JP3141778B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3141778B2
JP3141778B2 JP08121173A JP12117396A JP3141778B2 JP 3141778 B2 JP3141778 B2 JP 3141778B2 JP 08121173 A JP08121173 A JP 08121173A JP 12117396 A JP12117396 A JP 12117396A JP 3141778 B2 JP3141778 B2 JP 3141778B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真感光体に関
し、詳しくは、特定構造の共重合ポリカーボネート樹脂
を感光体の最外層となる電荷移動層に含有する積層型電
子写真有機感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は即時性があり、高品質の
画像が得られることから,近年では複写機の分野にとど
まらず、各種プリンター,ファクシミリの分野でも広く
使用されている。電子写真技術の中核となる電子写真感
光体については、その光導電性材料は、従来からのセレ
ニウム,ヒ素−セレニウム合金,硫化カドミウム,酸化
亜鉛といった無機系の材料から、無公害で成膜が容易で
あるなどの利点を有する有機系の材料に移行してきてい
る。
【0003】このような有機感光体としては、有機系光
導電性微粉末をバインダー中に分散させた層を感光層と
する,いわゆる分散型単層感光体、電荷発生層と電荷移
動層の積層を感光層とする,いわゆる積層型感光体が知
られている。なかでも積層型感光体は、各層をそれぞれ
効率の高い電荷発生物質,電荷移動物質を用いて形成し
てこれを組み合わせることにより高感度な感光体が得ら
れること、材料の選択範囲が広く安全性の高い感光体が
得られること、生産性が高く比較的コスト面で有利であ
ることから、感光体の主流となっている。そうして、耐
久性の面から、薄膜である電荷発生層の上に電荷移動層
を積層した構成の感光体が実用化されている。
【0004】単層型感光体は、光導電性物質を適当なバ
インダー樹脂とともに有機溶媒に分散,溶解させて調製
した塗工液を塗布することにより感光層が形成される。
また、積層型感光体は、電荷発生物質を適当なバインダ
ーとともに有機溶媒に分散,溶解させて調製した塗工液
を塗布して形成される電荷発生層と、電荷移動物質を適
当なバインダー樹脂とともに有機溶媒に溶解させて調製
した塗工液を塗布して形成される電荷移動層を積層して
感光層が形成される。
【0005】ところで、感光体は、適用される電子写真
プロセスに応じた電気的,機械的,化学的,さらには光
学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し
使用されることから、その表面層には帯電,露光,現
像,紙への転写,クリーニングなどの各処理工程で電気
的,光学的,機械的,化学的ストレスが直接繰り返し加
えられるため、それらに対する耐性が要求される。すな
わち、帯電時に発生するオゾンによる特性の劣化(感度
低下,帯電能の低下,残留電位の上昇など)に対する耐
性、現像,転写,クリーニングなどの際の摺擦によって
生じる表面の摩耗や傷などに対する耐性が要求される。
【0006】有機感光体の表面はバインダー樹脂を主成
分とした層であるため、樹脂の特性が感光体表面に及ぼ
す影響は非常に大きい。上述の要求に対応する樹脂とし
て、従来、ビスフェノールAを原料としたポリカーボネ
ート樹脂(以下、ビスフェノールA型ポリカーボネート
樹脂という)が用いられてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビスフ
ェノールA型ポリカーボネート樹脂が上述の要求をすべ
て満足しているわけではなく、以下に述べるような問題
点を有していた。 (1)溶媒溶解性に乏しく、ジクロロメタンや1.2−
ジクロロエタンなどのハロゲン系炭化水素類の一部にし
か良好な溶解性を示さない。これらハロゲン系炭化水素
類は比較的沸点が低く、これらの溶媒で調製した塗工液
を用いて感光体を製造すると塗膜が白化し易い。また、
塗工液の固形分の管理に手間がかかる。 (2)ハロゲン系炭化水素類以外の溶媒として、テトラ
ヒドロフラン,ジオキサン,シクロヘキサノン,あるい
はそれらの混合溶媒に対して一部可溶であるが、その溶
液は数日でゲル化するなど経時安定性が悪く、感光体の
大量生産には不向きである。 (3)ビスフェノールAからなる,もしくはビスフェノ
ールAを主要成分とするポリカーボネート樹脂はソルベ
ントクラックが発生し易い。
【0008】(1)および(2)に挙げた溶液安定性に
ついては、樹脂の構成単位に嵩高いシクロヘキシレン基
を有するビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂を使
用することによって、ほぼ解決されてきた。しかし、
(3)に指摘したようなソルベントクラックに対する耐
性は、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂を用い
てもまだ不十分であった。
【0009】この問題を解決するために、例えば、特開
昭61−62040号公報にはビスフェノールA型ポリ
カーボネートA樹脂とビスフェノールZ型ポリカーボネ
ート樹脂を混合することによりクラックを低減する方法
が開示され、また、特開昭61−62039号公報に
は、ビスフェノールAとビスフェノールZを共重合する
ことによりクラックを低減する方法が開示されている。
しかし、いずれの方法でもクラックを完全に防止するま
でには至っていない。
【0010】さらには、近年の有機感光体の高感度化の
要望に応じるため、電荷移動物質のような低分子化合物
を大量に使用する場合が多くなっているが、このこと
は、塗工液の経時安定性を悪化させる、また、塗膜の機
械的強度を低下させる原因となっている。この発明は、
上述の点に鑑みてなされたものであって、溶媒溶解性に
優れ、塗工液の経時安定性が良く、しかも、耐ソルベン
トクラック性,耐応力クラック性,耐摩耗性などに優れ
た塗膜を形成できるバインダー樹脂を見出して、電気
的,機械的,化学的,さらには光学的特性などの特性安
定性が向上し、耐久性に優れた電子写真有機感光体を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
によれば、導電性支持体上に有機材料を主要材料とする
電荷発生層,電荷移動層を積層した感光層を備えてなる
電子写真感光体において、感光体の最外層となる電荷移
動層が下記一般式(1)で示される構成単位の1種以上
および下記一般式(2)で示される構成単位の1種以上
を含む共重合ポリカーボネート樹脂を含有してなる感光
体とすることによって解決される。
【0012】
【化3】
【0013】[式(1)中、Aはアルキリデン基,シク
ロアルキリデン基,アリーレン基,アリーレンジアルキ
リデン基のうちのいずれかを示し、R1 ないしR12は水
素原子,アルキル基,アリール基,ハロゲン原子のうち
のいずれかを示し、xは0または1の整数,nは1ない
し100の整数を示す。]
【0014】
【化4】
【0015】[式(2)中、Bはアルキリデン基,シク
ロアルキリデン基,アリーレン基,アリーレンジアルキ
リデン基のうちのいずれかを示し、R13ないしR16は水
素原子,アルキル基,アリール基,ハロゲン原子のうち
のいずれかを示す。] その場合、前記一般式(1)で示される構成単位が共重
合ポリカーボネート樹脂中の1重量%ないし60重量%
であると好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の導電性支持体として
は、アルミニウム,ステンレス鋼,ニッケル,などの金
属材料、表面にアルミニウム,銅,パラジウム,酸化ス
ズ,酸化インジウム,などの導電性層を設けたポリエス
テルフィルム,フェノール樹脂パイプ,紙管,ガラス
管、さらには、導電性粉体,例えばカーボン粉,金属
粉,金属酸化物粉体などを分散含有したプラスチックな
どが使用される。
【0017】上記導電性支持体上には、必要に応じて、
バリアー機能あるいは接着機能を有する下引き層を設け
てもよい。下引き層を構成する材料としては、ポリビニ
ルブチラール,ポリビニルアルコール,カゼイン,ポリ
アミド,セルロース,ゼラチン,ポリウレタン,ポリエ
ステル,などの樹脂、酸化アルミニウムなどの金属酸化
物が使用できる。下引き層の膜厚は0.1μm〜10μ
mが好ましい。
【0018】積層型感光体の電荷発生層に使用される電
荷発生物質としては、フタロシアニン顔料,キナクリド
ン顔料,インジゴ顔料,ペリレン顔料,多環キノン顔
料,アントアントロン顔料,ベンズイミダゾール顔料,
などの有機顔料が使用でき、これらの微粒子をポリカー
ボネート樹脂,ポリビニルアセテート,ポリアクリル酸
エステル,ポリメタクリル酸エステル,塩ビ系共重合
体,ポリエステル,ポリビニルアセトアセタール,ポリ
ビニルプロピオナール,ポリビニルブチラール,フェノ
キシ樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,セルロースエ
ステル,セルロースエーテル,などの各種バインダー樹
脂で結着した形で使用される。電荷発生物質は、これら
のバインダー樹脂100重量部に対して30重量部〜5
00重量部の範囲内で混合して用いられ、電荷発生層の
膜厚は、通常、0.1μm〜1μmとされる。
【0019】積層型感光体の電荷移動層は、電荷移動物
質としてのエナミン系化合物,スチリル系化合物,ヒド
ラゾン系化合物,ブタジエン化合物,アミン化合物,な
どを、この発明のポリカーボネート樹脂を含むバインダ
ー樹脂とともに溶解して塗工液とし、前記電荷発生層上
に塗布して、10μm〜40μmの膜厚の塗膜として形
成する。塗工液調製用の溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン,トルエン,キシレン,などの芳香族炭化水素類、ア
セトン,メチルエチルケトン,ジエチルケトン,メチル
イソブチルケトン,シクロヘキサノン,ジクロペンタノ
ン,などのケトン類、酢酸メチル,酢酸エチル,プロピ
オン酸メチル,メチルセロソルブ,エチルセロソルブ,
などのエステル類、メタノール,エタノール,プロパノ
ール,ブタノール,などのアルコール類、テトラヒドロ
フラン,ジオキサン,ジメトキシメタン,ジメトキシエ
タン,ジグライム,などのエーテル類、四塩化炭素,ク
ロロホルム,塩化メチレン,ジクロロエタン,トリクロ
ロエチレル,クロルベンゼン,などのハロゲン化炭化水
素類、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチ
ルアセトアミド,などのアミド類、ジメチルスルホキシ
ド、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2、などが
挙げられる。これらの溶媒は、単独あるいは適宜組み合
わせて混合して使用してもよい。なお、電荷移動層に
は、成膜性,塗布性を向上させる目的で、レベリング
剤,可塑剤を添加することもでき、また、耐オゾン性,
耐NOX 性,耐紫外線性を向上させる目的で、酸化防止
剤,紫外線吸収剤を添加することもできる。
【0020】この発明に係わる共重合ポリカーボネート
樹脂は他のバインダー樹脂と混合併用してもよく、併用
できる樹脂としては、この発明以外のポリカーボネート
樹脂,ポリエステル樹脂,ポリフェニレンエーテル樹
脂,ポリスルホン樹脂,ポリケトン樹脂,ポリスチレン
樹脂,ポリアクリル酸エステル樹脂,ポリメタクリル酸
エステル樹脂,AS樹脂,ABS樹脂,などが挙げられ
るが、この発明の効果を十分に発揮するためには、バイ
ンダー樹脂中の50重量%以上がこの発明のポリカーボ
ネート樹脂であることが望ましい。
【0021】この発明の前記構成単位を有する共重合ポ
リカーボネート樹脂は、下記のような構造を有するビス
フェノール化合物(A)およびビスフェノール化合物
(B)を常法のホスゲン法またはジフェニルカーボネー
ト交換法により縮合反応させることにより容易に合成す
ることができる。ビスフェノール化合物(A)は、下記
のような一般式で示される。
【0022】
【化5】
【0023】[式中、Aはアルキリデン基,シクロアル
キリデン基,アリーレン基,アリーレンジアルキリデン
基のうちのいずれかを示し、R1 ないしR12は水素原
子,アルキル基,アリール基,ハロゲン原子のうちのい
ずれかを示し、xは0または1の整数,nは1ないし1
00ののうちのいずれかの整数を示す。] 上記の一般式で示されるビスフェノール化合物(A)の
具体例としては次のようなものが挙げられる。
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】また、ビスフェノール化合物(B)は、下
記の一般式で示される。
【0028】
【化9】
【0029】[式中、Bはアルキリデン基,アリーレン
基,アリーレンジアルキリデン基のうちのいずれかを示
し、R13ないしR16は水素原子,アルキル基,アリール
基,ハロゲン原子のうちのいずれかを示す。] 上記の一般式で示されるビスフェノール化合物(B)の
具体例としては次のようなものが挙げられる。
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】この発明の共重合ポリカーボネート樹脂
は、その共重合比は前記一般式(1)で示される構成単
位で示される成分が全体の1重量%ないし60重量%を
占めることが好ましく,より好ましくは5重量%ないし
50重量%である。また、分子量は、ゲル浸透クロマト
グラフィー(gel permeation chro
matography;GPC)で測定したポリスチレ
ン換算重量平均分子量(MW )で10万ないし20万で
使用することが望ましい。
【0037】前記一般式(1)で示される構成単位の一
種以上と前記一般式(2)で示される構成単位の一種以
上をポリカーボネート樹脂中に導入することにより、ポ
リカーボネート樹脂に適当な柔軟性を与えるとともに耐
摩耗性を向上させ、樹脂の結晶性を低下させ、溶媒溶解
性を向上させることができる。さらに、電荷移動物質と
の相溶性が向上する利点が得られる。感光体の最外層と
なる電荷移動層のバインダー樹脂にこの発明のポリカー
ボネート樹脂を含有させることにより、塗工液の溶媒溶
解性と安定性,電荷移動物質とバインダー樹脂との相溶
性が向上し、耐摩耗性,耐クラッキング性に優れ,応答
性に優れた電荷移動層を生産性良く形成することが可能
となる。
【0038】
【実施例】以下、この発明の共重合ポリカーボネート樹
脂の合成例,感光体の実施例について説明するが、この
発明がこれらの例により限定されないことはいうまでも
ない。 合成例 ビスフェノール化合物(A)−1の合成例 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.
0molと4,4' −ジフルオロベンゾフェノン0.5
molとに、炭酸カリウム1.0molと溶媒としての
スルホラン2kgを加え、攪拌しながら230℃で2時
間反応させた。生成物を多量の水で水洗し、乾燥後、テ
トラヒドロフランによる溶解と水洗を繰り返し、白色の
固形物を得た。
【0039】この固形物をGPCで分析した結果、次の
一般式(前記具体例(A)−1に同じ)を有し、
【0040】
【化16】
【0041】式中のnが1である化合物を56重量%、
nが2である化合物を24重量%、nが3である化合物
を4重量%含有し、さらに、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンを6重量%含有する混合物であ
ることが判った。 ビスフェノール化合物(A)−2の合成例 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.
0molとジフルオロイソフタロフェノン0.5mol
とに、炭酸カリウム1.05molと溶媒としてのスル
ホラン2kgを加え、攪拌しながら250℃で3時間反
応させた。生成物を多量の水で水洗し、乾燥後、テトラ
ヒドロフランによる溶解と水洗を繰り返し、白色の固形
物を得た。
【0042】この固形物をGPCで分析した結果、次の
一般式(前記具体例(A)−2に同じ)を有し、
【0043】
【化17】
【0044】式中のnが1である化合物を63重量%、
nが2である化合物を31重量%、nが3である化合物
を3重量%含有し、さらに、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンを3重量%含有する混合物であ
ることが判った。 ビスフェノール化合物(A)−3の合成例 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン1.0molと4,4' −ジフルオロベンゾ
フェノン0.5molとに、炭酸カリウム1.05mo
lと溶媒としてのスルホラン2kgを加え、攪拌しなが
ら230℃で3時間反応させた。生成物を多量の水で水
洗し、乾燥後、テトラヒドロフランによる溶解と水洗を
繰り返し、白色の固形物を得た。
【0045】この固形物をGPCで分析した結果、次の
一般式(前記具体例(A)−3に同じ)を有し、
【0046】
【化18】
【0047】式中のnが1である化合物を54重量%、
nが2である化合物を21重量%、nが3である化合物
を14重量%、nが4である化合物を5重量%含有し、
さらに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパンを6重量%含有する混合物であるこ
とが判った。 共重合ポリカーボネート樹脂の合成例(1) 先に合成したビスフェノール化合物(A)−1の100
重量部,ビスフェノール化合物(B)−15である1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの
100重量部に5%濃度のNaOH水溶液1000ミリ
リットル,塩化メチレン2000ミリリットルを加えて
溶液とした。この溶液に、反応温度を15℃に保ちなが
ら、激しく攪拌しながら、COCl2 ガスを500ミリ
リットル/分の割合で1時間吹き込んだ。さらに、10
%濃度のNaOH水溶液500ミリリットル,トリメチ
ルベンジルアンモニウムクロリド2gr,トリエチルア
ミン3ミリリットルを加え、温度20℃で3時間攪拌を
行った。反応終了後、生成物を塩化メチレン400ミリ
リットルで希釈し、水4リットル,0.01規定の塩酸
2リットル,水4リットルlで順次洗浄した。得られた
有機層を、10リットルのメタノールに注入して白色重
合体を沈殿させ、濾別後、温度100℃で12時間乾燥
して共重合ポリカーボネート樹脂約180grを得た。
GPCによる分子量(MW )は2万5千であった。
【0048】共重合ポリカーボネート樹脂の合成例
(2)および(3) 共重合ポリカーボネート樹脂の合成例(1)において、
ビスフェノール(A)−1に変えてビスフェノール
(A)−2,ビスフェノール(A)−3をそれぞれ用い
たこと以外は、同様にして共重合ポリカーボネート樹脂
を合成した。GPCによる分子量(MW )は、それぞれ
3万,3万4千であった。
【0049】実施例1〜3 下記構造式(C)のビスアゾ化合物2.1重量部,ポリ
ビニルアセタール(積水化学工業(株)製;エスレック
スKS−1)1.0重量部,メチルエチルケトン16重
量部,シクロヘキサノン9重量部を混合してサンドミル
で分散し、さらに、メチルエチルケトン75重量部を加
えて塗工液を調製した。この塗工液を、下引き層として
可溶性ポリアミド樹脂(ダイセルヒュルス(株)製;ダ
イアミドT−171)の膜厚0.5μmの層を設けたア
ルミニウム円筒(外径60mm,長さ348mm,肉厚
1mm)の外周面に塗布し、乾燥厚み0.2μmの電荷
発生層を形成した。
【0050】
【化19】
【0051】次に、下記構造式(D)で示される電荷移
動物質7重量部,下記構造式(E)で示される電荷移動
物質3重量部を、前記合成例1で合成した共重合ポリカ
ーボネート樹脂10重量部とともにテトラヒドロフラン
80重量部に溶解して電荷移動層用塗工液(1)を調製
した。同様にして、前記合成例1で合成した共重合ポリ
カーボネート樹脂に替えて、前記合成例2,3で合成し
た共重合ポリカーボネート樹脂をそれぞれ用いて電荷移
動層用塗工液(2),(3)を調製した。これらの塗工
液を前記電荷発生層の上にそれぞれ塗布し、乾燥厚み3
0μmの電荷移動層を形成して実施例1,2および3の
各感光体を作製した。
【0052】
【化20】
【0053】比較例1〜3 実施例に用いた合成例1,2,3の各ポリカーボネート
樹脂に替えて、下記構造式(F)−1,(F)−2およ
び(F)−3の分子量(MW )4万以下のポリカーボネ
ート樹脂を順次用いて実施例と同様にして電荷移動層用
塗工液(4),(5),(6)を調製した。実施例で用
いた電荷移動層用塗工液(1),(2),(3)を
(4),(5),(6)に替えたこと以外は実施例と同
様にして比較例1,2および3の各感光体を作製した。
【0054】
【化21】
【0055】前述の電荷移動層用の各塗工液の安定性
を、室温中に一日放置して観察評価した。また、各塗工
液をガラス板に塗布し、指紋を付け、温度60℃,相対
湿度90%の雰囲気に1日放置した後のクラックの発生
状態を観察評価した。これらの評価結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1に見られるように、この発明の共重合
ポリカーボネート樹脂を用いる効果は明らかである。ま
た、上述の実施例および比較例の各感光体を市販の普通
紙複写機(松下電器(株)製;FP−3380)に実装
して10万枚の複写を行い、電気特性の変化,膜厚の減
少,画質の変動を調査した。その結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】表2に見られるように、比較例の各感光体
は実施例の各感光体に比して、暗部電位の低下が大き
く、膜厚の減少が大きく、画質上でも白抜けや黒点など
の欠陥が発生している。この発明の共重合ポリカーボネ
ート樹脂を用いる効果は明らかである。
【0060】
【発明の効果】この発明に係わるポリカーボネート樹脂
を、積層型感光体の最外層である電荷移動層に含有させ
ることにより耐ソルベントクラック性,耐応力クラック
性,耐摩耗性に優れた層を形成することができ、電気特
性の変動が少なく、機械的特性が優れており、クリーニ
ングなどによる膜の摩耗も最小限に押さえられ、コピー
画像に影響を及ぼすような表面傷も非常に入りにくく、
耐久性が極めて良好な有機感光体を得ることができる。
また、この発明に係わるポリカーボネート樹脂は、他の
バインダーポリマーと比較して電荷移動物質との相溶性
に優れており、非常に良好な応答性を有する電荷移動層
を形成することができ、高速の電子写真プロセスにも好
適に使用できる感光体を得ることができる。
【0061】さらに、この発明に係わるポリカーボネー
ト樹脂は、有機溶媒に対する溶解性が優れており、1,
4−ジトキサン,テトラヒドロフランなどの非ハロゲン
系溶媒に対しても高い溶解性を示し、これらの溶媒を用
いて塗工液を調製できるため安全衛生上の問題も少な
い。また、その塗工液の経時安定性が優れているため、
塗布時の欠陥発生が極めて少なくなるなど感光体の生産
性が大幅に向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−106167(JP,A) 特開 平6−248066(JP,A) 特開 平6−83093(JP,A) 特開 平6−75415(JP,A) 特開 平5−346671(JP,A) 特開 平5−323627(JP,A) 特開 平5−306335(JP,A) 特開 平2−132453(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/05 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に有機材料を主要材料とす
    る電荷発生層,電荷移動層が積層された感光層を備えて
    なる電子写真感光体において、感光体の最外層となる電
    荷移動層が下記一般式(1)で示される構成単位の1種
    以上および下記一般式(2)で示される構成単位の1種
    以上を含む共重合ポリカーボネート樹脂を含有すること
    を特徴とする電子写真感光体。 【化1】 [式(1)中、Aはアルキリデン基,シクロアルキリデ
    ン基,アリーレン基,アリーレンジアルキリデン基のう
    ちのいずれかを示し、R1 ないしR12は水素原子,アル
    キル基,アリール基,ハロゲン原子のうちのいずれかを
    示し、xは0または1の整数,nは1ないし100のう
    ちのいずれかの整数を示す。] 【化2】 [式(2)中、Bはアルキリデン基,シクロアルキリデ
    ン基,アリーレン基,アリーレンジアルキリデン基のう
    ちのいずれかを示し、R13ないしR16は水素原子,アル
    キル基,アリール基,ハロゲン原子のうちのいずれかを
    示す。]
  2. 【請求項2】前記一般式(1)で示される構成単位が共
    重合ポリカーボネート樹脂中の1重量%ないし60重量
    %であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光
    体。
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