JP5522090B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式のプリンターや複写機、複合機等に用いられる電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。より詳しくは、エステル交換反応による溶融法を用いた、特定構造を有するポリカーボネート樹脂を使用した電子写真感光体、および該電子写真感光体を使用するプロセスカートリッジ、画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真用感光体のバインダー樹脂として用いられるポリカーボネート樹脂は、ビスフェノール類とホスゲンとを溶液中で反応させる、界面法(界面重縮合法)や溶液法のような溶剤法で製造されたものが主流であった(特許文献1参照)。一方、汎用用途のエンジニアリングプラスチックとしてのポリカーボネート樹脂の製法としては、溶剤法以外に、ビスフェノールと炭酸ジエステルとをエステル交換反応により重縮合反応させる溶融法が、安価な製法として広く用いられている(特許文献2参照)。しかし、従来の溶融法はモノマー選択の自由度が小さく、分子量も電子写真用途には不十分な低分子量のものしか得られなかったり、触媒やモノマーが大量に残存するケースが有る、等の理由で、エンジニアリングプラスチックとして広く使用されているビスフェノール−A−ポリカーボネート以外には電子写真用途に用いられた例はほとんど無かった。
特開平09−015874号公報 特開平05−239334号公報
前記溶融法は溶剤法のように洗浄による残存モノマーや触媒の除去の工程が無いことから、電子写真感光体の電荷輸送層のように、不純物による電気特性の悪化が起き易い系では、敢えて溶融法により製造されたポリカーボネート樹脂の検討は十分なされていなかったのが実情であった。また、大量生産されているビスフェノール−A−ポリカーボネートは、溶剤法/溶融法のいずれの方法で製造されたものもポリマー自体の結晶性の高さゆえに、電子写真感光体製造用の塗布液としての安定性に劣り、特に非ハロゲン系の有機溶剤中でのポットライフが非常に短く、ゲル化し易い難点があった。また、耐傷性、耐磨耗性等の機械物性面の観点からも不十分であるため、ビスフェノール−A−ポリカーボネートの、電子写真感光体への使用は限定的である。
一方、溶融法による連続製法で製造されたポリカーボネート樹脂は、ハロゲン系溶剤等の環境負荷の大きい有機溶剤を使用しないこと、重合工程あるいはオリゴマー工程でホスゲンを使用しない等、環境面で優れる上に、大量生産されればコストメリットも有るため、その使用が望まれていた。
特に、溶融法で製造されたポリカーボネートとしては、ビスフェノール−A−ポリカーボネート以外はほとんど実績が無かったため、前述のビスフェノール−A−ポリカーボネートの欠点を克服し、かつ性能面でのメリット、コストメリットを有する溶融法ポリカーボネートが望まれていた。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定構造の溶融法で製造さ
れたポリカーボネート樹脂が、塗布液としての安定性、電子写真プロセスでの種々の負荷に対する安定性に優れることを見いだし、本発明に至った。
具体的には、本発明に関わる、溶融法により製造された、下記一般式(1)の繰り返し単位を含有するポリカーボネート樹脂が、従来の溶剤法により製造された同構造式のポリカーボネート樹脂よりも、繰り返し使用された場合の電気特性の劣化が少なく、かつ耐オゾン特性に優れることが分かった。
本発明の要旨は、以下の<1>〜<5> に存する。
<1>感光層中に、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸セシウム、酸水素セシウム、又は水酸化セシウムによるエステル交換反応によって生成する、下記式(1)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂を含有し、該ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、電荷輸送材料を20質量部以上150質量部以下含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0005522090
<2>前記式(1)で表される構造単位の割合が、該ポリカーボネート樹脂中、50モル%以上であることを特徴とする、<1>に記載の電子写真感光体。
<3>該ポリカーボネート樹脂が、少なくとも下記式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物と、下記一般式(3)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、重縮合により得られるポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、<1>または<2>記載の電子写真感光体。
Figure 0005522090
(一般式(3)において、A及びAは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜炭素数18の脂肪族基、または、置換若しくは無置換の芳香族基のいずれかを表す。)
<4> <1>乃至<3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真用プロセスカートリッジ。
<5> <1>乃至<3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真画像形成装置。
本発明によれば、安価大量生産が可能で、環境面で優れる溶融法で製造されたポリカー
ボネートを、塗布液としての安定性、電子写真プロセスでの種々の負荷に対する安定性に優れる、電子写真感光体用バインダー樹脂として使用することが可能になる。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
<本発明に用いられるポリカーボネート樹脂について>
以下に本発明の電子写真感光体に係る特定の製造方法にて得られる下記式(1)で表される構造を含むポリカーボネート樹脂及びその製造方法について詳述する。
Figure 0005522090
(ポリカーボネート樹脂)
本発明に係るポリカーボネート樹脂は、原料として芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを用い、エステル交換触媒の存在下、連続的に溶融重縮合反応を行うことにより、製造される(以下、溶融法と称することがある)。
本発明に係る溶融法ポリカーボネート樹脂を電子写真感光体の感光層のバインダー樹脂として使用した場合に、電気特性及び耐オゾン特性が界面法ポリカーボネート樹脂を使用した場合に比べて良好となる。このメカニズムは必ずしも明らかでは無いが、電荷輸送のトラップとなり易く、繰り返し使用した場合の電気特性の悪化要因となる窒素原子含有の触媒を溶融法では使用しないこと、溶融法では界面法で生成する、化学的に不安定な特定末端基(クロロホルメート基)が生成しない、等が界面法と比較して良好な電気特性及び耐オゾン特性の要因と考えられる。
本発明に係るポリカーボネート樹脂のAmerican Standards Test Methods (ASTM) E313
で定義されるイエローインデックス(YI)(JIS K 7105に準拠して測定)は、通常4.0以下、好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.5以下である。YIが高すぎると、色調が悪くなり、透光性が悪くなると共に、繰り返し電気特性の劣化を招くので好ましくない。YIが高くなるメカニズムは必ずしも明らかでは無いが、重合中、あるいは樹脂中に残存するビスフェノールモノマーが空気酸化によってキノン構造に一部変化することが原因の一つと考えられ、特に溶剤法で脱酸素が不十分な場合に顕著である。このような場合、劣化サイトが電荷トラップとして働き、繰り返し使用した場合の残留電位の蓄積等の電気特性不良の原因となり得る。
本発明に係るポリカーボネート樹脂は、(1)式の構造単位を含む共重合型ポリカーボネート樹脂でもよく、(1)式の構造単位の割合は、全共重合成分において、本発明の効果が著しく損なわれない限り特に限定はないが、重合反応、重合体の溶解性、電気特性及び機械物性の観点から、50モル%以上が好ましい。
(芳香族ジヒドロキシ化合物)
本発明に係るポリカーボネート樹脂の原料である芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的には前記式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物が主として使用される。前記式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物は、水酸基に隣接してメチル基が一つ存在するため、適度に水酸基の酸化が立体的にブロックされると同時に、例えば水酸基に2つのメチル基が隣接した場合と比較して、メチル基が重合反応に関しての立体障害とならないこと、さらには重合体の溶解性が高いこと、電荷輸送物質との相溶性が高く、電気特性や機械物性の観点で有利である、といった利点を有する。
前記式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物は単独でも、他の芳香族ジヒドロキシ化合物と共重合して使用してもよい。共重合する場合、前記式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物の量が全共重合成分中の50モル%以上であることが、重合反応の観点、および重合体の溶解性、電気特性および機械物性の観点から好ましい。共重合してもよい芳香族ジヒドロキシ化合物の例を以下に示す。
Figure 0005522090
(炭酸ジエステル)
本発明に係るポリカーボネート樹脂の原料である炭酸ジエステルとしては、下記一般式(3)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0005522090
ここで、一般式(3)中、A,Aは、置換若しくは無置換の炭素数1〜炭素数18の脂肪族基、または、置換若しくは無置換の芳香族基である。A,Aは、同一でも相互に異なるものでもよい。
なお、A,Aの置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜炭素数10のアルキル基、炭素数1〜炭素数10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等が例示される。
炭酸ジエステル化合物の具体例としては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。
これらの中でも、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と称する場合がある。)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。これらの炭酸ジエステルは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明に係るポリカーボネート樹脂の溶融法による製造方法において、これらの炭酸ジエステルの使用量は、通常、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステル化合物が1.01モル〜1.30モル、好ましくは1.02モル〜1.20モルの比で用いられる。前記炭酸ジエステルのモル比が過度に小さいと、エステル交換反応速度が低下し、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂の生産が困難となったり、得られるポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度が高くなり、熱安定性が悪化したりする傾向にある。また、前記炭酸ジエステルのモル比が過度に大きいと、エステル交換の反応速度が低下し、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂の生産が困難となる傾向となる他、樹脂中の炭酸ジエステル化合物の残存量が多くなり、電気特性の劣化や臭気の原因となることがあり、好ましくない。
なお、溶融法によるポリカーボネート樹脂の製造においては、界面法や溶液法等の溶剤法で使用されるホスゲンが重合工程で使用されないため、末端にクロロホルメート残基が存在しないのに対し、溶剤法によるポリカーボネート樹脂の製造では末端にクロロホルメート残基及びその変性基が残る点が異なる。
(エステル交換触媒)
本発明に係るポリカーボネート樹脂の溶融法による製造方法において使用されるエステル交換触媒としては、通常、エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際に用いられる触媒が挙げられ、特に限定されない。
一般的には、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、ベリリウム化合物、マグネシウム化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。これらの中でも、実用的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物が好ましい。これらのエステル交換触媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
エステル交換触媒の使用量は、通常、全芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-9モル〜1×10-3モルの範囲で用いられるが、成形特性や色相に優れたポリカーボネート樹脂を得るためには、エステル交換触媒の量は、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いる場合、全芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、好ましくは1.0×10-8モル〜1×10-4モルの範囲内、より好ましくは1.0×10-8モル〜1×10-5モルの範囲内であり、特に好ましくは1.0×10-7モル〜5.0×10-6モルの範囲内である。上記下限量より少なければ、所望の分子量のポリカーボネート樹脂を製造するのに必要な重合活性が得られず、上記上限量より多い場合は、ポリマー色相が悪化し、分岐成分量が多すぎて流動性が低下し、目標とする溶融特性の優れたポリカー
ボネート樹脂が製造できない。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機アルカリ金属化合物;アルカリ金属のアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等の有機アルカリ金属化合物等が挙げられる。ここで、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。
これらのアルカリ金属化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、特に、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムが感光体用途として適切な重合度を可能とし、残留触媒としての除去の容易さの観点から好ましい。
アルカリ土類金属化合物としては、例えば、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩等の無機アルカリ土類金属化合物;アルカリ土類金属のアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等が挙げられる。ここで、アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。
また、ベリリウム化合物及びマグネシウム化合物としては、例えば、当該金属の水酸化物、炭酸塩等の無機金属化合物;前記金属のアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等が挙げられる。
塩基性ホウ素化合物としては、ホウ素化合物のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩等が挙げられる。ここで、ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又はこれらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
(触媒失活剤)
本発明に係るポリカーボネート樹脂の製造に於いては、エステル交換反応終了後に、エ
ステル交換触媒を中和失活させるための触媒失活剤を添加しても良い。このような処理により得られたポリカーボネート樹脂の耐熱性、耐加水分解性が向上する。
このような触媒失活剤としては、スルホン酸やスルホン酸エステルのようなpKaが3以下の酸性化合物が好ましく、具体的にはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸プロピル、ベンゼンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸プロピル、並びにp−トルエンスルホン酸ブチルなどが挙げられる。
これらの中でも、p−トルエンスルホン酸並びにp−トルエンスルホン酸ブチルが好適に用いられる。
(ポリカーボネート樹脂の製造方法)
溶融法によるポリカーボネート樹脂の製造方法は、原料である芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの原料混合溶融液を調製し(原調工程)、前記原料混合溶融液を、エステル交換反応触媒の存在下、溶融状態で複数の反応槽を用いて多段階で重縮合反応をさせる(重縮合工程)ことによって行われる。反応方式は、バッチ式、連続式、又はバッチ式と連続式の組合せのいずれでもよい。反応槽は、複数基の竪型撹拌反応槽、及び必要に応じてこれに続く少なくとも1基の横型撹拌反応槽が用いられる。通常、これらの反応槽は直列に設置され、連続的に処理が行われる。
重縮合工程後、反応を停止させ、重縮合反応液中の未反応原料や反応副生物を脱揮除去する工程や、熱安定剤、離型剤、色剤等を添加する工程、ポリカーボネート樹脂を所定の粒径に形成する工程等を適宜追加してもよい。
次に、製造方法の各工程について説明する。
(原調工程)
ポリカーボネート樹脂の原料として使用する芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物とは、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下、バッチ式、半回分式又は連続式の撹拌槽型の装置を用いて、原料混合溶融液として調製される。溶融混合の温度は、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAを用い、炭酸ジエステル化合物としてジフェニルカーボネートを用いる場合は、通常120℃〜180℃、好ましくは125℃〜160℃の範囲から選択される。
以下、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールC単独、炭酸ジエステル化合物としてジフェニルカーボネートを原料として用いる場合を例として説明する。
この際、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物との割合は、炭酸ジエステル化合物が過剰になるように調整され、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステル化合物は、通常1.01モル〜1.30モル、好ましくは1.02モル〜1.20モルの割合になるように調整される。
(重縮合工程)
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物とのエステル交換反応による重縮合は、通常、2段階以上、好ましくは3段階〜7段階の多段方式で連続的に行われる。各段階の具体的な反応条件としては、温度:150℃〜320℃、圧力:常圧〜0.01Torr(1.3Pa)、平均滞留時間:5分〜150分の範囲である。
多段方式の各反応槽においては、エステル交換反応の進行とともに副生するフェノール等のモノヒドロキシ化合物をより効果的に系外に除去するために、上記の反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。
重縮合工程を多段方式で行う場合は、通常、竪型撹拌反応槽を含む複数基の反応槽を設けて、ポリカーボネート樹脂の平均分子量を増大させる。反応槽は通常2基〜6基、好ま
しくは4基〜5基設置される。
ここで、反応槽としては、例えば、撹拌槽型反応槽、薄膜反応槽、遠心式薄膜蒸発反応槽、表面更新型二軸混練反応槽、二軸横型撹拌反応槽、濡れ壁式反応槽、自由落下させながら重縮合する多孔板型反応槽、ワイヤーに沿わせて落下させながら重縮合するワイヤー付き多孔板型反応槽等が用いられる。
竪型撹拌反応槽の撹拌翼の形式としては、例えば、タービン翼、パドル翼、ファウドラー翼、アンカー翼、フルゾーン翼((株)神鋼環境ソリューション製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼((株)日立プラントテクノロジー製)等が挙げられる。
また、横型撹拌反応槽とは、撹拌翼の回転軸が横型(水平方向)であるものをいう。横型撹拌反応槽の撹拌翼としては、例えば、円板型、パドル型等の一軸タイプの撹拌翼やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)製)、あるいはメガネ翼、格子翼((株)日立プラントテクノロジー製)等の二軸タイプの撹拌翼が挙げられる。
尚、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物との重縮合に使用するエステル交換触媒は、通常、予め溶液として準備されていてもよい。触媒溶液の濃度は特に限定されず、触媒の溶媒に対する溶解度に応じて任意の濃度に調整される。溶媒としては、アセトン、アルコール、トルエン、フェノール、水等を適宜選択することができる。
触媒の溶媒として水を選択した場合、水の性状は、含有される不純物の種類ならびに濃度が一定であれば特に限定されないが、通常、蒸留水や脱イオン水等が好ましく用いられる。
なお、本溶融法で製造されたポリカーボネート樹脂中に残存するビスフェノールモノマー量は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下である。また、副生するフェノールの残留量としては、好ましくは50ppm以下、より好ましくは30ppm以下である。ビスフェノール成分が過剰に残存すると着色の原因となる可能性が有り、フェノールが過剰に残存すると、臭気の原因となる可能性が有る。
(分子量)
上述のポリカーボネート樹脂において、粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、また、その上限は、好ましくは70,000以下、より好ましくは50,000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、感光層の機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
<電子写真感光体>
次に、感光体の構成要素について説明する。
感光体は、導電性支持体上に、必要に応じて陽極酸化層、導電層、下引き層を設け、その上に単層型あるいは積層型の感光層を設け、更に必要に応じて保護層を設けて構築される。
導電性支持体、陽極酸化層、下引き層については、公知の、例えば特開2007−293319号公報に開示されている公知の例を使用することが出来る。
(感光層)
感光層の形式としては、電荷発生材料と電荷輸送材料とが同一層に存在し、バインダー
樹脂中に分散された単層型と、電荷発生材料がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送材料がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、本発明に用いられる電子写真感光体の感光層は、いずれの形式であってもよい。
また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に導電性支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
本発明の電子写真感光体は、上記で詳述した溶融法により得られた上記式(1)で表される構造を有するポリカーボネート樹脂を、前記感光層中でバインダー樹脂として使用する。当該バインダー樹脂は、どの層中で使用されても構わないが、通常は積層型感光層の電荷輸送層中、あるいは単層型感光層中で、好ましくは積層型感光層の電荷輸送層中で使用される。
また、当該バインダー樹脂が好適に使用される前記電荷輸送層は、複数層でも構わず、その場合はどの層が含有してもよい。
また、当該バインダー樹脂は、前記溶融法により得られた上記式(1)で表される構造を有するポリカーボネート樹脂以外の樹脂と併用したものでもよい。
当該バインダー樹脂と電荷輸送材料の配合割合は、通常は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送材料を20質量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、更には、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40質量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送材料を通常は150質量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から110質量部以下が好ましく、耐摩耗性の観点から80質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から70質量部以下が最も好ましい。
(積層型感光層)
・電荷発生層
電荷発生層については、公知の、例えば特開2007−293319号公報に開示されている例を使用することが出来る。
・電荷輸送層
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送材料、バインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、電荷輸送材料と、バインダー樹脂として本願のポリカーボネート樹脂と、添加剤等を溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送材料としては、公知のカルバゾール誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、エナミン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましい。更に具体的には、特開平2−230255号、特開昭63−225660号、特開昭58−198043号、特公昭58−32372号、および、特公平7−21646号の各公報に記載の化合物が好ましく使用される。これらの電荷輸送材料は、何れか1種を単独で用いても良く、複数種のものを任意の組み合わせで併用しても良い。
電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の観点、更には高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更には30μm以下の範囲とする。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可
撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させても良い。
(その他の機能層)
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。保護層は、光硬化型、熱硬化型、電子線硬化型等の硬化型保護層、無機フィラーを分散させた保護層等、公知のものを使用することができる。
(各層の形成方法)
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
なお、本願のポリカーボネート樹脂は、単独でも、他の樹脂と混合して使用してもよい。混合しても良いバインダー樹脂としては、例えば、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。
本発明に係るポリカーボネート樹脂を含む塗布液の作製に用いられる溶媒または分散媒に特に制限は無いが、具体例としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせおよび種類で併用してもよい。また、環境負荷低減の観点から、非ハロゲン系溶媒が好ましい。
(塗布液の製造方法)
本発明に係る感光層用塗布液の製造方法に制限は無い。形成する層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて塗布液を得る。例えば、本発明に係るポリカーボネート樹脂を含有する積層型感光層の場合、以下の方法により製造することが可能である。即ち、電荷輸送材料、ポリカーボネート樹脂、必要に応じて併用するバインダ樹脂、添加剤等を、有機溶剤中に常温あるいは加温しながら攪拌、溶解し、必要に応じて任意のフィルターでろ過し、塗布液を調整する。この際、感光層の潤滑性、離型性を高める目的で不溶性の微粒
子を添加する場合には、適当な分散手段によって分散液としても良い。
<プロセスカートリッジ、画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、画像形成装置について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電装置(接触型帯電装置)等がよく用いられる。直接帯電装置の例としては、帯電ローラ、帯電ブラシ等が挙げられる。なお、図1では、帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示している。直接帯電手段として、気中放電を伴う帯電、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行って電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LED等が挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行うようにしてもよい。露光を行う際の光は任意であるが、例えば、波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光等で露光を行えばよい。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像等の乾式現像方式や、湿式現像方式等の任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、プロセスカートリッジ等の容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等を被覆した樹脂ロール等からなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコン樹脂やウレタン樹脂等の樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅等の金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナー等、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シート等公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着等、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行われる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行う。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード
)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行うことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行うことで電子写真感光体の除電を行う工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程等の工程を行うことができる構成としたり、オフセット印刷を行う構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型の電子写真用プロセスカートリッジ(以下適宜「カートリッジ」という)として構成し、このカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例としては、電子写真感光体1、帯電装置2、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6を組み込んだ一体型カートリッジ、あるいは電子写真感光体1、帯電装置2、クリーニング装置6を一体化したカートリッジとし、現像装置4を別にカートリッジとするタイプが挙げられる。これらのカートリッジでは、例えば電子写真感光体1が劣化した場合、あるいは現像装置4中のトナーが消費されて無くなった場合に、このカートリッジごと画像形成装置本体から取り外し、別の新しいカートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。 なお、下記記載中、「部」は「質量
部」を表わす。
<粘度平均分子量>
ポリカーボネート樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘
度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
<ポリカーボネート樹脂のイエローインデックス(YI)>
前記(1)で成形した成形体を用いて分光測色計(ミノルタ株式会社製CM−3700d)にてイエローインデックス(YI)を測定した。数値が小さいほど色調が良好であることを示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
(製造例1)PC1(BPCホモポリマー)の合成(溶融法)
2,2−ビス(4−ヒドロキシ-3−メチルフェニル)プロパン(以下、「BPC」と
略記する場合がある。)(本州化学社製)37.60kg(約147mol)とジフェニルカーボネート(DPC)32.20kg(約150mol)に、炭酸セシウムの水溶液を、炭酸セシウムがBPC1mol当たり2μmolとなるように添加して混合物を調整した。次に該混合物を、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ、還流冷却器を具備した内容量200Lの第1反応器に投入した。
次に、第1反応器内を1.33kPa(10Torr)に減圧し、続いて、窒素で大気
圧に復圧する操作を5回繰り返し、第1反応器の内部を窒素置換した。窒素置換後、熱媒ジャケットに温度230℃の熱媒を通じて第1反応器の内温を徐々に昇温させ、混合物を溶解させた。その後、300rpmで撹拌機を回転させ、熱媒ジャケット内の温度をコントロールして、第1反応器の内温を220℃に保った。そして、第1反応器の内部で行われるBPCとDPCのオリゴマー化反応により副生するフェノールを留去しながら、40分間かけて第1反応器内の圧力を絶対圧で101.3kPa(760Torr)から13.3kPa(100Torr)まで減圧した。
続いて、第1反応器内の圧力を13.3kPaに保持し、フェノールをさらに留去させながら、80分間、エステル交換反応を行った。
その後、系内を窒素で絶対圧で101.3kPaに復圧の上、ゲージ圧で0.2MPaまで昇圧し、予め200℃以上に加熱した移送配管を経由して、第1反応器内のオリゴマーを、第2反応器に圧送した。尚、第2反応器は内容量200Lであり、攪拌機、熱媒ジャケット、真空ポンプ並びに還流冷却管を具備しており、内圧は大気圧、内温は240℃に制御していた。
次に、第2反応器内に圧送したオリゴマーを38rpmで攪拌し、熱媒ジャケットにて内温を昇温し、第2反応器内を40分かけて絶対圧で101.3kPaから13.3kPaまで減圧した。その後、昇温を継続し、さらに40分かけて、内圧を絶対圧で13.3kPaから399Pa(3Torr)まで減圧し、留出するフェノールを系外に除去した。さらに、昇温を続け、第2反応器内の絶対圧が70Pa(約0.5Torr)に到達後、70Paを保持し、重縮合反応を行った。第2反応器内の最終的な内部温度は285℃であった。第2反応器の攪拌機が予め定めた所定の攪拌動力となったときに、重縮合反応を終了した。
次いで、第2反応器内を、窒素により絶対圧で101.3kPaに復圧の上、ゲージ圧で0.2MPaまで昇圧し、第2反応器の槽底からポリカーボネート樹脂をストランド状で抜き出し、水槽で冷却しながら、回転式カッターを使用してペレット化した。得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は34,100、YIは2.3であった。
(製造例2)PC2(BPC/BPAコポリマー)の合成(溶融法)
製造例1において、BPC37.60kgに代えて、BPC20.26kg及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「BPA」と略記する場合がある。)17.34kg(BPC:BPA=51:49(mol比))を使用した以外は、製造例1と同様にポリカーボネート樹脂PC2を製造した。粘度平均分子量は21,300、YIは2.5であった。
(比較製造例1)PC3(BPCホモポリマー)の合成(界面法)
特開2010−43201号公報の実施例1記載の方法により、界面法によるBPCホモポリマーを製造した。粘度平均分子量は33,000であった。
(比較製造例1)PC4(BPC/BPAコポリマー)の合成(界面法)
特開2010−43201号公報の実施例1記載の方法に倣い、界面法によるBPC/
BPAコポリマー(仕込み時のBPC:BPA=51:49(mol比))を製造した。粘度平均分子量は22,000、YIは3.6であった。
<感光体の製造および評価>
実施例1
感光体用の塗布液を、下記のように製造した。
[下引き層形成用塗布液の製造]
下引き層形成用塗布液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
[電荷発生層形成用塗布液の製造]
電荷発生層形成用塗布液は以下のように作製した。電荷発生物質として、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示す、Y型(別称D型)オキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Lを調製した。
[電荷輸送層形成用塗布液Aの製造]
電荷輸送層形成用塗布液は以下のように作製した。下記の電荷輸送材料CT−1を50部、前記ポリカーボネート樹脂PC1を100部、酸化防止剤として、チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名IRGANOX1076を8重量部、レベリング剤としてシリコーンオ
イル0.05部をテトラヒドロフラン(以下適宜THFと略)とトルエン(以下適宜TLと略)の混合溶媒(THF 80重量%、TL 20重量%)640部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 0005522090
〔感光体の製造〕
前記のようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が約1.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して下引き層を設けた。
続いて、前記のようにして得られた電荷発生層形成用塗布液を、上記下引層上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して電荷発生層を設けた。
続いて、前記のようにして得られた電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が約25μmになるようにアプリケーターで塗布し、125 ℃で20分間
乾燥して、感光体A1を作製した。
実施例2
ポリカーボネート樹脂として、PC1に代えて前記PC2を使用した以外は、実施例1と同様に感光体A2を作製した。
比較例1
ポリカーボネート樹脂として、溶融法で製造されたPC1から、界面法で製造された前記PC3に変更した以外は、実施例1と同様に感光体B1を作製した。
比較例2
ポリカーボネート樹脂として、溶融法で製造されたPC1から、界面法で製造されたPC4に変更した以外は、実施例1と同様に感光体B2を作製した。
実施例3
直径30mm、長さ246mm、肉厚0.75mmの3003系アルミニウム合金製チューブ上に、前記のように得られた下引き層形成用塗布液を、乾燥後の膜厚が約1.5μmになるように浸漬塗布し、室温で乾燥して下引き層を設けた。
続いて、前記のようにして得られた電荷発生層形成用塗布液を、上記下引層上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるように浸漬塗布し、室温で乾燥して電荷発生層を設けた。
続いて、下記の電荷輸送層形成用塗布液Bを、上記電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が約15μmになるように浸漬塗布した、感光体A3を作製した。
[電荷輸送層形成用塗布液Bの製造]
電荷輸送層形成用塗布液は以下のように作製した。下記の電荷輸送材料CT−2を47部、電荷輸送材料CT−3を3部、前記ポリカーボネート樹脂PC1を100部、酸化防止剤として、4−メチル−2,6−ジ−tertブチルフェノールを8重量部、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05部をテトラヒドロフラン(以下適宜THFと略)とトルエン(以下適宜TLと略)の混合溶媒(THF 80重量%、TL 20重量%)600部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 0005522090
比較例3
ポリカーボネート樹脂として、PC1に代えて前記PC2を使用した以外は、実施例3と同様に感光体B3を作製した。
<電気特性試験1>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体A1,A2,B1,B2のシートを直径80mmのアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体シートのアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルを20000回繰り返し、前後の特性を評価した。その際、試験当初に感光体の初期表面電位が約−700Vになるように帯電(スコロトロン帯電器)条件を固定し、観測される表面電位(V0)を測定した。また、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものをNDフィルターを使用して光量を0.76μJ/cmとして露光した際の表面電位VL(単位:−V)を測定した。また、暗所で帯電後、5秒間放置して表面電位の保持率(%)を測定した。なお、VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を139msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。20000回繰り返し前後の測定結果を表−1に示す。
Figure 0005522090
VLは、繰り返し後に上昇幅が小さいことが好ましい。また、帯電保持率は、高いほど良好であることを示す。表−1より、溶融法で作製されたポリカーボネート樹脂を用いたA1,A2は、界面法で作製されたポリカーボネート樹脂を用いたB1,B2と比較して、繰り返し後のVL上昇が抑えられ、帯電保持率の低下も少ないことが分かる。
<耐オゾン試験>
感光体A3,B3を、オゾン濃度200ppmの雰囲気下に6時間放置し、オゾン暴露させた。オゾン暴露前、暴露直後、一晩放置後の電気特性を、下記の電気特性試験2によって測定し、これによって、オゾン暴露の電気特性に与える影響を評価した。
<電気特性試験2>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体A3,B3の感光体ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによってオゾン暴露前後の電気特性を評価した。その際、試験当初に感光体の初期表面電位が約−700Vになるように帯電(スコロトロン帯電器)条件を固定し、観測される表面電位(V0)を測定した。また、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものをNDフィルターを使用して光量を0.41μJ/cmとして露光した際の表面電位VL(単位:−V)を測定した。また、暗所で帯電後、5秒間放置して表面電位の保持率(%)を測定した。なお、VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。測定結果を表−2に示す。
Figure 0005522090
表−2の結果より、溶融法で作製されたポリカーボネート樹脂を用いたA3は、界面法で作製されたポリカーボネート樹脂を用いたB3と比較して、オゾン暴露によるV0低下
幅が小さく、VLの変動も小さく、一晩放置後の帯電保持率も安定であることが分かる。
<画像試験>
感光体A3,B3を、P19、P20、P21、P22、P23を、沖データ製タンデムフルカラープリンタ C3100(DCローラー帯電、LED露光、接触非磁性一成分現像)の感光体カートリッジに搭載して、気温23℃、相対湿度50%下において、印字率5%で、10000枚の連続印字を行った。その結果、感光体A3では安定した画像濃度で、画質は良好だったが、感光体B3では、画像濃度が低下し、カブリが増大した。画像濃度低下は、前記繰り返し使用およびオゾン暴露に伴うVL上昇に対応し、カブリ増大は、同様に前記帯電保持率の低下に起因すると思われる。
上記の結果より、溶融法ポリカーボネート樹脂を使用した場合の電気特性、および耐オゾン特性が、界面法ポリカーボネート樹脂を使用した場合に比べて良好なことが分かる。
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (5)

  1. 感光層中に、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸セシウム、酸水素セシウム、又は水酸化セシウムによるエステル交換反応によって生成する、下記式(1)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂を含有し、該ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、電荷輸送材料を20質量部以上150質量部以下含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0005522090
  2. 前記式(1)で表される構造単位の割合が、該ポリカーボネート樹脂中、50モル%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 該ポリカーボネート樹脂が、少なくとも下記式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物と、下記一般式(3)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、重縮合により得られるポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2記載の電子写真感光体。
    Figure 0005522090
    (一般式(3)において、A及びAは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜炭素数18の脂肪族基、または、置換若しくは無置換の芳香族基のいずれかを表す
    。)
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真用プロセスカートリッジ。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を使用する、電子写真画像形成装置。
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