本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体また当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合等に使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料が課される(手数料は遊技媒体数を減算することで徴収される)ことが通常であるが、時間帯や会員種別によって徴収しないこととしてもよい。
まず、本実施例に係る景品管理装置を有する景品管理システムを含む遊技システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技システムは、島コントローラ30と、管理装置40と、景品管理装置P1〜P4とが通信回線を介して接続されている。また、島コントローラ30には、複数の遊技機20と、複数の遊技機20に対応して設けられた複数の台間カード処理機10とが接続されている。また、景品管理装置P1〜P4には、景品払出機D1〜D8が接続されている。具体的には、景品管理装置P1には景品払出機D1及びD2が接続されている。また、景品管理装置P2には景品払出機D3及びD4が接続されている。また、景品管理装置P3には景品払出機D5及びD6が接続されている。また、景品管理装置P4には景品払出機D7及びD8が接続されている。
図1に示す遊技システムは、遊技機20をAグループとBグループとに分けている。このグループ分けは、遊技店のフロア(階数)や同一フロアのコーナー(区画)などに対応して行うことが好ましい。コーナーは、パチンコ玉の貸出レート等の遊技種の違いによって分けられることが多い。
また、Aグループに属する遊技機20に対応して設けられた台間カード処理機10、景品管理装置P1〜P2及び景品払出機D1〜D4は、Aグループに含まれる。Bグループに属する遊技機20に対応して設けられた台間カード処理機10、景品管理装置P3〜P4及び景品払出機D5〜D8は、Bグループに含まれる。
Aグループに属する景品管理装置P1〜P2及び景品払出機D1〜D4は、景品カウンタ91の近傍に配設される。Bグループに属する景品管理装置P3〜P4及び景品払出機D5〜D8は、景品カウンタ92の近傍に配設される。
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。当該遊技領域には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域をパチンコ玉が通過したことに基づいて所定個数のパチンコ玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技領域には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域をパチンコ玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域へのパチンコ玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記入賞領域には、当該入賞領域へのパチンコ玉の通過を検出するための所定の検出センサが設けられており、当該センサにより、入賞領域へ打ち込まれたパチンコ玉の通過(入賞)を検出するようになっている。また、遊技機20は、入賞領域ごとに何個のパチンコ玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、打ち込んだパチンコ玉の特定の入賞領域への通過がセンサにより検出されると、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過したパチンコ玉数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数が上皿に投出される。
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技に用いるプリペイド価値及び持玉数が関連付けられたカードを受け付けたならば、該カードに関連付けられたプリペイド価値及び持玉数を記憶する。台間カード処理機10は、持玉数を上限としてパチンコ玉を遊技機20の上皿に投出する。また、台間カード処理機10は、カード排出操作を受け付けたならば、プリペイド価値及び持玉数をカードに関連付けて排出する処理を行う。また、紙幣を受け付けたならば、この紙幣分のプリペイド価値を記憶する。また、所定の玉貸し操作がなされたならば、所定数のプリペイド価値を減算しつつ、減算したプリペイド価値分に対応するパチンコ玉を遊技機20の上皿に排出する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して管理装置40と通信する。
管理装置40は、図1に示す遊技システムを管理する装置である。管理装置40は、該遊技システムで使用されるカードの管理、該遊技システムに会員登録された会員の管理並びにパチンコ玉と交換される景品の管理を行う。
景品管理装置P1〜P4は、景品交換用の端末装置であり貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置P1〜P4には、カードからカードIDを読み取るリーダライタ並びに特殊景品を払い出す景品払出機D1〜D8が接続されている。景品管理装置P1〜P4は、リーダライタが一般カード又は会員カードを受け付けた場合には、リーダライタで読み出したカードIDを管理装置40に送信して、該カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、管理装置40に対して貯玉数を要求する。
景品管理装置P1〜P4は、貯玉数及び持玉数を特殊景品又は一般景品と交換する。特殊景品とは、所定の買取場で買い取り可能な景品であり、一般景品とはお菓子やタバコ等である。持玉数及び貯玉数を特殊景品に交換する場合には、特殊景品は景品払出機D1〜D4から払い出される。持玉数及び貯玉数を一般景品に交換する場合には、遊技客が指定した景品を店員が手渡す。
景品管理装置P1〜P4は、景品カウンタ91〜92の近傍に配設されている。景品カウンタ91〜92には、交換用の一般景品が準備されている。また、景品カウンタ91〜92には、景品払出機D1〜D4内部の特殊景品を補充するため、補充用の特殊景品が準備されている。
次に、図1に示した景品払出機D1〜D8の外観構成について説明する。図2は、図1に示した景品払出機D1の外観構成を示す図である。なお、景品払出機D2〜D8の外観構成は景品払出機D1と同様であるので、説明を省略する。
図2は、景品払出機D1を景品カウンタ91の遊技客側から見た外観図を示す。図2に示すように、景品払出機D1は、表示部81、操作部82及び景品払出口83を有する。
表示部81は、遊技客用の表示部であり、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。遊技客は、この表示部81の表示内容を確認することにより、払い出される特殊景品の種類と数を確認することができる。
操作部82は、操作者である遊技店の店員用の操作部であり、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなる。この操作部82は、特殊景品払い出し操作、特殊景品の補充のための特殊景品の払い出しの一時停止操作等に用いられる。
景品払出口83からは、景品管理装置P1より受信した払出信号に指定された種別及び個数の特殊景品が払い出される。景品払出口83は、景品カウンタ91の店員側に向いており、払い出された特殊景品は店員により遊技客に手渡される。
次に、図1に示した景品払出機D1の内部構成について説明する。図3は、図1に示した景品払出機D1の内部構成を示すブロック図である。なお、景品払出機D2〜D8の内部構成は景品払出機D1と同様であるので、説明を省略する。
景品払出機D1は、既に説明した表示部81、操作部82及び景品払出口83に加え、計数機84、複数のレーン85、通信部87、記憶部88及び制御部89を有する。
複数のレーン85は、カセット86に収納された特殊景品を払い出す景品払出機構である。レーン85は、カセット86の引き出しを禁止するためのロック機構が備えられている。景品補充時および回収時にはロック機構が解除され、カセット86を景品払出機D1から引き出して補充作業又は回収作業を行う。作業後、カセット86が挿入されてロック機構によりロックされる。
カセット86は特殊景品を積層状態で収納することのできるものである。特殊景品は、一般に、1〜3mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである。特殊景品には所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、通常、5000円、1000円、500円といった金銭価値の異なる3種類(大景品、中景品、小景品)が存在する。各景品は、種類ごとの識別を容易にするため、カードの表面に色が付され、カードに描かれた模様や図形等も色分けされている。なお、特殊景品は、必ずしもカード状である必要はなく、カード状に限定されるものではない。
計数機84は、レーン85に収納されている特殊景品の数(カセット86内の特殊景品の数)を計数するための景品計数手段である。この実施例では、計数機84は計数するレーンの位置へ移動可能に設けられて、レーンごとに、カセット86に収納されている特殊景品の数を計数することができる。大景品、中景品、小景品は、異なるレーンに収納されている。このため、各レーンに収納された特殊景品の数を計数することにより、各景品の在庫数を求めることができる。
景品払出機D1は、各カセット86内の特殊景品を搬送する際に、1枚ずつ搬送することもできるが、計数機84により計数した必要枚数分まとめて搬送することもできる。また、計数機84は、揃え部とセンサとを備えている。
また、計数機84が上下方向(カセット86における特殊景品の積層方向)へスライド自在であることから、計数機84に備えられた揃え部およびセンサは、上下方向に相対変位可能である。揃え部は、計数機84のフレームに一体的に設けられた略台形状のリブであり、フレームの幅方向外側へ向けて上下に狭くなるように突出している。揃え部の左端部は、フレームの左面(計数機84に対して左側に位置するカセット86の開放部に対向する面であり、対向面という)よりも左へはみ出ている。
計数機84のセンサは、揃え部と上下方向において一致する位置において、フレームの対向面に取り付けられている。センサは、いわゆる反射型の光学センサであり、赤外線LED等から構成される発光素子と、発光素子から発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子とを備えている。
計数機84は、揃え部およびセンサを備えることで、カセット86内に収納された特殊家品の枚数を数えることができる。特殊景品の計数は、制御部89から計数機84に命令が下ることで、実行される。
計数が実行されるのにあたって、まず、計数機84の対向面がカセット86に積層状態で収納された特殊景品の側面に対してカセット86の開放部を介して右側から対向した状態で、計数機84が待機位置から下方へスライドする。ここで、カセット86に積層状態で収納された全ての特殊景品の側面をまとめて積層側面という。計数機84が下方へスライドする際、揃え部が、カセット86に積み重ねられた特殊景品に対して、上側の特殊景品から順に、カセット86の開放部を介して右側から接触する。これにより、特殊景品は、上側の特殊景品から順に、カセット86の左壁の内面へ押し付けられていく。このとき、センサは、積層側面に対して、所定の間隔を隔てて右側から対向している。
そして、揃え部が全ての特殊景品に接触し終え、さらに、センサが最下位にある特殊景品より低い位置に到達するまで計数機84が下方へスライドすると、カセット86において上下に隣り合う特殊景品の右縁は、揃え部によって、上下方向に沿って直線状に並ぶように揃えられる。
なお、揃え部と似た形状を有する揃え部が、フレームの右面(計数機84に対して右側に位置するカセット86の開放部に対向する面)に設けられている。そのため、計数機84が上下にスライドする際には、計数機84対して左右の両側に位置する2つのカセット86のそれぞれにおける特殊景品の幅方向における縁が、対応する揃え部によって一度に揃えられる。ここで、双方の揃え部が特殊景品の縁を揃える動作は、対応するカセット86が装填されたときに行なわれてもよい。
特殊景品の縁が揃えられた後、計数機84は、待機位置へ向けて上方ヘスライドする。計数機84の上方へのスライドに伴い、センサが、上述した特殊景品の積層側面に対して所定の間隔を隔てて右側から対向した状態で上昇する。
センサが上昇している最中において、センサでは、発光素子が、下側の特殊景品から順に、特殊景品の側面に向けて投光し、この特殊景品の側面で反射される反射光が受光素子に受光される。ここで、上下に隣り合う特殊景品の側面の境界に発光素子からの光が当てられた場合、特殊景品の側面に光が当てられる場合と比べて、受光素子が受光する反射光の量(受光量)が変化する。
そのため、センサにおいて、受光素子での受光量が変化する毎に、計数機84は、特殊景品が1枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、計数機84は、下側の特殊景品から順に1枚ずつ特殊景品をカウントして特殊景品の枚数を数え、待機位置に戻ったときには、全ての特殊景品の計数を完了する。
このように、この景品払出機D1には、カセット86に収納された特殊景品を1枚ずつ計数する機能を有する計数機84が含まれている。そのため、この景品払出機D1は、カセット86に何枚の特殊景品が収納されているのかを把握することができる。
なお、各カセット86において上下に積層された特殊景品の計数結果は、各カセット86に収納された特殊景品の上下方向における位置情報(つまり、上からN番目の特殊景品は上下方向においてどの位置にあるかという情報)を含んでいると言える。計数機84は、搬送機能に関連して、フレームに、爪と、支持レバーと、めくりローラと、押えレバーと、カムと、リンクレバーと、モータ(景品分離用モータ)とをさらに備えている。爪、支持レバー、めくりローラ、押えレバー、カム、リンクレバーおよびモータは、分離搬送部を構成している。
通信部87は、景品払出機D1が他の装置と通信するためのインタフェース部である。具体的には、通信部87を介して景品管理装置P1より払出信号を受信する。また、景品払出機D1は、通信部87を介して景品管理装置P1に後述する在庫データ88aを送信する。また、景品払出機D1は、通信部87を介して景品払出機D2から景品払出機D2の在庫データを受信し、受信した景品払出機D2の在庫データを景品管理装置P1に送信する。
記憶部88は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、在庫データ88aを記憶する。在庫データ88aは、景品払出機D1の識別情報である景品払出機IDと特殊景品の在庫数とを対応づけたデータである。
図4は、在庫データ88aについて説明するための説明図である。同図に示すように、在庫データ88aは、景品払出機IDと、大景品の数と、中景品の数と、小景品の数とを対応付けている。図4に示す例では、景品払出機IDは「D1」であり、大景品の数は200個、中景品の数は100個、小景品の数は100個である。
図3に示す制御部89は、景品払出機D1を全体制御する制御部であり、払出処理部89a、計数処理部89b、在庫データ管理部89cを有する。払出処理部89aは、景品管理装置P1より受信した払出信号に指定された種別及び個数の特殊景品が払い出すようレーン85を制御する処理を行う。計数処理部89bは、計数機84を制御し、レーン85に収納した特殊景品の個数を計数する処理を行う。特殊景品の計数は、開店前や補充によりカセット86がレーン85に挿入された場合に加え、店員が計数操作を行った場合等、任意のタイミングで実行可能である。
在庫データ管理部89cは、在庫データ88aを管理する処理部である。具体的には、払出処理部89aにより特殊景品の払い出しが行われた場合には、払い出された特殊景品の数を在庫データ88aが記憶する在庫の数から減算して在庫データ88aを更新する。また、計数処理部89bによりレーン85に収納した特殊景品が計数された場合には、該計数結果により在庫データ88aを更新する。在庫データ管理部89cは、在庫データ88aを更新した場合には、在庫データ88aを景品管理装置P1に送信する。
次に、図1に示した景品管理装置P1の外観構成について説明する。なお、景品管理装置P2〜P4の外観構成は、景品管理装置P1と同様であるので説明を省略する。図5は、図1に示した景品管理装置P1の外観構成を示す図である。同図(a)には正面上方(景品カウンタの店員側)から見た景品管理装置P1の斜視図を示し、同図(b)には景品管理装置P1の背面図(景品カウンタの遊技客側)を示している。
図5(a)に示すように、景品管理装置P1の前面には、店側表示部61、操作部62、レシート発行部63及びバーコードリーダ67が設けられている。ここでは、説明の便宜上図示省略したが、電源スイッチやメモリカード差込口なども設けられる。また、景品管理装置P1には、リーダライタ70が接続されている。
店員は、計数機等で発行されたレシートを遊技客から受け取ったならば、バーコードリーダ67でレシートに印字されたバーコードを読み取り、遊技客が獲得した玉数を特定する。また、リーダライタ70のカード挿入口73にカードが挿入された場合には、該カードに対応付けられた持玉数及び貯玉数を特定する。このように特定した玉数は、特殊景品又は一般景品との景品交換に使用される。
店側表示部61は、操作者である遊技店の店員用の表示部(兼、操作部)であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。この店側表示部61には、景品交換内容や操作ガイダンスなどが表示される。操作部62は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、景品交換操作入力などを行う際に使用される。
レシート発行部63は、登録リスト及び集計リスト等の各種レシートを発行処理する発行部であり、感熱式プリンタ等からなる。バーコードリーダ67は、レシートに印字されたバーコードを読み取って、情報内容を特定する。
図5(b)に示すように、景品管理装置P1の背面には、遊技客用の客側表示部64が設けられている。この客側表示部64は、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。遊技客は、この客側表示部64の表示内容を確認することにより、カードに対応付けられる現在玉数や端玉数を確認することができる。さらに、客側表示部64は、上位の装置(例えば管理装置40)からイベント情報などを設定データとして通知された場合には、該イベント情報を表示することができる。
また、この景品管理装置P1にはリーダライタ70が接続されている。このリーダライタ70には、表示操作部71、かざし部72、カード挿入口73及び扉カギ74が設けられている。表示操作部71は、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなり、カードの読み取り状況等が表示される。なお、会員カードの場合には、この表示操作部71を用いて暗証番号が入力される。かざし部72は、非接触ICカード又はICチップ内蔵の携帯電話機との間で非接触でデータの授受を行うためのかざし部である。カード挿入口73は、会員カード及び一般カードを挿入する挿入口である。
次に、図1に示した景品管理装置P1の内部構成について説明する。なお、景品管理装置P2〜P4の内部構成は、景品管理装置P1と同様であるので説明を省略する。図6は、図1に示した景品管理装置P1の内部構成を示す図である。同図に示すように、この景品管理装置P1は、通信回線、リーダライタ70及び景品払出機D1に接続されている。
景品管理装置P1は、すでに説明した店側表示部61、操作部62、レシート発行部63及び客側表示部64と、記憶部65と、制御部66と、バーコードリーダ67と、通信部68とを有する。通信部68は、景品管理装置P1が通信回線及び景品払出機D1と通信するためのインタフェース部である。
記憶部65は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、景品マスタデータ65a、グループ構成データ65b、参照可否テーブル65c及びグループ在庫データ65dを記憶する。
景品マスタデータ65aは、特殊景品及び一般景品の景品コードごとに景品交換に要する交換玉数を対応づけたデータである。図7は、景品マスタデータ65aについて説明する説明図である。図7に示すように、景品マスタデータ65aは、景品コード、景品名、価格及び交換数を対応付けたデータである。
景品コードは、景品を一意に識別する識別情報である。景品名は景品の名称であり、価格は景品の価格である。交換数は該景品との交換に必要なパチンコ玉の数である。図7に示す例では、景品コード「0001」には、景品名「大景品」、価格「5000」、交換数「1250」が対応付けられている。また、景品コード「0002」には、景品名「中景品」、価格「1000」、交換数「250」が対応付けられている。また、景品コード「0003」には、景品名「小景品」、価格「500」、交換数「125」が対応付けられている。この景品コード「0001」、「0002」及び「0003」に対応付けられた景品は、特殊景品である。
景品コード「0016」には、景品名「タバコ」、価格「400」、交換数「100」が対応付けられている。そして、景品コード「0017」には、景品名「菓子」、価格「100」、交換数「25」が対応付けられている。この景品コード「0016」及び「0017」に対応付けられた景品は、一般景品である。
図6に示したグループ構成データ65bは、景品管理装置P1〜P4及び景品払出機D1〜D8の関係を示すデータである。図8は、グループ構成データ65bについて説明する説明図である。図8に示すグループ構成データ65bは、景品管理装置P1〜P2がAグループに属し、景品管理装置P3〜P4がBグループに属することを示している。
また、グループ構成データ65bは、景品払出機D1〜D2が景品管理装置P1に接続され、景品払出機D3〜D4が景品管理装置P2に接続されていることを示している。また、グループ構成データ65bは、景品払出機D5〜D6が景品管理装置P3に接続され、景品払出機D7〜D8が景品管理装置P4に接続されていることを示している。
図6に示した参照可否テーブル65cは、景品管理装置P1〜P4が参照可能なデータを示すテーブルである。図9は、参照可否テーブル65cについて説明する説明図である。図9に示す参照可否テーブル65cは、景品管理装置P1は全ての在庫状況を参照可能であることを示している。
具体的には、景品管理装置P1は、景品管理装置P1に接続された景品払出機D1及び景品払出機D2の在庫数を参照可能である。また、景品管理装置P1は、景品管理装置P2に接続された景品払出機D3及び景品払出機D4の在庫数を参照可能である。さらに、Aグループの景品カウンタ91に準備された特殊景品をカウンタ在庫として参照可能である。このため、Aグループに属する景品払出機D1〜D4及び景品カウンタ91の在庫の合計であるAグループ在庫を参照することができる。同様に、景品管理装置P1は、Bグループに属する景品払出機D5〜D8及び景品カウンタ92の在庫を確認可能であるため、Bグループ在庫も参照可能であり、AグループとBグループの在庫の合計、即ち遊技店全体の在庫の総合計を参照することができる。
景品管理装置P2は、自らの属するAグループの在庫は参照可能であるが、Bグループの在庫は参照することができない。具体的には、景品管理装置P2は、景品払出機D1〜D4の在庫、景品カウンタ91の在庫並びにAグループ在庫を参照することができるが、景品払出機D5〜D8の在庫、景品カウンタ92の在庫、Bグループ在庫並びに総合計は参照することができない。
景品管理装置P3〜P4は、自らの属するBグループの在庫は参照可能であるが、Aグループの在庫は参照することができない。具体的には、景品管理装置P3〜P4は、景品払出機D5〜D8の在庫、景品カウンタ92の在庫並びにBグループ在庫を参照することができるが、景品払出機D1〜D4の在庫、景品カウンタ91の在庫、Aグループ在庫並びに総合計は参照することができない。
このように、景品管理装置P1〜P4は、自装置が属するグループの特殊景品の在庫については、自装置以外の景品管理装置に接続された景品払出機の在庫であっても参照可能である。また、景品管理装置P1は、全ての在庫を参照可能である。なお、管理装置40は、景品管理装置P1と同様に、全ての在庫を参照可能である。
図6に示したグループ在庫データ65dは、自装置が参照可能な在庫について在庫数を示すデータである。図10は、グループ在庫データ65dについて説明する説明図である。図10に示すグループ在庫データ65d1は、景品管理装置P1の記憶部65が記憶するグループ在庫データである。既に説明したように、景品管理装置P1は、全ての在庫データを参照可能であるため、グループ在庫データ65d1は、全ての在庫数についてデータを有する。
具体的には、グループ在庫データ65d1は、景品払出機D1が大景品を200個、中景品を100個、小景品を50個収納していることを示している。また、グループ在庫データ65d1は、景品払出機D2が大景品を200個、中景品を100個、小景品を50個収納していることを示している。また、グループ在庫データ65d1は、景品払出機D3〜D4が特殊景品を収納していないことを示している。また、グループ在庫データ65d1は、景品カウンタ91の在庫が大景品100個、中景品100個、小景品100個であり、Aグループの在庫の合計が大景品500個、中景品300個、小景品200個であることを示している。
また、グループ在庫データ65d1は、景品払出機D5〜D6がそれぞれ大景品を200個、中景品を100個、小景品を50個収納していることを示している。また、グループ在庫データ65d1は、景品払出機D7〜D8が特殊景品を収納していないことを示している。また、グループ在庫データ65d1は、景品カウンタ92の在庫が大景品100個、中景品100個、小景品100個であり、Bグループの在庫の合計が大景品500個、中景品300個、小景品200個であることを示している。また、グループ在庫データ65d1は、在庫の総合計が大景品1000個、中景品600個、小景品400個であることを示している。
図10に示すグループ在庫データ65d2は、景品管理装置P3の記憶部65が記憶するグループ在庫データである。既に説明したように、景品管理装置P3は、Bグループの在庫のみを参照可能であるため、グループ在庫データ65d2は、Bグループの在庫数についてデータを有する。
具体的には、グループ在庫データ65d2は、景品払出機D5〜D6がそれぞれ大景品を200個、中景品を100個、小景品を50個収納していることを示している。また、グループ在庫データ65d1は、景品払出機D7〜D8が特殊景品を収納していないことを示している。また、グループ在庫データ65d1は、景品カウンタ92の在庫が大景品100個、中景品100個、小景品100個であり、Bグループの在庫の合計が大景品500個、中景品300個、小景品200個であることを示している。
図6に示した制御部66は、景品管理装置を全体制御する制御部であり、景品管理部66a、景品選択処理部66b及び在庫管理部66cを有する。景品管理部66aは、記憶部65に記憶した景品マスタデータ65aを用いて景品管理装置P1の取扱対象となる特殊景品、一般景品の交換玉数等を管理する管理部である。
景品選択処理部66bは、景品の選択処理を行う処理部である。景品との交換に使用される玉数は、バーコードリーダ67によりレシートから読み取った獲得玉数、リーダライタ70により読み取られたカードIDに対応付けられた持玉数及び貯玉数である。景品選択処理部66bは、獲得玉数、持玉数及び貯玉数の範囲内で、景品マスタデータ65aに基づいて特殊景品及び一般景品の景品交換処理を行う。特殊景品の交換処理を行う場合には、景品選択処理部66bは、獲得玉数、持玉数及び貯玉数から交換可能な特殊景品の種類及び数の組み合わせを求め、該特殊景品の種類及び数を指定した払出指示を景品払出機D1又は景品払出機D2に送信することで、特殊景品の払い出しを行わせる。
在庫管理部66cは、グループ在庫管理部66c1及び景品移動管理部66c2を有する。グループ在庫管理部66c1は、自装置に接続された景品払出機D1又は景品払出機D2から在庫データを受信した場合に、グループ在庫データ65dを更新する処理を行う。また、景品払出機D1又は景品払出機D2は、自装置に接続された景品払出機D1又は景品払出機D2から在庫データを受信してグループ在庫データ65dを更新した場合に、グループ在庫データ65dを他の景品管理装置に送信する処理を行う。グループ在庫データ65dの送信先は、同一グループに属する景品管理装置と、全てのグループの在庫を参照可能な景品管理装置である。
また、グループ在庫管理部66c1は、他の景品管理装置からグループ在庫データを受信した場合には、該受信したグループ在庫データの内容に合わせて自装置のグループ在庫データ65dを更新する。
また、グループ在庫管理部66c1は、グループ在庫データ65dを更新した際に、いずれかの景品払出機の特殊景品の在庫が所定数以下である場合には、報知制御を行う。景品払出機の特殊景品の在庫が所定数以下となった状態は、ニアエンプティ状態と呼ばれる。グループ在庫管理部66c1は、ニアエンプティ状態の景品払出装置についての情報を表示することで店員に対して報知する。表示する情報には、ニアエンプティ状態の景品払出装置を示す識別情報、該景品払出機の設置場所、該景品払出機が属するグループ、該景品払出機の在庫数、同一グループの他の景品払出機の在庫数等が含まれる。
特殊景品の在庫の管理を行う場合に、複数の景品払出機の特定のレーン(例えば大景品のレーンが二つある場合に一方のレーンのみ)を指定し、指定したレーンだけを集中的に払出に用いるとともに、指定したレーンのみを対象としたグループ在庫管理を行ってもよい。店員が交代で業務に就く場合に、店員により景品払出機の使用レーンの割り振りをしたいというニーズ等、同一の景品であってもレーンを個別に使用するニーズがあるためである。店員識別情報ごとのレーンの割り振りを行う場合には、景品管理装置又は会員管理装置の管理画面において店員識別情報にレーンを割り当てる設定を行う。かかる設定後、景品管理装置に設けられた店員媒体読取り部で店員媒体を読取ると、該店員識別情報に対応付けられた管理モードとなり、設定されたレーンが使用される。この管理モードは、会員管理装置からの信号でモードリセットする。
また、レート等の遊技種毎に異なる特殊景品を用いる場合には、レーンを遊技種ごとに関連付けた上で、遊技種ごとの在庫管理をおこなってもよい。
特殊景品の在庫の初期分布は、景品払出機による計数処理や店員による在庫数の入力作業を開店処理時に行うことにより確定される。
景品移動管理部66c2は、景品払出機間での景品移動を管理する処理部である。景品移動は、ニアエンプティ状態の景品払出機がある場合に、他の景品払出機が収納する特殊景品を取り出して、ニアエンプティ状態の景品払出機に投入することで、ニアエンプティ状態を解消する処理である。特殊景品の取出しと特殊景品の投入は、例えば店員によって行われる。
景品移動管理部66c2は、景品移動が行われた場合に、取り出された特殊景品の数と投入された特殊景品の数とが一致するかを判定することで、景品移動が正常に行われたかを判定する。
具体的には、景品移動管理部66c2は、景品移動を行う店員により、特殊景品を取り出す景品払出機、すなわち移動元の景品払出機と、特殊景品を投入する景品払出機、すなわち移動先の景品払出機とを指定した景品移動操作を受け付ける。
景品移動管理部66c2は、移動元の景品払出機が収納する特集景品の数を計数して、特殊景品の取出数を算定する。また、景品移動管理部66c2は、移動先の景品払出機が収納する特集景品の数を計数して、特殊景品の投入数を算定する。この取出数と投入数とが一致したならば、景品移動管理部66c2は、景品移動が正常に行われたことを報知し、取出数と投入数とが一致しなければ、エラーを報知する。
次に、景品管理装置によるグループ在庫データの表示について説明する。図11は、景品管理装置によるグループ在庫データの表示画面について説明する説明図である。図11は、景品管理装置P1〜P4のうち、景品管理装置P1が店側表示部61に表示する画面の例を示している。
グループ在庫データを表示する場合には、景品別の表示や、景品管理装置及びグループ別の表示など、店員の入力により表示態様を選択可能である。図11(a)は、景品別の表示を示している。
図11(a)に示す表示画面は、「特殊景品在庫参照画面(景品別)」とタイトルが付けられている。図11(a)に示す表示画面は、景品名「大景品」の総合計が1000個であり、このうち景品払出機D1〜D8に収納された大景品の合計が800個、景品カウンタ91〜92に準備された大景品が200個であることを示している。大景品の総合計は、管理装置40等から取得した値である。管理装置40は、開店前などに遊技店全体で特殊景品の準備を行う場合に総合計の値を店員により入力される。また、カウンタ在庫の合計は、大景品の総合計の個数から、景品払出機で計数された個数の合計を減算することで求めた値である。
図11(a)に示す表示画面は、景品払出機D1〜D8に収納された大景品の合計のうち、400個がAグループに属する景品払出機D1〜D4に収納され、400個がBグループに属する景品払出機D5〜D8に収納されていることを示している。
また、図11(a)に示す表示画面は、景品管理装置P1について、景品管理装置P1が属するAグループの景品カウンタ91に準備された大景品の個数と、景品管理装置P1に接続された景品払出機D1〜D2に収納された大景品の個数を示している。具体的には、景品カウンタ91には100個の大景品が準備されている。景品払出機D1には、大景品が200個収納されている。景品払出機D2には、大景品が200個収納されている。
また、図11(a)に示す表示画面は、景品管理装置P3について、景品管理装置P3が属するBグループの景品カウンタ92に準備された大景品の個数と、景品管理装置P3に接続された景品払出機D5〜D6に収納された大景品の個数を示している。具体的には、景品カウンタ92には100個の大景品が準備されている。景品払出機D1には、大景品が100個収納されている。景品払出機D2には、大景品が300個収納されている。
図11(a)は、大景品について在庫の表示を行っているが、中景品及び小景品についても同様に表示される。具体的には、景品名と、総合計と、景品払出機に収納された個数の合計と、カウンタ在庫合計と、景品払出機に収納された個数のグループ毎の合計と、各景品管理装置についてのカウンタ在庫数及び景品払出機の収納数とが表示される。
図11(b)は、景品管理装置及びグループ別の表示を示している。図11(b)に示す表示画面は、「特殊景品在庫参照画面(景品管理装置・グループ別)」とタイトルが付けられている。
図11(b)に示す表示画面は、景品管理装置P1について、景品管理装置P1が属するAグループの景品カウンタ91に準備された各特殊景品の個数と、景品管理装置P1に接続された景品払出機D1〜D2に収納された各特殊景品の個数を示している。
具体的には、景品カウンタ91には大景品が100個、中景品が100個、小景品が100個準備されている。また、景品払出機D1には、大景品が200個、中景品が100個、小景品が50個収納されている。景品払出機D2には、大景品が200個、中景品が100個、小景品が50個収納されている。
図11(b)に示す表示画面は、他の景品管理装置についても同様に、該景品管理装置が属するグループの景品カウンタに準備された各特殊景品の個数と、該景品管理装置に接続された景品払出機に収納された各特殊景品の個数を表示する。
また、図11(b)に示す表示画面は、グループ別の表示として、該グループの景品カウンタに準備された特殊景品の種類別の個数と、該グループに属する景品払出機に収納された特殊景品の種類別の合計個数とを表示する。
具体的には、Aグループの景品カウンタ91には大景品が100個、中景品が100個、小景品が100個準備されている。また、Aグループに属する景品払出機D1〜D4の特殊景品の合計は、大景品が400個、中景品が200個、小景品が100個である。同様に、Bグループの景品カウンタ92には大景品が100個、中景品が100個、小景品が100個準備されている。また、Bグループに属する景品払出機D5〜D8の特殊景品の合計は、大景品が400個、中景品が200個、小景品が100個である。
このように、景品管理装置P1では、遊技店内の全ての在庫状況を参照可能である。なお、景品管理装置P2〜P4では、参照不可能なデータがあるため、図11(a)及び図11(b)に示した表示画面のうち、参照可能なデータのみが選択的に表示されることとなる。
次に、景品管理装置P1の処理手順について説明する。図12は、景品管理装置P1の処理手順を示すフローチャートである。なお、景品管理装置P2〜P4の処理手順は景品管理装置P1と同様であるので、説明を省略する。
図12に示すように、景品管理装置P1は、特殊景品との交換が発生すると(ステップS101;Yes)、払い出す特殊景品の種類と数を指定した払出指示を景品払出機に送信する(ステップS102)。
払出指示を受信した景品払出機は、指定された種類及び数の特殊景品を払い出すと、景品管理装置P1に対して在庫データを送信する。景品管理装置P1は、景品払出機より在庫データを受信すると(ステップS103;Yes)、受信した在庫データを用いてグループ在庫データ65dを更新する(ステップS104)。
景品管理装置P1は、更新したグループ在庫データを他の景品管理装置に送信する(ステップS105)。送信先は、自装置と同じグループに属する景品管理装置並びに全ての在庫状況を参照可能に指定された景品管理装置である。景品管理装置P1では、景品管理装置P2が送信先となり、景品管理装置P2では、景品管理装置P1が送信先となる。景品管理装置P3では、景品管理装置P1及び景品管理装置P4が送信先となり、景品管理装置P4では、景品管理装置P1及び景品管理装置P3が送信先となる。この送信先は、グループ構成データ65b及び参照可否テーブル65cにより判定可能である。
景品管理装置P1は、更新後のグループ在庫データ65cに基づいて、在庫数が所定数以下の景品払出機があるか否かを判定する(ステップS106)。在庫数が所定数以下の景品払出機がなければ(ステップS106;No)、景品管理装置P1はそのまま処理を終了する。一方、在庫数が所定数以下の景品払出機があるならば(ステップS106;Yes)、景品管理装置P1は、店側表示部61にニアエンプティ状態の発生を報知する表示を行って(ステップS107)、処理を終了する。
次に、景品移動について説明する。図13は、景品移動について説明するための説明図である。図13では、景品払出機D5がニアエンプティ状態となり、景品払出機D1から取り出した特殊景品を景品払出機D5に投入する場合を示している。この場合には、景品払出機D1を移動元、景品払出機D5を移動先として景品移動を行うこととなる。
景品払出機D1から特殊景品を取出し後、景品払出機D1に計数を行わせ、取出し前の個数から計数結果の個数を減算することで、取出数が求められる。また、景品払出機D5に特殊景品を投入した後、景品払出機D5に計数を行わせ、計数結果の個数から投入前の個数を減算することで、投入数が求められる。
景品管理装置P1の景品移動管理部66c2は、取出数と投入数とを比較し、取出数と投入数とが一致したならば、景品移動が正常に行われたことを報知し、取出数と投入数とが一致しなければ、エラーを報知する。
次に、景品移動管理部66c2の処理手順について説明する。図14は、景品移動管理部66c2の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、景品移動を行う店員により景品移動操作を受け付けた場合に実行される。景品に同操作には、移動元の景品払出機と移動先の景品払出機とが指定されている。
景品移動管理部66c2は、移動元の景品払出機に特殊景品の個数を計数させ(ステップS201)、特殊景品の取出し数を算定する(ステップS202)。また、景品移動管理部66c2は、移動先の景品払出機に特殊景品の個数を計数させて(ステップS203)、特殊景品の投入数を算定する(ステップS204)。具体的には、店員による景品移動操作があった場合には、移動元の移動先の景品払出機に計数指示(精査指示)の信号が送信され、計数指示を受けた景品払出機が計数を行って応答信号を送信する。この計数指示の信号は、景品移動操作があってから所定時間経過後に送信される。店員により手作業で特殊景品が移動されている間に計数を行うと、無駄な制御とエラーが出るためである。なお、計数指示の送信までの時間は、任意に設定可能である。
景品移動管理部66c2は、算定した取出数と投入数が一致するか否かの判定を行い(ステップS205)、一致するならば(ステップS205;Yes)、移動完了を報知して(ステップS206)、処理を終了する。一方、一致しなければ(ステップS205;No)、エラーを報知して(ステップS207)、処理を終了する。
図14では、店員による景品移動操作に基づいて景品移動管理部66c2による処理を実行する場合を説明したが、店員による特殊景品の取り出しや投入を自動検知した場合にも、景品移動管理部66c2による処理を行う。
景品払出機の計数機84が計数処理を実行するのは、カセットが引き出されて戻された時、待機中に店員により在庫計数ボタンが操作された時、電源が投入されて起動処理を行っている時、エラー発生によりリセットを行った時、待機中に景品管理装置より在庫計数の指示を受信した時などである。景品管理装置が在庫計数の指示を送信するのは、閉店処理を行う時や、店員により在庫キー又は再計数キーが操作された時である。
計数処理により特殊景品の増減を検出した場合には、景品移動管理部66c2による処理を行う。例えば、扉の開閉動作・カセットの抜き差し動作等からカセットの開閉を検出し、特殊景品の計数(精査)を開始する。計数の結果、特殊景品の増減を検出したならば、同一グループ内に増減数を送信する。そして、一定時間内に同一グループ内の他の景品払出機でカセットの開閉が行われたならば、特殊景品在庫の増減数を計数し、先にカセットが開閉された景品払出機の特殊景品在庫の増減数と比較し、比較結果を景品管理装置に出力する。
景品管理装置は、比較結果を表示出力し、店員による景品移動の確認・認証を行わせる。また、一定時間内に他の景品払出機への移動が検出されなければ、カウンタ在庫の移動として、移動元の景品管理装置に表示出力し、店員による確認・認証を行わせる。なお、一定時間毎に特殊景品の在庫を計数して、景品移動管理部66c2による処理を実行してもよい。
上述してきたように、本実施例では、景品払出機D1〜D8が自装置内の特殊景品の在庫数を計数して景品管理装置P1〜P4に通知し、景品管理装置P1〜P4が景品払出機D1〜D8から通知された特殊景品の在庫数を管理するよう構成したので、遊技店内に複数の景品管理装置が配設される場合に、景品カウンタの店員に遊技店内の特殊景品の在庫状況を効率良く把握させることができる。
また、景品管理装置P1〜P4がグループ構成データ65bを記憶し、自装置に接続された景品払出機の在庫数を同一グループの景品管理装置に送信するよう構成したので、グループ単位での在庫管理を実現可能である。
このため、景品払出機が収納する特殊景品の在庫数がしきい値以下となった場合には、該景品払出機に接続された景品管理装置のみならず、グループ内の他の景品管理装置も店員に対する報知を行い、景品の補充を促すことができる。
また、景品管理装置P1が全体の在庫を参照可能であるので、グループ全体で在庫が少なくなった場合には、他のグループからの景品移動により景品を補充可能である。なお、本実施例では、景品管理装置P1のみが全体の在庫を参照可能な構成を例示したが、グループ毎に全体の在庫を参照可能な景品管理装置を設けてもよい。また、全ての景品管理装置が全体の在庫を参照可能となるように構成してもよい。
また、景品移動を行う場合には、取出数と投入数を計数機84の計数結果から算定し、取出数と投入数とを比較するので、景品の移動が正常に行われたかを判定できる。また、取出数と投入数とを店員が入力する構成に比して、店員の労力を軽減し、ミスや不正の発生を防止できる。
なお、本実施例では、景品払出機D1と景品払出機D2とを直列に接続する構成を示した。このため、景品払出機D2が在庫データを景品管理装置P1に送信する際には、景品払出機D1が中継することになる。しかし、この構成はあくまで一例であり、景品払出機D1と景品払出機D2とがそれぞれ景品管理装置P1に直接接続する構成で実施してもよい。景品払出機D3と景品払出機D4、景品払出機D5と景品払出機D6、景品払出機D7と景品払出機D8についても同様である。
また、本実施例では、景品管理装置は、自装置に接続された景品払出機から在庫データを受信した場合に、グループ在庫データを更新し、更新したグループ在庫データを他の景品管理装置に送信する構成を示したが、各景品管理装置が自装置に接続された景品払出機から受信した在庫データ自体を他の景品管理装置に送信する構成で実施してもよい。
また、本実施例では、景品管理装置が特殊景品の在庫管理を行う構成について説明したが、複数の景品管理装置と通信可能な会員管理装置等を設けてグループ毎の在庫管理を行う構成としてもよい。また、景品払出機自身が在庫管理をする構成としてもよい。
また、本実施例に示した景品移動操作を行う際に、店員の認証を行う構成としてもよい。この場合には、景品管理装置が有するIC受付部により店員カードに埋め込まれたICチップを認証することで店員の認証を行う。また、暗証番号の入力により店員の認証を行ってもよい。また、グループごとに景品移動操作の権限を分離する構成としてもよい。かかる構成により、特殊景品の取り扱いを厳正に管理可能である。
また、本実施例では、特殊景品在庫のグループ管理について説明を行ったが、一般景品のカウンタ在庫についてもグループ管理するよう構成してもよい。特殊景品の場合は獲得遊技媒体数に所定の率(交換率)を乗じた値と交換可能な景品を抽出するが、一般景品の場合は獲得遊技媒体数に等しい値と交換可能な景品を抽出する。
また、本実施例では、会員カード及び一般カードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。特に、ICチップ付携帯端末を媒体として用いる場合は、台間カード処理機10に設けられたリーダライタ(R/W)に当該携帯端末を翳すことにより、ICチップとR/Wとの非接触通信により当該携帯端末と関連付けられたプリペイド価値及び持玉数を取得することができる。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。