以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技システム及び遊技方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例1では、持玉をカード管理装置に登録する場合について示し、実施例2では、持玉を貯玉にする場合について示す。また、実施例3では、他の台間カード処理機に持玉を送信して遊技可能とする構成について示す。
本明細書中にあって持玉とは、遊技者が遊技において獲得した遊技媒体または当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技者が遊技において獲得した遊技媒体また当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技者および会員遊技者の双方が使用可能であり、遊技台を移動した場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技者のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料が課される(手数料は遊技媒体数を減算することで徴収される)ことが通常であるが、時間帯や会員種別によって徴収しないこととしてもよい。
まず、本実施例1に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技システムは、封入式遊技機20と、封入式遊技機20に対応して設けられた台間カード処理機10と、封入式遊技機120と、封入式遊技機120に対応して設けられた台間カード処理機110と、カード管理装置40と、会員管理装置30とが通信回線90を介して接続されている。
封入式遊技機20は、装置内部に封入されたパチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行う封入式のパチンコ機等の装置である。この封入式遊技機20は、台間カード処理機10が玉貸し処理を行った場合に持玉数を加算し、持玉が存在する範囲で、遊技領域にパチンコ玉を打ち込むことができる。また、打ち込んだパチンコ玉が入賞したならば、入賞に応じた賞玉数を持玉数に加算する。
また、封入式遊技機20は、遊技客により持玉返却操作がなされた場合に、台間カード処理機10に対して持玉数を送信する。さらに、台間カード処理機10からの指示に応答して、持玉数を一時記憶することができる。
台間カード処理機10は、プリペイド価値の管理、パチンコ玉の貸し出し、カード排出処理、カード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、この紙幣分のプリペイド価値を記憶するととともに、所定の玉貸し操作がなされたならば、所定数のプリペイド価値を減算しつつ、減算したプリペイド価値分に対応する持玉数を封入式遊技機20に加算させる。
また、台間カード処理機10は、カードを受け付けたならば、該カードに関連付けられたプリペイド価値を記憶する。また、該カードに関連付けられた持玉数が示す貸出レートなどの遊技種と、遊技者により選択された遊技種が一致していれば当該持玉数をカード管理装置40から取得し、封入式遊技機20の持玉数に加算させる。この「遊技種」とは、貸出レートが同一であっても景品交換の際の交換率(遊技媒体あたり何円相当の景品と交換可能であるかを示す比率)やプレミア(貸出に関して付与される特典)の付与率が異なる場合など、運営上遊技に用いる遊技媒体を相互に分別して扱うべきものと定められている種別である。つまり、たとえ同一貸出レートであっても複数の遊技種が存在し得る。ここで、単一のレートの持玉数のみが関連付けられたカードの場合には、該カードに他レートの持玉数を関連付けることができないため、選択されたレートが該カードに関連付けられたレートと一致しなければプリペイド価値のみを読み込んで記憶した上でカードを排出する。また、単一のレートの持玉数のみが関連付けられていたとしても、選択されたレートに対応する持玉記憶エリアがあるカードであれば、該カードに他レートの持玉数を関連付けることができるため、排出せずに後の処理を行う。
さらに、台間カード処理機10は、遊技客により持玉返却操作がなされた場合に、封入式遊技機20から持玉数を受信し、カードIDと持玉数を対応付けてカード管理装置40にカード情報更新依頼を行う。カード情報の更新が正常に行われたならば、台間カード処理機10は、封入式遊技機20の持玉数を零にクリアさせる。
また、カード管理装置40との通信途絶が検知された状態で封入式遊技機20から持玉数を受信したならば、台間カード処理機10は、持玉数をカードIDと対応付けて一時記憶するとともに、封入式遊技機20に対して持玉数を一時記憶するよう指示する。
このように、封入式遊技機20は、遊技の制御に必要な持玉に関する情報を適時台間カード処理機10に送信し、カード管理装置40との通信制御は台間カード処理機10が行う。なお、封入式遊技機120及び台間カード処理機110については、封入式遊技機20及び台間カード処理機10と同様であるので、説明を省略する。
カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカード情報として管理する管理装置である。カード管理装置40は、台間カード処理機10及び台間カード処理機110からカードID及び持玉数を受信したならばカードデータを更新し、台間カード処理機10及び台間カード処理機110からカードIDを受信したならば、該カードIDに対応する持玉数を通知する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10又は台間カード処理機110から貯玉の預入要求又は引出要求を受け付けたならば、該要求に基づいて会員管理装置30に対して会員情報更新依頼を行い、会員管理装置30による処理結果を台間カード処理機10又は台間カード処理機110に通知する。
会員管理装置30は、遊技店に会員登録された会員の会員情報を管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、貯玉、ポイント、暗証番号、氏名、性別、年齢及び住所等を管理する。会員管理装置30は、カード管理装置40から会員情報更新依頼を受け付けたならば、該会員情報更新依頼に基づいて会員情報の更新処理を行って処理結果をカード管理装置40に通知する。
次に、封入式遊技機20が持玉の返却を行う場合の遊技システムの動作の概要について説明する。まず封入式遊技機20が持玉返却操作(1)を受け付けると、封入式遊技機20は、台間カード処理機10に持玉数送信(2)を行う。台間カード処理機10は、封入式遊技機20から持玉数を受信すると、封入式遊技機20に受信通知(3)を行い、封入式遊技機20に持玉数をクリアさせる(4)。
台間カード処理機10は、カードIDと持玉数をカード管理装置40に送信してカード情報更依頼(5)を行う。カード管理装置40は、カード情報更新依頼を受信したならばカード情報更新(6)を行って、台間カード処理機10に更新通知(7)する。台間カード処理機10は、カード管理装置40から更新通知を受けて、カード返却(8)を行う。
次に、図1に示した台間カード処理機の外観構成について説明する。図2は、図1に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。なお、台間カード処理機110の外観構成は台間カード処理機10と同一であるので、台間カード処理機10について外観構成を説明し、台間カード処理機110の外観構成の説明は省略する。また、図2には、台間カード処理機10が併設される封入式遊技機20を破線で図示している。図2では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
図2に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、持玉カードや会員カードを受け付けるカード挿入口14と、持玉から貯玉への移行を指示するための貯玉ボタン19とが設けられている。
また、封入式遊技機20には、封入されたパチンコ玉を遊技領域に打ち込む際に使用するハンドル21と、プリペイド価値の残数を表示するプリペイド価値表示部15と、持玉数を表示する持玉数表示部16と、プリペイド価値から持玉への移行を指示するための玉貸しボタン17と、持玉返却を指示するための持玉返却ボタン18とが設けられている。その詳細な説明は後述するが、このプリペイド価値表示部15、持玉数表示部16及び玉貸しボタン17は、封入式遊技機20の前面に設けられており、台間カード処理機10の制御部に直結されている。
次に、図1に示した台間カード処理機及び遊技機の内部構成について説明する。図3は、台間カード処理機10及び封入式遊技機20の内部構成を示すブロック図である。なお、台間カード処理機110及び封入式遊技機120の内部構成は、台間カード処理機10及び封入式遊技機20と同一であるので、台間カード処理機10及び封入式遊技機20について内部構成を説明し、台間カード処理機110及び封入式遊技機120の内部構成については説明を省略する。
図3に示すように、台間カード処理機10は、表示操作部13と、リードライト(R/W)部10aと、紙幣搬送部10bと、通信I/F部10cと、通信I/F部10dと、貯玉ボタン19と、記憶部10eと、制御部10fとを有する。
R/W部10aは、カード挿入口14に挿入されたカードに記憶されたカードID及びプリペイド価値データを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14に挿入されたカードは、このR/W部10aを経て図示しないカード収納部に収納される。
紙幣搬送部10bは、紙幣挿入口12から挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。通信I/F部10cは、封入式遊技機20との間のデータ通信を行うためのインタフェース部であり、通信I/F部10dは、通信回線90を介してカード管理装置40との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。
通信I/F部10cは、セキュリティチップ部10c1を有している。セキュリティチップ部10c1は、自己の識別ID及び所定の暗号化・復号化プログラムを有するものであり、後述する封入式遊技機20のセキュリティチップ部との間で通信を行うためのものである。セキュリティチップ部10c1は、通信I/F部10cから入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合はそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、自己の識別IDと相手方の識別IDを用いて、封入式遊技機20のセキュリティチップ部との間で相互認証処理を行う。ここで相互認証OKであれば、出力の場合は暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合は、相手方からのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。封入式遊技機20のセキュリティチップ部との間では、予め暗号化・復号化方式が取り決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。ここで、セキュリティ性を要しないデータとは、返却ボタン等の入力信号等、不正に入力されても実質的に損害のないものが含まれる。セキュリティ性を要するデータとは、持玉数データ、遊技機における不正検出信号など、遊技者・遊技店の利益に直接かかわるものが含まれる。また、セキュリティ性を要するデータ種別かどうかの判断は、制御部10fで行っても良い。また、相互認証にてNGとなった場合には、相互認証NGを検知した機器(遊技機あるいは台間カード処理機)は上位装置および自機の表示部に異常を出力した上で、エラーダウンする。
記憶部10eは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、カードID10e1、プリペイド価値データ10e2、バックアップデータ10e3及び縮退カードID10e4を記憶する。カードID10e1は、R/W部10aが読み取ったカードのIDである。プリペイド価値データ10e2は、遊技客の現時点のプリペイド価値の残数であり、紙幣又はカード投入により加算され、持玉数への移行により減算される。
バックアップデータ10e3は、持玉数をカードIDと対応付けた一時記憶データであり、カード管理装置40との通信途絶が検知された状態で封入式遊技機20から持玉数を受信した場合に生成される。縮退カードID10e4は、カード管理装置40との通信途絶が検知された状態で台間カード処理機10又は台間カード処理機110から返却されたカードのIDを示す。
制御部10fは、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、カードデータ管理部10f1、紙幣処理部10f2、カード処理部10f3、レート選択部10f6、バックアップデータ管理部10f4及び縮退運用処理部10f5を有する。また、この制御部10fには、プリペイド価値表示部15が直結されている。
カードデータ管理部10f1は、記憶部10eに記憶したプリペイド価値データ10e2を用いて、プリペイド価値を管理する。このカードデータ管理部10f1は、紙幣挿入口12に紙幣が挿入されると、この紙幣分に相当するプリペイド価値をプリペイド価値データ10e2に加算する。同様に、カードデータ管理部10f1は、カード挿入口14にカードが挿入されると、このカードに関連付けられたプリペイド価値をプリペイド価値データ10e2に加算する。また、カードID10e1をカード管理装置40に送信し、該カードID及びレートに対応する持玉数をカード管理装置40から受け取って、封入式遊技機20に通知し、持玉数に加算させる。
レート選択部10f6は、パチンコ玉の貸出レートを変更する処理部である。具体的には、レート選択部10f6は、表示操作部13に選択可能な貸出レートを表示制御し、遊技客による表示操作部13に対するレート選択操作を検知して、パチンコ玉の貸出レートとする。
カードデータ管理部10f1は、封入式遊技機20の玉貸しボタン17が押下操作されると、プリペイド価値データ10e2を所定数(例えば、10度数)減算し、減算したプリペイド価値の度数及び貸出レートにより定まる数の持玉数を追加するよう封入式遊技機20に通知する。
また、持玉返却ボタン18が押下操作され、カードを排出する場合には、カードデータ管理部10f1は、封入式遊技機20が記憶する持玉数データ22aを取得し、該持玉数データ22aが示す持玉数、貸出レート並びにカードID10e1をカード管理装置40に送信してカード情報更新依頼を行う。その後、カードデータ管理部10f1は、封入式遊技機20に対して持玉数データ22aを零にクリアするよう指示する。
紙幣処理部10f2は、紙幣挿入口12から受け付けた紙幣を搬送制御しつつ該紙幣の金種識別及び真偽識別を行った後に、該紙幣を図示しない紙幣収納部に収納する処理部である。紙幣処理部10f2は、受け付けた紙幣が真正な紙幣であると識別した場合には、金種に対応する価値をカードデータ管理部10f1に通知し、プリペイド価値の加算を行わせる。
カード処理部10f3は、カード挿入口14からカードを受け付けたならば、R/W部14aによりカードID及びプリペイド価値を読み取らせる。そして、このカードID10e1を記憶部10eに格納し、プリペイド価値をプリペイド価値データ10e2に加算する。また、カード処理部10f3は、持玉返却ボタン18が押下操作され、カードデータ管理部10f1によりカード管理装置40のカード情報が更新された後に、プリペイド価値データ10e2をカードに書き込んでカード挿入口14から返却する。
バックアップデータ管理部10f4は、通信I/F部10dによるカード管理装置40との通信状況に基づいて、バックアップデータ10e3の管理を行う処理部であり、対応付処理部10g1、通信状況検知部10g2及び記憶制御部10g3を有する。
対応付処理部10g1は、持玉返却ボタン18の押下操作に基づいて封入式遊技機20から受信した持玉数をカードID10e1と対応付けてバックアップデータ10e3を生成し、記憶部10eに格納する処理部である。
通信状況検知部10g2は、通信I/F部10dによるカード管理装置40及び中継装置との通信状態を判断し、以下の3状態のフラグを立てる。ここで、中継装置とは、複数の遊技機を有する島ごとに設けられ、カード管理装置40との通信を中継する、所謂島コントローラである。
通信状況検知部10g2は、第1縮退状態、第2縮退状態、第3縮退状態を示すフラグを通信状態に基づいて設定する。第1縮退状態は、台間カード処理機10と島コントローラ間がオフラインの状態に対応し、島コントローラからの定期通信がないことで判断できる。この第1縮退状態では、低額紙幣(例えば1000円)のみ運用可能とする。
第2縮退状態は、台間カード処理機10と島コントローラとの間がオンラインであり、且つ島コントローラとカード管理装置40との間オフラインであり、さらに島コントローラと他の島コントローラとの間がオフラインの状態に対応する。この第2縮退状態は、島コントローラからの縮退指令信号により台間カード処理機10が判断する。第2縮退状態では、低額紙幣(例えば1000円)のみ運用可能とする。
第3縮退状態は、台間カード処理機10と島コントローラとの間がオンラインであり、且つ島コントローラとカード管理装置40との間がオフラインであり、且つ島コントローラと他の島コントローラとの間がオンラインの状態に対応する。この第3縮退状態は、島コントローラからの縮退指令信号により台間カード処理機10が判断する。第3縮退状態では、全ての金種が運用可能である。第3縮退状態は、他の島コントローラがカード管理装置40の代わりに入金情報を記憶している状態であるが、封入式遊技機で1円などの低レートが選択されているときは、高額金種を受け付ける必要はないので、かかる縮退状態を低額紙幣運用としてもよい。
次に、通信状況検知部10g2による通信判定処理について説明する。図4は、通信判定処理について説明するフローチャートである。通信状況検知部10g2は、島コントローラとの前回の通信から所定時間(例えば60秒)が経過したかを判定する(ステップS001)。所定時間が経過し(ステップS001;Yes)、所定時間内に上位装置である島コントローラから通信があったならば(ステップS002;Yes)、通信状態検知部10g2はそのまま通信判定処理を終了する。
前回の通信から所定時間が経過し(ステップS001;Yes)、所定時間内に上位装置である島コントローラから通信がなかったならば(ステップS002;No)、通信状態検知部10g2は、第1縮退状態を設定して(ステップS003)、通信判定処理を終了する。
前回の通信から所定時間が経過する前に(ステップS001;No)、縮退指令を受信したならば(ステップS004;Yes)、通信状況検知部10g2は指令に応じた縮退状態を設定して(ステップS005)、処理を終了する。
島コントローラは、一例として10秒間隔ごとに各台間カード処理機10にポーリングを行っている。前回通信からの時間を計測する際、「持玉」「貯玉」「再プレイ」などの取引通信があればこの取引通信からの時間を計測する。封入式遊技機20の場合は、「レート変更」も上位装置に通知するので、この通知も「前回通信」として扱う。
また、通信状況検知部10g2は、持玉返却指示に基づいて封入式遊技機20から通知された持玉数について整合性を判定する。まず、受信した持玉数にかかる信号の様式(フォーマット)が予め定められたものと一致するかどうかを判定する。この様式は、封入式遊技機20との接続時または電源ON時において信号の送受信により決定されており、開始データ、終了データ、信号長等が定められている。様式が適合していれば、次に、受信した持玉数データが正当であるかどうか、例えばチェックサム等が整合しているかどうかを判定する。通信状況検知部10g2は、持玉数データの送信を受けた場合に、自らの状態が例えばエラー状態等で格納できない場合には、受信不可を封入式遊技機20に向けて送信し、封入式遊技機20はこれを受けて持玉数を消去せずに持玉数の送信がエラーになったことを表示等で出力する。
記憶制御部10g3は、通信状況検知部10g2により通信途絶が検知された状態で封入式遊技機20から持玉数を受信した場合に、対応付処理部10g1にバックアップデータ10e3の生成及び格納を行わせるとともに、封入式遊技機20に対して持玉数を一時記憶するよう指示する。
縮退運用処理部10f5は、通信途絶が発生した場合の運用を制御する処理部であり、縮退管理部10h1及び縮退判定部10h2を有する。縮退管理部10h1は、通信状況検知部10g2によりカード管理装置40との間の通信途絶が検知された状態で封入式遊技機20から持玉数を受信した際に、台間カード処理機110等の他の各台装置と通信可能な場合には、該持玉数の関連付け対象となるカードIDを縮退カードIDとして通信可能な他の台間カード処理機に通知する。
また、縮退管理部10h1は、他の台間カード処理機から縮退カードIDを受信したならば、縮退カードID10e4として記憶部10eに格納する処理を行う。なお、図3では縮退カードID10e4を1つのみ図示したが、縮退管理部10h1は、複数の縮退カードID10e4を受信したならば、それぞれを記憶部10eに格納する。
縮退判定部10h2は、カード処理部10f3により読み取られたカードIDが縮退カードID10e4のいずれかと一致するか否かを判定する処理部である。縮退判定部10h2は、カード処理部10f3により読み取られたカードIDが縮退カードID10e4のいずれかと一致すると判定したならば、カードデータ管理部10f1及びバックアップデータ管理部10f4に縮退運用を行わせる。
カードデータ管理部10f1は、縮退運用中には、プリペイド価値を減算して持玉を加算する処理は行うが、カード管理装置40からの持玉の取得は行わないよう動作を制限する。また、バックアップデータ管理部10f4は、縮退運用中に封入式遊技機20から持玉数を受信した場合に、対応付処理部10g1にバックアップデータ10e3の生成及び格納を行わせるとともに、封入式遊技機20に対して持玉数を一時記憶するよう指示する。
封入式遊技機20は、通信I/F部24、玉貸しボタン17、持玉数表示部16、持玉返却ボタン18、記憶部22及び制御部23を有する。通信I/F部24は、台間カード処理機1との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。
通信I/F部24は、セキュリティチップ部24aを有している。セキュリティチップ部24aは、自己の識別ID及び所定の暗号化・復号化プログラムを有するものであり、台間カード処理機10のセキュリティチップ部10c1との間で通信を行うためのものである。セキュリティチップ部24aは、通信I/F部24から入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合はそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、自己の識別IDと相手方の識別IDを用いて、台間カード処理機10のセキュリティチップ部10c1との間で相互認証処理を行う。ここで相互認証OKであれば、出力の場合は暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合は、相手方からのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。台間カード処理機10のセキュリティチップ部10c1との間では、予め暗号化・復号化方式が取り決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。ここで、セキュリティ性を要しないデータとは、返却ボタン等の入力信号等、不正に入力されても実質的に損害のないものが含まれる。セキュリティ性を要するデータとは、持玉数データ、遊技機における不正検出信号など、遊技者・遊技店の利益に直接かかわるものが含まれる。また、セキュリティ性を要するデータ種別かどうかの判断は、制御部23で行っても良い。
玉貸しボタン17、持玉数表示部16及び持玉返却ボタン18は、封入式遊技機20の制御部23と接続されている。玉貸しボタン17が押下操作されると、制御部23は台間カード処理機10に対して玉貸し要求を送信する。台間カード処理機10は、制御部23から玉貸し要求を受信したならば、プリペイド価値を減算して対応する数の持玉数を追加するよう封入式遊技機20に通知する。制御部23は、台間カード処理機10からの通知を受けて記憶部22に記憶された持玉数データ22aを加算する。
持玉数表示部16は、記憶部22に記憶された持玉数データ22aが示す持玉数を表示する。また、持玉返却ボタン18が押下操作されると、制御部23は、持玉数データ22aを台間カード処理機10に送信する。
プリペイド価値表示部15は、封入式遊技機20の前面に設けられており、台間カード処理機10の制御部10fに直結している。プリペイド価値表示部15は、台間カード処理機10の記憶部10eに記憶されたプリペイド価値データ10e2の残度数を表示する。
封入式遊技機20の記憶部22は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、持玉数データ22a及びバックアップデータ22cを記憶する。持玉数データ22aは、遊技客の現時点の持玉数であり、パチンコ玉を遊技領域に打ち出した場合に減算され、入賞により加算される。
バックアップデータ22cは、持玉数をカードID等の識別情報と対応付けた一時記憶データであり、台間カード処理機10からの指示によって生成される。持玉数と対応付ける識別情報には、カードIDの他に、バックアップデータの作成日時などを用いることができる。
制御部23は、封入式遊技機20を全体制御する制御部であり、遊技制御部23a、持玉管理部23b及びバックアップデータ管理部23cを有する。遊技制御部23aは、封入されたパチンコを用いた遊技を制御する。また、持玉管理部23bは、持玉数データ22aを管理する。具体的には、持玉管理部23bは、台間カード処理機10から持玉に追加する玉数の通知を受けたならば、通知された玉数を加算して持玉数データ22aを更新する。また、持玉管理部23bは、遊技領域にパチンコ玉を打ち出す度に持玉数を減算し、パチンコ玉が入賞した場合に持玉数を加算して持玉数データ22aを更新する。
バックアップデータ管理部23cは、台間カード処理機10からバックアップデータの作成指示を受信したならば、持玉数データ22aとカードID等の識別情報とを対応付けてバックアップデータ22cを生成し、記憶部22に記憶する処理を行う。また、バックアップデータ管理部23cは、台間カード処理機10からバックアップデータを要求されたならば、バックアップデータ22cを読み出して台間カード処理機10に送信する。
次に、台間カード処理機10とカード管理装置40との通信が確立している場合の遊技システムの持玉返却処理手順について説明する。図5は、通信確立状態での持玉返却処理手順について説明するフローチャートである。
まず、封入式遊技機20は、持玉返却操作を受け付ける(ステップS101)と、台間カード処理機10に持玉数送信(ステップS102)を行う。台間カード処理機10は、封入式遊技機20から持玉数を受信すると、封入式遊技機20に受信通知(ステップS103)を行う。封入式遊技機20は、台間カード処理機10から受信通知を受けると、持玉数データ22aを零にクリアして(ステップS104)、処理を終了する。
台間カード処理機10は、封入式遊技機20に対して受信通知(ステップS103)を行った後、カードIDと持玉数をカード管理装置40に送信してカード情報更依頼(ステップS105)を行う。カード管理装置40は、カード情報更新依頼を受信したならばカード情報更新(ステップS106)を行って、台間カード処理機10に更新通知し(ステップS107)、処理を終了する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から更新通知を受けたならば、プリペイド価値データ10e2をカードに書き込んでカード挿入口14から返却するカード返却(ステップS108)を行って、処理を終了する。
次に、台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信が途絶している状態で封入式遊技機20が持玉の返却を行う場合の遊技システムの動作の概要について説明する。図6は、通信途絶状態での持玉返却動作について説明するための説明図である。
まず、封入式遊技機20が持玉返却操作(1)を受け付けると、封入式遊技機20は、台間カード処理機10に持玉数送信(2)を行う。台間カード処理機10は、通信状況検知部10g2によりカード管理装置40との通信途絶を検知し、持玉数とカードIDを対応付けたバックアップデータ10e3を生成して記憶部10eに格納するとともに、封入式遊技機20に持玉保持指示を送信する(4)。封入式遊技機20は、持玉保持指示を受けて持玉数をカードIDと対応付けてバックアップデータ22cを生成して記憶部22に格納し(5)、持玉数データ22aを零にクリアする(6)。その後、台間カード処理機10は、プリペイド価値をカードに書き込んでカード返却(7)を行う。
次に、台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信が途絶している状態での遊技システムの持玉返却処理手順について説明する。図7は、通信途絶状態での持玉返却処理手順について説明するフローチャートである。
まず、封入式遊技機20は、持玉返却操作を受け付ける(ステップS201)と、台間カード処理機10に持玉数送信(ステップS202)を行う。台間カード処理機10は、カード管理装置40との通信が途絶した状態で封入式遊技機20から持玉数を受信すると、持玉数とカードIDを対応付けたバックアップデータ10e3を生成して記憶部10eに格納する(ステップS203)。ステップS203の後、台間カード処理機10は、封入式遊技機20に持玉保持指示を送信する(ステップS204)。
封入式遊技機20は、持玉保持指示を受けて持玉数をカードIDと対応付けたバックアップデータ22cを生成して記憶部22に格納する(ステップS205)。ステップS205の後、封入式遊技機20は、持玉数データ22aを零にクリアして(ステップS206)、処理を終了する。
台間カード処理機10は、ステップS204の後、プリペイド価値データ10e2をカードに書き込んでカード挿入口14から返却するカード返却(ステップS108)を行って、処理を終了する。
次に、台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信が途絶から復旧(オンラインに復帰)した場合の動作の概要について説明する。図8は、通信途絶状態から復旧した場合の動作の概要について説明するための説明図である。
まず、台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信がオンラインに復帰したことを通信状況検知部10g2が検知すると(8)、台間カード処理機10は、封入式遊技機20にバックアップデータを要求する(9)。封入式遊技機20は、台間カード処理機10からの要求を受けて記憶部22からバックアップデータ22cを読み出して台間カード処理機10に送信する(10)。
台間カード処理機10は、封入式遊技機20から受信したバックアップデータ22cにより示された持玉数と台間カード処理機10に内部記憶したバックアップデータ10e3により示された持玉数とが一致するかを判定する(11)。このようにバックアップデータを照合することで、台間カード処理機10又は封入式遊技機20の記憶する持玉数が誤作動、故障や不正な操作により異常な値となった場合に、該異常な値がカード管理装置40の持玉数として反映されることを防止できる。
台間カード処理機10は、持玉数の一致をチェックした後、カード管理装置40に対してカード情報更新依頼(12)を行う。カード管理装置40は、カード情報更新依頼を受信したならばカード情報更新(13)を行って、台間カード処理機10に更新通知(14)する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から更新通知を受けて、バックアップデータ10e3を消去し(15)、封入式遊技機20に対してバックアップデータのクリア指示を行う(16)。封入式遊技機20は、台間カード処理機10からの指示に基づいて、バックアップデータ22cを消去する(17)。
次に、通信途絶状態から回復した場合の遊技システムの処理手順について説明する。図9は、通信途絶状態から回復した場合の処理手順について説明するフローチャートである。
台間カード処理機10の通信状況検知部10g2は、カード管理装置40との通信途絶を検知した後、通信状況を監視し、オンラインに復帰したか否かを判定する(ステップS308)。判定の結果、オンラインに復帰しているならば(ステップS308;Yes)、台間カード処理機10のバックアップデータ管理部10f4は、封入式遊技機20に対してバックアップデータを要求する(ステップS309)。
封入式遊技機20のバックアップデータ管理部23cは、台間カード処理機10からバックアップデータの要求を受けたならば、記憶部22からバックアップデータ22cを読み出して台間カード処理機10に送信する(ステップS310)。
台間カード処理機10のバックアップデータ管理部10f4は、封入式遊技機20から受信したバックアップデータ22cと記憶部10eから読み出したバックアップデータ10e3とが一致するかを判定(ステップS311)したうえで、カード管理装置40に対してカード情報更新依頼を行う(ステップS312)。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からのカード情報更新依頼に基づいてカード情報を更新し(ステップS312)、台間カード処理機10に対して更新通知を行って(ステップS314)、処理を終了する。
台間カード処理機10の記憶制御部10g3は、カード管理装置40からの更新通知をうけたならばバックアップデータ10e3を消去し(ステップS315)、封入式遊技機20に対してバックアップデータのクリア指示を送信して(ステップS316)、処理を終了する。また、封入式遊技機20は、台間カード処理機10からバックアップデータのクリア指示を受信したならば、記憶部22のバックアップデータ22cを消去して(ステップS317)、処理を終了する。
このように、台間カード処理機10は、カード管理装置40との通信が途絶している場合には、台間カード処理機10及び封入式遊技機20で持玉を一時記憶し、カード管理装置40との通信が回復した場合にカード情報の更新を行うので、カード管理装置40との通信が途絶している場合であっても持玉を返却し、カードを排出することができる。
次に、カード管理装置40との通信が途絶している状況での遊技システムの運用について説明する。台間カード処理機10が封入式遊技機20の持玉を返却し、カードの排出を行った後、遊技客は排出されたカードを他の台間カード処理機に挿入して遊技を行う場合がある。このような場合には、持玉の情報がカード管理装置40のカード情報に反映されていないため、獲得した持玉を使用して遊技を行うことはできないが、カードに書き込まれたプリペイド価値を利用可能な縮退運用を行う。
図10は、遊技システムの縮退運用について説明するための説明図である。まず、封入式遊技機20が持玉返却操作(1)を受け付けると、封入式遊技機20は、台間カード処理機10に持玉数送信(2)を行う。台間カード処理機10は、通信状況検知部10g2によりカード管理装置40との通信途絶を検知し、持玉数とカードIDを対応付けたバックアップデータ10e3を生成して記憶部10eに格納する(3)とともに、封入式遊技機20に持玉保持指示を送信する(4)。封入式遊技機20は、持玉保持指示を受けて持玉数をカードIDと対応付けてバックアップデータ22cを生成して記憶部22に格納し(5)、持玉数データ22aを零にクリアする(6)。
持玉数データ22aを零にクリアした後、台間カード処理機10は、カードIDを縮退カードIDとして他の台間カード処理機に通知する(6a)。台間カード処理機10から縮退カードIDの通知を受けた台間カード処理機110は、縮退カードIDを記憶する(6b)。
縮退カードIDを通知した後、台間カード処理機10は、プリペイド価値をカードに書き込んでカード返却(7)を行う。台間カード処理機110は、カードの挿入を受け付けると(7a)、挿入されたカードのカードIDが縮退カードIDとして記憶されているかをチェックして(7b)、遊技を開始する(7c)。
図11は、遊技システムの縮退運用を行う場合の持玉返却処理手順について説明するフローチャートである。図11に示したフローチャートは、台間カード処理機10がステップS204とステップS207との間で縮退カードIDの通知(ステップS206a)を行う点が図7に示したフローチャートと異なる。その他の処理動作は図7と同様であるので、説明を省略する。
図12は、遊技システムの縮退運用を行う場合のカード受付処理の処理手順について説明するフローチャートである。図12に示したように台間カード処理機110の縮退管理部10h1は、他の台間カード処理機から縮退カードIDを受信したならば(ステップS401;Yes)、受信した縮退カードIDを記憶部10eに記憶させる(ステップS402)。
ステップS402の後又は縮退カードIDを受信していなければ(ステップS401;No)、カード処理部10f3は、カード挿入口14にカードが挿入されたかを判定する(ステップS403)。カードが挿入されていなければ(ステップS403;No)、台間カード処理機110は、ステップS401に戻る。
カードが挿入されたならば(ステップS403;Yes)、台間カード処理機110のカード処理部10f3は、カードIDを読み出して(ステップS404)、記憶部10eに記憶させる。縮退判定部10h2は、読み出したカードIDが縮退カードIDとして登録されているかを判定する(ステップS405)。
読み出したカードIDが縮退カードIDとして登録されていなければ(ステップS405;No)、台間カード処理機110は通常の遊技処理を行う(ステップS407)。一方、読み出したカードIDが縮退カードIDとして登録されているならば(ステップS405;Yes)、台間カード処理機110は持玉数をカードIDと対応付けてバックアップデータを作成しつつ遊技処理を行う(ステップS406)。
次に、縮退運用後に台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信が途絶から回復(オンラインに復帰)した場合の動作の概要について説明する。図13は、縮退運用後に通信途絶状態から回復した場合の動作の概要について説明するための説明図である。
まず、台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信がオンラインに復帰したことの検知(8)から、封入式遊技機20のバックアップデータ22cの消去(17)までは、図8と同様であるので、説明を省略する。
封入式遊技機20のバックアップデータ22cの消去(17)の後、カード管理装置40は、各台間カード処理機に対してカード最新情報の問い合わせを行う(18)。台間カード処理機110は、カード管理装置40からのカード最新情報の問い合わせを受けたならば、封入式遊技機120にバックアップデータを要求する(19)。封入式遊技機120は、台間カード処理機110からの要求を受けて記憶部22からバックアップデータ22cを読み出して台間カード処理機110に送信する(20)。
台間カード処理機110は、カード管理装置40に対して持玉数を通知する(21)。カード管理装置40は、台間カード処理機110から受信した持玉数をカード管理情報の持玉数に加算する(23)。また、台間カード処理機110は、バックアップデータ10e3を消去し(23)、封入式遊技機120に対してバックアップデータのクリア指示を行う(24)。封入式遊技機120は、台間カード処理機110からの指示に基づいて、バックアップデータ22cを消去する。
次に、縮退運用後に通信途絶状態から回復した場合の遊技システムの処理手順について説明する。台間カード処理機10及び封入式遊技機20の処理については図9に示した処理と同様であるので説明を省略し、カード管理装置40、台間カード処理機110及び封入式遊技機120の処理について図14を参照して説明を行う。
カード管理装置40は、カード情報の更新を行った縮退カードIDを指定して、各台間カード処理機に対してカード最新履歴の問い合わせを行う(ステップS518)。台間カード処理機110のバックアップデータ管理部10f4は、カード最新履歴の問い合わせで指定された縮退カードIDを記憶しているならば、封入式遊技機120に対してバックアップデータを要求する(ステップS519)。
封入式遊技機120のバックアップデータ管理部23cは、台間カード処理機110からバックアップデータの要求を受けたならば、記憶部22からバックアップデータ22cを読み出して台間カード処理機110に送信する(ステップS520)。
台間カード処理機110のバックアップデータ管理部10f4は、カード管理装置40に対して持玉数を通知する(ステップS521)。カード管理装置40は、台間カード処理機110から受信した持玉数をカード情報の持玉数に加算して更新し(ステップS5222)、処理を終了する。
台間カード処理機110の記憶制御部10g3は、カード管理装置40に持玉数を通知した後、バックアップデータ10e3を消去し(ステップS523)、封入式遊技機120に対してバックアップデータのクリア指示を送信して(ステップS524)、処理を終了する。また、封入式遊技機120は、台間カード処理機110からバックアップデータのクリア指示を受信したならば、記憶部22のバックアップデータ22cを消去して(ステップS524a)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例1では、台間カード処理機10が封入式遊技機20の持玉数を封入式遊技機20から受信してカードIDに対応付け、カード管理装置40との通信制御は台間カード処理機10が行うよう構成したので、貨幣処理ユニット及びカード処理ユニットのメンテナンス並びにカード管理装置との通信を行う場合であっても封入式遊技機を安定して動作させることができる。
また、台間カード処理機10は、カード管理装置40との通信が途絶している場合には、台間カード処理機10及び封入式遊技機20で持玉を一時記憶し、カード管理装置40との通信が回復した場合にカード情報の更新を行うので、カード管理装置40との通信が途絶している場合であっても持玉を返却し、カードを排出することができる。
加えて、台間カード処理機10が一時記憶した持玉数と封入式遊技機20が一時記憶した持玉数が一致するかを判定することで、不正などによる持玉数の異常を検知することができる。
さらに、カード管理装置40との通信が途絶した場合には、縮退運用を行って各台間カード処理機で持玉数を一時記憶し、カード管理装置40との通信が復旧した後に各台間カード処理機から一時記憶された持玉数を収集して加算することができる。
ところで、上記実施例1では、持玉をカード管理装置に登録する場合について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、持玉を貯玉にする場合にも適用することができる。そこで、本実施例2では、持玉を貯玉にする場合を示すこととする。なお、台間カード処理機及び封入式遊技機の外観構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。また、台間カード処理機及び封入式遊技機の内部構成についても実施例1と同様であるので、説明を省略する。
まず、台間カード処理機10とカード管理装置40との通信が確立した状況での貯玉について説明する。図15は、台間カード処理機10とカード管理装置40との通信が確立した状況での貯玉を行う場合の遊技システムの動作の概要について説明するための説明図である。まず、台間カード処理機10が貯玉ボタン19の押下操作を受け付ける(1)と、台間カード処理機10は封入式遊技機20に対して持玉数を要求する(2)。
封入式遊技機20は、台間カード処理機10からの要求を受けると、台間カード処理機10に持玉数送信(3)を行う。台間カード処理機10は、封入式遊技機20から持玉数を受信すると、封入式遊技機20に受信通知(4)を行い、封入式遊技機20に持玉数をクリアさせる(5)。
台間カード処理機10は、カードIDと持玉数をカード管理装置40に送信して持玉数を会員情報の貯玉数に加算する会員情報更依頼(6)を行う。カード管理装置40は、会員情報更新依頼を受信したならば、会員管理装置30に対して持玉数を会員情報の貯玉数に加算する会員情報更依頼(7)を行う。
会員管理装置30は、会員情報更新依頼を受信したならば、会員情報更新(8)を行って、カード管理装置40に更新通知(9)する。カード管理装置40は、会員管理装置30から更新通知を受けたならば、台間カード処理機10に(10)する。台間カード処理機10は、カード管理装置40から更新通知を受けて、カード返却(11)を行う。
次に、台間カード処理機10とカード管理装置40との通信が確立している場合の遊技システムの貯玉処理手順について説明する。図16は、通信確立状態での貯玉処理手順について説明するフローチャートである。
まず、台間カード処理機10は、貯玉ボタン19の押下操作を受け付ける(ステップS601)と、封入式遊技機20に対して持玉数を要求する(ステップS602)。封入式遊技機20は、台間カード処理機10から持玉数を要求されると、記憶部22から持玉データ22aを読み出して台間カード処理機10に送信する(ステップS603)。台間カード処理機10は、封入式遊技機20から持玉数を受信すると、封入式遊技機20に受信通知(ステップS604)を行う。封入式遊技機20は、台間カード処理機10から受信通知を受けると、持玉数データ22aを零にクリアして(ステップS605)、処理を終了する。
台間カード処理機10は、封入式遊技機20に対して受信通知(ステップS604)を行った後、カードIDと持玉数をカード管理装置40に送信して持玉数を貯玉に加算する会員情報更依頼(ステップS606)を行う。カード管理装置40は、会員情報更新依頼を受信したならば、会員管理装置40に会員情報更新依頼(ステップS607)を行う。
会員管理装置30は、会員情報更新依頼を受信したならば、会員情報更新(ステップS608)を行って、カード管理装置40に更新通知し(ステップS607)、処理を終了する。また、カード管理装置40は、会員管理装置30から受信した更新通知を台間カード処理機10に送信して(ステップS610)、処理を終了する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から更新通知を受けたならば、プリペイド価値データ10e2をカードに書き込んでカード挿入口14から返却するカード返却(ステップS611)を行って、処理を終了する。
次に、台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信が途絶している状態で貯玉を行う場合の遊技システムの動作の概要について説明する。図17は、通信途絶状態での貯玉動作について説明するための説明図である。まず、台間カード処理機10が貯玉ボタン19の押下操作を受け付ける(1)と、台間カード処理機10は封入式遊技機20に対して持玉数を要求する(2)。
封入式遊技機20は、台間カード処理機10からの要求を受けると、台間カード処理機10に持玉数送信(3)を行う。台間カード処理機10は、通信状況検知部10g2によりカード管理装置40との通信途絶を検知し、持玉数とカードIDを対応付けたバックアップデータ10e3を生成して記憶部10eに格納する(4)とともに、封入式遊技機20に持玉保持指示を送信する(5)。封入式遊技機20は、持玉保持指示を受けて持玉数をカードIDと対応付けてバックアップデータ22cを生成して記憶部22に格納し(6)、持玉数データ22aを零にクリアする(7)。
持玉数データ22aを零にクリアした後、台間カード処理機10は、カードIDを縮退カードIDとして他の台間カード処理機に通知する(6a)。台間カード処理機10から縮退カードIDの通知を受けた台間カード処理機110は、縮退カードIDを記憶する(6b)。
縮退カードIDを通知した後、台間カード処理機10は、プリペイド価値をカードに書き込んでカード返却(8)を行う。台間カード処理機110は、カードの挿入を受け付けると(7a)、挿入されたカードのカードIDが縮退カードIDとして記憶されているかをチェックして(7b)、遊技を開始する(7c)。
次に、台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信が途絶している状態での貯玉処理手順について説明する。図18は、通信途絶状態での貯玉処理手順について説明するフローチャートである。
まず、台間カード処理機10は、貯玉ボタン19の押下操作を受け付ける(ステップS601)と、封入式遊技機20に持玉数の要求を行う(ステップS602)。封入式遊技機20は、台間カード処理機10からの要求を受けたならば、記憶部22から持玉データ22aを読み出して台間カード処理機10に送信する(ステップS603)。
台間カード処理機10は、カード管理装置40との通信が途絶した状態で封入式遊技機20から持玉数を受信すると、持玉数とカードIDを対応付けたバックアップデータ10e3を生成して記憶部10eに格納する(ステップS604)。ステップS604の後、台間カード処理機10は、封入式遊技機20に持玉保持指示を送信する(ステップS605)。
封入式遊技機20は、持玉保持指示を受けて持玉数をカードIDと対応付けたバックアップデータ22cを生成し、記憶部22に格納する(ステップS606)。ステップS606の後、封入式遊技機20は、持玉数データ22aを零にクリアして(ステップS607)、処理を終了する。
台間カード処理機10は、ステップS605の後、記憶部10eからカードID10e1を読み出し、縮退カードIDとして他の台間カード処理機に通知する(ステップS606a)。台間カード処理機10は、縮退カードIDを通知した後、プリペイド価値データ10e2をカードに書き込んでカード挿入口14から返却するカード返却(ステップS608)を行って、処理を終了する。
次に、台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信が途絶から復旧(オンラインに復帰)した場合の動作の概要について説明する。図19は、通信途絶状態から回復した場合の貯玉管理の概要について説明するための説明図である。
まず、台間カード処理機10とカード管理装置40との間の通信がオンラインに復帰したことを通信状況検知部10g2が検知すると(8)、台間カード処理機10は、封入式遊技機20にバックアップデータを要求する(9)。封入式遊技機20は、台間カード処理機10からの要求を受けて記憶部22からバックアップデータ22cを読み出して台間カード処理機10に送信する(10)。
台間カード処理機10は、封入式遊技機20から受信したバックアップデータ22cにより示された持玉数と台間カード処理機10に内部記憶したバックアップデータ10e3により示された持玉数とが一致するかを判定する(11)。
台間カード処理機10は、持玉数の一致をチェックした後、カード管理装置40に対してカード情報更新依頼(12)を行う。カード管理装置40は、カード情報更新依頼を受信したならばカード情報更新(13)を行って、台間カード処理機10に更新通知(14)する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から更新通知を受けて、バックアップデータ10e3を消去し(15)、封入式遊技機20に対してバックアップデータのクリア指示を行う(16)。封入式遊技機20は、台間カード処理機10からの指示に基づいて、バックアップデータ22cを消去する(17)。
封入式遊技機20のバックアップデータ22cの消去(17)の後、カード管理装置40は、各台間カード処理機に対してカード最新情報の問い合わせを行う(18)。台間カード処理機110は、カード管理装置40からのカード最新情報の問い合わせを受けたならば、封入式遊技機120にバックアップデータを要求する(19)。封入式遊技機120は、台間カード処理機110からの要求を受けて記憶部22からバックアップデータ22cを読み出して台間カード処理機110に送信する(20)。
台間カード処理機110は、カード管理装置40に対して持玉数を通知する(21)。カード管理装置40は、台間カード処理機110から受信した持玉数をカード管理情報の持玉数に加算する(23)。また、台間カード処理機110は、バックアップデータ10e3を消去し(23)、封入式遊技機120に対してバックアップデータのクリア指示を行う(24)。封入式遊技機120は、台間カード処理機110からの指示に基づいて、バックアップデータ22cを消去する。
カード管理装置40は、各台間カード処理機から持玉数を受信してカード管理情報の持玉数に加算した後、該持玉数を貯玉数に加算する会員情報更新依頼を会員管理装置30に対して行う(25)。会員管理装置30は、カード管理装置40からの会員情報更新依頼を受けたならば会員情報更新(26)を行って、台間カード処理機10に更新通知(27)する。
また、台間カード処理機110は、カード管理装置40との通信が途絶した状態で、閉店処理の信号(例えば中継装置から)を受信した場合には、記憶している縮退カードの情報を遊技機側と照合した上で、一致していれば遊技機側に消去指示を出した上で、自らの情報に「暫定の貯玉」である旨を対応付けて記憶して閉店処理を行う。これは、遊技機側は記憶部の情報がクリアされる蓋然性が高いための処理である。この場合、翌日の営業においてこの「暫定の貯玉」と関連づけられたカードIDが会員情報と関連付けられていれば、予め設定された貯玉上限と比較して、超過していなければ会員情報と対応付けて会員管理装置に加算記憶させる。会員情報と関連付けられていなければこの「暫定の貯玉」情報は破棄される。貯玉上限を超過する場合は、一旦暫定データとして会員管理装置に加算記憶させ、景品交換等で上限を下回るまでは新たな貯玉は不可能となる。
上述してきたように、本実施例2では、カード管理装置40との通信が途絶している場合には、台間カード処理機10及び封入式遊技機20で持玉を一時記憶し、カード管理装置40との通信が復旧した場合に貯玉処理を行うので、カード管理装置40との通信が途絶している場合であってもカードを排出することができる。
ところで、上記実施例1及び実施例2では、縮退運用中の持玉の使用に言及しない例を示したが、本実施例3では、台移動による遊技時に持玉を送信して遊技可能とする構成について示すこととする。なお、台間カード処理機及び封入式遊技機の外観構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
まず、本実施例3にかかる台間カード処理機及び遊技機の内部構成について説明する。図20は、実施例3にかかる台間カード処理機210及び封入式遊技機20の内部構成を示すブロック図である。台間カード処理機210は、縮退運用処理部10f5に持玉数送受信部10h3をさらに備える点が実施例1と異なる。その他の構成及び動作については実施例1に示した台間カード処理機10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、封入式遊技機20の構成及び動作は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
持玉数送受信部10h3は、縮退運用中に他の台間カード処理機との間で持玉数データを送受信する処理部である。具体的には、縮退判定部10h2が、カード処理部10f1により読み取られたカードIDが縮退カードID10e4のいずれかと一致すると判定したならば、持玉数送受信部10h3は、該カードIDに対応付けられた持玉数を他の台間カード処理機に対して要求する。かかる要求の応答として他の台間カード処理機から持玉数を受信すると、持玉数送受信部10h3は、封入式遊技機20に受信した持玉数を送信して、遊技に使用可能とする。
また、他の台間カード処理機から持玉数の要求を受信した場合には、持玉数送受信部10h3は、バックアップデータ10b3を読み出して要求元の台間カード処理機に送信する。バックアップデータ10b3の送信後、持玉数送受信部10h3は、バックアップデータ10b3を零にクリアするとともに、封入式遊技機20に対してバックアップデータのクリア指示を行う。
次に、縮退運用中に台間カード処理機が持玉数を送受信する場合の遊技システムの動作について説明する。図21は、縮退運用中に台間カード処理機が持玉数を送受信する動作を説明するための説明図である。まず、封入式遊技機20が持玉返却操作(1)を受け付けると、封入式遊技機20は、台間カード処理機210に持玉数送信(2)を行う。台間カード処理機210は、通信状況検知部10g2によりカード管理装置40との通信途絶を検知し、持玉数とカードIDを対応付けたバックアップデータ10e3を生成して記憶部10eに格納する(3)とともに、封入式遊技機20に持玉保持指示を送信する(4)。封入式遊技機20は、持玉保持指示を受けて持玉数をカードIDと対応付けてバックアップデータ22cを生成して記憶部22に格納し(5)、持玉数データ22aを零にクリアする(6)。
持玉数データ22aを零にクリアした後、台間カード処理機210は、カードIDを縮退カードIDとして他の台間カード処理機に通知する(6a)。台間カード処理機210から縮退カードIDの通知を受けた台間カード処理機310は、縮退カードIDを記憶する(6b)。
縮退カードIDを通知した後、台間カード処理機210は、プリペイド価値をカードに書き込んでカード返却(7)を行う。台間カード処理機310は、カードの挿入を受け付けると(7a)、挿入されたカードのカードIDが縮退カードIDとして記憶されているかをチェックする(7b)。
挿入されたカードのカードIDが縮退カードIDとして記憶されていれば、台間カード処理機310は、縮退カードIDを指定して持玉数の要求を他の台間カード処理機に送信する。台間カード処理機210は、持玉数の要求を受けて縮退カードIDに対応するバックアップデータ10e3を読み出して持玉数を通知する(7d)。台間カード処理機310は、通知された持玉数を遊技機120の持玉数として、遊技を開始する(7c)。
次に、通信途絶中に貯玉ボタン19の押下操作が行われた場合の動作について説明する。図22は、通信途絶中に貯玉ボタン19の押下操作が行われた場合の動作について説明するための説明図である。まず、台間カード処理機210が貯玉ボタン19の押下操作を受け付ける(1)と、台間カード処理機210は封入式遊技機20に対して持玉数を要求する(2)。
封入式遊技機20は、台間カード処理機210からの要求を受けると、台間カード処理機210に持玉数送信(3)を行う。台間カード処理機210は、通信状況検知部10g2によりカード管理装置40との通信途絶を検知し、持玉数とカードIDを対応付けたバックアップデータ10e3を生成して記憶部10eに格納する(4)とともに、封入式遊技機20に持玉保持指示を送信する(5)。封入式遊技機20は、持玉保持指示を受けて持玉数をカードIDと対応付けてバックアップデータ22cを生成して記憶部22に格納し(6)、持玉数データ22aを零にクリアする(7)。
持玉数データ22aを零にクリアした後、台間カード処理機210は、カードIDを縮退カードIDとして他の台間カード処理機に通知する(6a)。台間カード処理機10から縮退カードIDの通知を受けた台間カード処理機110は、縮退カードIDを記憶する(6b)。
縮退カードIDを通知した後、台間カード処理機10は、プリペイド価値をカードに書き込んでカード返却(8)を行う。台間カード処理機110は、カードの挿入を受け付けると(7a)、挿入されたカードのカードIDが縮退カードIDとして記憶されているかをチェックする(7b)。
挿入されたカードのカードIDが縮退カードIDとして記憶されていれば、台間カード処理機310は、縮退カードIDを指定して持玉数の要求を他の台間カード処理機に送信する。台間カード処理機210は、持玉数の要求を受けて縮退カードIDに対応するバックアップデータ10e3を読み出して持玉数を通知する(7d)。台間カード処理機310は、通知された持玉数を遊技機120の持玉数として、遊技を開始する(7c)。
上述してきたように、本実施例3では、縮退運用中に台間カード処理機の間で持玉数を送受信するよう構成したので、カード管理装置40との通信が途絶している場合であっても任意の封入式遊技機で持玉を利用することができる。なお、貯玉については、カード管理装置40との通信が復旧するまでは持玉として処理することとなる。
なお、上記実施例1、2及び3では、カードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末などを用いる場合に本発明を適用することもできる。特に、ICチップ付携帯端末を媒体として用いる場合は、台間カード処理機10に設けられたリーダライタ(R/W)に当該携帯端末を翳すことにより、ICチップとR/Wとの非接触通信により当該携帯端末と関連付けられたプリペイド価値を取得することができる。
また、上述した実施例のように、第3縮退状態で持玉情報をカード処理機10でバックアップするのではなく、第3縮退状態を判断した場合は島コントローラとは通信が可能なため、島コントローラまでは持玉情報のデータを送信しておき、持玉情報を複数の島コントローラで分担して記憶するように構成してもよい。この場合は、カード処理機10側のデータはクリアした上で、遊技機側のバックアップは保持しておく。また、オンラインに復帰したときは島コントローラと遊技機側のデータを照合する。この場合は、カード処理機10の記憶部の負担を低減することができる。さらに、第3縮退状態を判断した場合には、遊技機側のバックアップデータの記憶を行わず、カード処理機10と島コントローラにてバックアップデータの記憶を行っても良い。この場合にはバックアップデータ(持玉・貯玉)は他の島コントローラとの協働によりいずれかの島コントローラ内に作成されるため、遊技機側の記憶部の負担を低減することができる。
また、上述した実施例2、3では、最初に縮退運用となったカードIDを縮退カードIDとして他のユニットに通知する場合を示したが、本発明の実施はこれに限定されるものではない。一例として、次のような構成であっても良い。すなわち、(1)縮退運用となった場合に、カードを排出する場合には、カードに「自機の機番号」と「縮退カードである旨」の情報を書き込む。(2)次にカードを受け付けた台間カード処理機は、カードから読み出した機番号を「前回使用機の機番号」としてカードIDとともに記憶し、縮退状態で排出する場合には、カードに書き込まれた機番号を自機の機番号に書き換えた上で、「縮退カードである旨」を記載して排出する。(3)オンラインに復帰してからカードを受け付けると、前回使用機が特定されるため、前回使用機に向けてデータを要求する。前回使用機は要求された使用データを返信するとともに、自分が記憶した前々回使用機に向けてデータを要求する。このように順々にデータを要求して収集し、持玉使用および貯玉を可能にする。
また、上述した実施例では、バックアップデータを台間カード処理機と封入式遊技機の双方に記憶させる場合を示したが、これに代えて、オフライン時はカードに持玉情報を書き込むとともに、封入式遊技機のみにバックアップデータを保持しても良い。この場合は、台間カード処理機は封入式遊技機に持玉保持を指示するとともにカードに持玉情報を書き込んで返却する。
また、上述した実施例では、台間カード処理機が上位装置と通信してオフライン時の持玉情報を送受信することとなっているが、封入式遊技機が直接上位装置と通信してもよい。直接通信する場合は、台間カード処理機10から持玉保持の指令が来ていても、上位装置と通信できれば上位装置に持玉情報を送信してもよい。
また、上述した実施例では、遊技者が貯玉操作を行った場合に持玉を貯玉に変える例を示しているが、必ずしも持玉と貯玉をデータとして区別することを要しない。つまり、遊技者が貯玉操作を行った場合であっても、操作を行った当日中(閉店より前の時間)は対象の遊技媒体を持玉と同等の扱いをする、つまり再使用に手数料を要せず、一般遊技者も使用可能とする場合にも適用できる。また、閉店処理時に持玉が存在していた場合に、持玉が会員遊技者と関連付けられていれば、持玉を自動的に貯玉に移行させる場合も含まれる。
また、上述した実施例では、持玉のバックアップデータの一致を台間カード処理機が判断する例を示したが、一致判定は遊技機あるいは上位装置(カード管理装置など)が行っても良い。
また、上述の実施例1、2及び3では、封入式遊技機として遊技球を用いるパチンコ遊技機を例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、封入式遊技機が遊技球を用いる回胴式遊技機および遊技メダルを用いる回胴式遊技機であっても適用することができる。つまり、回胴式遊技機においては、上記実施例における特定の遊技領域を遊技球が通過したことによる「入賞」の信号に代えて、複数の回胴上の図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせがライン上に揃ったことによる「入賞」の信号を台間カード処理機が受信して処理を行うことで構成が実現できる。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、ホールコンピュータ、カード管理装置、会員管理装置は、それらのうちの複数が一体化した装置となっていてもよい。