JP5625681B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式のプリンターや複写機、複合機等に用いられる電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。より詳しくは、バイオマス資源から得られる原料を用いたポリカーボネート樹脂を使用した電子写真感光体、および該電子写真感光体を使用するプロセスカートリッジ、画像形成装置に関するものである。
電子写真技術は、即時的に高品質の画像が得られることなどから、複写機、プリンター、印刷機として広く使われている。電子写真技術の中核となる電子写真感光体(以下適宜「感光体」という)については、無公害で成膜が容易、製造が容易で低コストである等の利点を有する、有機系の感光体が広く使用されている。
有機系の感光体に使用される材料は、近年の環境的見地からは、他の工業材料の例に漏れず、単に無公害であるだけでなく、社会の持続的発展性に配慮することが求められている。例えば、化石燃料等の枯渇性資源ではない、現生生物体構成物質起源の産業資源、いわゆるバイオマス資源の使用が検討されている。バイオマスは有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出される。しかし、これに含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来する。そのため、バイオマスを使用しても全体として見れば大気中の二酸化炭素量を増加させていないと考えてよいとされる(カーボンニュートラルの考え)。
有機系の電子写真感光体の感光層に関しては、バインダー樹脂が感光層重量の半分前後を占めていることが多い。特に、ポリカーボネート樹脂が好適に使用されているが、それらは従来、前記枯渇性資源から製造されたモノマーを重合したものであった。
バイオマス系のポリマー材料の代表例はポリ乳酸であるが、溶解性、機械的物性面で、感光体用材料としては、適用困難である。一方、バイオマス資源から得られる原料を用いたポリカーボネート樹脂として、例えば、特許文献1には、植物由来モノマーとしてイソソルビドを使用し、炭酸ジフェニルとのエステル交換によりポリカーボネート樹脂を得ることが記載されている。特許文献2には、イソソルビドとビスフェノールAを共重合したポリカーボネート樹脂が記載されている。特許文献3には、糖アルコールの一種であるイソソルビドと脂肪族ジオールとを共重合することによりポリカーボネート樹脂の剛直が改善されることが記載されている。特許文献4には、糖アルコール成分として、イソソルビド成分に、その立体異性体であるイソマンニド、イソイディッドを少量含有させることにより、射出成形品の耐熱性が向上することが記載されている。特許文献5、6には、イソソルビドと脂環式ジヒドロキシ化合物との共重合体について記載されている。
英国特許第1,079,686号明細書 特開昭56−055425号公報 国際公開第2004/111106号パンフレット 特開2009−73892号公報 特開2006−232897号公報 特開2008−24919号公報
有機系の電子写真感光体は、湿式塗布により製造されるものが多く、従前知られるバイオマス資源からなる樹脂を具体的に適用した技術文献は無い。また、前記イソソルビドに代表されるような糖アルコール系ジヒドロキシ体からなるポリカーボネート樹脂に関しても、塗布液に使用する溶剤に対する溶解性、好適な共重合比率等について、全く知見が無いのが現状である。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、感光層に糖アルコール系ジヒドロキシ体からなる繰返し構造を有する樹脂を含有させることにより、他の感光体性能を損なうことなく、高速応答性や高耐久性が要求される感光体にも適用できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の要旨は、下記の<1>〜<6>に存する。
<1>感光層中に下記式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0005625681
<2>該ポリカーボネート樹脂が、構造の一部に下記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂肪族ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に由来する構成単位を含むことを特徴とする、<1>記載の電子写真感光体。
Figure 0005625681
<3> <2>において、前記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の割合が、該ポリカーボネート樹脂中、20モル%以上、60モル%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
<4>該ポリカーボネート樹脂が、前記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、下記一般式(3)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、重縮合により得られるポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、<1>〜<3>記載の電子写真感光体。
Figure 0005625681
(一般式(3)において、A及びAは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜炭素数18の脂肪族基、または、置換若しくは無置換の芳香族基である。)
<5> <1>乃至<4>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真用プロセスカートリッジ。
<6> <1>乃至<4>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真画像形成装置。
本発明によれば、バイオマス由来の原料を使用可能な糖アルコールを原料とするポリカーボネート樹脂を含有する感光層を有し、高速応答性や高耐久性が要求される用途にも適用できる電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置を得ることが出来る。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
まず、本発明の電子写真感光体に使用されるバインダー樹脂について説明する。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で表される構造単位を含むものである。
Figure 0005625681
前記式(1)で表されるポリカーボネート樹脂は、少なくとも下記式(2)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物と下記一般式(3)で表される炭酸ジエステルとの重縮合により得られるものである。
Figure 0005625681
(一般式(3)において、A及びAは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜炭素数18の脂肪族基、または、置換若しくは無置換の芳香族基である。)
(イソソルビド系ジヒドロキシ化合物)
上記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物としては、例えば、立体異性体の関係にあるイソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらのジヒドロキシ化合物のうち、資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、光学特性、成形性の面から最も好ましい。
尚、イソソルビドは酸素によって徐々に酸化されやすい。このため、保管や、製造時の取り扱いの際には、酸素による分解を防ぐため、水分が混入しないようにし、また、脱酸素剤を用いたり、窒素雰囲気下にしたりすることが肝要である。イソソルビドが酸化されると、蟻酸をはじめとする分解物が発生する。例えば、これら分解物を含むイソソルビドを用いてポリカーボネート樹脂を製造すると、得られるポリカーボネート樹脂に着色が発生したり、物性を著しく劣化させる原因となる。また、重合反応に影響を与え、高分子量の重合体が得られないこともあり、好ましくない。また、蟻酸の発生を防止するような安定剤を添加してあるような場合、安定剤の種類によっては、得られるポリカーボネート樹脂に着色が発生したり、物性を著しく劣化させたりする。安定剤としては還元剤や制酸剤が用いられる。このうち還元剤としては、ナトリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライド等が挙げられ、制酸剤としては水酸化ナトリウム等のアルカリが挙げられる。このようなアルカリ金属塩の添加は、アルカリ金属が重合触媒ともなるので、過剰に添加し過ぎると重合反応を制御できなくなり、好ましくない。
酸化分解物を含まないイソソルビドを得るために、必要に応じてイソソルビドを蒸留しても良い。また、イソソルビドの酸化や、分解を防止するために安定剤が配合されている場合も、必要に応じて、イソソルビドを蒸留しても良い。この場合、イソソルビドの蒸留は単蒸留であっても、連続蒸留であっても良く、特に限定されない。蒸留は、アルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気下で、減圧蒸留を実施する。このようなイソソルビドの蒸留を行うことにより、蟻酸含有量が20ppm以下、特に5ppm以下である高純度のイソソルビドを用いることができる。
尚、イソソルビド中の蟻酸含有量の測定方法は、イオンクロマトグラフを使用し、以下の手順に従い行われる。
イソソルビド約0.5gを精秤し50mlのメスフラスコに採取して純水で定容する。標準試料としてギ酸ナトリウム水溶液を用い、標準試料とリテンションタイムが一致するピークをギ酸とし、ピーク面積から絶対検量線法で定量する。
イオンクロマトグラフは、Dionex社製のDX−500型を用い、検出器には電気伝導度検出器を用いた。測定カラムとして、Dionex社製ガードカラムにAG−15、分離カラムにAS−15を用いる。測定試料を100μlのサンプルループに注入し、溶離液に10mM−NaOHを用い、流速1.2ml/min、恒温槽温度35℃で測定する。サプレッサーには、メンブランサプレッサーを用い、再生液には12.5mM−HSO水溶液を用いる。
(脂環式ジヒドロキシ化合物)
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、前述した式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位以外に、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むことが、有機溶剤への溶解性の観点から好ましい。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、通常、5員環構造又は6員環構造を含む化合物が挙げられる。脂環式ジヒドロキシ化合物が5員環、6員環構造であることにより、得られるポリカーボネート樹脂の耐熱性を高くすることができる。6員環構造は共有結合によって椅子形もしくは舟形に固定されていてもよい。
脂環式ジヒドロキシ化合物に含まれる炭素原子数は通常70以下であり、好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。炭素原子数が過度に大きいと、耐熱性が高くなるが、合成が困難になったり、精製が困難になったり、コストが高価になる傾向がある。炭素原子数が小さいほど、精製しやすく、入手しやすい傾向がある。
5員環構造又は6員環構造を含む脂環式ジヒドロキシ化合物としては、具体的には、下記一般式(II)又は(III)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物が挙げられる。
HOCH−R−CHOH (II)
HO−R−OH (III)
(但し、式(II),式(III)中、R,Rは、炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
上記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるシクロヘキサンジメタノールとしては、一般式(II)において、Rが下記一般式(IIa)(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)で示される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
Figure 0005625681
上記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるトリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノールとしては、一般式(II)において、Rが下記一般式(IIb)(式中、nは0又は1で表す。)で表される種々の異性体を包含する。
Figure 0005625681
上記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるデカリンジメタノール又は、トリシクロテトラデカンジメタノールとしては、一般式(II)において、Rが下記一般式(IIc)(式中、mは0、又は1を表す。)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール等が挙げられる。
Figure 0005625681
また、上記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるノルボルナンジメタノールとしては、一般式(II)において、Rが下記一般式(IId)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール等が挙げられる。
Figure 0005625681
一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるアダマンタンジメタノールとしては、一般式(II)において、Rが下記一般式(IIe)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、1,3−アダマンタンジメタノール等が挙げられる。
Figure 0005625681
また、上記一般式(III)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるシクロヘキサンジオールは、一般式(III)において、Rが下記一般式(IIIa)(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基で表される。)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
Figure 0005625681
上記一般式(III)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるトリシクロデカンジオール、ペンタシクロペンタデカンジオールとしては、一般式(III)において、Rが下記一般式(IIIb)(式中、nは0又は1で表す。)で表される種々の異性体を包含する。
Figure 0005625681
上記一般式(III)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるデカリンジオール又は、トリシクロテトラデカンジオールとしては、一般式(III)において、Rが下記一般式(IIIc)(式中、mは0、又は1を表す。)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、2,6−デカリンジオール、1,5−デカリンジオール、2,3−デカリンジオール等が用いられる。
Figure 0005625681
上記一般式(III)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるノルボルナンジオールとしては、一般式(III)において、Rが下記一般式(IIId)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、2,3−ノルボルナンジオール、2,5−ノルボルナンジオール等が用いられる。
Figure 0005625681
上記一般式(III)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるアダマンタンジオールとしては、一般式(III)において、Rが下記一般式(IIIe)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては具体的には、1,3−アダマンタンジオール等が用いられる。
Figure 0005625681
上述した脂環式ジヒドロキシ化合物の具体例のうち、特に、シクロヘキサンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール類、アダマンタンジオール類、ペンタシクロペンタデカンジメタノール類が好ましく、入手のしやすさ、取り扱いのしやすさという観点から
、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。
尚、上記例示化合物は、本発明に使用し得る脂環式ジヒドロキシ化合物の一例であって、何らこれらに限定されるものではない。これらの脂環式ジオール化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂において、上述した式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との含有割合は、好ましくは、(式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位):(脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位)=(1:99)〜(99:1)(モル%)であって、感光体用塗布液に使用する有機溶剤に対する溶解性の観点からは、(20:80)〜(60:40)であることがより好ましく、(25:70)〜(50:50)であることが更に好ましく、(30:70)〜(40:60)であることが最も好ましい。
感光体用塗布液に使用する有機溶剤に対する溶解性以外の観点からも、式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が過度に多く、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が過度に少ないと、ポリカーボネート樹脂が着色しやすい傾向がある。逆に式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が過度に少なく、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が過度に多いと、ポリカーボネート樹脂の分子量が増大しにくくなる傾向がある。
(その他のジヒドロキシ化合物)
尚、本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、上述した脂環式ジヒドロキシ化合物以外に、更に他のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が含まれていても良い。
このようなその他のジヒドロキシ化合物としては、例えば、脂肪族ジヒドロキシ化合物、オキシアルキレングリコール、芳香族ジヒドロキシ化合物、環状アセタール構造を有するジオール等が挙げられる。
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
オキシアルキレングリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどがあげられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール化合物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテルなどのヘテロ原子を
含んだ芳香族ジヒドロキシ化合物、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ−2−メチル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレンなどのフルオレン系芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。
また、環状アセタール構造を有するジオールとしては、例えば、スピログリコール、ジオキサングリコール等が挙げられる。
これらのその他のジヒドロキシ化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。
その他のジヒドロキシ化合物を用いることにより、柔軟性の改善、耐熱性の向上、成形性の改善等の効果を得ることもできる。尤も、その他のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の含有割合が過度に多いと、感光層を塗布形成する際の塗布液への溶解性や、電子写真感光体としての各種性能を低下させることがある。
このため、本発明で使用するポリカーボネート樹脂においては、ポリカーボネート樹脂を構成する全ジヒドロキシ化合物に対する式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物との合計の割合が90モル%以上であることが好ましい。
特に、本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物として、式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物のみで構成されることが好ましい。
(炭酸ジエステル)
前述した式(2)のジヒドロキシ化合物と重縮合する炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
Figure 0005625681
一般式(3)において、A、Aは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族基または置換基を有していてもよい芳香族基であり、AとAは同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(3)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換基を有していてもよいジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類が例示される。
これらの中でも、ジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートが好ましく、ジフェニルカーボネートが特に好ましい。
(ポリカーボネート樹脂の製造方法)
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、従来公知の重合方法により製造することができる。重合方法としては、重合触媒の存在下に、前述した式(2)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物と、必要に応じて用いられるその他のジヒドロキシ化合物とを、炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法が好ましい。
前述した溶融重合法において、炭酸ジエステルは、反応に用いる式(2)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物を含む全ジヒドロキシ化合物に対し、0.90〜1.10のモ
ル比率で用いることが好ましく、0.96〜1.04のモル比率で用いることがさらに好ましい。
溶融重合法において使用する炭酸ジエステルのモル比が過度に小さいと、製造されたポリカーボネート樹脂の末端OH基が増加し、ポリマーの熱安定性が悪化し、また所望する高分子量体が得られない傾向がある。一方、使用する炭酸ジエステルのモル比が過度に大きいと、同一重合条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望する分子量のポリカーボネート樹脂の製造が困難となる傾向がある。さらに、製造されたポリカーボネート樹脂中の残存する炭酸ジエステル量が増加する傾向があり、残存炭酸ジエステルが、成形時又は成形品の臭気の原因となる傾向がある。
このような観点から、本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、式(2)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物の残存含有量が60ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましく、30ppm以下であることが特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂中の、式(2)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物の残存含有量が過度に多いと、ポリマーの熱安定性が悪化したり、感光体の電気特性が不安定になる可能性がある。
また、本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、炭酸ジエステルの残存量が60ppm以下であることが好ましく、0.1ppm以上60ppm以下であることがより好ましく、0.1ppm以上50ppm以下であることがさらに好ましく、0.1ppm以上30ppm以下であることが特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂中の、一般式(3)で表される炭酸ジエステルの残存含有量が過度に多いと、ポリマーの熱安定性が悪化したり、感光体の電気特性が不安定になる可能性がある。
(重合触媒)
溶融重合における重合触媒(エステル交換触媒)としては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用される。アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と共に、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のみを使用することが特に好ましい。
重合触媒として用いられるアルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、2セシウム塩等が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢
酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。これらのアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と併用される塩基性ホウ素化合物の具体例としては、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、あるいはストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、あるいは四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。これらの塩基性化合物も1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
上記重合触媒の使用量は、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いる場合、反応に用いる全ジヒドロキシ化合物1モルに対して、金属換算量として、通常、0.1μモル〜100μモルの範囲内で用い、好ましくは0.5μモル〜50μモルの範囲内であり、さらに好ましくは1〜25μモルの範囲内である。重合触媒の使用量が過度に少ないと、所望の分子量のポリカーボネート樹脂を製造するのに必要な重合活性が得られない傾向がある。一方、重合触媒の使用量が過度に多いと、得られるポリカーボネート樹脂の色相が悪化し、副生成物が発生したりして流動性の低下やゲルの発生が多くなり、目標とする品質のポリカーボネート樹脂の製造が困難になる傾向がある。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂の製造に当たり、前述した式(2)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物は、固体として供給しても良いし、加熱して溶融状態として供給しても良いし、水溶液として供給しても良い。
必要に応じて用いられる脂環式ジヒドロキシ化合物も、固体として供給しても良いし、加熱して溶融状態として供給しても良いし、水に可溶なものであれば、水溶液として供給しても良い。その他のジヒドロキシ化合物についても同様である。これらの原料ジヒドロ
キシ化合物を溶融状態や、水溶液で供給すると、工業的に製造する際、計量や搬送がしやすいという利点がある。
本発明において、式(2)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物と、必要に応じて用いられる、脂環式ジヒドロキシ化合物やその他のジヒドロキシ化合物とを、重合触媒の存在下で炭酸ジエステルと反応させる方法は、通常、2段階以上の多段工程で実施される。
具体的には、第1段目の反応は140〜220℃、好ましくは150〜200℃の温度で0.1〜10時間、好ましくは0.5〜3時間実施される。第2段目以降は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げながら反応温度を上げていき、同時に発生するフェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物を反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力が200Pa以下で、210〜280℃の温度範囲のもとで重縮合反応を行う。
重縮合反応における減圧において、温度と反応系内の圧力のバランスを制御することが重要である。特に、温度、圧力のどちらか一方でも早く過度に変化すると、未反応のモノマーが留出し、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのモル比が変化し、重合度が低下することがある。
例えば、ジヒドロキシ化合物としてイソソルビドと1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いる場合は、全ジヒドロキシ化合物に対し、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%以上の場合は、1,4−シクロヘキサンジメタノールがモノマーのまま留出しやすくなるので、反応系内の圧力が13kPa程度の減圧下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させながら反応させ、さらに、6.67kPa程度までの圧力下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させ、最終的に200Pa以下の圧力で、200から250℃の温度で重縮合反応を行うと、十分に重合度が上昇したポリカーボネート樹脂が得られるため、好ましい。
全ジヒドロキシ化合物に対し、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%より少なくなった場合、特に、モル比が30モル%以下となった場合は、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%以上の場合と比べて、急激な粘度上昇が起こるので、例えば、反応系内の圧力が13kPa程度の減圧下までは、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させながら反応させ、さらに、6.67kPa程度までの圧力下で、温度を1時間あたり40℃以上の昇温速度、好ましくは1時間あたり50℃以上の昇温速度で上昇させながら反応させ、最終的に200Pa以下の減圧下、220℃から290℃の温度で重縮合反応を行うと、十分に重合度が上昇したポリカーボネート樹脂が得られるため、好ましい。反応の形式は、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
(芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量)
尚、上述したジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応において、炭素数が5以下であるアルキル基を有してもよい芳香族モノヒドロキシ化合物が副生成物として生成する。本実施の形態では、ポリカーボネート樹脂に含まれる炭素数が5以下であるアルキル基を有してもよい芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量が700ppm以下であることが好ましく、含有量が500ppm以下であることがさらに好ましく、含有量が300ppm以下であることが特に好ましい。
但し、本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、不可避的に残存する量として10ppm程度の上記芳香族モノヒドロキシ化合物が含有されている。
ここで、炭素数が5以下であるアルキル基を有してもよい芳香族モノヒドロキシ化合物とは、後述するように、ポリカーボネート樹脂に添加される、例えば、ヒンダードフェノール等の酸化防止剤を排除することを意味している。
炭素数が5以下であるアルキル基を有してもよい芳香族モノヒドロキシ化合物の具体例としては、例えば、フェノール、クレゾール、t−ブチルフェノールフェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−n−ペンチルフェノール、m−n−ペンチルフェノール、p−n−ペンチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂に含有される炭素数が5以下であるアルキル基を有してもよい芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量を700ppm以下に調整する方法は特に限定されないが、通常、以下の方法が挙げられる。
例えば、重縮合反応においてジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの仕込み比率を1に近づける、重縮合反応を増大させる、重縮合反応が行われる反応器外に効率的に上記芳香族モノヒドロキシ化合物を排出する、重縮合反応の後半において横型反応器を用いて高粘度の反応液に所定の剪断力を与えながら脱気する、注水脱揮操作により水と上記芳香族モノヒドロキシ化合物を共沸させる等が挙げられる。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂において、炭素数が5以下であるアルキル基を有してもよい芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量が過度に多いと、色調と透明性が損なわれ、経時的に色調が悪化する傾向がある。
(分子量)
上述のポリカーボネート樹脂において、粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、また、その上限は、好ましくは70,000以下、より好ましくは50,000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、感光層の機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
<電子写真感光体>
次に、感光体の構成要素について説明する。
感光体は、導電性支持体上に、必要に応じて陽極酸化層、導電層、下引き層を設け、その上に単層型あるいは積層型の感光層を設け、更に必要に応じて保護層を設けて構築される。
導電性支持体、陽極酸化層、下引き層については、公知の、例えば特開2007−293319号公報に開示されている公知の例を使用することが出来る。
(感光層)
感光層の形式としては、電荷発生材料と電荷輸送材料とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生材料がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送材料がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、本発明に用いられる電子写真感光体の感光層は、いずれの形式であってもよい。
また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に導電性支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂は、前記感光層中でバインダー樹脂として使
用される。当該バインダー樹脂は、どの層中で使用されても構わないが、通常は積層型感光層の電荷輸送層中、あるいは単層型感光層中で、好ましくは積層型感光層の電荷輸送層中で使用される。
また、当該バインダー樹脂が好適に使用される前記電荷輸送層は、複数層でも構わず、その場合はどの層が含有してもよいが、通常は一層に含有される。
当該バインダー樹脂と電荷輸送材料の配合割合は、通常は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送材料を20質量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、更には、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40質量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送材料を通常は150質量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から110質量部以下が好ましく、耐摩耗性の観点から80質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から70質量部以下が最も好ましい。
(積層型感光層)
・電荷発生層
電荷発生層については、公知の、例えば特開2007−293319号公報に開示されている例を使用することが出来る。
・電荷輸送層
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送材料、バインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、電荷輸送材料と、バインダー樹脂として本発明に使用される上記ポリカーボネート樹脂と、添加剤等を溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送材料としては、公知のカルバゾール誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、エナミン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましい。更に具体的には、特開平2−230255号、特開昭63−225660号、特開昭58−198043号、特公昭58−32372号、および、特公平7−21646号の各公報に記載の化合物が好ましく使用される。これらの電荷輸送材料は、何れか1種を単独で用いても良く、複数種のものを任意の組み合わせで併用しても良い。
電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の観点、更には高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更には30μm以下の範囲とする。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させても良い。
(その他の機能層)
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。保護層は、光硬化型、熱硬化型、電子線硬化型等の硬化型保護層、無機フィラーを分散させた保護層等、公知のものを使用することができる。
(各層の形成方法)
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
なお、本発明に使用されるポリカーボネート樹脂は、単独でも、他の樹脂と混合して使用してもよい。混合しても良いバインダー樹脂としては、例えば、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。なお、これら樹脂は珪素試薬などで修飾されていてもよい。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂を含む塗布液の作製に用いられる溶媒または分散媒に特に制限は無いが、具体例としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。また、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせおよび種類で併用してもよい。
(塗布液の製造方法)
本発明に関わる感光層用塗布液の製造方法に制限は無い。形成する層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて塗布液を得る。例えば、本発明のポリカーボネート樹脂を含有する積層型感光層の場合、以下の方法により製造することが可能である。即ち、電荷輸送材料、ポリカーボネート樹脂、必要に応じて併用するバインダー樹脂、添加剤等を、有機溶剤中に常温あるいは加温しながら攪拌、溶解し、必要に応じて任意のフィルターでろ過し、塗布液を調整する。この際、感光層の潤滑性、離型性を高める目的で不溶性の微粒子を添加する場合には、適当な分散手段によって分散液としても良い。
<プロセスカートリッジ、画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、画像形成装置について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電装置(接触型帯電装置)等がよく用いられる。直接帯電装置の例としては、帯電ローラ、帯電ブラシ等が挙げられる。なお、図1では、帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示している。直接帯電手段として、気中放電を伴う帯電、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行って電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LED等が挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行うようにしてもよい。露光を行う際の光は任意であるが、例えば、波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光等で露光を行えばよい。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像等の乾式現像方式や、湿式現像方式等の任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、プロセスカートリッジ等の容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等を被覆した樹脂ロール等からなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコン樹脂やウレタン樹脂等の樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅等の金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯
電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナー等、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シート等公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着等、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行われる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行う。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行うことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行うことで電子写真感光体の除電を行う工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程等の工程を行うことができる構成としたり、オフセット印刷を行う構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型の電子写真用プロセスカートリッジ(以下適宜「カートリッジ」という)として構成し、このカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例としては、電子写真感光体1、帯電装置2、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6を組み込んだ一体型カートリッジ、あるいは電子写真感光体1、帯電装置2、クリーニング装置6を一体化したカートリッジとし、現像装置4を別にカートリッジとするタイプが挙げられる。これらのカートリッジでは、例えば電子写真感光体1が劣化した場合、あるいは現像装置4中のトナーが消費されて無くなった場合に、このカートリッジごと画像形成装置本体から取り外し、別の新しいカートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。 なお、下記記載中、「部」は「質量
部」を表わす。
<粘度平均分子量>
ポリカーボネート樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘
度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
<イソソルビドの蒸留>
ここで、ポリカーボネート樹脂の製造に用いたイソソルビドの蒸留方法は次の通りである。
イソソルビドを蒸留容器に投入した後、徐々に減圧を開始後、加温を行い、内温約100℃で溶解した。その後、内温160℃にて溜出を開始した。このときの圧力は133〜266Paであった。初溜を取った後、内温160〜170℃、塔頂温度150〜157℃、133Paで蒸留を実施した。蒸留終了後、アルゴンを入れ、常圧に戻した。得られた蒸留品をアルゴン気流下で冷却粉砕し、蒸留精製したイソソルビドを得た。これを、アルミラミネート袋に窒素気流下で、エージレス(三菱ガス化学株式会社製)を同封して室温にてシール保管した。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
以下の記載の中で用いた化合物の略号は次の通りである。
ISB:イソソルビド (ロケットフルーレ社製、商品名POLYSORB)
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール (イーストマン社製)
TCDDM:トリシクロデカンジメタノール
DEG:ジエチレングリコール(三菱化学社製)
DPC:ジフェニルカーボネート (三菱化学社製)
[ポリカーボネート樹脂製造例1]
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、ISBとC
HDM、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたDPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.30/0.70/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005vol%〜0.001vol %)。続いて熱媒で加温を行い、内温が
100℃になった時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にし、内温が215℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、215℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気は、還流冷却器への入口温度として100℃に制御された蒸気を冷媒として用いた還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を重合反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の温水を冷媒として用いた凝縮器に導いて回収した。
このようにしてオリゴマー化させた内容物を、一旦大気圧にまで復圧させた後、撹拌翼および上記同様に制御された還流冷却器を具備した別の重合反応装置に移し、昇温および減圧を開始して、60分で内温220℃、圧力200Paにした。その後、20分かけて内温230℃、圧力133Pa以下にして、所定撹拌動力になった時点で復圧し、内容物をストランドの形態で抜出し、回転式カッターでペレットにした。
得られたペレットを、2つのベント口を有する日本製鋼所社製2軸押出機(LABOTEX30HSS-32)を用いて、出口の樹脂温が250℃になるようにストランド状に押し出し、水で
冷却固化させた後、回転式カッターでペレット化した。この際、ベント口は真空ポンプに連結し、ベント口での圧力が500Paになるように制御した。得られたポリカーボネート樹脂をPC−1とする。
[ポリカーボネート樹脂製造例2]
ISBとCHDMのモル比率を0.40/0.60に変えた他は、ポリカーボネート樹脂製造例1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂をPC−2とする。
[ポリカーボネート樹脂製造例3]
ISBとCHDMのモル比率を0.50/0.50に変えた他は、ポリカーボネート樹脂製造例1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂をPC−3とする。
[ポリカーボネート樹脂製造例4]
ISB/CHDM(モル比0.30/0.70)に変えて、ISB/TCDDM(モル
比0.50/0.50)を使用した以外は、ポリカーボネート樹脂製造例1と同様に行っ
た。得られたポリカーボネート樹脂をPC−4とする。
<感光体の製造および評価>
実施例1
感光体用の塗布液を、下記のように製造した。
[下引き層形成用塗布液の製造]
下引き層形成用塗布液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン
酸の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
[電荷発生層形成用塗布液の製造]
電荷発生層形成用塗布液は以下のように作製した。電荷発生物質として、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示す、Y型(別称D型)オキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Lを調製した。
[電荷輸送層形成用塗布液の製造A]
電荷輸送層形成用塗布液は以下のように作製した。下記の電荷輸送材料CT−1を50部、前記ポリカーボネート樹脂PC−1(粘度平均分子量は27,500)100部、酸化防止剤として、チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名IRGANOX1076を8重量部
、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05部をテトラヒドロフラン(以下適宜THFと略)とトルエン(以下適宜TLと略)の混合溶媒(THF 80重量%、TL 20重量%)640部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 0005625681
〔感光体の製造〕
前記のようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が約1.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して下引き層を設けた。
続いて、前記のようにして得られた電荷発生層形成用塗布液を、上記下引層上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して電荷発生層を設けた。
続いて、前記のようにして得られた電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が約25μmになるようにアプリケーターで塗布し、125 ℃で20分間
乾燥して、感光体P1aを作製した。
なお、上記電荷輸送層塗布液において、溶剤をTHF,TLに代えて1,2−ジクロロエタン(以下適宜DCEと略)を使用した塗布液も作製し、同様に感光体P1bを作製した。
<電気特性試験>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体シートを直径80mmのアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体シートのアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものをNDフィルターを使用して光量を変化させて表面電位の減衰挙動を測定した。その際の測定値としては、0.76μJ/cm露光した際の表面電位(VL;単位:−V)を求めた。なお、VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%、および温度5℃、相対湿度10%の2条件で行ない、それぞれのVLをVL(NN)、VL(LL)と表す。測定結果を表−1に示す。
実施例2
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えてPC−2(粘度平均分子量:26,400)を使用した以外は、実施例1と同様に感光体P2a,P2bを得た。結果を表−1に示す。
実施例3
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えてPC−3(粘度平均分子量:24,200)を使用した以外は、実施例1と同様に感光体P3a,P3bを得た。結果を表−1に示す。
実施例4
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えてPC−4(粘度平均分子量:18,400)を使用した以外は、実施例1と同様に感光体P4a,P4bを得た。結果を表−1に示す。
比較例1
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えて下記の構造単位を有するポリカーボネート樹脂A(粘度平均分子量20,000)を使用し、塗布溶剤として、THF80重量%、TL20重量%の混合溶剤のみを使用した以外は、実施例1と同様に感光体P11得た。結果を表−1に示す。
Figure 0005625681
比較例2
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えて下記の構造単位を有するポリカーボネート樹脂B(粘度平均分子量30,000)を使用し、塗布溶剤として、THF80重量%、TL20重量%の混合溶剤のみを使用した以外は、実施例1と同様に感光体P12得た。結果を表−1に示す。
Figure 0005625681
比較例3
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えて東洋紡績株式会社製、商品名バイロン290を使用し、塗布溶剤として、THF80重量%、TL20重量%の混合溶剤のみを使用した以外は、実施例1と同様に感光体P11得た。結果を表−1に示す。
比較例4
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えて下記の構造単位を有するポリエステル樹脂C(粘度平均分子量40,000)を使用し、塗布溶剤として、THF80重量%、TL20重量%の混合溶剤のみを使用した以外は、実施例1と同様に感光体PA得た。結果を表−1に示す。
Figure 0005625681
Figure 0005625681
実施例5
<応答性試験>
感光体P1a,P11,P12,P13,P14について、応答性試験を実施した。前記<電気測定試験>において、温度10℃、相対湿度10%において、0.55μJ/cm露光した際の、露光から電位測定に要する時間を153ms、34msの2条件で測定し、それぞれVL1、VL2(単位:−V)とした。△VLr=VL2−VL1の値を計算した。結果を表−2に示す。△VLrの値の絶対値が小さいほど、応答性が良好であることを表す。
実施例6
<Tabor摩耗試験>
感光体P1a,P11,P12,P13,P14について、Tabor摩耗試験を実施した。感光体フィルムをドラムに貼り付けず、直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験後の重量減量を測定した。結果を表−2に示す。摩耗量が小さいほど耐摩耗性が良好であることを示す。
Figure 0005625681
表−2の結果より、本発明のバインダー樹脂PC−1を使用した感光体は、応答性、耐摩耗性とも良好であることが分かる。PC−1の応答性が良好な理由は明らかではないが、ベンゼン環が存在しないバインダー樹脂であるPC−1では、電荷輸送材料が分子レベルまではバインダー樹脂と相溶せず、一部電荷輸送材料が凝集体を作っていると推定される。このような凝集体が、膜厚方向の電荷移動のパスを形成し、電荷の移動が早くなっていると考えられる。
実施例7
〔感光体P15の製造〕
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液の製造Aに代えて、下記の電荷輸送層形成用塗布液の製造Bにより製造された塗布液を、膜厚19μで塗布した以外は、実施例1と同様に感光体P15を作製した。なお、電荷輸送層の塗布溶剤としては、THF、TLの混合溶剤のみを使用した。
〔電荷輸送層形成用塗布液の製造B〕
下記の電荷輸送材料CT−2を56部、CT−3を14部、前記ポリカーボネート樹脂PC−1(粘度平均分子量は27,500)100部、酸化防止剤として、チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名IRGANOX1076を8重量部、下記のアクセプター性化合物
AC−1、レベリング剤としてシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96)0.05部をTHFとTLの混合溶媒(THF 70重量%、TL 30重量%)540部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 0005625681
〔感光体P16の製造〕
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、前記ポリカーボネート樹脂Aを使用した以外は、前記感光体P15の製造と同様に、感光体P16を作製した。
〔感光体P17の製造〕
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、前記東洋紡績株式会社製、商品名バイロン290を使用した以外は、前記感光体P15の製造と同様に、感光体P17を作製した。
〔感光体P18の製造〕
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、前記ポリエステル樹脂Cを使用した以外は、前記感光体P15の製造と同様に、感光体P18を作製した。
<光疲労試験>
感光体P15,P16,P17,P18について、光暴露による電気特性の劣化度合の指標として、下記の光疲労試験を実施した。作製された感光体シート巻き付けドラムについて、感光体上に、白色蛍光灯の光で曝露される部分と曝露されない部分をつくるために、縦20mm、横10mmの穴を開けた黒紙で感光体の全面を覆い、その上から、白色蛍光灯(三菱オスラム社製「ネオルミスーパーFL20SS・W/18」)の光を、感光体表面での光強度が2000ルクスとなるように調整して、黒紙に穴を開けた部分を中心に10分間照射した後、黒紙を取り外し、そのドラムを電気特性試験機に装着し、光曝露部と非露光部の帯電電位の差異△VLp1(暴露部−非暴露部)、VLの差異ΔVLp2(暴露部−非暴露部)を測定した。結果を表−3に示す。いずれも、絶対値が小さいほど良好であることを示す。
Figure 0005625681
表−3の結果から、本発明のバインダー樹脂PC−1を使用した感光体は、光疲労し難いことが分かる。
実施例8
〔感光体P19の製造〕
実施例1で使用した表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシートに代えて、表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、下引き層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、1.3μm、0.4μm、25μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を塗布し、125℃で20分間乾燥した以外は、実施例1と同様に、感光体P19を作製した。なお、電荷輸送層の塗布溶剤としては、THF、TLの混合溶剤のみを使用した。
〔感光体P20の製造〕
前記感光体P19の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、
前記ポリカーボネート樹脂Aを使用した以外は、前記感光体P15の製造と同様に、感光体P20を作製した。
〔感光体P21の製造〕
前記感光体P19の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、
前記ポリカーボネート樹脂Bを使用した以外は、前記感光体P19の製造と同様に、感光体P21を作製した。
〔感光体P22の製造〕
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、
前記東洋紡績株式会社製、商品名バイロン290を使用した以外は、前記感光体P19の製造と同様に、感光体P17を作製した。
〔感光体P23の製造〕
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、
前記ポリエステル樹脂Cを使用した以外は、前記感光体P19の製造と同様に、感光体P23を作製した。
<画像試験>
感光体P19、P20、P21、P22、P23を、ヒューレットパッカード社製タンデムフルカラープリンターLaserJet4650に搭載して、気温23℃、相対湿度50%下において、印字率5%で、10000枚の連続印字を行って、かぶり(バックグラウンド)、クリーニング不良の有無、感光体上のトナー付着(フィルミング)の発生を調べた。
<かぶりの測定方法>
画像形成装置を用いて、印字前及び連続印字後の、それぞれの標準紙(OKIエクセレ
ントホワイト)における白地部分の色差を、X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、△Eの大きさにより下記の基準で判定した。
○(良好) :△E<0.8
△(わずかに発生):0.8≦△E<1.2
×(発生) :1.2≦△E
<感光体のクリーニング評価>
感光体の白地部に、トナーのクリーニング不良に起因するスジムラが発生する程度を評価した。
○ (クリーニング不良発生無し)
△ (一部発生)
×(全面発生)
<感光体のフィルミング評価>
連続印字後に感光体をカートリッジより取出し、エアーを強く当てて残留トナーを十分吹き飛ばした後、感光体上へのトナー成分の残留(強く固着した成分)分、すなわちフィルミング成分の程度を評価した。
○ (フィルミング発生無し)
△ (一部発生)
×(全面発生)
画像試験結果を、表−4に示す。
Figure 0005625681
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー

Claims (5)

  1. 感光層中にポリカーボネート樹脂を含有し、
    該ポリカーボネート樹脂が、構造の一部に下記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含み、
    これらの含有割合が、(式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位)
    :(脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位)=(20:80)〜(60:40)(モル%)
    であることを特徴とする、電子写真感光体。
    Figure 0005625681
  2. 前記脂環式ジヒドロキシ化合物が、1,4−シクロヘキサンジメタノール、またはトリシクロデカンジメタノールであることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 該ポリカーボネート樹脂が、記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と、下記一般式(3)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、重縮合により得られるポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005625681
    (一般式(3)において、A及びAは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜炭素数18の脂肪族基、または、置換若しくは無置換の芳香族基である。)
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真用プロセ
    スカートリッジ。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真画像形成装置。
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