終了後、室温まで降温し、成長した結晶を取り出したところ、シードとシードの間の境界領域上方の領域が結合し、さらに配置シードの外周部が[11−20]方向、[−1−120]方向にはそれぞれ2mmずつ、[0001]方向に2mm、[000−1]方向に2mm拡大した。[10−10]方向には3.5mm成長した。外形加工、表面研磨処理後に、[11−20]方向に29mm、[0001]方向に10mm、厚さ330umの長方形の(10−10)面自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。
微分干渉光学顕微鏡で、50倍から1000倍の倍率で、シードとシードの間の境界領域の上方の領域の結晶を観察したが、筋などの特異な模様は観察されなかった。中心波長
325nmのHe−Cdレーザーを励起光源として、レーザー出力:1mW、レーザービーム径が100um径のPLマッピング測定を行った結果、シードとシードの間の境界領域の上方の領域の結晶の波長366nmのバンド端発光強度は、シードの上方の領域での発光強度(以下シードとシードの間の境界領域の上方の領域とシードの上方の領域に対するPL強度比という。)の84%であった。
加速電圧3kV、倍率3000倍、100um角の領域でCL測定を行った結果、シードとシードの間の境界領域の上方の領域を中心に含んだところでの平均暗点密度(以下シードとシードの間の境界領域の上方の領域のCL測定という。)は5.3×10cm−2で、シードの上方の領域の平均暗点密度の1.8倍であった。シードの上方の領域のX線ロッキングカーブ半値幅は、[0001]方向に垂直にX線ビームを入射した場合の(10−10)面対称反射で43秒であった。
[11−20]方向に25mm、[0001]方向に3mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、[0001]方向に0°、[11−20]方向に+5°のオフ角を有している(10−10)面GaN自立基板シードを2枚用意した。シードm面の表裏面の平行度は0.5°以内である。
接合面として、(11−20)面と(−1−120)面を選択した。図3に示すように、2枚のシードを[0001]方向1列、[11−20]方向2列、(11−20)面の断面と(−1−120)面の断面が対向するように、また断面どうしが0.5°以内の平行度になるようにサセプター上に並べた。それ以外の条件は、実施例1と同様の条件で成長した。
単結晶成長工程が終了後、室温まで降温し、成長した結晶を取り出したところ、シードとシードの間の境界領域上方の領域が結合し、さらに配置シードの外周部が[11−20]方向、[−1−120]方向にはそれぞれ2mmずつ、[0001]方向に2mm、[000−1]方向に2mm拡大した。[10−10]方向には3.5mm成長した。外形加工、表面研磨処理後に、[11−20]方向に54mm、[0001]方向に7mm、厚さ330umの長方形のm面自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。
微分干渉光学顕微鏡で、50倍から1000倍の倍率で、シードとシードの間の境界領域の上方の領域の結晶を観察したが、筋などの特異な模様は観察されなかった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域とシードの上方の領域に対するPL強度比は56%であった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域のCL測定での平均暗点密度は、8.7×10cm−2で、シードの上方の領域の平均暗点密度の2.9倍であった。
シードの上方の領域のX線ロッキングカーブ半値幅は、[0001]方向に垂直にX線ビームを入射した場合の(10−10)面対称反射で44秒であった。
[11−20]方向に25mm、[0001]方向に3mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、[0001]方向に−5°、[11−20]方向に+5°のオフ角を有している(10−10)面GaN自立基板シードを4枚用意した。シードm面の表裏面の平行度は0.5°以内である。
接合面として、(0001)面、(000−1)面、(11−20)面、(−1−120)面を選択した。図4に示すように、4枚のシードを[0001]方向2列、[11−20]方向2列、(0001)面の断面と(000−1)面の断面が対向するように、且つ(11−20)面の断面と(−1−120)面の断面が対向するように、また断面どうしが0.5°以内の平行度になるようにサセプター上に並べた。それ以外の条件は、実施例1と同様の条件で成長した。
単結晶成長工程が終了後、室温まで降温し、成長した結晶を取り出したところ、シードとシードの間の境界領域上方の領域が結合し、さらに配列シードの外周部が[11−20]方向、[−1−120]方向にはそれぞれ2mmずつ、[0001]方向に2mm、[000−1]方向に2mm拡大した。[10−10]方向には3.5mm成長した。外形加工、表面研磨処理後に、[11−20]方向に54mm、[0001]方向に10mm、厚さ330umの長方形のm面自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。
微分干渉光学顕微鏡で、50倍から1000倍の倍率で、シードとシードの間の境界領域の上方の領域の結晶を観察したが、筋などの特異な模様は観察されなかった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域とシードの上方の領域に対するPL強度比は66%であった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域のCL測定での平均暗点密度の2.4倍であった。
シードの上方の領域のX線ロッキングカーブ半値幅は、[0001]方向に垂直にX線ビームを入射した場合の(10−10)面対称反射で43秒であった。
[10−10]方向に25mm、[0001]方向に3mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、[0001]方向に−5°、[11−20]方向に+5°のオフ角を有している(10−10)面GaN自立基板シードを4枚用意した。シードm面の表裏面の平行度は0.5°以内である。
接合面として、(0001)面、(000−1)面、(10−10)面、(−1010)面を選択した。図5に示すように、4枚のシードを[0001]方向2列、[10−10]方向2列、(0001)面の断面と(000−1)面の断面が対向するように、且つ(10−10)面の断面と(−1010)面が対向するように、また断面どうしが0.5°以内の平行度になるようにサセプター上に並べた。それ以外の条件は、実施例1と同様の条件で成長した。
単結晶成長工程が終了後、室温まで降温し、成長した結晶を取り出したところ、シードとシードの間の境界領域上方の領域が結合し、さらに配置シードの外周部が[10−10]方向、[−1010]方向にはそれぞれ2mmずつ、[0001]方向に2mm、[000−1]方向に2mm拡大した。[11−20]方向には3.5mm成長した。外形加工、表面研磨処理後に、[10−10]方向に54mm、[0001]方向に10mm、厚さ330umの長方形のm面自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。
微分干渉光学顕微鏡で、50倍から1000倍の倍率で、シードとシードの間の境界領域の上方の領域の結晶を観察したが、筋などの特異な模様は観察されなかった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域とシードの上方の領域に対するPL強度比は71%であった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域のCL測定での平均暗点密度は、6.2×10 cm−2で、シードの上方の領域の平均暗点密度の2.3倍であった。
シードの上方の領域のX線ロッキングカーブ半値幅は、[0001]方向に垂直にX線ビームを入射した場合の(10−10)面対称反射で42秒であった。
[11−20]方向に25mm、[0001]方向に3mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、[0001]方向に−2°、[11−20]方向に0°のオフ角を有している(10−10)面GaN自立基板シードを2枚用意した。シードm面の表裏面の平行度は0.5°以内である。
接合面として、(0001)面と(000−1)面を選択した。図2に示すように、2枚のシードを[0001]方向2列、(0001)面の断面と(000−1)面の断面が対向するように、また断面どうしが0.5°以内の平行度になるようにサセプター上に並べた。それ以外の条件は、実施例1と同様の条件で成長した。
単結晶成長工程が終了後、室温まで降温し、成長した結晶を取り出したところ、シードとシードの間の境界領域上方の領域が結合し、さらに配置シードの外周部が[11−20]方向、[−1−120]方向にはそれぞれ2mmずつ、[0001]方向に2mm、[000−1]方向に2mm拡大した。[10−10]方向には3.5mm成長した。外形加工、表面研磨処理後に、[11−20]方向に29mm、[0001]方向に10mm、厚さ330umの長方形のm面自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。
微分干渉光学顕微鏡で、50倍から1000倍の倍率で、シードとシードの間の境界領域の上方の領域の結晶を観察したが、筋などの特異な模様は観察されなかった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域とシードの上方の領域に対するPL強度比は42%であった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域のCL測定での平均暗点密度は1.6×10 cm−2で、シードの上方の領域の平均暗点密度の3.9倍であった。
シードの上方の領域のX線ロッキングカーブ半値幅は、[0001]方向に垂直にX線ビームを入射した場合の(10−10)面対称反射で47秒であった。
[11−20]方向に25mm、[0001]方向に3mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、[0001]方向に−9°、[11−20]方向に0°のオフ角を有している(10−10)面GaN自立基板シードを2枚用意した。シードm面の表裏面の平行度は0.5°以内である。
接合面として、(0001)面と(000−1)面を選択した。図2に示すように、2枚のシードを[0001]方向2列、(0001)面の断面と(000−1)面の断面が対向するように、また断面どうしが0.5°以内の平行度になるようにサセプター上に並べた。それ以外の条件は、実施例1と同様の条件で成長した。
単結晶成長工程が終了後、室温まで降温し、成長した結晶を取り出したところ、シードとシードの間の境界領域上方の領域が結合し、さらに配置シードの外周部が[11−20]方向、[−1−120]方向にはそれぞれ2mmずつ、[0001]方向に2mm、[000−1]方向に2mm拡大した。[10−10]方向には3.5mm成長した。外形加工、表面研磨処理後に、[11−20]方向に29mm、[0001]方向に10mm、厚さ330umの長方形のm面自立基板を一般的なスライスと研磨により3枚作製した。
微分干渉光学顕微鏡で、50倍から1000倍の倍率で、シードとシードの間の境界領域の上方の領域の結晶を観察したが、筋などの特異な模様は観察されなかった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域とシードの上方の領域に対するPL強度比は89%であった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域のCL測定での平均暗点密度は7.7×10 cm−2で、それ以外の領域の平均暗点密度の1.5倍であった。
シードの上方の領域のX線ロッキングカーブ半値幅は、[0001]方向に垂直にX線ビームを入射した場合の(10−10)面対称反射で113秒であった。
[比較例1]
[11−20]方向に25mm、[0001]方向に3mmの長さを有し、厚さ330umの直方体で、[0001]方向に0°、[11−20]方向に0°、のオフ角を有している(10−10)面GaN自立基板シードを4枚用意した。その後、実施例3と同様の条件で単結晶成長、スライス及び研磨を行った。
微分干渉光学顕微鏡で、50倍から1000倍の倍率で、接合部上の結晶を観察したところ、接合部上に筋が確認された。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域とシードの上方の領域に対するPL強度比29%であった。
シードとシードの間の境界領域の上方の領域のCL測定での平均暗点密度は、2.7×10 cm−2で、それ以外の領域の平均暗点密度の5.6倍であった。
シードの上方の領域のX線ロッキングカーブ半値幅は、[0001]方向に垂直にX線ビームを入射した場合の(10−10)面対称反射で58秒であった。
本発明にかかる製造方法により製造されるIII族窒化物結晶は、発光素子(発光ダイオ
ード、レーザーダイオードなど)、電子デバイス(整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタまたはHEMT(High Electron Mobility Transistor;高電子移動
度トランジスタ)など)、半導体センサ(温度センサ、圧力センサ、放射センサまたは可視−紫外光検出器など)、SAWデバイス(Surface Acoustic Wave Device;表面弾性波素子)、加速度センサ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)部品、圧電振動子、共振器または圧電アクチュエータなどに利用される。
100 リアクター
101 キャリアガス用配管
102 ドーパントガス用配管
103 III族原料用配管
104 V族原料用配管
105 HClガス用配管
106 III族原料用リザーバー
107 ヒーター
108 サセプター
109 排気管
G1 キャリアガス
G2 ドーパントガス
G3 III族原料ガス
G4 V族原料ガス
G5 HClガス

Claims (12)

  1. オフ角を有する複数のシードを準備する工程と、
    シードの主面が略同一方向に向くようにしてシードを配置する工程と、
    シードの主面上に、III族窒化物結晶を成長させる工程と、
    を含むIII族窒化物結晶の製造方法であって、
    前記配置工程において、前記複数のシードのオフ角の方向がほぼ同一方向となるように配置することを特徴とするIII族窒化物結晶の製造方法。
  2. 前記オフ角の絶対値が、0.1°〜15°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  3. 前記シードが主面及び裏面を有することを特徴とする請求項1〜2に記載のIII族窒化物
    結晶の製造方法。
  4. 前記シードが接合面を有し、かつ、該接合面が互いに対向するように配置することを特徴とする請求項1〜3に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  5. 前記シードの主面の面方位が(0001)面以外の面であることを特徴とする請求項1〜4に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  6. 前記シードの主面の面方位が{10−10}面であることを特徴とする請求項1〜5に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  7. 前記シードの主面の面方位が{11−20}面であることを特徴とする請求項1〜6に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載された製造方法を用いて製造したIII族窒化物結晶。
  9. (0001)面以外の面方位の面を有することを特徴とする請求項8に記載のIII族窒化
    物結晶。
  10. 請求項8に記載された製造方法を用いて製造したIII族窒化物結晶であって、
    前記シードの上方の領域におけるバンド端PL強度に対する、前記シードとシードの間の境界領域の上方の領域におけるバンド端PL強度の低下が60%以下であることを特徴とするIII族窒化物結晶。
  11. 請求項8に記載された製造方法を用いて製造したIII族窒化物結晶であって、
    前記シードの上方の領域における転位密度に対する、前記シードとシードの間の境界領域の上方の領域における転位密度の増加が5倍以下であることを特徴とするIII族窒化物結
    晶。
  12. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたIII族窒化物結晶、または請
    求項8〜11のいずれか1項に記載のIII族窒化物結晶を用いたことを特徴とする波長3
    50〜600nmの発光デバイスまたは電子デバイス。
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