JP2000128978A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JP2000128978A
JP2000128978A JP10308407A JP30840798A JP2000128978A JP 2000128978 A JP2000128978 A JP 2000128978A JP 10308407 A JP10308407 A JP 10308407A JP 30840798 A JP30840798 A JP 30840798A JP 2000128978 A JP2000128978 A JP 2000128978A
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aromatic
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acid
alkali metal
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Kyosuke Matsumoto
恭介 松本
Masashi Shimonari
正志 下成
Toru Sawaki
透 佐脇
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相安定性、熱安定性に優れるとともに、色
相、透明性に優れた芳香族ポリカーボネートを効率よく
製造する方法を提供する。 【解決手段】 芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸
ジエステルとを主として含む混合物を触媒の存在下に溶
融重縮合して芳香族ポリカーボネートを製造するに際
し、溶融重縮合反応終了時から2時間以内に触媒失活剤
を添加する事を特徴とする、芳香族ポリカーボネートの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリカーボ
ネートの製造方法に関する。さらに詳しくは、溶融重合
法による芳香族ポリカーボネートの製造方法に関し、製
造時の芳香族ポリカーボネートの色相安定性、熱安定性
に優れるとともに、色相、透明性に優れた芳香族ポリカ
ーボネートを効率よく製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃
性、透明性等に優れた特性を有する為、非常に有用な樹
脂として広く一般に知られている。この芳香族ポリカー
ボネート樹脂を製造する方法としては、芳香族ジヒドロ
キシ化合物とホスゲンとを、有機溶媒およびアルカリ水
溶液の混合液中で反応させる界面法と、芳香族ジヒドロ
キシ化合物と炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、高温
・減圧下において反応させ、発生するフェノールを系外
に除去する溶融重縮合法とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶融重縮合方法は有害
なホスゲンや溶剤としてのメチレンクロライドを使用し
ないため、環境問題が少なく、且つ、コスト的に有利と
なる可能性を有し開発が進められているが、得られるポ
リカーボネートの品質は、界面重合方法と比較した場
合、色相やゲル含有量の面で劣ると言う問題を有してい
た。
【0004】このため、重合設備や触媒などを中心に様
々な提案がなされてきたが未だに不十分であり、特に高
品質が要求されるコンパクトディスク等の光学用途やシ
ートなどに使用する場合において制約が生じていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の通りであ
る。 1. 芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステ
ルとを主として含む混合物を触媒の存在下に溶融重縮合
して芳香族ポリカーボネートを製造するに際し、溶融重
縮合反応終了時から2時間以内に触媒失活剤を添加する
事を特徴とする、芳香族ポリカーボネートの製造方法。
以下、本発明にかかる芳香族ポリカーボネートの製造方
法について、具体的に説明する。
【0006】本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化
合物としては例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、ビス(3,5
−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、
p,p′−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジクロ
ロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロ
キシフェニル)スルホン、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロベンゼ
ン、1,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンゼン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられるが、特
に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが
好ましい。
【0007】本発明に用いられる炭酸ジエステルとして
は、例えばジフェニルカーボネート、ジトリールカーボ
ネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−ク
レジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス
(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシク
ロヘキシルカーボネートなどが用いられる。これらのう
ち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0008】本発明に用いられる2種類の原料の使用比
率は、炭酸ジエステルの使用モル数を芳香族ジヒドロキ
シ化合物の使用モル数で除した値であらわした原料モル
比において、1.00から1.10の範囲の中から選択
することが好ましい。
【0009】本発明に用いられる触媒は特に限定されな
いが、アルカリ金属化合物としては、例えばアルカリ金
属の水酸化物、炭酸水素化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸
塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸
塩、ステアリン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸塩、リ
ン酸水素化物、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙
げられる。
【0010】具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウ
ム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウ
ム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カ
リウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン
酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カ
リウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ酸ナト
リウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息
香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジ
カリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAの
ジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェノ
ールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙
げられ、就中、芳香族ジヒドロキシ化合物のナトリウム
塩、例えばビスフェノールAのジナトリウム塩または芳
香族モノヒドロキシ化合物のナトリウム塩、例えばフェ
ノールのナトリウム塩が好ましく用いられる。
【0011】触媒としてのアルカリ金属化合物は、当該
触媒中のアルカリ金属元素が芳香族ジヒドロキシ化合物
1モル当り1×10-3〜1×10-8当量となる割合で使
用される。好ましくは5×10-6〜1×10-8当量、更
に好ましくは5×10-6〜1×10-7当量となる割合で
使用される。
【0012】上記使用範囲を逸脱すると、得られるポリ
カーボネートの諸物性に悪影響を及ぼしたり、また、エ
ステル交換反応が充分に進行せず高分子量のポリカーボ
ネートが得られない等の問題があり好ましくない。
【0013】本発明に用いられる触媒として含窒素塩基
性化合物も挙げられる。例えばテトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモ
ニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルア
ンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、ベンジルト
リメチルアンモニウムヒドロキシド(φ−CH2(M
e)3NOH)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
ヒドロキシドなどのアルキル、アリール、アルキルアリ
ール基などを有するアンモニウムヒドロオキシド類、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジル
アミン、ヘキサデシルジメチルアミンなどの3級アミン
類、あるいはテトラメチルアンモニウムボロハイドライ
ド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハ
イドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)、テトラ
ブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Bu4
BPh4)などの塩基性塩を挙げることができ、就中、
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NO
H)が最も好ましく使用される。
【0014】本発明においては所望により、触媒のアル
カリ金属化合物として、(a)周期律表第14族の元素
のアート錯体のアルカリ金属塩または(b)周期律表第
14族の元素のオキソ酸のアルカリ金属塩を用いること
ができる。ここで周期律表第14族の元素とは、ケイ
素、ゲルマニウム、スズのことをいう。
【0015】これらのアルカリ金属化合物を重縮合反応
触媒として用いることにより、重縮合反応を迅速かつ十
分にすすめることができる利点を有する。また、重縮合
反応中に生成する分岐反応のような、好ましくない副反
応を低いレベルに抑えることができる。
【0016】(a)周期率表第14族元素のアート錯体
のアルカリ金属塩としては、特開平7−268091号
公報に記載のものをいうが、具体的には、ゲルマニウム
(Ge)の化合物;NaGe(OMe)5、NaGe
(OEt)3、NaGe(OPr)5、NaGe(OB
u)5、NaGe(OPh)5、LiGe(OMe)5
LiGe(OBu)5、LiGe(OPh)5を挙げるこ
とができる。
【0017】スズ(Sn)の化合物としては、NaSn
(OMe)3、NaSn(OMe)2(OEt)、NaS
n(OPr)3、NaSn(O−n−C6133、Na
Sn(OMe)5、NaSn(OEt)5、NaSn(O
Bu)5、NaSn(O−n−C12255、NaSn
(OEt)、NaSn(OPh)5、NaSnBu2(O
Me)3を挙げることができる。
【0018】また(b)周期律表第14族元素のオキソ
酸のアルカリ金属塩としては、例えばケイ酸(sili
cic acid)のアルカリ金属塩、スズ酸(sta
nic acid)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム
(II)酸(germanous acid)のアルカ
リ金属塩、ゲルマニウム(IV)酸(germanic
acid )のアルカリ金属塩を好ましいものとして挙
げることができる。
【0019】ケイ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノケ
イ酸(monosilicic acid)またはその
縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その
例としては、オルトケイ酸モノナトリウム、オルトケイ
酸ジナトリウム、オルトケイ酸トリナトリウム、オルト
ケイ酸テトラナトリウムを挙げることができる。
【0020】スズ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノス
ズ酸(monostanic acid)またはその縮
合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例
としてはモノスズ酸ジナトリウム塩(Na2SnO3・C
2O、x=0〜5)、モノスズ酸テトラナトリウム塩
(Na4SnO4)を挙げることができる。
【0021】ゲルマニウム(II)酸(germanou
s acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマ
ニウム酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ
金属塩であり、その例としてはゲルマニウム酸モノナト
リウム塩(NaHGeO2)を挙げることができる。
【0022】ゲルマニウム(IV)酸(germanic
acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマニ
ウム(IV)酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アル
カリ金属塩であり、その例としてはオルトゲルマニウム
酸モノリチウム酸(LiH3GeO4)オルトゲルマニウ
ム酸ジナトリウム塩、オルトゲルマニウム酸テトラナト
リウム塩、ジゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2
25)、テトラゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na
2Ge49)、ペンタゲルマニウム酸ジナトリウム塩
(Na2Ge511)を挙げることができる。
【0023】上記の如き重縮合反応触媒は、触媒中のア
ルカリ金属元素が芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当り
1×10-3〜1×10-8当量となる割合で好ましく使用
される。より好ましい割合は同じ基準に対し5×10-6
〜1×10-8当量となる割合でありさらに好ましい割合
は5×10-6〜1×10-7当量となる割合である。
【0024】本発明の重縮合反応には、上記触媒と一緒
に、必要により、周期律表第14族元素のオキソ酸およ
び同元素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の助触媒を共存させることができる。
【0025】これら助触媒を特定の割合で用いることに
より、末端の封鎖反応、重縮合反応速度を損なうことな
く、重縮合反応中に生成し易い分岐反応や、成形加工時
における装置内での異物の生成、やけといった好ましく
ない副反応をより効果的に抑制することができる。
【0026】周期律表第14族元素のオキソ酸として
は、例えばケイ酸、スズ酸、ゲルマニウム酸を挙げるこ
とができる。
【0027】周期律表第14族元素の酸化物としては、
一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、一酸化スズ、二酸化ス
ズ、一酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウムおよびこ
れらの縮合体を挙げることができる。
【0028】助触媒は重縮合反応触媒中のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒中の周期律表第14族
の金属元素が50モル(原子)以下となる割合で存在せ
しめるのが好ましい。同金属元素が50モル(原子)を
超える割合で助触媒を用いると、重縮合反応速度が遅く
なり好ましくない。
【0029】助触媒は、重縮合反応触媒のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒の周期律表第14族の
金属元素が0.1〜30モル(原子)となる割合で存在
せしめるのがさらに好ましい。
【0030】これらの触媒系は、重縮合反応に用いるこ
とにより重縮合反応および末端封止反応を迅速かつ十分
に進めることができる利点を有する。また重縮合反応系
中に生成する分岐反応のような好ましくない副反応を低
いレベルに抑えることができる。
【0031】本発明に於いて、品質の優れたポリカーボ
ネートを得る為には、前記原料と触媒を用いて重合反応
を行った後、使用した重合触媒を速やかに失活させる事
が極めて重要である。
【0032】本発明者等の検討によると、炭酸ジエステ
ルと芳香族ジヒドロキシ化合物とを含む混合物を、触媒
の存在下に溶融重縮合して芳香族ポリカーボネートを製
造するに際し、溶融重合反応終了後、触媒活性の残って
いる触媒を含んだ芳香族ポリカーボネートが、高温の溶
融状態で滞留する時間を短くすることによって、色相、
透明性に優れた芳香族ポリカーボネート製造することが
できることが解った。
【0033】この原因は定かではないが、次のように考
えられる。重合反応終了後、触媒活性の残った芳香族ポ
リカーボネートは、重合装置から排出されるまでの期
間、非減圧下の溶融状態で装置内を移動する。芳香族ポ
リカーボネートは、非減圧下における高温の溶融状態で
の滞留時間の間に、芳香族ポリカーボネート中に残って
いる反応副生成物であるフェノールと、触媒活性の残っ
た触媒とによって解重合反応をおこす。この解重合反応
によって、芳香族ポリカーボネートは分子量が低下し、
またポリマー末端のOH基が増加する。ポリマー末端の
OH基の増加は、芳香族ポリカーボネートの耐熱性を低
下させるため、ポリマーは、触媒活性の残った、非減圧
下で高温の溶融状態での滞留時間の間に色相が悪化する
ものと考えられる。
【0034】本発明による芳香族ポリカーボネートの製
造方法によれば、重合反応終了後できるだけ速やかに触
媒を失活することによって、重合反応装置から排出され
るまでの期間における高温での滞留中の分子量低下がな
く、ポリマー色相に優れた芳香族ポリカーボネートを効
率よく製造することができる。
【0035】本発明にかかる芳香族ポリカーボネートの
製造方法では、溶融重合反応終了時の芳香族ポリカーボ
ネートの中に残存する触媒の活性をなくす為に添加する
触媒失活剤の添加時期は、溶融重縮合反応終了時から2
時間以内であることが好ましく、1時間以内であること
が更に好ましく、30分以内である事がより好ましく、
15分以内である事が最も好ましい。
【0036】ここでいう溶融重合反応終了時とは、製造
する芳香族ポリカーボネートが目標とする粘度平均分子
量に到達し、減圧状態にある反応装置内から排出され、
非減圧状態になった時点をいい、例えばポリマー排出の
為のポンプを有する場合に、触媒失活剤の添加時期が溶
融重縮合反応終了時から2時間以内であるとは、該ポリ
マーポンプから失活剤添加までの装置内における平均滞
留時間が2時間以内であることを意味する。
【0037】本発明に使用する触媒失活剤としては、公
知の化合物が有効に使用されるが、この中でもスルホン
酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましく、更に
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の上記塩類やパラト
ルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラ
トルエンスルホン酸の上記塩類が好ましい。またスルホ
ン酸のエステルとしてベンゼンスルホン酸メチル、ベン
ゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベ
ンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニ
ル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスル
ホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラト
ルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フ
ェニル等が好ましく用いられ、就中、ドデシルベンゼン
スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく
使用される。
【0038】これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金
属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物より選ばれ
た前記重合触媒1モル当たり0.5〜50モルの割合
で、好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好まし
くは0.8〜5モルの割合で使用する事が出来る。
【0039】これらの触媒失活剤は直接、または適当な
溶剤に溶解又は分散させて溶融状態の芳香族ポリカーボ
ネートに添加、混練する。この様な操作を実施するのに
用いられる設備に特に制限は無いが、例えば2軸ルーダ
ー等が好ましく、触媒失活剤を溶剤に溶解又は分散させ
た場合はベント付きの2軸ルーダーが特に好ましく使用
される。
【0040】
【発明の効果】本発明によって、色相安定性、熱安定性
に優れるとともに、色相、透明性に優れた芳香族ポリカ
ーボネートを効率よく製造することができる。
【0041】
【実施例】以下実施例によって説明する。なお実施例中
の%または部は特に断らない限り重量%または重量部で
ある。なお以下の実施例において得られたポリカーボネ
ートの物性は以下のようにして測定した。
【0042】・固有粘度及び粘度平均分子量 0.7g/dlの塩化メチレン溶液をウベローデ粘度計
を用い固有粘度を測定し、次式により粘度平均分子量を
求めた。 [η]=1.23×10-40.83 ・色調(b値) ポリカーボネートペレット(短径×長径×長さ(mm)=2.
5×3.3×3.0)のLab値を日本電色工業製ND-1001DPを
用い反射法で測定し黄色度の尺度としてb値を用いた。
【0043】[実施例1]次のような反応設備を使用し
て、芳香族ポリカーボネートの溶融重縮合を実施した。
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、それ
ぞれ計量投入し加熱溶融・攪拌混合できるモノマー混合
物調製槽、初期重合槽に原料を連続的に定量供給するこ
とのできる原料ポンプ、重合触媒を調製する為の触媒調
製槽、初期重合槽に触媒溶液を定量供給できる触媒ポン
プ、初期重合槽および初期重合槽で得られたプレポリマ
ーを更に重合させ、所定重合度のポリマーを製造する為
の後期重合槽を有する重合装置を用いて、連続的に溶融
重縮合反応を実施した。
【0044】後期重合槽を出た芳香族ポリカーボネート
は、ギヤポンプによって2軸ルーダーに供給され、触媒
失活剤と触媒失活剤分散用液とをそれぞれ計量投入し攪
拌混合できる触媒失活剤調製槽、2軸ルーダーに触媒失
活剤分散液を連続的に定量供給することのできる失活剤
供給ポンプを備えた触媒失活剤設備を付設してある該2
軸ルーダーにて触媒失活剤分散液を連続的に定量供給し
た。
【0045】触媒を失活処理された芳香族ポリカーボネ
ートは、次いで、連続的にダイスより押出され、冷却バ
スでストランドとされた後、カッターによってペレット
にされた。
【0046】初期重合槽には、反応で発生するモノヒド
ロキシ化合物と原料である炭酸ジエステルとを分離する
為の還流機構を備えた精留塔を付設してあった。
【0047】初期重合槽の反応液は、ギヤポンプによっ
て、後期重合槽に連続的に供給された。
【0048】後期重合槽は、精留塔は有しておらず、ジ
ャケットが全体に付設されていた。
【0049】溶融重縮合の運転条件を次に示す。芳香族
ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールA、炭酸ジエ
ステルとしてジフェニルカーボネートを用いた。
【0050】まず、ジフェニルカーボネートとビスフェ
ノールAとをモル比でジフェニルカーボネート/ビスフ
ェノールA=1.01となるようにモノマー混合物調製
槽に供給し、攪拌混合・溶解した。
【0051】重合触媒としては、ビスフェノールAのジ
ナトリウム塩を用いた。触媒は、触媒調製槽において、
触媒濃度が30ppmとなるように、フェノール/水=
90/10重量%の混合液に溶解した。
【0052】初期重合槽へ溶融した原料混合物を連続供
給すると共に触媒溶液をビスフェノールAのジナトリウ
ム塩供給量が原料混合物中のビスフェノールA1モルに
対し1.0μ当量となるように連続供給した。
【0053】初期重合槽は250℃、30Torrに維
持し、レベル制御で反応液を連続的に後期重合槽に供給
した。後期重合槽は270℃、0.5Torrで操作し
た。
【0054】得られたポリマーは触媒を失活する為に連
続的に2軸ルーダーに供給した。触媒失活剤としては、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩を用いた。触媒失活剤は、触媒失活剤調製槽におい
て、触媒失活剤濃度が300ppmとなるように、水に
分散させ、該失活剤を重合触媒として使用したビスフェ
ノールAのジナトリウム塩に対し2当量となるように連
続供給した。
【0055】後期重合槽と2軸ルーダーとの間にあるギ
ヤポンプ出口から、2軸ルーダーで触媒失活剤が供給さ
れる位置までの間の芳香族ポリカーボネートの平均滞留
時間は2分であった。以上のような装置、運転条件にお
いて500時間の連続溶融重合を実施した。
【0056】ポリカーボネートのサンプルは、1回/日
の頻度で2軸ルーダー出口で採取し、品質評価した。結
果を表1に示す。
【0057】[比較例1]実施例1の装置において、後
期重合槽と2軸ルーダーとの間にあるギヤポンプ出口か
ら、2軸ルーダーで触媒失活剤が供給される位置までの
間の芳香族ポリカーボネートの平均滞留時間が2.2時
間あった以外は実施例1と同じ装置、運転条件で500
時間の連続溶融重合を実施した。ポリカーボネートのサ
ンプルは、1回/日の頻度で2軸ルーダー出口で採取
し、品質評価した。結果を表−1に示す。
【0058】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐脇 透 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 佐々木 勝司 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J029 AB05 AC02 AE04 AE05 BB12A BB13A BG08X BH02 DB07 DB11 HC02 HC04A HC05A JA251 JA301 JB171 JC031 JC091 JC373 JC633 JC731 JF021 JF031 JF041 KD17 KH01 KJ08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸
    ジエステルとを主として含む混合物を触媒の存在下に溶
    融重縮合して芳香族ポリカーボネートを製造するに際
    し、溶融重縮合反応終了時から2時間以内に触媒失活剤
    を添加する事を特徴とする、芳香族ポリカーボネートの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20150086328A (ko) * 2012-11-17 2015-07-27 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 방향족 폴리카보네이트 수지 조성물
KR20150086505A (ko) * 2012-11-17 2015-07-28 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 고분자량화된 방향족 폴리카보네이트 수지의 제조 방법

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KR20150086505A (ko) * 2012-11-17 2015-07-28 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 고분자량화된 방향족 폴리카보네이트 수지의 제조 방법
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