JP3397010B2 - ポリカーボネート、その製造方法及びポリカーボネートを用いた電子写真感光体 - Google Patents
ポリカーボネート、その製造方法及びポリカーボネートを用いた電子写真感光体Info
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Description
ネートとその製造方法及び電子写真感光体に関する。本
発明のポリカーボネートは、従来使用されているポリカ
ーボネートに比べ耐摩耗性、表面硬度、耐熱性に優れて
いる為、ランプレンズ・照明カバー等の耐熱性の要求さ
れる用途、保護眼鏡・保護面・スキー用ゴーグル等の表
面硬度が高い方が好ましい用途に好適に使用することが
できる。特に本発明のポリカーボネートは耐摩耗性の要
求される電子写真感光体に好適に使用することができ
る。
が得られることなどから、近年では複写機の分野にとど
まらず、各種プリンタ−の分野でも広く使われ、応用さ
れてきている。電子写真技術の中核となる感光体につい
ては、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ
素−セレニウム合金、硫化カドミニウム、酸化亜鉛とい
った無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が
容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導
電材料を使用した感光体が開発されている。
荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体が提案さ
れ、研究の主流となっている。積層型感光体は、それぞ
れ効率の高い電荷発生物質、及び電荷輸送物質を組合せ
ることにより高感度な感光体が得られること、材料の選
択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また
塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことか
ら、感光体の主流になる可能性も高く鋭意開発されてい
る。
層型感光体は、感度、帯電性といった電気的特性に於い
ては十分な性能を持つが、感光体表面の物理的強度に於
いて不十分であるため実用上限られた耐刷性能に留まっ
ているのが現状である。このような感光体表面の物理的
強度をほぼ決定するのは積層型感光体に於いては電荷輸
送層の性質である。通常、電荷輸送層はバインダー樹脂
と電荷輸送物質の固溶体から成り立っている。良好な電
気的特性を得るため、電荷輸送物質がバインダー樹脂に
対して大量にドープされているため種々のバインダー樹
脂が検討されてきたが、十分な強度を持たせるに到って
いない。
子写真プロセスすなわち帯電、露光、現像、転写、クリ
ーニング、除電等のサイクルで繰り返し使用されるため
その間様々なストレスを受け劣化する。この様な劣化と
しては例えば帯電器として普通用いられるコロナ帯電器
から発生する強酸化性のオゾンやNOx が感光層に化学
的なダメ−ジを与えたり、像露光で生成したキャリア−
(電流)が感光層内を流れることや除電光、外部からの
光によって感光層組成物が分解するなどによる化学的、
電気的劣化がある。またこれとは別の劣化としてクリ−
ニングブレ−ド、磁気ブラシなどの摺擦や現像剤、紙と
の接触等による感光層表面の摩耗や傷の発生、膜の剥が
れといった機械的劣化がある。特にこの様な感光層表面
に生じる損傷はコピ−画像上に現れやすく、直接画像品
質を損うため感光体の寿命を制限する大きな要因となっ
ている。すなわち高寿命の感光体を開発するためには電
気的、化学的耐久性を高めると同時に機械的強度を高め
ることも必須条件である。
じるのは電荷輸送層である。電荷輸送層は、通常バイン
ダー樹脂と電荷輸送物質からなっており、実質的に強度
を決めるのはバインダー樹脂である。これまで電荷輸送
層のバインダー樹脂としてはポリメタクリレート、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびそ
の共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリス
ルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱
可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられている。中でもバ
インダー樹脂として優れた性能を有する種々のポリカー
ボネート樹脂が開発され実用に供されている。例えば特
開昭50−98332号公報にはビスフェノールPタイ
プのポリカーボネートが、特開昭59−71057号公
報にはビスフェノールZタイプのポリカーボネートが、
特開昭59−184251号公報にはビスフェノールP
およびビスフェノールAの共重合タイプのポリカーボネ
ートが、また特開平5−21478号公報にはビス(4
ーヒドロキシフェニル)ケトンタイプの構造を含むポリ
カーボネート共重合体がバインダー樹脂としてそれぞれ
開示されている。しかし、従来の有機感光体はトナーに
よる現像、紙との摩擦、クリーニング部材(ブレード)
による摩擦など実用上の負荷によって表面が摩耗してし
まったり表面に傷が生じてしまうなどの欠点を有してい
るため実用上は限られた印刷性能にとどまっているのが
現状である。
写真感光体の表面の耐摩耗性の改良について鋭意検討を
行った結果、新規ポリカーボネートを開発し、本発明の
樹脂をバインダー樹脂として用いた場合、表面強度が著
しく改善され耐久性に優れた電子写真感光体が得られる
ことを見いだした。すなわち本発明の第1の要旨は、下
記一般式[1]
R5 ,R6 ,R7 及びR8 は各々独立に、水素原子、炭
素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
子、又は、置換されていてもよいフェニル基を表す。)
で表される繰り返し単位と、下記一般式[2]
水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換されてい
てもよいアリール基、又はハロゲン化アルキル基を示
し、Zは4〜20の置換又は非置換の炭素環を示し、Y
1 ないしY8 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよいア
リール基、又は、ハロゲン化アルキル基を示す。)で表
される繰り返し単位を有するポリマーであって、式
[1]で表される繰り返し単位の、ポリマー中の含量が
モル比[1]/([1]+[2])で0.01〜1.0
であり、該ポリマーの粘度平均分子量が5,000〜1
00,000であることを特徴とするポリカーボネート
に存するものである。また本発明の第2の要旨は、下記
一般式[3]
R5 ,R6 ,R7 及びR8 は各々独立に水素原子、炭素
数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
子、又は、置換されていてもよいフェニル基を表す。)
と、炭酸エステル形成性化合物を反応させることを特徴
とする上記ポリカーボネートの製造方法に存する。さら
に本発明の第3の要旨は、導電性支持体上に感光層を有
し、該反応感光層が上記ポリカーボネートを含むことを
特徴とする電子写真感光体に存する。
前述の一般式[1]中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,
R5 ,R6 ,R7 及びR8 は、各々独立に水素原子、炭
素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
子、置換されていてもよいフェニル基を表す。炭素数1
以上10以下のアルキル基としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、n
−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙
げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げ
られる。またハロゲン原子には塩素原子、臭素原子、フ
ッ素原子などが挙げられ、置換されてもよいフェニル基
には、フェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基
等が挙げられる。この中で特に水素原子、メチル基、塩
素原子、臭素原子が特に好ましく用いられ、さらに全て
が水素原子である次の繰り返し単位が好ましい。
好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、又は、フェニル基が用いられ、
さらに好ましくはメチル基、又はフェニル基が用いられ
る。Y1 ないしY8 は、好ましくは水素原子、塩素原
子、臭素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、sec−ブチル基、n−ブチル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基、又は、フェニル基が
用いられ、さらに好ましくは、水素原子、又はメチル基
が用いられる。一般式[2]の繰り返し単位は具体的に
は以下に示す[2−1]〜[2−13]等の構造が挙げ
られる。また一般式[2]には[2−14]〜[2−1
6]等の二官能性芳香族化合物で表される繰り返し単位
が共重合されて含まれていても良い。
[2−1]〜[2−16]の中から1種類又は2種類以
上の二官能性芳香族化合物が好ましく用いられるが更に
好ましくは[2−1]、[2−2],[2−5]が用い
られる。本発明のポリカーボネートにおいて、一般式
[1]で表される構造単位と一般式[2]で表される構
造単位のモル比[1]/([1]+[2])は0.01
〜1.0であり、好ましくは0.01〜0.5で、さら
に好ましくは0.05〜0.3である。0.01未満で
あると耐熱性、表面硬度、耐摩耗性等の物性が低下す
る。また電子写真感光体のバインダー樹脂に使用する場
合は溶媒に対する溶解性の点で0.5以下が好ましい。
子量が5,000〜100,000であるが、好ましく
は10,000〜100,000、さらに好ましくは2
0,000〜50,000である。粘度平均分子量が低
すぎると樹脂の機械的強度が低下し実用的でなく、高す
ぎると、射出成型の際、流動性が悪く成型が困難であ
る。また電子写真感光体のバインダー樹脂として用いた
場合は分子量が100,000以上であると適当な膜厚
に塗布する事が困難である。
て、例えば一般式[3]で表される化合物と炭酸エステ
ル形成性化合物を反応させる方法が挙げられる。式
[3]中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7
及びR8 は各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアル
キル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は、置換され
ていてもよいフェニル基を表す。炭素数1〜10のアル
キル基は例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチ
ル基、n−オクチル基等が挙げられ、アルコキシ基とし
ては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、n−ブトキシ基等が挙げられる。またハロゲン原子
には塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが挙げられ、
置換されてもよいフェニル基には、フェニル基、4−メ
チルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。式[3]
で表される化合物の中で好ましい具体的化合物として、
メチル−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4−メチ
ル−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、5−メチル−
3,3’−ジヒドロキシビフェニル、6−メチル−3,
3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジメチル−
3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメチ
ル−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジ
メチル−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、5,5’
−ジメチル−3,3’−ジヒドロキシビフェニル等が挙
げられる。
例えば以下に示す化合物、混合物、オリゴマーが挙げら
れる。 ・ホスゲン ・ビスフェノール類、ジヒヒドロキシ芳香族等の二官能
性ヒドロキシ化合物及びホスゲン ・二官能性ヒドロキシ化合物のヒドロキシル基の一部ま
たは全部をホスゲンと反応させたクロロホルメートオリ
ゴマー。例えば、末端のクロロホルメート基を含有する
ビスフェノールCオリゴマー、ビスフェノールPオリゴ
マー等。 ・ビスフェノール類、ジヒヒドロキシ芳香族等の二官能
性ヒドロキシ化合物及びジフェニルカーボネート等の炭
酸エステル
ポリカーボネートの重合方法を適用することができる。
例えば以下の方法が挙げられる。 ・構造式[3]の化合物とホスゲンを反応させ界面重縮
合を行う。 ・構造式[3]の化合物及び他の二官能性ヒドロキシ化
合物とホスゲンを反応させ界面重縮合する。 ・二官能性ヒドロキシ化合物とホスゲンを反応させたク
ロロホルメートに構造式[3]の化合物を添加して界面
重縮合させる。 ・構造式[3]の化合物及び二官能性ヒドロキシ化合物
をジフェニルカーボネートとのエステル交換反応により
溶融重合させる。
る場合には、導電性支持体上に設けた感光層中に含有さ
せる。感光層の具体的な構成として ・導電性支持体上に電荷発生物質を主成分とする電荷発
生層、電荷輸送物質及びバインダ−樹脂を主成分とした
電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光体。 ・導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダ−樹脂
を主成分とした電荷輸送層、電荷発生物質を主成分とす
る電荷発生層をこの順に積層した逆二層型感光体。 ・導電性支持体上に電荷輸送物質及びバインダ−樹脂を
含有する層中に電荷発生物質を分散させた分散型感光
体。 の様な構成が基本的な形の例として挙げられる。
ネートは電荷輸送層のバインダー樹脂として用いること
が好ましい。電荷発生層に使用される電荷発生物質とし
ては、例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウ
ム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、ア
ゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔
料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイ
ミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用
でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔
料が好ましい。これらの微粒子は、通常、ポリエステル
樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニル
プロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステ
ル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結
着した形、又は微粒子を蒸着した形で使用される。バイ
ンダー樹脂を用いる場合の使用比率はバインダー樹脂1
00重量部に対して電荷発生物質30〜500重量部の
範囲より使用され、その膜厚は通常0.1〜1μm、特
には0.15〜0.6μmが好適である。
ば2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノ
キノジメタンなどの電子吸引性物質、カルバゾール、イ
ンドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、
オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールなどの
複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳
香族アミン誘導体、スチルベン誘導体あるいはこれらの
化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体な
どの電子供与性物質が挙げられる。特に重合体ではない
低分子化合物が好ましい。これらの電荷輸送物質ととも
にバインダー樹脂が配合される。電荷輸送層には、必要
に応じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでい
てもよい。電荷輸送層の膜厚は10〜50μm、好まし
くは10〜40μmの厚みで使用されるのがよい。
明の上記ポリカーボネートが用いられ、樹脂100重量
部に対して電荷輸送物質は30〜150重量部の範囲よ
り使用されるのが好ましい。また膜厚は通常5〜50μ
m、好ましくは10〜30μmが好適である。また必要
に応じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでい
てもよい。
合比のバインダー樹脂と電荷輸送物質からなる電荷輸送
媒体中に、前出の電荷発生物質が分散される。その場合
の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であ
り、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm
以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質
の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると
帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好
ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましくは
1〜20重量%の範囲で使用される。感光層の膜厚は通
常5−50μm、より好ましくは10−45μmで使用
される。またこの場合にも成膜性、可とう性、機械的強
度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制す
るための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、
塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、例
えばシリコ−ンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤
が添加されていても良い。
公知の例えば熱可塑性或いは熱硬化性ポリマ−を主体と
するオ−バ−コ−ト層を設けても良い。これらの感光層
はロ−ルコ−ティング、バ−コ−ティング、ディップコ
−ティング、スプレ−コティンング、マルチノズルコ−
ティング等公知の方法によって導電性支持体上に形成さ
れる。感光層を設ける導電性支持体としては、アルミニ
ウム、ステンレス鋼、ニッケル等の金属材料、表面にア
ルミニウム、銅、パラジウム、酸化スズ、酸化インジウ
ム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、紙、ガ
ラス等の絶縁性支持体が使用される。
れるような公知のバリアー層が設けられていても良い。
バリアー層としては、例えばアルミニウム陽極酸化被
膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機
層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デ
ンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、等の
有機層が使用される。バリアー層の膜厚は0.1〜20
μmの範囲が好ましく、0.1〜10μmの範囲で使用
されるのが最も効果的である。各層の形成方法として
は、層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得
られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用で
きる。
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
よって限定されるものではない。なお以下において、
「部」は「重量部」を表す。 実施例−1 (1)ポリカーボネートの製造 (ビスフェノールCオリゴマーの製造)2、2−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=
ビスフェノールC)100部、水酸化ナトリウム76
部、水922部及び塩化メチレン412部からなる混合
物を攪拌機付き反応機に仕込み、800rpmで攪拌し
た。これにホスゲン83部を40分の間に吹き込み反応
を行った。反応終了後ビスフェノールCオリゴマーを含
有する塩化メチレン溶液のみを補集した。得られたオリ
ゴマーの塩化メチレン溶液の分析結果は下記の通りであ
った。
を0.2規定水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定した。 (注3)塩化メチレン、四塩化チタン、酢酸溶液に溶解
させた時の発色を546nmで比色定量した。
4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール
(=ビスフェノールP)100部、水酸化ナトリウム4
5部、水1080部及び塩化メチレン421部からなる
混合物を上記ビスフェノールCオリゴマーの製造と同様
に反応させた。得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液
の分析結果は下記の通りであった。
たビスフェノールCオリゴマー溶液176部、上記で得
られたビスフェノールPオリゴマー溶液200部、塩化
メチレン164部、p−tertブチルフェノール0.
278部、水40部、及び、トリエチルアミン0.01
8部を攪拌機に仕込み、800rpmで攪拌した。さら
に3、3’−ジヒドロキシビフェニル6.15部、水酸
化ナトリウム3.25部及び水60部からなる水溶液を
仕込み、15分間界面重合した。なお、3,3’−ジヒ
ドロキシビフェニルは、o−ジアニシジンを出発原料と
してOrganic Syntheses Coll.Vol.III,295(1955)に従い
3,3’−ジメトキシビフェニルを合成し、3,3’−
ジメトキシビフェニルからOrganic Syntheses Coll.Vo
l.V,412(1973)に従い3、3’ージヒドロキシビフェニ
ルを合成した。
を加え3時間界面重合を行った。引続き反応混合物を分
液し、ポリカーボネート樹脂を含む塩化メチレン溶液を
水酸化ナトリウム水溶液、塩酸水溶液、脱塩水を順次用
いて洗浄し、最後に塩化メチレンを蒸発させて樹脂を取
りだした。この樹脂の粘度平均分子量は27、000で
あった。なお、粘度平均分子量の測定は次の様に行っ
た。試料を塩化メチレンに溶解し濃度Cが0.6g/d
lの溶液を調製した。溶媒(塩化メチレン)の流下時間
t0 が88.1秒のウベローデ型毛管粘度計を用いて、
20℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを
測定した。以下の式に従って粘度平均分子量Mv を算出
した。 a=0.20×ηsp+1 b=100×ηsp/C η=b/a Mv =3207×η1.205 このポリカーボネートをアルカリ加水分解し、液体クロ
マトグラフィーによりモノマー組成比を定量したところ
ビスフェノールC:ビスフェノールP:3,3’−ジヒ
ドロキシビフェニルのモル比は43:47:10であっ
た。
−メトキシ−4−メチルペンタノン−2に加え、サンド
グラインドミルにて粉砕分散処理を行った。ここで得ら
れた顔料分散液をポリビニルブチラール(電気化学工業
(株)製、商品名#6000−C)の5%ジメトキシエ
タン溶液100部の混合液に加え、最終的に固形分濃度
4.0%の分散液を作製した。
が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ348mm、厚
さ1.0mmのアルミシリンダーを浸漬塗布し、その乾
燥肉厚が0.4g/m2 (約0.4μm)となるように
電荷発生層を設けた。次にこのアルミシリンダー上に、
次に示すヒドラゾン化合物95部、
樹脂100部をジオキサン、テトラヒドロフランの混合
溶媒に溶解させた液を塗布し、乾燥後の膜厚が21μm
となるように電荷輸送層を設けた。製造した感光体を市
販の複写機に装着し24,000枚のコピーテストを行
った。この時の10,000枚印刷したときに相当する
感光体の膜減り量を第1表に示した。
したポリカーボネートに変えて下記構造のポリカーボネ
ートを用いた以外は実施例1と同様に感光体を作製しコ
ピーテストを行った。この時の10,000枚印刷に相
当する膜減り量を第1表に示した。
膜減り量を少ない値に抑えることができ、長期に渡り安
定したな画像を得ることができる。
ゴマー溶液100部、塩化メチレン47部、p−ter
tブチルフェノール0.123部、水11部及び、トリ
エチルアミン0.00476部を攪拌機に仕込み、80
0rpmで攪拌した。さらに3、3’−ジヒドロキシビ
フェニル2.93部、水酸化ナトリウム1.61部及び
水17部からなる水溶液を仕込み、15分間界面重合
し、さらに25重量%水酸化ナトリウム3.9部を加え
3時間界面重合を行った。引続き反応混合物を分液し、
ポリカーボネート樹脂を含む塩化メチレン溶液を水酸化
ナトリウム水溶液、塩酸水溶液、脱塩水を用いて洗浄
し、最後に塩化メチレンを蒸発させて樹脂を取りだし
た。
であった。このポリカーボネートをアルカリ加水分解
し、液体クロマトグラフィーによりモノマー組成比を定
量したところビスフェノールC:3,3’−ジヒドロキ
シビフェニルのモル比は82:18であった。このポリ
カーボネート共重合体10gをテトラヒドロフラン(T
HF)80mlに溶解し、アルミニウムシート上にキャ
ストし乾燥させてフィルムを作製した。このフィルム表
面の鉛筆硬度を測定したところ4Hであった。またこの
時のTHF溶液は2ヶ月経っても固体が析出したりゲル
化が見られず安定であった。
Aポリカーボネート(三菱化学(株)製、「ノバレック
ス」7025A)10gをTHF80mlに溶解し、ア
ルミニウムシート上にキャストし乾燥させてフィルムを
作製した。このフィルム表面の鉛筆硬度を測定したとこ
ろBであった。またこの時のTHF溶液は2ヶ月経化す
るとゲル化が見られた。
れているポリカーボネートに比べ耐摩耗性、表面硬度、
耐熱性に優れている為、耐熱性や高い表面硬度が要求さ
れる用途に適している。また、電子写真感光体におい
て、本発明のポリカーボネートを用いることにより、優
れた電気特性を示し、感光体表面の耐摩耗性を著しく向
上させることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式[1] (式[1]中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7及
びR8は、各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアル
キル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は、置換され
ていてもよいフェニル基を表す。)で表される繰り返し
単位と、下記一般式[2] (式[2]中、Xは 又は単結合を示し、R'1及びR'2は水素原子、炭素数1
〜20のアルキル基、置換されていてもよいアリール
基、又は、ハロゲン化アルキル基を示し、Zは4〜20
の置換又は非置換の炭素環を示し、Y1ないしY8は、各
々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の
アルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は、
ハロゲン化アルキル基を示す。)で表される繰り返し単
位を有するポリマーであって、式[1]で表される繰り
返し単位の、ポリマー中の含量がモル比[1]/
([1]+[2])で0.05〜0.3であり、該ポリ
マーの粘度平均分子量が5,000〜100,000で
あることを特徴とするポリカーボネート。 - 【請求項2】 下記一般式[3]で表される化合物 (式[3]中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7及
びR8は各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は、置換されて
いてもよいフェニル基を表す。)と、炭酸エステル形成
性化合物を反応させることを特徴とする請求項1記載の
ポリカーボネートの製造方法。 - 【請求項3】 界面重縮合によることを特徴とする、請
求項1または請求項2のいずれかに記載のポリカーボネ
ートの製造方法。 - 【請求項4】 導電性支持体上に感光層を有し、該感光
層中に請求項1記載のポリカーボネートを含むことを特
徴とする電子写真感光体。
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JP20951195A JP3397010B2 (ja) | 1995-08-17 | 1995-08-17 | ポリカーボネート、その製造方法及びポリカーボネートを用いた電子写真感光体 |
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JP20951195A JP3397010B2 (ja) | 1995-08-17 | 1995-08-17 | ポリカーボネート、その製造方法及びポリカーボネートを用いた電子写真感光体 |
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JPH0952944A JPH0952944A (ja) | 1997-02-25 |
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- 1995-08-17 JP JP20951195A patent/JP3397010B2/ja not_active Expired - Fee Related
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