JP2013209271A - 周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法、および、当該製造方法に用いられる下地基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下地基板1上に、周期表第13族金属窒化物半導体結晶5をエピタキシャル成長させる成長工程を有する周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法であって、前記下地基板1は、前記周期表第13族金属窒化物半導体結晶5とは異なる単結晶を含み、主面の最大径が55mm以上であり、かつ、前記主面の面積の75%以上に剥離補助領域3が設けられている。前記剥離補助領域は結晶成長を抑制する機能を有する層であり、所定の割合で下地基板を被覆することによって、剥離補助領域上に成長した第13族金属窒化物半導体結晶と下地基板との剥離を促す機能を有し、前記成長結晶層5形成後の降温工程において、下地基板1と成長結晶層5とが、剥離補助領域3と低温バッファ層4(GaN)との熱膨張係数の差によって分離される。
【選択図】図1
Description
また、結晶欠陥を低減する技術として、下地基板の成長面の一部に成長阻害層を設けて、横方向成長を利用して成長阻害層上に格子不整合に起因する結晶欠陥を低減した結晶を成長させる技術が知られている
前記下地基板は、前記周期表第13族金属窒化物半導体結晶とは異なる単結晶を含み、主面の最大径が55mm以上であり、かつ、前記主面の面積の75%以上に剥離補助領域が設けられていることを特徴とする周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法。
SA≧GA・・・式(1)
SA≦1.25×GA・・・式(2)
前記周期表第13族金属窒化物半導体結晶とは異なる単結晶を含み、主面の最大径が55mm以上であり、かつ、主面の面積の75%以上に剥離補助領域が設けられていることを特徴とする下地基板。
本発明の製造方法は、下地基板上に、周期表第13族金属窒化物半導体結晶をエピタキシャル成長させる成長工程を有する周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法であって、前記下地基板は、前記周期表第13族金属窒化物半導体結晶とは異なる単結晶を含み、主面の最大径が55mm以上であり、かつ、前記主面の面積の75%以上に剥離補助領域が設けられている。
前記成長工程は、下地基板上に、周期表第13族金属窒化物半導体結晶をエピタキシャル成長させる工程である。また、前記下地基板上には、剥離補助領域が設置される。本発明の製造工程は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記成長工程に加えて所望の工程を実施してもよい。以下、下地基板上にエピタキシャル成長させる周期表第13族金属窒化物半導体結晶を「成長結晶」と称することがある。
前記下地基板としては、例えば、GaN、または、サファイア、Si、SiC、Ga2O3、GaAs、ZnO(酸化亜鉛)などの基板が挙げられ、サファイア、GaAs、酸化亜鉛、SiおよびSiCからなる群から選ばれる少なくとも1種の結晶であることが好ましい。本発明の製造方法に用いられる下地基板には、当該下地基板上に成長させる結晶(周期表第13族金属窒化物半導体結晶)と異なる単結晶が用いられる。例えば、下地基板上に成長させる結晶としてGaNを選択する場合、サファイア、GaAs、酸化亜鉛、Si、SiCなどGaNに対する異種結晶基板を用いることができる。
前記剥離補助領域は結晶成長を抑制する機能を有する層であり、所定の割合で下地基板を被覆することによって、剥離補助領域上に成長した第13族金属窒化物半導体結晶と下地基板との剥離を促す機能を有する。前記下地基板は、前記下地基板の主面の面積の75%以上に剥離補助領域が設けられている。前記剥離補助領域が設けられている下地基板の主面の面積が75%未満であると、下地基板と成長結晶との剥離性が低下してしまう。前記剥離補助領域が設けられている下地基板の主面の面積は、80%以上とすることができ、更に85%以上とすることができる。また、前記剥離補助領域が設けられている下地基板の面積の上限は特に限定はないが、下地基板と剥離補助領域との上に成長させる成長結晶の反りを抑制する観点から、前記剥離補助領域が設けられている下地基板の主面の面積は、99%以下とすることができ、更に95%以下とすることができ、更に90%以下とすることができる。特に、主面の最大径が70mm以上の下地基板を用いた場合には、剥離補助領域が設けられている下地基板の主面の面積が90%超過であると成長結晶が反る傾向がある。
前記剥離補助層を構成する材料としては、SiO2、SiN、Al2O3、AlN、ZrO2、Y2O3、MgOなどが挙げられ、成膜や加工の工業的な簡便性の点から、SiN、SiO2を好ましく用いることができる。
前記剥離補助空隙は、通常は凹部構造のくぼみに相当する空間として設けられる。このとき、剥離補助空隙の厚さは凹部構造のくぼみの深さに相当する。空隙の形成方法としては、ドライエッチングで下地を凹型に加工する方法や、SiO2等の層のパターンの上に、MO−CVD等で横方向成長させ、接合させずに停止した上で、SiO2等をエッチングで除去する方法等が挙げられる。
図2中、MWは、剥離補助層3Aの短辺の長さを示す。短冊状の剥離補助層3Aの短辺の長さMWの下限は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶との最適な剥離性を得るために、16μm以上とすることができ、更に18μm以上とすることができ、更に20μm以上とすることができる。同様に、短冊状の剥離補助層3Aの短辺の長さMWの上限は、横方向成長させる工程の生産性の観点から、500μm以下とすることができ、更に100μm以下とすることができ、更に30μm以下とすることができる。また、前記複数の短冊状の剥離補助層3Aの間を挟む各領域の短辺の長さW同士は異なっていてもよいが、平均値に対する偏差を周期表第13族金属窒化物半導体結晶との剥離性の再現性を向上させるために、5%以内とすることができ、更に2%以内とすることができ、更に1%以内とすることができる。また、複数の短冊状の剥離補助層3Aの間を挟む1つの領域の短辺の長さWは、平均値に対する偏差を周期表第13族金属窒化物半導体結晶との剥離性の再現性を向上させるために、5%以内とすることができ、更に2%以内とすることができ、更に1%以内とすることができる。
前記下地基板上にエピタキシャル成長させる周期表第13族金属窒化物半導体結晶(成長結晶)の種類は特に制限されない。例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、またはこれらの混晶などを挙げることができる。前記混晶としては、AlGaN、InGaN、AlInN、AlInGaNなどを挙げることができる。好ましいのは窒化ガリウム(GaN)およびGaを含む混晶であり、より好ましいのは窒化ガリウム(GaN)である。前記エピタキシャル成長の具体的な方法については特に制限されず、例えば、ハイドライド気相成長法(HVPE)法、有機金属化学気相堆積法(MOCVD法)、液相法、アモノサーマル法、分子線成長(MBE)法、昇華法などを採用することができる。得られる結晶の成長速度と得られる結晶の大きさの観点からは、ハイドライド気相成長(HVPE)法が好ましい。
リアクター100の材質としては、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられる。好ましい材質は石英である。
SA≧GA+1・・・式(1−1)
SA≦1.25×GA−0.25・・・式(2−2)
前記成長阻害部材はマスクとして機能する層であり、その層上の窒化物結晶の縦方向の成長を抑制するために設けられる。本発明の製造方法においては、周期表第13族金属窒化物半導体結晶層の厚み(TG)と成長阻害部材の厚み(TM)との厚さの比がTG/TM≦100を満たすような厚さを有する成長阻害部材を設けることが好ましい。前記成長阻害部材としては、酸化珪素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ホウ素など、さらには、これらをCVD(気相成長)などで積層したものや、リフラクトリ金属(例えばタングステン、タンタル、コバルト、モリブデン、チタン、イリジウム)、高純度グラファイト、結晶性グラファイト、高純度結晶性グラファイト、もしくは高純度グラファイト表面上に前期成長阻害物質でCVDなどにより表面をコーティングした材料等を用いることができる。ただし、高純度グラファイトとは、灰分5ppm以下のものを指す。
前記成長結晶で形成される層は、下地基板からの結晶成長の容易性の観点から、内在する内在するピット数を3個以下とすることができ、更に2個とすることができ、更に1個以下とすることができる。
前記成長結晶における不純物原子の濃度としては、不純物を意図的にドープしていない結晶において、酸素原子濃度は、前記H2ガスの分圧により反応室内の酸素濃度を抑えるために、1×1017cm-3未満とすることができ、更に5×1016cm-3未満とすることができ、更に2×1016cm-3未満とすることができる。珪素原子濃度は、石英のリアクターから半導体結晶層への珪素混入を考慮して、1×1017〜5×1017cm-3とすることができる。炭素原子濃度は、反応室内に炭素源を混入させないために、2×1016cm-3未満とすることができる。
また、前記成長結晶における不純物原子の濃度として、アルカリ金属の含有量は、反応室内にアルカリ金属源を混入させないように、0.01質量ppm未満とすることができる。
本発明の製造方法においては、下地基板の成長表面上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させるが、これらは下地基板の成長表面に直接前記周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させてもよいし、上述のバッファ層や第1の成長結晶層などの他の層を設け、その上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させてもよい。
本発明の製造方法では、下地基板上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させることができる製造装置を適宜選択して用いることができる。以下では、好ましい製造装置の一例として、図1を参照しながらHVPE法の製造装置を説明する。
前記成長工程では、下地基板上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させることができる製造装置を適宜選択して用いることができる。以下では、好ましい製造装置の一例として、図3を参照しながらHVPE法の製造装置を説明する。
図3は、本発明の製造方法で用いることができる製造装置の一例を示す概略図である。図3の製造装置は、リアクタ100内に、下地基板(シード)110を載置するためのサセプター108と、成長させる周期表第13族金属窒化物の原料を入れるリザーバー106とを備えている。また、リアクタ100内にガスを導入するための導入管101〜104と、排気するための排気管109が設置されている。さらに、リアクタ100を側面から加熱するためのヒーター107が設置されている。また、G1〜4はそれぞれ、H2キャリアガス、N2キャリアガス、III族原料ガス、およびV族原料ガスである。
リアクタ100の材質としては、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられる。好ましい材質は石英である。リアクタ100内には、反応開始前にあらかじめ雰囲気ガスを充填しておく。雰囲気ガス(キャリアガス)としては、例えば、水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
サセプター108の材質としてはカーボンが好ましく、SiCで表面をコーティングしているものがより好ましい。サセプター108の形状は、本発明で用いる下地基板を設置することができる形状であれば特に制限されないが、結晶成長する際に結晶成長面付近に構造物が存在しないものであることが好ましい。結晶成長面付近に成長する可能性のある構造物が存在すると、そこに多結晶体が付着し、その生成物としてHClガスが発生して結晶成長させようとしている結晶に悪影響が及んでしまう。下地基板110とサセプター108の接触面は、下地基板の主面(結晶成長面)から1mm以上離れていることが好ましく、3mm以上離れていることがより好ましく、5mm以上離れていることがさらに好ましい。
下地基板の上には、結晶成長の範囲を設定する為に、上述の成長阻害部材を用いる事が好ましい。
リザーバー106には、成長させる周期表第13族金属窒化物の原料を入れる。具体的には、III族源となる原料を入れる。そのようなIII族源となる原料として、Ga、Al、Inなどを挙げることができる。リザーバー106にガスを導入するための導入管103からは、リザーバー106に入れた原料と反応するガスを供給する。例えば、リザーバー106にIII族源となる原料を入れた場合は、導入管103からHClガスを供給することができる。このとき、HClガスとともに、導入管103からキャリアガスを供給してもよい。キャリアガスとしては、例えば水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは混合して用いてもよい。
導入管104からは、窒素源となる原料ガスを供給する。通常はNH3を供給する。また、導入管101からは、キャリアガスを供給する。キャリアガスとしては、導入管102から供給するキャリアガスと同じものを例示することができる。このキャリアガスは原料ガス同士の気相での反応を抑制し、ノズル先端にポリ結晶が付着することを防ぐ効果もある。また、導入管102からは、ドーパントガスを供給することもできる。例えば、SiH4やSiH2Cl2、H2S等のn型のドーパントガスを供給することができる。
導入管101〜104から供給する前記ガスは、それぞれ互いに入れ替えて別の導入管から供給しても構わない。また、窒素源となる原料ガスとキャリアガスは、同じ導入管から混合して供給してもよい。さらに他の導入管からキャリアガスを混合してもよい。これらの供給態様は、リアクタ100の大きさや形状、原料の反応性、目的とする結晶成長速度などに応じて、適宜決定することができる。
ガス排気管109は、リアクタ内壁の上面、底面、側面に設置することができる。ゴミ落ちの観点から結晶成長端よりも下部にあることが好ましく、図3のようにリアクタ底面にガス排気管109が設置されていることがより好ましい。
HVPE法による結晶成長は、通常は800℃〜1200℃で行い、900℃〜1100℃で行うことが好ましく、925℃〜1070℃で行うことがより好ましく、950℃から1050℃で行うことがさらに好ましい。リアクタ内の圧力は10kPa〜200kPaであるのが好ましく、30kPa〜150kPaであるのがより好ましく、50kPa〜120kPaであるのがさらに好ましい。エッチングを行うときのエッチング温度や圧力は、前記の結晶成長の温度や圧力と同一であっても異なっていてもよい。
本発明の周期表第13族金属窒化物結晶の製造方法により製造した結晶を加工することにより、周期表第13族金属窒化物基板を製造することができる。所望の形状の周期表第13族金属窒化物基板を得るために、得られた周期表第13族金属窒化物結晶に対してスライス、外形加工、表面研磨などを適宜行うことが好ましい。これらの方法は、いずれか1つだけを選択して用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。組み合わせて用いる場合は、例えば、スライス、外形加工、表面研磨の順に行うことができる。各処理について詳しく説明すると、スライスは、例えばワイヤーで切断することにより行うことができる。外形加工とは、基板形状を円形にしたり、長方形にしたりすることを意味し、例えばダイシング、外周研磨、ワイヤーで切断する方法などを挙げることができる。表面研磨の例として、ダイヤモンド砥粒などの砥粒を用いて表面を研磨する方法、CMP(chemical mechanical polishing)、機械研磨後のRIEでのダメージ層エッチングなどを挙げることができる。
(GaNテンプレート準備)
直径60mmの円形で厚み430μmのサファイア基板(0001)面上に、MOVPE装置でGaN膜を極性が揃う程度の膜厚(約2μm)で成膜した。
次に、その表面にP−CVD法により窒化シリコン膜を約100nm製膜した。この窒化シリコン膜付きGaN自立基板に、アセトンおよびメタノールの溶媒中で、それぞれ10分間の超音波洗浄を行い、純水で5分間リンスした。
洗浄後のGaN自立基板の表面にプライマーとしてヘキサメチルジシラザン(HMDS:東京応化工業(株)製「OAP」)を塗布した。先ず1000rpmで7秒間、次に4000rpmで30秒間、スピナーで均一にした後、90℃のホットプレートで90秒間ベーキングを行った。これは窒化シリコン膜と後述のレジストの密着性を向上させることを目的とした工程である。
前記HMDS上にポジ型レジストを塗布し、上述のOAP塗布と同様の手順でスピナーにより均一にした後、ホットプレートで90℃・90秒間のプリベーキングを行った。プリベーキングはレジストを定着させるための工程である。なお、用いたポジ型レジストは、東京応化工業(株)製「OFPR−800」である。
アライナー露光用Crマスクを用いてレジストの露光を行った。このCrマスクのパターンには、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺の長さが21μm/4μmのストライプパターンが形成されており、下地基板であるGaN自立基板の表面に、ストライプ方向が<1−100>となるようにCrマスクをセットして露光を行った。露光後にホットプレートにて、125℃で90秒間のベーキングを行った。
露光後のGaN自立基板をポジ型レジスト用現像液(東京応化工業(株)製「NMD−3」)に90秒間浸し、露光部分のレジストおよびHMDSを除去した。その後、純水で約30秒間リンスした。乾燥後に125℃のホットプレートで90秒間ポストベーキングを行った。
プラズマエッチング装置により、レジスト開口部のSiNxのエッチングを行った。その後、ロームアンドハース製リムーバーで超音波洗浄を行い、残存するレジストおよびHMDSを溶解除去した。
後述するHVPE法によるGaNの成長に先立ち、横方向成長により窒化シリコンマスク部を化合物半導体で覆う目的で、MOCVD法によるGaNの成長を行った。反応炉内にキャリアガスとしてのH2ガスと、窒素源としてのNH3ガスを流しながら基板を加熱し、基板温度が1000℃に到達したところでGa源としてのTMGガスを反応炉内に流してGaNの結晶成長を開始した。なお、このときのTMGおよびNH3のガス流量はそれぞれ25sccmおよび4.0slmとし、V/III比は2982とした。
前記の条件で育成したGaN膜の上に、HVPE法によるGaN厚膜の結晶成長を行った。先ず、図1に示すように、前記GaN膜を設けた基板(基板(110))を、直径70mm、厚さ20mmのSiCコーティングしたカーボン製のサセプター(108)上に置き、HVPE装置のリアクタ(100)内に配置した。
その上に、高純度結晶性グラファイト製のO型のリングを置いた。内径は直径55mmのものを用いた。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いた、アライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが15μm/4μmのストライプパターンに変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いた、アライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが10μm/4μmのストライプパターンに変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜の半分程度が先に作製した下地基板に残ってしまった。
下地基板との剥離が良い部分のGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いた、アライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが5μm/4μmのストライプパターンに変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜の半分程度が先に作製した下地基板に残ってしまった。
下地基板との剥離が良い部分のGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、GaN結晶厚膜はクラックが発生し、分割されていることを確認した。
実施例1で用いたアライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが21μm/2μmのストライプパターンに変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いたアライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが15μm/2μmのストライプパターンに変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いたアライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが10μm/2μmのストライプパターンに変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いた、アライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが5μm/2μmのストライプパターンに変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜の半分以上が先に作製した下地基板に残ってしまった。
下地基板との剥離が良い部分のGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、GaN結晶厚膜はクラックが発生し、分割されていることを確認した。
実施例1におけるサファイア基板を、直径3インチの円形で厚み550μmのサファイア基板に変更し、当該サファイア基板の(0001)面上に、MOVPE装置でGaN膜を極性が揃う程度の膜厚(約2μm)で成膜した。また、実施例1で用いたアライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが21μm/3μmのストライプパターンに変更した。また、下地基板の上に置くO型リングの内径は直径70mmのものを用いた。これら以外は実施例1と同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1におけるサファイア基板を、直径3インチの円形で厚み550μmのサファイア基板に変更し、当該サファイア基板の(0001)面上に、MOVPE装置でGaN膜を極性が揃う程度の膜厚(約2μm)で成膜した。
また、実施例1で用いたアライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが21μm/2.5μmのストライプパターンに変更した。また、下地基板の上に置くO型リングの内径は直径70mmのものを用いた。これら以外は実施例1と同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1におけるサファイア基板を直径3インチの円形で厚み550μmのサファイア基板に変更し、当該サファイア基板の(0001)面上に、MOVPE装置でGaN膜を極性が揃う程度の膜厚(約2μm)で成膜した。
また、実施例1で用いたアライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが21μm/4μmのストライプパターンに変更した。また、下地基板の上に置くO型リングの内径は直径70mmのものを用いた。これら以外は実施例1と同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板からほぼ完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1におけるサファイア基板を直径3インチの円形で厚み550μmのサファイア基板に変更し、当該サファイア基板の(0001)面上に、MOVPE装置でGaN膜を極性が揃う程度の膜厚(約2μm)で成膜した。
また、実施例1で用いた、アライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが21μm/2.0μmのストライプパターンに変更した。また、下地基板の上に置くO型リングの内径は直径70mmのものを用いた。これら以外は実施例1と同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。しかし、成長途中で外周部が部分的に剥離してしまったらしく、GaN結晶の底部は下凸に大きく反っていた。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いたサファイア基板を、直径100mmの円形で厚み900μmのサファイア基板に変更し、当該サファイア基板の(0001)面上に、MOVPE装置でGaN膜を極性が揃う程度の膜厚(約2μm)で成膜した。
また、実施例1で用いたアライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが21μm/3μmのストライプパターンに変更した。また、下地基板の上に置くO型リングの内径は直径93mmのものを用いた。これら以外は実施例1と同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1のサファイア基板を、直径100mmの円形で厚み900μmのサファイア基板に変更し、当該サファイア基板の(0001)面上に、MOVPE装置でGaN膜を極性が揃う程度の膜厚(約2μm)で成膜した。
また、実施例1で用いたアライナーの代わりに、ニコン製g線ステッパーを用いて、露光用Crレチクルのパターンには、下地基板上でライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが21μm/3μmのストライプパターンとなるように変更した。また、下地基板の上に置くO型リングの内径は直径93mmのものを用いた。これら以外は実施例1と同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1のサファイア基板を、直径100mmの円形で厚み900μmのサファイア基板に変更し、当該サファイア基板(0001)面上に直接P−CVD法により窒化シリコン膜を約100nm製膜した。この窒化シリコン膜付きGaN自立基板に、アセトンおよびメタノールの溶媒中で、それぞれ10分間の超音波洗浄を行い、純水で5分間リンスした。
また、実施例1で用いたアライナーの代わりに、ニコン製g線ステッパーを用いて、露光用Crレチクルのパターンには、下地基板上でライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが21μm/3μmのストライプパターンとなるように変更した。また、下地基板の上に置くO型リングの内径は直径93mmのものを用いた。これら以外は実施例1と同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。ただし、各実施例では、40mmφの曲率が3.5m以上で良好であるのに対して、比較例4では3.5m未満(3.0m)であった。
実施例1で用いた、アライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが10μm/15μmのストライプの0度、60度、および、120度回転させて重ね合わせたパターンに変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。剥離補助領域の面積は約84%であった。主面から見ると、剥離補助領域以外の部分は三角形の形状をしている。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いた、アライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが5μm/7.5μmのストライプの0度、60度、120度回転させて重ね合わせたパターン(図4参照)に変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。剥離補助領域の面積は約84%であった。主面側から見ると、剥離補助領域以外の部分は三角形の形状をしている。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いた、アライナー露光用Crマスクのパターンを、1辺が3μmの正六角形のスペース(Window)が、1辺が12μmの正三角形の頂点に配置したパターン(図5参照)に変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。剥離補助領域の面積は約81%であった。主面から見ると、剥離補助領域以外の部分は正六角形の形状をしている。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いた、アライナー露光用Crマスクのパターンを、1辺が2μmの正六角形のスペース(Window)を、1辺が8μmの正三角形の頂点に配置したパターンに変更したこと以外は同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。剥離補助領域の面積は約81%であった。主面から見ると、剥離補助領域以外の部分は正六角形の形状をしている。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
直径3インチの円形で厚み550μmのサファイア基板(0001)面上に、実施例1のフォトレジストのパターニング(幅:2μm、周期:10μm、ストライプ方位:ストライプ延伸方向がサファイア基板の<11−20>方向)を行い、RIE(Reactive Ion Etching)装置で0.5μmの深さまで断面方形型にエッチングした。続いて基板全面にSiO2膜を0.1μm堆積し、その後リフトオフ工程によりフォトレジストおよびその上に堆積されたSiO2膜を除去した。このようにして基板凹部にマスク層を施した。その後、MOVPE装置に基板を装着し、水素雰囲気下で1100℃まで昇温し、サーマルエッチングを行った。その後温度を500℃まで下げ、3族原料としてトリメチルガリウム(以下TMG)を、N原料としてアンモニアを流し、GaNからなる第1の成長結晶層を成長させた。つづいて温度を1000℃に昇温し原料としてTMG・アンモニアを、ドーパントとしてシランを流しn型GaN層を基板上に成長した。その時の成長時間は、通常の凹凸の施していない場合のGaN成長における4μmに相当する時間とした。
この後は、実施例6と同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
実施例1で用いたサファイア基板として直径3インチの円形で厚み550μmのサファイア基板(0001)面上に、MOVPE装置でGaN膜を極性が揃う程度の膜厚(約2μm)で成膜した。また、実施例1で用いたアライナー露光用Crマスクのパターンを、ライン(Mask)/スペース(Window)の短辺長さが21μm/3μmのストライプパターンに変更した。また、下地基板の上に置くO型リングの内径は直径63mmのものを用いた。これら以外は実施例1と同様の方法を用いてIII族窒化物結晶であるGaN単結晶厚膜を得た。
GaN単結晶厚膜は先に作製した下地基板から完全に剥離しており、下地基板側へのGaN結晶の残存は認められなかった。
得られたGaN単結晶厚膜は、触針式の膜厚計で測定したところ、約5mmであった。また、目視による検査で、クラックが生じていないことを確認した。
2 薄膜
3 剥離補助領域
3A 剥離補助層
4 第1の成長結晶層
5 第2の成長結晶層
100 リアクタ
101〜104 導入管
106 リザーバー
107 ヒーター
108 サセプター
109 排気管
110 下地基板
G1 H2キャリアガス
G2 N2キャリアガス
G3 III族原料ガス
G4 窒素原料ガス(V族原料ガス)
Claims (11)
- 下地基板上に周期表第13族金属窒化物半導体結晶をエピタキシャル成長させる成長工程を有する、周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法であって、
前記下地基板は、前記周期表第13族金属窒化物半導体結晶とは異なる単結晶を含み、主面の最大径が55mm以上であり、かつ、前記主面の面積の75%以上に剥離補助領域が設けられていることを特徴とする周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法。 - 前記成長工程にわたって前記下地基板の主面の半径SAと前記下地基板上に成長させる前記周期表第13族金属窒化物半導体結晶の主面の半径GAとが下記式(1)の条件を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法。
SA≧GA・・・式(1) - 前記成長工程にわたって前記面積SAと前記半径GAとが下記式(2)の条件を満たしていることを特徴とする請求項2に記載の周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法。
SA≦1.25×GA・・・式(2) - 前記剥離補助領域が、間隔をおいて前記下地基板上に配置された複数の短冊状の剥離補助層を含み、かつ、前記剥離補助層の、短辺の長さが20μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記剥離補助領域の厚みが1μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記下地基板の厚みが200μm以上2mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体基板の製造方法。
- 周期表第13族金属窒化物半導体結晶成長用の下地基板であって、
前記周期表第13族金属窒化物半導体結晶とは異なる単結晶を含み、主面の最大径が55mm以上であり、かつ、主面の面積の75%以上に剥離補助領域が設けられていることを特徴とする下地基板。 - 前記剥離補助領域が、間隔をおいて前記下地基板上に配置された複数の短冊状の剥離補助層を含み、かつ、前記剥離補助層の短辺の長さが20μm以上であることを特徴とする請求項7に記載の下地基板。
- 前記剥離補助領域の厚みが1μm以下であることを特徴とする請求項7または8のいずれか1項に記載の下地基板。
- 厚みが200μm以上2mm以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の下地基板。
- 前記剥離補助領域上に、厚みが300μm以上である周期表第13族金属窒化物半導体結晶層を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の下地基板。
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