JP2012180231A - 窒化物半導体単結晶 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶内のキャリア濃度のムラの少ない窒化物半導体結晶を得ることを課題とする。
【解決手段】C面とC面以外のファセット面を混在させながらIII族窒化物半導体結晶を成長させて得られる、C面エリアとファセットエリアとを有するIII族窒化物半導体結晶であって、前記C面エリアは、酸素含有量が1×1018cm-3以下であり、かつ酸素以外のドーパント含有量が2×1017cm-3以上であることを特徴とするIII族窒化物半導体結晶により課題を解決する。
【選択図】図3

Description

本発明は、発光ダイオードや半導体レーザーなどの発光デバイスや電子デバイスに用いられる窒化物半導体の単結晶に関する。
窒化ガリウムに代表される窒化物半導体は、大きなバンドギャップを有し、またバンド間遷移が直接遷移型であることから、紫外、青色又は緑色等の発光ダイオード、半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子や、電子デバイス等の半導体デバイスの基板として有用な材料である。
このような窒化物半導体結晶の製造方法は様々なものが提案されており、例えば引用文献1では、C面とC面以外のファセット面を同時に出現させながら窒化ガリウム結晶を成長させる方法が提案されている。そして当該文献においては、窒化物半導体結晶のうちC面には酸素がほとんどドープしないため、結晶成長中の原料ガスの中に水を含める等の手法により酸素をドーピングすることで、C面ではなくファセット面を通して酸素をドープすることが提案されている。
一方、窒化ガリウム結晶中のドーパント濃度を制御するためにはSiが用いられることが知られており、例えば引用文献2では、四フッ化ケイ素(SiF4)ガスをドーピングガスとして用いることで、窒化ガリウム結晶中の抵抗率を制御することが提案されている。加えて引用文献2では、ドーパントとしての酸素は、C面に取り込まれる効率が悪くn型ドーパントとしての制御性が悪いため、5×1016cm-3以下の濃度まで酸素濃度を下げることで窒化物半導体結晶の抵抗率をより安定して制御できると提案されている。
特開2006−282504号公報 特開2009−126721号公報
上記引用文献1では、C面とC面以外のファセット面を同時に出現させながら結晶を成長させる方法において、酸素をドーピングすることで酸素のドーピング量を正確に制御することができるとされている。しかしながら、本発明者らが検討したところ、酸素ドーピングした場合であってもC面成長する箇所のキャリア濃度が極端に低くなるため、結晶内でキャリア濃度が不均一になってしまうことが判明した。そのため、得られた窒化物半導体結晶を半導体基板などとして用いる際に、キャリア濃度が低い部分については抵抗率が低く導電性が不十分であるという課題を見出した。
結晶中のキャリア濃度が低い箇所は、高品質な結晶が求められる市場の要求を満たすことができず製品化されないことから、製造効率に問題が生じる。本発明はこのような状況下なされたものであり、C面とC面以外のファセット面を同時に出現させながら結晶を成長させる方法により製造された窒化物半導体結晶において、結晶中にキャリア濃度のムラの少ない窒化物半導体結晶を提供することを課題とするものである。
本発明者らは結晶内でキャリア濃度のムラの少ない窒化物半導体結晶を求めて鋭意研究を積み重ね、C面エリアとファセットエリアとを有するIII族窒化物半導体結晶を成長
させる際、C面成長する箇所のキャリア濃度を補うために、酸素以外の元素をドーピングしながら結晶を成長させることで、結晶内のキャリア濃度のムラの少ない高品質な窒化物半導体結晶が得られることを見出し、発明を完成させた。
即ち本発明は以下のとおりである。
C面とC面以外のファセット面を混在させながらIII族窒化物半導体結晶を成長させて得られる、C面エリアとファセットエリアとを有するIII族窒化物半導体結晶であって、
前記C面エリアは、酸素含有量が1×1018cm-3以下であり、かつ酸素以外のドーパント含有量が2×1017cm-3以上であることを特徴とするIII族窒化物半導体結晶。
また、本発明の別の態様は、C面とC面以外のファセット面を混在させながらIII族窒化物半導体結晶を成長させて得られる、C面エリアとファセットエリアとを有するIII族窒化物半導体結晶であって、
前記C面エリアのドーパント含有量と、前記ファセットエリアのドーパント含有量の差が4×1018cm-3以下であることを特徴とする、III族窒化物半導体結晶である。
また、本発明の別の態様は、C面とC面以外のファセット面を混在させながらIII族窒化物半導体結晶を成長させて得られる、C面エリアとファセットエリアとを有するIII族窒化物半導体結晶であって、
前記ファセットエリアは、酸素含有量が1×1018cm-3以上であり、かつ酸素以外のドーパント含有量が1×1019以下であることを特徴とするIII族窒化物半導体結晶。
本発明の窒化物半導体結晶は、結晶内のキャリア濃度のムラが少ないため、高い導電率を要求される場合であっても、結晶内の大部分を製品として使用できるため、製造ロスが少なく、製造効率が非常に高い。また、C面エリアとファセットエリアとを有する結晶であるため、高い耐クラック性を有する結晶である。
下地基板に凹凸を構成することでファセット成長を実現させる、結晶成長の概念図である。 下地基板にマスクパターンを施すことでファセット成長を実現させる、結晶成長の概念図である。 HVPE法に用いる結晶製造装置の一例を示す概略図である。
本発明の窒化物半導体結晶について、以下詳細に説明する。構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づきされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本発明の窒化物半導体結晶は、C面エリアとファセットエリアとを有する。本発明においてC面とは、六方晶での(0001)面およびそれと等価な面をいう。また、本明細書にてC面という場合には、C面からa軸および/またはm軸方向にオフ角を有するC面を含む。オフ角としては、−10〜10°が好ましく、より好ましくは−5〜5°である。そして、任意の結晶表面において、結晶成長中にC面を露出しながら成長した領域をC面エリアという。また、ファセット面とは、C面以外の面をいい、任意の結晶表面において、結晶成長中にファセット面を露出しながら成長した領域をファセットエリアという。通常、任意の結晶表面を蛍光顕微鏡で観察した場合には、C面エリアが明るく、ファセットエリアが暗く観察することができる。
本発明では、C面とC面以外のファセット面を混在させながらIII族窒化物半導体結晶を成長させることで、C面エリアとファセットエリアとを有する窒化物半導体結晶を得ることができる。
本発明の窒化物半導体結晶は、上記C面エリアの酸素含有量が1×1018cm-3以下であり、かつ酸素以外のドーパント含有量が2×1017cm-3以上であることを特徴とする。
上記C面エリアとファセットエリアを有する窒化物半導体結晶は、酸素ドーピングした場合であってもファセットエリアと比較してC面エリアのキャリア濃度が極端に低くなるため、結晶面内でキャリア濃度が不均一になってしまう。
このような、同一結晶内におけるキャリア濃度のムラを解決するために、本発明の窒化物半導体結晶は、C面エリアの酸素含有量が1×1018cm-3以下であるが、酸素以外のドーパント含有量が2×1017cm-3以上であることを特徴としている。このように酸素以外のドーパントの含有量を高い値で制御することで、上記C面エリアとファセットエリアを有する窒化物半導体結晶であっても、同一結晶内におけるキャリア濃度にムラがなく、高い品質の結晶を得ることができる。
上記C面エリアの酸素含有量は5×1017cm-3以下であることが好ましく、1×1017cm-3以下であることがより好ましく、2×1016cm-3以下であることがさらに好ましい。C面エリアの酸素以外のドーパント含有量は3×1017cm-3以上であることが好ましく、5×1017cm-3以上であることがより好ましい。
一方、本発明の別の態様では、C面エリアのドーパント含有量と、ファセットエリアのドーパント含有量の差が4×1018cm-3以下であることを特徴としている。すでに説明したとおり、C面エリアでは酸素ドープされ難いためキャリア濃度が低くなり、結晶内のキャリア濃度が不均一となる。C面エリアのドーパント含有量と、ファセットエリアのドーパント含有量の差が4×1018cm-3以下である場合には、濃度ムラが小さく高品質の窒化物半導体結晶を得ることができる。
上記C面エリアのドーパント含有量と、ファセットエリアのドーパント含有量の差は3×1018cm-3以下であることが好ましく、2×1018cm-3以下であることがより好ましい。ドーパント含有量の差が上記好ましい範囲である場合には、結晶内のキャリア濃度ムラがより小さく、品質の高い窒化物半導体結晶を得ることができる。
また、本発明の別の態様では、ファセットエリアの酸素含有量が1×1018cm-3以上であり、かつ酸素以外のドーパント含有量が1×1019cm-3以下であることを特徴とする。
上記C面エリアとファセットエリアを有する窒化物半導体結晶は、酸素以外のドーパントでドーピングした場合、ファセットエリアにも酸素以外のドーパントがドーピングされる。しかし、上記C面エリアのドーパント含有量が極端に低いことによる同一結晶内におけるキャリア濃度のムラを解決するために、本発明の窒化物半導体結晶は、ファセットエリアの酸素以外のドーパント含有量が多少増加したとしても、C面エリアのドーパント含有量を増加することによって、濃度ムラが小さく高品質の窒化物半導体結晶を得ることができる。しかしながら、ファセットエリアの酸素以外のドーパント量が大きすぎる場合には、C面エリアとのキャリア濃度の差が大きくなり濃度ムラが生じる場合があるため、ファセットエリアの酸素以外のドーパント量は1×1019cm-3以下である。
上記ファセットエリアの酸素含有量は1.5×1018cm-3以上であることがより好ましく、2×1018cm-3以上であることがより好ましい。酸素以外のドーパント含有量は1.5×1018cm-3以下であることが好ましく、1×1018cm-3以下であることがより好ましい。
上記結晶内のC面エリア、ファセットエリアに含まれるドーパントの含有量は、二次イオン質量分析法(SIMS)を用いて測定することができる。
また、本発明の窒化物半導体結晶は、結晶内キャリア濃度が1×1018cm-3以上1×1019cm-3以下であることが好ましい。結晶内のキャリア濃度が上記範囲内である場合には、結晶内の抵抗率が低く、導電性に優れた半導体結晶となる。上記結晶内のキャリア濃度は、van der Pauw法によるホール測定を用いて測定することができる。
上記C面エリアの酸素含有量、及び酸素以外のドーパント含有量、並びにC面エリアのドーパント含有量と、ファセットエリアのドーパント含有量の差を満たすためには、酸素ドーピングを行いながら、かつ、酸素以外のドーパントのドーピングを行うことが挙げられる。このような手段は複数存在し、以下詳細に説明する。
酸素ドーピングの方法は特段限定されず、従来知られている方法を用いることができ、例えば結晶成長中の原料ガスの中に、酸素の供給原として水を含ませる方法が挙げられる。結晶成長方法がハライド気相成長法(HVPE法)である場合には、原料であるアンモニアガスなどに水を含ませればよい。なお、アンモニアガスには不純物として水が含まれていることが多いため、特に水を追加しなくても酸素ドープが行われる場合がある。また、本発明の窒化物半導体結晶は、C面エリアとファセットエリアを有し、ファセットエリアでは酸素を取り込みやすいため、あえて水を原料ガスに追加することなく酸素ドープを行うことが可能である。
一方、酸素以外のドーパントとしては、Si、Sなどが挙げられ、ドープの容易さの観点からSiを用いることが好ましい。酸素以外のドーパントをドーピングする方法は特段限定されないが、酸素以外のドーパントとしてSiをドープする場合、シランガス、モノクロロシランガス、ジクロロシランガス、トリクロロシランガス、テトラクロロシランガス、四フッ化ケイ素ガスなどを原料ガスに混合して用い、結晶成長させることが挙げられる。特に、ドーパントガスとハロゲン元素含有物質とを同一の導管から導入して結晶成長させることで、Siドープを確実に行うことができるため、好ましい。ハロゲン元素含有ガスとしては、特に限定されないがHCl、HBr、HFなどのハロゲン化水素;Cl2、Br2、F2などのハロゲンガス;ハロゲン元素を放出するガスなどが挙げられる。
その他のSiドープの方法としては、窒化物半導体結晶製造装置内に導入する材料およびこれらの材料の混合物の少なくとも一方が接触する面の一部または全部が、石英ガラスで構成されている製造装置を用いることがあげられる。なお、ここでいう石英ガラスとは、石英の溶融物を結晶化させることなく冷却して、非晶質状態にある物質をいう。
窒化物半導体結晶製造装置内に導入する材料が接触する面としては、具体的には、材料を導入するための導管の壁面(ここでいう導管にはノズルを含み、壁面には材料が接触する内壁及び外壁を含む)、バルブの流路の内壁、窒化物半導体の原料を調製するための容器の内壁、窒化物半導体を成長させるための反応容器(リアクター)の内壁などが挙げられる。
上記のように製造装置に石英ガラスを使用した場合には、結晶成長に利用するハロゲン元素含有ガスなどが石英ガラスを腐食する作用があることから、腐食により生じたSiが結晶中に取り込まれることによってSiドープが可能となる。特に、製造装置内の石英ガラスにHClやGaClなどの腐食ガスを吹き付けたり、使用回数が多いなどして長時間腐食ガスに暴露された石英ガラスを用いた場合に、効率的にSiドープを行うことができる。
次に、C面とC面以外のファセット面を混在させながらIII族窒化物半導体結晶を成長させる方法(以下、ファセット成長ともいう)について説明する。
ファセット成長では、C面を上面(主面)とする結晶を成長させるものの、C面以外のファセット面を有する結晶が得られることから、ファセット面を通して酸素を結晶内にドープすることができる。
ファセット成長の具体的な方法としては、例えば図1(1)に示すように、基板21の結晶成長面を凹凸面とし、凹部及び/又は凸部からファセット構造を形成しながら結晶成長させる方法がある。この方法では、基板21の結晶成長面に凹凸形状部22a、22bを形成した結晶成長面を準備し、MOCVD法などにより窒化物半導体層を成長させることで、図1(2)に示すように、凹部22a及び凸部22bの双方でファセット面を形成しながら成長が進む。このような状況下、結晶成長が続くと凹部及び凸部の双方で結晶成長が進み、やがて図1(3)に示すように、膜がつながり凹凸面を覆うことになる。
このようなファセット成長は、例えば特開2002−164296号公報に開示されている。
その他ファセット成長の具体的な方法としては、例えば、成長阻害層を下地基板に設ける方法がある。窒化ガリウムのエピタキシャル成長において、下地基板を準備し、下地基板の上にエピタキシャル成長を阻害する材料によって任意のマスクパターンを部分的に形成し、マスクに覆われた被覆部とマスクに覆われない露出部を設ける。例えば、図2(1)のように、下地基板31の上にマスク被覆部32をCVD、スパッタリングなどによって設ける。マスクの形状は特段限定されず、下地基板上でマスク被覆部と基板露出部が区別できればよい。具体的にはピット状、ストライプ状などがあげられる。ドットマスクの場合には、ドットは円、矩形などその形状は限定されないが、直径dは通常5μm〜100μm程度である。ストライプマスクの場合には、被覆部の幅wは通常5μm〜100μm程度である。露出部の幅は通常200μm〜400μm程度である。
また、マスクの材質は、エピタキシャル成長を阻害するものであれば特段限定されず、具体的にはSiO2、SiN、Al23、AlN、ZrO2、Y23、MgOなどがあげられる。
図2(2)は、エピタキシャル成長させている図である。下地基板上から窒化ガリウムをエピタキシャル成長させ、そのエピタキシャル成長の初期に、露出部では窒化物半導体単結晶34が成長されるが、マスク被覆部32ではエピタキシャル成長がなされず、被覆部32の端から露出部にかけて、窒化ガリウムのファセット面からなる斜面が形成され、その斜面から、露出部の窒化ガリウムとは極性が180度異なり反転した窒化ガリウムの突起がマスク被覆部の微細多結晶粒より上方に形成される。ファセット面を維持したまま成長を続けることで、図2(3)に示すように全体の厚さが増加し、当該マスク被覆部領域上にのみ、極性反転領域を形成し、極性反転領域以外はファセット成長する。また、ファセット成長領域の一部に酸素が混入しないC面成長領域が混在することもある。このようなファセット成長は、例えば特許第4182935号に開示されている。
その他ファセット成長の方法としては、ファセットの核となる結晶や微細な凹凸を下地基板上に形成させる方法がある。また、ファセットの核の形成方法は、ファセット面を有する核が形成できる方法であれば特段限定されず、具体的には成長初期で下地基板上に微小の結晶を堆積させてファセットの核を形成させる方法や、下地基板の表面に微細な凹凸が発生するように研磨仕上げを行う方法などがあげられる。
本発明の窒化物半導体結晶の成長方法としては、
1)ハライド気相成長法(HVPE法)、
2)有機金属化学蒸着法(MOCVD法)
3)有機金属塩化物気相成長法(MOC法)
4)昇華法
などの公知の方法を適宜採用することができる。本発明の窒化物半導体結晶を製造するた
めには気相成長法を採用することが好ましく、量産性の観点からHVPE法またはMOCVD法を採用することがより好ましく、HVPE法を採用することが特に好ましい。
本発明の窒化物半導体の製造方法は、C面とC面以外のファセット面を混在させながらIII族窒化物半導体結晶を成長させて得られるものであり、C面エリアの酸素含有量と、酸素以外のドーパント含有量が特定の値となるように製造する限り、その製造方法や用いる製造装置は特段限定されない。以下、HVPE法を採用した製造方法を、製造装置と共に説明する。
図3には、HVPE法を採用した製造方法に用いられる製造装置の概念図を示す。 図3の窒化物半導体製造装置は、反応容器(リアクター)1と、反応容器1内に配置され下地基板8を支持する支持部7と、ヒーター11とを備えている。下地基板の種類は特段限定されず、シリコン、サファイア、ガリウム砒素、窒化ガリウム、窒化アルミニウムなどから適宜選択することができる。反応容器1には、導管2、3を通して、キャリアガス(例えばH2ガス、N2ガス、これらの混合ガス)G2と、V族原料ガス(例えばNH3ガス)G3がそれぞれ供給される。反応容器1内のリザーバー5には、導管4を通して反応ガス(例えばHClガス)が供給される。反応ガスは、リザーバー5内のIII族原料(例えばGa)と反応してIII族原料ガス(例えばGaClガス)G1を発生し、導管6を通して供給される。Siなど、酸素以外のドーパントのドープのために、Si含有ガスを供給する手段を採用する場合には、例えば導管2からHClガスとともにジクロロシランガスなどを導入する。
一方、Si含有ガスを供給しない場合には、例えばリザーバー5の内壁や導管4および6の内壁の一部または全部に、石英ガラスを用いた装置とする。このような構成により、支持部7で支持された下地基板8には、III族原料ガスG1と、キャリアガスG2と、V族原料ガスG3が供給され、下地基板8上に目的とする窒化物半導体9を成長させることができる。反応容器1内のガスは、排気管10を通して製造装置外へ排気される。各ガスの流量は、典型的には、マスフローコントローラー(MFC)で制御される。なお、ここでいう導管はノズルを包含する概念である。また、導管の中で複数の物質を混合して反応させてもよい。
以下、図3の製造装置を用いた結晶製造方法についてより詳しく説明する。
まず、製造装置の反応容器1をNH3の存在下で900〜1150℃に昇温し、リザーバー5の温度を750〜850℃に調整する。その後、リザーバー5中のGaに導管4を通してHClガスを導入し、発生したGaClガスG1を、H2とN2の混合キャリアガスG2、NH3ガスG3とともに下地基板8に供給しながら、下地基板8上にGaN結晶9を成長させる。この成長工程において、成長圧力は5×104〜5×105Paとし、GaClガスG1の分圧は3×101〜3×104Paとし、NH3ガスG3の分圧は1×103〜3×105Paとすることが好ましい。キャリアガスの分圧は4.9×104〜4.9×105Paとすることが好ましい。また、Siドープのためにジクロロシランガスを導入する場合、ジクロロシランガスの導入方法によって結晶へのSiの取り込み効率は変化するが、ジクロロシランガスの分圧は1×10-3〜1×101Paとすることが好ましい。この成長工程の終了後に反応容器1を取り出し可能な温度まで降温する。
このようにして得られる窒化物半導体の種類はIII族窒化物半導体であれば特段限定されず、具体的には窒化ガリウム、窒化インジウム、またはこれらの混晶を挙げることができる。
以下、実施例と比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例に示す
具体的な形態にのみ限定的に解釈されることはない。
<参考実施例1>
下地基板として、極性反転領域を有するGaN結晶をChemical Мechanical Polishing(CMP)にて研磨仕上げを行い表面に微細な凹凸を有するGaN半導体基板を準備し、図3に示す製造装置を用いて、HVPE法によりGaN半導体結晶を製造した。
装置の支持部7上にGaN半導体基板を、+C(0001)面を上向きにして設置した。この際、−C(000−1)面は支持部7に接しており、直接原料ガスと触れない。反応装置中の反応容器1の温度を1005℃とし、導管G1からGaClガス、導管G2からキャリアガスとしてH2とN2の混合ガス、導管G3からNH3ガスを供給するとともに、ジクロロシランガスは、HClとNH3ガスがジクロロシランと基板表面上で合流するように導管G2から供給した。これらの原料ガスは、窒化物半導体基板の+C面方向から供給している。
この結晶成長工程では、酸素ドープはGaN半導体結晶のファセット成長により実現し、Siドープはジクロロシランガスの供給により実現している。
34時間成長させた後、反応装置の温度を室温まで降温し、GaN単結晶1を得た。得られたGaN単結晶1の形状は異状成長のない円状であり、c軸方向の厚みが4.3mmであった。また、クラックもみられなかった。
GaN単結晶1について、東陽テクニカ製 Resitest 8300によりキャリア濃度を測定したところ、4.15×1018/cm3であった。
次にCAMECA社製ims−4fを用いたSIMS測定により、C面エリア、ファセットエリアそれぞれについて酸素濃度、およびケイ素濃度を測定した。結果を表2に示す。なお、参考実施例1で製造した結晶中のC面エリアは非常に範囲が狭かったため、C面エリアの酸素濃度およびケイ素濃度の測定はできなかった。しかしながら、C面エリアの存在は確認できていることから、当該部分の酸素濃度は低いことが推測される。また、結晶のキャリア濃度が高いことからC面エリアにおけるケイ素濃度は十分に高いことが推測される。
<実施例2>
反応装置の温度、原料ガスの分圧、及び結晶成長時間を表1に示すとおりに変更した以外は参考実施例1と同様の方法にて、c軸方向の厚みが2.4mmのGaN単結晶2を得た。GaN単結晶2には、クラックはみられなかった。GaN単結晶2についてSIMS測定により、C面エリア、ファセットエリアそれぞれについて酸素濃度、およびケイ素濃度を測定した。結果を表2に示す。
<実施例3>
参考実施例1で用いた反応装置を、製造装置の内壁面をすべて石英ガラスで構成した装置であって37回結晶成長を行った後の反応装置を用いて、反応装置の温度、原料ガスの分圧、及び結晶成長時間を表1に示すとおりに変更した以外は参考実施例1と同様の方法にて、c軸方向の厚みが4.0mmのGaN単結晶3を得た。GaN単結晶3には、クラックはみられなかった。GaN単結晶3について、東陽テクニカ製 Resitest 8300によりキャリア濃度を測定したところ、3.56×1018/cm3であった。
次に、SIMS測定により、C面エリア、ファセットエリアそれぞれについて酸素濃度、およびケイ素濃度を測定した。結果を表2に示す。
<比較例1>
実施例3で用いた反応装置の代わりに、5回結晶成長を行った後の反応装置を用いて、反応装置の温度、原料ガスの分圧、及び結晶成長時間を表1に示すとおりに変更した以外
は実施例3と同様の方法にて、c軸方向の厚みが2.1mmのGaN単結晶4を得た。GaN単結晶4について、東陽テクニカ製 Resitest 8300によりキャリア濃度を測定したところ、5.99×1018/cm3であった。
次に、SIMS測定により、C面エリア、ファセットエリアそれぞれについて酸素濃度、およびケイ素濃度を測定した。結果を表2に示す。酸素ドープがされていないC面エリアについて、Siドープが十分にされていなかった。
<比較例2>
参考実施例1において、支持部7上のGaN半導体基板に、ファセット成長させるための操作を施さず、反応装置の温度、原料ガスの分圧、及び結晶成長時間を表1に示すとおりに変更した以外は参考実施例1と同様の方法にて、c軸方向の厚みが2.4mmのGaN単結晶5を得た。
GaN単結晶5について、キャリア濃度を測定したところ、5.80×1017/cm3であり、ファセット成長により製造したGaN結晶と比較してキャリア濃度が著しく低く、導電性が低かった。
<比較例3>
原料ガス中にジクロロシランガス及びHClを混入せず、反応装置の温度、原料ガスの分圧、及び結晶成長時間を表1に示すとおりに変更した以外は比較例2と同様の方法にて、c軸方向の厚みが4.7mmのGaN単結晶6を得た。
GaN単結晶6について、キャリア濃度を測定したところ、1.30×1017/cm3であり、ファセット成長により製造したGaN結晶と比較してキャリア濃度が著しく低く、導電性が低かった。
Figure 2012180231
Figure 2012180231
1 反応容器(リアクター)
2、3、4、6 導管
5 リザーバー
7 支持部
8 下地基板
9 窒化物半導体結晶
10 排気管
11 ヒーター
G1 III族原料ガス
G2 キャリアガス
G3 V族原料ガス
21 下地基板
22a 凹部
22b 凸部
23 窒化物半導体層
31 下地基板
32 被覆部
33 種結晶
34 窒化物半導体結晶

Claims (3)

  1. C面とC面以外のファセット面を混在させながらIII族窒化物半導体結晶を成長させて得られる、C面エリアとファセットエリアとを有するIII族窒化物半導体結晶であって、
    前記C面エリアは、酸素含有量が1×1018cm-3以下であり、かつ酸素以外のドーパント含有量が2×1017cm-3以上であることを特徴とするIII族窒化物半導体結晶。
  2. C面とC面以外のファセット面を混在させながらIII族窒化物半導体結晶を成長させて得られる、C面エリアとファセットエリアとを有するIII族窒化物半導体結晶であって、
    前記C面エリアのドーパント含有量と、前記ファセットエリアのドーパント含有量の差が4×1018cm-3以下であることを特徴とする、III族窒化物半導体結晶である。
  3. 前記ファセットエリアの酸素含有量が1×1018cm-3以上であり、かつ酸素以外のドーパント含有量が1×1019cm-3以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のIII族窒化物半導体結晶。
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