以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
<景品管理システム>
図1は、景品管理システム1を示す図である。
図1を参照して、本発明の景品管理システム1は、パチンコ店等の遊技施設に設けられる。景品管理システム1は、景品を払い出すための景品払出装置2と、景品払出装置2を管理する景品管理装置3と、景品管理装置3を管理するターミナルコンピュータ(略して「T/C」)4とで構成されている。
景品払出装置2は、多数の景品を収納していて、遊技客が遊技台での遊技によって獲得した遊技媒体(パチンコ玉やメダル)の数に応じた種類および個数の景品を、この遊技客に払い出す。なお、景品払出装置2の詳細については、以降で説明する。
景品管理装置3は、「POS」とも呼ばれ、遊技施設における景品交換カウンター等に配置される。景品管理装置3に対して、1台または複数台の景品払出装置2が通信可能に接続されている。遊技客が遊技媒体を獲得すると、その獲得数が記録された記録媒体(レシート、持玉カード等)が発行される。景品管理装置3は、この記録媒体に記録された遊技媒体の獲得数を読み取り、獲得数に応じた種類・個数の景品を特定し、当該種類・個数の景品を払い出すように、景品払出装置2に対して景品の払出指示を送信する。また、景品管理装置3は、景品払出装置2に収納された景品の個数を種類毎に管理している。なお、図1では、複数の景品管理装置3が図示されているが、そのうちの1台の景品管理装置3が親機となり、残りの景品管理装置3が子機となることで、親機が子機を管理するように構成されても構わない。
T/C4は、遊技施設における事務所等に設置される。T/C4には、景品管理装置3が通信可能に接続されている。T/C4は、景品を管理するだけでなく、遊技台での遊技媒体の出入りや遊技施設全体における金銭の流れ等も管理する。
<景品払出装置>
図2は、景品払出装置2の斜視図である。なお、以下では、図2における景品払出装置2の姿勢を基準として、景品払出装置2の上下前後左右の方向を規定する。すなわち、図2において、景品払出装置2の長手方向(図2の左上と右下とを結ぶ方向)を左右方向(幅方向)とし、図2の紙面手前側を景品払出装置2の前側とし、図2の紙面奥側を景品払出装置2の後側とする。
景品払出装置2は、遊技施設のフロアに直接据え置かれて使用される。景品の払い出しを受ける客は、景品払出装置2の後側に位置し、従業員(「オペレータ」や「係員」ということもある)は、景品払出装置2の前側に位置して接客を行う。
景品払出装置2で取り扱われる景品5は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる(後述する図6参照)。
景品払出装置2は、その外郭をなす幅広で中空の略直方体形状の装置本体6と、景品5をカセット7に積み重ねた状態で収納することができる複数(たとえば7つ)の払出ユニット8を備えている(後述する図5および図7も参照)。
装置本体6の前側面は、開放されており、装置本体6には、前側面の開放部分を開閉する扉18が設けられている。
複数の払出ユニット8は、幅方向に並んだ状態で装置本体6に内蔵されている(図2では、説明の便宜上、右端の払出ユニット8だけが手前に引き出されている)。
ここで、装置本体6内において各払出ユニット8が配置されるスペースを、景品レーンLということにする。景品レーン(以下では、単に「レーン」ということにする)Lは、払出ユニット8と同じ数(ここでは7つ)だけ設けられていて、幅方向に並んでいる。7つのレーンLを、左側から右側へ向かって、第1レーンL1、第2レーンL2…第7レーンL7と区別する。第1レーンL1〜第7レーンL7のそれぞれにおける末尾の数字(1〜7)を、7つのレーンLのそれぞれに対して個別に割り当てられた「レーン番号」ということにする。各レーンLには、景品5を収納した払出ユニット8が配置されることから、景品5がセットされることになる。
装置本体6の上面には、表示部9が設けられている。表示部9は、客側から視認できる客側表示部9Aと、従業員側からのみ視認できる店側表示部9Bとを含んでおり、それぞれの表示部には、景品の払い出しに関する必要な情報が表示される。また、たとえば、店側表示部9Bの横には、景品払出装置2の動作を制御するために係員によって操作される操作部10が設けられている。
装置本体6の上面において、各払出ユニット8の上方位置には、出口11が形成されている。出口11は、払出ユニット8(レーンL)の数に応じて複数(ここでは、7つ)形成されている。各出口11は、装置本体6の内部に連通している。また、各出口11には、シャッタ12が設けられている。シャッタ12は、前後に個別にスライドすることによって、出口11を開閉する。
また、景品払出装置2には、収納された景品5を払い出すための機構として、カセット7(図5参照)に収納された景品5を上方ヘ持ち上げるためのリフト機構13(搬送手段)と、景品5を出口11側へ繰り出すための繰出機構14と、繰り出された景品5を出口11の下方で保留するための一時保留部15と、保留された景品5を出口11へ向けて持ち上げるためのエレベータ機構16と、出口11まで持ち上げられた景品5を装置本体6の上面に押し出すための送出機構17とが備えられている(図7参照)。上述したシャッタ12と、シャッタ12をスライドさせる構成とが、上述した送出機構17に含まれる。これらの機構は、以下で払出ユニット8を説明する際に、個別に説明する。
<払出ユニット>
図3は、払出ユニット8の斜視図であって、キャビネット21が引出位置にある状態を示している。
図3に示すように、各払出ユニット8は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。払出ユニット8は、その外郭をなすケーシング20と、ケーシング20から引き出し可能なキャビネット21と、複数(ここでは4つ)のカセット7と、これらのカセット7を保持するキャリア22とを備えている。キャビネット21、カセット7およびキャリア22は、常態では、ケーシング20内に収納されている(図2参照)。キャリア22は、4つのカセット7を前後方向に並んだ状態で一体的に保持する。前後方向に並んだ4つのカセット7を、前から順に、カセット7A、カセット7B、カセット7C、カセット7Dと区別することがある(図7参照)。なお、図3では、前から4つ目のカセット7Dだけが図示されている。
ケーシング20の前壁には、上下方向に長手の開口23が形成されている。開口23は、ケーシング20内に連通している。
キャビネット21は、前板24と、側板25と、底板26とを一体的に備えている。前板24は、前側から見て上下方向に長手であり、ケーシング20の開口23をちょうど塞ぎ得る大きさを有している。側板25は、幅方向に薄く、前板24の左端縁から連続して後側へ延びている。底板26は、前板24の下端と側板25の下端とを繋いでいる。
そして、側板25は、ケーシング20において内部を左側から区画する内壁面20Aに設けられたレール27によって、前後方向へスライド自在に支持されている。これにより、キャビネット21は、前後方向へスライド自在である。詳しくは、キャビネット21は、セット位置(図2参照)と引出位置(図3参照)との間でスライドすることができる。図2に示すようにキャビネット21がセット位置にある場合には、前板24がケーシング20の開口23を前側から塞いでいる(右端の払出ユニット8を参照)。この状態にあるキャビネット21を前側へ所定量だけ引き出すと、キャビネット21は、図3に示す引出位置に配置される。キャビネット21が引出位置にある場合には、前板24が開口23の前方に位置して開口23を開き、かつ、側板25および底板26のほぼ全てが前側へ引き出されている。払出ユニット8が装置本体6内の対応するレーンLに配置された状態において(図2参照)、キャビネット21が引出位置にある場合、キャビネット21は、装置本体6から前側へ引き出された状態にある。
キャリア22は、複数の仕切り28とフレーム29とを一体的に備えている。これらの仕切り28は、前後に薄く上下方向に延びる板状であり、所定の間隔を隔てて、前後方向に沿って並んでいる。フレーム29は、側板25より一回り小さい大きさを有する略矩形板状であり、フレーム29に対して各仕切り28の左端部が接続されている。各カセット7は、前後に間隔を隔てて隣り合う2つの仕切り28に挟持されることによって、キャリア22に保持される。
キャリア22は、フレーム29において、キャビネット21の側板25によって、前後方向へスライド自在に支持されている。ここで、側板25に対するキャリア22の相対位置に関し、最も前側に位置するときのキャリア22の位置を前位置といい(図7(b)参照)、最も後側に位置するときのキャリア22の位置を後位置という(図7(a)参照)。つまり、キャリア22は、前位置と後位置との間で移動可能である。なお、図3では、前位置にあるキャリア22が示されている。
また、キャリア22の下方には、キャリア22を前後にスライドさせるスライド機構30が設けられている。スライド機構30は、例えばモータ駆動のラックアンドピニオン機構等によって構成されており、キャビネット21の底板26に固定されている。
図4は、図3において、ケーシング20の内部を露出させた状態を示している。
図4に示すように、ケーシング20内には、カセット7の並び方向(前後方向)に間隔を隔てて並ぶ2つのリフト31が設けられている。各リフト31は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング20に支持されており、ケーシング20内で上下方向に沿って昇降することができる。リフト31の待機位置は、図4に示されたリフト31の位置であり、ケーシング20の底壁の近くである。リフト31と、リフト31を昇降させる構成とが、上述したリフト機構13に含まれる。
図5(a)および図5(b)は、それぞれ別の角度から見たカセット7の斜視図である。
図5に示すように、カセット7は、上下方向に長手であり、その平断面は、略コ字形状をなしている。カセット7の上面および底面は、開放されている。カセット7の一方側面(キャリア22に保持された状態における右側面)は、上述した略コ字形状をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って開放されており、このように開放された部分を開放部32という。開放部32は、カセット7において開放された上面および底面のいずれに対しても連続している。また、図5(b)を参照して、カセット7において前記一方側面の反対側の他方側面の水平方向における両端(前後の端部)には、上下方向におけるほぼ全ての範囲に亘って切欠かれており、このように切欠かれた部分を、切欠き部33という。各切欠き部33は、上下に長手の帯状に区画されており、カセット7の内部を露出させている。
カセット7は、所定の種類の複数枚の景品5を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で最大でたとえば100枚収納することができる。なお、カセット7の下端には、カセット7内で最下位にある景品5に対して下側から係合する爪34が設けられており、カセット7において開放された底面から景品5が抜け落ちることが防止されている。また、カセット7に景品5が充填された状態において、全ての景品5の端面が、開放部32および各切欠き部33からカセット7の外部に露出される(図5(a)および図5(b)参照)。
また、カセット7の上端部には、略U字状のハンドル19が、略U字をなす2つの遊端部によってカセット7を挟むように取り付けられている。ハンドル19は、2つの遊端部を中心に回動可能である。
図6は、景品5の斜視図である。
図6に示すように、景品5は、一般的に、1mm〜数mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品5は、たとえば、平面視で略長方形状をなしており、その四隅は丸められている。景品5には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、100円、200円、1000円、5000円といった金銭価値に応じた4つの種類が存在する。以下では、100円の景品5を「小景品」といい、200円の景品5を「中景品」といい、1000円の景品5を「大景品」といい、5000円の景品5を「特大景品」ということにする。また、景品5は、その種類を識別するためのRFIDタグ等が内蔵されていたり、偽造等の不正を防止するための処理が施されていたりすることもある。
カセット7に収納された景品5では、景品5の長辺部分の端面が、カセット7の開放部32から露出される(図5(a)参照)。
一方、カセット7に収納された各景品5では、開放部32から露出された側とは反対側の端面の両端部(前端部および後端部)が、カセット7の切欠き部33から露出される(図5(b)参照)。
図7は、景品払出装置2の縦断面を模式的に示した図である。
図7を参照して、各払出ユニット8のケーシング20内において、各リフト31の上方には、上述した繰出機構14が配置されている。つまり、繰出機構14は、リフト31の数に応じて2つ設けられている。繰出機構14は、ケーシング20の上壁に隣接するように配置され、ケーシング20に支持されている。
各繰出機構14は、回転自在に支持された1つの繰出ローラ40と、景品検知センサ41と、上下に隙間Xを隔てて対向配置された1対のゲート42と、互いに圧接された状態で回転自在に支持された上下1対のフィードローラ43とを含んでいる。
前側(図7では左側)の繰出機構14では、繰出ローラ40、景品検知センサ41、1対のゲート42および1対のフィードローラ43が、前側からこの順番で並んで配置されている。後側(図7では右側)の繰出機構14では、繰出ローラ40、景品検知センサ41、1対のゲート42および1対のフィードローラ43が、後側からこの順番で並んで配置されている。各繰出機構14において、上下1対のフィードローラ43の圧接部分と、上下1対のゲート42の隙間Xと、景品検知センサ41の下端部と、繰出ローラ40の外周面の下端部とは、上下方向において、ほぼ同じ位置にある。
図7を参照して、ケーシング20の上壁において、2つの繰出機構14の間に位置する部分には、繰出空間51が形成されている。払出ユニット8が装置本体6に納められている状態では、ケーシング20の繰出空間51は、装置本体6において対応する出口11に対して、下から連通している。
各繰出機構14では、前後方向において、フィードローラ43が、繰出空間51に最も近い位置に配置されている。
そして、ケーシング20内において、繰出空間51の下方には、繰出空間51に対して下から連通する一時保留部15が区画され、一時保留部15には、上述したエレベータ機構16が設けられている。エレベータ機構16は、エレベータ53を含んでいる。エレベータ53は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング20に支持されており、ケーシング20内で上下方向に沿って昇降することができる。エレベータ53が待機位置にあるとき、エレベータ53の上面は、各繰出機構14のフィードローラ43よりも低い位置にある。エレベータ53を昇降させる機構は、エレベータ機構16に含まれる。
次に、この景品払出装置2による景品5の払い出し動作について、1つの払出ユニット8に着目して説明する。
まず、装置本体6の扉18が開かれて(図2参照)、図3に示すように、払出ユニット8においてキャビネット21が引出位置まで引き出される。そして、この状態で、同じ種類の景品5を収納したカセット7(図5参照)がキャビネット21のキャリア22に対して上側から差し込まれ(装着され)、キャリア22に保持される。なお、カセット7内の景品5の種類は同じであるが、カセット7毎に、収容される景品5の種類が異なっていてもよい。
カセット7がキャリア22に保持された後、キャビネット21は、セット位置へ押し込まれ(図2参照)、カセット7およびキャリア22とともに、ケーシング20内に収納(内蔵)される。このとき、キャリア22は後位置へ移動されるものとする(図7(a)参照)。そして、扉18(図2参照)が閉じられると、景品払出装置2による景品5の払い出しが可能となる。
このようにキャビネット21がセット位置にあり、キャリア22が後位置にある場合、図7(a)に示すように、上述した2つのリフト31は、待機位置にある(図7(a)において点線で示したリフト31を参照)。詳しくは、これらのリフト31のうち、前側のリフト31の上方には、前から1番目のカセット7Aの底面が位置し、後側のリフト31の上方には、前から3番目のカセット7Cの底面が位置している。
この状態からキャリア22が前位置へ移動すると、図7(b)に示すように、4つのカセット7がリフト31に対して前側へ相対移動する。この場合、前側のリフト31の上方には、前から2番目のカセット7Bの底面が位置し、後側のリフト31の上方には、前から4番目のカセット7Dの底面が位置することになる(図7(b)において点線で示したリフト31を参照)。
キャリア22が後位置にある場合には、カセット7Aおよびカセット7Cのいずれか、または、両方から景品5が払い出すことができる(図7(a)参照)。キャリア22が前位置にある場合には、カセット7Bおよびカセット7Dのいずれか、または、両方から景品5が払い出すことができる(図7(b)参照)。どのカセット7から景品5を払い出すかは、任意に設定可能である。ここで、キャリア22は、カセット7Bおよびカセット7D内の景品5の払い出しが可能となる払出位置(前位置)までケーシング20内で移動可能であり、カセット7Aおよびカセット7C内の景品5の払い出しが可能となる払出位置(後位置)までケーシング20内で移動可能であるといえる。
次に、カセット7Aを例にとって、カセット7から景品5を払い出す手順について具体的に説明する。
まず、図7(a)に示すように、カセット7Aの下方に位置していた待機位置のリフト31(点線で示したリフト31を参照)が、実線で示すように、カセット7Aの開放された底面からカセット7A内を通って上昇する。これにより、カセット7A内の全ての景品5が、このリフト31によって押し上げられる。
最上位にある景品5が繰出機構14まで押し上げられて繰出ローラ40の下側外周面および景品検知センサ41に接触すると、景品検知センサ41は、カセット7Aの景品5が繰り出し可能な繰出位置に到達したことを検知する。繰出位置とは、景品検知センサ41に接触したときの景品5の位置である。
そして、景品検知センサ41による検知に応じて、リフト31の上昇が停止し、繰出機構14が、最上位の景品5を繰り出す。具体的には、繰出ローラ40が、その下側周面が繰出空間51側へ接近する方向へ回転する。カセット7Aの場合、前側の繰出ローラ40が、図7(a)における反時計回りの方向に回転する。このとき、繰出ローラ40の下側周面に最上位の景品5が接触しているので、繰出ローラ40は、回転に伴って、最上位の景品5を繰出空間51側へスライドさせ、1対のゲート42の隙間Xおよび1対のフィードローラ43の間を順に通過させる。この景品5は、隙間Xを通過した後に、回転する1対のフィードローラ43によって繰出空間51側へ放出され、一時保留部15において、待機位置にあるエレベータ53の上面に載置される。
そして、リフト31の上昇と繰出機構14による景品5の繰り出しとが、景品5毎に繰り返され、カセット7A内の景品5が、上から順に、エレベータ53に積み重ねられて、一時保留部15に一時保留される。ここで、リフト31を有するリフト機構13が、繰出機構14によって景品5が1枚ずつ繰り出される繰出位置まで、カセット7A内の景品5を、上下方向に沿って上方に搬送していることが分かる。
なお、繰出機構14によって景品5が繰り出される際、景品5がエレベータ53に良好に積み重ねられるように、エレベータ53は、待機位置から適宜下降する。具体的には、エレベータ53に景品5が1枚載置される毎に、エレベータ53が下降してもよいし、エレベータ53に所定枚数の景品5が積み重ねられてからエレベータ53が下降してもよい。
また、カセット7Aの景品5だけでなく、カセット7Cの景品5も、カセット7Aの場合と同様の手順で、エレベータ53に積み重ねられてもよい。カセット7Aおよびカセット7Cに景品5が無い場合には、キャリア22が後位置から前位置へ移動し(図7(b)参照)、カセット7Bおよびカセット7Dの景品5が、カセット7Aの場合と同様の手順で、エレベータ53に積み重ねられる。
図7(a)に示すように、払い出しに必要な枚数の景品5がエレベータ53に積み重ねられると、装置本体6の上面において、対応するシャッタ12が、前側へ移動し(点線で示したシャッタ12を参照)、このエレベータ53の上方にある出口11を開く。これに伴い、エレベータ53が、払出ユニット8の繰出空間51を介して、出口11まで上昇する。そして、エレベータ53の上面が装置本体6の上面と面一になるまでエレベータ53が上昇すると、シャッタ12が、出口11を閉じようと後側へ移動し、そのときに、エレベータ53の上面に積み重ねられた景品5を、装置本体6の上面に押し出す。これにより、景品5が客側(後側)へ払い出される。
<計数センサ>
払出ユニット8には、カセット7に積層状態で収納された景品5の枚数をカセット7毎に数えるための計数センサ60が備えられている。
各払出ユニット8において、2つの計数センサ60が前後に隣接して1つの組をなしており、この組が前後方向に間隔を隔てて2組設けられている。つまり、各払出ユニット8には、4つの計数センサ60が前後に並んで設けられている。
前述した1組をなす2つの計数センサ60は、1つの計数ユニット61を構成している。計数ユニット61は、前後に間隔を隔てた2つの計数センサ60と、2つの計数センサ60を支持するホルダ62とを含んでいる。ホルダ62の正面(払出ユニット8に組み込まれた状態では右側から見た側面)の水平方向両端部に、計数センサ60が取り付けられている。
各払出ユニット8では、2つの計数ユニット61が、前後方向に間隔を隔てて、キャリア22のフレーム29(図3参照)に取り付けられている。詳しくは、フレーム29において、カセット7A〜7Dがキャリア22に保持された場合(図7参照)における、カセット7Aとカセット7Bとの間の位置、および、カセット7Cとカセット7Dとの間の位置には、上下に延びるガイドレール63(図3参照)が設けられている。つまり、2本のガイドレール63が、前後方向に所定の間隔を隔てた状態で、フレーム29に設けられている(図3参照)。
そして、前側のガイドレール63には、前側の計数ユニット61のホルダ62が連結されており、後側のガイドレール63には、後側の計数ユニット61のホルダ62が連結されている(図3参照)。この状態で、各計数ユニット61全体は、対応するガイドレール63によって、上下方向にスライド可能に支持されている。各計数ユニット61では、2つの計数センサ60が、右側(図7では手前側であり、カセット7に臨む側)を臨んでいる。ここで、ガイドレール63の下端部に位置しているときの計数ユニット61(計数センサ60)の位置を、待機位置とする。各計数ユニット61は、キャビネット21に設けられた駆動機構64(図3参照)からの駆動力を受けることによって、待機位置から上昇したり、待機位置まで下降したりすることができる。
そして、計数センサ60は、ケーシング20に収容されたカセット7に対して左側から隣接配置される。詳しくは、計数センサ60は、対応するカセット7の切欠き部33(図5参照)に対して左側から対向することができる。前述したように、各払出ユニット8には、2つの計数ユニット61があって、各計数ユニット61には、2つの計数センサ60がある。そのため、前側(図7では左側)の計数ユニット61において、前側の計数センサ60は、最も前側のカセット7Aにおける後側の切欠き部33に対して左側(図7の紙面奥側)から対向可能であり、後側の計数センサ60は、前から2番目のカセット7Bにおける前側の切欠き部33に対して左側から対向可能である。そして、後側の計数ユニット61において、前側の計数センサ60は、前から3番目のカセット7Cにおける後側の切欠き部33に対して左側から対向可能であり、後側の計数センサ60は、前から4番目のカセット7Dにおける前側の切欠き部33に対して左側から対向可能である。
そして、所定のタイミングにおいて、各計数センサ60は、対応するカセット7の切欠き部33(図5参照)に対して左側から対向しつつ、上下にスライドする。この際、計数センサ60は、カセット7内において切欠き部33から露出されている景品5の枚数を数える。つまり、計数センサ60は、上下方向(カセット7内における景品5の積層方向)に移動することによってカセット7内の景品5を計数する。
当該所定のタイミングとして、上述した操作部10(図2参照)が操作されて計数動作の実行が指示されたタイミングや、景品払出装置2の電源が入ったタイミングや、景品5を補充したカセット7を払出ユニット8にセットして扉18(図2参照)を閉じたタイミングや、景品管理装置3やT/C4(図1参照)から計数動作の実行命令が送信されたタイミングや、係員交代時が挙げられる。また、所定のインターバル毎に計数センサ60による計数が自動的に実施されてもよい。
計数センサ60による計数を具体的に説明すると、計数センサ60は、いわゆる光学式の反射型センサであり、発光素子(図示せず)と、発光素子(図示せず)に発光された光(たとえば、青色光)のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子(図示せず)とを備えている。
このような計数センサ60がカセット7の景品5の枚数を数える場合、計数センサ60が、カセット7に積層状態で収納された景品5の左側面5A(図6参照)の前端部または後端部(カセット7の切欠き部33から露出された部分)に左側から対向した状態で、待機位置から上方へスライドする。ここで、カセット7に積層状態で収納された全ての景品5の左側面5Aをまとめて積層側面5Bという(図5(b)参照)。
そして、計数センサ60の上方へのスライドに伴い、計数センサ60が、上述した景品5の積層側面5Bに対して所定の間隔を隔てて左側から対向した状態で上昇する。計数センサ60が上昇している最中において、計数センサ60では、発光素子(図示せず)が、下側の景品5から順に、景品5の左側面5Aに向けて投光し、この景品5の左側面5Aで反射される反射光が受光素子(図示せず)に受光される。ここで、上下に隣り合う景品5の左側面5Aの境界Yに発光素子(図示せず)からの光が当てられた場合、景品5の左側面5Aに光が当てられる場合と比べて、受光素子(図示せず)が受光する反射光の量(受光量)が変化する。そのため、計数センサ60において、受光素子(図示せず)での受光量が変化する毎に、計数センサ60は、景品5が1枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、計数センサ60は、下側の景品5から順に1枚ずつ景品5をカウントして景品5の枚数を数え、前述したガイドレール63の上端に到達したときには、全ての景品5の計数を完了する。その後、計数センサ60は、待機位置に戻る。
以上のように、計数センサ60は、受光素子(図示せず)の受光信号(受光量)の変化に応じて、非接触で景品5の枚数を数える。
計数センサ60が数えた各カセット7の景品5の枚数のデータ(計数データ)は、上述した店側表示部9B(図2参照)や、景品払出装置2に接続された景品管理装置3の表示画面58(図1参照)に表示され、これにより、景品払出装置2の各カセット7内に収納された景品5の枚数が一括管理される。もちろん、このデータが、印刷機器(図示せず)に出力されて紙に印字されてもよいし、T/C4(図1参照)に保存されてもよい。
<景品払出装置2の電気的構成>
図8は、景品払出装置2の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図8を参照して、景品払出装置2は、制御部50(払出手段、表示制御手段、表示切替手段、受付手段、判断手段、比較手段、選択画面表示手段、許可手段、信号受付手段、クリア手段、報知手段)を備えている。制御部50は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムにしたがって所定の処理を実行する。
制御部50には、各払出ユニット8における前述したリフト機構13、繰出機構14、エレベータ機構16、送出機構17およびスライド機構30が接続され、さらに、前述した計数センサ60および駆動機構64で構成された景品カウント部65が接続されている。各払出ユニット8において、リフト機構13、繰出機構14、エレベータ機構16および送出機構17のまとまりは、景品5の払い出しを行う払出部55を構成している。
また、各払出ユニット8には、キャビネット21(図3参照)をセット位置にロックするロック機構56と、ロック解除スイッチ57と、セットセンサ67とが含まれている。ロック解除スイッチ57は、払出ユニット8のケーシング20の前端面において開口23より上方の位置に配置されている(図3参照)。ロック解除スイッチ57を操作(押下)すると、ロック機構56によるキャビネット21のロックを解除して、キャビネット21をセット位置から引出位置まで引き出すことができる(図3参照)。ロック機構56およびロック解除スイッチ57は、装置本体6に装着されたキャビネット21をロックしたり、そのロックを解除したりするロック解除手段を構成する。
セットセンサ67は、キャビネット21がセット位置にあるか否かを検出することができる。ロック機構56、ロック解除スイッチ57およびセットセンサ67のそれぞれは、制御部50に接続されている。
また、制御部50には、前述した操作部10および表示部9(客側表示部9Aおよび店側表示部9B)が接続され、さらに、通信部68、扉開閉検知部45および記憶部46(記憶手段、オペレータ情報記憶手段)等が接続されている(図2も参照)。制御部50は、操作部10の操作を受け付けたり、表示部9の表示を制御したりする。なお、表示部9(特に店側表示部9B)は、タッチパネル付きの液晶表示器(LCD)であり、従業員が操作部10を操作する以外に、表示部9の表示されるボタン(後述する)を従業員が押下することによっても制御部50に指令を与えることができる。
制御部50は、通信部68を介して、景品管理装置3やT/C4(図1参照)と通信する。扉開閉検知部45は、扉18(図2参照)の開閉を検知する。記憶部46には、計数センサ60によって計数された景品払出装置2内の景品5の数(在庫数)等の必要な情報が記憶される。
<店側表示部>
次に、店側表示部9B(図2参照)の表示内容について詳しく説明する。
なお、図9、図10、図11、図13、図15、図16、図18、図19、図23および図27は、店側表示部9Bにおける各種の表示態様を示した模式図である。また、図12A、図12B、図14、図17、図20、図21、図24および図25は、店側表示部9Bでの表示に関連して景品払出装置2において行われる制御動作を示すフローチャートである。また、図22、図26Aおよび図26Bは、記憶部46に記憶された内容を示す図である。
景品払出装置2が景品管理装置3からの景品の払出指示を待つ待機状態にあるとき、制御部50は、図9に示す景品在庫数表示画面101と、図10に示すカセット別在庫数表示画面102と、図11に示す前回取引数表示画面103とを選択的に表示する。
図9の景品在庫数表示画面101では、図9の左上に、「景品在庫数」というタイトル70と、「(景品を)払い出しできます」というメッセージ71とが上下に並んで表示されている。また、景品在庫数表示画面101では、メッセージ71の下に、特大、大、中、小の各景品5の景品払出装置2内における在庫数が表示される。たとえば、図9の場合には、特大(景品)、大(景品)および中(景品)のそれぞれの在庫が800個であって、小(景品)の在庫が400個であることが在庫数表示72として表示されている。
また、景品在庫数表示画面101では、在庫数表示72の右隣に、「レーン番号」という見出し73と、左右に並んで配置された複数(ここでは7つ)のレーン番号ボタンLBと、各レーンL(図2参照)の払出ユニット8における4つのカセット7(図7参照)のそれぞれに収容された景品5の種類とが、上下にこの順番で並んで表示されている。
各レーン番号ボタンLBは、図9では横長長方形の枠の中に、対応するレーン番号が表示されたボタン(タッチキー)である。なお、レーン番号ボタンLBでは、いかにも押下できるボタンであることが一目で分かるように、外周に陰影を付けたり点線で縁取る等して外見上の工夫がされているとよい(後述する優先順位ボタンYBについても同様)。
ここで、レーン番号ボタンLBを、対応するレーン番号に応じて、第1レーン番号ボタンLB1、第2レーン番号ボタンLB2…第7レーン番号ボタンLB7と区別することがある。第1レーン番号ボタンLB1、第2レーン番号ボタンLB2…第7レーン番号ボタンLB7は、左側からこの順番で並んでいる。各レーン番号ボタンLBの下側には、対応するレーンLの4つのカセット7に収容された景品5の種類がカセット7毎に表示されている。具体的には、たとえば、第1レーン番号ボタンLB1の下側には、第1レーンL1の払出ユニット8の4つのカセット7に収納された景品5の種類(ここでは、いずれのカセット7も「特大」)が表示されている。
そして、景品在庫数表示画面101の右端には、表示切替ボタン74と、メニューボタン75と、前回取引ボタン76と、在庫計数ボタン77とが、この順番で上から並んで表示されている。表示切替ボタン74を押下することによって、店側表示部9Bの表示画面を、景品在庫数表示画面101、カセット別在庫数表示画面102(図10参照)および前回取引数表示画面103(図11参照)の間で切り替えることができる。メニューボタン75を押下すると、景品払出装置2で実施できる処理内容(メニュー)が店側表示部9Bに表示される。前回取引ボタン76を押下すると、景品払出の履歴(ログ)が店側表示部9Bに表示される。在庫計数ボタン77を押下すると、計数センサ60(図7参照)による各カセット7の景品5の計数が実施される。
そして、景品在庫数表示画面101が表示された状態で、表示切替ボタン74を一度押下すると、店側表示部9Bには、図10に示すカセット別在庫数表示画面102が表示される。カセット別在庫数表示画面102では、左上の「カセット別在庫数」というタイトル78の下に、前述したメッセージ71と、見出し73と、7つのレーン番号ボタンLBとが、上からこの順番で並んで表示されている。景品在庫数表示画面101と同様に、カセット別在庫数表示画面102の右端にも、表示切替ボタン74と、メニューボタン75と、前回取引ボタン76と、在庫計数ボタン77とが、この順番で上から並んで表示されている。
カセット別在庫数表示画面102では、各レーン番号ボタンLBの下側に、対応するレーンの4つのカセット7に収容された景品5の種類および個数がカセット7毎に表示されている。具体的には、第1レーン番号ボタンLB1の下側には、第1レーンL1の払出ユニット8の4つのカセット7のそれぞれに収納された景品5の種類(ここでは、いずれのカセット7も「特大」)および個数(ここでは、いずれのカセット7も「100」)が表示されている。
つまり、景品5の具体的な在庫数として、景品在庫数表示画面101では、景品5の種類毎のトータル在庫数が表示されるのに対して(図9参照)、カセット別在庫数表示画面102では、カセット7毎の在庫数が表示される。
そして、カセット別在庫数表示画面102が表示された状態で、表示切替ボタン74を一度押下すると、店側表示部9Bには、図11に示す前回取引数表示画面103が表示される。なお、表示切替ボタン74をもう一度押下すると、店側表示部9Bには、景品在庫数表示画面101(図9参照)が表示される。
前回取引数表示画面103では、左上の「前回払出個数」というタイトル79の下に、前述したメッセージ71が表示され、メッセージ71の下に、特大、大、中、小の各景品5の前回取引での払出個数が表示される。つまり、図11の場合には、特大(景品)、大(景品)、中(景品)および小(景品)のそれぞれが前回10個ずつ払い出されたということが前回払出表示80として表示されている。景品在庫数表示画面101と前回取引数表示画面103とは、タイトル70とタイトル79とが違い、かつ、在庫数表示72と前回払出表示80とが違うだけであり、それ以外の内容は、同じである。前回取引数表示画面103では、前回取引において特大、大、中、小の各景品5がどれだけ払い出されたのかということが表示される。
そして、前述したように表示切替ボタン74を押下する度に、景品在庫数表示画面101(景品在庫数)→カセット別在庫数表示画面102(カセット別在庫数)→前回取引数表示画面103(前回払出個数)→景品在庫数表示画面101(景品在庫数)…というように店側表示部9Bの表示を切り替えることができる。
ここで、レーンL(払出ユニット8)において、キャビネット21がロック機構56(図8参照)によってロックされていて4つのカセット7のいずれからも景品5を払出可能な場合、そのレーンLのレーン番号ボタンLBの表示は、OK表示になっている。図9〜図11の全てのレーン番号ボタンLBは、OK表示になっている。OK表示のレーン番号ボタンLBでは、レーン番号の周りの背景が無模様の白塗り領域になっている。レーン番号ボタンLBがOK表示になっているレーンLは、そのレーンLからの景品5の払い出しが許可された払出許可レーンである。
図9に示す景品在庫数表示画面101が表示されている状態を基準として、全てのレーン番号ボタンLBがOK表示になっている状態で、たとえば、第2レーンL2の払出ユニット8(図2における左から2番目の払出ユニット8)のロック解除スイッチ57(図2参照)を押下する。以下では、第2レーンL2に着目して説明する。
図12Aを参照して、ロック解除スイッチ57が押下されると(ステップS1でYES)、制御部50は、該当するレーン番号ボタンLB(ここでは、第2レーン番号ボタンLB2)の表示を、先程のOK表示から解除表示に変更する(ステップS2)。解除表示になった第2レーン番号ボタンLB2は、図13に示されている。この実施例では、一例として、レーン番号ボタンLBにハッチングを付すことによって、レーン番号ボタンLBを解除表示にしている。なお、OK表示におけるレーン番号ボタンLBの白塗り背景を、たとえば、黒塗りに反転させることで、レーン番号ボタンLBを解除表示にしても構わない。
図12Aに戻り、制御部50は、該当するレーン番号ボタンLBの表示をOK表示から解除表示に変更した後に、該当するレーン(ここでは、第2レーンL2)の払出ユニット8の払出部55(図8参照)の動作を停止し、これによって、当該レーンからの景品5の払出を禁止する(ステップS3)。これにより、払出が禁止されたレーン(「払出禁止レーン」といい、ここでは、第2レーンL2)から景品5が払い出されなくなる。オペレータは、店側表示部9Bにおける解除表示のレーン番号ボタンLB(図13の第2レーン番号ボタンLB2を参照)を見ることによって、このレーン番号ボタンLBに対応するレーンLからは景品5が払い出されないことを把握する。換言すれば、解除表示のレーン番号ボタンLBは、このレーン番号ボタンLBに対応するレーンLからは景品5が払い出されないことを強調表示している。
一方、ロック機構56(図8参照)の故障等によって、ロック解除スイッチ57を押下しなくても(ステップS1でNO)、キャビネット21が引き出されることがある。その場合、セットセンサ67(図8参照)が、キャビネット21が引き出されたことを検出する。ロック解除スイッチ57を押下することなく(ステップS1でNO)、キャビネット21が引き出されると(ステップS4でYES)、制御部50は、当該キャビネット21に対応するレーン番号ボタンLBの表示をOK表示から解除表示に変更し(ステップS2)、当該キャビネット21に対応するレーンLからの景品5の払出を禁止する(ステップS3)。
ロック解除スイッチ57が押下された場合には(ステップS1でYES)、その後、キャビネット21が引出位置まで引き出されて、当該キャビネット21のカセット7に対して景品5の補充が行われる(図3参照)。ロック解除スイッチ57を押下することなく(ステップS1でNO)、キャビネット21が引き出された場合(ステップS4でYES)にも、当該キャビネット21のカセット7に対して景品5の補充が行われる。景品5の補充のために、カセット7は、キャビネット21から上方ヘ引き抜かれて離脱される。
景品5の補充が終わったキャビネット21は、引出位置からセット位置に戻される(図2参照)。図12Bを参照して、制御部50は、キャビネット21が引出位置からセット位置に戻されたか否か(払出禁止レーンのキャビネット21がセットされたか否か)を、セットセンサ67(図8参照)の検出結果によって、監視している(ステップS11)。
払出禁止レーン(ここでは、第2レーンL2)のキャビネット21がセットされると(ステップS11でYES)、制御部50は、該当するレーン番号ボタンLB(ここでは、第2レーン番号ボタンLB2)の表示を、今までの解除表示(図13参照)からOK表示(図9参照)に変更する(ステップS12)。次いで、制御部50は、該当するレーンL(ここでは、第2レーンL2)の払出ユニット8の払出部55の動作を再開し、これによって、当該レーンLからの景品5の払出を許可する(ステップS13)。これにより、払出が今まで禁止されていたレーンL(ここでは、第2レーンL2)から景品5が再び払い出されるようになる。オペレータは、レーン番号ボタンLBの表示が解除表示からOK表示に切り替わったことを見ることによって、このレーン番号ボタンLBに対応するレーンLから景品5が再び払い出されるようになったことを把握する。
ここで、店側表示部9Bにカセット別在庫数表示画面102(図10参照)が表示された状態でロック解除スイッチ57が押下された場合には(ステップS1でYES)、ロック解除スイッチ57が押下された払出ユニット8のキャビネット21のロックが解除される。このようにキャビネット21のロックが解除された状態、その後に当該キャビネット21が装置本体6から引き出された状態、および、当該キャビネット21からカセット7が引き出された状態のいずれにおいても、制御部50は、当該キャビネット21の在庫数表示を変化させず、キャビネット21から引き出される(離脱する)までの時点におけるカセット7内の景品5の在庫数(景品数)を店側表示部9Bに表示する。
たとえば、図10を参照して、第2レーンL2の4つ全てのカセット7の景品在庫数がいずれも50個の状態でロック解除スイッチ57が押下されても、制御部50は、カセット別在庫数表示画面102において、第2レーンL2の4つ全てのカセット7の景品在庫数がいずれも50個であるとして表示し続ける。そのため、カセット7に景品5を補充する際に、直前の景品5の在庫数を把握したり、直前の在庫数と予定補充数とを比較したりできて便利である。
つまり、キャビネット21のロックが解除された状態、キャビネット21が装置本体6から引き出された状態、および、カセット7がキャビネット21から離脱した状態のいずれにおいても、店側表示部9Bを見れば、キャビネット21から離脱する前の時点におけるカセット7内の景品5数を把握できるので、使い勝手の向上を図ることができる。
そして、各カセット7の景品在庫数がいずれも50個から100個へと補充されたとする。補充後にキャビネット21がセットされた場合(ステップS11でYES)、制御部50は、ステップS12において、レーン番号ボタンLBの表示を解除表示からOK表示に変更する前に、景品カウント部65によって当該キャビネット21の各カセット7内の景品5を計数し、カセット別在庫数表示画面102において、計数後の各カセット7内の景品在庫数(100個)を、今までの景品在庫数(50個)から差し替えて表示する。
次に、店側表示部9Bにおける別の表示態様について説明する。
今までの説明では、景品在庫数表示画面101〜前回取引数表示画面103に、レーン番号を示すレーン番号ボタンLBが表示されていた(図9〜図11参照)。店側表示部9Bの表示モードには、レーン番号(レーン番号ボタンLB)を示すレーン番号表示モードと、景品5の払出に関する全てのレーンL内での優先順位(どのレーンLから景品5を払い出すかという順番(払出優先情報)であり、「払出優先順位」ということもある)を表示する払出優先順位表示モードとがある。レーン番号表示モードと払出優先順位表示モードとは、操作部10の操作やメニューボタン75(図9〜図11参照)の押下によって選択できる。なお、図9〜図11における店側表示部9Bの表示モードは、レーン番号表示モードである。
払出優先順位表示モードが選択されている場合、図15に示すように、店側表示部9Bにおいて、前述した「レーン番号」という見出し73(図9〜図11参照)の代わりに、「払出優先順位」という見出し82が表示され、レーン番号ボタンLBの代わりに、優先順位ボタンYBが表示される。優先順位ボタンYBは、レーンL(レーン番号ボタンLB)と同じ数(ここでは、7つ)だけ設けられ、左右に並んで配置されている。そのため、優先順位ボタンYBには、第1レーンL1〜第7レーンL7に応じて、優先順位ボタンYB1〜7が存在する。優先順位ボタンYB1〜7のそれぞれの末尾の数字は、対応するレーン番号を示している。つまり、優先順位ボタンYB1は、第1レーンL1の払出優先順位を表示している。一方、各優先順位ボタンYBに表示された数字は、払出優先順位の番号(払出優先情報)である。
図15では、説明の便宜上、優先順位ボタンYB1〜7のそれぞれの末尾の数字と、各優先順位ボタンYBに表示された払出優先順位の数字とが一致している。つまり、たとえば、第2レーンL2の優先順位ボタンYB2に表示された払出優先順位が、レーン番号と同じ「2」となっているが、レーン番号と払出優先順位とが一致しない状況は多々あり得る。
すなわち、図14を参照して、払出優先順位表示モードが選択されている場合において(ステップS21でYES)、いずれかの優先順位ボタンYB(ここでは、優先順位ボタンYB2)の押下があると(ステップS22でYES)、制御部50は、店側表示部9Bにテンキー83を表示する(ステップS23)。
図15に示すように、テンキー83は、店側表示部9Bに既に表示された画面(景品在庫数表示画面101、カセット別在庫数表示画面102および前回取引数表示画面103のいずれかであり、図15では景品在庫数表示画面101)の上に重ねて表示されるポップアップ画面である。テンキー83には、「優先順位を選んで下さい」というタイトルの下に、「1」〜「7」の合計7つの数字ボタン84が表示されている。オペレータは、先程押下した優先順位ボタンYBに表示された払出優先順位の変更先の順位を示す番号を、7つの数字ボタン84の中から選び、選んだ数字ボタン84を押下する。つまり、オペレータは、テンキー83によって払出優先順位を選択および変更できる。たとえば、優先順位ボタンYB2に「2」という払出優先順位が表示された状態において優先順位ボタンYB2を押下した場合において、第2レーンL2の払出優先順位を「2」から「7」に変更したければ、テンキー83における「7」の数字ボタン84を押下する。
図14に戻って、このように(払出)優先順位の選択があると(ステップS24でYES)、制御部50は、選択された通りに優先順位を変更する(ステップS25)。具体的には、前述したように第2レーンL2の優先順位を「2」から「7」に変更するために「7」の数字ボタン84が押下された場合には(図15参照)、一例として、図16に示すように、優先順位ボタンYB2の「2」の表示を「7」に変更し、代わりに、優先順位ボタンYB7のいままでの「7」の表示を「2」に変更する。または、優先順位ボタンYB2の「2」、優先順位ボタンYB3の「3」、優先順位ボタンYB4の「4」、優先順位ボタンYB5の「5」、優先順位ボタンYB6の「6」、優先順位ボタンYB7の「7」、優先順位ボタンYB1の「1」を、優先順位ボタンYB2から順に、「7」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」というように総入れ替えしてもよい。
これにより、オペレータは、自分の操作によって、意図するレーンLから景品5が払い出されるようにすることができる。そのため、どのレーンLから最初に景品5が払い出されるのかを想定することができる。よって、オペレータは、景品払出に先立って、想定しているレーンL上の出口11(図2参照)において景品5を受け取れるようにスタンバイをしておけば、この出口11から払い出された景品5を速やかに受け取って客に手渡すことができる。
なお、図14に戻って、テンキー83が表示されてから優先順位の選択がないまま(ステップS24でNO)、所定時間が経過した場合には(ステップS26でYES)、制御部50は、今回の優先順位の変更はされないものとして、テンキー83の表示を終了する(ステップS27)。
また、ロック解除スイッチ57(図3参照)を押下してからキャビネット21を引き出した後にセットし直した場合(正当な手順によってキャビネット21を抜き差しした場合)には、このキャビネット21のレーンLにおける優先順位の変更はない。しかし、ロック解除スイッチ57を押下せずにキャビネット21を引き出した後にセットし直した場合には、このキャビネット21のレーンLにおける優先順位が最後(ここでは「7番目」)まで自動的に繰り下がっても良い。
なお、以上では、「レーン番号」という見出し73(図9参照)と「払出優先順位」という見出し82(図15参照)とによってレーン番号表示モードと払出優先順位表示モードとを区別している。これに代えて、レーン番号ボタンLBに表示される番号の色と、優先順位ボタンYBに表示される番号の色とを異ならせることで、レーン番号表示モードと払出優先順位表示モードとを区別してもよい。たとえば、レーン番号ボタンLBに表示される番号の色を黒色とし、優先順位ボタンYBに表示される番号の色を赤色とする。この場合には、「レーン番号」という見出し73(図9参照)と、「払出優先順位」という見出し82(図15参照)とを表示しなくてもよい。
そして、前述したように操作部10の操作やメニューボタン75の押下によってレーン番号表示モードか払出優先順位表示モードかを選択すると、制御部50は、店側表示部9Bにおいて、レーン番号(レーン番号表示モードの場合)と優先順位の番号(払出優先順位表示モードの場合)とを切り替えて表示する(図9および図16参照)。そのため、各景品レーンLのレーン番号と優先順位の番号とを店側表示部9Bにおいて切り替えて表示させることによって、オペレータは、1つの店側表示部9Bにおいてレーン番号および優先順位の番号の両方を把握することができるので、使い勝手の向上を図ることができる。
次に、レーン番号表示モードが選択されている場合での店側表示部9Bにおける別の表示態様について説明する。ここでは、オペレータが、所望のレーンLからの景品払出を禁止したい場合を想定している。
図17を参照して、レーン番号表示モードが選択されている場合において(ステップS31でYES)、いずれかのレーン番号ボタンLB(ここでは、第2レーンL2の第2レーン番号ボタンLB2)の押下があると(ステップS32でYES)、制御部50は、店側表示部9Bに払出禁止選択画面87を表示する(ステップS33)。図18に示すように、払出禁止選択画面87は、店側表示部9Bに既に表示された画面(図18では景品在庫数表示画面101)の上に重ねて表示されるポップアップ画面である。払出禁止選択画面87には、「第2レーンを払出禁止にします」というタイトルの下に、キャンセルボタン88と実行ボタン89とが左右に並んで表示されている。
図17に戻り、実行ボタン89が押下されることで払出禁止選択があれば(ステップS34でYES)、制御部50は、ステップS32で選択されたレーン番号ボタンLB(ここでは、第2レーン番号ボタンLB2)の表示をOK表示から禁止表示に変更する(ステップS35)。禁止表示になった第2レーン番号ボタンLB2は、図19に示されている。この実施例では、一例として、レーン番号ボタンLBに「×(バツ)」を付すことによって、レーン番号ボタンLBを禁止表示にしている。なお、OK表示におけるレーン番号ボタンLBの白塗り背景を、たとえば、赤塗りに反転させることで、レーン番号ボタンLBを禁止表示にしても構わない。
図17に戻り、制御部50は、選択されたレーン番号ボタンLBの表示をOK表示から禁止表示に変更した後に、選択されたレーンL(ここでは、第2レーンL2)の払出ユニット8の払出部55の動作を停止し、これによって、当該レーンLからの景品5の払出を禁止する(ステップS36)。これにより、払出が禁止されたレーンL(払出禁止レーンであり、ここでは、第2レーンL2)から景品5が払い出されなくなる。つまり、オペレータは、OK表示から禁止表示に切り替わったレーン番号ボタンLBのレーンLからは景品5が払い出されなくなったことを確認できる。また、オペレータは、所望のレーンLから景品5が払い出されないようにすることができるとともに、当該所望のレーンL(払出禁止レーン)以外のレーンLから優先的に景品5が払い出されるようにすることができる。
なお、払出禁止選択画面87が表示されてから払出禁止選択がないまま(ステップS34でNO)、所定時間が経過した場合には(ステップS37でYES)、制御部50は、今回の払出禁止はされないものとして、払出禁止選択画面87の表示を終了する(ステップS38)。また、図17には図示していないが、払出禁止選択画面87が表示されてからキャンセルボタン88(図18参照)が押下された場合にも、制御部50は、払出禁止選択画面87の表示を終了する(ステップS38)。
以上のように表示が禁止表示になったレーン番号ボタンLBが存在する場合において(図19の第2レーン番号ボタンLB2を参照)、払出が禁止されたレーンLからの景品払出を再開したい場合には、禁止表示のレーン番号ボタンLBを押下する。
図20を参照して、禁止表示のレーン番号ボタンLBの押下があると(ステップS41でYES)、制御部50は、押下されたレーン番号ボタンLBの表示を禁止表示(図19の第2レーン番号ボタンLB2を参照)からOK表示(図9の第2レーン番号ボタンLB2を参照)に変更する(ステップS42)。そして、制御部50は、該当するレーンL(ここでは、第2レーンL2)の払出ユニット8の払出部55の動作を再開し、これによって、当該レーンLからの景品5の払出を許可する(ステップS43)。これにより、払出が今まで禁止されていたレーンL(ここでは、第2レーンL2)から景品5が再び払い出されるようになる。
次に、禁止表示になったレーン番号ボタンLBが存在する場合における景品払出装置2からの景品払出処理について説明する。
図21を参照して、景品払出装置2が待機状態にある場合において、制御部50は、係員による操作部10(図2参照)の操作や、景品管理装置3(図1参照)からの入力信号等によって、景品の払出指示があったか否かを監視している(ステップS51)。この払出指示には、払い出す景品5の種類および個数の他に、指示を出したオペレータの氏名やIDといった識別番号が含まれている。
景品の払出指示があると(ステップS51でYES)、つまり、制御部50がオペレータからの景品の払出指示を受け付けると、制御部50は、当該払出指示に基づいて、どのレーンL(1つとは限らない)から景品5を払い出すかという払出パターンを1パターン以上算出する(ステップS52)。
制御部50は、算出した払出パターンに基づいて、払出禁止レーンLから景品5を払い出すと払出回数が減るか否かを判断する。たとえば、払出禁止レーンLから景品5を払い出さない場合には、他の5つのレーンLから景品5をそれぞれ払い出す必要があるが(この場合の払出回数は5回)、払出禁止レーンLから景品5を払い出す場合には、払出禁止レーンを含めて合計2つのレーンLから景品5をそれぞれ払い出せば済む場合(この場合の払出回数は2回)、払出回数を減らすことができる。
払出禁止レーンLから景品5を払い出しても払出回数が減らない場合(ステップS53でNO)、制御部50は、払出禁止レーンLの景品5を用いない払出パターンに基づいて、景品5を払い出す(ステップS54)。
しかし、払出禁止レーンLから景品5を払い出した方が払出回数を少なくできる場合(ステップS53でYES)、制御部50は、景品5の払出指示を出したオペレータ(言い換えれば、現在景品払出装置2を担当しているオペレータ)と、払出禁止レーンを設定した(ここでは、第2レーンL2からの払出を禁止した)オペレータとが同一人物であるか否かを確認する(ステップS55)。
ここで、記憶部46(図8参照)には、図22に示すオペレータテーブル91が記憶されている。オペレータテーブル91には、オペレータの氏名およびID(識別情報)と権限レベルとがオペレータ毎に登録されている。たとえば、氏名が「○○○」のオペレータは、IDが「111」であって、権限レベルが「A」となっている。なお、ここでは、権限レベルは、アルファベット順で「A」に近付くほど高くなっている。
図21に戻り、制御部50は、ステップS51で払出指示を受け付けたことに応答して、ステップS55において、オペレータテーブル91に登録された各オペレータの識別情報に基づいて、払出指示を出したオペレータと払出禁止レーンLを設定したオペレータとが違うか否かを判断する。なお、払出禁止レーンLを設定したオペレータについては、たとえば、オペレータテーブル91において当該オペレータの記載欄にフラグが立てられる等によって、払出禁止レーンLを設定したオペレータが記憶部46で記憶(把握)されるようになっている。
そして、制御部50は、両オペレータの氏名またはID(識別情報)が一致すれば、払出指示を出したオペレータと、払出禁止レーンを設定したオペレータとが同一人物であると判断する(ステップS55でYES)。
逆に、払出指示を出したオペレータと、払出禁止レーンを設定したオペレータとが同一人物でない場合(ステップS55でNO)、制御部50は、ステップS56の処理を行う。制御部50は、ステップS56において、払出指示を出したオペレータの権限レベルが、払出禁止レーンを設定したオペレータの権限レベルよりも高いか否かを、オペレータテーブル91(図22参照)に登録された両オペレータの権限レベルに基づいて確認する。つまり、制御部50は、オペレータテーブル91に登録された両オペレータの権限レベルを比較する。
払出指示を出したオペレータの権限レベルが、払出禁止レーンを設定したオペレータの権限レベルよりも高い場合(ステップS56でYES)、制御部50は、セットセンサ67の検出内容に基づいて、払出禁止レーンL(ここでは、第2レーンL2)のキャビネット21がセット位置にあるか(セットされているか)否かを確認する(ステップS57)。なお、払出指示を出したオペレータの権限レベルが、払出禁止レーンを設定したオペレータの権限レベル以下である場合(ステップS56でNO)、制御部50は、払出禁止レーンLの景品5を用いない払出パターンに基づいて、景品5を払い出す(ステップS54)。
ステップS57において払出禁止レーンLのキャビネット21がセットされていない場合(ロック解除スイッチ57が押下されている場合も含む)には(ステップS57でNO)、当該キャビネット21からの景品払出は物理的に不可能なので、制御部50は、払出禁止レーンLの景品5を用いない払出パターンに基づいて、景品5を払い出す(ステップS54)。
ステップS57において払出禁止レーンLのキャビネット21がセットされている場合には(ステップS57でYES)、制御部50は、店側表示部9Bに払出許可選択画面92を表示する(ステップS58)。また、ステップS55において、払出指示を出したオペレータと、払出禁止レーンを設定したオペレータとが同一人物である場合(ステップS55でYES)にも、制御部50は、店側表示部9Bに払出許可選択画面92を表示する(ステップS58)。
図23に示すように、払出許可選択画面92は、店側表示部9Bに既に表示された画面(図23では景品在庫数表示画面101)の上に重ねて表示されるポップアップ画面である。払出許可選択画面92には、「第2レーンを払出許可にします」というタイトルの下に、キャンセルボタン93と実行ボタン94とが左右に並んで表示されている。つまり、払出許可選択画面92は、払出禁止レーンLからの景品5の払い出しの可否についての選択画面である。
図21に戻り、実行ボタン94が押下されることで払出許可選択があれば(ステップS59でYES)、制御部50は、払出禁止レーンLの景品5を用いた払出パターンに基づいて、景品5を払い出す(ステップS60)。つまり、制御部50は、払出許可選択画面92において払出禁止レーンLからの景品5の払い出しが選択されたことに応答して、ステップS60において、当該払出禁止レーンLからの景品5の払い出しを許可する。なお、「権限レベル」および「払出回数」の両方の条件が揃わなくても、どちらか一方の要件を満たせば、払出許可選択画面92を表示するような設定も可能である。
このように、払出禁止レーンLが設定された場合であっても、所定の条件(ステップS53、S55〜S57の条件)を満足した場合には、当該払出禁止レーンLからの景品5の払い出しが可能になることから、柔軟な運用が可能となるので、使い勝手の更なる向上を図ることができる。
なお、払出禁止レーンLの景品5を用いた払出を今回だけ例外的に許可したものとして、景品払出後は、払出禁止レーンLは引き続き払出禁止レーンLのままである。ただし、変形例として、払出許可選択があれば(ステップS59でYES)、払出禁止レーンLのレーン番号ボタンLBの禁止表示をOK表示に変更してしまってもよい。つまり、払出許可選択があった場合(ステップS59でYES)、払出禁止レーンLからの景品払出を一時的に許可してもよいし、恒久的に許可してもよい。払出禁止レーンLからの景品払出を恒久的に許可する場合には、払出許可選択があること(ステップS59でYES)が、禁止表示のレーン番号ボタンLBが押下されたこと(ステップS41でYES)と同じになり、ステップS42以降の処理が実行される(図20参照)。
なお、払出許可選択画面92が表示されてから払出許可選択がないまま(ステップS59でNO)、所定時間が経過した場合には(ステップS61でYES)、制御部50は、今回の払出許可はされないものとして、払出許可選択画面92の表示を終了し(ステップS62)、ステップS54の処理をする。また、図21には図示していないが、払出許可選択画面92が表示されてからキャンセルボタン93(図23参照)が押下された場合にも、制御部50は、払出許可選択画面92の表示を終了し(ステップS62)、ステップS54の処理をする。
次に、レーン番号表示モードが選択されている場合での店側表示部9Bにおける別の表示態様について説明する。ここでは、オペレータが、所望のレーンLからの景品払出を禁止した後に当該レーン(払出禁止レーン)Lからキャビネット21を引き出した場合を想定している。
図24を参照して、レーン番号表示モードが選択されている場合において(ステップS71でYES)、いずれかのレーン番号ボタンLB(ここでは、第2レーンL2の第2レーン番号ボタンLB2)の押下があると(ステップS72でYES)、制御部50は、店側表示部9Bに、前述した払出禁止選択画面87(図18参照)を表示する(ステップS73)。
払出禁止選択画面87において実行ボタン89が押下されることで払出禁止選択があれば(ステップS74でYES)、制御部50は、選択されたレーン番号ボタンLB(ここでは、第2レーン番号ボタンLB2)の表示をOK表示から禁止表示(図19参照)に変更する(ステップS75)。そして、制御部50は、選択されたレーンL(ここでは、第2レーンL2)の払出ユニット8の払出部55の動作を停止し、これによって、当該レーンLからの景品5の払出を禁止する(ステップS76)。これにより、払出が禁止されたレーンL(払出禁止レーンであり、ここでは、第2レーンL2)から景品5が払い出されなくなる。
この後、払出禁止レーンL(ここでは、第2レーンL2)の払出ユニット8においてロック解除スイッチ57が押下されることによって当該払出禁止レーンLからキャビネット21が引き出されると(ステップS77でYES)、制御部50は、該当するレーン番号ボタンLB(ここでは、第2レーン番号ボタンLB2)の表示を禁止表示から解除表示(図13参照)に変更する(ステップS78)。
つまり、払出禁止レーンLからキャビネット21が引き出された場合には、レーン番号ボタンLBの表示では、禁止表示でなく、解除表示が優先される。
なお、払出禁止選択画面87が表示されてから払出禁止選択がないまま(ステップS74でNO)、所定時間が経過した場合には(ステップS79でYES)、制御部50は、今回の払出禁止はされないものとして、払出禁止選択画面87の表示を終了する(ステップS80)。また、図24には図示していないが、払出禁止選択画面87が表示されてからキャンセルボタン88(図18参照)が押下された場合にも、制御部50は、払出禁止選択画面87の表示を終了する(ステップS80)。
そして、図25を参照して、引き出されたキャビネット21がセット位置まで移動されてセットされた場合(ステップS91でYES)、制御部50は、このキャビネット21がセットされたレーンLにおけるレーン番号ボタンLB(現時点の表示は解除表示)が押下されたか否かを確認する(ステップS92)。
解除表示のレーン番号ボタンLBが押下されると(ステップS92でYES)、制御部50は、該当するレーン番号ボタンLB(ここでは、第2レーン番号ボタンLB2)の表示を、今までの解除表示(図13参照)からOK表示(図9参照)に変更する(ステップS93)。なお、レーン番号ボタンLBの表示が解除表示からOK表示に変更されるのに先立って、キャビネット21がセットされた払出ユニット8では、当該キャビネット21内の景品5の計数処理といった景品払出に必要な準備が実施される。
レーン番号ボタンLBの表示が解除表示からOK表示に変更された後、制御部50は、該当するレーンL(ここでは、第2レーンL2)の払出ユニット8の払出部55の動作を再開し、これによって、当該レーンLからの景品5の払出を許可する(ステップS94)。これにより、払出が今まで禁止されていたレーンL(ここでは、第2レーンL2)から景品5が再び払い出されるようになる。
なお、解除表示のレーン番号ボタンLBが押下されないまま(ステップS92でNO)、所定時間が経過した場合には(ステップS95でYES)、制御部50は、「キャビネットがセットされたレーンのレーン番号ボタンが押下されないと、このレーンから景品の払出はできません」という内容の警告画面(図示せず)を店側表示部9Bに表示する(ステップS96)。
また、ステップS92の処理が省略されてもよい。つまり、キャビネット21がセットされただけで(ステップS91でYES)、制御部50は、レーン番号ボタンLBの表示を、今までの解除表示からOK表示に変更し(ステップS93)、該当するレーンLからの景品5の払出を許可してもよい(ステップS94)。
そして、記憶部46(図8参照)には、図26Aや図26Bに示すレーン設定テーブル95が記憶されている。図26Aを参照して、レーン設定テーブル95には、現時点における各レーン番号での払出優先順位やレーン番号ボタンLBの表示(OK表示、解除表示または禁止表示)が登録されている。図26Aに示すように、払出優先順位やレーン番号ボタンLBの表示は、景品払出装置2を担当しているオペレータの都合によって様々に設定されている。
ここで、記憶部46は、レーン番号ボタンLBの表示(OK表示、解除表示または禁止表示)を記憶することによって、各レーンLを払出許可レーン(レーン番号ボタンLBがOK表示のレーンL)または払出禁止レーン(レーン番号ボタンLBが解除表示または禁止表示のレーンL)に区別した払出許可禁止情報(払出優先情報)を記憶していることになる。払出許可禁止情報とは、各レーンLのレーン番号ボタンLBの表示のことである。そして、制御部50は、景品5の払出指示を景品管理装置3から受けた場合、記憶部46に記憶されている払出許可禁止情報に基づいて、複数のレーンLのうちの払出許可レーンLにおける払出ユニット8の払出部55(図8参照)に指示を出して、当該払出許可レーンLから装置本体6の外へ景品5を払い出す。逆に、払出禁止レーンLからの景品5の払出は、例外の場合(図21参照)を除き、禁止する(前述したステップS3、S36およびS76を参照)。
よって、景品払出装置2において、払出許可レーンLおよび払出禁止レーンLを予め設定しておけば、払出許可レーンLから優先して景品5が払い出されるようにすることができるので、オペレータが所望する景品レーンLから景品5を払い出すことができる。その結果、複数の景品レーンLから景品5を払い出す構成の景品払出装置2において、使い勝手の向上を図ることができる。
特に、オペレータ(店員)によっては自身が使う景品レーンLを特定したい場合がある。たとえば、大景品を取り扱うにあたって、第1レーンL1、第2レーンL2の両方においてランダムに景品を払い出しているのでは、これらの両レーンのそれぞれにおいて、中途半端な数の景品5を収容したカセット7が発生してしまう。そういった場合、店員が交代する場合に景品払出装置2内の景品数のチェックを行う際、その作業が大変面倒になってしまう。しかし、払出禁止レーンに設定した景品レーンLからの払出を行わないように設定しておけば、そのような面倒な作業(中途半端な数の景品5をチェックする作業)を軽減できる。
また、記憶部46は、払出優先順位、つまり、第1〜第7という複数のレーンLにおいて景品5を払い出す優先順位を記憶している。そして、制御部50は、景品5の払出指示を景品管理装置3から受けた場合、記憶部46に記憶された優先順位に基づいて、優先順位の高いレーンLにおける払出ユニット8の払出部55(図8参照)に指示を出して、当該レーンLから装置本体6の外へ景品を払い出す。
よって、景品払出装置2において、複数の景品レーンLの中で優先順位を予め設定しておけば、優先順位の高い景品レーンLから順に景品5が払い出されるようにすることができるので、オペレータが所望する景品レーンLから景品5を払い出すことができる。これにより、複数の景品レーンLから景品5を払い出す構成の景品払出装置2において、使い勝手の更なる向上を図ることができる。
また、景品5の種別毎に優先順位の設定を行うようにしてもよい。たとえば、景品レーンLが、大景品で3レーンあって、中景品で2レーンあって、小景品で2レーンある場合、大景品の3レーンにおいて1位〜3位の優先順位を設定し、中景品の2レーンにおいて1位、2位の優先順位を設定し、小景品の2レーンにおいて1位、2位の優先順位を設定可能とする。そうすることによって、景品払出装置2では、より細やかな景品払出処理が行えて、使い勝手の向上が図れる。
また、制御部50は、記憶部46に記憶された払出許可禁止情報(各レーンLのレーン番号ボタンLBの表示)を店側表示部9Bに表示することができる(図13、図19等を参照)。さらに、制御部50は、記憶部46に記憶された優先順位を店側表示部9Bに表示することができる(図16等を参照)。
そのため、店側表示部9Bに表示された払出許可禁止情報や優先順位といった払出優先情報によって、オペレータは、各景品レーンLが払出許可レーンLおよび払出禁止レーンLのいずれかであるかということや、景品レーンLの優先順位を把握することができるので、使い勝手の更なる向上を図ることができる。
ところで、景品払出装置2の担当オペレータが交代した場合、係員認証のために新しいオペレータが、操作部10(図2参照)を操作すること等によって、自身のID等を景品払出装置2(または景品管理装置3)に入力する。オペレータが入力したID等は、オペレータの交代を示す信号であり、制御部50によって受け付けられる。制御部50は、当該信号を受け付けたことに応答して、レーン設定テーブル95に登録されていた今までの払出優先順位やレーン番号ボタンLBの表示の情報(前述した払出許可禁止情報)をクリアする。クリア後のレーン設定テーブル95は、図26Bに示されている。クリア後のレーン設定テーブル95では、レーン番号と払出優先順位とが一致していて、各レーン番号におけるレーン番号ボタンLBの表示は、全てOK表示になっている。これにより、オペレータが交代した後において、交代前のオペレータ用に設定された払出許可禁止情報および優先順位に基づいて、交代後のオペレータが所望しないパターンで景品5が払い出されることを防止できるので、使い勝手の更なる向上を図ることができる。
なお、制御部50は、レーン設定テーブル95に登録されていた今までの払出優先順位やレーン番号ボタンLBの表示をクリアするのに先立って、「今までの設定内容をクリアしますか?」という問い合わせを店側表示部9Bに表示してもよい。この場合、制御部50は、レーン設定テーブル95の登録データ(払出優先順位やレーン番号ボタンLBの表示)をクリアするのに先立って、これから当該登録データをクリアする旨を店側表示部9Bで報知することになる。これにより、オペレータの意思に反して払出許可禁止情報および優先順位がクリアされることを防止できるので、使い勝手の更なる向上を図ることができる。
以上では、店側表示部9Bに景品在庫数表示画面101(図9参照)が主に表示されていることを前提で説明したが、店側表示部9Bにカセット別在庫数表示画面102や前回取引数表示画面103が表示されている場合でも、レーン番号ボタンLBや優先順位ボタンYBの表示に関して、景品在庫数表示画面101の場合と同じ制御がおこなわれる。
そのため、たとえば図10に示すように店側表示部9Bにカセット別在庫数表示画面102が表示されている状態でロック解除スイッチ57が押下された場合には、該当するレーン番号ボタンLBの表示が解除表示(図13の第2レーン番号ボタンLB2を参照)になる。この場合、前述したように、該当するレーンL(ロック解除スイッチ57が押下されたレーンL)のカセット7毎の在庫数は引き続き表示される。
以上のように、本発明では、レーン番号ボタンLBの表示内容によって、キャビネット21がセット位置にあるか否かや、各レーンLからの景品5の払い出しが可能なのかが一目で分かるように強調表示されている。また、優先順位ボタンYBの表示内容によって、どのレーンLから優先して景品5が払い出されるのかが一目で分かるように強調表示されている。そして、レーン番号ボタンLBや優先順位ボタンYBを押下することによって、任意のレーンLからの景品払出を禁止または許可したり、払出優先順位を任意に変更したりすることができる。
一方、図27に示す比較例の場合には、第1〜第7レーンにおいて、各カセットにおける景品の在庫状況が、黒目盛り97または白目盛り98によって表示されている。つまり、各レーンには、カセットが5つあり、景品があるカセットを黒目盛り97とし、景品がないカセットを白目盛り98としている。全てのカセットに景品がないレーン(第7レーン参照)では、白目盛り98を5つ表示するのでなく、「EMPTY」の表示がなされる。ここで、図27(a)における第3レーンを参照して、第3レーンからキャビネット21が引き出された場合には、図27(a)に示す5つの黒目盛り97と図27(b)に示す5つの白目盛り98とが交互に点滅表示される。このような点滅表示では、各カセットに景品があるのか無いのかが、点滅表示していないレーンと重なって見えて紛らわしい。さらに、この点滅表示が、キャビネット21が引き出されたことを示していると分かったとしても、キャビネット21が引き出される前の時点の第3レーンの5つのカセットにおいて景品が入っていたのか否かが把握できない。また、比較例の表示では、どのレーンから景品が払い出されるのか(前述した払出優先順位)も把握できない。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、景品管理装置3やT/C4といった上位装置の表示画面に、店側表示部9Bと同じ表示内容が表示されてもよい。この場合、当該上位装置には、景品払出装置2の記憶部46の記憶内容(図22、図26Aおよび図26B参照)が記憶されていてもよい。そして、当該上位装置側において、前記記憶内容に基づいて、上位装置の表示画面に表示されたレーン番号ボタンLBや優先順位ボタンYBを押下するといった遠隔操作によって、景品払出装置2において任意のレーンLからの景品払出が禁止または許可されたり、払出優先順位が任意に変更されたりしてもよい。つまり、制御部50が実施する処理が上位装置で実施されて、景品払出装置2は、上位装置からの指示に応じて動作するといった構成でも構わない。この場合、景品管理システム1全体が、景品払出装置2となる。
また、従業員が、操作部10や表示部9の表示ボタン(図示せず)を押下することによって、レーンLからの景品払出を禁止または許可する機能や、払出優先順位を任意に変更する機能を任意にキャンセルしたり復活させたりすることもできる。
また、OK表示のレーン番号ボタンLBを押下すると、レーン番号ボタンLBの表示がOK表示から禁止表示に切り替わるようになっていたが(図18および図19の第2レーン番号ボタンLB2を参照)、これとは別に、OK表示のレーン番号ボタンLBを押下すると、次回の景品払出の際に、当該レーン番号ボタンLBのレーンLから優先して景品5が払い出されるようになっても良い。つまり、OK表示のレーン番号ボタンLBを押下することによって、次回の景品払出を行うレーンLを指定することができる。この場合、景品管理装置3から景品払出装置2に対して景品の払出指示が入力されると、速やかに当該レーン番号ボタンLBのレーンLから景品5が払い出される。
また、払出禁止レーンが存在する場合において、他のレーンLの払出ユニット8で景品5が不足している場合やジャム等の不具合が発生している場合には、応急策として、景品不足や不具合が発生しているレーンL以外のレーンL(払出禁止レーンも含む)から自動的に景品5が払い出されてもよい。または、景品不足や不具合が発生している旨のエラー情報と、払出許可選択画面92(図23参照)とを店側表示部9Bや上位装置の表示画面に表示して、その後の対応を従業員に促してもよい。
また、レーン番号ボタンLB(図9参照)や優先順位ボタンYB(図15参照)は、オペレータに触れられることによって(たとえばOK表示から解除表示や禁止表示に切り替わったときに)、初めてボタンであることが分かるように外見が変化してもよい。そのため、オペレータに触れられるまでのレーン番号ボタンLBや優先順位ボタンYBは、一見してボタンであることが分からないような外見であってもよい。
また、複数のカセット7を連結したものが1つのカセット7となっていてもよい。