JP6102966B2 - ポリカーボネート共重合体 - Google Patents
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Description
を含むポリカーボネート共重合体を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[9]に存する。
なお、イソソルビド中の蟻酸含有量の測定方法は、実施例の項で後述する通りである。
HOCH2−R1−CH2OH (II)
HO−R2−OH (III)
(式(II),(III)中、R1,R2は、炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
その他のジヒドロキシ化合物についても同様である。
以下において、ポリカーボネート共重合体の物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
アッベ屈折計(アタゴ社製「DR−M4」)で、波長656nm(C線)、589nm(D線)、546nm(e線)、486nm(F線)の干渉フィルターを用いて、各波長の屈折率、nC、nD、ne、nFを測定した。
測定試料は樹脂を160〜200℃でプレス成形し、厚み80μmから500μmのフィルムを作製し、得られたフィルムを幅約8mm、長さ10から40mmの短冊状に切り出し、測定試験片とした。
測定は、界面液として1−ブロモナフタレンを用い、20℃で行った。
アッベ数νdは次の式で計算した。
νd=(1−nD)/(nC−nF)
アッベ数が大きいほど、屈折率の波長依存性が小さくなり、例えば単レンズにした際の波長による焦点のずれが小さくなる。
示差走査熱量計(メトラー社製「DSC822」)を用いて、試料約10mgを10℃/minの昇温速度で加熱して測定し、JIS K 7121(1987)に準拠して、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた折線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度Tigを求めた。
カラーメーター(日本電色社製「300A」)を用いて、チップカラーを測定した。
ガラスセルに、チップを所定量入れ、反射測定で測定し、b値を測定した。
この数値が0に近いほど、黄色みが小さい。
中央理化製DT−504型自動粘度計にてウベローデ型粘度計を用い、溶媒として、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの1:1混合溶媒を用い、温度20.0℃±0.1℃で測定した。濃度は1.00g/dlになるように、精密に調整した。
サンプルは120℃で攪拌しながら、30分で溶解し、冷却後測定に用いた。
溶媒の通過時間t0、溶液の通過時間tから、下記式より相対粘度ηrelを求め、
ηrel=t/t0(g・cm-1・sec-1)
相対粘度ηrelから、下記式より比粘度ηspを求めた。
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
比粘度ηspを濃度c(g/dl)で割って、下記式より還元粘度(換算粘度)ηredを求めた。
ηred=ηsp/c
この数値が高いほど分子量が大きい。
セイコー電子製「TG−DTA」(SSC−5200、TG/DTA220)を用い、試料10mgをアルミニウム製容器に載せ、窒素雰囲気下(窒素流量200ml/分)で昇温速度10℃/分で30℃から450℃まで測定し、5%重量が減少した際の温度を求めた。
この温度が高いほど、熱分解しにくい。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240から300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片を射出成形し、深さ1.2mmのノッチをノッチングマシンで付け、試験片とした。
この試験片について、カスタム・サイエンティフィック社製ミニマックスアイゾット衝撃試験機「CS−183TI型」を用いて、23℃におけるノッチ付きのアイゾット衝撃強度を測定した。
この数値が大きいほど、耐衝撃強度が大きく、割れにくい。
上記射出成形機を用いて温度240℃から300℃で、平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片を射出成形し、カスタム・サイテンティフィック社製引張試験機「CS−183TE型」を用いて、引張速度1cm/分の条件で引張試験を行い、降伏時伸び、引張降伏強さ、引張降伏弾性率、及び破断時伸びそれぞれ測定した。
それぞれの数値が大きいほど、強さ、伸びがある。
溶媒として、重クロロホルムを用い、Varian社製「Unity Inova」にて、共鳴周波数500MHz、フリップ角45°、測定温度25℃にて、1H−NMRを測定した。
<サンプル作製>
80℃で5時間真空乾燥をしたポリカーボネート樹脂サンプル4.0gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度200〜250℃で、予熱1〜3分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスで圧力20MPaで3分間加圧冷却してシートを作製した。このシートから幅5mm、長さ20mmにサンプルを切り出した。
<測定>
He−Neレーザー、偏光子、補償板、検光子、及び光検出器からなる複屈折測定装置と振動型粘弾性測定装置(レオロジー社製DVE−3)を組み合わせた装置を用いて測定した。(詳細は、日本レオロジー学会誌Vol.19,p93−97(1991)を参照。)
切り出したサンプルを粘弾性測定装置に固定し、25℃の室温で貯蔵弾性率E’を周波数96Hzにて測定した。同時に、出射されたレーザー光を偏光子、試料、補償板、検光子の順に通し、光検出器(フォトダイオード)で拾い、ロックインアンプを通して角周波数ω又は2ωの波形について、その振幅とひずみに対する位相差を求め、ひずみ光学係数O’を求めた。このとき、偏光子と検光子の方向は直交し、またそれぞれ、試料の伸長方向に対してπ/4の角度をなすように調整した。
光弾性係数Cは、貯蔵弾性率E’とひずみ光学係数O’を用いて次式より求めた。
C=O’/E’
<サンプル作製>
100℃で5時間真空乾燥をしたポリカーボネート樹脂サンプル8gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度200〜250℃で、予熱1〜3分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスを用いて圧力20MPaで3分間加圧冷却しシートを作製した。このシートから幅1cm長さ2cmのサンプルを切り出した。厚さは1mmであった。
<測定>
加熱脱着−ガスクロマトグラフ/質量分析法(TDS−GC/MS)にて発生ガスを測定した。測定装置として、GERSTEL社製 TDS2を用い、加熱脱着温度を250℃、10分、トラップ温度を−130℃、で実施した。
サンプルをガラスチャンバーに入れ、110℃で30分間、ヘリウム60mL/分で発生するガスを捕集管Tenax−TAで捕集した。
GC/MSとしてAgilent社製 HP6890/5973N、カラムとしてHP−VOC 0.32×60m 1.8μmdfを用い、40℃、5分保持した後、8℃/分で280℃まで昇温後、280℃で25分保持して、測定した。キャリアガスは、ヘリウム1.3mL/分とした。
ガス発生量は製造時に留出するフェノール及びフェノールに由来するベンズアルデヒドを除いた単位面積当たりのトータル発生量としてトルエンによる換算値にて求めた。
測定装置として、新東科学製 表面測定機 トライポギア タイプ14DRを用い、JIS−K5600に準拠して下記条件で測定した。
荷重 750g
測定スピード30mm/min
測定距離 7mm
鉛筆として三菱鉛筆製 UNI を用いた。
鉛筆硬度としては4H,3H,2H,H,F,HB,B、2B,3B,4Bを用いた。
5回測定し、2回以上、傷がついた鉛筆硬度のひとつ柔らかい硬度を測定物質の鉛筆硬度とした。
イソソルビドを純水で100倍希釈してイオンクロマトグラフ Dionexy社製 DX−500型で測定した。
なお、反応に用いたイソソルビドはロケットフルーレ社製、又は三光化学社製、1,4−シクロヘキサンジメタノールはイーストマン社製、炭酸セシウムは和光純薬社製、ジフェニルカーボネートは三菱化学(株)製、トリシクロデカンジメタノールはセラニーズ社製、ペンタシクロデカンジメタノールはセラニーズ社製、1,3−アダマンタンジオールはアルドリッチ社製、1,4−ブタンジオールは三菱化学社製、1,6−へキサンジオールは和光純薬社製、9,9−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンは大阪ガスケミカル社製である。
<イソソルビドの蒸留>
イソソルビド約1.3kgをアルゴン気流下、2Lフラスコに入れ、このフラスコにクライゼン管を付け、フラクションカッターを通して、受器を装着した。配管など各部で固化しないよう、保温をした。減圧を徐々に開始後、加温を行い、内温約100℃で溶解した。その後、内温160℃にて溜出を開始した。このときの圧力は133〜266Paであった。初溜を取った後、内温160〜170℃、塔頂温度150〜157℃、133Paで蒸留を実施した。蒸留終了後、アルゴンを入れ、常圧に戻した。得られた蒸留品をアルゴン気流下で冷却粉砕し、蒸留精製したイソソルビドを得た。このものは、アルミラミネート袋にアルゴン気流下でシールし、保管した。
ISOB:イソソルビド
1,4−CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
TCDDM:トリシクロデカンジメタノール
PCPDM:ペンタシクロペンタデカンジメタノール
1,4−BG:1,4−ブタンジオール
1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
BHEPF:9,9−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン
BCF:9,9−ビスクレゾールフルオレン
DPC:ジフェニルカーボネート
イソソルビド27.7重量部(0.516モル)に対して、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下「1,4−CHDM」と略記する。)13.0重量部(0.246モル)、ジフェニルカーボネート(以下「DPC」と略記する。)59.2重量部(0.752モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.21×10−4重量部(1.84×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
また、このポリカーボネート共重合体を245℃で、金型温度90℃で成形し、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片と平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片を得た。これらの試験片を用いて、機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ84MPa、引張降伏弾性率748MPa、降伏時伸び16%、破断時伸び30%、アイゾット衝撃強度227J/m2であった。これらの結果を表2に示す。
更に、このポリカーボネート共重合体を200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムに成形したときのd線の屈折率は1.4992、アッベ数は58であった。これらの結果を表3へ示す。
また、このポリカーボネート共重合体の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は344℃であった。この結果を表4に示す。
また、発生ガス量を調べたところ、フェノール成分以外の発生ガス量は3.7ng/cm2で、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を除いたジヒドロキシ化合物由来の発生ガスは検出されなかった。この結果を表6に示す。
また、このポリカーボネート共重合体のNMRチャートを図1に示す。
イソソルビド31.8重量部(0.458モル)、1,4−CHDM8.7重量部(0.127モル)、DPC59.5重量部(0.583モル)、触媒として、炭酸セシウム2.22×10−4重量部(1.43×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
更に、このポリカーボネート共重合体を200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムに成形したときのd線の屈折率は1.5004、アッベ数は57であった。これらの結果を表3に示す。
また、このポリカーボネート共重合体の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は343℃であった。この結果を表4に示す。
また、光弾性係数を測定したところ20×10−12Pa−1であった。この結果をガラス転移温度の値と共に、表5に示す。
実施例2において、イソソルビド35.9重量部(0.674モル)、1,4−CHDM4.4重量部(0.083モル)、DPC59.7重量部(0.764モル)、触媒として、炭酸セシウム2.22×10−4重量部(1.87×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。
更に、このポリカーボネート共重合体を200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムに成形したときのd線の屈折率は1.5014、アッベ数は57であった。これらの結果を表3に示す。
実施例1において、イソソルビド19.7重量部(0.363モル)、1,4−CHDM21.6重量部(0.404モル)、DPC58.8重量部(0.741モル)、触媒として、炭酸セシウム2.19×10−4重量部(1.82×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。
また、このポリカーボネート共重合体を温度245℃で、金型温度80℃で成形し、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片と平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片を得た。これらの試験片を用いて、機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ66MPa、引張降伏弾性率595MPa、降伏時伸び16%、破断時伸び27%、アイゾット衝撃強度293J/m2であった。これらの結果を表2に示す。
更に、このポリカーボネート共重合体を200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムに成形したときのd線の屈折率は1.4993、アッベ数は61であった。結果を表3に示す。
また、このポリカーボネート共重合体の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は345℃であった。この結果を表4に示す。
イソソルビド15.7重量部(0.288モル)に対して、1,4−CHDM25.8重量部(0.480モル)、DPC58.6重量部(0.734モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.18×10−4重量部(1.80×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて、攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら発生するフェノールを反応容器外へ抜き出し、190℃で30分保持した後、第2段目の工程として、反応容器内の圧力を6.67kPaとし、加熱槽温度を240℃まで、45分で上昇させ、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。攪拌機の攪拌トルクが上昇してくるが、さらに発生するフェノールを取り除くため、反応容器内の圧力を0.200kPa以下に到達させた。所定の攪拌トルクに到達後反応を終了し、反応物を水中に押し出してペレットを得た。
更に、このポリカーボネート共重合体を温度245℃で、金型温度70℃で成形し、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片と平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片を得た。これらの試験片を用いて、機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ59MPa、引張降伏弾性率541MPa、降伏時伸び15%、破断時伸び70%、アイゾット衝撃強度784J/m2であった。これらの結果を表2に記す。
また、このポリカーボネート共重合体を、200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムを得た。d線の屈折率は1.4993、アッベ数は62であった。これらの結果を表3に記す。
実施例2において、イソソルビド27.7重量部(0.516モル)、1,4−CHDM13.0重量部(0.246モル)、DPC59.2重量部(0.752モル)、触媒として、炭酸セシウム2.21×10−4重量部(1.84×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.979dl/g、ガラス転移温度Tigは124℃、カラーb値は9.5であった。これらの結果を表1に記す。
更に、このポリカーボネート共重合体を温度245℃で、金型温度90℃で成形し、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片と平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片を得た。これらの試験片を用いて、機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ78MPa、引張降伏弾性率691MPa、降伏時伸び16%、破断時伸び47%、アイゾット衝撃強度184J/m2であった。これらの結果を表2に記す。
また、鉛筆硬度はHであった。この結果を表7に示す。
実施例2において、イソソルビド27.7重量部(0.516モル)、1,4−CHDM13.0重量部(0.246モル)、DPC59.2重量部(0.752モル)、触媒を、水酸化ナトリウム8.7×10−5重量部(5.9×10−6モル)に変更した以外は同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.965dl/g、ガラス転移温度Tigは123℃、カラーb値は9.4であった。これらの結果を表1に記す。
実施例2において、イソソルビド28.2重量部(0.516モル)、1,4−CHDM13.3重量部(0.246モル)、DPC58.5重量部(0.730モル)、触媒として、炭酸セシウム2.25×10−4重量部(1.84×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。
また、鉛筆硬度はHであった。この結果を表7に示す。
実施例2において、イソソルビド27.7重量部(0.516モル)、1,4−CHDM13.0重量部(0.246モル)、DPC59.2重量部(0.752モル)、触媒を、炭酸セシウム2.21×10−5重量部(1.84×10−7モル)に変更した以外は同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.910dl/g、ガラス転移温度Tigは124℃、カラーb値は9.8であった。これらの結果を表1に記す。
実施例2において、イソソルビド27.7重量部(0.516モル)、1,4−CHDM13.0重量部(0.246モル)、DPC59.2重量部(0.752モル)、触媒として、炭酸セシウム2.21×10−3重量部(1.84×10−5モル)に変更した以外は同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.980dl/g、ガラス転移温度Tigは124℃、カラーb値は8.3であった。これらの結果を表1に記す。
実施例2において、イソソルビド27.7重量部(0.516モル)、1,4−CHDM13.0重量部(0.246モル)、DPC59.2重量部(0.752モル)に変更し、原料とともに、熱安定剤「PEP−36」(旭電化製、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)0.096重量部を反応容器に投入して重合させた以外は同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.975dl/g、ガラス転移温度Tigは124℃、カラーb値は7.2であった。これらの結果を表1に記す。
実施例2において、イソソルビド19.7重量部(0.363モル)、1,4−CHDM21.6重量部(0.404モル)、DPC58.8重量部(0.741モル)、触媒として、炭酸セシウム2.19×10−4重量部(1.82×10−6モル)に変更し、原料とともに、熱安定剤「PEP−36」(旭電化製、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)0.096重量部を反応容器に投入し、重合させた以外は同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.850dl/g、ガラス転移温度Tigは100℃、カラーb値は3.6であった。これらの結果を表1に記す。
イソソルビド40.1重量部(0.581モル)に対して、DPC59.9重量部(0.592モル、触媒として、炭酸セシウム2.23×10−4重量部(1.45×10−6モル)を反応容器に投入し、攪拌しながら、室温から150℃に加熱して溶解をした(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、190℃まで1時間で上昇させながら発生するフェノールを系外へ抜き出した。190℃で15分保持した後、反応器内圧力を6.67kPaとし、加熱槽温度を230℃まで、15分で上昇させ、発生するフェノールを抜いた。攪拌トルクが上昇してくるので、8分で250度まで昇温し、さらに発生するフェノールを取り除くため、真空度を0.200kPa以下に到達させた。所定の攪拌トルクに到達後反応を終了し、反応物を水中に押し出してペレットを得ようとしたが、押し出せなかったので、固まりで取り出した。
更に、このポリカーボネート共重合体を265℃で成形し、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片と平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片の採取を試みたが、溶融粘度が高く、また、着色が激しく、発泡も激しく成型品の歩留まりが悪かった。これらの試験片を用いて、機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ105MPa、引張降伏弾性率353MPa、降伏時伸び17%、破断時伸び31%、アイゾット衝撃強度11J/m2であり、アイゾット衝撃強度が実施例に比べ、著しく低いことが分かった。これらの結果を表2に記す。
また、このポリカーボネート共重合体の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は339℃であり、実施例のものに比べて低いことが分かった。この結果を表4に記す。
なお、このポリカーボネート共重合体を、200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムを得た。このフィルムははさみで切るとひび割れができ、もろかった。
1,4−CHDM42.3重量部(0.776モル)、DPC57.7重量部(0.712モル)、触媒として、炭酸セシウム2.15×10−4重量部(1.75×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaに3分で減圧し、保持した。加熱槽温度を190℃まで60分で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
反応容器全体を190℃で15分保持した後、第2段目の工程として、反応容器内の圧力を6.67kPaとし、加熱槽温度を220℃まで、45分で上昇させ、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。攪拌機の攪拌トルクが上昇してくるが、さらに発生するフェノールを取り除くため、反応容器内の圧力を0.200kPa以下に到達させた。所定の攪拌トルクに到達後、反応を終了し、生成した反応物を水中に押し出して、ポリカーボネート共重合体のペレットを得た。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.662dl/g、ガラス転移温度は40℃、カラーb値は4.5で、ガラス転移温度が低いので、団子状になり、チップ化しにくかった。これらの結果を表1に示す。
市販の芳香族ポリカーボネート樹脂「ユーピロンH4000」(三菱エンジニアリングプラスチック社製、還元粘度0.456dl/g)を280℃で成形し、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片と平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片を得た。
これらの試験片を用いて、機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ63MPa、引張降伏弾性率629MPa、降伏時伸び13%、破断時伸び74%、アイゾット衝撃強度6J/m2であった。これらの結果を表2に示す。
更に、この芳香族ポリカーボネート樹脂を200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムを得た。d線の屈折率は1.5828、アッベ数は30であった。結果を表3に示す。
また、光弾性係数を測定したところ72×10−12Pa−1であった。この結果をガラス転移温度の値と共に、表5に示す。
また、鉛筆硬度は2Bであった。この結果を表7に示す。
市販の芳香族ポリカーボネート樹脂「ユーピロンS2000」(三菱エンジニアリングプラスチック社製、還元粘度0.507dl/g)を280℃で成形し、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片と平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片を得た。
これらの試験片を用いて、機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ63MPa、引張降伏弾性率565MPa、降伏時伸び13%、破断時伸び85%、高いアイゾット衝撃強度641J/m2であった。これらの結果を表2に示す。
市販のポリ乳酸「レイシアH−440」(三井化学社製)について窒素雰囲気下での5%熱減量温度を測定したところ、320℃であった。この結果を表4に示す。
イソソルビド26.9重量部(0.483モル)に対して、トリシクロデカンジメタノール(以下「TCDDM」と略記する。)15.8重量部(0.211モル)、DPC57.4重量部(0.709モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.14×10−4重量部(1.73×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaに40分で減圧し、加熱槽温度を190℃まで40分で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
また、このポリカーボネート共重合体を245℃で、金型温度90℃で成形し、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片と平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片を得た。これらの試験片を用いて、機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ89MPa、引張降伏弾性率834MPa、降伏時伸び15%、破断時伸び76%、アイゾット衝撃強度48J/m2であった。これらの結果を表2に示す。
更に、このポリカーボネート共重合体を200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムに成形したときのd線の屈折率は1.5095、アッベ数は62であった。これらの結果を表3に示す。
また、このポリカーボネート共重合体の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は348℃であった。この結果を表4に示す。
また、光弾性係数を測定したところ9×10−12Pa−1であった。この結果をガラス転移温度の値と共に、表5に示す。
また、発生ガス量を調べたところ、フェノール成分以外の発生ガス量は4.5ng/cm2で、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を除くジヒドロキシ化合物由来の発生ガスは検出されなかった。この結果を表6に示す。
また、鉛筆硬度はFであった。この結果を表7に示す。
イソソルビド35.5重量部(0.660モル)に対して、TCDDM5.4重量部(0.075モル)、DPC59.0重量部(0.748モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.20×10−4重量部(1.83×10−6モル)に変更した以外は、実施例13と同様に実施した。
機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ106MPa、引張降伏弾性率872MPa、降伏時伸び16%、破断時伸び26%、アイゾット衝撃強度65J/m2であった。これらの結果を表2に示す。
また、フィルムに成形したときのd線の屈折率は1.5052、アッベ数は60であった。これらの結果を表3へ示す。
イソソルビド31.1重量部(0.569モル)に対して、TCDDM10.7重量部(0.145モル)、DPC58.2重量部(0.725モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.17×10−4重量部(1.78×10−6モル)に変更した以外は、実施例13と同様に実施した。
機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ107MPa、引張降伏弾性率934MPa、降伏時伸び16%、破断時伸び39%、アイゾット衝撃強度58J/m2であった。これらの結果を表2に示す。
また、フィルムに成形したときのd線の屈折率は1.5090、アッベ数は61であった。これらの結果を表3へ示す。
また、このポリカーボネート共重合体の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は344℃であった。この結果を表4に示す。
イソソルビド22.7重量部(0.403モル)に対して、TCDDM20.7重量部(0.274モル)、DPC56.6重量部(0.684モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.11×10−4重量部(1.68×10−6モル)に変更した以外は、実施例13と同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.637dl/g、ガラス転移温度Tigは118℃、カラーb値は2.3であった。これらの結果を表1に記す。
また、フィルムに成形したときのd線の屈折率は1.5135、アッベ数は58であった。これらの結果を表3へ示す。
また、光弾性係数を測定したところ7×10−12Pa−1であった。この結果をガラス転移温度の値と共に、表5に示す。
イソソルビド18.7重量部(0.327モル)に対して、TCDDM25.6重量部(0.333モル)、DPC55.8重量部(0.666モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.08×10−4重量部(1.63×10−6モル)に変更した以外は、実施例13と同様に実施した。
機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ79MPa、引張降伏弾性率807MPa、降伏時伸び13%、破断時伸び18%、アイゾット衝撃強度58J/m2であった。これらの結果を表2に示す。
また、フィルムに成形したときのd線の屈折率は1.5157、アッベ数は60であった。これらの結果を表3へ示す。
また、このポリカーボネート共重合体の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は349℃であった。この結果を表4に示す。
イソソルビド14.7重量部(0.257モル)に対して、TCDDM30.3重量部(0.394モル)、DPC55.0重量部(0.656モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.05×10−4重量部(1.61×10−6モル)を窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaに3分で減圧し、加熱槽温度を190℃まで60分で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ76MPa、引張降伏弾性率850MPa、降伏時伸び12%、破断時伸び31%、アイゾット衝撃強度40J/m2であった。これらの結果を表2に示す。
また、フィルムに成形したときのd線の屈折率は1.5185、アッベ数は58であった。これらの結果を表3へ示す。
また、このポリカーボネート共重合体の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は352℃であった。この結果を表4に示す。
TCDDM47.8重量部(0.586モル)、DPC58.2重量部(0.585モル)、触媒として、炭酸セシウム1.95×10−4重量部(1.44×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaに40分で減圧しながら、加熱槽温度を190℃まで40分で上昇させた。発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
反応容器全体を190℃で15分保持した後、第2段目の工程として、加熱槽温度を220℃まで、30分で上昇させた。昇温に入ってから10分後に、反応容器内の圧力を30分で0.200kPa以下とし、発生するフェノールを溜出させた。所定の攪拌トルクに到達後、反応を終了し、生成した反応物を水中に押し出して、ポリカーボネート共重合体のペレットを得た。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.899dl/g、ガラス転移温度は73℃、カラーb値は3.9であった。これらの結果を表1に示す。
イソソルビド25.6重量部(0.339モル)に対して、ペンタシクロペンタデカンジメタノール(以下「PCPDM」と略記する。)19.7重量部(0.145モル)、DPC54.7重量部(0.494モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.04×10−4重量部(1.21×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaに40分で減圧し、加熱槽温度を220℃まで70分で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
更に、このポリカーボネート共重合体を200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムに成形したときのd線の屈折率は1.5194、アッベ数は60であった。これらの結果を表3へ示す。
また、このポリカーボネート共重合体の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は347℃であった。この結果を表4に示す。
また、光弾性係数を測定したところ8×10−12Pa−1であった。この結果をガラス転移温度の値と共に、表5に示す。
イソソルビド54.7重量部(0.374モル)に対して、アダマンタンジメタノール31.5重量部(0.161モル)、DPC116.8重量部(0.545モル)、及び触媒として、炭酸セシウム6.12×10−4重量部(4.84×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaに40分で減圧し、加熱槽温度を220℃まで70分で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
実施例20において、イソソルビド54.5重量部(0.373モル)に対して、ビスシクロヘキサンジオール31.7重量部(0.160モル)、DPC116.4重量部(0.543モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.04×10−4重量部(1.21×10−6モル)に変更した以外は、同様の方法で実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.260dl/g、ガラス転移温度Tigは125℃、カラーb値は8.6であった。これらの結果を表1に示す。
イソソルビド11.7重量部(0.165モル)に対して、1,4−CHDM30.0重量部(0.428モル)、DPC58.3重量部(0.561モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.18×10−4重量部(1.38×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて、攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら発生するフェノールを系外へ抜き出し、190℃で30分保持した後、第2段目の工程として、反応容器内の圧力を6.67kPaとし、加熱槽温度を220℃まで、45分で上昇させ、発生するフェノールを抜き出した。攪拌トルクが上昇してくるが、さらに発生するフェノールを取り除くため、反応容器内の圧力を0.200kPa以下に到達させた。所定の攪拌トルクに到達後反応を終了し、反応物を水中に押し出してペレットを得た。
更に、このポリカーボネート共重合体を、200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムを得た。d線の屈折率は1.5002、アッベ数は56であった。これらの結果を表3に記す。
実施例22において、イソソルビド7.8重量部(0.142モル)、1,4−CHDM34.1重量部(0.631モル)、DPC58.1重量部(0.723モル)、触媒として、炭酸セシウム2.17×10−4重量部(1.77×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は1.159dl/g、ガラス転移温度Tigは63℃、カラーb値は2.9であった。これらの結果を表1に記す。
更に、このポリカーボネート共重合体を、200℃でプレスし、厚さ約200μmのフィルムを得た。d線の屈折率は1.5024、アッベ数は56であった。これらの結果を表3に記す。
実施例22において、イソソルビド3.9重量部(0.070モル)、1,4−CHDM38.2重量部(0.703モル)、DPC57.9重量部(0.717モル)、触媒として、炭酸セシウム2.16×10−4重量部(1.76×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.670dl/g、ガラス転移温度Tigは51℃、カラーb値は2.8であった。これらの結果を表1に記す。
実施例22において、イソソルビド1.9重量部(0.035モル)、1,4−CHDM40.3重量部(0.740モル)、DPC57.8重量部(0.715モル)、触媒として、炭酸セシウム2.15×10−4重量部(1.75×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.640dl/g、ガラス転移温度Tigは45℃、カラーb値は3.0であった。これらの結果を表1に記す。
実施例13において、イソソルビド85.61重量部(0.585モル)、1,4−ブタンジオール(以下「1,4−BG」と略記する。)22.6重量部(0.251モル)、DPC166.8重量部(0.779モル)、触媒として、炭酸セシウム1.08×10−4重量部(0.87×10−6モル)に変更した以外は同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.568dl/g、ガラス転移温度は116℃、カラーb値は12.4であった。これらの結果を表1に示す。
また、光弾性係数を測定したところ23×10−12Pa−1であった。この結果をガラス転移温度の値と共に、表5に示す。
また、発生ガス量を調べたところ、フェノール成分以外の発生ガス量は10.0ng/cm2で、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を除くジヒドロキシ化合物由来の発生ガスとして、テトラヒドロフラン(THF)が2.0ng/cm2検出された。この結果を表6に示す。
実施例13において、イソソルビド81.22(0.556モル)、1,6−ヘキサンジオール(以下「1,6−HD」と略記する。)28.2重量部(0.239モル)、DPC161.6重量部(0.754モル)、触媒として、炭酸セシウム1.08×10−4重量部(0.87×10−6モル)に変更した以外は同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は1.063dl/g、ガラス転移温度は85℃、カラーb値は8.9であった。これらの結果を表1に示す。
また、光弾性係数を測定したところ20×10−12Pa−1であった。この結果をガラス転移温度の値と共に、表5に示す。
また、発生ガス量を調べたところ、フェノール成分以外の発生ガス量は11.0ng/cm2で、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を除くジヒドロキシ化合物由来の発生ガスとして、シクロヘキサジエン、シクロヘキシルフェニルエーテルが5.6ng/cm2検出された。この結果を表6に示す。
また、鉛筆硬度はHBであった。この結果を表7に示す。
実施例7において、イソソルビド42.6(0.292モル)、TCDDM25.6重量部(0.130モル)、9,9−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下BHEPFと略す)46.7重量部(0.106モル)DPC127.6重量部(0.596モル)、触媒として、水酸化ナトリウム8.7×10−5重量部(5.9×10−6モル)に変更した以外は同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.659dl/g、ガラス転移温度は121℃、カラーb値は9.2であった。これらの結果を表1に示す。
更に、このポリカーボネート共重合体を条件200℃でプレスし、厚さ200μmのフィルムを得た。d線の屈折率は1.5410、アッベ数は42であった。これらの結果を表3に記す。
実施例13において、イソソルビド63.84(0.437モル)、9,9−ビスクレゾールフルオレン(以下BCFと略す)27.6重量部(0.0729モル)、1,4−ブタンジオール19.7重量部(0.219モル)、触媒として、炭酸セシウム1.08×10−4重量部(0.87×10−6モル)に変更した以外は同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.464dl/g、ガラス転移温度は129℃、カラーb値は8.3であった。これらの結果を表1に示す。
また、光弾性係数を測定したところ23×10−12Pa−1であった。この結果をガラス転移温度の値と共に、表5に示す。
イソソルビド26.8重量部(18.70モル)に対して、TCDDM15.4重量部(8.02モル)、DPC57.7重量部(26.72モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.14×10−4重量部(6.68×10−5モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約60分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaに40分で減圧し、加熱槽温度を190℃まで40分で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
また、このポリカーボネート共重合体のNMRチャートを図2に示す。
イソソルビド26.9重量部(19.88モル)に対して、CHDM12.7重量部(9.47モル)、DPC60.4重量部(30.39モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.15×10−4重量部(7.10×10−5モル)以外は実施例26と同様にして実施した。得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度は0.621dl/g、ガラス転移温度Tigは123℃、カラーb値は11.0であった。これらの結果を表8に示す。
実施例13において、イソソルビドを予め蒸留し、蟻酸含有量が表8に示す量となったイソソルビドを用いたこと以外は、同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度、ガラス転移温度、カラーb値の測定結果を表8に示す。
実施例2において、イソソルビドを予め蒸留し、蟻酸含有量が表8に示す量となったイソソルビドを用いたこと以外は、同様に実施した。
得られたポリカーボネート共重合体の還元粘度、ガラス転移温度、カラーb値の測定結果を表8に示す。
実施例13において、イソソルビドを予め蒸留せず、蟻酸含有量が表8に示す量であるイソソルビドを用いたこと以外は、同様に実施した。
フェノールの溜出はあるが、反応液は次第に着色し、トルク上昇が見られず、ポリマーは得られなかった。
実施例2において、イソソルビドを予め蒸留せず、蟻酸含有量が表8に示す量であるイソソルビドを用いたこと以外は、同様に実施した。
フェノールの溜出はあるが、反応液は次第に着色し、トルク上昇が見られず、ポリマーは得られなかった。
表3から、本発明のポリカーボネート共重合体は、市販のポリカーボネートや従来のポリカーボネートに比べ、屈折率が小さく、アッベ数が大きいことが分かる。
表4から、本発明のポリカーボネート共重合体は、市販のポリ乳酸や従来のポリカーボネートに比べ、熱安定性が高いことが分かる。
以上の結果から、本発明のポリカーボネート共重合体は、機械的強度に優れ、耐熱性が良好で、屈折率が小さく、アッベ数が大きく、透明性に優れ、光学材料や、各種の成形材料に好適に用いることができることが分かる。
表5から、本発明のポリカーボネート共重合体は光弾性係数が小さく、フィルムや、レンズなどの光学材料に好適に用いることが、出来ることが分かる。
表6から、脂環式ジヒドロキシ化合物を共重合した本発明のポリカーボネートは、発生するガスが脂肪族ジオールを共重合したポリカーボネートより少ないことが分かる。即ち、ジヒドロキシ化合物として、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールのような脂肪族ジオールを用いた際には、これらのジオール由来の環状エーテル等のガスの発生が見られるが、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールのような脂環式ジオールを用いた際にはこのような発生ガスがほとんどない。そのため、脂環式ジオール含有ポリカーボネートは、光学フィルム等の家電製品等に用いた際に環境への影響が少ないことが分かる。
表7から、本発明のポリカーボネート共重合体は、鉛筆硬度が高く、表面硬度が高く、表面の傷つきを嫌う、フィルム用途や、筐体などの構造材料用途に好適に用いることができることが分かる。
表8から、蒸留などにより蟻酸を除去したイソソルビドを使用することで、より着色の少ない、ポリカーボネート共重合体が得られることがわかる。
Claims (9)
- 前記脂環式ジヒドロキシ化合物が、5員環構造、又は6員環構造を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート共重合体。
- 前記脂環式ジヒドロキシ化合物に含まれる炭素原子数が30以下である請求項2に記載のポリカーボネート共重合体。
- アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の量が、反応に用いる全ジヒドロキシ化合物1モルに対して、金属換算量として、0.1〜100μモルであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体。
- 光弾性係数が20×10−12Pa−1以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体。
- アイゾット衝撃強度が30J/m2以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体
- 110℃での単位面積あたりのフェノール成分以外の発生ガス量が5ng/cm2以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体。
- ガラス転移温度が45℃〜155℃であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体。
- フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの重量比1:1溶液での20℃±0.1℃における濃度1.00g/dlの還元粘度が0.40dl/g以上であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のポリカーボネート共重合体。
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