JP6609951B2 - ポリエステル樹脂の製造方法及びそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents
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Description
<2>前記エステルオリゴマーが、溶液重合法又は溶融重合法により得られることを特徴とする、<1>に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
<3>少なくとも1種類のエステルオリゴマーを原料として、界面重合法により重合することを特徴とする、<1>又は<2>に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
<5>少なくとも2種類の2価フェノール、又は2価アルコールを使用することを特徴とする、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
<6>前記ポリエステル樹脂の粘度平均分子量が15,000〜100,000となるように重合することを特徴とする、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のポリエステル製造方法。
法。
<8>前記ポリエステルポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が30,000〜150,000となるように重合することを特徴とする、<7>に記載のポリエステルポリカーボネート樹脂の製造方法。
本発明のポリエステル樹脂を製造する方法は、原料として少なくとも1つのエステルオリゴマー、カーボネートオリゴマー又はポリカーボネート樹脂を使用し、ポリエステル樹脂を得る方法である。以下にポリエステル樹脂の製造法の一例を説明する。
エステルオリゴマーを製造する方法としては、溶液重合、溶融重合、界面重合が挙げられる。これらの中で、ビスフェノールの酸化防止、2価アルコールの反応性、モノマー中のエステル結合の安定性などの観点から、溶液重合及び溶融重合が好ましい。さらに、製造の簡便さから、溶液重合が特に好ましい。
入することにより、水溶液に溶解しづらくなり加水分解されることなく、下記のポリエステル製造に使用することが可能となる。
ロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミンや、ピリジン、4-メチルピリジンなどのピリ
ジン類及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]‐7‐ウンデセンなどの有機塩基が挙げ
られる。また、フォスファゼン塩基、無機塩基などエステル化反応に使用されるような塩基ならば特に制限されない。これらの塩基の中で、エステル化反応の反応性及び入手の簡便性の観点からトリエチルアミン、N,N−ジプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、ピリジンが好ましく、酸クロリドの分解抑制や洗浄における除去の容易さの観点からトリエチルアミンが特に好ましい。塩基の使用量としては、反応系中に含まれるカルボン酸クロライド基の1.01倍当量〜2倍当量の範囲が好ましい。
タン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンが好ましい。さらに洗浄効率及び電気特性の観点からジクロロメタンが特に好ましい。
は、2価フェノール及び/又は2価アルコール:ジカルボン酸クロライドの比率は、モル比率で、10:1〜1.1:1であることが好ましい。
加することができる。酸化防止剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイト(次亜硫酸ナトリウム)、二酸化硫黄、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、酸化防止の効果及び環境負荷の低減からもハイドロサルファイトが特に好ましい。酸化防止剤の使用量としては、全2価フェノールに対して、通常0.01質量%以上、酸化防止の観点から、好ましくは0.1質量%以上である。通常10.0質量%以下であり、電気特性の観点から、5質量%以下が好ましい。
本発明で使用するカーボネートオリゴマー又はポリカーボネート樹脂は、溶融重合による製造のものである。溶融重合で製造されるカーボネートオリゴマー又はポリカーボネートは、多くのフェノール末端を有しているため、下記に示すポリエステルの製造時にカルボン酸クロライドと反応し、簡便に共重合体を得ることが可能である。カーボネートオリゴマー及びポリカーボネートの末端に存在するOH基量は、通常30μ当量/g以上、好ましくは50μ当量/g以上である。末端OH基量が上記範囲を超えないと、下記ポリエステル樹脂の製造時に十分反応せず、共重合体が得られない可能性がある。
前記エステルオリゴマー、カーボネートオリゴマー、ポリカーボネート樹脂の少なくとも1つを使用し、ポリエステル樹脂を製造する際、溶液重合法又は界面重合法が好ましい。特に、製造されるポリエステル樹脂の分子量調整の簡便さ及び電気特性の観点から、界面重合法が特に好ましい。
離し、有機相中に溶解しているポリマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目的とする樹脂が得られる。界面重合による製造の際、必要によっては、アルカリ水溶液に別途2価フェノールを添加することも可能である。
ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン等が挙げられる。
また、他の精製方法としては、例えば、生成したポリエステル樹脂の溶液を、ポリエステル樹脂が不溶の溶媒中に析出させる方法、ポリエステル樹脂の溶液を温水中に分散させ
溶媒を留去する方法、又はポリエステル樹脂溶液を吸着カラム等に流通させる方法等により精製してもよい。
なお、本発明中のポリエステルポリカーボネート樹脂の製造は、上記ポリエステル製造と同等の条件を適用できる。
本発明により製造されるポリエステル樹脂の構造は、特に限定されないが、溶解性、機械物性、電気特性等の観点から以下に示す構造を有するポリエステル樹脂が好ましい。少なくとも2種類のジカルボン酸クロライドを使用するか、少なくとも2種類の2価フェノール又は2価アルコールを使用する場合に、上記ポリエステル樹脂の製造方法が有効である。ここで言う種類とは、分子構造で区別するものであり、位置異性体、立体異性体等も区別して1種類とする。
ポリエステル樹脂として下記式(1)〜(4)で表される2価カルボン酸残基を少なくとも1つ有することが好ましい。
ェニルジカルボン酸、2,2´−ジフェニルジカルボン酸、2,4´−ジフェニルジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、製造上の簡便性及び耐摩耗性の観点から、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸、4,4´-ジフェニルジカルボン酸が特に好
ましい。
ロヘキサンジカルボン酸、trans−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、cis−1
,3−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、製造上の簡便性及び耐摩耗性の観点から、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、cis−1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸が特に好ましい。
(2価フェノール残基、2価脂肪族アルコール残基)
ポリエステル樹脂として下記式(5)〜(12)で表される2価フェノール及び/又は2価アルコールを少なくとも1つ有することが好ましい。
式(7)中のアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘキサンジメチル基等が挙げられる。溶解性、耐摩耗性の観点から、好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基であり、特に好ましくはエチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘキサンジメチル基である。
式(7)で表される2価フェノール残基を誘導する2価フェノール化合物の具体例として以下に示す。
式(11)で表されるポリエステル樹脂のビスフェノール残基として具体的に例示すると、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4´−ビフェノール、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェノール、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ビフェノール、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。この中でも、2価フェノール成分の製造の簡便性及び溶解性、電気特性を考慮すれば、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4´−ビフェノール、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェノール、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ビフェノール、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルが好ましい。さらに機械物性を考慮すれば、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、4,4´−ビフェノール、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェノール、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ビフェノールがより好ましい。
。
前記エステルオリゴマー製造時に使用した塩基は、以下に示すポリエステル製造に反応の阻害や、ジカルボン酸クロライドの分解などの悪影響を与える可能性があるため、塩基の残存量は通常20,000ppm以下、好ましくは5,000ppm以下、更に好ましくは1,000ppm以下である。
前記エステルオリゴマー中に含まれる全窒素量(T−N量)は、5,000ppm以下が好ましく、2,500ppm以下であることがさらに好ましく、1,000ppm以下であることが特に好ましい。全窒素量が5,000ppmを超えると以下に示すポリエステル製造に反応の阻害や、ジカルボン酸クロイドの分解などの悪影響を与える可能性がある。
ポリエステルポリカーボネート樹脂に含まれるポリエステル部位については、ジカルボン酸、2価フェノール及び/又は2価アルコールについては、上記ポリエステル樹脂と同等のものが好ましい。カーボネートオリゴマー及びポリカーボネート樹脂については式(13)が好ましい。
本発明の製造方法により製造されるポリエステル樹脂、ポリエステルポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、機械的強度の観点から、通常15,000以上であり、好ましくは20,000以上である。また、塗布性の観点から通常150,000以下であり、好ましくは100,000以下である。
本発明におけるポリエステル樹脂の末端に存在するOH基量は、通常100μ当量/g以下、好ましくは50μ当量/g以下である。末端OH基量が上記範囲を超えると、ポリエステル樹脂を電子写真感光体とした際の電気特性が悪化する可能性がある。
超えると、ポリエステル樹脂を電子写真感光体とした際の電気特性が悪化する可能性がある。
前記ポリエステル樹脂に含まれる全窒素量(T−N量)は、3,000ppm以下が好ましく、1,000ppm以下であることがさらに好ましく、500ppm以下であることが特に好ましい。全窒素量が3,000ppmを超えると電気特性が悪化する場合がある。
本発明のポリエステル樹脂は、電子写真感光体用塗布液に好適に用いられる。この電子写真感光体用塗布液は、通常、電子写真感光体における感光層の形成に用いられ、特に感光層が積層型感光層である場合における電荷輸送層の形成に用いられることが好ましい。
電子写真感光体用塗布液において、上記ポリエステル樹脂は、通常、バインダー樹脂として用いられ、電子写真感光体用塗布液中には、上記ポリエステル樹脂以外に、例えば電荷発生物質や電荷輸送物質等、電子写真感光体用塗布液の用途等に応じて、適宜必要な材料が含有される。このような電荷発生物質や電荷輸送物質等については、後述する電子写真感光体の項で説明する材料と同様とすることができる。
本実施の形態が適用される電子写真感光体は、導電性支持体上に設けた感光層を有し、感光層が、前記ポリエステル樹脂を含有するものである。感光層の具体的な構成としては、例えば、導電性支持体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層とを積層した積層型感光体;導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた感光層を有する分散型(単層型)感光体等が挙げられる。前記ポリエステル樹脂は、通常、電荷輸送物質を含有する層に用いられ、好ましくは積層型感光体の電荷輸送層に用いられる。
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いてもよい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでもよい。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、及び樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものであってもよい。下引き層には、公知の酸化防止剤等、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いてもよい。その膜厚は、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。
、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタンアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。
[電荷発生層]
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。その膜厚は通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは0.6μm以下の範囲である。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。電荷輸送層は、単一の層から成ってもよいし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものでもよい。その膜厚は、通常、5μm〜50μm、好ましくは10μm〜45μmである。
体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は単独で用いてもよいし、いくつかを混合してもよい。電荷輸送物質の好適な構造の具体例を以下に示す。
前記ポリエステル樹脂と電荷輸送物質との割合は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質30質量部〜200質量部、好ましくは、40質量部〜150質量部の範囲で使用される。感光層中のバインダー樹脂全体と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を20質量部以上の比率で使用することが
好ましい。中でも、残留電位低減の観点から30質量部以上がより好ましく、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40質量部以上が更に好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送物質を通常は150質量部以下の比率で使用することが好ましい。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から110質量部以下がより好ましい。
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下である。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させてもよい。また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させてもよい。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成してもよい。さらに必要に応じて、バリアー層、接着層、ブロッキング層等の中間層、透明絶縁層など、電気特性、機械特性の改良のための層を有していてもよい。
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。
[エステルオリゴマーの製造]
製造例1(エステルオリゴマー(1)の合成)
窒素置換した300mL4つ口反応容器にレゾルシノール(3.00g)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,メチルフェニル)エタン(13.20g)(以下、BP−a)とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(16.08g)を秤取り、ジクロロメタン(90mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(11.58g)とジクロロメタン(45mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ30分かけて滴下した。1時間撹拌を続けた後、脱塩水(100mL)を添加し、10分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(100mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(100mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分
子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(1)を得た。
窒素置換した300mL4つ口反応容器にメチルヒドロキノン(3.00g)、BP−a(11.71g)とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(14.26g)を秤取り、ジクロロメタン(90mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(10.28g)とジクロロメタン(30mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ30分かけて滴下した。1時間撹拌を続けた後、脱塩水(100mL)を添加し、10分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(100mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(100mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(2)を得た。
窒素置換した300mL4つ口反応容器にBP−a(5.86g)とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(14.29g)を秤取り、ジクロロメタン(60mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(5.14g)とジクロロメタン(40mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ30分かけて滴下した。30分撹拌を続けた後、BP−a(9.10g)とヒドロキノン(1.20g)を反応容器へ加えた。その後、トリエチルアミン(5.14g)とジクロロメタン(20mL)との混合溶液を反応容器内へ30分かけて滴下した。1時間攪拌を続けた後、脱塩水(100mL)を添加し、10分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(100mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(100mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(3)を得た。
窒素置換した300mL4つ口反応容器に1,6−ジヒドロキシナフタレン(4.00g)、BP−a(12.10g)とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(14.74g)を秤取り、ジクロロメタン(80mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(10.62g)とジクロロメタン(45mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ30分かけて滴下した。1時間撹拌を続けた後、脱塩水(100mL)を添加し、10分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(100mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(100mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(4)を得た。
窒素置換した300mL4つ口反応容器に1,5−ジヒドロキシナフタレン(1.50g)、BP−a(12.86g)とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(12.28g)を秤取り、ジクロロメタン(80mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(8.84g)とジクロロメタン(40mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ30分かけて滴下した。1時間撹拌を続けた後、脱塩水(100mL)を添加し、10分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(100mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(100mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(5)を得た。
窒素置換した500mL4つ口反応容器にBP−a(7.00g)とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(17.05g)を秤取り、ジクロロメタン(1
60mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(6.14g)とジクロロメタン(20mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ20分かけて滴下した。5分撹拌を続けた後、BP−a(11.90g)と4―ヒドロキシ安息香酸4―ヒドロキシフェニル(2.00g)を反応容器へ加えた。その後、トリエチルアミン(6.14g)とジクロロメタン(20mL)との混合溶液を反応容器内へ20分かけて滴下した。1時間攪拌を続けた後、0.1規定塩酸(170mL)を添加し、30分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(170mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(170mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(6)を得た。
窒素置換した500mL4つ口反応容器にBP−a(18.54g)とtrans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド(イハラニッケイ化学工業製)(8.00g)を秤取り、ジクロロメタン(160mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(8.52g)とジクロロメタン(30mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ30分かけて滴下した。1時間撹拌を続けた後、脱塩水(150mL)を添加し、10分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(150mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(150mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(7)を得た。
窒素置換した500mL4つ口反応容器にBP−a(17.31g)と1,4−フェニレン二酢酸ジクロライド(イハラニッケイ化学工業製)(10.00g)を秤取り、ジクロロメタン(150mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(9.19g)とジクロロメタン(65mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ1時間かけて滴下した。1時間撹拌を続けた後、脱塩水(150mL)を添加し、10分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(150mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(150mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(8)を得た。
窒素置換した500mL4つ口反応容器に1,4−ベンゼンジメタノール(3.00g)とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(12.81g)を秤取り、ジクロロメタン(130mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(4.61g)とジクロロメタン(20mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ30分かけて滴下した。2時間撹拌を続けた後、BP−a(10.52g)を反応容器へ加えた。その後、トリエチルアミン(4.61g)とジクロロメタン(20mL)との混合溶液を反応容器内へ30分かけて滴下した。1時間攪拌を続けた後、脱塩水(150mL)を添加し、10分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(150mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(150mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(9)を得た。
窒素置換した300mL4つ口反応容器にイソソルビド(4.00g)とテレフタル酸クロライド(11.11g)を秤取り、ジクロロメタン(90mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(5.82g)とジクロロメタン(26mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ30分かけて滴下した。3時間撹拌を続けた後、BP−a(13.26g)を反応容器へ加えた。その後、トリエチルアミン(5.82g)とジクロロメタン(20mL)との混合溶液を反応容器内へ30分かけて滴下した。1時間攪拌を
続けた後、脱塩水(100mL)を添加し、10分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(100mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(100mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(10)を得た。
窒素置換した300mL4つ口反応容器に4,4‘−ビフェニルジメタノール(4.50g)とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(12.04g)を秤取り、ジクロロメタン(120mL)に溶解させた。続いて、トリエチルアミン(4.67g)とジクロロメタン(30mL)との混合溶液を0〜5℃へ冷却した反応容器内へ20分かけて滴下した。反応容器を20℃へと昇温し、1時間撹拌を続けた後、BP−a(10.18g)を反応容器へ加えた。反応容器を0〜5℃へ冷却した後、トリエチルアミン(4.67g)とジクロロメタン(30mL)との混合溶液を反応容器内へ20分かけて滴下した。1時間攪拌を続けた後、0.1規定塩酸(150mL)を添加し、30分撹拌した。撹拌後、有機層を分離し、この有機層を0.1規定塩酸(150mL)にて洗浄を2回行い、さらに、脱塩水(150mL)にて洗浄を2回行った。その後、濃縮、乾燥して分子末端にフェノール基を有するエステルオリゴマー(11)を得た。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.57g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.21g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.11g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(166mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(205mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(205mL)にて洗浄を2回行った。洗浄後の有機層にジクロロメタン(100ml)を加えて希釈し、メタノール(1800ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリエステル樹脂(1)を得た。得られたポリエステル樹脂の粘度平均分子量(Mv)は44,200であった。ポリエステル樹脂(1)の構造式を以下に示す。
ポリエステル樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製した。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計
を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の
式に従って粘度平均分子量(Mv)を算出した。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.55g)とH2O(188ml)を秤取
り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.21g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.11g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(166mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(205mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(205mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.87g)とH2O(235ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.32g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.14g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(200mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(250mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(250mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.52g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.24g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.11g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(176mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(210mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(210mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.47g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.25g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.11g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
エーテル−4,4´−ジカルボン酸クロライド(4.56g)とジクロロメタン(107mL)との混合溶液を滴下ロート内に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(176mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(210mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(210mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.78g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.26g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.08g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(179mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(235mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(235mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(2.31g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.25g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.17g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(160mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(200mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(200mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(2.26g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.25g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.17g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロ
ロメタン(160mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(200mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(200mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(2.72g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこにBP−a(4.64g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.26g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.20g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(160mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(200mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(200mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.77g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.25g)
、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.13g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(143mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(190mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(190mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.45g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.20g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.07g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(156mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(190mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(190mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.16g)とH2O(234ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.34g)、BP−a(10.15g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.11g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(195mL)を加え、撹拌を9時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(235mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(235mL)にて洗浄を2回行った。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.23g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.26g)、BP−a(10.15g)、ヒドロキノン(0.47g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.12g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(156mL)を加え、撹拌を9時間続けた。しかしながら、重合中にヒドロキノンが酸化され水層が茶色に変色し、2価のフェノールが足りなくなったため、十分に伸長した重合体が得られなかった。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.13g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.26g)、BP−a(9.16g)、4―ヒドロキシ安息香酸4―ヒドロキシフェニルエーテル(0.97g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.12g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(156mL)を加え、撹拌を9時間続けた。しかしながら、重合中に4―ヒドロキシ安息香酸4―ヒドロキシフェニルエーテルが加水分解され、ヒドロキノンとなり酸化され水層が茶色に変色し、2価のフェノールが足りなくなったため、十分に伸長した重合体が得られなかった。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.14g)とH2O(188ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.26g)、BP−a(6.93g)、4,4‘−ビフェニルジメタノール(3.02g)、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.12g)を添加し、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(156mL)を加え、撹拌を9時間続けた。しかしながら、4,4’−ビフェニルジメタノールの水酸基は、反応性が悪いため、十分に伸長した重合体が得られなかった。
[実施例13]
10質量部のオキシチタニウムフタロシアニンと、150質量部の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンとを混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い顔料
分散液を製造した。尚、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示す。
[実施例14]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(2)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(3)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
[実施例16]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(4)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(5)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
[実施例18]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(6)に変えた以外は実施例1と同様にし
て、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(7)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
[実施例20]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(8)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(9)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
[実施例22]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(10)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(11)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
[実施例24]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(12)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)を特開2006−53549号公報の実施例6に記載の方法により製造した下記に示す構造を有するポリエステル樹脂(14)(粘度平均分子量36,200)に変えた以外は実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用い、露光光を2.4μJ/cm2照射した時点の表面電位(VL)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を139msとした。また、表面電位が初期表面電位の半分(−350V)となる時の照射エネルギー(半減露光エネルギー:μJ/cm2)を感度(E1/2)として
測定した。VLの値の絶対値が小さいほど電気特性が良好であることを示し、E1/2の値が小さいほど高感度であることを示す。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%下(N/N)で行った。結果を表−1に示す。
感光体フィルムを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、25℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重500gで1000回回転後の摩耗量を試験前後の質量を比較することにより測定した。結果を表−2に示す。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (7)
- ポリエステル樹脂の製造方法であって、2価カルボン酸と2価フェノール及び/又は2
価アルコールを溶液重合させてなる少なくとも1種類のフェノール末端を有するエステル
オリゴマーを、界面重合法により重合することを特徴とする、ポリエステル樹脂の製造方
法。 - 少なくとも2種類のジカルボン酸クロライドを使用することを特徴とする、請求項1に
記載のポリエステル樹脂の製造方法。 - 少なくとも2種類の2価フェノール、又は2価アルコールを使用することを特徴とする
、請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂の製造方法。 - 前記ポリエステル樹脂の粘度平均分子量が15,000〜100,000となるように
重合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂の製
造方法。 - 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、2
価カルボン酸と2価フェノール及び/又は2価アルコールを溶液重合させてなる少なくと
も1種類のフェノール末端を有するエステルオリゴマーを、界面重合させてなるポリエス
テル樹脂を含有することを特徴とする、電子写真感光体。 - 請求項5に記載の電子写真感光体を有する電子写真感光体カートリッジ。
- 請求項5に記載の電子写真感光体を有する画像形成装置。
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