JPWO2014077350A1 - 高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、芳香族ポリカーボネートプレポリマーと、下記一般式(g2)で表される脂肪族ジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下に反応させて高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂を得る高分子量化工程を含む、高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供する。式中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。R1〜R4は各々独立して水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。nは0〜30の整数を表す。

Description

本発明は、高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法に関する。詳しくは、本発明は、芳香族ポリカーボネートと特定構造の脂肪族ジオール化合物とを反応させて、副生する環状カーボネートを除去しつつ高分子量化する、高分子量ポリカーボネート樹脂の製造方法に関する。
ポリカーボネートは耐熱性、耐衝撃性、透明性に優れるため、近年、多くの分野において幅広く用いられている。
このポリカーボネートの製造方法においては、従来多くの検討がなされている。その中で、芳香族ジヒドロキシ化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」という)から誘導されるポリカーボネートは、界面重合法或いは溶融重合法の両製造方法により工業化されている。
この界面重合法によれば、ポリカーボネートはビスフェノールAとホスゲンとから製造されるが、有毒なホスゲンを用いなければならない。また、副生する塩化水素や塩化ナトリウム及び溶媒として大量に使用する塩化メチレンなどの含塩素化合物により装置が腐食することや、ポリマー物性に影響を与える塩化ナトリウムなどの不純物や残留塩化メチレンの除去が困難なことなどが、課題として残る。
一方、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとからポリカーボネートを製造する方法として、例えばビスフェノールAとジフェニルカーボネートを溶融状態でエステル交換反応により、副生する芳香族モノヒドロキシ化合物を除去しながら重合する溶融重合法が古くから知られている。溶融重合法は、界面重合法と異なり溶媒を使用しない等の利点を有しているが、重合が進行すると共に系内のポリマー粘度が急激に上昇し、副生する芳香族モノヒドロキシ化合物を効率よく系外に除去することが困難になり、反応速度が極端に低下し重合度を上げにくくなるという本質的な問題点を有している。
この問題を解決するべく、高粘度状態のポリマーから芳香族モノヒドロキシ化合物を抜き出すための種々の工夫が検討されている。たとえば、特公昭50−19600号公報ではベント部を有するスクリュー型重合器が開示され、さらに特開平2−153923号公報では薄膜蒸発装置と横型重合装置の組み合わせを用いる方法も開示されている。
また、米国特許第5,521,275号公報では芳香族ポリカーボネートの分子量転換を触媒の存在下、ポリマーシール部及びベント部を有する押出機を用いて減圧条件で行う方法が開示されている。
しかしながら、これらの公報に開示されている方法ではポリカーボネートの分子量を十分に増加させることはできない。上記のような触媒を大量に使用する方法或いは高剪断を与えるような厳しい条件により高分子量化を実施すると、樹脂の色相劣化あるいは架橋反応の進行等の樹脂に与える影響が大きくなる問題が発生する。
さらに、溶融重合法において反応系に重合促進剤を添加することによってポリカーボネートの重合度を高めることが知られている。分子量の増大を短い反応滞留時間及び低い反応温度により実施することはポリカーボネートの生産量を高め、ひいては簡単で安価な反応器の設計を容易にできる。
欧州特許第0595608号公報では、分子量転換時にいくつかのジアリールカーボネートを反応させる方法が開示されるが、有意な分子量の増大は得られない。また、米国特許第5,696,222号には、ある種の重合促進剤、例えばビス(2−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(2−エトキシフェニル)カーボネート、ビス(2−クロロフェニル)カーボネート、ビス(2−メトキシフェニル)テレフタレート及びビス(2−メトキシフェニル)アジペートを始めとする炭酸及びジカルボン酸のアリールエステル化合物の添加により重合度の高まったポリカーボネートを製造する方法が開示されている。前記特許文献5では、重合促進剤としてエステル化合物を使用するとエステル結合が導入され、その結果(ホモポリマーの代わりに)ポリエステルカーボネートコポリマーが生成し、加水分解安定性が低いことが教示されている。
特許第4112979号公報では芳香族ポリカーボネートの分子量増大を図るためいくつかのサリチルカーボネートを反応させる方法が開示される。
特表2008−514754には、ポリカーボネートオリゴマーとビスサリチルカーボネート等を押出機に導入して高分子量化する方法が開示されている。
また、特許第4286914号公報には活性水素化合物(ジヒドロキシ化合物)により末端水酸基量を増大し、しかるのちにサリチル酸エステル誘導体により末端水酸基量の増大した芳香族ポリカーボネートのカップリングを行う方法が開示されている。
しかしながら、ポリカーボネートの末端水酸基を増大させる必要のある上記特許文献8に開示されている方法は、活性水素化合物との反応工程とサリチル酸エステル誘導体との反応工程を要するため工程が煩雑であり、かつ水酸基末端の多いポリカーボネートは熱安定性が低く、物性の低下の危険性を有する。また活性水素化合物による水酸基量の増大は一般に知られているように一部鎖分断反応を誘導し、分子量分布の拡大を伴う。さらに十分な反応速度を得るために触媒を比較的多く使用する必要があり、成形加工時の物性低下を招く可能性が考えられる。
また、ジオール化合物を反応系に添加してポリカーボネートを製造する方法は、いくつか提案されている。例えば、特公平6−94501号公報には、1,4−シクロヘキサンジオール導入による高分子ポリカーボネートの製造方法が開示されている。しかしながら、ここに開示された方法では、1,4−シクロヘキサンジオールを芳香族ジヒドロキシ化合物と共に重縮合反応系のはじめから投入しているため、1,4−シクロヘキサンジオールが先にポリカーボネート化反応に消費され(オリゴマー化)、その後芳香族ジヒドロキシ化合物が反応して高分子量化するものと考えられる。このため、比較的反応時間が長くなり、色相等の外観物性が低下しやすい傾向がある。
また、特開2009−102536号公報には、特定の脂肪族ジオールとエーテルジオールを共重合させるポリカーボネートの製造方法が記載されている。しかしながら、ここに開示されたポリカーボネートは、イソソルビド骨格を主な構造とするため、芳香族ポリカーボネートに要求される優れた耐衝撃性が発現しない。
また、環状カーボネート化合物を反応系に添加する方法(例えば、特許第3271353号公報)、水酸基の塩基性が使用するジヒドロキシ化合物以上であるジオールを反応系に添加する方法(例えば、特許第3301453号公報、特許第3317555号公報)などが提案されているが、いずれも十分に満足する物性を有する高分子量ポリカーボネート樹脂が得られるものではない。
このように、従来の高分子量芳香族ポリカーボネートの製造方法は多くの課題を有しており、ポリカーボネート本来の良好な品質を保持し、かつ十分な高分子量化を達成しうる改良された製造法に対する要求は未だに存在する。
本発明者らは先に、高速な重合速度を達成し、良好な品質の芳香族ポリカーボネートを得る方法として、芳香族ポリカーボネートの封止末端を脂肪族ジオール化合物により連結して鎖延長する新しい方法を見出した(WO2011/062220)。この方法によれば、芳香族ポリカーボネートの封止末端を脂肪族ジオール化合物により連結して鎖延長することにより、重量平均分子量(Mw)が30,000〜100,000程度の高重合度の芳香族ポリカーボネート樹脂を短時間に製造することができる。この方法は、高速な重合反応によってポリカーボネートを製造するため、長時間の熱滞留等により生じる分岐・架橋化反応を抑制、色相等の樹脂劣化を回避することができる。
また本発明者らは先に、分岐構造を導入した芳香族ポリカーボネートプレポリマーと脂肪族ジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下、減圧条件でエステル交換反応させる工程を含む、所望の分岐化度を有する分岐化芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法を提案した(WO2012/108510)。
更に本発明者らは先に、芳香族ポリカーボネートプレポリマー由来の構造単位と脂肪族ジオール化合物由来の構造単位とを有するポリカーボネート共重合体を提案した(WO2012/157766)。
従来の高分子量芳香族ポリカーボネートの製造方法は多くの課題を有しており、ポリカーボネート本来の良好な品質を保持し、かつ十分な高分子量化が達成されたポリカーボネート樹脂及び高分子量ポリカーボネート樹脂の製造法のさらなる開発が望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、芳香族ポリカーボネート樹脂の良好な品質を保持し、かつ十分な高分子量化を達成しうる、改良された高分子量芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネートと特定構造の脂肪族ジオール化合物とをエステル交換触媒の存在下に反応させることにより、芳香族ポリカーボネートが高分子量化するとともに、該反応により副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去することにより、高分子量で且つ高流動性であって品質に優れているだけでなく、界面法によるものとほぼ同じ構造で良好な耐熱性を有するポリカーボネート樹脂が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下に示す高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供するものである。
(1)芳香族ポリカーボネートプレポリマーと、下記一般式(g2)で表される脂肪族ジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下に反応させて高分子量化する高分子量化工程を含む、高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法である。
Figure 2014077350
一般式(g2)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。R〜Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。nは0〜30の整数を表す。
(2)前記一般式(g2)におけるnが1〜6の整数である、(1)記載の製造方法である。
(3)前記一般式(g2)で表される脂肪族ジオール化合物が、下記一般式(g3)で表される脂肪族ジオール化合物である、(1)又は(2)記載の製造方法である。
Figure 2014077350
一般式(g3)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。
(4)前記一般式(g3)中、Ra及びRbはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基、又はフェニル基を表す、(3)記載の製造方法である。
(5)前記一般式(g3)中、Ra及びRbはそれぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す、(3)記載の製造方法である。
(6)前記一般式(g3)で表される脂肪族ジオール化合物が、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、及び2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオールからなる群から選択される、(3)記載の製造方法である。
(7)Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含む炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数10〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表す、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の製造方法である。
(8)Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表す、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の製造方法である。
(9)さらに、前記高分子量化工程で副生する下記一般式(h2)で表される環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去する環状カーボネート除去工程を含む、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の製造方法である。
Figure 2014077350
一般式(h2)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。R〜Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。nは0〜30の整数を表す。
(10)前記一般式(h2)で表される環状カーボネートが、下記一般式(h3)で表される化合物である、(9)記載の製造方法である。
Figure 2014077350
一般式(h3)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。
(11)Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含む炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数10〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表す、(9)又は(10)記載の製造方法である。
(12)脂肪族ジオール化合物の使用量が、前記高分子量化工程における反応前の芳香族ポリカーボネートプレポリマーの全末端量1モルに対して0.01〜1.0モルである、(1)〜(11)のいずれか1つに記載の製造方法である。
(13)(1)〜(12)のいずれか1つに記載の製造方法で得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂である。
(14)下記数式(1)で表されるN値である構造粘性指数が1.25以下である、(13)記載の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂である。
N値=(log(Q160値)-log(Q10値))/(log160―log10) ・・・(1)
(15)(13)又は(14)記載の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂と、3000ppm以下の下記一般式(h2)で表される環状カーボネートとを含む、ポリカーボネート樹脂組成物である。
Figure 2014077350
一般式(h2)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表し、Ra及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。R〜Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。nは0〜30の整数を表す。
(16)前記一般式(h2)で表される環状カーボネートが、下記一般式(h3)で表される化合物である、(15)記載のポリカーボネート樹脂組成物である。
Figure 2014077350
一般式(h3)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表し、Ra及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。
(17)Ra及びRbが、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含む炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基含有基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数10〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表す、請求項15又は16記載のポリカーボネート樹脂組成物である。
(18)さらに、触媒失活剤が3ppm以上含有されている、(15)〜(17)のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂組成物である。
(19)前記触媒失活剤が、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸エステル類、有機ハロゲン化物、アルキル硫酸塩、リン酸類、及び亜リン酸類からなる群から選択される、(18)記載のポリカーボネート樹脂組成物である。
(20)前記触媒失活剤が、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、及びパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩からなる群から選択される、(18)記載のポリカーボネート樹脂組成物である。
本発明の製造方法によれば、芳香族ポリカーボネート樹脂の良好な品質を保持し、かつ十分な高分子量化を達成しうる、改良された高分子量芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、芳香族ポリカーボネートと、特定構造の脂肪族ジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下に反応させて高分子量化して高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂を得る高分子量化工程を含むことを特徴とする。
芳香族ポリカーボネートプレポリマーと特定構造の脂肪族ジオール化合物との反応により、芳香族ポリカーボネートプレポリマーが連結高分子量化され、高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の主鎖中には脂肪族ジオール化合物由来の構成単位はほとんど残らない。
そのため、得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂は、連結部位が鎖中にほとんど残らず、構造上は従来の界面法又は溶融法で得られる芳香族ポリカーボネート樹脂とほぼ同じとなる。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールA(BPA)を用いた芳香族ポリカーボネートプレポリマーからは、通常のビスフェノールA由来のポリカーボネート樹脂(BPA−PC)とほぼ同じ化学構造を有するポリマーが得られる。
このようにして得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂は、従来の界面法による芳香族ポリカーボネート樹脂と同等の物性を有する上に、脂肪族ジオール化合物を連結剤として用いて高速に高分子量化したものであるから、分岐度が小さい、異種構造が少ないなどの品質上の利点を有するだけでなく、脂肪族ジオール化合物からなる連結剤由来の骨格が含まれないため、高温下での熱安定性(耐熱性)が大幅に改善されたものとなる。
[1]脂肪族ジオール化合物
脂肪族ジオール化合物とは、非芳香族性の炭素原子にそれぞれ結合するアルコール性ヒドロキシ基を2つ有するジアルコール化合物を意味する。脂肪族ジオール化合物は、分子構造中に芳香環部分を有する化合物を包含するが、芳香環に結合するヒドロキシ基を有するフェノール化合物は含まない。
本発明の製造方法で用いられる脂肪族ジオール化合物は、下記一般式(g2)で表されるものである。
Figure 2014077350
一般式(g2)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のシクロアルキル基含有基、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表し、Ra及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
〜Rは各々独立して水素原子又はハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
nは0〜30、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3、特に好ましくは1の整数を表す。
一般式(g2)中、Ra及びRbとしてより好ましくは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基である。特に好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基が挙げられる。R〜Rとしては、各々水素原子であることがより好ましい。
一般式(g2)で表される脂肪族ジオール化合物としてより好ましいものは、下記一般式(g3)で表される化合物である。一般式(g3)中、Ra及びRbは一般式(g2)におけるRa及びRbとそれぞれ同じである。
Figure 2014077350
一般式(g3)中、Ra及びRbとしてより好ましくは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基である。好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、及びイソブチル基が挙げられ、より好ましくはエチル基、プロピル基、n−ブチル基、及びイソブチル基が挙げられる。
かかる脂肪族ジオール化合物としては、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、エタン−1,2−ジオール(1,2−エチレングリコール)、2,2-ジイソアミルプロパン−1,3−ジオール、及び2−メチルプロパン−1,3−ジオールが挙げられる。
一般式(g2)で表される脂肪族ジオール化合物は、Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含む炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数10〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すこともまた好ましく、Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すことがより好ましい。
また、上記脂肪族ジオール化合物の他の例としては、以下の構造式を有する化合物が挙げられる。
Figure 2014077350
これらのうちで特に好ましいものは、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール及び2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオールからなる群から選択される化合物の少なくとも1種である。
[2]芳香族ポリカーボネートプレポリマー
本発明の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法で用いられる芳香族ポリカーボネートプレポリマー(以下、単に「プレポリマー」ともいう)は、下記一般式(II)で示される構造を主たる繰り返し単位とする重縮合ポリマーである。ここで「主たる」とは、芳香族ポリカーボネートプレポリマー中の全構造単位中における一般式(II)で表される構造単位の含有率が60モル%以上であることを意味し、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
Figure 2014077350
一般式(II)中、R11及びR12は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のシクロアルコキシル基、又は炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。p及びqは、0〜4の整数を表す。Xは単結合又は下記(II’)の群から選択される基を表す。
Figure 2014077350
一般式(II’)中、R13及びR14は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表すか、あるいはR13とR14とが結合して脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の製造方法は、かかる芳香族ポリカーボネートプレポリマーと、前記一般式(g2)〜(g3)のいずれかで示される構造を有する脂肪族ジオール化合物とを、減圧下でエステル交換反応させて芳香族ポリカーボネートプレポリマーを高分子量化する工程を含む。これによって、耐衝撃性等の芳香族ポリカーボネート樹脂本来の特性を維持しつつ、高分子量でありながら高流動性を与える高分子量化されたポリカーボネートの利点を有し、しかも耐熱性が格段に向上した芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる。
かかる芳香族ポリカーボネートプレポリマーは、一般式(II)で表される構造単位に誘導される芳香族ジヒドロキシ化合物を塩基性触媒の存在下に炭酸ジエステルと反応させる公知のエステル交換法、あるいは該芳香族ジヒドロキシ化合物を酸結合剤の存在下にホスゲン等と反応させる公知の界面重縮合法、のいずれによっても容易に得ることができる。
上記一般式(II)で表される構造単位に誘導される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、下記一般式(II'')で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014077350
上記一般式(II'')中、R11、R12、p、q、及びXは、各々上記一般式(II)におけるR11〜R12、p、q、及びXとそれぞれ同義である。
このような芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等が挙げられる。
中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)がモノマーとしての安定性、更にはそれに含まれる不純物の量が少ないものの入手が容易である点等の理由により好ましいものとして挙げられる。
本発明においては、ガラス転移温度の制御、流動性の向上、屈折率の向上、複屈折の低減等、光学的性質の制御等を目的として、上記各種モノマー(芳香族ジヒドロキシ化合物)のうち複数種を必要に応じて組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる芳香族ポリカーボネートプレポリマーは、界面重合法で合成したものであっても溶融重合法で合成したものであってもよく、また、固相重合法や薄膜重合法などの方法で合成したものであってもよい。また、使用済みディスク成形品等の使用済み製品から回収されたポリカーボネートなどを用いることも可能である。これらのポリカーボネートは混合して芳香族ポリカーボネートプレポリマーとして利用しても差し支えない。たとえば界面重合法で重合したポリカーボネートと溶融重合法で重合したポリカーボネートとを混合してもよく、また、溶融重合法あるいは界面重合法で重合したポリカーボネートと使用済みディスク成形品等から回収されたポリカーボネートとを混合して用いても構わない。
本発明で用いられる芳香族ポリカーボネートプレポリマーとして好ましくは、特定条件を満たす末端封止された芳香族ポリカーボネートプレポリマーが挙げられる。
すなわち、上記芳香族ポリカーボネートプレポリマーは、その少なくとも一部が芳香族モノヒドロキシ化合物由来の末端基又はフェニルオキシ基若しくはフェニルオキシカルボニル基であるフェニル末端基(以下、まとめて「封止末端基」ともいう)で封止されていることが好ましい。
その封止末端基の割合としては、全末端量に対して60モル%以上の場合に特に効果が著しく、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましい。また、封止末端基濃度(全構成単位に対する封止末端基の割合)は2モル%以上、好ましくは2〜20モル%、特に好ましくは2〜12モル%である。末端フェニル基濃度が2モル%以上の場合に脂肪族ジオール化合物との反応が速やかに進行し、本願発明特有の効果が特に顕著に発揮される。ポリマーの全末端量に対する封止末端量の割合は、ポリマーのH−NMR解析により分析することができる。また、封止末端基濃度は熱分解ガスクロマトグラフィーで分析してもよい。
また、芳香族ポリカーボネートプレポリマーにおおける末端水酸基濃度は、Ti複合体による分光測定又はH−NMR解析によって測定することが可能である。末端水酸基濃度としては1,500ppm以下が好ましく、さらに好ましくは1,000ppm以下が好適である。この範囲内の末端水酸基濃度或いはこの範囲内に対応する封止末端基濃度であると脂肪族ジオール化合物とのエステル交換反応によって十分な高分子量化の効果が得られる傾向がある。
ここでいう「ポリカーボネートの全末端基量」又は「芳香族ポリカーボネートプレポリマーの全末端基量」は、例えば分岐の無いポリカーボネート(又はすなわち、鎖状ポリマー)が0.5モルあれば、全末端基量は1モルであるとして計算される。
封止末端基の具体例としては、フェニル末端基(すなわち、フェニルオキシ基又はフェニルオキシカルボニル基)、クレジル末端基、o−トリル末端基、p−トリル末端基、p−tert−ブチルフェニル末端基、ビフェニル末端基、o−メトキシカルボニルフェニル末端基、p−クミルフェニル末端基などの末端基を挙げることができる。
これらの中では、脂肪族ジオール化合物とのエステル交換反応で反応系より除去されやすい低沸点の芳香族モノヒドロキシ化合物で構成される末端基が好ましく、フェニル末端基、p−tert−ブチルフェニル末端基などが特に好ましい。
このような封止末端基は、界面法においては芳香族ポリカーボネートプレポリマー製造時に末端停止剤を用いることにより導入することができる。末端停止剤の具体例としては、p−tert−ブチルフェノール、フェノール、p−クミルフェノール、長鎖アルキル
置換フェノール等が挙げられる。末端停止剤の使用量は、所望する芳香族ポリカーボネートプレポリマーの末端量(すなわち所望する芳香族ポリカーボネートプレポリマーの分子量)や反応装置、反応条件等に応じて適宜決定することができる。
溶融法においては、芳香族ポリカーボネートプレポリマー製造時にジフェニルカーボネートのごとき炭酸ジエステルを芳香族ジヒドロキシ化合物に対して過剰に使用することにより、封止末端基を導入することができる。反応に用いる装置及び反応条件にもよるが、具体的には芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して炭酸ジエステルを1.00〜1.30モル、より好ましくは1.02〜1.20モル使用する。これにより、上記末端封止量を満たす芳香族ポリカーボネートプレポリマーが得られる。
本発明において好ましくは、芳香族ポリカーボネートプレポリマーとして、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを反応(エステル交換反応)させて得られる末端封止された重縮合ポリマーを使用する。
芳香族ポリカーボネートプレポリマーを製造するとき、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物とともに、一分子中に3個以上の官能基を有する多官能化合物を併用することもできる。このような多官能化合物としてはフェノール性水酸基、カルボキシ基等の反応性官能基を有する化合物が好ましく使用される。
さらに芳香族ポリカーボネートプレポリマーを製造するとき、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物とともに、ジカルボン酸化合物を併用し、ポリエステルカーボネートとしても構わない。前記ジカルボン酸化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が好ましく、これらのジカルボン酸は酸クロリド又はエステル化合物として反応させることが好ましく採用される。また、ポリエステルカーボネート樹脂を製造する際に、ジカルボン酸は、前記ジヒドロキシ成分(芳香族ジヒドロキシ化合物)とジカルボン酸成分との合計を100モル%とした時に、0.5〜45モル%の範囲で使用することが好ましく、1〜40モル%の範囲で使用することがより好ましい。
上記芳香族ポリカーボネートプレポリマーの分子量としては、重量平均分子量(Mw)が5,000〜60,000が好ましい。より好ましくはMwが10,000〜50,000、さらに好ましくは10,000〜40,000の範囲の芳香族ポリカーボネートプレポリマーである。
この範囲を超えた高分子量の芳香族ポリカーボネートプレポリマーを使用すると、該芳香族ポリカーボネートプレポリマー自体が高粘度のため、プレポリマーの製造を高温・高剪断・長時間にて実施することが必要となる、及び/又は、脂肪族ジオール化合物との反応を高温・高剪断・長時間にて実施することが必要となる場合がある。
[3]環状カーボネート
本発明においては、末端封止された芳香族ポリカーボネートプレポリマーに脂肪族ジオール化合物をエステル交換触媒存在下、減圧条件にて作用させることにより、芳香族ポリカーボネートプレポリマーが高分子量化して高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる。この反応は温和な条件で高速に進み、高分子量化が達成される。
ここで、本発明の上記特定構造の脂肪族ジオール化合物を反応させる方法においては、芳香族ポリカーボネートプレポリマーと脂肪族ジオール化合物との反応が進行するとともに、脂肪族ジオール化合物の構造に対応した構造を有する環状体である環状カーボネートが副生する。副生する環状カーボネートを反応系外へ除去することによって、芳香族ポリカーボネートプレポリマーの高分子量化が進行し、最終的には従来のホモポリカーボネート(例えばビスフェノールA由来のホモポリカーボネート樹脂)とほぼ同じ構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる。
すなわち、本発明における好ましい製造方法は、芳香族ポリカーボネートと脂肪族ジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下に反応させて高分子量化させて高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂を得る高分子量化工程と、前記高分子量化反応で副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去する環状カーボネート除去工程とを含む。
なお、高分子量化工程と環状カーボネート除去工程とは、物理的及び時間的に別々の工程とすることもできるが、同時に行うこともでき、好ましくは同時に行われる。本発明における好ましい製造方法は、芳香族ポリカーボネートと脂肪族ジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下に反応させて高分子量化するとともに、前記高分子量化反応で副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去する工程を含むものである。
副生する環状カーボネートは、下記一般式(h2)で表される構造を有する化合物である。
Figure 2014077350
一般式(h2)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のシクロアルキル基含有基、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表し、Ra及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
〜Rは各々独立して水素原子又はハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
nは0〜30、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
一般式(h2)中、Ra及びRbとしてより好ましくは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基である。特に好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、及びイソブチル基が挙げられる。R〜Rとしては、各々水素原子であることがより好ましい。
前記一般式(h2)で表される環状カーボネートとしてより好ましくは、下記一般式(h3)で表される化合物である。一般式(h3)中、Ra及びRbはそれぞれ上述した一般式(h2)におけるRa及びRbとそれぞれ同様である。
Figure 2014077350
上記環状カーボネートの具体例としては、以下に示す構造の化合物が挙げられる。
Figure 2014077350
また、一般式(h2)で表される環状カーボネートにおいては、Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含む炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数10〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すこともまた好ましく、Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すことがより好ましい。
前記一般式(g2)で示される構造を有する脂肪族ジオール化合物を用いた製造方法は、従来の溶融法によるポリカーボネートの製造方法と比べ、高速で高分子量化することができるという利点を有する。これは、本発明者らが見出した他の脂肪族ジオール化合物を連結剤として用いる連結高分子量化方法によって得られる高分子量ポリカーボネート樹脂と共通する利点である。
一方、本発明の製造方法では、高分子量化反応の進行とともに、特定構造の環状カーボネートが副生する。そして、副生する環状カーボネートを反応系外へ除去した後には、ほぼホモポリカーボネート樹脂と同じ骨格を有する高分子量ポリカーボネート樹脂が得られる。副生する環状カーボネートは使用する脂肪族ジオール化合物に対応する構造を有しており、脂肪族ジオール化合物由来の環状体であると考えられるが、このような高分子量化とともに環状カーボネートが副生される反応機構は、必ずしも明らかではない。
例えば以下のスキーム(1)又は(2)に示すメカニズムが考えられるが、必ずしも明確ではない。本発明の前記一般式(g2)で示される構造を有する脂肪族ジオール化合物を用いた製造方法は、芳香族ポリカーボネートプレポリマーに連結剤として脂肪族ジオール化合物を反応させ、当該芳香族ポリカーボネートプレポリマーを連結高分子量化するとともに、そこで副生する脂肪族ジオール化合物の構造に対応する構造の環状カーボネートを除去するものであり、その範囲内であれば特定の反応機構に限定されるものでもない。
スキーム(1):
Figure 2014077350
スキーム(2):
Figure 2014077350
前記一般式(g2)で示される構造を有する脂肪族ジオール化合物を用いた製造方法によって得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂は、脂肪族ジオール化合物由来の構造単位をほとんど含まず、樹脂の骨格はホモポリカーボネート樹脂とほぼ同じである。
すなわち、連結剤である脂肪族ジオール化合物由来の構造単位が骨格に含まれないか、含まれるとしても極めて少量であることから、熱安定性が極めて高く耐熱性に優れている。一方で、従来のホモポリカーボネート樹脂と同じ骨格を有しながら、N値が低い、異種構造を有するユニットの割合が少ない、色調に優れている、などの優れた品質を備えることができる。
ここで、異種構造を有するユニットとは、好ましくない作用効果をもたらす可能性のある構造を有するユニットをいい、従来の溶融法で得られるポリカーボネートに多く含まれる分岐点ユニットなどが挙げられる。異種構造は、ポリカーボネート樹脂の骨格中に、繰り返し構造として存在する場合、ランダムに存在する場合のいずれもがあり得る。
異種構造を有するユニットの具体例としては、以下に示す構造を有するユニットが挙げられるが、これらに限られない。なお、下記式中のR11、p、R12、q及びXは、上記一般式(II)におけるR11、p、R12、q及びXとそれぞれ同様である。Yは、水素原子、フェニル基、メチル基、一般式(II)などが結合していることを示す。
Figure 2014077350
本発明の製造方法によって得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の骨格に脂肪族ジオール化合物由来の構造単位が含まれる場合、高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の全構造単位量に対する該脂肪族ジオール化合物由来の構造単位の割合は1モル%以下、より好ましくは0.1モル%以下である。
なお、本発明の上記高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の製造に用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物、脂肪族ジオール化合物、カーボネート結合形成性化合物といった原料化合物の化学純度はいずれも高いことが好ましい。市販品、工業用レベルの化学純度で製造は可能であるが、低純度品を用いた場合、不純物由来の副生成物や異種骨格構造を含むこととなるため、得られる樹脂及び成形体の着色が強くなったり、熱安定性や強度等の諸物性が低下し、ポリカーボネート樹脂本来の物性維持が困難となったりする場合がある。
脂肪族ジオール化合物の好ましい化学純度としては、70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。ジフェニルカーボネート等のカーボネート結合形成性化合物の好ましい化学純度は80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。芳香族ジヒドロキシ化合物の好ましい化学純度は90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上である。
また、上記原料化合物には化学純度を下げる不純物の他に塩素、窒素、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、軽金属、重金属なども不純物として含まれる場合があるが、原料化合物に含まれる塩素量、窒素量、ホウ素量、アルカリ金属量、アルカリ土類金属量、軽金属量、重金属量は低いことが好ましい。
アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びこれらの塩や誘導体が挙げられる。アルカリ土類金属としてはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びこれらの塩や誘導体が挙げられる。軽金属としては、チタン、アルミニウム及びこれらの塩や誘導体が挙げられる。
重金属としては、具体的にはバナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、タンタル、タングステン、オスミウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛、ビスマス、ヒ素、セレン、テルル及びこれらの塩や誘導体が挙げられる。
これらの不純物は全ての原料化合物において低いことが好ましい。
脂肪族ジオール化合物に含まれる不純物の含有量は、塩素としては3ppm以下、好ましくは2ppm以下、より好ましくは1ppm以下、窒素としては100ppm以下、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン及び重金属(中でも鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、銅、マンガン、コバルト、モリブデン、スズ)としては10ppm以下、好ましくは5ppm以下、より好ましくは1ppm以下が好ましい。
その他の原料(芳香族ジヒドロキシ化合物及びカーボネート結合形成性化合物)に含まれる不純物の含有量は、塩素としては2ppm以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは0.8ppm以下、窒素としては100ppm以下、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン及び重金属(中でも鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、銅、マンガン、コバルト、モリブデン、スズ)としては10ppm以下、好ましくは5ppm以下、より好ましくは1ppm以下が好ましい。
金属分の混入量が多い場合、触媒作用により反応がより早くなったり、逆に反応性が悪化することがあり、その結果、想定した反応の進行が阻害されて副反応が進行し、自然発生する分岐構造が増加したり、予想外にN値が増大したりする場合がある。さらに、得られる樹脂及び成形体においても、着色が強くなったり、熱安定性等の諸物性が低下したりする場合がある。
また、さらに純度の高い原料を用いることによって、色調や分子量保持率(高温下で熱滞留を課した時の分子量低下をどの程度抑えられるかを表す指標)をさらに改善することができる。
[4]製造方法
以下に、前記一般式(g2)で示される構造を有する脂肪族ジオール化合物を用いた製造方法の詳細な条件を説明する。
(i)脂肪族ジオール化合物の添加
本発明の製造方法においては、芳香族ポリカーボネートプレポリマーに脂肪族ジオール化合物を添加混合し、高分子量化反応器内で高分子量化反応(エステル交換反応)を行う。
脂肪族ジオール化合物の使用量としては、芳香族ポリカーボネートプレポリマーの全末端基量1モルに対して0.01〜1.0モルであるのが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0モルであり、さらに好ましくは0.2〜0.7モルである。ただし、比較的沸点が低いものを使用するときは、反応条件によっては一部が揮発などにより反応に関与しないまま系外へ出る可能性を考慮して、予め過剰量を添加することもできる。例えば、芳香族ポリカーボネートプレポリマーの全末端基量1モルに対して最大50モル、好ましくは10モル、より好ましくは5モル添加することもできる。
脂肪族ジオール化合物の添加混合方法については特に制限されないが、脂肪族ジオール化合物として沸点の比較的高いもの(沸点約350℃以上)を使用する場合には、前記脂肪族ジオール化合物は、減圧度10torr(1333Pa以下)以下の高真空下で、直接高分子量化反応器へ供給することが好ましい。より好ましくは、減圧度2.0torr以下(267Pa以下)、より好ましくは0.01〜1torr(1.3〜133Pa以下)である。脂肪族ジオール化合物を高分子量化反応器へ供給する際の減圧度が不十分であると、副生物(フェノール)によるプレポリマー主鎖の開裂反応が進行してしまい、高分子量化するためには反応混合物の反応時間を長くせざるを得なくなる場合がある。
一方、脂肪族ジオール化合物として沸点の比較的低いもの(沸点約350℃未満)を使用する場合には、芳香族ポリカーボネートプレポリマーと脂肪族ジオール化合物とを比較的ゆるやかな減圧度で混合することもできる。例えば、芳香族ポリカーボネートプレポリマーと脂肪族ジオール化合物と常圧に近い圧力で混合してプレポリマー混合物としたのち、該プレポリマー混合物を減圧条件下の高分子量化反応に供することにより、沸点の比較的低い脂肪族ジオール化合物であっても揮発が最小限に抑えられ、過剰に使用する必要性がなくなる。
(ii)エステル交換反応(高分子量化反応)
芳香族ポリカーボネートプレポリマーと脂肪族ジオール化合物とのエステル交換反応(高分子量化反応)に使用する温度としては、240℃〜320℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは260℃〜310℃、より好ましくは280℃〜310℃である。
また、減圧度としては13kPa(100torr)以下が好ましく、さらに好ましくは1.3kPa(10torr)以下、より好ましくは0.013〜0.67kPa(0.1〜5torr)である。
本エステル交換反応に使用されるエステル交換触媒としては、塩基性化合物触媒が挙げられる。塩基性化合物触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属化合物等の有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコキシド;4級アンモニウムヒドロキシド及びそれらの塩;アミン類等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が用いられる。中でもアルカリ金属化合物は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等であることが好ましい。
アルカリ土類金属化合物としては、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、フェニルリン酸マグネシウム等が用いられる。
含窒素化合物としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル基及び/又はアリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類;トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類;ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン類;プロピルアミン、ブチルアミン等の1級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;あるいは、アンモニア、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、水素化ホウ素テトラブチルアンモニウム、テトラフェニルホウ酸テトラブチルアンモニウム、テトラフェニルホウ酸テトラフェニルアンモニウム等の塩基又は塩基性塩等が用いられる。中でも含窒素化合物は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等であることが好ましい。
エステル交換触媒としては、亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛の塩が好ましく用いられ、これらは単独もしくは組み合わせて用いることができる。
エステル交換触媒としては、具体的には、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)等が用いられる。
これらの触媒は、芳香族ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、1×10−9〜1×10−3モルの比率で、好ましくは1×10−7〜1×10−5モルの比率で用いられる。
なお、出発原料である芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応により芳香族ポリカーボネートプレポリマーを製造する段階から連続的に製造する工程の場合、上記高分子量化工程で用いるエステル交換触媒は、芳香族ポリカーボネートプレポリマー製造に用いたものをそのまま使用してもよい。
(iii)環状カーボネート除去工程
本発明の製造方法では、上記高分子量化反応によって芳香族ポリカーボネートプレポリマーが高分子量化されると同時に、該反応で副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去することが好ましい。副生する環状カーボネートを反応系外へ除去することによって芳香族ポリカーボネートプレポリマーの高分子量化反応がより効率的に進行する。
環状カーボネートの除去方法としては、例えば同じく副生するフェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物及び未反応の脂肪族ジオール化合物などとともに、これらの化合物を含む留出液として反応系より留去する方法が挙げられる。反応系より留去する場合の温度は、例えば240〜320℃、好ましくは260〜310℃、より好ましくは280〜310℃である。
環状カーボネートの除去については、副生する環状カーボネートの少なくとも一部について行う。副生する環状カーボネートの全てを除去するのが最も好ましいが、完全に除去するのは一般に難しい。完全に除去できない場合に製品化したポリカーボネート樹脂中に環状カーボネートが残存していることは許容される。製品中の残存量の好ましい上限は3000ppmである。すなわち、前記一般式(g2)で示される構造を有する脂肪族ジオール化合物を用いた製造方法では、後述するように、環状カーボネートが3000ppm以下含まれるポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
反応系外へ留去された環状カーボネートは、その後加水分解、精製等の工程を経て回収・再利用(リサイクル)することができる。環状カーボネートとともに留去されるフェノールについても同様に回収し、ジフェニルカーボネート製造工程へ供給して再利用することができる。
(iv)その他の製造条件
本発明においては、芳香族ポリカーボネートプレポリマーと脂肪族ジオール化合物とのエステル交換反応により、反応後の芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量(Mw)が前記芳香族ポリカーボネートプレポリマーの重量平均分子量(Mw)よりも5,000以上高めることが好ましく、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは15,000以上高めるのが好ましい。
脂肪族ジオール化合物とのエステル交換反応における装置の種類や釜の材質などは公知のいかなるものを用いてもよく、連続式で行ってもよくまたバッチ式で行ってもよい。上記の反応を行うに際して用いられる反応装置は、錨型攪拌翼、マックスブレンド攪拌翼、ヘリカルリボン型攪拌翼等を装備した縦型であっても、パドル翼、格子翼、メガネ翼等を装備した横型であってもスクリューを装備した押出機型であってもよく、また、これらを重合物の粘度を勘案して適宜組み合わせた反応装置を使用することが好適に実施される。好ましくは横型撹拌効率の良い回転翼を有し、減圧条件にできるユニットをもつものがよい。
さらに好ましくは、ポリマーシールを有し、脱揮構造をもつ2軸押出機あるいは横型反応機が好適である。
装置の材質としては、SUS310、SUS316、SUS304等のステンレスや、ニッケル、窒化鋼などポリマーの色調に影響のない材質が好ましい。また装置の内側(ポリマーと接触する部分)には、バフ加工あるいは電解研磨加工を施したり、クロムなどの金属メッキ処理を行ったりしても良い。
本発明においては、分子量が高められた芳香族ポリカーボネート樹脂に触媒の失活剤を用いることができる。一般的には、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、具体的にはパラトルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、パラトルエンスルホン酸ブチル等の芳香族スルホン酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等の芳香族スルホン酸塩、ステアリン酸クロライド、酪酸クロライド、塩化ベンゾイル、トルエンスルホン酸クロライド、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸塩、リン酸類、亜リン酸類等が挙げられる。
これらのうちで、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、及びパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩からなる群から選択される触媒失活剤が好適に用いられる。
触媒失活剤の添加は、上記高分子量化反応終了後に従来公知の方法でポリカーボネート樹脂に混合することができる。例えば、ターンブルミキサーやヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーで代表される高速ミキサーで分散混合した後、押出機、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が適宜選択される。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.013〜0.13kPa(0.1〜1torr)の圧力、200〜350℃の温度で脱揮除去する工程を設けてもよく、このためには、パドル翼、格子翼、メガネ翼等、表面更新能の優れた攪拌翼を備えた横型装置、あるいは薄膜蒸発器が好適に用いられる。
好ましくは、ポリマーシールを有し、ベント構造をもつ2軸押出機あるいは横型反応機が好適である。
さらに本発明においては、耐熱安定剤、加水分解安定化剤、酸化防止剤、顔料、染料、強化剤や充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良材、帯電防止剤等を添加することができる。
耐熱安定剤としては、トリフェニルホスフィン(P-Ph)等の公知のものを用いる
ことができる。
酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルプロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト、トリクレジルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等を用いることができる。これらのうちで好ましいものは、下記構造式Aで表されるトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、及び、下記構造式Bで表されるn−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネートである。
Figure 2014077350
これらの添加剤は、触媒失活剤と同様に、従来公知の方法でポリカーボネート樹脂に混合することができる。例えば、各成分をターンブルミキサーやヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーで代表される高速ミキサーで分散混合した後、押出機、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が適宜選択される。添加剤の添加工程は、触媒失活剤と同時でも異なっていてもよい。
[5]高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂
本発明の前記一般式(g2)で示される構造を有する脂肪族ジオール化合物を用いた製造方法により得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量(Mw)は30,000〜100,000、好ましくは30,000〜80,000、より好ましくは35,000〜75,000であり、高分子量でありながら、高い流動性を併せ持つ。これにより、ブロー成形、押出成形等の用途に用いた場合、溶融張力が充分に得られ、成形性に優れた成形材料が得られる。
また、重量平均分子量が上記範囲であると、射出成形等の用途に用いた場合、糸引き等が抑制されて満足な成形品が得られる。さらに得られる成形品の機械的物性、耐熱性等の物性に優れる。また、オリゴマー領域が減少し、耐有機溶剤性等の物性が向上する。但し、重量平均分子量が高すぎると、精密部品や薄物の射出成形が困難となり、成形サイクル時間が長時間となり生産コストへ悪影響を及ぼす。そのため、成形温度を上げる等の措置が必要となるが、高温下では、ゲル化、異種構造の出現、N値の増大などの可能性が生じる。
また、本発明の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂においては、下記数式(1)で表されるN値(構造粘性指数)が、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.28以下、特に好ましくは1.25以下である。
N値=(log(Q160値)-log(Q10値))/(log160―log10) ・・・(1)
上記数式(1)中、Q160値は280℃、荷重160kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積(ml/sec)((株)島津製作所製:CFT-500D型を用いて測定(以下同様)し、ストローク=7.0〜10.0mmより算出)を表し、Q10値は280℃、荷重10kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積(ml/sec)(ストローク=7.0〜10.0mmより算出)を表す。なお、ノズル径1mm×ノズル長10mmである。
構造粘性指数「N値」は、芳香族ポリカーボネート樹脂の分岐化度の指標とされる。本発明の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂におけるN値は低く、分岐構造の含有割合が少なく直鎖構造の割合が高い。ポリカーボネート樹脂は一般に、同じMwに於いては分岐構造の割合を多くすると流動性が高くなる(Q値が高くなる)傾向にあるが、本発明の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂は、N値を低く保ったまま高い流動性(高いQ値)を達成している。
また、本発明の製造方法で得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂は、良好な色相を有する。
芳香族ポリカーボネート樹脂の色相評価は一般にYI値にて表わされる。通常、界面重合法から得られる芳香族ポリカーボネート樹脂のYI値としては0.8〜1.0を示す。一方、溶融重合法により得られる芳香族ポリカーボネートの高分子量体は製造工程に伴う品質の低下により、YI値は1.7〜2.0を示す。しかしながら本発明の製造方法により得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂のYI値は界面重合法により得られる芳香族ポリカーボネートと同等のYI値を示し、色相の悪化は見られない。
また、さらに純度の高い原料を用いることによって、色調や分子量保持率(高温下で熱滞留を課した時の分子量低下をどの程度抑えられるかを表す指標)をさらに改善することができる。
具体的には、本発明の製造方法により得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の熱滞留試験(360℃で60分間)後の分子量(Mw)保持率を50%以上、より好ましくは70%以上とすることができる。
[6]ポリカーボネート樹脂組成物
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の上記製造方法で得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂を主体とし、下記一般式(h2)で表される環状カーボネートを含むものである。すなわち、本発明の上記製造方法において得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂は、製造工程で副生する環状カーボネートを除去したのちに少量の残存環状ポリカーボネートを含んでいてもよい。
Figure 2014077350
一般式(h2)で表される環状カーボネートの詳細は既述のとおりであり、好ましい態様も同様である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物中における上記一般式(h2)で表される環状カーボネートの含有量は3000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、特に好ましくは300ppm以下である。環状ポリカーボネートの含有量の下限は特に制限されない。理想的には0%であり、通常は検出限界値となるが、好ましくは0.0005ppm以上である。環状カーボネートの含有量が上記上限値以下であると、樹脂強度の低下等が効果的に抑制される。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物中には、製造工程で使用した触媒失活剤が含有されていてもよい。触媒失活剤の存在により、樹脂組成物の熱安定性がさらに向上する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物中における触媒失活剤の含有量は特に制限されないが、好ましくは3ppm以上、より好ましくは5ppm以上である。触媒失活剤の含有量が3ppm以上の場合、熱安定性の向上効果が顕著となる。
触媒失活剤含有量の上限は特に制限されないが、好ましくは30ppm以下、より好ましくは20ppm以下である。
熱安定性を向上させる触媒失活剤の具体例としては、パラトルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、パラトルエンスルホン酸ブチル等の芳香族スルホン酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等の芳香族スルホン酸塩、ステアリン酸クロライド、酪酸クロライド、塩化ベンゾイル、トルエンスルホン酸クロライド、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸塩、リン酸類、亜リン酸類等を挙げることができる。
これらのうちで、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、及びパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩からなる群から選択される触媒失活剤が好適に用いられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、さらに熱安定化剤、加水分解安定化剤、酸化防止剤、顔料、染料、強化剤や充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良材、帯電防止剤等が含有されていてもよい。
耐熱安定剤としては、トリフェニルホスフィン(P-Ph)等の公知のものを用いることができる。
酸化防止剤としては、既述のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
[7]成形品
本発明の方法で得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物は、射出成形やブロー成形(中空成形)、押出成形、射出ブロー成形、回転成形、圧縮成形などで得られる様々な成形品、シート、フィルムなどの用途に好ましく利用することができる。これらの用途に用いるときは、本発明の樹脂単体であっても他のポリマーとのブレンド品であっても差し支えない。用途に応じてハードコートやラミネートなどの加工も好ましく使用しうる。
特に好ましくは、本発明の方法で得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物は、押出成形、ブロー成形、射出成形等に用いられる。得られる成形品としては、押出成形品、中空成形品、精密部品や薄物の射出成形品が挙げられる。精密部品や薄物の射出成形品は、好ましくは1μm〜3mmの厚みを有するものである。
成形品の具体例としては、コンパクトディスクやデジタルビデオディスク、ミニディスク、光磁気ディスクなどの光学メディア品、光ファイバーなどの光通信媒体、車などのヘッドランプレンズやカメラなどのレンズ体などの光学部品、サイレンライトカバー、照明ランプカバーなどの光学機器部品、電車や自動車などの車両用窓ガラス代替品、家庭の窓ガラス代替品、サンルーフや温室の屋根などの採光部品、ゴーグルやサングラス、眼鏡のレンズや筐体、コピー機やファクシミリ、パソコンなどOA機器の筐体、テレビや電子レンジなど家電製品の筐体、コネクターやICトレイなどの電子部品用途、ヘルメット、プロテクター、保護面などの保護具、哺乳瓶、食器、トレイなどの家庭用品、人工透析ケースや義歯などの医用品、包装用材料、筆記用具、文房具等の雑貨類などをあげる事ができるがこれらに限定されない。
特に好ましくは、本発明の方法で得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の用途としては、高強度且つ精密成形性を必要とする以下の成形品が挙げられる。
・自動車部材として、ヘッドランプレンズ、メータ盤、サンルーフなど、さらにガラス製ウインドウの代替品や外板部品
・液晶ディスプレイなどの各種フィルム、導光板、光ディスク基板。
・透明シートなどの建材
・構造部材として、パソコン、プリンタ、液晶テレビなどの筐体
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。なお、実施例中の測定値は、以下の方法あるいは装置を用いて測定した。
1)ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw):GPCを用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量(分子量分布=1)の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。この検量線に基づいて、GPCのリテンションタイムから、芳香族ポリカーボネートプレポリマーの重量平均分子量(表中では、「プレポリマー分子量(Mw)」と略記した)及び高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量(表中では、「Mw」と略記した)を算出した。具体的には以下のようにして算出した。
GPCを用い、クロロホルムを展開溶媒として、分子量既知(分子量分布=1)の標準ポリスチレン(東ソー株式会社製、”PStQuick MP-M”)を用いて検量線を作成した。測定した標準ポリスチレンから各ピークの溶出時間と分子量値をプロットし、3次式による近似を行い、較正曲線とした。重量平均分子量(Mw)は、以下の計算式より求めた。
Mw=Σ(W×M)÷Σ(W
ここで、iは分子量Mを分割した際のi番目の分割点、Wはi番目の重量、Mはi番目の分子量を表す。また分子量Mとは、較正曲線の同溶出時間でのポリスチレン分子量値を表す。
[測定条件]
装置;東ソー株式会社製、HLC−8320GPC
カラム;ガードカラム:TSKguardcolumn SuperMPHZ-M×1本
分析カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ-M×3本
溶媒;HPLCグレードクロロホルム
注入量;10μL
試料濃度;0.2w/v% HPLCグレードクロロホルム溶液
溶媒流速;0.35ml/min
測定温度;40℃
検出器;RI
2)水酸基末端濃度(ppm):塩化メチレン溶液中でプレポリマーと四塩化チタンとから形成される複合体のUV/可視分光分析(546nm)によって測定した。又は、H−NMRの解析結果から末端水酸基を観測することによって測定した。
H−NMRによるプレポリマー中の末端水酸基濃度は、樹脂サンプル0.05gを1mlの重水素置換クロロホルム(0.05w/v%TMS含有)に溶解し、23℃でH−NMRを測定することで求めた。具体的には、4.7ppmの水酸基ピークと7.0〜7.5ppm付近のフェニル及びフェニレン基(末端フェニル基及びBPA骨格由来のフェニレン基)の積分比より、PP中の末端水酸基濃度(OH濃度)を算出した。
なお、H−NMRの測定条件の詳細は以下のとおりである。
装置:日本電子社製 LA-500 (500MHz)
測定核:
relaxation delay : 1s
x_angle : 45deg
x_90_width : 20μs
x_plus : 10μs
scan : 500times
3)末端フェニル基濃度(末端Ph濃度;モル%):H−NMRの解析結果から、下記数式により求めた。
Figure 2014077350
具体的には、樹脂サンプル0.05gを、1mlの重水素置換クロロホルム(0.05w/v%TMS含有)に溶解し、23℃でH−NMRスペクトルを測定し、7.4ppm前後の末端フェニル基と7.0〜7.3ppm付近のフェニレン基(BPA骨格由来)の積分比より、PPの末端フェニル基量及び末端フェニル基濃度を測定した。H−NMRの測定条件の詳細は上記と同様である。
4)流動性(Q値):Q値は溶融樹脂の流出量(ml/sec)であり、高化式フローテスターCFT-500D(島津製作所(株)製)を用いて、130℃で5時間乾燥後、280℃、荷重160kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積により評価した。
5)N値:高化式フローテスターCFT-500D(島津製作所(株)製)を用いて、130℃で5時間乾燥した芳香族ポリカーボネート(試料)について、280℃、荷重160kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積をQ160値とし、同様に280℃、荷重10kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積をQ10値として、これらを用いて下式(1)により求めた。
[数10]
N値=(log(Q160値)-log(Q10値))/(log160―log10) ・・・(1)
6)樹脂中の環状カーボネート含有量:樹脂サンプル10gをジクロロメタン100mlに溶解し、1000mlのメタノール中へ攪拌しながら滴下した。沈殿物を濾別し、濾液中の溶媒を除去した。得られた固体をGC-MSにより以下の測定条件で分析した。なお、この測定条件での検出限界値は0.0005ppmである。表中では、「環状カーボネート(ppm)」と略記した。
GC-MS測定条件:
測定装置:Agilent HP6890/5973MSD
カラム:キャピラリーカラムDB-5MS, 30m×0.25mm(I.D.), 膜厚0.5μm
昇温条件:50℃(5min hold)−300℃(15minhold), 10℃/min
注入口温度:300℃、打ち込み量:1.0μl(スプリット比25)
イオン化法:EI法
キャリアーガス:He, 1.0ml/min
Aux温度:300℃
質量スキャン範囲:33−700
溶媒:HPLC用クロロホルム
内部標準物質:1,3,5−トリメチロールフェノール
7)樹脂の熱滞留試験:サンプル樹脂1gを試験管に入れ、窒素で置換されたグローブボックス(酸素濃度0.0%)内にて、120℃に設定したブロックヒーターで2時間乾燥した。引き続き同グローブボックス内にて、360℃に設定したブロックヒーターで60分間加熱滞留した。熱滞留試験前後の分子量(Mw)保持率(%)及びYI値の変化量を測定した。
なお、この試験は、例えば樹脂の溶融粘度を低く保つ必要がある精密成形など、ポリカーボネートの一般的な成形温度の最大レベルでの熱履歴を与える試験である。60分と言う長い滞留時間は、実際の成形現場で、装置のトラブルなどを含めて想定しうる最長の滞留時間を設定したものである。
8)熱滞留試験前後の樹脂色相(YI値):樹脂サンプル1gを30mlの塩化メチレンに溶解し、光路長20mmのセルにて、分光式色差計(日本電色工業社製、商品名「SE−2000」)を用いてYI値をそれぞれ測定した。
なお、以下の実施例及び比較例で使用した脂肪族ジオール化合物の化学純度はいずれも98〜99%、塩素含有量は0.8ppm以下、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン及び重金属(鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、銅、マンガン、コバルト、モリブデン、スズ)の含有量は各々1ppm以下である。芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルの化学純度は99%以上、塩素含有量は0.8ppm以下、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン及び重金属(鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、銅、マンガン、コバルト、モリブデン、スズ)の含有量は各々1ppm以下である。
以下の実施例で、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンを「BPA」、プレポリマーを「PP」、水酸基を「OH基」、フェニル基を「Ph]と略すことがある。
<実施例1>
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン10,001.0g(43.808モル)、ジフェニルカーボネート10,557g(49.281モル)及び触媒として炭酸セシウム(CsCO)を0.5μmol/mol−BPA(触媒は2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対してのモル数として計算)とを攪拌機及び留出装置付の50LのSUS製反応器に入れ、系内を窒素雰囲気下に置換した。減圧度を27kPa(200torr)に調整し、熱媒を205℃に設定、原料を加熱溶融した後、攪拌を行なった。
その後、徐々に熱媒温度を上げ、同時に減圧度を下げつつ、反応系より留出するフェノールを冷却管にて凝集、除去して、エステル交換反応を行なった。約4時間をかけて、最終的には、系内を260℃、減圧度を0.13kPa(1torr)以下とし、さらに1時間保持した。この時、一部サンプリングしたポリカーボネートプレポリマーの重量平均分子量(Mw)は22,000、末端水酸基濃度は60ppm、フェニル末端濃度(Ph末端濃度)は5.0mol%であった。
末端水酸基濃度は、H−NMRより算出した値であり、全ポリマー中に含まれる末端水酸基濃度を示す。また、Ph末端濃度は、H−NMRより算出した値であり、全フェニレン基及びフェニル末端中のフェニル基(水酸基で置換されたフェニル基を含む)末端濃度を示す。
引き続き、反応系へ窒素を供給することにより常圧まで復圧した後、285℃へ昇温した。続いて、脂肪族ジオール化合物として2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール(BEPD)209.53g(1.308mol)を反応系へ添加し、攪拌した。熱媒温度を285℃に保ち、常圧にて10分間攪拌混練した後、30分をかけて減圧度を0.13kPa(1torr)以下とし、さらに1時間40分の間、攪拌した。
反応系より留出するフェノール、環状カーボネート(5−ブチル−5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オン)及び未反応の2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール(BEPD)を冷却管にて凝集し、除去して重量平均分子量(Mw)=62,000、N値=1.23、環状カーボネート(5−ブチル−5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オン)を24ppm含有するポリカーボネート樹脂を得た。
上記より得られた樹脂を乾燥後、樹脂に対し5ppmのパラトルエンスルホン酸ブチルを押出機により混練し、触媒の失活を行なった。得られた樹脂のYI値は0.6であった。この樹脂1gを試験管に入れ、窒素で置換されたグローブボックス(酸素濃度0.0%)内にて、120℃に設定したブロックヒーターで2時間乾燥した。引き続き同グローブボックス内にて、360℃に設定したブロックヒーターで60分間加熱滞留した。その結果、滞留試験前後の分子量(Mw)保持率(%)は100%、YI値の変化量は+2.4であった。
<実施例2>
実施例1と同様にして環状カーボネート(5−ブチル−5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オン)を24ppm含有するポリカーボネート樹脂を得た。
得られた樹脂を乾燥後、当該樹脂に対し、触媒失活剤としてパラトルエンスルホン酸ブチル(p-TSB)5ppm、酸化防止剤としてトリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(式A)200ppm、及び耐熱安定剤としてトリフェニルホスフィン100ppmを押出機により混練した。得られた樹脂のYI値は0.6であった。
上記により失活した樹脂1gを試験管に入れ、窒素で置換されたグローブボックス(酸素濃度0.0%)内にて、120℃に設定したブロックヒーターで2時間乾燥した。引き続き同グローブボックス内にて、360℃に設定したブロックヒーターで60分間加熱滞留した。その結果、滞留試験前後の分子量(Mw)保持率(%)は100%、YI値の変化量は+2.4であった。
<実施例3>
実施例1と同様にして環状カーボネート(5−ブチル−5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オン)を24ppm含有するポリカーボネート樹脂を得た。
得られた樹脂を乾燥後、樹脂に対し、触媒失活剤としてパラトルエンスルホン酸ブチル(p-TSB)5ppm、酸化防止剤としてトリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(式A)200ppm及びn−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート(式B)1000ppmを押出機により混練した。得られた樹脂のYI値は0.6であった。
上記により失活した樹脂1gを試験管に入れ、窒素で置換されたグローブボックス(酸素濃度0.0%)内にて、120℃に設定したブロックヒーターで2時間乾燥した。引き続き同グローブボックス内にて、360℃に設定したブロックヒーターで60分間加熱滞留した。その結果、滞留試験前後の分子量(Mw)保持率(%)は100%、YI値の変化量は+2.4であった。
<実施例4>
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン10,000.6g(43.807モル)、ジフェニルカーボネート10,560g(49.295モル)及び触媒として炭酸セシウムを0.5μmol/mol−BPA(触媒は2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンに対してのモル数として計算)とを攪拌機及び留出装置付の50LのSUS製反応器に入れ、系内を窒素雰囲気下に置換した。減圧度を27kPa(200torr)に調整し、熱媒を205℃に設定、原料を加熱溶融した後、攪拌を行なった。
その後、徐々に熱媒温度を上げ、同時に減圧度を下げつつ、反応系より留出するフェノールを冷却管にて凝集、除去して、エステル交換反応を行なった。約4時間をかけて、最終的には、系内を260℃、減圧度を0.13kPaA(1torr)以下とし、さらに1時間保持した。得られたポリカーボネートプレポリマーの重量平均分子量(Mw)は22,000、末端水酸基濃度は70ppm、フェニル末端濃度(Ph末端濃度)は5.0mol%であった。
末端水酸基濃度は、H−NMRより算出した値であり、全ポリマー中に含まれる末端水酸基濃度を示す。また、Ph末端濃度は、H−NMRより算出した値であり、全フェニレン基及びフェニル末端中のフェニル基(水酸基で置換されたフェニル基を含む)末端濃度を示す。
上記ポリカーボネートプレポリマー30.3724gを、攪拌機及び留出装置付の300cc四つ口フラスコに入れ、280℃にて加熱溶融させた。脂肪族ジオール化合物として2,2−ジメトキシ−プロパン−1,3−ジオール0.2963gを添加し、ジャケット温度280℃にて、常圧で添加し3分間攪拌混練した。
引き続き280℃にて、圧力を0.04kPa(0.3torr)に調整し、70分間攪拌混練して、エステル交換反応を行った。
反応系より留出するフェノール、環状カーボネート(2,2−ジメトキシ−1,3−ジオキサン−2−オン)及び未反応の2,2−ジメトキシ−プロパン−1,3−ジオールを冷却管にて凝集し、除去して重量平均分子量(Mw)=55,000、N値=1.22、環状カーボネート(2,2−ジメトキシ−1,3−ジオキサン−2−オン)を100ppm含有するポリカーボネート樹脂を得た。
Figure 2014077350
本発明の前記一般式(g2)で示される構造を有する脂肪族ジオール化合物を用いた高分子量芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法によれば、高分子量で且つ高流動性であって品質に優れているだけでなく、界面法によるものと同じ構造で良好な耐熱性を有するポリカーボネート樹脂が得られる。
このような方法で得られる本発明の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂は、従来の汎用ポリカーボネート樹脂或いは組成物の代替として用いた場合、成形サイクルが早くなる、成形温度を低く設定できるなどの利点があり、種々の射出成形やブロー成形、押出成形、射出ブロー成形、回転成形、圧縮成形などで得られる様々な成形品、シート、フィルムなどの用途に好ましく利用することができる。
また、使用電力の節減等により、自然環境への負荷及び成形体の製造コストの削減も見込まれ、経済的にも優れ、自然環境にも優しい樹脂ということができる。特に、ポリカーボネートの一般的な成形温度の最大レベルでの熱履歴を長時間与えられても、分子量(Mw)保持率が高く(例えば50%以上)、またYI値変化量が小さい(例えば+25以下)など、極めて優れた熱安定性を示す。よって、例えば樹脂の溶融粘度を低く保つ必要がある精密成形などに特に好ましく利用することができる。
日本国特許出願2012−252793号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (20)

  1. 芳香族ポリカーボネートプレポリマーと、下記一般式(g2)で表される脂肪族ジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下に反応させて高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂を得る高分子量化工程を含む、高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
    Figure 2014077350
    (一般式(g2)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。R〜Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。nは0〜30の整数を表す。)
  2. 前記一般式(g2)におけるnが1〜6の整数である、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記一般式(g2)で表される脂肪族ジオール化合物が、下記一般式(g3)で表される脂肪族ジオール化合物である、請求項1又は2記載の製造方法。
    Figure 2014077350
    (一般式(g3)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。)
  4. 前記一般式(g3)中、Ra及びRbはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基、又はフェニル基を表す、請求項3記載の製造方法。
  5. 前記一般式(g3)中、Ra及びRbはそれぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す、請求項3記載の製造方法。
  6. 前記一般式(g3)で表される脂肪族ジオール化合物が、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、及び2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオールからなる群から選択される、請求項3記載の製造方法。
  7. Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含む炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数10〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表す、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  8. Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表す、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  9. さらに、前記高分子量化工程で副生する下記一般式(h2)で表される環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去する環状カーボネート除去工程を含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の製造方法。
    Figure 2014077350
    (一般式(h2)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。R〜Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。nは0〜30の整数を表す。)
  10. 前記一般式(h2)で表される環状カーボネートが、下記一般式(h3)で表される化合物である、請求項9記載の製造方法。
    Figure 2014077350
    (一般式(h3)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。)
  11. Ra及びRbが、各々独立して、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含む炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数10〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表す、請求項9又は10記載の製造方法。
  12. 脂肪族ジオール化合物の使用量が、前記高分子量化工程における反応前の芳香族ポリカーボネートプレポリマーの全末端量1モルに対して0.01〜1.0モルである、請求項1〜11のいずれか1項記載の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項記載の製造方法で得られる高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂。
  14. 下記数式(1)で表されるN値である構造粘性指数が1.25以下である、請求項13記載の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂。
    N値=(log(Q160値)-log(Q10値))/(log160―log10) ・・・(1)
  15. 請求項13又は14記載の高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂と、3000ppm以下の下記一般式(h2)で表される環状カーボネートとを含む、ポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 2014077350
    (一般式(h2)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表し、Ra及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。R〜Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。nは0〜30の整数を表す。)
  16. 前記一般式(h2)で表される環状カーボネートが、下記一般式(h3)で表される化合物である、請求項15記載のポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 2014077350
    (一般式(h3)中、Ra及びRbは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表し、Ra及びRbは相互に結合して環を形成していてもよい。)
  17. Ra及びRbが、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含む炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基含有基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数10〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表す、請求項15又は16記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  18. さらに、触媒失活剤が3ppm以上含有されている、請求項15〜17のいずれか1項記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  19. 前記触媒失活剤が、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸エステル類、有機ハロゲン化物、アルキル硫酸塩、リン酸類、及び亜リン酸類からなる群から選択される、請求項18記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  20. 前記触媒失活剤が、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、及びパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩からなる群から選択される、請求項18記載のポリカーボネート樹脂組成物。
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