JP5119169B2 - ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
一般的にポリカーボネート樹脂は石油資源から得られる原料を用いて製造されるが、近年、石油資源の枯渇が懸念され、植物などの生物起源物質から得られる原料を用いたポリカーボネート樹脂の製造が求められている。生物起源物質を原料としてするバイオマス材料として、糖質から製造可能なエーテルジオール原料を用いたポリカーボネート樹脂が検討されている。
例えば、下記式(2)
イソソルビド、イソマンニド、イソイディッドはそれぞれD−グルコース、D−マンノース、L−イドースから得られる。たとえばイソソルビドの場合、D−グルコースを水添した後、酸触媒を用いて脱水することにより得ることができる。
特許文献1には、溶融エステル交換法により得られた203℃の融点を持つホモポリカーボネート樹脂が開示されている。しかしながらこのポリマーは機械的性質が充分ではない。
非特許文献1には、酢酸亜鉛を触媒として用い、溶融エステル交換法で得られた、ガラス転移温度が166℃のホモポリカーボネート樹脂が開示されている。しかし、このポリカーボネート樹脂は、熱分解温度(5%重量減少温度)が283℃であり熱安定性が充分でない。
また非特許文献2には、イソソルビドおよびビスクロロフォーメートを用い、界面重合により得られたホモポリカーボネート樹脂が開示されている。しかし、このポリカーボネート樹脂は、ガラス転移温度が144℃であり耐熱性が充分でない。
特許文献7には、イソソルビドとジアリールカーボネートとをスズ触媒の存在下で製造したガラス転移温度が170℃以上のポリカーボネート樹脂が開示されている。しかし、このポリカーボネート樹脂はガラス転移温度が高いため、射出成形などによって成形品を得るには成形加工温度が高くなり、ポリマーの熱分解が促進されるという欠点がある。またこのポリカーボネート樹脂は、熱分解温度(5%重量減少温度)が300℃前後であり熱安定性に改良の余地がある。
以上のことから、生物起源物質の割合を高く保つためには、イソソルビドのホモポリカーボネート樹脂もしくは生物起源物質である他の脂肪族ジオールとの共重合が適しているが、熱安定性と耐熱性の両方が充分である生物起源物質含有率の高いポリカーボネート樹脂は未だ報告されていない。
本発明者は、上記目的を達成すべく、鋭意検討を行った結果、重合触媒として含窒素塩基性化合物およびアルカリ金属化合物を使用し、特定の重合条件を採用することにより、耐熱性、熱安定性および成形性に優れたポリカーボネート樹脂が得られることを見出し、本発明を完成した。
1.ジオール(A成分)と、炭酸ジエステル(B成分)とを、B成分とA成分とのモル比(B成分/A成分)が1.01〜0.99の範囲で反応させ、ポリカーボネート樹脂を製造する方法であって、
(i)ジオール(A成分)は、下記式(2)
(ii)含窒素塩基性化合物およびアルカリ金属化合物の存在下で、常圧で加熱反応させ、次いで
(iii)減圧下、180〜280℃の温度で加熱反応させる工程、
を含む方法、
2.式(2)で表される化合物が、イソソルビドである前項1記載の製造方法、
3.式(2)で表される化合物が、75〜99モル%のイソソルビド並びに25〜1モル%のイソマンニドおよび/またはイソイディッドである前項1記載の製造方法、
4.炭酸ジエステル(B成分)が、ジフェニルカーボネートである前項1記載の製造方法、
である。
また本発明の製造方法によれば、高い生物起源物質含有率を示し、耐熱性、熱安定性および成形性に優れたポリカーボネート樹脂を得ることができる。
本発明により得られるポリカーボネート樹脂は、主として下記式(1)で表される繰り返し単位を含有する。
式(1)で表される繰り返し単位は、イソソルビド由来の単位であることが好ましい。
また、式(1)で表される繰り返し単位は、イソソルビド由来の単位と、イソマンニドおよび/またはイソイディッド由来の単位との組み合わせでもよい。この場合、式(1)で表される繰り返し単位のうち、イソソルビド由来の単位の含有量は、好ましくは75〜99モル%、より好ましくは80〜99モル%、さらに好ましくは90〜99モル%である。また式(1)で表される繰り返し単位のうち、イソマンニドおよび/またはイソイディッド由来の単位は、好ましくは25〜1モル%、より好ましくは20〜1モル%、さらに好ましくは10〜1モル%である。従って、式(1)で表される繰り返し単位が、75〜99モル%のイソソルビド由来の単位および25〜1モル%のイソマンニドおよび/またはイソイディッド由来の単位であることが好ましい。
イソソルビド由来の単位にイソマンニドおよび/またはイソイディッド由来の単位を含有させると、イソソルビド由来の単位のみからなる同等の比粘度を有するホモポリカーボネート樹脂に比べて、耐熱性が顕著に高くなるという効果がある。特に、イソソルビド由来の単位とイソマンニド由来の単位とからなるポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、150〜200℃である。ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは150℃以上170℃未満、より好ましくは150〜168℃、さらに好ましくは160〜168℃である。Tgが150℃未満だと耐熱性(殊に吸湿による耐熱性)に劣り、200℃を超えると成形時の溶融流動性に劣る。
また、ポリカーボネート樹脂の5%重量減少温度(Td)は、330〜400℃である。5%重量減少温度は、好ましくは340〜390℃、より好ましくは350〜380℃である。5%重量減少温度が上記範囲内であると、溶融成形時の樹脂の分解がほとんど無く好ましい。
さらに、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量(Mn)は、好ましくは1.2×104〜2.2×104、より好ましくは1.2×104〜2.0×104、さらに好ましくは1.25×104〜2.0×104の範囲である。数平均分子量(Mn)がこの範囲であると機械的強度に優れ、且つ成形性も良好である。
また、ポリカーボネート樹脂の、250℃におけるキャピロラリーレオメータで測定した溶融粘度は、シェアレート600sec−1で、好ましくは0.4×103〜2.4×103Pa・s、より好ましくは0.4×103〜1.8×103Pa・sの範囲である。溶融粘度がこの範囲であると機械的強度に優れ、成形性も成形時のシルバーの発生等が無く良好である。
ポリカーボネート樹脂は、ジオールと炭酸ジエステルとを混合し、エステル交換反応によって生成するアルコールまたはフェノールを高温減圧下にて留出させる溶融重合を行うことによって得ることができる。
即ち、本発明の製造方法は、ジオール(A成分)と、炭酸ジエステル(B成分)とを、B成分とA成分とのモル比(B成分/A成分)が1.01〜0.99の範囲で反応させ、ポリカーボネート樹脂を製造する方法であって、
(i)ジオール(A成分)は、下記式(2)
(ii)含窒素塩基性化合物およびアルカリ金属化合物の存在下で、常圧で加熱反応させ、次いで
(iii)減圧下、180〜280℃の温度で加熱反応させる工程、
を含む方法
である。
ジオールは、下記式(2)
式(2)で表されるエーテルジオールとしては、具体的には上記式(3)、(4)および(5)で表されるイソソルビド、イソマンニド、イソイディッドなどが挙げられる。式(2)で表される化合物が、イソソルビド(1,4;3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)であることが好ましい。
これら糖質由来のエーテルジオールは、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。イソソルビドは、でんぷんから得られるD−グルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。
炭酸ジエステルとしては、水素原子が置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基またはアラルキル基、もしくは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m―クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでも反応性、コスト面からジフェニルカーボネートが好ましい。
炭酸ジエステル(B成分)と、ジオール(A成分)とのモル比(B成分/A成分)は、1.01〜0.99である。モル比(B成分/A成分)が多くなると、炭酸エステル残基が末端封止として働いてしまい充分な重合度が得られなくなってしまい好ましくない。また炭酸ジエステルのモル比が少ない場合は、充分な重合度が得られない。
重合触媒は、含窒素塩基性化合物およびアルカリ金属化合物である。
アルカリ金属化合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二価フェノールのナトリウム塩またはカリウム塩等が挙げられる。含窒素塩基性化合物として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの重合触媒の使用量は、それぞれ炭酸ジエステル(B成分)1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−3当量、より好ましくは1×10−8〜5×10−4当量の範囲で選ばれる。また反応系は窒素などの原料、反応混合物、反応生成物に対し不活性なガスの雰囲気に保つことが好ましい。窒素以外の不活性ガスとしては、アルゴンなどを挙げることができる。更に、必要に応じて酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。
反応温度は、エーテルジオールの分解を抑え、着色が少なく高粘度の樹脂を得るために、できるだけ低温の条件を用いることが好ましいが、重合反応を適切に進める為には重合温度は180〜280℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは180〜260℃の範囲である。反応の最終到達温度は、好ましくは235〜265℃、より好ましくは240〜260℃である。
また、反応初期にはエーテルジオールと炭酸ジエステルとを常圧で加熱し、予備反応させた後、徐々に減圧にして反応後期には系を1.3×10−3〜1.3×10−5MPa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる方法が好ましい。反応時間は通常1〜4時間程度である。
また、ポリカーボネート樹脂には、用途に応じて各種の有機および無機のフィラー、繊維などを複合化して用いることもできる。フィラーとしては例えばカーボン、タルク、マイカ、ワラストナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトなどを上げることができる。また、繊維としては例えばケナフなどの天然繊維のほか、各種の合成繊維、ガラス繊維、石英繊維、炭素繊維などが挙げられる。
試料を塩化メチレンに溶解、濃度を約0.7g/dLとして、温度20℃にて、オストワルド粘度計(装置名:RIGO AUTO VISCOSIMETER TYPE VMR−0525・PC)を使用して測定した。なお比粘度ηspは下記式から求めた。
ηsp=t/to−1
t:試料溶液のフロータイム
to:溶媒のみのフロータイム
温度23℃、相対湿度50%の清浄な空気の環境下、クロロホルム5ml当たり10mgの試料を溶解した溶液を、GPC測定装置に50μl注入し、カラム温度40℃および流量1ml/分の条件によりGPC測定を行い、数平均分子量を算出した。カラムとしてポリマーラボラトリーズ社製ResiPore(長さ300mm、内径7.5mm)の2本を直列接続したもの、移動相としてクロロホルム、標準物質としてポリマーラボラトリーズ社製イージーキャルPS−2、および検出器としてRIを用い、展開溶媒としてクロロホルムを使用した。測定装置は、ポンプ:(株)日立製作所製L−6000、オートサンプラ:(株)日立製作所製L−7200、カラムオーブン:(株)日立製作所製L−7300、RI検出器:(株)日立製作所製L−2490であった。
(株)東洋精機製キャピラリーレオメータ(キャピログラフ 型式1D)を用い、キャピラリー長10.0mm、キャピラリー径1.0mm、測定温度250℃にて測定速度を任意に変更し測定し、得られたShear Rate/Viscosityカーブより600sec−1での溶融粘度を読み取った。
ASTM D6866 05に準拠し、放射性炭素濃度(percent modern carbon;C14)による生物起源物質含有率試験から、生物起源物質含有率を測定した。
TA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定した。
TA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定した。
日本製鋼所(株)製 JSWJ−75EIIIを用いて成形を行い、厚み2mmの見本板の形状を目視にて評価した(金型温度:80〜110℃、成形温度:230〜260℃)。なお判断基準は以下の通りである。
○;濁り、割れ、ヒケ、分解によるシルバーなどが見られない。
×;濁り、割れ、ヒケ、分解によるシルバーなどが見られる。
イソソルビド1,608重量部(11モル)とジフェニルカーボネート2,356重量部(11モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して0.25×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。その結果、比粘度が0.33のポリマーが得られた。このポリマーの生物起源物質含有率は85%であり、耐熱性、熱安定性いずれも良好であり、成形性も成形材料として充分なものであった。評価結果については表1に示した。
イソソルビド1,608重量部(11モル)とジフェニルカーボネート2,356重量部(11モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して1×10−4モル)、および炭酸ナトリウムを2.9×10−3重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して0.25×10−6モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてポリマーを得た。このポリマーは比粘度が0.23であり、耐熱性、熱安定性、成形性いずれも良好であった。評価結果については表1に示した。
イソソルビド1,608重量部(11モル)とジフェニルカーボネート2,356重量部(11モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを5.7重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して2×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して0.25×10−6モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてポリマーを得た。このポリマーは比粘度が0.28であり、耐熱性、熱安定性、成形性いずれも良好であった。評価結果については表1に示した。
イソソルビド1,608重量部(11モル)とジフェニルカーボネート2,426重量部(11.33モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して0.25×10−6モル)とした以外は実施例1と同様に重合を行った。その結果、比粘度が0.19で、耐熱性、熱安定性は良好であるが、成形時に割れが発生した。評価結果については表1に示した。
イソソルビド1,590重量部(10.88モル)、p−tert−ブチルフェノール39重量部(0.26モル)を温度計、撹拌機付き反応器にし込み、窒素置換した後、あらかじめよく乾燥したピリジン5,500重量部、塩化メチレン32,400重量部を加え溶解した。撹拌下25℃でホスゲン1,400重量部(14.14モル)を100分要して吹込んだ。ホスゲン吹込み終了後、約20分間そのまま撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈し、ピリジンを塩酸で中和除去後、導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで繰り返し水洗し、その後塩化メチレンを蒸発して無色のパウダーを得た。
その結果、比粘度が0.48のポリマーが得られた。しかしながら、このポリマーは溶融粘度が高すぎて成形時に分解とみられるシルバーが発生し、また着色もひどかった。評価結果については表1に示した。
イソソルビド1,206重量部(8.2モル)とビスフェノールA628重量部(2.8モル)およびジフェニルカーボネート2,403重量部(11.33モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.1重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して0.25×10−6モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてポリマーを得た。このポリマーは比粘度が0.30で、耐熱性、熱安定性、成形性は良好であったものの生物起源物質含有率が63%と充分でなかった。評価結果については表1に示した。
イソソルビド1,125重量部(7.7モル)と1,3−プロパンジオール251重量部(3.3モル)、およびジフェニルカーボネート2,356重量部(11モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して0.25×10−6モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてポリマーを得た。このポリマーは比粘度が0.31で、成形性は良好であったものの、熱安定性にやや劣り、耐熱性、生物起源物質含有率はいずれも満足のいくものではなかった。評価結果については表1に示した。なお、比較例4のプロパンジオールは石油由来のものを使用した。
イソソルビド789重量部(5.4モル)とイソマンニド88重量部(0.6モル)とジフェニルカーボネート1,285重量部(6モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.6重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを6.0×10−4重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して0.25×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に250℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化し、比粘度が0.28のポリマーが得られた。このポリマーの評価結果については表2に示した。
イソソルビド851重量部(5.8モル)とイソマンニド26重量部(0.2モル)とした以外は実施例1と同様に重合させ、反応後のポリマーをペレット化した。このポリマーは比粘度が0.32であった。その他の評価結果については表2に示した。
Claims (4)
- 式(2)で表される化合物が、イソソルビドである請求項1記載の製造方法。
- 式(2)で表される化合物が、75〜99モル%のイソソルビド並びに25〜1モル%のイソマンニドおよび/またはイソイディッドである請求項1記載の製造方法。
- 炭酸ジエステル(B成分)が、ジフェニルカーボネートである請求項1記載の製造方法。
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