以下、図面を参照して本発明に係る遊技用装置および遊技用システムを実施するための形態を説明する。本発明に係る遊技用システムには、持玉管理装置140が含まれる第1実施形態に係る遊技用システム1と、持玉管理装置140が含まれない第2実施形態に係る遊技用システム1’と、が含まれる。以下では、まず、第1実施形態に係る遊技用システム1について説明し、次に、第2実施形態に係る遊技用システム1’について、第1実施形態と異なる点を説明する。
[第1実施形態に係る遊技用システムの構成]
まず、図1は、第1実施形態に係る遊技用システム1の全体像を示すシステム構成図である。遊技用システム1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設される遊技機であるカードリーダ式パチンコ機(以下パチンコ機と略称する)2と、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、遊技機における遊技に使用される遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出すための処理や、対応するパチンコ機2における遊技にて獲得されたパチンコ玉を計数するとともに、該計数済みのパチンコ玉数の範囲内のパチンコ玉の払出(返却)を行うカードユニット3と、カードユニット3にて使用されるビジターカードや会員カードのプリペイド残額の管理等を行う残額管理装置100と、各カードユニット3において計数された計数玉数を持玉数として管理する持玉数管理を行う持玉管理装置140や、会員カードを所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する所有価値としての貯玉数の管理を行う会員管理装置150と、遊技場内の景品カウンタに設けられて景品交換を行うための景品交換用POS端末170と、から主に構成されている。
そして、これら本実施の形態の遊技用システム1を構成する各装置は、図1に示すように、ハブ(HUB)7並びに通信ケーブル8を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されている。なお、カードユニット3は遊技機と1対1に対応して設けられており、カードユニット3を識別することによって対応する遊技機も識別可能となるため、以下の説明において、カードユニット3の装置IDを「台番号」と称する場合がある。
この実施の形態において、各カードユニット3と会員管理装置150とは、持玉管理装置140を介して通信を行うものとする。即ち、持玉管理装置140は、カードユニット3と会員管理装置150との間の通信を中継するものである。また、持玉管理装置140には、通信可能に接続された各カードユニット3の装置ID(台番号)とローカルIPアドレスとが対応付けられた不図示のIPアドレステーブルが記憶されている。これにより、カードユニット3のローカルIPアドレスから当該カードユニット3の装置IDを特定可能であり、カードユニット3の装置IDから当該カードユニット3のローカルIPアドレスを特定可能である。
尚、本実施の形態の残額管理装置100は、上述したように、各会員カード並びに各ビジターカードに残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理しているとともに、通信回線11を介して、これら会員カードやビジターカードを管理する遊技場外のカード管理会社に設置された残額管理サーバ12と双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら残額管理サーバ12に対して残額管理装置100から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該残額管理サーバ12にて各遊技場の会員カード及びビジターカードによる売上げ等を把握できるようになっている。
また、本実施の形態の会員管理装置150は、上述したように、各会員カードから読み取られる情報(カードID及び会員番号)に関連付けられた貯玉数(所有価値)を管理しているとともに、通信回線11を介して、各遊技場に対応した口座に預け入れられている貯玉数を管理する遊技場外の貯玉管理機関に設置された貯玉管理サーバ15と双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら貯玉管理サーバ15に対して会員管理装置150から、各種の管理情報が送信されることにより、貯玉管理機関は、該貯玉管理サーバ15にて各遊技場に対応した口座に預け入れられている貯玉数等を把握できるようになっている。
また、カードユニット3とパチンコ機2とは、図3に示すように、払出単位として予め定められた一単位数(本実施の形態では25)のパチンコ玉の払出に伴う各種の信号を送受可能に接続されていて、具体的には、後述するPRDY信号線、BRDY信号線、BRQ信号線、及びEXS信号線が接続されている。
(パチンコ機)
はじめに、本実施の形態に用いた遊技機であるパチンコ機2について、以下に簡単に説明する。パチンコ機2は、図2に示すように、その前面に遊技領域26、上皿23、下皿24及び発射ハンドル25等を備えると共に、上皿に払出ボタン21及び返却ボタン22を備え、図3に示すように、その内部に遊技制御基板27、払出制御基板28、及び玉払出装置29等を備えており、これらの各構成要素は図3に示すように接続されている。
遊技制御基板27は、遊技領域26に設けられた各入賞口へのパチンコ玉の入賞を検出してパチンコ機2における遊技(例えば、特別図柄の可変表示や特別可変入賞装置の開放制御等)及び遊技状態(例えば、特別図柄の停止表示結果が特定表示結果となる確率が高められる確変状態や特別図柄の可変表示時間が短縮される時短状態等)を制御するものである。
払出制御基板28は、カードユニット3の制御ユニット328と通信可能に接続されており、パチンコ機2とカードユニット3との間における通信を司るものである。プリペイド残額、持玉数、及び貯玉数のいずれかを減算して、予め定められた一単位数(25)の倍数に相当する個数のパチンコ玉を払い出すときに、払出制御基板28と制御ユニット328との間で信号の送受信が行われる。
また払出制御基板28は、玉払出装置29と接続され、該玉払出装置29を制御するものである。玉払出装置29は、払出制御基板28と制御ユニット328との通信に基づいて予め定められた一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉を払い出すと共に、遊技領域27に設けられた入賞口へのパチンコ玉の入賞に基づいて遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
払出ボタン21は、対応するカードユニット3のカードリーダライタ327(以下カードR/W327と略記する)にて受け付けたビジターカード又は会員カードから読み取られるカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額を減算してパチンコ玉を払い出すプリペイド払出を行うための払出操作を受け付けるボタンである。この払出ボタン21が操作されたことを払出ボタンスイッチ21aが検出すると、制御ユニット328との間に設けられている払出入力信号線を介して制御ユニット328に払出入力信号が入力され、制御ユニット328が払出ボタン21が操作された旨を認識して、プリペイド残額を使用して一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉を払い出すための払出制御基板28との通信を実行する。
返却ボタン22は、対応するカードユニット3のカードR/W327にて受け付けたビジターカード又は会員カードを返却するための返却操作を受け付けるボタンである。この返却ボタン22が操作されたことを返却ボタンスイッチ22aが検出すると、制御ユニット328との間に設けられている返却入力信号線を介して制御ユニット328に返却入力信号が入力され、制御ユニット328が返却ボタン22が操作された旨を認識して、カードR/W327にて受付中のビジターカード又は会員カードを返却する。
このパチンコ機2では、発射ハンドル25が操作されると、上皿23から発射位置に供給されたパチンコ玉が遊技領域26に打ち込まれて遊技が行われる。パチンコ玉が遊技領域26に設けられた各入賞口に入賞した場合には、各入賞口に応じた数の賞球が玉払出装置29により払い出される。パチンコ玉が始動入賞口に入賞すると、可変表示装置において特別図柄の可変表示(変動表示)が開始され、その停止表示結果が予め定められた特定表示結果となった場合には、特定遊技状態(大当り遊技状態)が発生して特別可変入賞装置が開放制御されることにより、大入賞口へのパチンコ玉の入賞が可能となる。
遊技制御基板27に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ(図示せず)は、入賞検出に応じて、払出制御基板28に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ(図示せず)に、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、玉払出装置29を駆動する。玉払出装置29には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が玉払出装置29から払出される。
払出制御基板28の制御により入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大入賞口等)に応じた数の賞球が玉払出装置29から払い出されると、該払い出された賞球は、まず上皿23に導かれ、該上皿が満タンになると下皿24に導かれる。下皿24の前面には、下皿24の底板に固定されたレバー24aが設けられている。遊技者がレバー24aを操作する(図2の例では左側に引く)ことにより、下皿24の底板がスライドして下皿24の底面が開放され、下皿24に導かれた賞球は、下皿24から落下して計数・端数払出ユニット340に投入される。
(記録媒体)
次に、本実施の形態にて使用されるビジターカードと会員カードとについて、簡潔に説明すると、本実施の形態に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用している。これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まるカードIDが予め書き換え不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
尚、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員番号が書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数したパチンコ玉を、当日再度遊技に使用できる持玉として、あるいはその翌日以降においても再度遊技に使用できる貯玉として、遊技場に預けることができるようになっているが、これら会員カードには、該持玉のデータである持玉数および貯玉のデータである貯玉数は直接記録されておらず、これら持玉数および貯玉数は、後述するように、持玉管理装置140および会員管理装置150において、カードIDおよび会員番号に対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員番号から特定されるようになっている。
また、ビジターカードは、カードユニット3において発行される。尚、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数・端数払出ユニット340により計数したパチンコ玉数(計数玉数)に基づく持玉数と該持玉数が計数された日付とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において使用できるようになっている。
尚、本実施の形態では、上述したように、ビジターカードのみに持玉数を書き込み記録するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら持玉数や貯玉数のデータを、ビジターカードと同じく、会員カードに記録するようにしても良い。また、会員カードと同様にビジターカードに持玉数を書き込み記録しないようにしても良い。また、プリペイド残額は、会員カード及びビジターカードに記録させることなく、残額管理装置100がカードIDに対応付けて記憶し、カードに対応するプリペイド残額を当該カードのカードIDから検索できるように管理してもよい。
(カードユニット)
次に、本実施の形態のカードユニット3について、図2及び図3に基づいて以下に説明すると、本実施の形態のカードユニット3の前面には、図2及び図3に示すように、フルカラーLED301aにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301等の各種表示部、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305、計数玉数(持玉数)を払い出すための計数払出操作を受付けるための計数プレイボタン319、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードR/W327(図3参照)のカードスロット(図示略)に連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロットに挿入可能とされている。
カードユニット3の前面には、前方に突出する態様にて突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者と対向する面には、図2に示すように、各種情報を表示可能な表示部312と、後述する持玉払出を実行するときに操作する計数プレイボタン319が設けられている。表示部312の表面には、表示部312に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネル314が設けられている。また、計数プレイボタン319は透光性を有するプラスチック製のケースにより構成されている。
持玉払出とは、ビジターカード又は会員カードを受け付けた場合(カード貯留部のビジターカードがカードR/ W327に供給された場合を含む)において、カードR/W327のビジターカード又は会員カードに記録されているカードID及び会員番号(会員カードのみ)に対応付けて持玉管理装置140で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の持玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の持玉数を減算して遊技媒体を払い出す処理である。
本実施の形態では、ビジターカード又は会員カードがCU3に挿入されると、持玉管理装置140から取得した持玉数(受け付けたカードIDに対応付けて管理されている各口座の持玉数)が制御ユニット328に記憶される。そして、持玉払出が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数から払い出された玉数が減算され、計数・端数払出ユニット340で計数が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数に計数された玉数が加算される。
また、カード貯留部のビジターカードがカードR/ W327に供給され(このとき制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数は0となっている)、計数・端数払出ユニット340で計数が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数に計数された玉数が加算される。そして、持玉払出が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数から払い出された玉数が減算される。
持玉管理装置140で管理されている持玉数は、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3から返却される際に更新され、持玉払出が実行される際や遊技媒体の計数が実行される際には、カードユニット3で記憶されている持玉数は更新されるが、持玉管理装置140で管理されている持玉数は更新されないものとする。持玉払出は、制御ユニット328が記憶している持玉数(基本単価に対応した持玉数)が1以上である場合に実行可能であり、持玉払出を実行する場合には、計数プレイLED319bが点灯しているときに、計数プレイボタン319を操作する。
貯玉払出とは、会員カードを受け付けた場合において、該会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の貯玉数のみを減算して遊技媒体を払い出す処理である。貯玉払出は、当該カードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数(25)以上である場合に実行可能である。
貯玉払出を実行する場合には、表示部312にメイン画面(プリペイド残額、当該カードユニット3の基本単価に対応した口座の持玉数及び貯玉数、並びに、貯球払出ボタン及び乗入れ画面移行ボタンが表示される画面)が表示され、メイン画面の貯玉払出操作領域312aに貯玉払出ボタンが有効態様(後述する無効態様よりも濃い表示態様)で表示されているときに(例えば図19(1)の状態で)、該貯玉払出ボタンを操作する。
また、本実施の形態では、会員カードを受け付けた場合において、該会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座以外の他口座(基本単価とは異なる単価に対応した口座)の貯玉数を減算して基本単価の遊技媒体を払い出す乗入れ払出を実行可能なものである。
乗入れ払出は、当該カードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数と、他の口座の貯玉数を基本単価の貯玉数に換算した玉数との合算値が基本払出玉数(本例では125)以上である場合に実行可能である。当該カードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数が0ではなく基本払出玉数未満である場合には、他の口座の貯玉数に応じて、基本単価に対応した口座の貯玉数と他の口座の貯玉数とを減算する乗入れ払出が実行可能となる。また、当該カードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数が0である場合には、他の口座の貯玉数に応じて、他の口座の貯玉数のみを減算する乗入れ払出が実行可能となる。
乗入れ払出を実行する場合には、表示部312に乗入れ画面(当該カードユニット3の基本単価に対応した口座及び他口座の貯玉数、並びに、貯玉移行ボタン又は乗入れ払出ボタンが表示される画面)が表示され、乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンが有効態様(後述する無効態様よりも濃い表示態様)で表示されているときに(例えば図19(6)の状態で)、該乗入れ払出ボタンを操作する。
この実施の形態では、乗入れ払出が実行されるときに、カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の貯玉数が0でなければ、該基本単価に対応した口座の貯玉数と、該基本単価とは異なる単価に対応した口座の貯玉数の両方が減算され、カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の貯玉数が0である場合には、該基本単価とは異なる単価に対応した口座の貯玉数のみが減算される。即ち、本実施形態の乗入れ払出においては、CU3の基本単価に対応した口座の貯玉数が優先して減算される。
なお、基本単価に対応した口座及び他口座(基本単価とは異なる単価に対応した口座)の貯玉数を減算して基本単価の遊技媒体を払い出す乗入れ払出が実行される場合、基本単価に対応した口座以外の他口座の貯玉数のみを減算して基本単価の遊技媒体を払い出す乗入れ払出が実行される場合において、当該基本単価に対応した口座を「乗入れ先口座」と称し、当該基本単価を「乗入れ先単価」と称し、当該他口座を「乗入れ元口座」と称し、当該他口座に対応した単価(当該基本単価とは異なる単価)を「乗入れ元単価」と称する。
また、突出部305内部には、表示部312を成す液晶表示器313が設けられており、液晶表示器313及び透明タッチパネル314が、図3に示すように、表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が、該表示制御基板329によって実施される。
また、表示制御基板329には、計数プレイボタン319が操作されたことを検出する計数プレイスイッチ319aと、前述した持玉払出が可能なときに点灯する計数プレイLED319bとが接続されている。ここで、制御ユニット328により持玉数が確認され、持玉払出が可能な状態であれば、計数プレイLED319bの点灯制御が行われる。計数プレイLED319bは、計数プレイボタン319により覆われており、計数プレイLED319bが点灯すると、LEDから発せられる可視光が計数プレイボタン319を透過する。これにより、遊技者は、持玉払出を実行する際に操作する操作領域が点灯していることを認識して、持玉払出が実行可能である(計数プレイボタン319の操作が有効である)ことを把握する。計数プレイボタン319が操作されたことを計数プレイスイッチ319aが検出すると制御ユニット328に計数プレイ信号が入力される。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット328に出力する紙幣識別ユニット321が設けられており、該紙幣識別ユニット321にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット328が設けられており、後述するように、該制御ユニット328によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3の前面下方端部位置には、パチンコ機2の下皿24の下方位置に配置されることで、該下皿24から排出されるパチンコ玉を計数するとともに、払出単位として予め定められた一単位数(本実施の形態では25)未満の端数のパチンコ玉の払出を行う箱状の計数・端数払出ユニット340から排出されるパチンコ玉をカードユニット3内に流入させるための連結樋344が装着される。該連結樋344を流下して図示しない回収流路ボックスに流入してきたパチンコ玉が、回収流路ボックスをカードユニット3の前方側から後方(島内部)側に流下していき、カードユニット3の後方下端から遊技島内の図示しない回収樋に排出される。
図3は、本実施の形態のカードユニット3の構成を示すブロック図である。カードユニット3は、上述したように、主には、紙幣識別ユニット321と、カードR/W327と、表示制御基板329と、計数・端数払出ユニット340と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット328とから構成されており、紙幣識別ユニット321、カードR/W327、計数・端数払出ユニット340および表示制御基板329は制御ユニット328と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードR/W327は、カード挿入口309から挿入される会員カード又はビジターカードに記録されているカードID、会員番号(会員カードのみ)、持玉数及び日付(ビジターカードのみ)、プリペイド残額等の記録情報の読み出し、並びに、持玉数及び日付(ビジターカードのみ)、プリペイド残額等の書き込みを行う。カードユニット3の内方側終端部位置には、ビジターカードを最大10枚まで貯留できる不図示のカード貯留部が設けられており、新規のビジターカードを発行可能とされている。カード貯留部のビジターカードはカード貯留部及びカードR/W327に設けられた搬送機構によりデータの読み出し及び書き込みが可能な所定位置まで搬送される。
カードの挿入が挿入センサにより検出されると、挿入されたカードがカードR/W327に設けられた搬送機構により所定位置まで搬送される。該所定位置に停止されたカードを対象とした給電やデータ通信を行うことにより、受付中のカードを対象としたデータの読み出し及び書き込みが可能となっている。制御ユニット328が返却ボタン22の操作を検知すると、カードR/W327に対して所定位置にある受付中のカードの排出を指示する。このとき、カードR/W327に設けられた搬送機構により、所定位置にあるカードがカード挿入口309から排出され遊技者に返却される。
ここで、この実施の形態では、(1)カードR/W327の所定位置に会員カードが存在する状態、(2)カードR/W327の所定位置にビジターカードが存在し、且つ、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額(表示部312に表示されているプリペイド残額)及び各口座の持玉数のうち少なくとも1以上が0ではない状態では、不図示のシャッタ用ソレノイドの動作により、カード挿入口309を水平方向に横切る棒状のシャッタが出現してカードの挿入が阻止される。即ち、会員カードが受け付けられている期間、及び受付中のビジターカードについてプリペイド残額又は持玉数が残存している期間は、新たなカードの挿入が禁止される。
一方、(3)カードR/W327の所定位置にビジターカードが存在しており、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額(表示部312に表示されているプリペイド残額)及び各口座の持玉数がいずれも0となっている状態では、カード挿入口309のシャッタが解除されており、新たなカードの挿入が可能となっている。即ち、カードR/W327のビジターカードについてプリペイド残額及び持玉数がいずれも残存していない期間は、新たなカードの挿入が許容される。
(3)の状態において、新たなカードの挿入が検出されると、カードR/W327の所定位置に存在するビジターカードに記録されているプリペイド残額及び各口座の持玉数が0にクリアされると共に、カードユニット3から持玉管理装置140に対して当該ビジターカードのカードID及び制御ユニット328で記憶されている各口座の持玉数(いずれも0である)を含む擬似的なカード排出通知が送信される(実際にはビジターカードは排出されずにカード貯留部に収納されることになるため「擬似的」としている)。
そして、挿入検出されたカードがカードR/W327の所定位置に搬送されることに伴い、該所定位置に存在していたビジターカードは、カードR/W327及びカード貯留部に設けられた搬送機構によりカード貯留部に搬送されて収納される。持玉管理装置140では、受信した擬似的なカード排出通知に含まれるカードIDに対応付けて管理している各口座の持玉数を、受信した各口座の持玉数(擬似的なカード排出通知に含まれる各口座の持玉数)に更新する。
前述した(1)及び(2)のいずれかの状態において、返却ボタン22が操作されると、カード挿入口のシャッタが解除され、カードR/W327の所定位置に存在するカードが返却されると共に、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードが搬送される。該所定位置に搬送されたビジターカードに記録されているプリペイド残額及び各口座の持玉数は0であり、該ビジターカードのカードIDに関連付けて持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数も0である。返却ボタン22の操作により返却されるカードが会員カードである場合には、該会員カードに制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額が記録され、返却されるカードがビジターカードである場合には、該ビジターカードに制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額並びに各口座の持玉数及び日付が記録される。
次に、本実施の形態の制御ユニット328について説明する。制御ユニット328は、図3に示すように、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)328aや、カードリーダライタ327に受付中のビジターカード及び会員カードのカードIDや、会員番号(会員カードのみ)、並びにプリペイド残額や、持玉数、貯玉数等の各種のデータを記憶可能なRAM328bや、中央演算処理回路(CPU)328aが実行する制御プログラムや、当該カードユニット3の装置IDを含む設定情報や、各種のデータを書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM328cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)328dを含み、RAM328bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
本実施の形態の制御ユニット328は、前述したようにパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号の送受を、パチンコ機2に設けられている払出制御基板28との間において実施可能に接続されている。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と接続されており、後述するように、該計数・端数払出ユニット340から出力されてくる計数情報の受信に応じて、表示部312に表示する計数玉数(持玉数)の値を更新することで、計数・端数払出ユニット340にて計数された計数玉数が持玉数として表示される。
また、制御ユニット328は、前述したように、パチンコ機1の上皿23に設けられた払出ボタン21が操作されたことを検知するための払出ボタンスイッチ21aに接続されており、払出ボタン21の操作に応じた信号が、該払出ボタンスイッチ21aから入力されることにより、払出ボタン21の操作の有無を把握し、払出ボタン21の操作があったときにはプリペイド払出を実施することで、一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉の払出を対応するパチンコ機2から実施させる。
ここでカードユニット3とパチンコ機2との間で行われる信号のやりとりについて説明する。本例では、RAM328aに基本払出玉数として125(一単位数である25の5倍に相当)が記憶されているものとする。本実施の形態では、プリペイド払出のみならず、持玉払出、貯玉払出、及び、乗入れ払出においても、カードユニット3(制御ユニット328)とパチンコ機2との間で通信が行われ、一単位数の整数倍のパチンコ玉が払い出されるものとしている。
まずパチンコ機2及びカードユニット3の電源投入時に、両者の間における接続確認が行われると、パチンコ機2の払出制御基板28は、PRDYをLOWとすることにより、PRDY信号線を介して、カードユニット3の制御部ユニット328に払出可能信号を送信して(S1)、スタンバイ状態となる。
次にカードユニット3の制御ユニット328は、PRDYのLOW(払出可能信号)を受信しているスタンバイ状態において払出ボタン21(又は、計数プレイボタン319、メイン画面の貯玉払出操作領域312aに有効態様で表示される貯玉払出ボタン、若しくは乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに有効態様で表示される乗入れ払出ボタン)の操作を検出すると、BRDYをLOWとすることにより、BRDY信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に払出可能信号を送信する(S2)。
この状態において、カードユニット3の制御ユニット328は、BRQをLOWとすることにより、BRQ信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に単位払出要求信号を送信する(S3)。次にパチンコ機2の払出制御基板28は、BRDYのLOW(払出可能信号)を受信した状態においてBRQのLOW(単位払出要求信号)を受信すると、玉確認センサ(図示せず)により一単位数(25)のパチンコ玉を払い出す準備(払出準備)が整っているか否かを確認し、該払出準備が整っていることを条件として、EXSをLOWとすることにより、EXS信号線を介して、カードユニット3の制御ユニット328に単位払出準備信号を送信する(S4)。
次に該EXSのLOW(単位払出準備信号)を受信したカードユニット3の制御ユニット328は、BRQをHIGHとすることにより、BRQ信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に単位払出指令信号を送信する(S5)。次に該BRQのHIGH(単位払出指令信号)を受信したパチンコ機2の払出制御基板28は、玉払出装置29に対して払出信号を出力し、これに基づいて一単位数(25)のパチンコ玉の払出が行われると共に、該払出の完了に基づいて、EXSをHIGHとすることにより、EXS信号線を介して、カードユニット3の制御ユニット328に単位払出完了信号を送信する(S6)。
これらS3〜S6の制御を、5回繰り返すことにより、125玉をパチンコ機2から払い出し、これらの制御の終了に基づいて、BRDYをHIGHとすることにより、BRDY信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に払出終了信号を送信し(S7)、125玉の払出を終了する。このように、パチンコ玉が払い出されるときのS3〜S6の制御の繰り返し回数を「払出度数」と称する。この実施の形態では、払出度数の1度数(S3〜S6の制御1回)あたり25玉のパチンコ玉が払い出されるようになっており、1度数あたりの払出玉数を一単位数としている。
また、制御ユニット328は、通信部334並びにHUB7を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されている前述の残額管理装置100、持玉管理装置140、及び会員管理装置150等とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が該通信部334を通じて可能とされている。
また、制御ユニット328に接続された表示制御基板329は、表示部312を構成する液晶表示器313、透明タッチパネル314、並びに、計数プレイボタン319に対応する計数プレイスイッチ319a及び計数プレイLED319b等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネル314の操作情報や、計数プレイボタン319の操作情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット328に出力される。
本実施の形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、前記透明タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部312に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部312に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット328から独立して、各種スイッチ類や透明タッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット328から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部312を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
また、制御ユニット328は、持玉管理装置140から定期的(本実施の形態では約10秒毎)に送信されてくるオンライン確認要求の受信の有無により、持玉管理装置140との通信状態がオンライン状態であるかオフライン(通信不能)状態であるかを検知できるようになっているとともに、これらオンライン確認要求の受信に応じてオンライン確認応答を持玉管理装置140に返信することで、持玉管理装置140においても各カードユニット3のオンライン・オフライン状態を検知できるようになっている。尚、これらオンライン確認要求としては、他のデータ送信要求にて代用される場合がある。
この実施の形態では、カードユニット3は、持玉管理装置140を介して会員管理装置150と通信を行う。ここで、カードユニット3と持玉管理装置140との間でオンライン状態が成立している場合であっても、持玉管理装置140と会員管理装置150との間ではオフライン状態となっている場合がある。このような場合には、持玉管理装置140は、会員管理装置150とのオフライン状態を通知するためのオフライン情報をカードユニット3に送信する。オフライン情報を受信したカードユニット3では、持玉管理装置140との間ではオンライン状態であるが、会員管理装置150との間ではオフライン状態であることを把握することができるため、例えば、持玉数の更新を可能とし、貯玉数の更新(貯玉払出や乗入れ払出)を禁止するといった制御を行うことが可能となる。
また、この実施の形態では、カードユニット3がオンライン確認要求を受信しており、且つオフライン情報を受信していないとき、即ち、持玉管理装置140と通信可能であり、且つ会員管理装置150と通信可能である場合にのみ、貯玉数の更新(後述する乗入れ払出も含む)が許容される。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と計数情報や端数払出要求等の各種のデータを、少ない通信線数にてデータの送受が可能なシリアル通信により送受可能に接続されている。
ここで、本実施の形態の計数・端数払出ユニット340について説明する。本実施の形態の計数・端数払出ユニット340は、図2に示すように、パチンコ機2の下皿24の直下に配置された横長の箱状物であり、カードユニット3の最も下方位置に設けられている不図示の回収流路ボックスに連結樋344を介して連結されている。
そして、計数・端数払出ユニット340の上面には、下皿24から排出されるパチンコ玉が投入されるホッパ形状とされた不図示の投入部が形成されていて、その前面のカードユニット3本体側(向かって左側)には、払出(返却)された端数のパチンコ玉が取り出し可能に貯留される返却貯留部342が設けられている。
計数・端数払出ユニット340の内部には、計数・端数払出ユニット340の制御を行う制御マイコン等が搭載された制御基板により構成される制御部350が内蔵されている。この制御部350には、図3に示すように、流路変更シャッタ351、払出モータ353、払出センサ354、計数センサ356、及び貯留玉センサ357等が接続されていて、該制御部350にて計数・端数払出ユニット340の各機能が形成されるように制御される。また、制御部350は、カードユニット3の本体と連結樋344を介して電気的に接続されている。
計数・端数払出ユニット340の投入部に投入されたパチンコ玉は不図示の計数流路に流入して該計数流路上を連結樋344の方向に向けて流下し、該計数流路の下流部に設けられている計数センサ356にて検出されるようになっている。計数センサ356にて検出されたパチンコ玉の流下方向は流路変更シャッタ351により変更可能となっている。該流路変更シャッタ351が出没することによって、パチンコ玉の流下方向を、連結樋344側或いはパチンコ玉を貯留する不図示の貯留部側に切り替えることが可能とされている。
ここで、計数センサ356によりパチンコ玉が検出される毎に、制御部350から制御ユニット328に対して計数信号が入力され、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている計数玉数の値が加算される。そして、所定のタイミング(例えば、計数玉数が更新されることなく5秒が経過したタイミング)で、RAM328bに記憶されている当該カードユニット3に対応した口座(RAM328bに記憶している基本単価に対応した口座)の持玉数に、計数玉数の値が加算されて持玉数が加算更新されると共に、計数玉数の値は0にリセットされる。
貯留部に流入するパチンコ玉は、貯留玉センサ357により検出されていき、貯留部内がパチンコ玉により満たされることにより、貯留玉センサ357によってパチンコ玉が所定時間以上連続して検出された場合には、流路変更シャッタ351による貯留部側への流路変更が解除されることで、計数センサ356により検出された計数済みのパチンコ玉は全て、連結樋344を流下してカードユニット3内部の回収流路ボックスを介して遊技島内に回収される。
また、貯留部に貯留されたパチンコ玉は、払出モータ353によって1つずつ返却貯留部342に払出可能となる。このとき、払出センサ354により、遊技者に払出(返却)するパチンコ玉数を計数可能となっている。
貯留部にパチンコ玉が貯留されている状態において、一単位数未満の端数のパチンコ玉数、例えば、端数として20玉の払出(返却)がなされる場合、つまり、制御部350が制御ユニット328から払出(返却)する端数である20玉を含む端数払出要求を受信した場合には、該受信した端数払出要求に含まれる払出玉数(端数)である20の検出信号が払出センサ354から入力されてくるまで払出モータ353を作動させることにより、該払出玉数(端数)である20個のパチンコ玉が、返却貯留部342に返却されて貯留されるようになる。
制御部350は、端数に相当する数の検出信号が払出センサ354から入力されてきた際には、端数払出要求の応答として、端数払出完了通知を制御ユニット328に対して送信することにより、制御ユニット328は、端数払出要求で指定した端数の払出が完了したことを認識する。
この実施の形態では、各カードユニット3において設定される基本払出玉数はいずれも一単位数(25)の整数倍であるため、プリペイド残額が基本払出玉数に相当する金額(例えば4.00円×125=500円)以上のときにプリペイド払出を実行する場合、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が基本払出玉数以上のときに持玉払出を実行する場合、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が基本払出玉数以上のときに貯玉払出を実行する場合には、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、基本払出玉数に相当する全数を払出可能となっている。
また、プリペイド払出において、プリペイド残額が基本払出玉数に相当する金額(例えば4.00円×125=500円)未満であるが一単位数に相当する金額(例えば4.00円×25=100円)以上の場合には、[一単位数×n≦(プリペイド残額/基本単価)]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、プリペイド払出において、プリペイド残額が一単位数に相当する金額(例えば4.00円×25=100円)未満である場合には、[基本単価×n≦プリペイド残額]となる最大のnを端数として設定し、制御ユニット328から計数・端数払出ユニット340に対して、設定した端数を含む端数払出要求が送信され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数相当のパチンコ玉が払い出される。
また、持玉払出において、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が基本払出玉数未満であるが一単位数以上の場合には、[一単位数×n≦持玉数]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、持玉払出において、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が一単位数未満である場合には、当該持玉数を端数として設定し、制御ユニット328から計数・端数払出ユニット340に対して、設定した端数を含む端数払出要求が送信され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数相当のパチンコ玉が払い出される。
また、貯玉払出において、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が基本払出玉数未満であるが一単位数以上の場合には、[一単位数×n≦貯玉数]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、本例では、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満である場合には、メイン画面の貯玉払出操作領域312aに表示される貯玉払出ボタンの表示態様を無効態様(前述した有効態様よりも薄い表示態様)とし、仮に無効態様の貯玉払出ボタンが操作されたとしても貯玉払出を実行しないことにより、一単位数未満の貯玉払出の実行を禁止するようにしている。
ここで、この実施の形態においては、乗入れ払出が行われる場合には、基本払出玉数のパチンコ玉が払い出されるものとする。即ち、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満の場合には、当該口座の貯玉数のみを減算してパチンコ玉を払い出す貯玉払出は実行されないが、当該基本単価とは異なる単価に対応した他口座の貯玉数を減算して基本払出玉数のパチンコ玉を払い出す乗入れ払出は実行可能となる場合がある。
例えば、カードユニット3に記憶されている基本単価が4円である場合において、会員管理装置150における4円口座の貯玉数が一単位数未満のときには、4円口座の貯玉数のみを減算する貯玉払出は実行されない。ただし、4円口座の他に2円口座と1円口座が存在しており、乗入れ先口座を4円口座、乗入れ元口座を2円口座及び1円口座とする乗入れ払出が許容されている場合には、[4円口座の貯玉数+(2円口座の貯玉数×2円÷4円)+(1円口座の貯玉数×1円÷4円)]が基本払出玉数以上となるときに、乗入れ払出を実行可能となり、乗入れ払出によって基本払出玉数のパチンコ玉が払い出される。一方、[4円口座の貯玉数+(2円口座の貯玉数×2円÷4円)+(1円口座の貯玉数×1円÷4円)]が基本払出玉数未満となるときには、乗入れ払出は実行されない。
なお、基本払出玉数として一単位数の整数倍ではない払出玉数が設定されている場合には、前述した払出制御基板28と制御ユニット328と通信による払出と、計数・端数払出ユニット340による払出の両方が実行されることにより、該基本払出玉数のパチンコ玉が払い出されるようにすると良い。例えば、基本払出玉数として116が設定されている場合には、払出度数が4に設定され、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって100玉がパチンコ機2から払い出され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数の16玉が払い出される。
なお、この実施の形態では、計数・端数払出ユニット340の内部に設けられた貯留部に端数払出用のパチンコ玉を貯留するようにしているが、このような形態に限らず、端数相当のパチンコ玉を払い出す場合に、遊技島の玉供給経路から計数・端数払出ユニット340に供給されたパチンコ玉を払い出すようにしても良い。例えば、カードユニット3から上皿23にパチンコ玉を供給するためのノズルを設けて、玉供給経路から供給されたパチンコ玉をノズルを通じて上皿23に供給するようにしても良い。
このような構成において、持玉払出、貯球払出、及び乗入れ払出が実行される場合には、制御ユニット328と払出制御基板28との間の通信によらず、払い出されるパチンコ玉は全てノズルから供給するようにしても良く、払い出されるパチンコ玉のうち一単位数の整数倍は制御ユニット328と払出制御基板28との間の通信に基づいて払い出し、一単位数未満の端数のみをノズルから供給するようにしても良い。
(残額管理装置)
次に、本実施の形態の残額管理装置100について、図4に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた残額管理装置100は、図4に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス101に、該残額管理装置100が実施する各種処理を行うCPU102、ワークメモリ等として使用されるRAM103、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC104、ハードディスク等からなる記憶装置105、キーボードやマウス等の入力装置106、各種の画面を表示出力する表示装置107、各種情報をプリント出力するプリンタ108、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたカードユニット3(制御ユニット328)やカード発行・入金機等の各装置とのデータ通信を行う通信部109、カード会社に設置された残額管理サーバ12とのデータ通信を行うデジタルサービスユニット(DSU)110が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置105には、残額管理装置100において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カード及びビジターカードに残存するプリペイド残額を管理するための残額管理テーブル(図5参照)が記憶されている。
残額管理テーブルには、図5に示すように、各ビジターカード及び各会員カードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者の会員番号(会員カードのみ)と、プリペイド残額とが記憶されており、会員カードに記憶されているカードID若しくは会員番号、ビジターカードに記憶されているカードIDから、プリペイド残額を特定できるようになっている。
カードユニット3の紙幣識別ユニット321により紙幣が受け付けられたときには、該カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が行われ、該受け付けた紙幣に応じた識別額が、カードユニット3にて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理されているプリペイド残額に加算される。また、カードユニット3の制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額も加算後のプリペイド残額に更新される。
払出ボタン21が操作され、受付中の会員カード又はビジターカードのプリペイド残額を使用したプリペイド払出が実行されるときには、該カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が行われ、カードユニット3にて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理されているプリペイド残額から、使用金額(払出玉数×当該カードユニット3に記憶されている基本単価に相当)が減算される。また、カードユニット3の制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額も減算後のプリペイド残額に更新される。
(持玉管理装置)
次に、本実施の形態の持玉管理装置140について、図6に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた持玉管理装置140は、図6に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス141に、該管理コンピュータ140が実施する各種処理を行う中央演算処理装置(CPU)142、ワークメモリ等として使用されるRAM143、時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)144、ハードディスク等からなる記憶装置145、キーボードやマウス等の入力装置146、各種の画面を表示出力する表示装置147、各種情報をプリント出力するプリンタ148、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたカードユニット3及び会員管理装置150、並びに景品交換用POS端末170等とのデータ通信を行う通信部149が接続された通常のコンピュータである。
また、CPU142は、前述したように、通信部149から各カードユニット3に対して定期的にオンライン確認要求を送信し、各カードユニットから装置IDを含むオンライン確認応答を受信することにより、各カードユニット3とオンライン状態であるかオフライン状態であるかを検知可能である。また、会員管理装置150に対しても、定期的にオンライン確認要求を送信し、会員管理装置150からオンライン確認応答を受信することにより、会員管理装置150とオンライン状態であるかオフライン状態であるかを検知可能である。会員管理装置150とオフライン状態である場合には、カードユニット3に対してオフライン情報を送信する。
ここで、会員管理装置150と持玉管理装置140との間でオンライン状態が成立している場合であっても、持玉管理装置140とカードユニット3との間ではオフライン状態となっている場合がある。このような場合には、持玉管理装置140は、CU3とのオフライン状態を通知するためのオフライン情報を会員管理装置150に送信する。オフライン情報を受信した会員管理装置150では、持玉管理装置140との間ではオンライン状態であるが、カードユニット3との間ではオフライン状態であることを把握することができるため、例えば、カードユニット3に対してのコマンドの送信を中断するといった制御を行うことが可能となる。
記憶装置145には、持玉管理装置140において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、遊技者(会員カードを使用する会員遊技者及びビジターカードを使用するビジター遊技者)の所有価値である、当日において獲得された持玉数を管理するための持玉管理テーブル(図7参照)と、各カードユニット3の基本単価及び基本払出玉数、並びに各カードユニット3で受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDを管理するためのCU管理テーブル(図8参照)とが記憶されている。
持玉管理テーブルには、図7に示すように、各カードID及び各会員番号(会員カードのみ)に対応付けて、当該会員カード又はビジターカードを使用した遊技者がその当日において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である持玉数が記憶されており、ビジターカードや会員カードに記憶されているカードID若しくは会員番号(会員カードのみ)から、当該遊技者が所有する持玉数を特定できるようになっている。
なお、持玉管理テーブルに管理されている持玉数は、その当日のみ持玉数として管理されており、遊技場の営業終了後に遊技用システム1で実行される営業終了時処理において、会員カードのカードID及び会員番号に対応する持玉数は、会員管理装置150(貯玉管理テーブル)にて管理される当該会員カードのカードID及び会員番号に対応する貯玉数に加算された後、全て0にクリアされる。また、営業終了時処理においてビジターカードのカードIDに対応する持玉数は、全て0にクリアされる。
また、営業終了時処理と同様に、後述する景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたとき(持玉管理装置140又は会員管理装置150が、景品交換用POS端末170に挿入された会員カードのカードID及び会員番号を景品交換用POS端末170から受信したとき)にも、当該会員カードのカードID及び会員番号に対応する持玉数が、当該会員カードのカードID及び会員番号に対応する貯玉数に加算された後、全て0にクリアされる。
ここで、図7に示すように、持玉数は、遊技機での遊技に使用可能な遊技媒体の単価毎に管理されている。この例では、4円口座は単価4円の遊技媒体の持玉数、2円口座は単価2円の遊技媒体の持玉数、1円口座は単価1円の遊技媒体の持玉数を管理するための記憶領域であり、各口座の持玉数は、当該口座に対応した単価の遊技媒体を使用する遊技機での遊技で獲得した持玉数である。
営業終了時処理が実行されたとき、及び、景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときには、持玉管理テーブルにおける各口座の持玉数が、後述する貯玉管理テーブルにおける当該口座に対応した口座(同じ単価の口座)の貯玉数に加算されると共に、持玉管理テーブルにおける各口座の持玉数が全て0にクリアされる。カードIDがKC−00001(会員番号がK−00001)の例では、図7に示すように、4円口座、2円口座、1円口座の持玉数が、それぞれ0、200、300となっており、図10に示すように、4円口座、2円口座、1円口座の貯玉数が、それぞれ0、2000、3000となっている。この例では、営業終了時処理が実行されたとき、及び景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときに、4円口座、2円口座、1円口座の貯玉数が、それぞれ0(0+0)、2200(2000+200)、3300(3000+300)に更新され、4円口座、2円口座、1円口座の持玉数が、いずれも0にクリアされる。
CU管理テーブルには、図8に示すように、各カードユニット3の装置ID(台番号)に対応付けて、当該カードユニットに対応して設けられる遊技機において使用可能な遊技媒体の単価である基本単価と、前述したプリペイド払出、持玉払出、貯玉払出、及び乗入れ払出で払い出されるパチンコ玉の数である基本払出玉数と、当該カードユニットにおいて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDである受付中カードIDと、が記憶されている。
ここで記憶されている基本単価及び基本払出玉数は、遊技場の営業開始前に遊技用システム1で実行される営業開始時処理において、持玉管理装置140から各装置IDのカードユニット3に送信され、制御ユニット328のRAM328bに記憶される。そして、パチンコ玉の払出(前述したプリペイド払出、持玉払出、貯玉払出、及び乗入れ払出)を実行するときに、各カードユニット3で記憶される基本払出玉数のパチンコ玉が払い出される。例えば、基本単価が4.00円の場合の基本払出玉数は125となっているため、制御ユニット328とパチンコ機2との間で通信が実行され、5度数相当の125玉が払い出されることになる。また、基本単価が2.00円及び1.00円の場合の基本払出玉数は200となっているため、制御ユニット328とパチンコ機2との間で通信が実行され、8度数相当の200玉が払い出されることになる。
なお、本実施の形態では、プリペイド払出、持玉払出、貯玉払出、及び乗入れ払出の各種別の払出について共通の払出玉数(基本払出玉数である125)が設定されているが、このような形態に限らず、払出の種別に応じて異なる払出玉数を設定するようにしても良い。例えば、乗入れ払出についてのみ払出玉数を200と設定して、算出される払出可能な玉数が200以上となる場合にのみ乗入れ払出を実行可能としても良い。また、基本払出玉数未満の乗入れ払出を実行可能としても良い。例えば、乗入れ払出を持玉払出と同様に1玉から可能とし、算出される払出可能な玉数が1以上であれば乗入れ払出を実行可能としても良い。また、算出される払出可能な玉数が基本払出玉数未満であるが一単位数以上である場合には、一単位数の整数倍であって該払出可能な玉数を超えない最大数を乗入れ払出によって払い出すようにすると良い。
(会員管理装置)
次に、本実施の形態の会員管理装置150について、図9に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた会員管理装置150は、図9に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス151に、該会員管理装置150が実施する各種処理を行うCPU152、ワークメモリ等として使用されるRAM153、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC154、ハードディスク等からなる記憶装置155、キーボードやマウス等の入力装置156、各種の画面を表示出力する表示装置157、各種情報をプリント出力するプリンタ158、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続された持玉管理装置140及び景品交換用POS端末170等の各装置とのデータ通信を行う通信部159、貯玉管理期間に設置された貯玉管理サーバ15とのデータ通信を行うデジタルサービスユニット(DSU)160が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置155には、会員管理装置150において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カードを所持する会員遊技者が所有する当日前に当該会員遊技者により獲得された貯玉数を管理するための貯玉管理テーブル(図10参照)と、乗入れ払出を実行する場合に選択される乗入れ元口座の優先順位を管理する乗入れ優先順位テーブル(図11参照)と、前述した持玉管理装置140から取得可能なCU管理テーブルとが記憶されている。
貯玉管理テーブルには、図10に示すように、会員カードの各カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者を個々に識別可能な会員識別情報である会員番号と、当該会員遊技者が当日前(ただし当日に景品交換用POS端末170の使用によって持玉数が貯玉数に移行された場合には、当該貯玉数も含まれる)において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である貯玉数とが記憶されており、会員カードに記憶されている会員カードID若しくは会員番号から、当該会員遊技者が所有する所有価値である貯玉数を特定できるようになっている。
ここで、図10に示すように、貯玉数は、遊技機での遊技に使用可能な遊技媒体の単価毎に管理されている。この例では、4円口座は単価4円の遊技媒体の貯玉数、2円口座は単価2円の遊技媒体の貯玉数、1円口座は単価1円の遊技媒体の貯玉数を管理するための記憶領域であり、各口座の貯玉数は、当該口座に対応した単価の遊技媒体を使用する遊技機での遊技で獲得した所有価値である。
また、カードユニット3において表示部312に表示された貯玉払出ボタンが操作され、貯玉払出が実行されるときには、該カードユニット3と会員管理装置150との間で通信が行われ、カードユニット3にて受付中の会員カードの会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで管理されている各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3の装置IDに対応した基本単価に対応した口座の貯玉数から、払出玉数が減算される。
乗入れ優先順位テーブルには、図11に示すように、貯玉管理テーブルで管理される各口座毎に、当該口座を乗入れ先口座とした場合の乗入れ元口座の優先順位が管理されている。本例では、4円口座を乗入れ先口座として乗入れ払出を実行するときは、優先順位1の4円口座、優先順位2の2円口座、優先順位3の1円口座の順序で貯玉数を減算する。また、2円口座を乗入れ先口座として乗入れ払出を実行するときは、優先順位1の2円口座、優先順位2の4円口座、優先順位3の1円口座の順序に貯玉数を減算する。また、1円口座を乗入れ先口座として乗入れ払出を実行するときは、優先順位1の1円口座、優先順位2の4円口座、優先順位3の2円口座の順序に貯玉数を減算する。
即ち、本例では、乗入れ払出において減算対象とする乗入れ元口座の優先順位は、遊技媒体の単価が高い順序に従って設定されている。このような形態に限らず、乗入れ元口座の優先順位は、遊技媒体の単価が低い順序に従って設定されるようにしても良く、貯玉数が多い順序(又は少ない順序)に従って設定されるようにしても良い。
また、乗入れ払出が実行されるときに減算対象とならない口座(優先順位を設定しない口座)を設けるようにしても良く、例えば、乗入れ先口座の貯玉数(基本単価に対応した口座の貯玉数)が残存している場合であっても、該乗入れ先口座の貯玉数は減算せずに、乗入れ元口座の貯玉数(基本単価とは異なる単価に対応した口座の貯玉数)のみを減算する乗入れ払出を実行するようにしても良い。また、乗入れ元口座の優先順位は、遊技場の管理者が会員管理装置150の入力装置156等を操作して設定するようにしても良く、遊技者がカードユニット3のタッチパネル314等を操作して設定するようにしても良い。
図11の乗入れ優先順位テーブルにおいて、各乗入れ先口座に対応した乗入れ元口座の優先順位は、持玉管理装置140を経由して、各乗入れ先口座に対応したカードユニット3に送信され、送信された優先順位は制御ユニット328に記憶される。この例では、CU管理テーブルにおける基本単価4円に対応した装置IDのCU3に対して、4円口座が優先順位1、2円口座が優先順位2、1円口座が優先順位3であることを指定する情報を送信する。また、CU管理テーブルにおける基本単価2円に対応した装置IDのCU3に対して、2円口座が優先順位1、4円口座が優先順位2、1円口座が優先順位3であることを指定する情報を送信する。また、CU管理テーブルにおける基本単価1円に対応した装置IDのCU3に対して、1円口座が優先順位1、4円口座が優先順位2、2円口座が優先順位3であることを指定する情報を送信する。
なお、乗入れ払出を実行する場合の乗入れ元口座は複数に限らず1つのみであっても良い。例えば、4円口座が乗入れ先口座である場合に、2円口座のみを乗入れ元口座として選択可能としても良く、1円口座のみを乗入れ元口座として選択可能としても良い。また、乗入れ元口座として選択された1の口座(例えば2円口座又は1円口座のいずれか一方)の貯玉数のみを減算する乗入れ払出を実行するようにしても良く、乗入れ先口座(例えば4円口座)と乗入れ元口座として選択された1の口座(例えば2円口座又は1円口座のいずれか一方)の貯玉数を減算する乗入れ払出を実行するようにしても良い。
また、記憶装置155には不図示の会員情報管理テーブルも記憶されており、該会員情報記憶テーブルでは、会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて、当該会員番号により識別される会員遊技者が会員登録時に登録した氏名及び暗証番号が記憶されている。
(景品交換用POS端末)
景品交換用POS端末170(以下、景品POS170と略記する)は、マイクロコンピュータが設けられ、このマイクロコンピュータには、制御中枢としてのCPU、CPUの制御動作プログラムを格納しているROM、CPUのワークエリアとしてのRAM、外部機器との信号の入出力を行なうための入出力インターフェイスが設けられている。CPUは、入出力インターフェイスを介して、持玉管理装置140との間での情報の入出力、会員管理装置150との間での情報の入出力がそれぞれ可能となっている。また、景品POS170には、マイクロコンピュータに接続されるカードリーダライタ、表示装置、キーボード等の入力装置、バーコードリーダ等が設けられている。
カードリーダライタにビジターカードが挿入されることにより、景品POS170と持玉管理装置140との間で通信が行われ、カードリーダライタで読み取られたビジターカードのカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている各口座の持玉数が表示装置に表示される。この状態で、景品に付された景品価値(例えば1000円相当)を示すバーコードをバーコードリーダで読み取ることにより、あるいは入力装置によって景品価値を入力することにより、該景品価値に相当する交換玉数(例えば4円なら250玉、2円なら500玉、1円なら1000玉)が、選択された口座(例えば4円口座、2円口座、及び1円口座のいずれか)の持玉数から減算される(これに伴い該交換玉数が、読み取られたカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている当該口座の持玉数から減算される)ことで、持玉と景品とを交換可能となっている。
また、カードリーダライタに会員カードが挿入されることにより、景品POS170と持玉管理装置140及び持玉管理装置140と貯玉管理装置150との間で通信が行われ、カードリーダライタで読み取られた会員カードのカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数が、カードリーダライタで読み取られた会員カードの会員番号に対応付けて貯玉管理措置150で記憶されている対応する各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の貯玉数に加算されると共に、持玉管理装置140で記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数が0に更新される。そして、該更新後の各口座の貯玉数が表示装置に表示される。
この状態で、景品に付された景品価値を示すバーコードをバーコードリーダで読み取ることにより、あるいは入力装置によって景品価値を入力することにより、該景品価値に相当する交換玉数(例えば4円なら250玉、2円なら500玉、1円なら1000玉)が、選択された口座(例えば4円口座、2円口座、及び1円口座のいずれか)の貯玉数から減算される(これに伴い該交換玉数が、読み取られた会員番号に対応付けて会員管理装置150で記憶されている当該口座の貯玉数から減算される)ことで、貯玉と景品とを交換可能となっている。なお、更新後の貯玉数の一部のみを景品交換に使用し、残りの貯玉数は次回の遊技に使用することも可能であり、更新後の貯玉数の全てを次回の遊技に使用することも可能である。
[第1実施形態に係る遊技用システムの処理]
以下、第1実施形態に係る遊技用システム1の動作、特にカードユニット3(以下CU3と略記する)、持玉管理装置140、及び会員管理装置150において実行される処理について説明する。
まず、会員遊技者は、遊技を行う遊技機に対応したCU3のカード挿入口に会員カードを挿入する。挿入された会員カードがカードR/W327により受け付けられると、制御ユニット328は、残額管理装置100との通信により、受け付けた会員カードのカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額を取得し、持玉管理装置140との通信により、該カードIDに対応付けて持玉管理装置140で管理されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数を取得し、会員管理装置150との通信により、当該会員カードのカードID及び会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の貯玉数及び暗証番号を取得して、取得したデータをRAM328bに記憶する。
次いで、制御ユニット328は、表示部312に、0〜9の各数字に対応した数字キーを含む暗証番号入力画面(図示せず)を表示し、遊技者に暗証番号の入力を促す。遊技者が、暗証番号の各桁の数字に対応する数字キーをタッチして、4桁の暗証番号の入力が完了すると、制御ユニット328は、RAM328bに記憶している暗証番号と入力された暗証番号との照合を実行する。
会員管理装置150から取得した暗証番号と入力された暗証番号が一致しなければ(照合NGならば)、暗証番号入力画面を再度表示する。一方、会員管理装置150から取得した暗証番号と入力された暗証番号が一致すれば(照合OKならば)、暗証番号入力画面から図19(1)のメイン画面に移行する。
メイン画面(図19(1)を参照)には、持玉管理装置140から送信されて記憶されている当該CU3に対応する基本単価及び基本払出玉数に基づいて、当該CU3が実行する払出処理(プリペイド払出、持玉払出、貯玉払出)により払い出される遊技媒体の単価(「1玉4円コーナー」)と、基本払出玉数(「125玉払出」)が表示部312の最上部に表示される。
また、その下方には、残額管理装置100から送信されてRAM328bに記憶されているプリペイド残額(本例では1000円)が表示されている。なお、制御ユニット328は、受け付けた会員カードのカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額と、受け付けた会員カードから読み取ったプリペイド残額の照合を実行し、一致すれば(照合OKならば)残額管理装置100から受信した(会員カードから読み取った)プリペイド残額を表示し、一致しなければ(照合NGならば)、プリペイド残額を表示せず、多機能ランプ301を所定の発光態様とすることによりエラー報知を行う。
また、その下方には、持玉管理装置140から送信されてRAM328bに記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数のうち、当該CU3に対応した基本単価(本例では4円)に対応した口座の持玉数(本例では100玉)が表示されている。また、その下方には、貯玉管理装置150から送信されてRAM328bに記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の貯玉数のうち、当該CU3に対応した基本単価(本例では4円)に対応した口座の貯玉数(本例では140玉)が表示されている。
さらに、その下方の貯玉払出操作領域312aには、基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり、貯玉払出が実行可能となっていることに基づいて貯玉払出ボタンが有効態様(無効態様よりも濃い表示態様)で表示されている。なお、基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であり、貯玉払出を実行できないときには、貯玉払出操作領域312aに貯玉払出ボタンが無効態様(有効態様よりも薄い表示態様)で表示され(例えば、図19(3)を参照)、該無効態様の貯玉払出ボタンが操作されたとしても貯玉払出は実行されない。
さらに、その下方の乗入れ操作領域312bには、表示部312の表示画面をメイン画面から乗入れ画面に移行させるときに操作する乗入れ画面移行ボタンが表示される。乗入れ画面移行ボタンが操作されると、表示画面がメイン画面から乗入れ払出操作を実行可能な乗入れ画面(例えば、図19(6)を参照)に移行する。
会員カード挿入時の処理が完了した状態において、図12に示すように、会員管理装置150で管理される4円口座の貯玉数が140、2円口座の貯玉数が100、1円口座の貯玉数が800であり(S1000)、持玉管理装置140で管理される4円口座の持玉数が100、2円口座の持玉数が0、1円口座の持玉数が0であるものとする(S1010)。そして、会員カードが挿入されたCU3の基本単価が4円であり、基本払出玉数が125玉に設定されているものとする。
このとき、図19(1)に示すように、持玉数として100、貯玉数として140が表示されている(図12のS1020)。また、持玉数が0ではなく、持玉払出が可能な状態であることに基づいて、計数プレイLED319bが点灯している(図12のS1025)。そのため遊技者は、乗入れ払出を行わずとも、持玉払出によって遊技媒体が付与されることを認識できる。
また、図19(1)において、基本単価に対応した口座の貯玉数(140)が一単位数以上であることに基づいて、貯玉払出操作領域312aに貯玉払出ボタンが有効態様で表示されている(図12のS1030)。そのため遊技者は、乗入れ払出を行わずとも、貯玉払出によって遊技媒体が付与されることを認識できる。
この状態で貯玉払出ボタンが操作されると(図12のS1045)、4円口座の貯玉数(140)が基本払出玉数(125)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される貯玉払出が実行される(S1050)。このとき、図19(2)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示される。
そして、図19(3)に示すように、貯玉払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している基本単価に対応した4円口座の貯玉数(140)から基本払出玉数(5度数相当の125)が減算されて15になると共に、表示部312に表示される当該口座の貯玉数も減算後の貯玉数に更新される(S1065)。
ここで、本実施の形態において、貯玉払出が実行される場合には、持玉払出が実行される場合と異なり、CU3から持玉管理装置140に対しては、貯玉管理装置150で管理されている貯玉数を減算するための貯玉更新要求が送信される(図12のS1046)。貯玉更新要求には、受け付けた会員カードから読み取られた会員番号と、各口座の貯玉数から減算する玉数と、が情報として含まれる。
本例では、CU3の基本単価に対応した口座(優先順位1)の貯玉数のみを減算する貯玉払出が実行されているため、貯玉更新要求に含まれる4円引き落とし数(4円口座から減算する玉数)が125、2円引き落とし数(2円口座から減算する玉数)が0、1円引き落とし数(1円口座から減算する玉数)が0、となっている。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新要求を会員管理装置150に対して送信する(S1047)。
CU3から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新要求を受信した会員管理装置150では、CPU152が、該貯玉更新要求に含まれる会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで記憶している各口座の貯玉数から、指定された引き落とし数を減算する(S1060)。本例では、会員番号に対応する4円口座の貯玉数から基本払出玉数(4円引き落とし数125)を減算し、2円引き落とし数及び1円引き落とし数が0であることにより、2円口座の貯玉数及び1円口座の貯玉数は減算しない。減算後の貯玉数は、4円口座が15、2円口座が100、1円口座が800となる。
次いで、会員管理装置150のCPU152は、会員管理装置150により管理されている貯玉数の更新が完了したことを示す貯玉更新応答を持玉管理装置140に対して送信する(S1061)。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新応答をCU3に対して送信する(S1062)。
会員管理装置150から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新応答を受信したCU3では、会員管理装置150において管理されている貯玉数が更新されたことを確認する。そして、制御ユニット328は、図19(3)に示すように、記憶している基本単価(当該CU3の装置IDに対応する基本単価)に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であることに基づいて、貯玉払出操作領域312aに貯玉払出ボタンを無効態様で表示する(S1070)。そのため遊技者は、貯玉払出によって遊技媒体の付与を受けることができないことを認識できる。
ただし、図19(3)において、貯玉払出が実行された後の貯玉数は一単位数未満の15となったが、基本単価に対応した口座の持玉数(100)が1以上であることに基づいて、計数プレイLED319bは点灯状態のままである。そのため遊技者は、乗入れ払出を行わずとも、持玉払出によって遊技媒体が付与されることを認識できる。
計数プレイボタン319が操作されると(図12のS1100)、4円口座の持玉数(100)が基本払出玉数(125)未満であり、[一単位数(25)×n≦持玉数(100)]となる最大のnが4であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、4度数相当のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される持玉払出が実行される(S1110)。このとき、図19(4)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示され、乗入れ操作領域312bには乗入れ画面移行ボタンが表示されず、乗入れ払出を実行するための操作を行うことができない状態となる。
このように、計数・端数払出ユニット340により計数された持玉数を減算する持玉払出が実行されている期間は、乗入れ操作領域312bを操作しても乗入れ払出を実行させないようにすることで、遊技者の混乱を防止するようにしている。そして、図19(5)に示すように、持玉払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している基本単価に対応した4円口座の持玉数(100)から払出玉数(4度数相当の100)が減算されて0になると共に、表示部312に表示される当該口座の持玉数も減算後の持玉数に更新される(S1120)。そして、制御ユニット328は、持玉数が0となり、持玉払出を実行できないことに基づいて、計数プレイLED319bを消灯する(S1125)。
ここで、本実施の形態において、持玉払出が実行される場合には、貯玉払出や乗入れ払出が実行される場合と異なり、CU3から持玉管理装置140に対しては、持玉管理装置140で管理されている持玉数を減算するための情報が送信されず、持玉払出の実行に伴うCU3と持玉管理装置140との通信処理が発生しない。また、計数・端数払出ユニット340により遊技媒体の計数が行われ、RAM328bに記憶している持玉数(表示部312に表示されている持玉数)が更新されたときにも、CU3から持玉管理装置140に対しては、持玉管理装置140で管理されている持玉数を加算するための情報が送信されず、計数処理の実行に伴うCU3と持玉管理装置140との通信処理が発生しない。
即ち、持玉管理装置140において管理されている持玉数は、CU3からビジターカード又は会員カードが返却されるとき、営業終了時処理において持玉数が貯玉数に加算されるとき、及び、後述する貯玉移行処理が実行されるときにのみ更新されるようになっている。CU3での持玉払出及び計数処理が実行されるときには、持玉管理装置140において管理されている持玉数は更新されないため、CU3と持玉管理装置140との間での通信は不要となっている。
このように、持玉数が更新されたときには、CU3で記憶されている持玉数は更新されるものの、持玉管理装置140で管理されている持玉数は更新されないようにすることで、持玉数の更新に伴う通信量の増加を抑制し、遊技用システムの処理負担を軽減するようにしている。後述するように、持玉管理装置140で管理されている持玉数の更新は、会員カードがカードR/W327から返却されるときに行われるようにしている。
S1046〜S1062における貯玉払出及びこれに伴う処理の完了後、図13に示すように、会員管理装置150で管理されている4円口座の貯玉数は15、2円口座の貯玉数は100、1円口座の貯玉数は800となっている(S2000)。また、持玉管理装置140で管理されている持玉数は、会員カード受付時から更新されておらず、4円口座の持玉数は100、2円口座の持玉数は0、1円口座の持玉数は0となっている(S2010)。このとき、図19(5)に示すように、持玉数の表示(CU3で記憶している4円口座の持玉数)は0であり、貯玉数の表示(CU3で記憶している4円口座の貯玉数)は15である(図13のS2020)。
遊技者は、計数プレイLED319bが点灯していないことにより、計数プレイボタン319を操作したとしても、持玉払出が実行されないことを把握して、乗入れ払出により遊技媒体の付与を受けるべく、メイン画面の乗入れ操作領域312bに表示された乗入れ画面移行ボタンを操作して、表示画面をメイン画面から図19(6)の乗入れ画面に切り替える(図13のS2030)。乗入れ画面では、メイン画面における持玉数及び貯玉数に代えて、乗入れ先口座(本例では4円口座)及び乗入れ元口座(本例では2円口座及び1円口座)の各口座の貯玉数と、乗入れ払出可能玉数が表示される。
なお、図19(6)の乗入れ画面の最下部に表示される「戻る」ボタンを操作すると、図19(5)のメイン画面に戻る。図19(6)の乗入れ画面には、乗入れ払出によって払出可能な玉数である乗入れ払出可能玉数が表示される。この乗入れ払出可能玉数は以下のようにして算出される。
ここで、乗入れ元口座として、乗入れ元口座1、乗入れ元口座2、…、乗入れ元口座m、のm個の口座を選択可能であるものとし、乗入れ元口座1に対応する乗入れ元単価を乗入れ元単価1、乗入れ元口座2に対応する乗入れ元単価を乗入れ元単価2、…、乗入れ元口座mに対応する乗入れ元単価を乗入れ元単価mとする。このとき、[乗入れ先口座の貯玉数+(乗入れ元口座1の貯玉数×乗入れ元単価1÷乗入れ先単価)+(乗入れ元口座2の貯玉数×乗入れ元単価2÷乗入れ先単価)+…+(乗入れ元口座mの貯玉数×乗入れ元単価m÷乗入れ先単価)]以下となる基本払出玉数の倍数の最大値が乗入れ払出可能玉数となる。
制御ユニット328は、算出した乗入れ払出可能玉数をRAM328bに記憶すると共に、乗入れ操作領域312bの上方に表示する。本例では、4円口座を乗入れ先口座とした場合に、2円口座及び1円口座の2つの口座を乗入れ元口座として選択可能であるため、上記の式が[15玉+(100玉×2円÷4円)+(800玉×1円÷4円)]=265玉となる。これを超えない基本払出玉数の倍数(125×n)は250となる(n=2)。従って、図19(6)に表示されている乗入れ払出可能玉数は250となっている(S2055)。
このように、乗入れ払出によって払出可能な玉数を表示して遊技者に把握させることで、乗入れ払出によって遊技媒体の付与を受けようとする遊技者の利便性を向上させることができる。なお、この実施の形態のように、1回の乗入れ払出によって払い出される玉数がCU3毎に固定されている(本例ではCU3が記憶する基本払出玉数相当の125である)場合には、乗入れ払出を実行可能な回数(本例では250÷2=2回)を表示するようにしても良い。
また、乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数以上であることに基づいて、乗入れ操作領域312bには、乗入れ払出ボタンが有効態様(後述する無効態様よりも濃い表示態様)で表示される(図13のS2056)。遊技者は乗入れ払出ボタンが有効態様で表示されていることにより、乗入れ払出ボタンを操作することにより乗入れ払出が実行されることを把握することができる。
そして、図19(6)の乗入れ画面において、乗入れ払出ボタンが操作されると(図13のS2060)、乗入れ払出可能玉数(250)が基本払出玉数(125)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が実行される(S2070)。このとき、図19(7)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示され、乗入れ操作領域312bには乗入れ払出ボタンが表示されず、乗入れ払出を実行するための乗入れ操作を行うことができない(仮に乗入れ操作領域312bを操作したとしても乗入れ払出は連続して実行されない)状態となる。
そして、図19(8)に示すように、乗入れ払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している乗入れ払出可能玉数(250)から基本払出玉数(5度数相当の125)が減算されて125になると共に、表示部312に表示される乗入れ払出可能玉数も、減算後の乗入れ払出可能玉数に更新される(S2085)。また、制御ユニット328で記憶している優先順位1〜3の各口座(4円口座,2円口座,1円口座)の貯玉数から、以下のようにして算出された各引き落とし数(15,100,240)を減算する。
なお、図19(7)や後述する図19(9)等に示す乗入れ払出が実行されているときの画面あるいはその前後の画面において、各口座(4円,2円,1円)から減算される玉数を表示するようにしても良い。
ここで、本実施の形態において、乗入れ払出が実行される場合には、貯玉払出が実行される場合と同様に、CU3から持玉管理装置140に対しては、貯玉管理装置150で管理されている貯玉数を減算するための貯玉更新要求が送信される(図13のS2065)。貯玉更新要求には、受け付けた会員カードから読み取られた会員番号と、各口座の貯玉数から減算する玉数と、が情報として含まれる。各口座の貯玉数から減算すべき玉数(引き落とし数)は以下のようにして算出される。
本例では、優先順位1(乗入れ先口座)である4円口座の貯玉数25玉が基本払出玉数125玉未満であるため、4円口座の貯玉数は全数使用され、4円口座からの減算玉数(4円引き落とし数)は4円口座の貯玉数(15玉)となる。そして、優先順位2(最優先の乗入れ元口座)である2円口座の貯玉数100玉を乗入れ先単価4円の玉数に換算すると、[(100玉×2円÷4円)=50玉]であり、払い出すべき残り玉数である[125玉−15玉=110玉]未満であるため、2円口座の貯玉数は全数使用され、2円口座からの減算玉数(2円引き落とし数)は2円口座の貯玉数(100玉)となる。そして、優先順位3(次に優先される乗入れ元口座)である1円口座の貯玉数800玉を乗入れ先単価4円の玉数に換算すると、[(800玉×1円÷4円)=200玉]であり、払い出すべき残り玉数である[125玉−15玉−50玉=60玉]以上であるため、1円口座の貯玉数から、払い出すべき残り玉数に相当する玉数が使用され、1円口座からの減算玉数(1円引き落とし数)は[(125玉−15玉−50玉)×4円÷1円=240玉]となる。
このようにして、CU3に記憶されている優先順位に基づいて各貯玉口座から減算されるべき玉数が算出される。なお、本実施の形態においては、当該CU3に記憶されている基本単価に対応した口座の持玉数が1以上である場合であっても、メイン画面から乗入れ画面への切り替え操作(S2030における乗入れ画面移行ボタンの操作)及び乗入れ画面における乗入れ払出を実行させる操作(S2060における乗入れ払出ボタンの操作)の受付が可能となっている。
従って、計数プレイLED319bが点灯しており持玉払出が可能であると共に、乗入れ払出ボタンが有効態様で表示されており乗入れ払出が可能となる場合がある。このような場合には、計数プレイボタン319が操作されたときに持玉払出が実行され、乗入れ払出ボタンが操作されたときには乗入れ払出が実行される。従って、遊技者は、持玉払出及び乗入れ払出のいずれを実行させるかを操作により選択可能となっている。
この実施の形態では、当該CU3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり、貯玉払出を実行可能なときにも、貯玉払出ボタンが表示される貯玉払出操作領域312aと、乗入れ画面移行ボタン及び乗入れ払出ボタンが表示される乗入れ払出操作領域312bとが別の領域に設けられているため、メイン画面から乗入れ画面への切り替え操作(S2030における乗入れ画面移行ボタンの操作)及び乗入れ画面における乗入れ払出を実行させる操作(S2060における乗入れ払出ボタンの操作)の受付が可能となっている。従って、遊技者は、貯玉払出及び乗入れ払出のいずれを実行させるかを操作により選択可能となっている。
このような構成において、乗入れ先口座(基本単価に対応した優先順位1の口座)の貯玉数が基本払出玉数以上である状態で、乗入れ払出ボタンが有効態様で表示される場合がある。このような場合には、乗入れ払出ボタンが操作されたときに、乗入れ先口座の貯玉数のみを減算して基本払出玉数を払い出す貯玉払出が実行されるものとする。即ち、貯玉払出を実行可能であるが優先順位の関係で乗入れ払出は実行できない(優先順位1となる乗入れ先口座の貯玉数のみを減算すれば足りる)ときに、乗入れ払出を実行させる操作を受け付けた場合には、貯玉払出が実行されるようにしている。
なお、本実施の形態においては、当該CU3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり貯玉払出を実行可能なときにも、乗入れ払出を実行可能としているが、このような形態に限らず、当該CU3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であり貯玉払出を実行できないときにのみ、乗入れ払出を実行可能としても良い。例えば、当該CU3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であり貯玉払出を実行できないときにのみ、メイン画面の乗入れ操作領域312bに乗入れ画面移行ボタンが表示される、あるいは、乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンが有効態様で表示されるようにしても良い。
仮に、このような構成とする場合には、貯玉払出を実行させる操作領域と乗入れ払出を実行させる操作領域を共通領域とし、貯玉払出を実行可能なときに該共通領域が操作された場合には貯玉払出を実行し、貯玉払出を実行できないが乗入れ払出を実行可能なときに該共通領域が操作された場合には乗入れ払出を実行するようにすると良い。例えば、貯玉払出ボタンをメイン画面の貯玉払出操作領域312aではなく乗入れ操作領域312bに表示させるようにして、当該CU3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり貯玉払出を実行可能なときには、メイン画面の乗入れ操作領域312bに貯玉払出ボタンを表示するようにし、該貯玉数が一単位数未満であり貯玉払出を実行できないときには、メイン画面の乗入れ操作領域312bに乗入れ画面移行ボタンを表示するようにし、該貯玉数が一単位数未満であり且つ乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数以上である場合には、メイン画面から移行した乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンを有効態様で表示するようにすると良い。
なお、本実施の形態では、当該CU3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であるときにのみ貯玉払出を実行可能としているが、このような形態に限らず、当該CU3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が1以上である場合に貯玉払出を実行可能としても良い。なお、貯玉払出ボタンや乗入れ払出ボタンは、表示部312に表示させるものではなく、突出部305の筐体に設ける(これに対応した操作検出スイッチも別個に設ける)ようにしても良い。
本実施の形態において、乗入れ払出が実行される場合には、貯玉払出が実行される場合と同様に、CU3から持玉管理装置140に対しては、貯玉管理装置150で管理されている貯玉数を減算するための貯玉更新要求が送信される(図13のS2065)。本例では、前述したように、優先順位1の4円口座、優先順位2の2円口座、及び優先順位3の1円口座の貯玉数をそれぞれ減算する乗入れ払出が実行されており、貯玉更新要求に含まれる4円引き落とし数(4円口座から減算する玉数)が15、2円引き落とし数(2円口座から減算する玉数)が100、1円引き落とし数(1円口座から減算する玉数)が240、となっている。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新要求を会員管理装置150に対して送信する(S2066)。
CU3から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新要求を受信した会員管理装置150では、CPU152が、該貯玉更新要求に含まれる会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで記憶している各口座の貯玉数から、指定された引き落とし数を減算する(S2080)。本例では、会員番号に対応する4円口座の貯玉数から4円引き落とし数15を減算し、2円口座の貯玉数から2円引き落とし数100を減算し、1円口座の貯玉数から1円引き落とし数240を減算する。減算後の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が560となる。
次いで、会員管理装置150のCPU152は、会員管理装置150により管理されている貯玉数の更新が完了したことを示す貯玉更新応答を持玉管理装置140に対して送信する(S2081)。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新応答をCU3に対して送信する(S2082)。会員管理装置150から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新応答を受信したCU3では、会員管理装置150において管理されている貯玉数が更新されたことを確認する。
これにより、図19(8)に示すように、乗入れ払出可能玉数は125に更新され、CU3で記憶されている各口座の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が560に更新される。そして、制御ユニット328は、図19(8)に示すように、減算後の乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数以上であることに基づいて、乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンを有効態様で表示する。なお、図19(8)では、制御ユニット328は、記憶している基本単価(当該CU3の装置IDに対応する基本単価)に対応した口座の持玉数が0であることに基づいて、計数プレイLED319bを消灯している。そのため遊技者は、持玉払出を実行できないが、乗入れ払出によって遊技媒体が付与されることを認識できる。
S2065〜S2082における乗入れ払出及びこれに伴う処理の完了後、図14に示すように、会員管理装置150で管理されている4円口座の貯玉数は0、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は560となっている(S3000)。また、持玉管理装置140で管理されている持玉数は、会員カード受付時から更新されておらず、4円口座の持玉数は100、2円口座の持玉数は0、1円口座の持玉数は0となっている(S3010)。このとき、図19(8)に示すように、乗入れ払出可能玉数の表示は125である(図14のS3020)。
そして、図19(8)の乗入れ画面において、乗入れ払出ボタンが操作されると(図14のS3025)、乗入れ払出可能玉数([560玉×1円÷4円=140玉≧125玉]であるため、乗入れ払出可能玉数は125玉となる)が基本払出玉数(125)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が実行される(S3030)。このとき、図19(9)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示され、乗入れ操作領域312bには乗入れ払出ボタンが表示されず、乗入れ払出を実行するための乗入れ操作を行うことができない(仮に乗入れ操作領域312bを操作したとしても乗入れ払出は連続して実行されない)状態となる。
そして、図19(10)に示すように、乗入れ払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している乗入れ払出可能玉数(125)から基本払出玉数(5度数相当の125)が減算されて0になると共に、表示部312に表示される乗入れ払出可能玉数も減算後の貯玉数に更新される(S3050)。また、制御ユニット328で記憶している優先順位1〜3の各口座(4円口座,2円口座,1円口座)の貯玉数から、以下のようにして算出された各引き落とし数(0,0,500)を減算する。
本例では、優先順位1(乗入れ先口座)である4円口座及び優先順位2(最優先の乗入れ元口座)である2円口座の貯玉数がいずれも0玉である。そして、優先順位3(次に優先される乗入れ元口座)である1円口座の貯玉数560玉を乗入れ先単価4円の玉数に換算すると、[560玉×1円÷4円=140玉]であり、基本払出玉数以上となるため、1円口座からの減算玉数(1円引き落とし数)は、[基本単価×基本払出玉数]相当の、[4円×125玉÷1円=500玉]となる。
ここで、前述したように、CU3から持玉管理装置140に対しては、貯玉管理装置150で管理されている貯玉数を減算するための貯玉更新要求が送信される(図14のS3026)。本例では、前述したように、優先順位3の1円口座の貯玉数のみを減算する乗入れ払出が実行されており、貯玉更新要求に含まれる4円引き落とし数(4円口座から減算する玉数)が0、2円引き落とし数(2円口座から減算する玉数)が0、1円引き落とし数(1円口座から減算する玉数)が500、となっている。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新要求を会員管理装置150に対して送信する(S3027)。
CU3から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新要求を受信した会員管理装置150では、CPU152が、該貯玉更新要求に含まれる会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで記憶している各口座の貯玉数から、指定された引き落とし数を減算する(S3040)。本例では、会員番号に対応する1円口座の貯玉数から1円引き落とし数500を減算する。減算後の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が60となる。
次いで、会員管理装置150のCPU152は、会員管理装置150により管理されている貯玉数の更新が完了したことを示す貯玉更新応答を持玉管理装置140に対して送信する(S3041)。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新応答をCU3に対して送信する(S3042)。会員管理装置150から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新応答を受信したCU3では、会員管理装置150において管理されている貯玉数が更新されたことを確認する。
これにより、図19(10)に示すように、乗入れ払出可能玉数は0に更新され、CU3で記憶されている各口座の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が60に更新される。そして、制御ユニット328は、図19(10)に示すように、減算後の乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数未満である(乗入れ払出によって付与可能な遊技媒体数が0である)ことに基づいて、乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンを無効態様(前述した有効態様よりも薄い表示態様)で表示する(S3060)。
なお、図19(10)では、制御ユニット328は、記憶している基本単価(当該CU3の装置IDに対応する基本単価)に対応した口座の持玉数が0であることに基づいて、計数プレイLED319bを消灯している。そのため遊技者は、持玉払出を実行できず、また、乗入れ払出ボタンが無効態様となっていることにより、仮に乗入れ払出ボタンを操作したとしても乗入れ払出が実行されないことを認識できる。
次いで、制御ユニット328は、乗入れ払出可能玉数が0であり乗入れ払出は実行できないが乗入れ元口座の貯玉数が0ではない(本例では、乗入れ払出可能玉数が0であり1円口座の貯玉数が60玉となっている)ことに基づいて、乗入れ払出を実行可能とするために必要な残り計数玉数である必要計数玉数を算出する必要計数玉数算出処理(図15)を実行する。
この実施の形態では、後述するように、CU3における貯玉移行操作によって、1以上の口座の持玉数の一部又は全部を、対応する口座の貯玉数に移行する貯玉移行処理を実行可能となっている。従って、乗入れ元口座の貯玉数が残存しているということは、乗入れ先口座の貯玉数が貯玉移行処理によって所定数に達することにより乗入れ払出が実行可能になるということであるため、そのために必要な計数玉数を算出するものである。即ち、貯玉移行処理後の各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出を実行可能とするために、現在の持玉数に加算すべき玉数を必要計数玉数として算出し、算出された必要計数玉数を遊技者に報知するようにしている。
図15の必要計数玉数算出処理において、制御ユニット328は、S100で、乗入れ先口座(本例では4円)の貯玉数に、対応する口座(4円)の現在の持玉数を仮加算すると共に、各乗入れ元口座(本例では2円,1円)の貯玉数に、対応する口座(2円,1円)の現在の持玉数を仮加算する。この仮加算においては、制御ユニット328で記憶している表示制御用の各口座の貯玉数及び持玉数の元データは更新されておらず、あくまで必要計数玉数算出処理用にコピーされた各口座の貯玉数及び持玉数のデータが仮加算の対象となる。
ここで、乗入れ先口座の貯玉数に仮加算する現在の持玉数とは、ビジターカード又は会員カードがCU3に挿入されたときに持玉管理装置140から取得され、その後の持玉払出により払出玉数が減算されたり、あるいは、計数処理により計数玉数が加算されたりした後の更新後の持玉数である。また、カード貯留部からビジターカードがカードR/W327に供給されたときに0であり、その後の計数処理により計数玉数が加算されたり、あるいは、持玉払出により払出玉数が減算されたりした後の持玉数である。
本例では、S100で、乗入れ先口座である4円口座の貯玉数(0玉)に4円口座の持玉数(0玉)を仮加算し、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0玉)に2円口座の持玉数(0玉)を仮加算し、乗入れ元口座である1円口座の貯玉数(60玉)に1円口座の持玉数(0玉)を仮加算する。即ち、仮加算後の各口座の貯玉数は4円口座が0、2円口座が0、1円口座が60となる。ここでは、貯玉数に仮加算する対象となる持玉数は、持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数ではなく、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている各口座の持玉数である。
次いで、制御ユニット328は、S101で、仮加算後の乗入れ元口座の貯玉数を乗入れ先口座の貯玉数に換算する。本例では、[仮加算後の2円口座の貯玉数(0玉)×2円÷4円]により、仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算し、[仮加算後の1円口座の貯玉数(60玉)×1円÷4円]により、仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算する。即ち、仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数は0、仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数は15となる。
次いで、制御ユニット328は、S102で、仮加算後の乗入れ先口座の貯玉数と、算出された換算玉数との合算玉数を算出する。この例では、[仮加算後の乗入れ先口座の貯玉数(0)+仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数(0)+仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数(15)]により、合算玉数が算出される。即ち、合算玉数は15となる。
次いで、制御ユニット328は、S103で、算出された合算玉数が基本払出玉数に達しているか否かを判定する。ここで、算出された合算玉数が基本払出玉数以上であるということは、1以上の口座の持玉数の一部又は全部を対応する口座の貯玉数に移行する貯玉移行処理を行うことで乗入れ払出が実行可能となるということであり(即ち必要計数玉数が0であるということであり)、算出された合算玉数が基本払出玉数未満であるということは、仮に貯玉移行処理を行ったとしても乗入れ払出を実行できない(即ち必要計数玉数が1以上である)ということである。
制御ユニット328は、S103で、合算玉数が基本払出玉数以上であれば(Yes)、S110で、乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンを表示し、さらに、S111で、乗入れ画面に「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示して必要計数玉数算出処理を終了する。これにより、遊技者は、貯玉移行ボタンを操作することで乗入れ払出が実行可能となることを把握することができる。
一方、制御ユニット328は、S103で、合算玉数が基本払出玉数未満であれば(No)、S104で、合算玉数と基本払出玉数との差分を算出し、S105で、乗入れ画面に「××玉計数で乗入れ可」のメッセージを表示して必要計数玉数算出処理を終了する。これにより、遊技者は、算出された差分相当(××玉)のパチンコ玉を計数させて、その後に表示される貯玉移行ボタンを操作することで、乗入れ払出が実行可能となることを把握することができる。
この例では、合算玉数(15)が基本払出玉数(125)に満たないため、S103ではNoと判定され、S104では差分が125玉−15玉=110玉と算出され、S105では、「110玉計数で乗入れ可」と表示されることになる。
従って、制御ユニット328は、図19(10)で乗入れ払出可能玉数が0玉となったことを報知した後に、上記の必要計数玉数算出処理が実行されたことに基づいて、所定時間経過後(例えば5秒経過後)に、図19(11)に示すように、乗入れ画面に「110玉計数で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図14のS3070)。なお、乗入れ払出可能玉数と「××玉計数で乗入れ可」のメッセージを乗入れ画面上に同時に表示するようにしても良い。
なお、この実施の形態では、算出された合算玉数が基本払出玉数以上である場合にのみ(必要計数玉数が0である場合にのみ)、貯玉移行ボタンを乗入れ操作領域312bに表示して貯玉移行操作を受付可能としているが、このような形態に限らず、算出された合算玉数が基本払出玉数未満である場合にも(必要計数玉数が0ではない場合にも)、貯玉移行操作を受付可能としても良い。そのような構成において、貯玉移行操作が行われることにより、表示されている必要計数玉数が更新されるようにすると良く、例えば、必要計数玉数が100のとき(「100玉計数で乗入れ可」の表示)で、25玉相当の貯玉移行処理が実行された場合には、必要計数玉数が75に更新される(「75玉計数で乗入れ可」と表示される)ようにすると良い。
上記の例において、プリペイド残額を使用するプリペイド払出を実行する場合には、払出ボタン21を操作することにより、プリペイド残額(本例では1000円)が、基本単価及び基本払出玉数に応じた額(4円×125=500円)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出されるプリペイド払出が実行される。
そして、プリペイド払出の実行に伴い、RAM328bで記憶しているプリペイド残額(1000円)から基本払出玉数相当の消費額(5度数相当の125玉×4円=500円)が減算されて500円になると共に、表示部312に表示されるプリペイド残額も減算後のプリペイド残額に更新される。CU3におけるプリペイド払出に伴い、受け付けた会員カードから読み取られたカードIDとプリペイド払出における消費額(500円)とを含む消費情報が残額管理装置100に送信される。残額管理装置100では、受信した消費情報が指定する消費額を、該消費情報が指定するカードIDに対応付けて管理されているプリペイド残額から減算して、減算完了通知をCU3に送信する。減算完了通知を受信したCU3では、残額管理装置100で管理されているプリペイド残額の更新が完了したことを完了する。
次に、遊技機での遊技が終了し、返却ボタン22が操作されると(図14のS3100)、会員カードから読み取られたカードID及びRAM328bに記憶している各口座(本例では4円口座,2円口座,1円口座)の持玉数(本例では0,0,0)を含むカード排出通知が持玉管理装置140に送信され(S3101)、RAM328bに記憶されているプリペイド残額が会員カードに記録されて、CU3から該会員カードが返却される(S3105)。CU3からのカード返却に伴い、RAM328bに記憶されているプリペイド残額、並びに各口座の持玉数及び貯玉数は0にクリアされる。
持玉管理装置140は、受信したカード排出通知で指定されるカードIDに対応付けて管理されている各口座(4円口座,2円口座,1円口座)の持玉数を、該カード排出通知で指定される各口座の持玉数(0,0,0)に更新する(S3110)。本例では、持玉管理装置140で管理される更新後の持玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が0となる。なお、持玉管理装置140は、CU管理テーブルにおいて、受信したカード排出通知で指定される台番号(装置ID)に対応付けて管理されているカードID(受付中のカードのカードID)を消去する。
次いで、持玉管理装置140は、持玉管理装置140により管理されている持玉数の更新が完了したことを示すカード排出結果(結果:OK)をCU3に対して送信する(S3111)。カード排出結果(結果:OK)を受信したCU3では、持玉管理装置140において管理されている持玉数が更新されたことを確認する。
また、持玉管理装置140は、カード排出通知を送信したCU3の台番号(装置ID)及びカード排出通知で指定されるカードIDを含む遊技終了通知を会員管理装置150に対して送信する(S3120)。なお、会員管理装置150は、CU管理テーブルにおいて、受信した遊技終了通知で指定される台番号(装置ID)に対応付けて管理されているカードID(受付中のカードのカードID)を消去する。遊技終了通知を受信した会員管理装置150は、遊技終了通知を受信したことを示す遊技終了応答を持玉管理装置140に対して送信する(S3130)。遊技終了応答を受信した持玉管理装置140では、会員管理装置150が遊技終了通知を受信したことを確認する。
(貯玉移行処理)
次に、貯玉移行処理について、図16、図17、及び図20を用いて説明する。ここで、CU3のカードR/W327には会員カードが受け付けられており、該会員カードから読み取られた会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている4円口座の貯玉数が50、2円口座の貯玉数が0、1円口座の貯玉数が80であるものとする(図16のS4000)。また、該会員カードから読み取られたカードIDに対応付けて持玉管理装置140で管理されている4円口座の持玉数が0、2円口座の持玉数が0、1円口座の貯玉数が0玉であるものとする(図16のS4010)。
また、制御ユニット328のRAM328bには、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数と合致する貯玉数(4円:50玉,2円:0玉,1円:80玉)が記憶されており、持玉管理措置140で管理されている各口座の持玉数と合致する持玉数(4円:0玉,2円:0玉,1円:0玉)が記憶された状態であるものとする。このとき、図20(20)に示すように、表示部312に表示されているメイン画面において、持玉数として基本単価に対応した4円口座の持玉数である0が表示され、貯玉数として基本単価に対応した4円口座の貯玉数である50が表示される(図16のS4020)。
そして、その下方の貯玉払出領域312aには、基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり貯玉払出を実行可能なことに基づいて、貯玉払出ボタンが有効態様で表示されている。従って、この状態で貯玉払出ボタンを操作することにより貯玉払出が実行される。また、その下方の乗入れ操作領域312bには、乗入れ画面移行ボタンが表示されている。そして、この状態で、遊技者により乗入れ画面移行ボタンが操作され、表示画面がメイン画面から乗入れ画面に切り替えられたものとする(図16のS4025)。
図20(21)に示す移行後の乗入れ画面では、乗入れ先口座である4円口座の貯玉数(50玉)、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0玉)及び1円口座の貯玉数(80玉)が表示される。また、乗入れ先口座の貯玉数(50玉)と、乗入れ元口座の貯玉数を乗入れ先口座の貯玉数に換算した玉数(0玉×2円÷4円,80玉×1円÷4円)との合算玉数(50玉+0玉+20玉=70玉)が、基本払出玉数(125玉)未満であることに基づいて、乗入れ払出可能玉数は0玉と表示され(図16のS4030)、乗入れ操作領域312bには、乗入れ払出ボタンが無効態様で表示される(図16のS4035)。
そして、前述したように、制御ユニット328は、乗入れ元口座の貯玉数が残存している(1円口座の貯玉数が80玉である)が乗入れ元口座の貯玉数不足により乗入れ払出を実行できないことに基づいて、必要計数玉数算出処理を実行し、必要計数玉数を算出する。この例では、S102で算出される合算玉数が、50玉+0玉+(80玉×1円÷4円)=70玉であり、S104で算出される基本払出玉数と合算玉数との差分が125玉−70玉=55玉となる。
従って、制御ユニット328は、図20(21)で乗入れ払出可能玉数が0玉であることを報知した後に、所定時間経過後(例えば5秒経過後)に、図20(22)に示すように、乗入れ画面に「55玉計数で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図16のS4040)。
このように、乗入れ払出を実行可能とするために計数すべき玉数(持玉数に加算すべき玉数)を報知することにより、乗入れ払出を実行させようとする遊技者の利便性を高めることができる。例えば、遊技者は、下皿24にある程度のパチンコ玉が貯留されている状態であれば、レバー24aを操作して、貯留されたパチンコ玉を計数・端数払出ユニット340に投入して計数処理を実行させることにより、後述する貯玉移行操作及び乗入れ払出を実行可能とする、という措置をとることができる。
次いで、この状態で、計数・端数払出ユニット340によりパチンコ玉の計数が行われる計数処理が発生し、120玉が計数されたものとする(図16のS4050)。このとき、計数・端数払出ユニット340の制御部350から制御ユニット328に対して計数信号が入力され、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている計数玉数の値が加算される。そして、計数処理の発生に伴い、図20(23)に示すように、表示部312の表示画面は乗入れ画面から計数中画面に移行し、計数中画面において「計数中」の文字と共に計数玉数の値(本例では120)が表示される。
そして、計数処理が完了したときに(例えば、計数玉数が更新されることなく5秒が経過したタイミングで)、RAM328bに記憶されている当該カードユニット3に対応した口座(RAM328bに記憶している基本単価に対応した口座)の持玉数に、計数玉数の値が加算されて持玉数が加算更新されると共に、計数玉数の値は0にリセットされる。これに伴い、図20(24)に示すように、計数中画面において加算後の当該口座の持玉数(本例では120)が表示され、当該口座の持玉数が1以上であり持玉払出が可能となったことに基づいて、計数プレイLED319bを点灯し、計数プレイボタン319の操作を有効とする(図16のS4060)。
このとき、基本単価に対応した口座の貯玉数は50玉から更新されていないが、基本単価に対応した口座の持玉数は、0玉から120玉に更新されている(図16のS4070)。制御ユニット328は、計数処理が発生したこと(即ち乗入れ先口座の持玉数が更新されたこと)に基づいて、前述した必要計数玉数算出処理を実行する。
この例では、必要計数玉数算出処理のS102で算出される合算玉数が、(50玉+120玉)+0玉+(80玉×1円÷4円)=190玉となる。制御ユニット328は、S103で合算玉数が基本払出玉数以上となっていること、即ち、必要計数玉数が0であることに基づいて、S110で乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンを表示すると共に、S111で乗入れ画面に「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示することになる。
従って、制御ユニット328は、図20(24)で基本単価に対応する持玉数が120玉となったことを報知した後に、上記の必要計数玉数算出処理が実行されたことに基づいて、所定時間経過後(例えば5秒経過後)に、図20(25)に示すように、乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに、無効態様で表示されていた乗入れ払出ボタンに代えて、貯玉移行ボタンを表示する(図16のS4080)と共に、「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図16及び図17のS4100)。
これにより、遊技者は、貯玉移行ボタンを操作することで、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の1以上の口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数の一部又は全部が移行される貯玉移行処理が実行されて、貯玉移行処理後の各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出が可能となることを把握することができる。
また、この実施の形態では、乗入れ画面において、「貯玉移行で乗入れ可」というメッセージを表示すると共に、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンを表示するようにしている。そのため、乗入れ払出を実行させる意思のある遊技者は、貯玉移行ボタンを操作して貯玉移行処理を実行させることになる。また、この実施の形態では、乗入れ払出に関連する操作である、乗入れ画面移行ボタンの操作、貯玉移行ボタンの操作、及び、乗入れ払出ボタンの操作は、いずれも乗入れ操作領域312bをタッチする共通の操作となっている。そして、乗入れ操作領域312bに表示されている貯玉移行ボタンをタッチすることにより、乗入れ操作領域312bには、貯玉移行ボタンに代えて、タッチされることにより乗入れ払出が実行される有効態様の乗入れ払出ボタンが表示される。
従って、この実施の形態における貯玉移行ボタンの操作は、乗入れ払出を実行させる乗入れ払出ボタンの操作前に、乗入れ払出を実行させる意思を確認するための意思確認操作を兼ねている。仮に、貯玉移行ボタンの操作とは別に、遊技者に乗入れ払出を実行するか否かの選択を要求する操作を設けた場合には、乗入れ払出を実行させるまでの手順が増加してしまう。この実施の形態では、貯玉移行処理を実行させる操作が、乗入れ払出の意思確認操作を兼ねているため、乗入れ払出が実行されるまでの操作手順を簡素化することができる。
次に、遊技者が、図20(25)の乗入れ画面において、乗入れ操作領域312bの貯玉移行ボタンを操作したものとする(図17のS4110)。このとき、図18の貯玉移行数算出処理が実行され、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の各口座の貯玉数に加算すべき持玉数が算出される。
図18の貯玉移行数算出処理において、制御ユニット328は、S200で、各乗入れ元口座(本例では2円,1円)の貯玉数に、対応する口座(2円,1円)の現在の持玉数を仮加算する。この仮加算においては、制御ユニット328で記憶している表示制御用の各口座の貯玉数及び持玉数の元データは更新されておらず、あくまで貯玉移行数算出処理用にコピーされた各口座の貯玉数及び持玉数のデータが仮加算の対象となる。
本例では、S200で、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0玉)に2円口座の持玉数(0玉)を仮加算し、乗入れ元口座である1円口座の貯玉数(80玉)に1円口座の持玉数(0玉)を仮加算する。即ち、仮加算後の各口座の貯玉数は、2円口座が0、1円口座が80となる。ここでは、貯玉数に仮加算する対象となる持玉数は、持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数ではなく、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている各口座の持玉数である。
次いで、制御ユニット328は、S201で、仮加算後の乗入れ元口座の貯玉数を乗入れ先口座の貯玉数に換算する。本例では、[仮加算後の2円口座の貯玉数(0玉)×2円÷4円]により、仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算し、[仮加算後の1円口座の貯玉数(80玉)×1円÷4円]により、仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算する。即ち、仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数は0、仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数は20となる。
次いで、制御ユニット328は、S202で、乗入れ先口座の貯玉数と、算出された換算玉数との合算玉数を算出する。この例では、[乗入れ先口座の貯玉数(50)+仮加算後の2円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数(0)+仮加算後の1円口座の貯玉数を4円口座の玉数に換算した換算玉数(20)]により、合算玉数が算出される。即ち、合算玉数は70となる。
次いで、制御ユニット328は、S203で、算出された合算玉数が基本払出玉数に達しているか否かを判定する。ここで、算出された合算玉数が基本払出玉数以上であるということは、乗入れ先口座を対象とするまでもなく、乗入れ元口座のみを対象とした貯玉移行処理によって乗入れ払出が可能になるということであり、算出された合算玉数が基本払出玉数未満であるということは、乗入れ先口座を対象とした貯玉移行処理を実行しなければ乗入れ払出が可能とならないということである。
制御ユニット328は、S203で、合算玉数が基本払出玉数以上であれば(Yes)、S210で、乗入れ先口座の貯玉数に加算すべき持玉数を0と設定し、S211で、各乗入れ元口座の貯玉数に加算すべき持玉数を、対応する口座の現在の持玉数と設定して、貯玉移行数算出処理を終了する。これにより、(1)乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数を加算すると共に、該対応する口座の持玉数を0にクリアする、乗入れ元口座のみを対象とした貯玉移行処理によって乗入れ払出が可能となる。
一方、制御ユニット328は、S203で、合算玉数が基本払出玉数未満であれば(No)、S204で、合算玉数と基本払出玉数との差分を算出し、S205で、乗入れ先口座の貯玉数に加算すべき持玉数を、算出された差分と設定し、S211で、各乗入れ元口座の貯玉数に加算すべき持玉数を、対応する口座の現在の持玉数と設定して、貯玉移行数算出処理を終了する。これにより、(1)乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数を加算すると共に、該対応する口座の持玉数を0にクリアし、(2)乗入れ先口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数の少なくとも一部(S204で算出された差分)を加算すると共に、該対応する口座の持玉数から当該加算分(S204で算出された差分)を減算する、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の両方を対象とした貯玉移行処理によって乗入れ払出が可能となる。
この例では、合算玉数(70)が基本払出玉数(125)に満たないため、S203ではNoと判定され、S204では差分が125玉−70玉=55玉と算出され、S205では、乗入れ先口座である4円口座の貯玉数(50)に加算すべき4円口座の持玉数が55と設定される。また、S211では、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0)に加算すべき2円口座の持玉数が0と設定され、1円口座の貯玉数(80)に加算すべき1円口座の持玉数が0と設定される。
次いで、制御ユニット328は、持玉管理装置140に対して、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の各口座に加算すべき持玉数を指定する貯玉移行通知を送信する(図17のS4111)。本例では、貯玉移行通知に、会員カードから読み取られた会員番号と、4円口座の貯玉数に加算させるべき4円口座の持玉数を指定する4円加算数(55)と、2円口座の貯玉数に加算させるべき2円口座の持玉数を指定する2円加算数(0)と、1円口座の貯玉数に加算させるべき1円口座の持玉数を指定する1円加算数(0)と、が含まれる。
持玉管理装置140は、CU3から受信した貯玉移行通知を会員管理装置150に送信する(図17のS4117)。貯玉移行通知を受信した会員管理装置150は、受信した貯玉移行通知に含まれる会員番号に対応付けて管理されている乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数を特定すると共に、各口座の貯玉数に、指定された加算数を加算する(図17のS4120)。本例では、4円口座の貯玉数(50)に4円加算数(55)を加算し、2円口座の貯玉数(0)に2円加算数(0)を加算し、1円口座の貯玉数(80)に1円加算数(0)を加算する。これにより、4円口座の貯玉数は105、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は80となる。
次いで、会員管理装置150は、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数に対応する口座の持玉数が移行されたことを示す貯玉移行結果を持玉管理装置140に送信する(図17のS4121)。貯玉移行結果を受信した持玉管理装置140は、貯玉移行通知を送信したCU3に対して、貯玉移行結果を送信する(図17のS4126)。これにより、貯玉移行結果を受信したCU3の制御ユニット328において、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数に、指定した加算玉数が加算されたことが確認される。
貯玉移行結果を受信した制御ユニット328では、RAM328bに記憶している各口座の貯玉数に、S4111で指定した各口座に対応する加算数を加算すると共に、RAM328に記憶している各口座の持玉数から、S4111で指定した各口座に対応する加算数を減算する(図17のS4128)。
本例では、4円口座の貯玉数(50)に4円加算数(55)を加算し、2円口座の貯玉数(0)に2円加算数(0)を加算し、1円口座の貯玉数(80)に1円加算数(0)を加算する。これにより、制御ユニット328が記憶する4円口座の貯玉数は105、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は80となる。また、4円口座の持玉数(120)から4円加算数(55)を減算し、2円口座の持玉数(0)から2円加算数(0)を減算し、1円口座の持玉数(0)から1円加算数(0)を減算する。これにより、4円口座の持玉数は65、2円口座の持玉数は0、1円口座の持玉数は0となる。
以上に示した貯玉移行数算出処理(S200〜S211)、会員管理装置150により管理されている各口座の貯玉数を更新するための処理(S4111〜S4126)、及び、CU3により記憶されている各口座の貯玉数及び持玉数を更新するための処理(S4128)が実行されることにより、1以上の口座の持玉数の少なくとも一部を、対応する口座の貯玉数に移行する貯玉移行処理が完了する。
貯玉移行処理が完了すると、制御ユニット328は、図20(26)に示すように、貯玉移行処理後の各口座の貯玉数を表示する。また、貯玉移行処理により、各口座の持玉数のうち対応する口座の貯玉数に移行された玉数、即ち、各口座の貯玉数に加算された玉数を、各口座毎に表示する。本例では、S4111で設定された4円加算数が55、2円加算数が0、1円加算数が0であったことにより、「4円持玉55玉を貯玉に移行しました。」とのみ表示される(図17のS4130)。
なお、この例では、S4111で設定した4円加算数のみが0ではないため、このような表示となっているが、仮に、2円加算数が0でない場合や、1円加算数が0ではない場合には、「4円持玉55玉を貯玉に移行しました。」に加えて、「2円持玉××玉を貯玉に移行しました。」や、「1円持玉××玉を貯玉に移行しました。」が乗入れ画面に表示されることになる。
このように、各口座の持玉数のうち、対応する口座の貯玉数に移行された玉数を、各口座毎に表示することにより、いずれの口座を対象として貯玉移行処理が実行されたのか、また、貯玉移行処理によって当該口座の持玉数のうち何玉が移行されたのかを把握することができる。遊技者は、図20(26)の乗入れ画面により、4円口座の持玉数のうち55玉が4円口座の貯玉数に加算され、4円口座の貯玉数が105に増加したことを把握することができる。
制御ユニット328は、図20(26)で、貯玉移行処理の対象となった口座及び当該口座の貯玉数に加算された持玉数を報知した後に、所定時間経過後(例えば5秒経過後)に、図20(27)に示すように、乗入れ払出可能玉数が再計算され(図17のS4150)、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンに代えて乗入れ払出ボタンが有効態様で表示された乗入れ画面を表示する(図17のS4160)。
本例では、貯玉移行処理により、4円口座の貯玉数は105、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は80となっているため、乗入れ画面に表示される乗入れ払出可能玉数は、[105玉+(0玉×2円÷4円)+(80玉×1円÷4円)]=125玉となる。これにより、遊技者は、乗入れ払出が可能となり、乗入れ払出ボタンを操作することで乗入れ払出が実行されることを把握することができる。
そして、図20(27)の乗入れ画面において、乗入れ払出ボタンが操作されると、乗入れ払出可能玉数(125)が基本払出玉数(125)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が実行される。このとき、図20(28)に示すように、表示部312には、「払出中」と表示される。
そして、図20(29)に示すように、乗入れ払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している乗入れ払出可能玉数(125)から基本払出玉数(5度数相当の125)が減算されて0になると共に、表示部312に表示される乗入れ払出可能玉数も減算後の貯玉数に更新される。また、制御ユニット328で記憶している優先順位1〜3の各口座(4円口座,2円口座,1円口座)の貯玉数から、以下のようにして算出された各引き落とし数(105,0,80)を減算する。
本例では、優先順位1(乗入れ先口座)である4円口座の貯玉数が105、優先順位2(最優先の乗入れ元口座)である2円口座の貯玉数が0、優先順位3(次に優先される乗入れ元口座)である1円口座の貯玉数が80である。従って、優先順位1である4円口座の貯玉数105玉が基本払出玉数125玉未満であるため、4円口座の貯玉数は全数使用され、4円口座からの減算玉数(4円引き落とし数)は4円口座の貯玉数(105玉)となる。また、優先順位2である2円口座からの減算玉数(2円引き落とし数)は0となる。そして、優先順位3である1円口座の貯玉数80玉を乗入れ先単価4円の玉数に換算すると、[(80玉×1円÷4円)=20玉]であり、払い出すべき残り玉数である[125玉−105玉=20玉]と合致するため、1円口座の貯玉数は全数使用され、1円口座からの減算玉数(1円引き落とし数)は1円口座の貯玉数(20玉)となる。
これに伴い、前述したように、算出された各口座の引き落とし数を指定する貯玉更新要求が制御ユニット328から持玉管理装置140を介して会員管理装置150に送信され、会員管理装置150では、CPU152が、該貯玉更新要求に含まれる会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで記憶している各口座の貯玉数から、指定された引き落とし数を減算する。本例では、減算後の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が0となる。
これにより、図20(29)に示すように、乗入れ払出可能玉数は0に更新され、CU3で記憶されている各口座の貯玉数は、4円口座が0、2円口座が0、1円口座が0に更新される。そして、制御ユニット328は、図20(29)に示すように、減算後の乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数未満である(乗入れ払出によって付与可能な遊技媒体数が0である)ことに基づいて、乗入れ操作領域312bに乗入れ払出ボタンを無効態様で表示する。
乗入れ払出を実行できなくなったことを把握した遊技者が、図20(29)の「戻る」ボタンを操作すると、図20(30)のメイン画面に戻る。このメイン画面で表示される基本単価(4円)に対応した口座の持玉数(65玉)は、前述した貯玉移行処理で対応する口座の貯玉数に移行されずに残存している持玉数である。この例では、図20(24)で計数された持玉数120玉のうち、図20(26)の貯玉移行処理で55玉が貯玉に移行し、65玉が持玉として残存している。従って、図20(26)の貯玉移行処理後も、当該口座の持玉数が1以上であり持玉払出が可能であることに基づいて、計数プレイLED319bを点灯し、計数プレイボタン319の操作を有効としている。
なお、図20(22)に示したケースでは、制御ユニット328は、乗入れ払出可能玉数が0であり乗入れ払出は実行できないが乗入れ元口座の貯玉数が0ではない、即ち、乗入れ先口座の貯玉数が増加することにより乗入れ払出が可能となるとして、必要計数玉数算出処理を実行した。これに対して、図20(29)のケースでは、乗入れ元口座の貯玉数が0であるため、仮に乗入れ先口座の貯玉数が増加したとしても、乗入れ元口座の貯玉数を減算する乗入れ払出を実行することができない。そのため、各乗入れ元口座の貯玉数がいずれも0である場合には、必要計数玉数算出処理を実行する必要がない。
上記の例における各口座の貯玉数及び持玉数の推移は、図21の例1として示される。計数処理前の、4円貯玉数が50玉、2円貯玉数が0玉、1円貯玉数が80玉であり、4円持玉数が0玉、2円持玉数が0玉、1円持玉数が0玉の状態では、算出される必要計数玉数は、[125玉−(50玉+0玉)−{(0玉+0玉)×2円÷4円}−{(80玉+0玉)×1円÷4円}]=55玉となる。
そして、計数処理が発生して120玉の計数が行われると、4円持玉数が120玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、4円持玉数120玉のうち55玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の4円貯玉数は50玉+55玉=105玉、4円持玉数は120玉−55玉=65玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、[105玉+(0玉×2円÷4円)+(80玉×1円÷4円)]=125玉となる。
なお、例1において、仮に、計数処理が発生して55玉の計数が行われたとすると、4円持玉数が55玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、4円持玉数(55玉)の全部が4円貯玉数に加算され、4円貯玉数が105玉となり、4円持玉数は0となる。即ち、貯玉移行処理が実行されることにより、乗入れ先口座に対応した持玉数の一部ではなく全部が移行される場合もある。
このように、この実施の形態では、貯玉移行ボタンが操作されたときに、貯玉移行処理が実行され、乗入れ先口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数の少なくとも一部を移行させるようにしている。従来であれば、前述したように、営業終了時処理が実行されたとき又は景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときにのみ、各口座の持玉数全部を、対応する各口座の貯玉数に加算すると共に、各口座の持玉数を0にクリアする処理を実行するところであるが、この実施の形態では、CU3における遊技者の操作によって貯玉移行処理を実行可能としているため、乗入れ払出を実行させようとする遊技者の利便性を高めることができる。
また、上記の実施形態(例1)では、乗入れ先口座に対応する4円持玉数のうち、乗入れ払出を実行可能とするために必要となる最低玉数(120玉のうちの55玉)のみを貯玉数に移行させ、残り(120玉のうち65玉)は持玉数として残存させるようにしている。これにより、残った持玉数を、持玉払出により遊技に使用することができる。
特に、この実施の形態では、貯玉払出が一単位数以上の貯玉数を要するのに対して、持玉払出しは、1玉以上の持玉数から可能となっている。従って、仮に貯玉移行処理によって、乗入れ先口座に対応する持玉数を全数移行させるようにした場合、乗入れ払出が実行された後、残存する乗入れ先口座の貯玉数が0より大きく一単位数未満となったときには、移行させた玉数の一部を遊技に使用できなくなってしまうことになる。そのため、この実施の形態では、4円持玉数のうち乗入れ払出を実行可能とするために必要ない分(65玉)については、貯玉移行処理の対象としないことにより、遊技に使用可能な遊技媒体数を極力多く確保するようにしている。
図21の例2では、計数処理前、4円貯玉数が10玉、2円貯玉数が60玉、1円貯玉数が80玉であり、4円持玉数が25玉、2円持玉数が0玉、1円持玉数が0玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(10玉+25玉)−{(60玉+0玉)×2円÷4円}−{(80玉+0玉)×1円÷4円}]=40玉となる。
そして、計数処理が発生して60玉の計数が行われると、4円持玉数が85玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、4円持玉数85玉のうち65玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の4円貯玉数は10玉+65玉=75玉、4円持玉数は85玉−65玉=20玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、[75玉+(60玉×2円÷4円)+(80玉×1円÷4円)]=125玉となる。
このように、計数処理前の乗入れ先口座に対応した口座の持玉数(4円持玉数25玉)に、計数処理により計数された計数玉数(60玉)が加算され、更新後の持玉数(4円持玉数85玉)の少なくとも一部(65玉)が乗入れ先口座の貯玉数(10玉)に移行される。
図21の例3では、計数処理前、4円貯玉数が5玉、2円貯玉数が20玉、1円貯玉数が40玉であり、4円持玉数が10玉、2円持玉数が30玉、1円持玉数が60玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(5玉+10玉)−{(20玉+30玉)×2円÷4円}−{(40玉+60玉)×1円÷4円}]=60玉となる。
そして、計数処理が発生して100玉の計数が行われると、4円持玉数が110玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、2円持玉数の全部である30玉、1円持玉数の全部である60玉、4円持玉数110玉のうち70玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の2円貯玉数は20玉+30玉=50玉、2円持玉数は30玉−30玉=0玉、1円貯玉数は40玉+60玉=100玉、1円持玉数は60玉−60玉=0玉、4円貯玉数は5玉+70玉=75玉、4円持玉数は110玉−70玉=40玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、[75玉+(50玉×2円÷4円)+(100玉×1円÷4円)]=125玉となる。
このように、乗入れ元口座の貯玉数(2円貯玉数20,1円貯玉数40)に、貯玉移行処理によって、乗入れ元口座に対応した口座の持玉数の全部(2円持玉数30,1円貯玉数60)が移行される。そして、乗入れ先口座に対応した口座の持玉数のうち、乗入れ払出可能玉数に不足する差分(70玉)のみが、乗入れ先口座の貯玉数(5玉)に移行される。即ち、乗入れ元口座を対象とした貯玉移行処理によって不足する差分のみを乗入れ先口座を対象とした貯玉移行処理によって補足する構成としており、これにより、前述したように、遊技に使用可能な遊技媒体数を最大化することができる。
図21の例4では、計数処理前、4円貯玉数が25玉、2円貯玉数が40玉、1円貯玉数が80玉であり、4円持玉数が20玉、2円持玉数が80玉、1円持玉数が120玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(25玉+20玉)−{(40玉+80玉)×2円÷4円}−{(80玉+120玉)×1円÷4円}]≦0、であるため、0玉となる。
そして、計数処理が発生することなく、この状態で貯玉移行処理が実行されると、2円持玉数の全部である80玉、1円持玉数の全部である120玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の2円貯玉数は40玉+80玉=120玉、2円持玉数は80玉−80玉=0玉、1円貯玉数は80玉+120玉=200玉、1円持玉数は120玉−120玉=0玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、125玉≦[25玉+(120玉×2円÷4円)+(200玉×1円÷4円)=135玉]<250玉、であるため、125玉となる。
このように、乗入れ元口座の貯玉数(2円貯玉数40,1円貯玉数80)に、貯玉移行処理によって、乗入れ元口座に対応した口座の持玉数の全部(2円持玉数80,1円貯玉数120)が移行される。そして、乗入れ先口座の貯玉数(4円貯玉数25)に、対応する口座の持玉数(4円持玉数20)を加算するまでもなく、乗入れ払出を実行可能となる。即ち、乗入れ元口座を対象とした貯玉移行処理によって不足する差分がないため、乗入れ先口座を対象とした貯玉移行処理は実行しない構成としており、これにより、前述したように、遊技に使用可能な遊技媒体数を最大化することができる。
[第2実施形態に係る遊技用システム]
次に、第2実施形態に係る遊技用システム1’に関して、第1実施形態と異なる点を説明する。第2実施形態に係る遊技用システム1’には、図1に示すように、持玉管理装置140が設けられておらず、CU3は、持玉管理装置140を中継することなく、会員管理装置150と通信可能に接続されている。
従って、第1実施形態においてCU3から持玉管理装置140を介して会員管理装置150に送信されたコマンド(貯玉更新要求や貯玉移行通知等)は、第2実施形態ではCU3から直接、会員管理装置150に送信される。また、第1実施形態において会員管理装置150から持玉管理装置140を介してCU3に送信されたコマンド(貯玉更新応答や貯玉移行結果等)は、会員管理装置150から直接、CU3に送信される。
第1実施形態において制御ユニット328に記憶されている各口座の持玉数(表示される持玉数)に関する処理は、第2実施形態において制御ユニット328に記憶されている各口座の計数玉数(表示される計数玉数)に関する処理と読み替えることができる。即ち、第2実施形態のCU3には、制御ユニット328のRAM328bに、各口座(4円,2円,1円)の計数玉数が記憶され、メイン画面において、記憶している基本単価に対応した口座の計数玉数が表示されることになる。なお、第2実施形態においては、CU3の制御ユニット328に記憶されている基本単価に対応した口座以外の口座の計数玉数は0となる。
このときCU3で記憶されている基本単価に対応した口座(乗入れ先口座に対応した口座)の計数玉数は、以下のようにして更新されるものとする。まず、計数センサ356によりパチンコ玉が検出される毎に、制御部350から制御ユニット328に対して計数信号が入力され、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている計数玉数(メイン画面に表示される計数玉数)の値が加算される。そして、計数払出操作(上記実施形態における計数プレイボタン319の操作に相当)に基づいて遊技媒体が払い出される計数払出が実行され、CU3が記憶している計数玉数(メイン画面に表示される計数玉数)から払出玉数が減算される。
なお、CU3で計数払出が実行されると、第1実施形態の持玉払出と同様に、上位管理装置(第2実施形態では会員管理装置150)と通信が行われることなく、CU3で記憶されている基本単価に対応した口座の計数玉数のみが減算される。一方、貯玉払出が実行されると、第1実施形態の貯玉払出と同様に、会員管理装置150との通信が行われ、CU3で記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数(メイン画面に表示される貯玉数)及び会員管理装置150で管理されている基本単価に対応した口座の貯玉数が減算される。
そして、返却ボタン22が操作されると、受け付けていた会員カードから読み取られた会員番号と、RAM328bに記憶されている各口座(4円,2円,1円)の計数玉数とを含むカード排出通知が会員管理装置150に送信され、会員管理装置150においては、受信したカード排出通知により指定される会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで管理されている各口座(4円,2円,1円)の貯玉数に、受信したカード排出通知により指定される各口座(4円,2円,1円)の計数玉数を加算する。そして、カード排出通知を送信したCU3では、RAM328bに記憶されている各口座(4円,2円,1円)の計数玉数を0にクリアする。
このように、第2実施形態において、会員管理装置150で管理される各口座の貯玉数に、対応した口座の計数玉数が加算されるのは、CU3で受け付けた会員カードが返却されるとき(カード排出通知を受信したとき)となる。また、第2実施形態では、CU3の基本単価に対応した口座以外の口座の計数玉数は0であるため、会員カードが返却されるときには、当該CU3の基本単価に対応した口座の貯玉数のみが実際の加算対象となる。
このような第2実施形態に係る遊技用システム1’において、貯玉移行処理が実行されるときの動作の流れを図22及び図23を用いて説明する。なお、図22及び図23において、第1実施形態の図16及び図17と共通する処理には、共通する符号を付している。
ここで、CU3のカードR/W327には会員カードが受け付けられており、該会員カードから読み取られた会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている4円口座の貯玉数が35、2円口座の貯玉数が0、1円口座の貯玉数が60であるものとする(図22のS4000A)。
また、制御ユニット328のRAM328bには、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数と合致する貯玉数(4円:35玉,2円:0玉,1円:60玉)が記憶されており、各口座の計数玉数はいずれも0である(4円:0玉,2円:0玉,1円:0玉)ものとする。このとき、表示部312に表示されているメイン画面において、計数玉数として基本単価に対応した4円口座の計数玉数である0が表示され、貯玉数として基本単価に対応した4円口座の貯玉数である35が表示される(図22のS4020A)。
そして、この状態で、遊技者により乗入れ画面移行ボタンが操作され、表示画面がメイン画面から乗入れ画面に切り替えられたものとする(図22のS4025)。移行後の乗入れ画面では、乗入れ先口座の貯玉数(35玉)と、乗入れ元口座の貯玉数を乗入れ先口座の貯玉数に換算した玉数(0玉×2円÷4円,60玉×1円÷4円)との合算玉数(35玉+0玉+15玉=50玉)が、基本払出玉数(125玉)未満であることに基づいて、乗入れ払出可能玉数は0玉と表示され(図22のS4030)、乗入れ操作領域312bには、乗入れ払出ボタンが無効態様で表示される(図22のS4035)。
そして、前述したように、制御ユニット328は、乗入れ元口座の貯玉数が残存している(1円口座の貯玉数が60玉である)が乗入れ元口座の貯玉数不足により乗入れ払出を実行できないことに基づいて、必要計数玉数算出処理を実行し、必要計数玉数を算出する。この例では、S102で算出される合算玉数が、35玉+0玉+(60玉×1円÷4円)=50玉であり、S104で算出される基本払出玉数と合算玉数との差分が125玉−50玉=75玉となる。従って、制御ユニット328は、乗入れ画面に「75玉計数で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図22のS4040A)。
次いで、この状態で、計数・端数払出ユニット340によりパチンコ玉の計数が行われる計数処理が発生し、120玉が計数されたものとする(図22のS4050)。このとき、計数・端数払出ユニット340の制御部350から制御ユニット328に対して計数信号が入力され、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている計数玉数の値が加算される。そして、当該口座の計数玉数が1以上であり計数払出が可能となったことに基づいて、計数プレイLED319bを点灯し、計数プレイボタン319の操作を有効とする(図22のS4060)。
このとき、基本単価に対応した口座の貯玉数は35玉から更新されていないが、基本単価に対応した口座の計数玉数は、0玉から120玉に更新されている(図22のS4070A)。制御ユニット328は、計数処理が発生したこと(即ち乗入れ先口座の計数玉数が更新されたこと)に基づいて、前述した必要計数玉数算出処理を実行する。
この例では、必要計数玉数算出処理のS102で算出される合算玉数が、(35玉+120玉)+0玉+(60玉×1円÷4円)=170玉となる。制御ユニット328は、S103で合算玉数が基本払出玉数以上となっていること、即ち、必要計数玉数が0であることに基づいて、S110で乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンを表示すると共に、S111で乗入れ画面に「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示することになる。
従って、制御ユニット328は、乗入れ画面の乗入れ操作領域312bに、無効態様で表示されていた乗入れ払出ボタンに代えて、貯玉移行ボタンを表示する(図22のS4080)と共に、「貯玉移行で乗入れ可」のメッセージを表示するようにしている(図22及び図23のS4100)。
次に、遊技者が、乗入れ画面において、乗入れ操作領域312bの貯玉移行ボタンを操作したものとする(図23のS4110)。このとき、図18の貯玉移行数算出処理が実行され、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の各口座の貯玉数に加算すべき計数玉数が算出される。
この例では、合算玉数(50)が基本払出玉数(125)に満たないため、S203ではNoと判定され、S204では差分が125玉−50玉=75玉と算出され、S205では、乗入れ先口座である4円口座の貯玉数(35)に加算すべき4円口座の計数玉数が75と設定される。また、S211では、乗入れ元口座である2円口座の貯玉数(0)に加算すべき2円口座の計数玉数が0と設定され、1円口座の貯玉数(60)に加算すべき1円口座の計数玉数が0と設定される。
次いで、制御ユニット328は、会員管理装置150に対して、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の各口座に加算すべき計数玉数を指定する貯玉移行通知を送信する(図23のS4111A)。本例では、貯玉移行通知に、会員カードから読み取られた会員番号と、4円口座の貯玉数に加算させるべき4円口座の計数玉数を指定する4円加算数(75)と、2円口座の貯玉数に加算させるべき2円口座の計数玉数を指定する2円加算数(0)と、1円口座の貯玉数に加算させるべき1円口座の計数玉数を指定する1円加算数(0)と、が含まれる。なお、第2実施形態では、CU3の基本単価に対応した口座以外の口座の計数玉数は0であるため、貯玉移行処理が実行されるときには、当該CU3の基本単価に対応した口座の貯玉数のみが実際の加算対象となる。
貯玉移行通知を受信した会員管理装置150は、受信した貯玉移行通知に含まれる会員番号に対応付けて管理されている乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数を特定すると共に、各口座の貯玉数に、指定された加算数を加算する(図23のS4115A)。本例では、4円口座の貯玉数(35)に4円加算数(75)を加算し、2円口座の貯玉数(0)に2円加算数(0)を加算し、1円口座の貯玉数(60)に1円加算数(0)を加算する。これにより、4円口座の貯玉数は110、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は60となる。
次いで、会員管理装置150は、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数に対応する口座の計数玉数が移行されたことを示す貯玉移行結果をCU3に送信する(図23のS4116A)。これにより、貯玉移行結果を受信したCU3の制御ユニット328において、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数に、指定した加算玉数が加算されたことが確認される。
貯玉移行結果を受信した制御ユニット328では、RAM328bに記憶している各口座の貯玉数に、S4111Aで指定した各口座に対応する加算数を加算すると共に、RAM328に記憶している各口座の計数玉数から、S4111Aで指定した各口座に対応する加算数を減算する(図23のS4128A)。
本例では、4円口座の貯玉数(35)に4円加算数(75)を加算し、2円口座の貯玉数(0)に2円加算数(0)を加算し、1円口座の貯玉数(60)に1円加算数(0)を加算する。これにより、制御ユニット328が記憶する4円口座の貯玉数は110、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は60となる。また、4円口座の計数玉数(120)から4円加算数(75)を減算し、2円口座の計数玉数(0)から2円加算数(0)を減算し、1円口座の計数玉数(0)から1円加算数(0)を減算する。これにより、4円口座の計数玉数は45、2円口座の計数玉数は0、1円口座の計数玉数は0となる。
本例では、S4111Aで設定された4円加算数が75、2円加算数が0、1円加算数が0であったことにより、「4円計数玉75玉を貯玉に移行しました。」とのみ表示される(図23のS4130A)。そして、制御ユニット328は、乗入れ払出可能玉数を再計算し(図23のS4150)、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンに代えて乗入れ払出ボタンが有効態様で表示された乗入れ画面を表示する(図23のS4160)。
本例では、貯玉移行処理により、4円口座の貯玉数は110、2円口座の貯玉数は0、1円口座の貯玉数は60となっているため、乗入れ画面に表示される乗入れ払出可能玉数は、[110玉+(0玉×2円÷4円)+(60玉×1円÷4円)]=125玉となる。これにより、遊技者は、乗入れ払出が可能となり、乗入れ払出ボタンを操作することで乗入れ払出が実行されることを把握することができる。
このように、第2実施形態では、貯玉移行ボタンが操作されたときに、カードR/W327で受け付けられている会員カードが返却されることなく、貯玉移行処理が実行され、乗入れ先口座の貯玉数に、対応する口座の計数玉数の少なくとも一部を移行させるようにしている。従来であれば、前述したように、CU3から会員カードが挿入されたときにのみ、各口座の計数玉数全部を、対応する各口座の貯玉数に加算すると共に、CU3で記憶されている各口座の計数玉数を0にクリアする処理を実行するところであるが、この実施の形態では、CU3における遊技者の操作によって、会員カードを返却することなく、貯玉移行処理を実行可能としているため、乗入れ払出を実行させようとする遊技者の利便性を高めることができる。
[変形例]
次に、前述した実施の形態の変形例を挙げる。
(1)上記の実施形態では、貯玉移行処理が実行されると、乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数(計数玉数)の全部が加算され、乗入れ先口座の貯玉数には、対応する口座の持玉数(計数玉数)の一部又は全部が加算されるようになっているが、このような形態に限らず、乗入れ元口座及び乗入れ先口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数(計数玉数)の全部が加算されるようにしても良い。
図24の変形例1では、計数処理前、4円貯玉数が5玉、2円貯玉数が20玉、1円貯玉数が40玉であり、4円持玉数が10玉、2円持玉数が30玉、1円持玉数が60玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(5玉+10玉)−{(20玉+30玉)×2円÷4円}−{(40玉+60玉)×1円÷4円}]=60玉となる。
そして、計数処理が発生して200玉の計数が行われると、4円持玉数が210玉となる。この状態で貯玉移行処理が実行されると、2円持玉数の全部である30玉、1円持玉数の全部である60玉、4円持玉数の全部である210玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の2円貯玉数は20玉+30玉=50玉、2円持玉数は30玉−30玉=0玉、1円貯玉数は40玉+60玉=100玉、1円持玉数は60玉−60玉=0玉、4円貯玉数は5玉+210玉=215玉、4円持玉数は210玉−210玉=0玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、250玉≦[215玉+(50玉×2円÷4円)+(100玉×1円÷4円)]<375玉であるため、250玉となる。
この変形例1では、前述した例3のように、計数処理後の4円持玉数の一部(70玉)のみを4円貯玉数に加算することにより、乗入れ払出を実行可能となるが、変形例1では、乗入れ元口座のみを対象とした貯玉移行処理によって乗入れ払出を実行可能となるにもかかわらず、貯玉移行ボタンが操作されることにより、乗入れ元口座(4円)及び乗入れ先口座(2円,1円)の貯玉数に、対応する口座(4円,2円,1円)の持玉数(計数玉数)の全部が加算される。
(2)上記の実施形態では、貯玉移行処理が実行されると、全ての乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数(計数玉数)の全部が加算される例について説明したが、このような形態に限らず、一部の乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数(計数玉数)の一部又は全部が加算されるようにしても良い。
図24の変形例2では、計数処理前、4円貯玉数が45玉、2円貯玉数が40玉、1円貯玉数が80玉であり、4円持玉数が0玉、2円持玉数が100玉、1円持玉数が120玉の状態である。このとき算出される必要計数玉数は、[125玉−(45玉+0玉)−{(40玉+100玉)×2円÷4円}−{(80玉+120玉)×1円÷4円}]≦0、であるため、0玉となる。
そして、計数処理が発生することなく、この状態で貯玉移行処理が実行されると、2円持玉数100玉のうち80玉が貯玉移行処理の対象となり、貯玉移行処理後の2円貯玉数は40玉+80玉=120玉、2円持玉数は100玉−80玉=20玉となる。このとき、乗入れ払出可能玉数は、[45玉+(120玉×2円÷4円)+(80玉×1円÷4円)]=125玉となるため、1円口座の貯玉数に、対応する1円口座の持玉数を加算させるまでもなく、乗入れ払出が実行可能となる。
即ち、複数の乗入れ元口座(2円口座及び1円口座)のうち一部の乗入れ元口座(2円口座)のみを対象とした貯玉移行処理を実行することにより、乗入れ払出が実行可能となる場合には、該一部の乗入れ元口座のみを対象とした貯玉移行処理を実行するようにしても良い。また、乗入れ元口座に対応した口座の持玉数(計数玉数)の全部を貯玉数に加算させるまでもなく、乗入れ払出が実行可能となる場合には、該持玉数(計数玉数)の一部のみを貯玉数に加算させるようにしても良い。
なお、変形例2では、乗入れ優先順位テーブルで定められた優先順位に従って、優先順位の高い乗入れ元口座(例えば、最優先の乗入れ元口座である2円口座)から優先的に貯玉移行処理を実行するようにしているが、このような形態に限らず、優先順位の低い乗入れ元口座(例えば、次に優先される乗入れ元口座である1円口座)から優先的に貯玉移行処理を実行するようにしても良い。
また、乗入れ優先順位テーブルで定められた優先順位とは関係無く、貯玉移行処理の対象とする乗入れ元口座の優先順位を会員管理装置150で設定して、設定された優先順位をCU3に送信して記憶させ、CU3及び会員管理装置150において、設定された優先順位に従って貯玉移行処理が実行されるようにしても良い。
(3)上記の実施形態では、乗入れ操作領域312bに操作されている貯玉移行ボタンを操作することにより、貯玉移行処理が実行されて、該乗入れ操作領域312bに、貯玉移行ボタンに代えて、貯玉払出を実行させるときに操作する乗入れ払出ボタンが表示される例について説明した。即ち、貯玉移行ボタンの操作が乗入れ払出の意思確認操作を兼ねており、共通の操作によって、貯玉移行処理及び乗入れ払出の意思確認が実行される例について説明した。
このような形態に限らず、乗入れ操作領域312bに表示された貯玉移行ボタンを操作することで、貯玉移行処理が実行され、貯玉移行処理の完了後に、遊技者の操作を要することなく続けて乗入れ払出が実行されるようにしても良い。上記の実施形態では、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンが表示される条件(貯玉移行処理を実行させる操作が可能となる条件)は、貯玉移行処理が実行されることによって乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出が可能となる場合である。そのため、貯玉移行ボタンの操作に応じて、貯玉移行処理の完了後に自動的に乗入れ払出を実行するようにしても良い。
このような構成とした場合には、貯玉移行処理を実行させる貯玉移行ボタンの操作が、乗入れ払出の意思確認操作及び乗入れ払出を実際に実行させる操作を兼ねており、共通の操作によって、貯玉移行処理及び乗入れ払出の意思確認、並びに乗入れ払出が実行される。これにより、乗入れ払出を実行させるための操作を簡素化することができる。
なお、乗入れ払出の意思確認が、前述したような会員管理装置150で管理されている暗証番号と、CU3に入力された暗証番号との照合完了(暗証番号の一致)である場合には、照合完了によって、その後の遊技者の操作を要することなく自動的に貯玉移行処理が実行されるようにしても良く、照合完了によって、その後の遊技者の操作を要することなく自動的に貯玉移行処理及びその後の乗入れ払出が実行されるようにしても良い。
(4)上記の実施形態では、貯玉移行処理が実行されることによって乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出が実行可能となる場合にのみ、乗入れ操作領域312bに貯玉移行ボタンが表示され、貯玉移行処理を実行させる操作が可能(有効)となる例について説明した。これによれば、仮に貯玉移行処理を実行したとしても、貯玉移行処理後の乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて算出される乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数未満となることにより、乗入れ払出が実行できないという事態を防止して、遊技者の無駄な操作を回避することができる。
このような形態に限らず、仮に貯玉移行処理を実行したとしても、貯玉移行処理後の乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に基づいて算出される乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数未満となる場合であっても、貯玉移行ボタンを表示して、貯玉移行ボタンの操作によって貯玉移行処理を実行可能としても良い。このような構成とした場合には、貯玉移行処理によって、乗入れ先口座及び乗入れ元口座の貯玉数に、対応する口座の持玉数の全部を移行させるようにすると良い。
(5)上記の実施形態では、CU3が会員管理装置150と通信可能である場合にのみ、乗入れ払出が許容される例について説明したが、CU3が会員管理装置150と通信不能な状態であっても、制御ユニット328が記憶している各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出を実行可能としても良い。この場合には、乗入れ払出が実行されるときに、制御ユニット328側で記憶されている各口座の貯玉数が減算され、会員カードが排出されるときに、該会員カードに更新後(減算後)の各口座の貯玉数が記録されるようにすると良い。そして、会員管理装置150と通信可能なCU3に会員カードが挿入されたときに、CU3が受け付けた会員カードから読み取られた会員番号及び各口座の貯玉数が会員管理装置150に対して送信され、会員管理装置150では、受信した会員番号に関連付けられている各口座の貯玉数を、受信した各口座の貯玉数に更新するようにすると良い。
(6)上記の第1実施形態では、CU3における遊技媒体の計数処理や持玉払出が実行されたときに、持玉管理装置140で管理されている持玉数が更新されず、会員カードが返却されるときに持玉管理装置140で管理されている持玉数が更新される例について説明したが、このような形態に限らず、遊技媒体の計数処理や持玉払出により制御ユニット328に記憶される持玉数が更新されるときに、該CU3と持玉管理装置140との間で通信が行われ、CU3にて受付中のカードのカードIDに対応付けて持玉管理テーブルで管理されている持玉数が、当該CU3にて記憶されている持玉数に更新されるようにしても良い。
(7)上記の第2実施形態では、CU3から会員カードが排出されるときに、該会員カードの会員番号及び制御ユニット328に記憶されていた各口座の計数玉数を含むカード排出通知を送信し、会員管理装置150では、受信したカード排出通知に含まれる会員番号に対応付けて管理している各口座の貯玉数に、該カード排出通知で指定される各口座の計数玉数を加算するようにしている(ただし、このとき実際に更新されるのはCU3の基本単価に対応した口座の貯玉数のみとなる)。このような形態に限らず、会員管理装置150において、貯玉数と当日貯玉数を別に管理するようにしておき、営業終了時処理が実行されたとき又は景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときに、各口座の貯玉数に、対応する口座の当日貯玉数を加算するようにしても良い。
具体的には、CU3から会員カードが排出されるときに、該会員カードの会員番号及び制御ユニット328に記憶されていた各口座の計数玉数を含むカード排出通知を送信し、会員管理装置150では、受信したカード排出通知に含まれる会員番号に対応付けて管理している各口座の当日貯玉数に、該カード排出通知で指定される各口座の計数玉数を加算するようにする。そして、会員管理装置150では、営業終了時処理が実行されたとき又は景品交換用POS端末170に会員カードが挿入されたときに、会員番号毎に、各口座の当日貯玉数を、対応する口座の貯玉数に加算する。
このような構成とした場合において、CU3に会員カードが挿入されると、CU3は、カードR/W327で受け付けた会員カードの会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている各口座の当日貯玉数を取得する。CU3では、取得した当日貯玉数のうち、当該CU3の基本単価に対応した口座の当日貯玉数を減算して遊技媒体の付与を行う付与処理が可能である。
そして、このような構成のCU3において、乗入れ操作領域312bに表示された貯玉移行ボタンが操作されると、1以上の口座の当日貯玉数の一部又は全部が、対応する口座の貯玉数に移行される貯玉移行処理が実行される。このときの貯玉移行処理における当日貯玉数と貯玉数との関係は、第1実施形態における持玉数と貯玉数との関係と同様であり、例えば、図21の例1〜例4の説明における持玉数を当日貯玉数と読み替えると良い。
なお、このような当日貯玉数を管理する場合には、当日貯玉数と貯玉数とを同じコンピュータで管理せず、貯玉数は会員管理装置150で管理する一方、当日貯玉数は会員管理装置150と通信可能に接続され、双方向のデータ送信が可能な当日貯玉数管理コンピュータで管理するようにしても良い。
(8)上記の第1実施形態では、いずれの口座(4円,2円,1円)の持玉数を貯玉移行処理の対象とするかについて、予め定められた優先順位に従って決定される例について説明したが、このような形態に限らず、いずれの口座の持玉数を貯玉移行処理の対象とするかを、CU3における遊技者の操作により選択可能としても良い。例えば、貯玉移行処理の対象として2円口座を選択することにより、4円口座、2円口座、及び1円口座のうち、2円口座の持玉数のみを、2円口座の貯玉数に加算させることが可能となる。
(9)上記の実施形態では、貯玉移行処理の対象となる口座の持玉数あるいは計数玉数のうち、何玉を貯玉に移行させるかに関して、乗入れ払出可能玉数が基本払出玉数以上となるように自動的に設定される例について説明したが、このような形態に限らず、貯玉移行処理の対象となる口座の持玉数あるいは計数玉数のうち、何玉を移行させるかについて、遊技者の入力操作により設定可能としても良い。
(10)上記の実施形態では、遊技者の貯玉移行操作に基づいて、持玉数あるいは計数玉数の少なくとも一部が貯玉数に加算される例について説明したが、このような形態に限らず、遊技者の操作によらず持玉数あるいは計数玉数の少なくとも一部が貯玉数に自動的に加算されるようにしても良い。例えば、貯玉移行処理前の各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出を実行することはできないが、仮に貯玉移行処理を実行した場合には移行後の各口座の貯玉数に基づいて乗入れ払出を実行可能となる場合には、遊技者の操作によらず、各口座の持玉数あるいは計数玉数の少なくとも一部が貯玉数に自動的に加算されるようにしても良い。
なお、このような構成とする場合には、(1)現在の乗入れ先口座の貯玉数と乗入れ元口座の貯玉数をCU3の基本単価の玉数に換算した玉数との合算玉数が、既に乗入れ払出を実行可能な基本払出玉数に達しているとき、(2)上記合算玉数が基本払出玉数に達しておらず且つ各口座の持玉数あるいは計数玉数を対応する各口座の貯玉数に加算したとしても、該加算後の上記合算玉数が基本払出玉数に達しないときには、上記のような自動的な加算を実行せず、(3)上記合算玉数が基本払出玉数に達していないが各口座の持玉数あるいは計数玉数を対応する各口座の貯玉数に加算した場合に、該加算後の上記合算玉数が基本払出玉数に達するときには、上記のような自動的な加算を実行可能とすると良い。
(11)上記の第1実施形態では、ビジターカード又は会員カードがCU3に挿入されたときに、CU3が持玉管理装置140及び会員管理装置150から各口座の持玉数及び貯玉数を取得すると共に、持玉管理装置140及び会員管理装置150においても各口座の持玉数及び貯玉数を継続して記憶する例について説明したが、このような形態に限らず、CU3が持玉管理装置140及び会員管理装置150から各口座の持玉数及び貯玉数を取得したことに基づいて、持玉管理装置140及び会員管理装置150において対応するカードID及び会員番号の各口座の持玉数及び貯玉数を0にクリアするようにしても良い。このような構成とする場合には、ビジターカード又は会員カードがCU3から排出されるときに、CU3で記憶されていた各口座の持玉数及び貯玉数が持玉管理装置140及び会員管理装置150に送信され、持玉管理装置140及び会員管理装置150において受信した持玉数及び貯玉数を、対応するカードID及び会員番号の各口座の持玉数及び貯玉数として記憶するようにすると良い。
(12)上記の第2実施形態では、ビジターカード又は会員カードがCU3に挿入されたときに、CU3が会員管理装置150から各口座の貯玉数を取得すると共に、会員管理装置150においても各口座の貯玉数を継続して記憶する例について説明したが、このような形態に限らず、CU3が会員管理装置150から各口座の貯玉数を取得したことに基づいて、会員管理装置150において対応するカードID及び会員番号の各口座の貯玉数を0にクリアするようにしても良い。このような構成とする場合には、ビジターカード又は会員カードがCU3から排出されるときに、CU3で記憶されていた各口座の貯玉数(ただし、CU3の基本単価に対応した貯玉数については該貯玉数に計数玉数を合算した後の更新後の貯玉数)が会員管理装置150に送信され、会員管理装置150において受信した各口座の貯玉数を、対応するカードID及び会員番号の各口座の貯玉数として記憶するようにすると良い。
(13)上記の実施形態では、CU3にて貨幣が受け付けられる毎に、また、CU3でプリペイド払出が実行される毎に、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額が更新されると共に、CU3と残額管理装置100との間で通信が実行され、残額管理装置100で管理されているプリペイド残額も更新される例について説明したが、このような形態に限らず、CU3にて貨幣が受け付けられたとき、CU3でプリペイド払出が実行されたときには、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額が更新される一方で、CU3と残額管理装置100との間では通信が実行されず、残額管理装置100で管理されているプリペイド残額が更新されないようにしても良い。
このような構成とする場合には、CU3からカードが返却されるときに、該カードのカードIDと制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額とを含む情報が残額管理装置100に送信され、残額管理装置140において、受信したカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額を、受信したプリペイド残額に更新するようにすると良い。
(14)上記の実施形態では、CU3にて貯玉払出や乗入れ払出が実行される毎に、制御ユニット328で記憶されている各口座の貯玉数が更新されると共に、CU3と会員管理装置150との間で通信が実行され、会員管理装置150で管理されている各口座(1以上の口座)の貯玉数も更新される例について説明したが、このような形態に限らず、CU3にて貯玉払出や乗入れ払出が実行されたときには、制御ユニット328で記憶されている各口座の貯玉数が更新される一方で、CU3と会員管理装置150との間では通信が実行されず、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数は更新されないようにしても良い。
このような構成とする場合には、CU3から会員カードが返却されるときに、該会員カードの会員番号と制御ユニット328で記憶されている各口座の貯玉数とを含む情報が会員管理装置150に送信され、会員管理装置150において、受信した会員番号に対応付けて管理している各口座の貯玉数を、受信した各口座の貯玉数に更新するようにすると良い。
(15)上記の実施形態では、カードR/W327からカードが返却されることに伴い、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードが供給される例について説明したが、このような形態に限らず、カードR/W327からカードが返却されるときには、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードを搬送しないようにしても良い。即ち、カードR/W327の所定位置にカードが存在しない状態で、貨幣受付及びプリペイド払出、並びに、計数処理及び持玉払出を実行可能としても良い。
このような構成とした場合には、上記(13)に示したように、貨幣受付及びプリペイド払出に基づいて制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額が更新される一方で、CU3と残額管理装置100との間では通信が実行されず残額管理装置100で管理されているプリペイド残額は更新されない構成とすると良い。また、上記実施形態のように、計数処理及び持玉払出に基づいて制御ユニット328に記憶されている基本単価の持玉数が更新される一方で、CU3と持玉管理装置140との間では通信が実行されず持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数は更新されない構成とすると良い。
そして、カードR/W327の所定位置にカードが存在しない状態で(カードR/W327にカードが受け付けられていない状態で)、返却ボタン22が操作されると、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードを搬送し、該所定位置のビジターカードのカードIDと制御ユニット328で記憶しているプリペイド残額とを含む情報を残額管理装置100に送信すると共に、該所定位置のビジターカードのカードIDと制御ユニット328で記憶している各口座の持玉数とを含むカード排出通知を持玉管理装置140に送信し、さらに、該所定位置のビジターカードに制御ユニット328で記憶しているプリペイド残額並びに各口座の持玉数及び日付を記録して返却すると良い。
CU3から上記の情報を受信した残額管理装置100では、受信したカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額を、受信したプリペイド残額に更新する。また、CU3から上記のカード排出通知を受信した持玉管理装置140では、受信したカードIDに対応付けて管理している各口座の持玉数を、受信した各口座の持玉数に更新する。