JP6103335B2 - ガラス基板及びその製造方法、並びにガラス基板を用いた有機elデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板及びそれを用いた有機ELデバイスに関し、具体的には、光取り出し効率が高いガラス基板及びそれを用いた有機ELデバイスに関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、軽量、薄肉であり、低消費電力で駆動可能であるため、面発光照明用途として大きな注目を集めている。この有機EL素子は、透光性基板(ガラス基板)の表面に透明電極層を設け、この透明電極層の表面に有機EL材料からなる有機発光層を設けると共に、有機発光層の表面に対向電極を設けることにより作製されている。そして、透明電極層と対向電極との間に電圧を印加すると、有機発光層中で発光した光が、透明電極層及び透光性基板を透過して、外部に取り出される。
しかし、有機発光層中で発光した光の一部は、有機発光層−ガラス基板界面の屈折率差、ガラス基板−空気界面の屈折率差に起因して全反射を起こし、有機EL素子内に閉じ込められる。例えば、屈折率nd1.9の有機発光材料を用い、屈折率nd1.5のガラス基板を用いた場合、有機EL素子の外部に取り出される光は、有機発光層中で発光した光の内、20〜25%程度である。
光取り出し効率の低下を抑制する手段として、ガラス基板の屈折率を高めて、ガラス基板と有機発光層の屈折率を整合させると共に、ガラス基板の表面に凹凸形状を有する透明樹脂シートを付与する方法が検討されている。このようなガラス基板と透明樹脂シートを用いると、有機発光層中で発光した光を効率的に外部に取り出すことができる。
上記透明樹脂シートとして、通常、熱硬化性の樹脂、例えばポリイミドが用いられる。しかし、これらの樹脂の表面に凹凸形状を形成することは容易ではなく、有機ELデバイスの製造コストを高騰させるという問題が生じる。
光取り出し効率を高める手段として、ガラス基板の表面に凹凸形状を物理的に形成することも考えられる。しかし、ガラス基板の表面に凹凸形状を物理的に形成すると、有機EL素子の製造工程において、物理的衝撃によってガラス基板が容易に破損するという問題が生じ得る。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、物理的衝撃によって容易に破損せず、透明樹脂シートを用いなくても、光取り出し効率を高めることができるガラス基板を創案することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、ガラス基板の屈折率を所定範囲に規制すると共に、ガラス基板の表面形状を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス基板は、屈折率ndが1.55以上であって、少なくとも一方の表面に表面粗さRt50〜10000nmの粗面化面を有すると共に、有機ELデバイスに用いることを特徴とする。
ここで、「屈折率nd」は、市販の屈折率測定器(例えば、カルニュー社製の屈折率測定器KPR−2000)により測定することができる。測定試料として、例えばダイシングにより、ガラス基板を25mm角に切り出し、次にこのガラス基板間に屈折率ndが整合する浸液を浸透させた状態で、ガラス基板を積層し、25mm×25mm×約3mm厚の直方体としたものを用いることができる。また、ガラス基板が薄肉であり、ガラスフィルムの形態をなす場合は、測定試料として、例えば、レーザースクライバーを用いて25mm角のガラスフィルムを複数枚切り出し、次にこのガラスフィルム間に屈折率ndが整合する浸液を浸透させた状態で、ガラスフィルムを積層し、25mm×25mm×約3mm厚の直方体としたものを用いることができる。「表面粗さRt」は、JIS R0601(2001)に準拠した方法により測定した値である。「有機ELデバイス」には、有機EL照明等が含まれる。
本発明のガラス基板は、屈折率ndが1.55以上である。このようにすれば、有機層−ガラス基板間の屈折率差が小さくなるため、全反射により有機発光層内に閉じ込められる光を低減することができる。その結果、有機ELデバイスの光取り出し効率を高めることができる。屈折率ndは、1.6以上、特に1.7以上が好ましい。
また、本発明のガラス基板は、少なくとも一方の表面に表面粗さRt50〜10000nmの粗面化面を有する。このようにすれば、ガラス基板中の光を散乱させることが可能になり、ガラス基板中に閉じ込められる光を低減することができる。その結果、有機ELデバイスの光取り出し効率を高めることができる。
第二に、本発明のガラス基板は、屈折率ndが1.55以上であって、少なくとも一方の表面に表面粗さRSmが0.1〜1000μmの粗面化面を有すると共に、有機ELデバイスに用いることを特徴とする。ここで、「表面粗さRSm」は、JIS R0601:2001に準拠した方法により測定した値である。粗面化面の表面粗さRSmを0.1〜1000μmに規制すれば、ガラス基板中の光を散乱させることが可能になり、ガラス基板中に閉じ込められる光を低減することができる。その結果、有機ELデバイスの光取り出し効率を高めることができる。
第三に、本発明のガラス基板は、屈折率ndが1.55以上であって、少なくとも一方の表面に表面粗さRt/RSm0.01〜1の粗面化面を有すると共に、有機ELデバイスに用いることを特徴とする。粗面化面の表面粗さRt/RSmを0.01〜1に規制すれば、ガラス基板中の光を散乱させることが可能になり、ガラス基板中に閉じ込められる光を低減することができる。その結果、有機ELデバイスの光取り出し効率を高めることができる。
第四に、本発明のガラス基板は、粗面化面に対向する表面の表面粗さRtが10nm以下であることが好ましい。ここで、「表面粗さRt」は、JIS R0601(2001)に準拠した方法により測定した値である。このようにすれば、インジウム−錫酸化物(ITO)等の透明電極の品位を高めることができる。
第五に、本発明のガラス基板は、粗面化面が物理的な粗面化処理により形成されてなることが好ましい。このようにすれば、短時間でガラス基板の表面を均一に粗面化処理することができる。
第六に、本発明のガラス基板は、粗面化面がサンドブラスト処理により形成されてなることが好ましい。このようにすれば、短時間で大面積のガラス基板の表面を均一に粗面化処理することができる。サンドブラストで使用するブラスト材の粒度は、#200〜#4000、#200〜#2000、#200〜#1500、特に#200〜#1200が好ましい。ブラスト材の粒度が大き過ぎると、表面粗さRt、RSmを適正範囲に調整し難くなって、光取り出し効率を高め難くなる。一方、ブラスト材の粒度が小さ過ぎると、粗面化面の表面粗さRt、RSmが大きくなり過ぎて、ガラス基板の面内強度が低下し易くなる。
第七に、本発明のガラス基板は、粗面化面が研磨処理により形成されてなることが好ましい。このようにすれば、短時間でガラス基板の表面を均一に粗面化処理することができる。研磨処理で用いる研磨材の粒度は、#220〜#3000、#300〜#2000、#400〜#1500、特に#400〜#1200が好ましい。研磨材の粒度が大き過ぎると、表面粗さRt、RSmを適正範囲に調整し難くなって、光取り出し効率を高め難くなる。一方、研磨材の粒度が小さ過ぎると、粗面化面の表面粗さRt、RSmが大きくなり過ぎて、ガラス基板の面内強度が低下し易くなる。
第八に、本発明のガラス基板は、粗面化面が粗面化処理後に更に薬液処理されてなることが好ましい。このようにすれば、粗面化処理等で生じるマイクロクラックを除去することが可能になり、ガラス基板の面内強度を高めることができる。薬液として、HF、HCl、HSO、HNO、NHF、NaOH、NHHFの群から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましく、特にHFとNHFの混合液又はNHFとNHHFの混合液であることが好ましい。これらの薬液は、ガラスとの反応性が良好であり、粗面化処理等で生じるマイクロクラックを適正に除去することができる。
例えば、サンドブラストは、大面積のガラス基板を均一に粗面化処理し得るが、サンドブラストを行うと、粗面化面に多数のマイクロクラックが生じて、有機ELデバイスの製造工程において、物理的衝撃によりガラス基板が破損し易くなる。そして、ガラス基板の屈折率が高い程、ガラスの骨格構造の観点から、粗面化面にマイクロクラックが発生し易くなる。そこで、粗面化面に薬液処理を行うと、このような問題を解消し易くなる。
これらの薬液は、10〜40℃、15〜35℃、特に20〜30℃の温度で使用されることが好ましい。40℃超の温度で薬液処理すると、薬液が揮発し易くなり、安全面、環境面で問題が生じ得る。一方、10℃未満の温度で薬液処理すると、ガラスと薬液の反応速度が遅くなり過ぎて、ガラス基板の製造効率が低下し易くなる。
第九に、本発明のガラス基板は、薬液処理が酸による薬液処理であることが好ましい。
第十に、本発明のガラス基板は、ガラス組成として、SiOを30〜70質量%含むことが好ましい。
第十一に、本発明のガラス基板は、面内強度が150MPa以上、300MPa以上、500MPa以上、特に1000MPa以上であることが好ましい。このようにすれば、有機ELデバイスの製造工程において、物理的衝撃によりガラス基板が破損し難くなる。ここで、「面内強度」は、リングオンリング試験で測定した値を指す。リングオンリング試験は、例えば、次のようにして行われる。まず直径25mmのリング状の冶具の上にガラス基板(粗面化面側を下方)を載置し、次に直径12.5mmの冶具を用いて、上方からガラス基板を加圧する。具体的な条件は、加重計:島津製作所製強度試験機、加重速度:0.5mm/分、押し位置:中央とする。最後に、ガラス基板が破損した時の破壊加重を面内強度として算出する。
第十二に、本発明のガラス基板は、照明に用いることが好ましい。
第十三に、本発明の有機ELデバイスは、上記のガラス基板を備えることを特徴とする。
本発明の有機ELデバイスの実施態様の一例を説明するための概略図である。
本発明のガラス基板において、粗面化面の表面粗さRtは50〜10000nmである。粗面化面の表面粗さRtが小さ過ぎると、粗面化面で光が反射し難くなり、光取り出し効率を高め難くなる。光取り出し効率を考慮すると、粗面化面の表面粗さRtは100nm以上、300nm以上、特に500nm以上が好ましい。一方、粗面化面の表面粗さRtが大き過ぎると、ガラス基板の面内強度が低下し易くなる。ガラス基板の面内強度を考慮すると、粗面化面の表面粗さRtは9000nm以下、特に8000nm以下が好ましい。
また、本発明のガラス基板において、粗面化面の表面粗さRSmは0.1〜1000μmである。粗面化面の表面粗さRSmが小さ過ぎると、粗面化面で光が反射し難くなり、光取り出し効率を高め難くなる。光取り出し効率を考慮すると、粗面化面の表面粗さRSmは1μm以上、特に5μm以上が好ましい。一方、粗面化面の表面粗さRtが大き過ぎると、ガラス基板の面内強度が低下し易くなる。ガラス基板の面内強度を考慮すると、粗面化面の表面粗さRSmは500μm以下、特に300μm以下が好ましい。
本発明のガラス基板において、粗面化面の表面粗さRt/RSmの比は、0.01〜1である。Rt/RSmが小さ過ぎると、粗面化処理が不十分であるため、ガラス基板がうねった状態になり、光取り出し効率が不十分になる。光取り出し効率を考慮すると、Rt/RSmは0.03以上、特に0.05以上が好ましい。一方、Rt/RSmが大き過ぎると、ガラス基板の面内強度が低下し易くなる。ガラス基板の面内強度を考慮すると、0.5以下、特に0.1以下が好ましい。
粗面化処理の方法として、例えば、研磨処理、サンドブラスト処理、大気圧プラズマ処理、リプレス等が挙げられる。なお、これらの粗面化処理の方法は単なる例示であり、本発明では、その他の手法により、ガラス基板の表面に粗面化面を形成することを妨げるものではない。
大気圧プラズマ処理で粗面化処理すれば、後に洗浄工程が不要になり、製造コストの低廉化を図ることができる。大気圧プラズマ処理に用いられるエッチングガスとして、He、Ar、Xe等の希ガス、CF、C、C等の全フッ化炭素ガス、CHF、CH等の水素化フッ化炭素ガス、CCl、CHClF等のフッ化塩化炭素ガス、CBrF、CFI等のフルオロカーボンガス、CCl、COCl等のFを含まない有機ハロゲンガス、Cl、BCl、SF、NF、HBr、SiCl等の無機ハロゲンガス、CH、C等の炭化水素ガス、その他のガス(例えばO、H、N、CO)が挙げられる。
本発明のガラス基板において、粗面化面に対向する表面が未研磨面であることが好ましく、粗面化面に対向する表面の表面粗さRtは10nm以下、10nm未満、5nm以下、3nm以下、特に1nm以下が好ましい。粗面化面に対向する表面を未研磨面にすれば、ガラス基板が破壊し難くなる。また、粗面化面に対向する表面の表面粗さRtを小さくすれば、その表面に形成されるITOの品位が向上するため、面内の電界の分布を均一に保ち易くなり、結果として、面内に輝度ムラが発生し難くなる。なお、樹脂板は、表面平滑性に劣り、ITOの品位を高めることが困難である。
本発明のガラス基板は、ガラス組成として、SiOを30〜70質量%含むことが好ましい。SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。しかし、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性、成形性が低下したり、屈折率が小さくなり過ぎて、有機発光層の屈折率に整合させ難くなる。一方、SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなったり、耐薬品性が低下したり、面内強度が低下し易くなる。
本発明のガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜70%、Al 0〜20%、LiO+NaO+KO 0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO 5〜55%、TiO 0〜20%、ZrO 0〜15%含有することが好ましい。このようにすれば、屈折率、面内強度を高めることが可能になる。以下、各成分の含有範囲を上記のように規定した理由を示す。なお、「LiO+NaO+KO」は、LiO、NaO、及びKOの合量を指す。「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO、及びBaOの合量を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分であり、その含有量は30〜70%が好ましい。SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下したり、屈折率が小さくなり過ぎて、有機発光層の屈折率に整合させ難くなる。一方、SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなったり、耐薬品性が低下したり、面内強度が低下し易くなる。
Alは、ガラスのネットワークを形成する成分であり、耐候性を高める成分である。Alの含有量は0〜20%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、屈折率が小さくなり過ぎて、有機発光層の屈折率に整合させ難くなることに加えて、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等でガラスを成形し難くなる。
は、ガラスのネットワークを形成する成分であり、その含有量は0〜20%が好ましい。Bの含有量が多過ぎると、耐薬品性が低下したり、屈折率が小さくなり過ぎて、有機発光層の屈折率に整合させ難くなることに加えて、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等でガラスを成形し難くなる。
LiO+NaO+KOの含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%が好ましい。LiO+NaO+KOの含有量が多過ぎると、耐熱衝撃性が低下したり、耐酸性が低くなって、ITOのパターニング工程において、酸によりガラス基板が破損し易くなる。
LiOは、溶融性や成形性を高める成分であり、更には耐失透性を改善する成分である。LiOの含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。LiOの含有量が多過ぎると、耐熱衝撃性が低下したり、耐酸性が低くなって、ITOのパターニング工程において、酸によりガラス基板が破損し易くなる。
NaOは、溶融性や成形性を高める成分であり、更には耐失透性を改善する成分である。NaOの含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。NaOの含有量が多過ぎると、耐熱衝撃性が低下したり、耐酸性が低くなって、ITOのパターニング工程において、酸によりガラス基板が破損し易くなる。
Oは、溶融性や成形性を高める成分であり、更には耐失透性を改善する成分である。KOの含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。KOの含有量が多過ぎると、耐熱衝撃性が低下したり、耐酸性が低くなって、ITOのパターニング工程において、酸によりガラス基板が破損し易くなる。
MgO+CaO+SrO+BaOは、溶融性や成形性を高める成分である。しかし、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は5〜55%、15〜50%、特に20〜45%が好ましい。
MgOは、溶融性や成形性を高める成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、MgOの含有量は0〜20%が好ましい。
CaOは、溶融性や成形性を高める成分である。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、CaOの含有量は0〜20%、1〜15%、特に3〜12%が好ましい。
SrOは、溶融性や成形性を高めると共に、屈折率を高める成分である。しかし、SrOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、SrOの含有量は0〜25%、0.1〜20%、特に1〜15%が好ましい。
BaOは、溶融性や成形性を高めると共に、屈折率を高める成分である。しかし、BaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、BaOの含有量は0〜45%、5〜40%、特に15〜35%が好ましい。
TiOは、屈折率を高める成分である。しかし、TiOの含有量が多過ぎると、ガラスが着色したり、耐失透性が低下したり、密度が高くなり易い。よって、TiOの含有量は0〜20%、0.1〜15%、特に1〜7%好ましい。
ZrOは、屈折率を高める成分である。しかし、ZrOの含有量が多過ぎると、耐失透性が極端に低下する場合がある。よって、ZrOの含有量は0〜15%、0.001〜10%、特に1〜7%が好ましい。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
ZnOは、溶融性や成形性を高める成分である。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、ZnOの含有量は0〜20%、特に0〜5%好ましい。
Nb、La、Gd等の希土類酸化物は、屈折率を高める成分であるが、原料自体のコストが高く、またガラス組成中に多量に添加すると、耐失透性が低下する場合がある。よって、希土類酸化物の含有量は、合量で0〜25%、特に3〜15%が好ましい。なお、Nbの含有量は0〜15%、特に0.1〜12%が好ましい。Laの含有量は0〜15%、特に3〜12%が好ましい。Gdの含有量は0〜15%、特に0〜10%が好ましい。
清澄剤として、As、Sb、SnO、CeO、F、SO、Clの群から選択された一種又は二種以上を0.001〜3%添加することができる。ただし、As、Sbは、環境的な影響が懸念されるため、これらの成分の含有量は、各々0.1%未満、特に0.01%未満が好ましい。また、CeOは、透過率を低下させる成分であるため、その含有量は0.1%未満、特に0.01%未満が好ましい。更に、Fは、成形性を低下させる成分であるため、その含有量は0.1%未満、特に0.01%未満が好ましい。以上の点を考慮すると、清澄剤は、SnO、SO、Clの群から選択された一種又は二種以上が好ましく、これらの成分の含有量は、合量で0.001〜3%、0.001〜1%、0.01〜0.5%、更には0.05〜0.4%が好ましい。
PbOは、屈折率を高める成分であるが、環境的な影響が懸念される。よって、PbOの含有量は0.1%未満が好ましい。
本発明のガラス基板は、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。ここで、「オーバーフローダウンドロー法」は、フュージョン法とも称されており、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス基板を作製する方法である。このようにすれば、未研磨で表面品位が良好なガラス基板を成形することができる。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、ガラス基板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されるからである。樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うために、ガラスに対して力を印加する方法は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラスの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
スロットダウンドロー法でガラス基板を成形することも好ましい。スロットダウンドロー法は、オーバーフローダウンドロー法と同様にして、ガラス基板の寸法精度を高めることができる。なお、スロットダウンドロー法は、スロットの形状を変更することにより、ガラス基板の表面に粗面化面を形成することもできる。
本発明のガラス基板の成形方法として、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法以外にも、種々の方法を採用することができる。例えば、フロート法、ロールアウト法、リドロー法等を採用することができる。特に、フロート法でガラス基板を成形すれば、大型のガラス基板を安価に作製することができる。
本発明のガラス基板において、板厚が小さい程、有機ELデバイスを軽量化し易くなると共に、ガラス基板の可撓性を高めることができる。そのため、板厚は2mm以下、1.5mm以下、1mm以下、特に0.7mm以下であることが好ましい。一方、板厚を極端に小さくし過ぎると、ガラス基板が破損し易くなるので、ガラス基板の板厚は、50μm以上、100μm以上、特に200μm以上であることが好ましい。ガラスフィルムの形態において、ガラス基板が取り得る最小曲率半径は200mm以下、150mm以下、100mm以下、50mm以下、特に30mm以下が好ましい。なお、取り得る最小曲率半径が小さい程、可撓性に優れるため、有機EL照明等の設置の自由度が高まる。
以下、本発明の有機ELデバイスの実施形態の一例について、図1を参照しながら説明する。
ガラス基板1として、上記のガラス基板を用いる。
透明電極層2として、例えば、ITO、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、錫酸化物、Au等の金属の薄膜、導電性高分子、導電性の有機材料、ドーパント(ドナー又はアクセプタ)含有有機材料、導電体と導電性有機材料(高分子を含む)の混合物、又はこれらの積層体等を挙げることができる。透明電極層2は、通常、スパッタ法やイオンプレーティング法等の気相成長法により形成される。透明電極層2の膜厚は、特に限定されるものではないが、50〜300nm程度が好ましい。
有機発光層3を形成する有機EL材料として、例えば、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、ピラン、キナクリドン、ルブレン、及びこれらの誘導体、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、スチリルアミン誘導体、及びこれらの発光性化合物からなる基を分子の一部分に有する化合物又は高分子等が挙げられる。また、上記材料に代表される蛍光色素由来の化合物のみならず、いわゆる燐光発光材料、例えばIr錯体、Os錯体、Pt錯体、ユーロピウム錯体等の発光材料、及びそれらを分子内に有する化合物又は高分子も好適に使用可能である。必要に応じて、これらの材料を適宜選択して用いることができる。
対向電極4の材料として、アルミニウム、錫、マグネシウム、インジウム、カルシウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、白金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等が挙げられるが、その中でもアルミニウムが好ましい。対向電極4の厚さは、好ましくは10〜1000nm、30〜500nm、特に50〜300nmである。対向電極4は、蒸着やスパッタリング等の真空成膜プロセスにより形成することができる。
透明電極層2と有機発光層3との間には、導電性高分子、正孔注入層、正孔輸送層を更に積層することができ、有機発光層3と対向電極4との間には、電子注入層、電子輸送層を更に積層することができる。また、これら以外の公知の層を適用しても構わない。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
<試料No.1に対する実験>
まず表1に記載のガラス組成(No.1)を有し、厚み0.7mmのガラス基板を用意した。次に、大気側になる表面に対して、鏡面研磨又は表1に記載の粗面化処理(アルミナ研磨又はサンドブラスト)を行った後、表1に記載の後加工を行い、試料A、B、Cを得た。
試料Aの鏡面研磨は、粒度♯4000のセリウム系研磨材を用いて行った。試料Bのアルミナ研磨は、粒度♯1000のアルミナを用いて行った。試料Cのサンドブラストは、粒度♯600のブラスト材(4kgのAlを20Lの水に分散させたもの)を用いて、ブラスト材をガラス基板の表面に2MPaで吹きつけることで行った。
次に、試料A〜Cを5質量%HF水溶液中に浸漬させて、25℃30分間の条件でHF処理を行った。HF処理後、粗面化処理を行っていない表面上に、透明電極層ITO(厚み100nm)を蒸着させた後、フォトマスク及び塩酸を用いて、所定のパターニングを行った。続いて、導電性高分子PEDOT−PSS、正孔輸送層α−NPD(厚み60nm)、有機発光層兼電子輸送層Alq3(厚み50nm)、電子注入層LiF(厚み1nm)、対向電極Al(厚み100nm)を設けた後、金属キャップで封止して有機EL発光デバイスを作製した。
<試料No.2に対する実験>
まず表1に記載のガラス組成(No.2)を有し、厚み0.5mmのガラス基板を用意した。次に、大気側になる表面に対して、鏡面研磨又は表1に記載の粗面化処理(アルミナ研磨又はサンドブラスト)を行った後、表1に記載の後加工を行い、試料D、E、Fを得た。
試料Dの鏡面研磨は、粒度♯4000のセリウム系研磨材を用いて行った。試料Eのアルミナ研磨は、粒度♯1000のアルミナを用いて行った。試料Fのサンドブラストは、粒度♯400のブラスト材(4kgのAlを20Lの水に分散させたもの)を用いて、ブラスト材をガラス基板の表面に2MPaで吹きつけることで行った。
次に、試料D〜Fを5質量%HF水溶液中に浸漬させて、25℃30分間の条件でHF処理を行った。HF処理後、粗面化処理を行っていない表面上に、透明電極層ITO(厚み100nm)を蒸着させた後、フォトマスク及び塩酸を用いて、所定のパターニングを行った。続いて、導電性高分子PEDOT−PSS、正孔輸送層α−NPD(厚み60nm)、有機発光層兼電子輸送層Alq3(厚み50nm)、電子注入層LiF(厚み1nm)、対向電極Al(厚み100nm)を設けた後、金属キャップで封止して有機EL発光デバイスを作製した。
<試料No.3に対する実験>
まず表1に記載のガラス組成(No.3)を有し、厚み1.0mmのガラス基板を用意した。次に、大気側になる表面に対して、鏡面研磨又は表1に記載の粗面化処理(アルミナ研磨又はサンドブラスト)を行った後、表1に記載の後加工を行い、試料G、H、Iを得た。
試料Gの鏡面研磨は、粒度♯4000のセリウム系研磨材を用いて行った。試料Hのアルミナ研磨は、粒度♯1000のアルミナを用いて行った。試料Fのサンドブラストは、粒度♯360のブラスト材(4kgのAlを20Lの水に分散させたもの)を用いて、ブラスト材をガラス基板の表面に2MPaで吹きつけることで行った。
次に、試料G〜Iを5質量%HF水溶液中に浸漬させて、25℃30分間の条件でHF処理を行った。HF処理後、粗面化処理を行っていない表面上に、透明電極層ITO(厚み100nm)を蒸着させた後、フォトマスク及び塩酸を用いて、所定のパターニングを行った。続いて、導電性高分子PEDOT−PSS、正孔輸送層α−NPD(厚み60nm)、有機発光層兼電子輸送層Alq3(厚み50nm)、電子注入層LiF(厚み1nm)、対向電極Al(厚み100nm)を設けた後、金属キャップで封止して有機EL発光デバイスを作製した。
<試料No.4に対する実験>
まず表2に記載のガラス組成(No.4)を有し、厚み1.8mmのガラス基板を用意した。次に、大気側になる表面に対して、鏡面研磨又は表2に記載の粗面化処理(アルミナ研磨又はサンドブラスト)を行った後、表2に記載の後加工を行い、試料J、K、Lを得た。
試料Jの鏡面研磨は、粒度♯4000のセリウム系研磨材を用いて行った。試料Kのアルミナ研磨は、粒度♯1000のアルミナを用いて行った。試料Lのサンドブラストは、粒度♯320のブラスト材(4kgのAlを20Lの水に分散させたもの)を用いて、ブラスト材をガラス基板の表面に2MPaで吹きつけることで行った。
次に、試料J〜Lを5質量%HF水溶液中に浸漬させて、25℃30分間の条件でHF処理を行った。HF処理後、粗面化処理を行っていない表面上に、透明電極層ITO(厚み100nm)を蒸着させた後、フォトマスク及び塩酸を用いて、所定のパターニングを行った。続いて、導電性高分子PEDOT−PSS、正孔輸送層α−NPD(厚み60nm)、有機発光層兼電子輸送層Alq3(厚み50nm)、電子注入層LiF(厚み1nm)、対向電極Al(厚み100nm)を設けた後、金属キャップで封止して有機EL発光デバイスを作製した。
<試料No.5に対する実験>
まず表2に記載のガラス組成(No.5)を有し、厚み0.7mmのガラス基板を用意した。次に、大気側になる表面に対して、鏡面研磨又は表2に記載の粗面化処理(アルミナ研磨又はサンドブラスト)を行った後、表2に記載の後加工を行い、試料M、N、Oを得た。
試料Mの鏡面研磨は、粒度♯4000のセリウム系研磨材を用いて行った。試料Nのアルミナ研磨は、粒度♯1000のアルミナを用いて行った。試料Oのサンドブラストは、粒度♯280のブラスト材(4kgのAlを20Lの水に分散させたもの)を用いて、ブラスト材をガラス基板の表面に2MPaで吹きつけることで行った。
次に、試料M〜Oを5質量%HF水溶液中に浸漬させて、25℃30分間の条件でHF処理を行った。HF処理後、粗面化処理を行っていない表面上に、透明電極層ITO(厚み100nm)を蒸着させた後、フォトマスク及び塩酸を用いて、所定のパターニングを行った。続いて、導電性高分子PEDOT−PSS、正孔輸送層α−NPD(厚み60nm)、有機発光層兼電子輸送層Alq3(厚み50nm)、電子注入層LiF(厚み1nm)、対向電極Al(厚み100nm)を設けた後、金属キャップで封止して有機EL発光デバイスを作製した。
<試料No.6に対する実験>
まず表3に記載のガラス組成(No.6)を有し、厚み0.5mmのガラス基板を用意した。次に、大気側になる表面に対して、鏡面研磨又は表3に記載の粗面化処理(アルミナ研磨又はサンドブラスト)を行い、試料P、Q、Rを得た。
試料Pの鏡面研磨は、粒度♯4000のセリウム系研磨材を用いて行った。試料Qのアルミナ研磨は、粒度♯1000のアルミナを用いて行った。試料Rのサンドブラストは、粒度♯600のブラスト材(4kgのAlを20Lの水に分散させたもの)を用いて、ブラスト材をガラス基板の表面に2MPaで吹きつけることで行った。なお、試料P〜Rについて、後加工、有機EL発光デバイスの作製を行わなかった。
<試料No.7に対する実験>
まず表3に記載のガラス組成(No.7)を有し、厚み0.7mmのガラス基板を用意した。次に、大気側になる表面に対して、鏡面研磨又は表3に記載の粗面化処理(アルミナ研磨又はサンドブラスト)を行い、試料S、T、Uを得た。
試料Sの鏡面研磨は、粒度♯4000のセリウム系研磨材を用いて行った。試料Tのアルミナ研磨は、粒度♯1000のアルミナを用いて行った。試料Uのサンドブラストは、粒度♯600のブラスト材(4kgのAlを20Lの水に分散させたもの)を用いて、ブラスト材をガラス基板の表面に2MPaで吹きつけることで行った。なお、試料S〜Uについて、後加工を行わなかった。
次に、試料M〜Oの粗面化処理を行っていない表面上に、透明電極層ITO(厚み100nm)を蒸着させた後、フォトマスク及び塩酸を用いて、所定のパターニングを行った。続いて、導電性高分子PEDOT−PSS、正孔輸送層α−NPD(厚み60nm)、有機発光層兼電子輸送層Alq3(厚み50nm)、電子注入層LiF(厚み1nm)、対向電極Al(厚み100nm)を設けた後、金属キャップで封止して有機EL発光デバイスを作製した。
試料A〜Uについて、屈折率nd、粗面化面の表面粗さRt、RSm、面内強度を評価すると共に、試料A〜O、S〜Uについて、光取り出し効率を評価した。
屈折率ndは、粗面化処理を行う前の試料を用いて、カルニュー社製の屈折率測定器KPR−2000により測定した値である。
表面粗さRt、RSmは、JIS R0601:2001に準拠した方法により測定した値である。
光取り出し効率は、浜松ホトニクス社製輝度配光特性測定装置C9920−11を用いて、試料Sの光取り出し効率の値を基準にして評価した値である。
面内強度は、リングオンリング試験で測定した値である。まず直径25mmのリング状の冶具の上に後加工を行った後の試料A〜U(鏡面研磨面/粗面化面側を下方)を載置した。次に、直径12.5mmの冶具を用いて、上方からサンプルを加圧した。具体的な条件は、加重計:島津製作所製強度試験機、加重速度:0.5mm/分、押し位置:中央とした。最後に、試料A〜Uが破損した時の破壊加重を面内強度として算出した。
表1〜3から明らかなように、粗面化処理を行った試料は、鏡面研磨を行った試料よりも表面粗さRt、RSmが大きく、ガラス基板−空気界面において光の散乱が促進されたため、光取り出し効率が良好であった。また、屈折率ndが高い程、光取り出し効率が良好になる傾向があった。更に、HF処理を行うことにより、面内強度を高めることができた。なお、表中には記載していないが、鏡面研磨された面と粗面化面に対向する表面の表面粗さRtは10nm未満に調整されている。
<試料No.5に対する追加実験>
まず表2に記載のガラス組成(No.5)を有し、厚み0.7mmのガラス基板を用意した。次に、大気側になる表面に対して、表4に記載の粗面化処理(アルミナ研磨又はサンドブラスト)を行った後、必要に応じて、表4に記載の後加工を行い、試料a〜kを得た。なお、粗面化面に対向する表面の表面粗さRtは10nm未満に調整されている。
試料a〜jのサンドブラストは、粒度♯600のブラスト材(4kgのAlを20Lの水に分散させたもの)を用いて、ブラスト材をガラス基板の表面に2MPaで吹きつけることで行った。試料kのアルミナ研磨は、粒度♯1200のアルミナを用いて行った。
次に、試料a〜g、jについて、表中に示す濃度のHF水溶液中に浸漬させて、表中に示す条件でHF処理を行った。試料h、i、kについては、後加工を行わなかった。続いて、粗面化処理を行っていない表面上に、透明電極層ITO(厚み100nm)を蒸着させた後、フォトマスク及び塩酸を用いて、所定のパターニングを行った。続いて、導電性高分子PEDOT−PSS、正孔輸送層α−NPD(厚み60nm)、有機発光層兼電子輸送層Alq3(厚み50nm)、電子注入層LiF(厚み1nm)、対向電極Al(厚み100nm)を設けた後、金属キャップで封止して有機EL発光デバイスを作製した。
試料a〜jについて、粗面化面の表面粗さRt、RSmを評価すると共に、試料a〜kについて、光取り出し効率、面内強度を評価した。
表面粗さRt、RSmは、JIS R0601:2001に準拠した方法により測定した値である。
光取り出し効率は、浜松ホトニクス社製輝度配光特性測定装置C9920−11を用いて、表3の試料Sの光取り出し効率の値を基準にして評価した値である。
面内強度は、リングオンリング試験で測定した値である。まず直径25mmのリング状の冶具の上に後加工を行った後の試料a〜k(粗面化面側を下方)を載置した。次に、直径12.5mmの冶具を用いて、上方からサンプルを加圧した。具体的な条件は、加重計:島津製作所製強度試験機、加重速度:0.5mm/分、押し位置:中央とした。最後に、試料a〜kが破損した時の破壊加重を面内強度として算出した。
1 ガラス基板
2 透明電極層
3 有機発光層
4 対向電極

Claims (11)

  1. 屈折率ndが1.55以上であって、少なくとも一方の表面に表面粗さRt 3600〜9700nm、RSm 4278μm、Rt/RSmが0.05〜0.5の粗面化面を有すると共に、面内強度が100MPa以上であり、有機ELデバイスに用いることを特徴とするガラス基板。
  2. 粗面化面に対向する表面の表面粗さRtが10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板。
  3. 粗面化面が研磨面であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス基板。
  4. ガラス組成として、SiOを30〜70質量%含むことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のガラス基板。
  5. 面内強度が150MPa以上であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のガラス基板。
  6. 照明に用いることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のガラス基板。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載のガラス基板を備えることを特徴とする有機ELデバイス。
  8. 請求項1〜の何れか一項に記載のガラス基板の製造方法であって、粗面化面を物理的な粗面化処理により形成することを特徴とするガラス基板の製造方法。
  9. 粗面化面をサンドブラスト処理により形成することを特徴とする請求項に記載のガラス基板の製造方法。
  10. 粗面化処理後に更に薬液処理をすることを特徴とする請求項またはの何れか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  11. 薬液処理が酸による薬液処理であることを特徴とする請求項10に記載のガラス基板の製造方法。
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