JP6104222B2 - 非ステロイド系消炎鎮痛貼付剤 - Google Patents
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Description
すなわち本発明は、非ステロイド系消炎鎮痛剤を炭素数が3〜30のグリコールに溶解もしくは分散させ、グリセリンを含むゲル中に均一に分散させることによって非ステロイド系消炎鎮痛剤を安定的に配合させたことを特徴とする水溶性貼付剤とその製造法に関する。
ゲル中のグリセリンの配合量は10〜40重量%であり、好ましくは15〜30重量%である。すなわち、ゲル中のグリセリンの配合量が10重量%未満では、水溶性高分子を十分に分散することができずゲル中にままこが生じる。また、ゲル中のグリセリンの配合量が40重量%より多くなるとゲル表面に保持できなくなったグリセリンが浮き出し現象を起こし、貼付時にべとつきが生じるといった問題が発生する。
これらの炭素数が3〜30のグリコールとグリセリンを特に上記の配合量で用いることにより、ゲル流動性が高くなり、展延性に優れた、初期の粘着力が良好な非ステロイド系消炎鎮痛剤含有水溶性貼付剤を作製できる。
ゲル中の水の配合量は30〜60重量%であり、好ましくは35〜50重量%である。
以下に実施例及び試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ポリビニルアルコール 2.75g、酒石酸 1.2g、70%D−ソルビトール液 20g、カオリン 3g、濃グリセリン 20g、カルメロースナトリウム 3g、ポリアクリル酸部分中和物 5g、 ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート 0.07g、エデト酸ナトリウム 0.1g、ポリソルベート80 0.3g、精製水 適量を均一に混合して含水ゲルを調製した。次にポリエチレングリコール200 4.5gにフルルビプロフェン 0.33g、パラオキシ安息香酸エステル 0.15gを溶解した後、先の調製した含水ゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤を伸縮性不織布上に展延し、粘着基剤表面をポリプロピレンフィルムで被覆することにより貼付剤を成形した。
実施例1〜3と比較例1〜3の各貼付剤を5枚一袋としてアルミニウム袋に密封した後、40℃及び50℃条件下で1ヶ月間保存し、これらの各貼付剤中の非ステロイド系消炎鎮痛剤含有量を高速液体クロマトグラフにより測定した。
その結果を表2に示す。
製剤例1
ポリアクリル酸 5.4g、ヒマシ油 1.5g、70%D−ソルビトール液 10g、ポリアクリル酸ナトリウム 2.5g、カルメロースナトリウム 4.0g、濃グリセリン16.0g、ポリビニルアルコール 3.0g、カオリン 3.0g、酸化チタン 0.5g、合成ヒドロタルサイト 0.12g、エデト酸ナトリウム 0.05g及び精製水 適量を均一に混合して含水ゲルを調製した。次にポリエチレングリコール300 3.0g、ツイン20 0.2gにケトプロフェン 0.5gを溶解分散した後、先の調製した含水ゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤を伸縮性不織布上に展延し、粘着基剤表面をポリエチレンテレフタレートで被覆することにより貼付剤を作製した。
ゼラチン 0.5g、ポリビニルアルコール 0.2gを50℃に加温した精製水 2.5g中で溶解した。この溶解液とポリアクリル酸部分中和物 5.0g、カルメロースナトリウム 3.5g、濃グリセリン 25g、乾燥水酸化アルミニウムゲル 0.55g、70%D−ソルビトール液 20g、カオリン 6.5g、エデト酸ナトリウム 0.08g、酒石酸 1.8g、及び精製水適量を均一に混合して含水ゲルを調製した。次にポリエチレングリコール400 8.0g、ヒマシ油 1.0g、モノオレイン酸ソルビタン 0.5gにフルルビプロフェン 0.5gを溶解分散した後、先の調製した含水ゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤を織布上に展延し、粘着基剤表面をポリエチレンテレフタレートで被覆することにより貼付剤を作製した。
加水分解ゼラチン 0.5gを精製水 2.5gで溶解した。この溶解液とポリアクリル酸部分中和物 3.0g、ポリアクリル酸デンプン 1.0g、濃グリセリン 12.5g、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート 0.05g、ヒドロキシプロピルセルロース 0.5g、エデト酸ナトリウム 0.05g、酒石酸 1.2g及び精製水 適量を均一に混合して含水ゲルを調製した。次にポリエチレングリコール600 4.5g、l−メントール 0.5g、ツイン20 0.3gにイブプロフェン 0.35gを溶解分散した後、先の調製した含水ゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤を織布上に展延し、粘着基剤表面をポリエチレンテレフタレートで被覆することにより貼付剤を作製した。
ポリビニルアルコール 2.25g、酒石酸 1.2g、濃グリセリン 20g、カルメロースナトリウム 3.0g、ポリアクリル酸部分中和物 5.0g、70%D−ソルビトール液 20g、カオリン 3.0g、エデト酸ナトリウム 0.1g、合成ケイ酸アルミニウム 0.08g及び精製水 適量を均一に混合して含水ゲルを調製した。次にポリエチレングリコール600 4.5gにケトプロフェン 0.35gを溶解分散した後、先の調製した含水ゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤を織布上に展延し、粘着基剤表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレートで被覆することにより貼付剤を作製した。
ゼラチン1.0g、ポリビニルアルコール0.4gを60℃に加温した精製水5.6g中で溶解した。この溶解液と前もって予備調製した調製液A(ポリアクリル酸ナトリウム3.5g、カルメロースナトリウム2.0g、濃グリセリン15g、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート0.5g、カルボキシビニルポリマー1.7g、酒石酸0.2g、尿素1.5g)及び調製液B(70%D−ソルビトール液20g、エデト酸ナトリウム0.2g、エチルパラベン0.1g、精製水 適量)を均一に混合して含水ゲルを調製した。次に精製水1.5g、ジイソプロパノールアミン1.5g、亜硫酸ナトリウム 0.05g中にジクロフェナクナトリウム3.0gを溶解分散した後、先の調製した含水ゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤をポリウレタン製発砲体上に展延し、粘着基剤表面をポリプロピレンフィルムで被覆することにより貼付剤を作製した。
ポリビニルアルコール3.0gを60℃に加温した精製水17g中で溶解した。この溶解液と濃グリセリン25g、ポリアクリル酸部分中和物5.0g、カルメロースナトリウム3.0g、ヒドロキシプロピルセルロース0.5g、カオリン3.0g、メタケイ酸アルミン酸金属塩0.25g、酒石酸1.5g及び精製水適量を均一に混合して含水ゲルを調製した。次にポリエチレングリコール600 13g、ポリソルベート80 0.3g中にピロキシカム0.25gとメチルパラベン0.15gを溶解分散した後、先の調製した含水ゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤を織布上に展延し、粘着基剤表面をポリエチレンフィルムで被覆することにより貼付剤を作製した。
更に炭素数が3〜30のグリコールとグリセリンを組み合わせることにより、ゲル流動性が高くなり、展延性に優れた、初期の粘着力が良好な水溶性貼付剤を作製することができる。
Claims (6)
- 架橋剤として多価金属化合物を含有するグリセリン含有ゲル中に、炭素数が3〜30のグリコール及び非ステロイド系消炎鎮痛剤を含むグリコール溶液が分散状態で存在している貼付剤用の粘着基剤であって、ゲル中の炭素数が3〜30のグリコール量が2〜20重量%であって、ゲル中のグリセリン量が10〜40重量%であり、有効成分として非ステロイド系消炎鎮痛剤のみを含み、かつ、アルキルピロリドン、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、乾燥硫酸アルミニウムカリウム、及びグリチルリチン酸の水溶性塩を含まない、粘着基剤であって、上記非ステロイド系消炎鎮痛剤が、イブプロフェン、ケトプロフェン、スプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、及びジクロフェナクナトリウムから選択される粘着基剤。
- 炭素数が3〜30のグリコールがポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、プロピレングリコール、及び1,3ブチレングリコールから選ばれる、請求項1に記載の粘着基剤。
- グリセリン含有ゲルが水溶性高分子、賦形剤、保湿剤、安定化剤、及び水から選ばれる少なくとも1つの成分を含む、請求項1または2に記載の粘着基剤。
- 吸収促進剤、防腐剤、抗酸化剤、可塑剤、乳化剤、及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1つの成分を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着基剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着基剤を含む貼付剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着基剤を支持体上に展延し、さらに粘着基剤表面をプラスチックフィルムで被覆することを特徴とする、貼付剤の製造法。
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