JP5625681B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
有機系の感光体に使用される材料は、近年の環境的見地からは、他の工業材料の例に漏れず、単に無公害であるだけでなく、社会の持続的発展性に配慮することが求められている。例えば、化石燃料等の枯渇性資源ではない、現生生物体構成物質起源の産業資源、いわゆるバイオマス資源の使用が検討されている。バイオマスは有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出される。しかし、これに含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来する。そのため、バイオマスを使用しても全体として見れば大気中の二酸化炭素量を増加させていないと考えてよいとされる(カーボンニュートラルの考え)。
バイオマス系のポリマー材料の代表例はポリ乳酸であるが、溶解性、機械的物性面で、感光体用材料としては、適用困難である。一方、バイオマス資源から得られる原料を用いたポリカーボネート樹脂として、例えば、特許文献1には、植物由来モノマーとしてイソソルビドを使用し、炭酸ジフェニルとのエステル交換によりポリカーボネート樹脂を得ることが記載されている。特許文献2には、イソソルビドとビスフェノールAを共重合したポリカーボネート樹脂が記載されている。特許文献3には、糖アルコールの一種であるイソソルビドと脂肪族ジオールとを共重合することによりポリカーボネート樹脂の剛直が改善されることが記載されている。特許文献4には、糖アルコール成分として、イソソルビド成分に、その立体異性体であるイソマンニド、イソイディッドを少量含有させることにより、射出成形品の耐熱性が向上することが記載されている。特許文献5、6には、イソソルビドと脂環式ジヒドロキシ化合物との共重合体について記載されている。
すなわち、本発明の要旨は、下記の<1>〜<6>に存する。
<1>感光層中に下記式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂含有することを特徴とする電子写真感光体。
<4>該ポリカーボネート樹脂が、前記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、下記一般式(3)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、重縮合により得られるポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、<1>〜<3>記載の電子写真感光体。
<5> <1>乃至<4>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真用プロセスカートリッジ。
<6> <1>乃至<4>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真画像形成装置。
まず、本発明の電子写真感光体に使用されるバインダー樹脂について説明する。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で表される構造単位を含むものである。
(イソソルビド系ジヒドロキシ化合物)
上記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物としては、例えば、立体異性体の関係にあるイソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらのジヒドロキシ化合物のうち、資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、光学特性、成形性の面から最も好ましい。
イソソルビド約0.5gを精秤し50mlのメスフラスコに採取して純水で定容する。標準試料としてギ酸ナトリウム水溶液を用い、標準試料とリテンションタイムが一致するピークをギ酸とし、ピーク面積から絶対検量線法で定量する。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、前述した式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位以外に、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むことが、有機溶剤への溶解性の観点から好ましい。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、通常、5員環構造又は6員環構造を含む化合物が挙げられる。脂環式ジヒドロキシ化合物が5員環、6員環構造であることにより、得られるポリカーボネート樹脂の耐熱性を高くすることができる。6員環構造は共有結合によって椅子形もしくは舟形に固定されていてもよい。
5員環構造又は6員環構造を含む脂環式ジヒドロキシ化合物としては、具体的には、下記一般式(II)又は(III)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物が挙げられる。
HO−R2−OH (III)
(但し、式(II),式(III)中、R1,R2は、炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
上記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるシクロヘキサンジメタノールとしては、一般式(II)において、R1が下記一般式(IIa)(式中、R3は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)で示される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂において、上述した式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との含有割合は、好ましくは、(式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位):(脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位)=(1:99)〜(99:1)(モル%)であって、感光体用塗布液に使用する有機溶剤に対する溶解性の観点からは、(20:80)〜(60:40)であることがより好ましく、(25:70)〜(50:50)であることが更に好ましく、(30:70)〜(40:60)であることが最も好ましい。
尚、本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、上述した脂環式ジヒドロキシ化合物以外に、更に他のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が含まれていても良い。
このようなその他のジヒドロキシ化合物としては、例えば、脂肪族ジヒドロキシ化合物、オキシアルキレングリコール、芳香族ジヒドロキシ化合物、環状アセタール構造を有するジオール等が挙げられる。
オキシアルキレングリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどがあげられる。
含んだ芳香族ジヒドロキシ化合物、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ−2−メチル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレンなどのフルオレン系芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。
これらのその他のジヒドロキシ化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。
その他のジヒドロキシ化合物を用いることにより、柔軟性の改善、耐熱性の向上、成形性の改善等の効果を得ることもできる。尤も、その他のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の含有割合が過度に多いと、感光層を塗布形成する際の塗布液への溶解性や、電子写真感光体としての各種性能を低下させることがある。
特に、本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物として、式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物のみで構成されることが好ましい。
前述した式(2)のジヒドロキシ化合物と重縮合する炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
上記一般式(3)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換基を有していてもよいジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類が例示される。
(ポリカーボネート樹脂の製造方法)
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、従来公知の重合方法により製造することができる。重合方法としては、重合触媒の存在下に、前述した式(2)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物と、必要に応じて用いられるその他のジヒドロキシ化合物とを、炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法が好ましい。
ル比率で用いることが好ましく、0.96〜1.04のモル比率で用いることがさらに好ましい。
溶融重合法において使用する炭酸ジエステルのモル比が過度に小さいと、製造されたポリカーボネート樹脂の末端OH基が増加し、ポリマーの熱安定性が悪化し、また所望する高分子量体が得られない傾向がある。一方、使用する炭酸ジエステルのモル比が過度に大きいと、同一重合条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望する分子量のポリカーボネート樹脂の製造が困難となる傾向がある。さらに、製造されたポリカーボネート樹脂中の残存する炭酸ジエステル量が増加する傾向があり、残存炭酸ジエステルが、成形時又は成形品の臭気の原因となる傾向がある。
ポリカーボネート樹脂中の、式(2)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物の残存含有量が過度に多いと、ポリマーの熱安定性が悪化したり、感光体の電気特性が不安定になる可能性がある。
ポリカーボネート樹脂中の、一般式(3)で表される炭酸ジエステルの残存含有量が過度に多いと、ポリマーの熱安定性が悪化したり、感光体の電気特性が不安定になる可能性がある。
溶融重合における重合触媒(エステル交換触媒)としては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用される。アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と共に、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のみを使用することが特に好ましい。
酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。これらのアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
必要に応じて用いられる脂環式ジヒドロキシ化合物も、固体として供給しても良いし、加熱して溶融状態として供給しても良いし、水に可溶なものであれば、水溶液として供給しても良い。その他のジヒドロキシ化合物についても同様である。これらの原料ジヒドロ
キシ化合物を溶融状態や、水溶液で供給すると、工業的に製造する際、計量や搬送がしやすいという利点がある。
具体的には、第1段目の反応は140〜220℃、好ましくは150〜200℃の温度で0.1〜10時間、好ましくは0.5〜3時間実施される。第2段目以降は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げながら反応温度を上げていき、同時に発生するフェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物を反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力が200Pa以下で、210〜280℃の温度範囲のもとで重縮合反応を行う。
例えば、ジヒドロキシ化合物としてイソソルビドと1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いる場合は、全ジヒドロキシ化合物に対し、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%以上の場合は、1,4−シクロヘキサンジメタノールがモノマーのまま留出しやすくなるので、反応系内の圧力が13kPa程度の減圧下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させながら反応させ、さらに、6.67kPa程度までの圧力下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させ、最終的に200Pa以下の圧力で、200から250℃の温度で重縮合反応を行うと、十分に重合度が上昇したポリカーボネート樹脂が得られるため、好ましい。
尚、上述したジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応において、炭素数が5以下であるアルキル基を有してもよい芳香族モノヒドロキシ化合物が副生成物として生成する。本実施の形態では、ポリカーボネート樹脂に含まれる炭素数が5以下であるアルキル基を有してもよい芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量が700ppm以下であることが好ましく、含有量が500ppm以下であることがさらに好ましく、含有量が300ppm以下であることが特に好ましい。
ここで、炭素数が5以下であるアルキル基を有してもよい芳香族モノヒドロキシ化合物とは、後述するように、ポリカーボネート樹脂に添加される、例えば、ヒンダードフェノール等の酸化防止剤を排除することを意味している。
例えば、重縮合反応においてジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの仕込み比率を1に近づける、重縮合反応を増大させる、重縮合反応が行われる反応器外に効率的に上記芳香族モノヒドロキシ化合物を排出する、重縮合反応の後半において横型反応器を用いて高粘度の反応液に所定の剪断力を与えながら脱気する、注水脱揮操作により水と上記芳香族モノヒドロキシ化合物を共沸させる等が挙げられる。
(分子量)
上述のポリカーボネート樹脂において、粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、また、その上限は、好ましくは70,000以下、より好ましくは50,000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、感光層の機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
次に、感光体の構成要素について説明する。
感光体は、導電性支持体上に、必要に応じて陽極酸化層、導電層、下引き層を設け、その上に単層型あるいは積層型の感光層を設け、更に必要に応じて保護層を設けて構築される。
(感光層)
感光層の形式としては、電荷発生材料と電荷輸送材料とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生材料がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送材料がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、本発明に用いられる電子写真感光体の感光層は、いずれの形式であってもよい。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂は、前記感光層中でバインダー樹脂として使
用される。当該バインダー樹脂は、どの層中で使用されても構わないが、通常は積層型感光層の電荷輸送層中、あるいは単層型感光層中で、好ましくは積層型感光層の電荷輸送層中で使用される。
当該バインダー樹脂と電荷輸送材料の配合割合は、通常は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送材料を20質量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、更には、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40質量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送材料を通常は150質量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から110質量部以下が好ましく、耐摩耗性の観点から80質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から70質量部以下が最も好ましい。
・電荷発生層
電荷発生層については、公知の、例えば特開2007−293319号公報に開示されている例を使用することが出来る。
・電荷輸送層
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送材料、バインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、電荷輸送材料と、バインダー樹脂として本発明に使用される上記ポリカーボネート樹脂と、添加剤等を溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させても良い。
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。保護層は、光硬化型、熱硬化型、電子線硬化型等の硬化型保護層、無機フィラーを分散させた保護層等、公知のものを使用することができる。
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
本発明に関わる感光層用塗布液の製造方法に制限は無い。形成する層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて塗布液を得る。例えば、本発明のポリカーボネート樹脂を含有する積層型感光層の場合、以下の方法により製造することが可能である。即ち、電荷輸送材料、ポリカーボネート樹脂、必要に応じて併用するバインダー樹脂、添加剤等を、有機溶剤中に常温あるいは加温しながら攪拌、溶解し、必要に応じて任意のフィルターでろ過し、塗布液を調整する。この際、感光層の潤滑性、離型性を高める目的で不溶性の微粒子を添加する場合には、適当な分散手段によって分散液としても良い。
次に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、画像形成装置について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯
電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体)Pに転写するものである。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着等、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行う。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行うことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行うことで電子写真感光体の除電を行う工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
なお、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型の電子写真用プロセスカートリッジ(以下適宜「カートリッジ」という)として構成し、このカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例としては、電子写真感光体1、帯電装置2、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6を組み込んだ一体型カートリッジ、あるいは電子写真感光体1、帯電装置2、クリーニング装置6を一体化したカートリッジとし、現像装置4を別にカートリッジとするタイプが挙げられる。これらのカートリッジでは、例えば電子写真感光体1が劣化した場合、あるいは現像装置4中のトナーが消費されて無くなった場合に、このカートリッジごと画像形成装置本体から取り外し、別の新しいカートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
部」を表わす。
<粘度平均分子量>
ポリカーボネート樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘
度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
<イソソルビドの蒸留>
ここで、ポリカーボネート樹脂の製造に用いたイソソルビドの蒸留方法は次の通りである。
以下の記載の中で用いた化合物の略号は次の通りである。
ISB:イソソルビド (ロケットフルーレ社製、商品名POLYSORB)
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール (イーストマン社製)
TCDDM:トリシクロデカンジメタノール
DEG:ジエチレングリコール(三菱化学社製)
DPC:ジフェニルカーボネート (三菱化学社製)
[ポリカーボネート樹脂製造例1]
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、ISBとC
HDM、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたDPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.30/0.70/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005vol%〜0.001vol %)。続いて熱媒で加温を行い、内温が
100℃になった時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にし、内温が215℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、215℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気は、還流冷却器への入口温度として100℃に制御された蒸気を冷媒として用いた還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を重合反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の温水を冷媒として用いた凝縮器に導いて回収した。
冷却固化させた後、回転式カッターでペレット化した。この際、ベント口は真空ポンプに連結し、ベント口での圧力が500Paになるように制御した。得られたポリカーボネート樹脂をPC−1とする。
ISBとCHDMのモル比率を0.40/0.60に変えた他は、ポリカーボネート樹脂製造例1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂をPC−2とする。
[ポリカーボネート樹脂製造例3]
ISBとCHDMのモル比率を0.50/0.50に変えた他は、ポリカーボネート樹脂製造例1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂をPC−3とする。
ISB/CHDM(モル比0.30/0.70)に変えて、ISB/TCDDM(モル
比0.50/0.50)を使用した以外は、ポリカーボネート樹脂製造例1と同様に行っ
た。得られたポリカーボネート樹脂をPC−4とする。
<感光体の製造および評価>
実施例1
感光体用の塗布液を、下記のように製造した。
下引き層形成用塗布液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン
酸の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
電荷発生層形成用塗布液は以下のように作製した。電荷発生物質として、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示す、Y型(別称D型)オキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Lを調製した。
電荷輸送層形成用塗布液は以下のように作製した。下記の電荷輸送材料CT−1を50部、前記ポリカーボネート樹脂PC−1(粘度平均分子量は27,500)100部、酸化防止剤として、チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名IRGANOX1076を8重量部
、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05部をテトラヒドロフラン(以下適宜THFと略)とトルエン(以下適宜TLと略)の混合溶媒(THF 80重量%、TL 20重量%)640部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
前記のようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が約1.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して下引き層を設けた。
続いて、前記のようにして得られた電荷発生層形成用塗布液を、上記下引層上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して電荷発生層を設けた。
乾燥して、感光体P1aを作製した。
なお、上記電荷輸送層塗布液において、溶剤をTHF,TLに代えて1,2−ジクロロエタン(以下適宜DCEと略)を使用した塗布液も作製し、同様に感光体P1bを作製した。
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体シートを直径80mmのアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体シートのアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものをNDフィルターを使用して光量を変化させて表面電位の減衰挙動を測定した。その際の測定値としては、0.76μJ/cm2露光した際の表面電位(VL;単位:−V)を求めた。なお、VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%、および温度5℃、相対湿度10%の2条件で行ない、それぞれのVLをVL(NN)、VL(LL)と表す。測定結果を表−1に示す。
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えてPC−2(粘度平均分子量:26,400)を使用した以外は、実施例1と同様に感光体P2a,P2bを得た。結果を表−1に示す。
実施例3
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えてPC−3(粘度平均分子量:24,200)を使用した以外は、実施例1と同様に感光体P3a,P3bを得た。結果を表−1に示す。
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えてPC−4(粘度平均分子量:18,400)を使用した以外は、実施例1と同様に感光体P4a,P4bを得た。結果を表−1に示す。
比較例1
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えて下記の構造単位を有するポリカーボネート樹脂A(粘度平均分子量20,000)を使用し、塗布溶剤として、THF80重量%、TL20重量%の混合溶剤のみを使用した以外は、実施例1と同様に感光体P11得た。結果を表−1に示す。
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えて下記の構造単位を有するポリカーボネート樹脂B(粘度平均分子量30,000)を使用し、塗布溶剤として、THF80重量%、TL20重量%の混合溶剤のみを使用した以外は、実施例1と同様に感光体P12得た。結果を表−1に示す。
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えて東洋紡績株式会社製、商品名バイロン290を使用し、塗布溶剤として、THF80重量%、TL20重量%の混合溶剤のみを使用した以外は、実施例1と同様に感光体P11得た。結果を表−1に示す。
実施例1における電荷輸送層に使用するポリカーボネート樹脂を、PC−1に変えて下記の構造単位を有するポリエステル樹脂C(粘度平均分子量40,000)を使用し、塗布溶剤として、THF80重量%、TL20重量%の混合溶剤のみを使用した以外は、実施例1と同様に感光体PA得た。結果を表−1に示す。
<応答性試験>
感光体P1a,P11,P12,P13,P14について、応答性試験を実施した。前記<電気測定試験>において、温度10℃、相対湿度10%において、0.55μJ/cm2露光した際の、露光から電位測定に要する時間を153ms、34msの2条件で測定し、それぞれVL1、VL2(単位:−V)とした。△VLr=VL2−VL1の値を計算した。結果を表−2に示す。△VLrの値の絶対値が小さいほど、応答性が良好であることを表す。
<Tabor摩耗試験>
感光体P1a,P11,P12,P13,P14について、Tabor摩耗試験を実施した。感光体フィルムをドラムに貼り付けず、直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験後の重量減量を測定した。結果を表−2に示す。摩耗量が小さいほど耐摩耗性が良好であることを示す。
〔感光体P15の製造〕
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液の製造Aに代えて、下記の電荷輸送層形成用塗布液の製造Bにより製造された塗布液を、膜厚19μで塗布した以外は、実施例1と同様に感光体P15を作製した。なお、電荷輸送層の塗布溶剤としては、THF、TLの混合溶剤のみを使用した。
下記の電荷輸送材料CT−2を56部、CT−3を14部、前記ポリカーボネート樹脂PC−1(粘度平均分子量は27,500)100部、酸化防止剤として、チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名IRGANOX1076を8重量部、下記のアクセプター性化合物
AC−1、レベリング剤としてシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96)0.05部をTHFとTLの混合溶媒(THF 70重量%、TL 30重量%)540部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、前記ポリカーボネート樹脂Aを使用した以外は、前記感光体P15の製造と同様に、感光体P16を作製した。
〔感光体P17の製造〕
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、前記東洋紡績株式会社製、商品名バイロン290を使用した以外は、前記感光体P15の製造と同様に、感光体P17を作製した。
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、前記ポリエステル樹脂Cを使用した以外は、前記感光体P15の製造と同様に、感光体P18を作製した。
<光疲労試験>
感光体P15,P16,P17,P18について、光暴露による電気特性の劣化度合の指標として、下記の光疲労試験を実施した。作製された感光体シート巻き付けドラムについて、感光体上に、白色蛍光灯の光で曝露される部分と曝露されない部分をつくるために、縦20mm、横10mmの穴を開けた黒紙で感光体の全面を覆い、その上から、白色蛍光灯(三菱オスラム社製「ネオルミスーパーFL20SS・W/18」)の光を、感光体表面での光強度が2000ルクスとなるように調整して、黒紙に穴を開けた部分を中心に10分間照射した後、黒紙を取り外し、そのドラムを電気特性試験機に装着し、光曝露部と非露光部の帯電電位の差異△VLp1(暴露部−非暴露部)、VLの差異ΔVLp2(暴露部−非暴露部)を測定した。結果を表−3に示す。いずれも、絶対値が小さいほど良好であることを示す。
実施例8
〔感光体P19の製造〕
実施例1で使用した表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシートに代えて、表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、下引き層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、1.3μm、0.4μm、25μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を塗布し、125℃で20分間乾燥した以外は、実施例1と同様に、感光体P19を作製した。なお、電荷輸送層の塗布溶剤としては、THF、TLの混合溶剤のみを使用した。
前記感光体P19の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、
前記ポリカーボネート樹脂Aを使用した以外は、前記感光体P15の製造と同様に、感光体P20を作製した。
〔感光体P21の製造〕
前記感光体P19の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、
前記ポリカーボネート樹脂Bを使用した以外は、前記感光体P19の製造と同様に、感光体P21を作製した。
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、
前記東洋紡績株式会社製、商品名バイロン290を使用した以外は、前記感光体P19の製造と同様に、感光体P17を作製した。
〔感光体P23の製造〕
前記感光体P15の製造において、ポリカーボネート樹脂PC−1に代えて、
前記ポリエステル樹脂Cを使用した以外は、前記感光体P19の製造と同様に、感光体P23を作製した。
感光体P19、P20、P21、P22、P23を、ヒューレットパッカード社製タンデムフルカラープリンターLaserJet4650に搭載して、気温23℃、相対湿度50%下において、印字率5%で、10000枚の連続印字を行って、かぶり(バックグラウンド)、クリーニング不良の有無、感光体上のトナー付着(フィルミング)の発生を調べた。
画像形成装置を用いて、印字前及び連続印字後の、それぞれの標準紙(OKIエクセレ
ントホワイト)における白地部分の色差を、X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、△Eの大きさにより下記の基準で判定した。
○(良好) :△E<0.8
△(わずかに発生):0.8≦△E<1.2
×(発生) :1.2≦△E
<感光体のクリーニング評価>
感光体の白地部に、トナーのクリーニング不良に起因するスジムラが発生する程度を評価した。
○ (クリーニング不良発生無し)
△ (一部発生)
×(全面発生)
<感光体のフィルミング評価>
連続印字後に感光体をカートリッジより取出し、エアーを強く当てて残留トナーを十分吹き飛ばした後、感光体上へのトナー成分の残留(強く固着した成分)分、すなわちフィルミング成分の程度を評価した。
○ (フィルミング発生無し)
△ (一部発生)
×(全面発生)
画像試験結果を、表−4に示す。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
Claims (5)
- 前記脂環式ジヒドロキシ化合物が、1,4−シクロヘキサンジメタノール、またはトリシクロデカンジメタノールであることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真用プロセ
スカートリッジ。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真画像形成装置。
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