JP2013100191A - 周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法 - Google Patents

周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法 Download PDF

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敬紀 鈴木
Akira Morimoto
明 森本
Yasuhiro Uchiyama
泰宏 内山
Takeshi Fujito
健史 藤戸
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Abstract

【課題】ドーピングガスの種類の制約を受けずに、キャリア濃度の均一化を図ることができる周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつけながら結晶成長させることによって、結晶内のキャリア濃度が均一な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法に関する。
窒化ガリウムに代表される周期表第13族金属窒化物半導体は、大きなバンドギャップを有し、さらにバンド間遷移が直接遷移型であることから、紫外、青色等の発光ダイオード、半導体レーザ等の比較的短波長側の発光素子として実用化されている。これらの素子は、同種の材料からなり、かつ転位密度の少ない高品質な基板を用いて製造されることが好ましく、このような基板となり得る周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造技術が盛んに研究されている。代表的な製造方法としては、ハライド気相成長法(HVPE法)や有機金属化学蒸着法(MOCVD法)等の気相成長法が知られている。
窒化ガリウム等の周期表第13族金属窒化物半導体結晶をn型にする代表的なドーパントとしては、シリコン(Si)が知られており、気相成長法においてはSiH2Cl2、SiCl4等のシラン系化合物をドーピングガスとして用いる成長方法が報告されている(特許文献1参照)。また、これらのドーピングガスでは、結晶に取り込まれるシリコンの濃度が変動してしまうため、SiF4をドーピングガスとして用いる方法や、特定条件下でSiCl4を用いる方法が提案されており、これらの方法を利用することによって、結晶内のシリコン濃度の制御が可能となり、抵抗率の面内分布の悪化を防止できることが報告されている(特許文献2〜4参照)。
特開2000−091234号公報 特開2009−126721号公報 特開2009−126722号公報 特開2009−126723号公報
HVPE法等の気相成長法においては、ドーピングガスは装置内に設置されている導入管を利用して反応容器内に供給されるのが一般的であり、かかる導入管の吐出口(ノズル)は下地基板よりもガスの流れの上流側に配置されていることが多い。ドーピングガスを下地基板上に到達し易くするために、例えばかかるノズルを下地基板の成長面に垂直に、かつ下地基板の中心位置を向くように配置した場合であっても、得られる結晶のキャリア濃度は不均一になる傾向があった。
SiF4等をドーピングガスとして利用することにより、抵抗率即ちキャリア濃度を均一にすることができることも報告されているが、ドーピングガスの種類の制約を受けずに、結晶内のキャリア濃度の均一化を図ることができれば、成長条件のより柔軟な設定が可能となり、製造コストや品質向上の利点が生じ得る。
即ち、本発明は、ドーピングガスの種類の制約を受けずに、キャリア濃度の均一化を図ることができる周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、HVPE法等の気相成長法において、成長面の周縁部にドーピングガスが吹きつけられるように結晶成長を進め
ることによって、キャリア濃度が均一な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は以下のとおりである。
(1)下地基板の主面を成長面とし、成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつけながら周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる成長工程を含むことを特徴とする、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(2)前記周縁部が、前記成長面の最大幅線分の中心から、前記最大幅の35%に相当する距離以上離れた領域である、(1)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(3)前記成長面の最小幅が20mm以上である、(1)又は(2)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(4)前記成長工程が、前記成長面の法線を回転軸として、前記下地基板を回転させながら行われる工程である、(1)〜(3)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(5)前記成長工程が、シールドガスを供給して行われる工程である、(1)〜(4)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(6)前記成長工程が、ドーピングガスを吹きつけるドーピングガス供給用ノズルを含む装置を用いて行われる工程であり、かつ前記ドーピングガス供給用ノズルが、下記条件を満たすような形状を有する及び/又は下記条件を満たすように配置されている、(1)〜(5)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
ドーピングガス供給用ノズルの条件:ドーピングガス供給用ノズルの供給口をガスの供給方向に向かって成長面平面上に投影した場合における供給口投影面の少なくとも一部が、前記周縁部に含まれること
(7)前記ドーピングガス供給用ノズルの供給口の最大幅が、前記成長面の最大幅の0.65倍以上である、(6)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(8)前記ドーピングガス供給用ノズルの供給口の最大幅が、前記供給口の最小幅の1.4倍以上である、(6)又は(7)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(9)前記装置が、ドーピングガス供給用ノズルを2つ以上含むものである、(6)〜(8)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(10)前記供給口投影面の最大幅線分の中心が、前記成長面の最大幅線分の中心から、前記成長面の最大幅の10%に相当する距離以上離れている、(6)〜(9)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
本発明によれば、ドーピングガスの種類の制約を受けずに、結晶内のキャリア濃度の均一化を図ることができ、さらにドーパントの取込効率が高い周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法を提供することができる。
ドーピングガス供給用ノズルのガスの供給方向について説明する概念図である。 ドーピングガス供給用ノズルの供給口の形状を、ガスの供給方向に向かって成長面平面上に投影した場合の投影図である(上側が側面の断面図、下側が投影図である)。 シールドガスを供給するノズル形状を説明する概念図である(上側がガスを供給するノズルの側面の断面図、下側がガスを供給するノズルの底面図である)。 本発明に係る成長工程に使用する装置の概念図である。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法について、以下詳細に説明す
るが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶に関する発明であるが、六方晶構造(ウルツ鋼型結晶構造)を有する第13族窒化物半導体結晶の極性面としては、例えば(0001)面及び(000−1)面等が、非極性面としては、(10−10)面、(11−20)面及びこれらの面と結晶幾何学的に等価な面等が、半極性面としては(20−21)面、(20−2−1)面、(10−11)面、(10−1−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(11−21)面、(11−2−1)面、(11−2−2)面、(11−2−2)面、(22−41)面、(22−4−1面)及びこれらの面と結晶幾何学的に等価な面等が挙げられる。
本願明細書において、(0001)面及び(000−1)面、即ち極性面を「C面」と略する場合があり、(10−10)面及びこの面と結晶幾何学的に等価な面を「M面」と略す場合がある。
なお、本明細書においてC面、M面や特定の指数面を称する場合には、±0.01°以内の精度で計測される各結晶軸から10°以内のオフ角を有する範囲内の面を含む。好ましくはオフ角が5°以内であり、より好ましくは3°以内である。
<本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法>
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶(以下、「第13族窒化物半導体結晶」ともいう)の製造方法は、下地基板の主面を成長面とし、成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつけながら周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる成長工程(以下、「成長工程」ともいう)を含むことを特徴とする。HVPE法等の気相成長法では、得られる結晶のキャリア濃度は不均一になり易く、例えばドーピングガスを供給するノズルを下地基板の成長面に垂直に、かつ下地基板の中心位置を向くように配置した場合であっても、得られる結晶のキャリア濃度は不均一になる傾向があった。本発明者らは、特に成長面の周縁部のキャリア濃度が低くなり易いことを見出し、成長面の周縁部にもドーピングガスが吹きつけられるように結晶成長を進めることによって、キャリア濃度が均一な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく製造できることを見出した。なお、本発明は成長面の周縁部のみにドーピングガスを吹きつけることを意図しているのではなく、周縁部以外の領域にドーピングガスを吹きつけるものであってもよく、成長面全体にドーピングガスを吹きつけることがより好ましい。本発明は、キャリア濃度が比較的低くなり易い成長面の周縁部に着目し、かかる周縁部にドーピングガスを積極的に吹きつけることを特徴としている。ここで「主面」とは結晶(下地基板も含む)中の最も広い表面を意味するものとし、「成長面」とは結晶成長が進むべき面を意味するものとする。即ち、「下地基板の主面を成長面」とするとは、下地基板の最も広い表面から結晶成長が進むように条件設定等を行うことを意味する。下地基板の外周部分がマスクや、下地基板を保持するための治具等で覆われている場合、成長面とは下地基板の外部に露出している部分を意味する。また、「成長面の周縁部」とは結晶(下地基板も含む)の成長面上の領域であって、成長面の中心(成長面の形状が点対称でない場合、成長面の最大幅線分の中心)から離れた領域を意味するものとする。具体的には、成長面の中心から、成長面の最大幅の35%に相当する距離以上離れた領域が挙げられる。例えば、結晶の成長面が直径10cmの円状である場合、成長面の中心は円の中心、最大幅は10cmであり、周縁部は円の中心から3.5cm以上離れた領域となる。また、「周縁部にドーピングガスを吹きつける」とは、従来行われているような、ドーピングガスを供給するノズルを下地基板の成長面に垂直に、かつ下地基板の中心位置を向くように配置して、ガス拡散によってドーピングガスのごく一部を周縁部に供給するものとは違って、例えば、後述するドーピングガスの供給方向に周縁部を配置するなどして、積極的に周縁部にドーピングガスを供給することを意味
する。
本発明が対象とするドーパント元素は、シリコン(Si)、酸素(O)、ゲルマニウム(Ge)等の第13族窒化物半導体結晶のドーパントとして用いられる元素であれば特に限定されないが、シリコン(Si)が特に好ましい。シリコン(Si)をドーピングするためのドーピングガスの種類も特に限定されず、モノシラン;SiH3Cl、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4等のクロロシラン系化合物;SiH3Br、SiH2Br2、SiHBr3、SiBr4等のブロモシラン系化合物;SiH3F、SiH22、SiHF3、SiF4等のフルオロシラン系化合物;SiH3I、SiH22、SiHI3、SiI4等のヨウ化シラン系化合物等が挙げられる。中でも、安定性の観点から、SiH3Cl、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4などのクロロシラン系化合物が好ましく、より好ましくはジクロロシラン(SiH2Cl2)である。
本発明の製造方法は、得られる結晶のキャリア濃度を均一にすることができる特徴を有するが、結晶内でのキャリア濃度の最大値と最小値は、通常1×1017cm-3以上であり、3×1017cm-3以上であることが好ましく、5×1017cm-3以上であることがより好ましい。さらにキャリア濃度の最大値と最小値は、通常5×1019cm-3以下であり、3×1019cm-3以下であることが好ましく、1×1019cm-3以下であることがさらに好ましい。本発明におけるキャリア濃度は、van der Pauw法によるホール測定を行うことにより決定される値である。
本発明の製造方法は、その効果として、得られる結晶のドーパントの取込効率が高い特徴を有する。ドーパントの取込効率とは、本発明において、以下の式(1)により計算される値を意味するものとする。
Figure 2013100191
D(C):得られる第13族窒化物半導体結晶中のドーパント元素のモル量
13(C):得られる第13族窒化物半導体結晶中の第13族元素のモル量
D(I):供給したドーピングガスのドーパント元素のモル量
13(I):供給した原料ガスの第13族元素のモル量
ドーパントの取込効率は、即ち、供給されたドーパント元素のうち、第13族窒化物半導体結晶中に取込まれたドーパント元素の割合を表す値であり、かかる数値が高い製造方法は、ドーピングガスを効率的に利用できていることを示している。例えばドーピングガスが結晶に取り込まれずに、その他のガス種と反応してしまうと、ドーパントの取込効率は低下することになる。実際、ドーピングガスを供給するノズルには、ドーピングガス由来の付着物が観測される場合があり、このような付着物が多く観測される場合には、即ち、ドーパントの取込効率が低下することとなる。
本発明の製造方法が対象とする第13族窒化物半導体結晶の種類は特に限定されないが、GaN、AlN、InN等の1種類の第13族金属からなる窒化物のほか、GaInN、GaAlN等の2種類以上の第13族金属からなる複合窒化物であってもよい。この中でGaN、AlN、AlGaNが好ましく、GaNがより好ましい。
本発明の製造方法は、成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつけながら結晶成長させる成長工程を含むことを特徴としているが、成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつける具体的手段としては、以下のようなドーピングガス供給用ノズルに関する手段が挙げられる。
(1)成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつけるように、ドーピングガス供給用ノズルの形状を設定する
(2)成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつけるように、ドーピングガス供給用ノズルを配置する
「ドーピングガス供給用ノズル」とは、気相成長法に用いられる装置に取り付けられた部品であって、ドーピングガスを反応容器内に供給する導入管の吐出口部分を意味するものとする。また、かかるノズルはドーピングガスを供給するための専用である必要はなく、主にドーピングガスを供給するノズルであればよい。
「成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつける」ためには、例えば下記条件を満たすようにドーピングガス供給用ノズルの形状や位置を設定することが挙げられる。
ドーピングガス供給用ノズルの条件:ドーピングガス供給用ノズルの供給口をガスの供給方向に向かって成長面平面上に投影した場合における供給口投影面の少なくとも一部が、成長面の周縁部に含まれること
かかる条件は、ドーピングガス供給用ノズルの供給口の形状を、ガスの供給方向に向かって成長面平面上に投影した場合の投影図を用いて表現しているものである。ここで「ガスの供給方向に向かって」とは、ドーピングガス供給用ノズルの向いている方向や、供給口の形状に基づいて実際に流れるガスの方向を意味するものとする(図1を参照、1はドーピングガス供給用ノズル側面の断面図、2はガスの供給方向)。また、「成長面平面上」とは、結晶(下地基板も含む)の成長面のみならず、成長面の延長上にある平面も含めた平面上であることを意味する。
供給口の形状を投影した投影図については、図2に例を挙げて説明する。図2の上の図は、下地基板と下地基板の上側に設置されているドーピングガス供給用ノズル側面の断面図であり、図2の下の図は、下地基板とドーピングガス供給用ノズルの供給口形状を成長面平面上に投影した場合の投影図である(1はドーピングガス供給用ノズル、2はガスの供給方向、3は下地基板、4は供給口、5は(下地基板の)成長面、6は供給口投影面、7は成長面の周縁部)。供給口の形状を投影した供給口投影面を利用することによって、ドーピングガス供給用ノズルの形状や成長面の周縁部との位置関係を簡易的に把握できるため、かかる表現を用いるものとする。
図2においては、供給口投影面6の一部が、成長面の周縁部7に含まれている状態にあり、即ちドーピング供給用ノズルが上記条件を満たすように配置されているといえる。
ドーピングガス供給用ノズルの具体的な形状は、特に限定されないが、供給口の形状(ノズル断面)として表す場合、円形ノズルのほか、楕円型ノズル、スリット型ノズル、ドーナツ型ノズル、十字型ノズル、星型ノズル等が挙げられる。この中で特にスリット形ノズルが好ましい。スリット形ノズルは、原料ガス等のその他のガスを供給するためのノズルを配置するためのスペース確保し易くなる利点がある。
ドーピングガス供給用ノズルの寸法は、特に限定されないが、ノズルの供給口の最大幅が、成長面の最大幅の0.65倍以上の寸法であることが好ましく、0.7倍以上の寸法であることがより好ましく、0.8倍以上での寸法であることがさらに好ましい。一方、上限値として、成長面の最大幅の2.0倍以下の寸法であることが好ましく、1.5倍以下の寸法であることがより好ましい。上記範囲であると、成長面の周縁部にドーピングガスを十分に吹きつけることができるとともに、効率よくドーピングガスを利用することができる。上限超過の場合には、ドーパントの取込効率が低くなる傾向がある。また、供給口の最大幅は、供給口の最小幅の1.4倍以上の寸法であることが好ましく、1.5倍以上の寸法であることがより好ましい。上記範囲であると、成長面の周縁部にドーピングガスを十分に吹きつけることができるとともに、窒素元素含有原料ガス等の原料ガスをノズル幅の短い部分より下地基板の中心部に取り込みやすくなり、効率よくドーピングガスを利用することができる。
成長工程は、下地基板を回転させながら行われることが好ましい。具体的には、成長面の法線を軸として回転させることが好ましく、成長面の中心を通る法線を軸として回転させることがより好ましい。成長面の形状が点対称でない場合には、成長面の最大幅線分の中心を通る法線を軸として回転させることがより好ましい。下地基板を回転させながら結晶成長を進めることで、例えば上記のようなスリット形のドーピングガス供給用ノズルを用いた場合でも、ドーピングガスを成長面に均一に吹きつけることができる。下地基板の回転速度は、特に限定されないが、1〜50rpmであることが好ましく、5〜20rpmであることがより好ましい。
また、下地基板の回転運動を利用して、ドーピングガス供給用ノズルの供給口投影面が偏芯回転するようにドーピングガス供給用ノズルを配置することもできる。例えば、供給口投影面の最大幅線分の中心が、下地基板の回転中心(例えば、成長面の最大幅線分の中心)から、下地基板の成長面の最大幅の10%に相当する距離以上離れている偏芯回転が好ましい。具体的には、成長面の最大幅が60mmの下地基板を用いた場合には、供給口投影面の最大幅線分の中心が、下地基板の回転中心から6mm以上離れている偏芯回転が好ましい。上記のような偏芯回転であると、ドーピングガスを成長面に均一に吹きつけることができる。
ドーピングガス供給用ノズルは装置内に2つ以上配置されていてもよい。例えば、1つのドーピングガス供給用ノズルでは、成長面の周縁部に十分にドーピングガスを吹きつけることができない場合等においては、2つ以上のドーピングガス供給用ノズルを配置することが考えられる。2つ以上のドーピングガス供給用ノズルを配置する場合の具体的位置や数は、特に限定されないが、成長面に均一にドーピングガスを吹きつけるように、成長面の形状に合わせて配置されることが好ましい。
ドーピングガス供給用ノズルの設置角度や先端形状は、特に限定されないが、ガスの供給方向は、成長面の法線方向に対して±45°以内であることが好ましく、±30°以内であることより好ましい。従って、上記範囲になるように、ドーピングガス供給用ノズルの設置角度や先端形状を設定することが好ましい。
ドーピングガス供給用ノズルの先端部と下地基板との距離は、成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつけるように適宜設定することができるが、具体的には5〜300mmの範囲内であることが好ましく、20mm〜150mmであることがより好ましい。上記範囲であると、成長面の周縁部に効率よくドーピングガスを吹きつけることができる。
ドーピングガスは、ハロゲン元素含有物質やキャリアガスを含んだ状態で供給されてもよい。ハロゲン元素含有物質としては、例えば、HCl、HBr、HF等のハロゲン化水素;Cl2、Br2、F2等のハロゲンガスが挙げられ、HCl、HBr、HF等のハロゲン化水素を好ましく用いることができる。ハロゲン元素含有物質を含んだ状態で供給されることにより、結晶内のキャリア濃度をより均一にし易くすることができる。また、キャリアガスとしてはH2、N2、He、Ne、Arなどを挙げることができ、H2、N2を好ましく用いることができる。キャリアガスを含んだ状態で供給されることにより、適度な流速を付与することができ、ドーピングガスを成長面の周縁部に効率的に吹きつけることができる。使用されるハロゲン元素含有物質やキャリアガスは1種類に限定されず、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ドーピングガスを成長面の周縁部に効率よく吹きつけるために、ドーピングガスとともにシールドガスを供給して結晶成長を行うことが好ましい。シールドガスとは、原料ガスやドーピングガスが互いに混合するのを抑制する働きをするガスを意味しており、原料ガ
スやドーピングガス等と結晶成長条件下において反応せず、さらに結晶成長を阻害しない成分から構成されることが好ましい。ドーピングガスは結晶に取り込まれる前に、その他のガス種と反応してしまう場合があり、シールドガスを利用してこれを防止することができれば、ドーピングガスを成長面の周縁部に効率よく吹きつけることができる。シールドガスの具体的な供給方法は、ガスの混合を抑制することができる方法であれば特に限定されないが、例えば、シールドガスを供給するノズルの形状や配置を図3に示されるように設定することが挙げられる。
図3中の8はドーピングガス供給用ノズル、9はドーピングガスの供給方向、10はシールドガスを供給するノズル、11はシールドガスの供給方向、12はその他のガスを供給するノズル、13はその他のガスの供給方向を表す。図3は、ドーピングガス供給用ノズルとその他のガスを供給するノズルの間にシールドガスを供給するノズルが配置されていることを表しており、このように配置されていることによって、ドーピングガスとその他のガスの混合を抑制することができる。この場合、シールドガスを供給するノズルの供給口の形状は、ドーピングガス供給用ノズルの供給口の最大幅以上であることが好ましく、シールドガスを供給するノズルの供給口の最大幅は、ドーピングガス供給用ノズルの供給口の最大幅よりも3mm以上長いことがより好ましく、5mm以上長いことがさらに好ましい。
また、シールドガスを供給するノズルが、ドーピングガス供給用ノズルを内包するような形状を有しているものが挙げられる。このような形状を有することによって、ドーピングガスを囲むようにシールドガスを供給することができる。ドーピングガスを囲むようにシールドガスを供給する場合、ドーピングガスの周囲3mm以上の範囲をシールドガスで囲まれた状態にすることが好ましく、周囲4mm以上の範囲をシールドガスで囲まれた状態にすることがより好ましく、周囲5mm以上の範囲をシールドガスで囲まれた状態にすることがさらに好ましい。従って、シールドガスを供給するノズルも、上記のようなシールドガスを供給できるような形状を有することが好ましい。
また、シールドガスは、ドーピングガスの流れる方向と同じ方向に流れるように制御されていることが好ましい。この場合の線速度は、ドーピングガス供給用ノズルの供給口にドーピングガスやシールドガス以外のその他のガス種が到達することがないように設定されることがより好ましい。ドーピングガス供給用ノズルの供給口付近で、ガスの流れに乱れが生じたり、またはガスが拡散してしまうと、その他のガスが供給口に侵入し、ドーピングガスと反応してしまう場合がある。
シールドガスを供給するノズルの供給口は、ドーピングガス供給用ノズルの供給口よりも上流に設置されているか、同レベルに並設されていることが好ましい。このような位置に設置することによって、その他のガスがドーピングガス供給用ノズルの供給口に侵入することを効率的に防止することができる。
シールドガスとしてはH2、N2、He、Ne、Arなどを挙げることができ、H2、N2を好ましく用いることができる。シールドガスは1種類に限定されず、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
窒素源となる窒素元素含有原料ガス(以下、「窒素元素含有原料ガス」ともいう)は、ドーピングガスやシールドガスを供給する導入管とは別の導入管を利用して反応容器内に供給されることが好ましい。窒素元素含有原料ガスを供給するノズルは、窒素元素含有原料ガスがドーピングガス供給用ノズルの近傍に到達しにくいように設置することがより好ましい。例えば、ドーピングガス供給用ノズルを囲むようにシールドガスを供給するノズルが設置されているときは、シールドガスを供給するノズルよりもさらに外側に窒素元素含有原料ガスを供給するノズルを設置することが挙げられる。このとき、窒素元素含有原料ガスを供給するノズルは、シールドガスを供給するノズルの周囲を囲むように設置して
もよいし、しなくてもよい。また、ドーピングガスやシールドガスを供給するノズルから離れた位置に、窒素元素含有原料ガスを供給するノズルを設置してもよい。離れた位置に設置する場合は、窒素元素含有原料ガスを供給するノズルの周囲を囲むように、シールドガスを供給するノズルを設けることも好ましい。
ドーピングガスと窒素元素含有原料ガスとの間にシールドガスを流すことによって両者を隔離する場合、シールドガスの線速度と隔離距離を好ましい範囲内に制御することによって、ドーピングガスを成長面の周縁部に効率よく吹きつけることができる。ここでいうシールドガスの線速度とは、結晶成長中の反応容器内温度及び反応容器内圧力における、ドーピングガス供給用ノズルの周囲を流れるシールドガスの線速度を意味する。シールドガスの線速度は、ドーピングガス供給用ノズルの周囲を流れるシールドガスの線速度を直接測定することにより求めてもよいし、ドーピングガス供給用ノズルを囲むように流れるシールドガスの流速をもって線速度としてもよい。通常は後者の方法を採用する。一方、上記の隔離距離は、ドーピングガス供給用ノズルの内縁から窒素元素含有原料ガス流の最近部までの距離を意味する。通常は、ドーピングガス供給用ノズルのガス供給方向と窒素元素含有原料流の方向は一致しているため、隔離距離はこれらのガス流の方向に垂直な方向の最短距離となる。
隔離距離は3mm(0.003m)以上であることが好ましく、4mm(0.004m)以上であることがより好ましく、5mm(0.005m)以上であることがさらに好ましい。また、隔離距離は500mm(0.5m)以下であることが好ましく、100mm(0.1m)以下であることがより好ましく、50mm(0.05m)以下であることがさらに好ましい。線速度は、0.1m/s以上であることが好ましく、0.15m/s以上であることがより好ましく、0.2m/s以上であることがさらに好ましい。また、線速度は20m/s以下であることが好ましく、5m/s以下であることがより好ましく、1m/s以下であることがさらに好ましい。隔離距離と線速度の積は、0.3m2/s以上であることが好ましく、0.6m2/s以上であることがより好ましく、1m2/s以上であることがさらに好ましい。また、隔離距離と線速度の積は、10000m2/s以下であることが好ましく、5000m2/s以下であることがより好ましく、1000m2/s以下であることがさらに好ましい。
本発明は、下地基板の主面を成長面とし、成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつけながら結晶を成長させる成長工程を含むことを特徴とする第13族窒化物半導体結晶の製造方法であるが、ここでいう成長工程とは、即ちハライド気相成長法(HVPE法)、有機金属化学蒸着法(MOCVD法)、有機金属塩化物気相成長法(MOC法)、昇華法等の気相成長法を利用した工程であることを意味する。これらのうち特にHVPE法が好ましい。
以下、本発明に係る成長工程について詳細に説明するに当たり、HVPE法の場合の成長条件及び装置の具体例を挙げるが、本発明の趣旨を逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。
図4には、HVPE法に用いられる製造装置の概念図を示す。HVPE装置は、リアクター(反応容器)100内に、サセプター108と、成長させる第13族窒化物半導体結晶の原料を入れるリザーバー106とを備えている。また、リアクター100内にガスを導入するための導入管101〜105と、排気するための排気管109が設置されている。さらに、リアクター100を側面から加熱するためのヒーター107が設置されている。
リアクター100の材質としては、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等を用いることができるが、好ましい材質は石英である。リアクター100内には、反応開始前にあら
かじめ雰囲気ガスを充填しておく。雰囲気ガス(キャリアガス)としては、例えば、水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは1種のみで用いてもよく、混合して用いてもよい。
サセプター108の材質としてはカーボンが好ましく、SiCで表面をコーティングしているものがより好ましい。サセプター108の形状は、特に制限されないが、結晶成長する際に結晶成長面付近に構造物が存在しないものであることが好ましい。結晶成長面付近に成長する可能性のある構造物が存在すると、そこに多結晶体が付着し、その生成物としてHClガスが発生して、結晶成長させようとしている結晶に悪影響が出る場合がある。
リザーバー106には、成長させる第13族源となる原料を入れる。第13族源となる原料として、Ga、Al、Inなどを挙げることができる。リザーバー106にガスを導入するための導入管105からは、リザーバー106に入れた原料と反応するガスを供給する。例えば、リザーバー106に第13族源となる原料を入れた場合は、導入管105からHClガスを供給することができる。このとき、HClガスとともに、導入管105からキャリアガスを供給してもよい。キャリアガスとしては、例えば水素、窒素、He、Ne、Arのような不活性ガス等を挙げることができる。これらのガスは1種のみで用いてもよく、混合して用いてもよい。
導入管101〜104からは、窒素源となる窒素元素含有原料ガス、ドーピングガス、シールドガス又はキャリアガス等を供給することができ、目的に応じて導入管の形状、配置、数等を適宜設定することができる。また、ガスを供給するノズル(吐出口)の形状、配置、数等についても、目的に応じて適宜設定することができる。特に本発明の製造方法は、ドーピングガスの供給に関して特徴を有する発明であり、前述したようにドーピングガス供給用ノズルの形状や配置を適宜設定することが好ましい。なお、窒素元素含有原料ガスとしてはNH3が、ドーピングガスとしては前述したようなSiH2Cl2等のほか、酸素(O)をドーピングするO2やH2O等も挙げられる。
ガス排出管109は、ガス導入のための導入管が設置されている側とは反対側のリアクター内壁から排出することができるように設置するのが一般的である。例えば、ガス導入のための導入管がリアクター上面に設置されているときは、反対側に位置するリアクター底面にガス排出管を設置することが好ましい。ガス導入のための導入管がリアクター右側面に設置されている場合は、ガス排出管はリアクター左側面に設置されていることが好ましい。このような態様を採用することによって、一定方向に向けて安定にガスの流れを形成することができる。
成長工程の温度条件は、特に限定されないが、通常800℃〜1200℃、好ましくは900℃〜1100℃、より好ましくは925℃〜1070℃、さらに好ましくは950℃〜1050℃である。また、圧力条件も、特に限定されないが、1.00×104Pa〜2.0×105Paであることが好ましく、3.0×104Pa〜1.5×105Paであることがより好ましく、5.0×104Pa〜1.2×105Paであることがさらに好ましい。
本発明の製造方法で用いる下地基板は、第13族窒化物半導体結晶を成長することができる結晶面を有するものであれば、特にその種類は限定されないが、サファイア、酸化亜鉛結晶、窒化物結晶などが挙げられる。これらの中で、窒化物結晶であることが好ましく、結晶成長させる第13族窒化物半導体結晶と同一種の窒化物結晶であることがより好ましい。
また、下地基板の主面を成長面とするのであれば、具体的な結晶面は特に限定されず、例えば{0001}面、{10−10}面、{11−20}面、{11−22}面、{20−21}面等を好ましく用いることができ、中でも(0001)面を用いることがより好ましい。特に、ドーパント元素としてシリコン(Si)を含むドーピングガスを用いて、かつ、成長面を(0001)面にした場合には、原料ガス等に含まれる不純物の酸素(O)等による意図しないドーピングを抑制することができるため、結晶内のキャリア濃度をより均一にすることができる。
下地基板の形状も特に限定されないが、成長面の最小幅が20mm以上である下地基板を用いることが好ましい。上記範囲であれば、本発明の製造方法を好適に利用することができる。また、結晶成長させる第13族窒化物半導体結晶の厚さも特に限定されないが、結晶成長後に研削、研磨、レーザー照射等を行う場合は、ある程度の大きさの結晶が必要になるため、厚さは5mm〜10cmが好ましく、1cm〜10cmがより好ましい。
本発明の製造方法には、前述した成長工程のほかに、研削やスライス加工などの処理工程が含まれてもよい。ここでスライス加工とは、(a)成長した結晶を下地基板として使用できるように表面の品質を均一にする加工や、(b)成長初期部分には内在する転位から発生するストレスがあることを考慮してその部分を切り捨てるために行う加工をいう。スライス加工は、具体的には内周刃スライサー、ワイヤーソースライサー等を用いて行うことができる。本発明では、スライス加工を行うことによって、形状がほぼ同じで、転位密度がより低く、かつ、表面欠陥が少ない結晶を製造することが好ましい。
上記のような研削やスライス加工、および一般的な研磨や洗浄などの工程を行って、本発明の第13族窒化物半導体結晶からなる第13族窒化物半導体結晶とすることもできる。
本発明の製造方法により製造した第13族窒化物半導体結晶は、さまざまな用途に用いることができる。特に、紫外、青色又は緑色等の発光ダイオード、半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子や、電子デバイス等の半導体デバイスの基板として有用である。また、本発明の製造方法により製造した第13族窒化物半導体結晶を下地基板として用いて、さらに大きな第13族窒化物半導体結晶を得ることも可能である。
以下、実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(1)下地基板として、サファイア基板上にMOCVD法によって15μm程度成長させた窒化ガリウムのテンプレート基板(直径60mm円形)を準備した。
(2)前記下地基板を、SiCコーティングしたカーボン製の基板ホルダー上に置き、HVPE装置のリアクター内に設置した。
(3)リアクター内を1020℃まで昇温した後、原料ガス、キャリアガス、ドーピングガス及びシールドガスを流し、基板上に窒化ガリウム層を成長させた。かかる成長工程における成長圧力は、1.01×105Paとした。原料ガスは、GaとHClの反応生成物であるGaClガスと、NH3ガスであり、その分圧はそれぞれ7.83×102Paと9.10×103Paとした。キャリアガスはH2ガスであり、分圧は7.26×104Paとした。ドーピングガスは珪素をドーピングするためのジクロロシランガス(SiH2Cl2)をHClガスと混合して導入し、分圧はそれぞれ4.69×10-3Paと7.8
4×101Paとした。シールドガスはN2ガスであり、分圧は1.88×104Paとした(表1を参照)。
ドーピングガスは、幅52mm、厚さ7mmの矩形型(スリット型)のノズルより供給した。ノズルは下地基板に対して垂直に、ノズル供給口の中心軸と下地基板の成長面との交点が下地基板の中心と一致するように配置した。ノズル先端から下地基板までの距離は70mmである。ドーピングガス導入ノズルの先端部周辺には、ドーピングガスを囲むようにシールドガスを流した。下地基板は下地基板の成長面の中心にある法線軸を回転軸として10rpmで回転させた。
(4)窒化ガリウム成長工程終了後、リアクター内を室温まで降温し、窒化ガリウム単結晶を得た。ドーピングノズルには付着物が観察されなかった。
<実施例2>
ドーピングガスを直径56mmの円形ノズルで供給し、シールドガスを流さないとする条件以外は、実施例1と同様の操作によって結晶成長させた。ドーピングノズルには付着物が観察された。
<実施例3>
ドーピングガスを直径46mmの円形ノズルで供給した以外は、実施例1と同様の操作によって結晶成長させた。ドーピングノズルには付着物が観察された。
<比較例1>
ドーピングガスを直径36mmの円形ノズルで供給した以外は、実施例1と同様の操作によって結晶成長させた。ドーピングノズルには付着物が観察されなかった。
実施例1〜3、及び比較例1にて得られた結晶について、以下の式(1)を用いて、Si(ドーパント)取込効率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2013100191
D(C):得られる第13族窒化物半導体結晶中のドーパント元素のモル量
13(C):得られる第13族窒化物半導体結晶中の第13族元素のモル量
D(I):供給したドーピングガスのドーパント元素のモル量
13(I):供給した原料ガスの第13族元素のモル量
Figure 2013100191
<キャリア濃度測定>
実施例1〜3、及び比較例1にて得られた結晶について、キャリア濃度を測定した(v
an der Pauw法によるホール測定)。それぞれの結晶について、成長面の中心からの距離が0、5、10、15、20、25mmにある位置について測定し、キャリア濃度の分布を求めた。表2に結果を示す。
Figure 2013100191
表2から、本発明の製造方法によって、キャリア濃度が均一な第13族窒化物半導体結晶が得られることが明らかである。
1 ドーピングガス供給用ノズル
2 ガスの供給方向
3 下地基板
4 ドーピングガス供給用ノズルの供給口
5 成長面
6 供給口投影面
7 成長面の周縁部
8 ドーピングガス供給用ノズル
9 ドーピングガスの供給方向
10 シールドガスを供給するノズル
11 シールドガスの供給方向
12 その他のガスを供給するノズル
13 その他のガスの供給方向
100 反応容器(リアクター)
101〜104 ガス導入管
105 HClガス用導入管
106 第13族源の原料用リザーバー
107 ヒーター
108 サセプター
109 排気管
110 基板ホルダー
111 ガスを供給するノズル

Claims (10)

  1. 下地基板の主面を成長面とし、成長面の周縁部にドーピングガスを吹きつけながら周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる成長工程を含むことを特徴とする、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  2. 前記周縁部が、前記成長面の最大幅線分の中心から、前記最大幅の35%に相当する距離以上離れた領域である、請求項1に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  3. 前記成長面の最小幅が20mm以上である、請求項1又は2に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  4. 前記成長工程が、前記成長面の法線を回転軸として、前記下地基板を回転させながら行われる工程である、請求項1〜3の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  5. 前記成長工程が、シールドガスを供給して行われる工程である、請求項1〜4の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  6. 前記成長工程が、ドーピングガスを吹きつけるドーピングガス供給用ノズルを含む装置を用いて行われる工程であり、かつ
    前記ドーピングガス供給用ノズルが、下記条件を満たすような形状を有する及び/又は下記条件を満たすように配置されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
    ドーピングガス供給用ノズルの条件:ドーピングガス供給用ノズルの供給口をガスの供給方向に向かって成長面平面上に投影した場合における供給口投影面の少なくとも一部が、前記周縁部に含まれること
  7. 前記ドーピングガス供給用ノズルの供給口の最大幅が、前記成長面の最大幅の0.65倍以上である、請求項6に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  8. 前記ドーピングガス供給用ノズルの供給口の最大幅が、前記供給口の最小幅の1.4倍以上である、請求項6又は7に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  9. 前記装置が、ドーピングガス供給用ノズルを2つ以上含むものである、請求項6〜8の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  10. 前記供給口投影面の最大幅線分の中心が、前記成長面の最大幅線分の中心から、前記成長面の最大幅の10%に相当する距離以上離れている、請求項6〜9の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
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