JP2024521478A - レゾルシノールとイソフタル酸及び/又はテレフタル酸とを含むオリゴエステル、対応するポリエステルカーボネート及びその調製 - Google Patents

レゾルシノールとイソフタル酸及び/又はテレフタル酸とを含むオリゴエステル、対応するポリエステルカーボネート及びその調製 Download PDF

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Abstract

本発明は、オリゴエステルを含む混合物、エステルブロックを含むポリエステルカーボネート、及び溶融エステル交換によりエステルブロックを有するポリエステルカーボネートを調製する方法に関する。

Description

本発明は、オリゴエステルを含む混合物、エステルブロックを含むポリエステルカーボネート、及びエステルブロックを有するポリエステルカーボネートを調製する方法に関する。
芳香族ポリエステルカーボネートが、機械的特性及び耐熱変形性に関して良好な特性を有することが知られている。特定のポリエステルカーボネートが、これが特に芳香族二酸及びレゾルシノールから形成されたエステルブロックを含む場合、高い耐候性を有することも知られている。
特に、イソフタル酸及び/又はテレフタル酸とレゾルシノールとから形成されたエステルブロックを含むポリエステルカーボネートが、良好な耐候性を有することが知られている。これらの材料は、これらを有害な風化の影響から、及び特にUV光からこれを保護するために塗装を何ら必要としないため、これらは特に興味深い。レゾルシノールとイソフタル酸及び/又はテレフタル酸とから形成されたエステル構造は、UV光と接触すると、いわゆる光フリース転位を開始することができる。これにより、ポリマー鎖内に組み込まれたヒドロキシベンゾフェノン構造が形成される。ヒドロキシベンゾフェノンがUV吸収特性を有することが知られている。これが良好な耐候性を説明する。この主題は、例えば、特許文献1に記載されている。これに対して、UV吸収剤の代替的使用は、UV吸収剤の大部分がバルクに蓄積するため、極めて効果が低い。特にUV光に対して保護されるべき表面でのUV吸収剤の濃度が比較的低い。当業者がより高い濃度のUV吸収剤を使用したい場合には、更なる欠点に直面する。例えば、低分子量化合物は、特に比較的高い濃度において、機械的特性を低下させる。これは望ましくない。比較的高い濃度のUV吸収剤を表面に固定するためには、高濃度のUV吸収剤を含む塗装層によってポリカーボネート等のUV感受性材料を保護するのが通例である。しかし、塗装はコストがかかりかつ持続可能性の理由から必ずしも好ましい解決手段とも限らない、追加的な工程である。特に自動車用途の分野では、材料が本質的に耐候安定性を有しかつ手間のかかる塗装を省略できる場合が有利である。
記載されたポリエステルカーボネートは、従来技術では界面プロセスによって製造される。このプロセスでは、芳香族ジオールとOH末端化エステルブロックとがホスゲンによる縮合によって組み込まれる。OH末端化エステルブロックも同様に、芳香族二酸及び芳香族ジオールから出発してホスゲンとの縮合によって溶液中で調製することができる。オリゴエステル及び対応するポリエステルカーボネートを調製するためのこのような方法は、特許文献2に記載されている。この文献には、好ましいポリマーとして、テレフタル/イソフタル酸から形成されたビスフェノールA含有エステルブロックから形成されたポリエステルカーボネートが記載されている。ここで、エステルブロックは、芳香族二酸の酸塩化物及びレゾルシノールから出発してNaOH水溶液を使用して、ジクロロメタン/水混合物中で調製される。ヒドロキシ末端化エステルブロックを含むポリエステル溶液が、ホスゲン化反応器に移される。好ましい場合には、アルカリ性ビスフェノールA溶液が投入され、反応物がホスゲンと反応される。
ポリカーボネートに関して知られている溶融エステル交換プロセスに基づくプロセスが知られており、取り扱いが難しい供給原料、例えばホスゲンを回避できるという利点を有する。さらに、これには、溶剤を消費せずに済むことが可能となるという大きな利点がある。したがって、溶融エステル交換プロセスによってポリエステルカーボネートを調製することが工業的に有利であろう。しかし、このプロセスにも課題がある。例えば、高反応性の酸塩化物を他の供給原料で置き換えるには常に困難が伴う。エステル交換プロセスは、しばしば対応する反応器内での長い滞留時間を含む。高温によって、生成物の品質に悪影響を与える分解生成物がしばしば生成される。溶融エステル交換プロセスは通常、複雑な後処理工程を必要としないため、触媒残留物を含む不純物が生成物中に残留する。これらは生成物の品質を悪化させる可能性がある。
さらに、溶融エステル交換プロセスによって調製されるポリカーボネートは、界面プロセスからの対応する生成物と比較して、ヒドロキシ末端化末端基の明らかにより高い含有量(フェノール性OH基含有量)を有することとなる。これらのフェノール性OH基は酸化プロセスによって損傷を受ける可能性があり、これは生成物の品質を悪化させる。これは特に光学特性に影響を与える。しかし、特に、高い固有の耐候性を特徴とする生成物の場合、良好な光学特性を得ることが重要である。したがって、フェノール性OH末端基含有量が低い場合が有利である。しかし、これに関して、従来技術は界面反応によるポリエステルカーボネートの調製にのみ関しているため、言及したポリエステルカーボネートに関して従来技術には何の教示もない。したがって、当業者は、低いOH末端基含有量を有するこのようなポリエステルカーボネートが溶融エステル交換プロセスによってどのように調製されるべきかを知らない。
上記の理由により、界面プロセスにおける供給原料と比較して反応物の反応性がより低いため、高い粘度又は分子量を有する上記のポリエステルカーボネートをどのように調製することができるのかも知られていない。
特許文献3には、溶融物中でのヒドロキシ末端化オリゴエステルブロックの調製が記載されている。ここで検討されているのは、溶媒を用いたプロセスで得ることができるオリゴエステルと同等のオリゴエステルのOH末端基含有量をどのように実現できるかということである。この目的のために、異なる触媒、及び操作方式(例えば、異なる温度及び減圧)の効果も同様に試験された。オリゴエステルの得られる分子量は比較的低い。ここに記載されているのはフェノキシ末端基を有するオリゴエステルであるが、特許文献3には、オリゴエステルのオリゴマーの分子量分布は何ら記載されていない。さらに、オリゴエステルはその後に界面プロセスによる縮合によって組み込まれ、ポリエステルカーボネートが得られる。したがって、この文献は、末端基及び/又はオリゴマー分布が溶融エステル交換によるポリエステルカーボネートの調製にどのような影響を与えるかについてのいかなる教示も含み得ない。
特許文献4では、オリゴエステルは溶融エステル交換プロセスによって調製され、これは高い割合のカルボキシル末端基を有することを特徴としている。これらのカルボキシル末端基は、次いで、オリゴエステルを塗装系に組み込むために利用される。しかし、遊離酸は、ポリエステルカーボネートを調製するための溶融エステル交換プロセスにおいては比較的反応性が低く、このため、これらの前駆体は、上記の溶融ベースのポリエステルカーボネートには適していない。したがって、これには溶融エステル交換プロセスにおける使用について記載はない。
特許文献1には、芳香族二酸及びレゾルシノールからのオリゴマーの調製が記載されている。特許文献1によって解決される問題は、界面プロセスによってその後ポリエステルカーボネートに変換できるOH末端化単位を提供することである。特許文献3と同様に、ここでは、オリゴマー分布、末端基比、又はオリゴエステルの溶融エステル交換へのその影響は、取り組まれていない。
米国特許出願公開第20030050400号 国際公開第0026275号 国際公開第2005021616号 国際公開第2006057810号
この従来技術から出発して、本発明によって取り組まれる問題は、従来技術の少なくとも1つの欠点を克服することであった。より詳細には、本発明によって取り組まれる問題は、溶融エステル交換プロセスによって得ることができる、イソフタル酸及び/又はテレフタル酸とレゾルシノールとをベースとするエステルブロックを含むポリエステルカーボネートを提供することであった。ここで、好ましく得られるべきものは、良好な加工性を有し、同時に最小のフェノール性OH末端基含有量を有するポリエステルカーボネートである。したがって、ポリエステルカーボネートは、好ましくは耐候安定性及び/又はさもなければ実質的に黄変安定性であり、及び/又は例えば酸化分解によるポリマー劣化の傾向を実質的に有するべきではない。ポリエステルカーボネートの調製に、取り扱いに課題のある原料、例えばホスゲンが使用されないことが同様に好ましい。
上記の問題の少なくとも1つ、好ましくは全てが本発明によって解決された。驚くべきことに、オリゴエステルが、定義された末端基含有量及び定義された割合の小オリゴマーを有する場合にのみ、加工可能なポリエステルカーボネートが溶融エステル交換プロセスを介して提供可能であることが見出された。0.5重量%以下の、フェノール性OH末端基等のOH末端基を有するオリゴエステルを含む混合物が使用され(この場合、末端基中の基は実質的に特定の芳香族基、好ましくはフェニルである)、かつ1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの割合が低い場合にのみ、高い分子量(しかし高すぎない)と同時に、十分に低いフェノール性OH末端基の含有量を有し、これにより該ポリエステルカーボネートが例えば分解に対する高い安定性を有する、ポリエステルカーボネートを、溶融エステル交換によって得ることできる。特定のポリエステルカーボネートの使用の効果は、イソフタル酸及び/又はテレフタル酸基がカーボネートブロックに高度に直接結合している新規なポリエステルカーボネートが得られることである。従来技術では、オリゴエステルは最大のOH末端基含有量で使用される。これの効果により自動的に、使用されるジオール(例えば、レゾルシノール)がこれらのオリゴエステルの末端基を形成する。これらはその後カーボネートブロックに結合し、これにより例えばカーボネート-レゾルシノール結合が生じる。これに対して、本発明によるオリゴエステルは、実質的にイソフタル酸及び/又はテレフタル酸の特定の芳香族エステルによって末端化される。これの効果は、ポリエステルカーボネートがイソフタル酸及び/又はテレフタル酸を介した新規な結合を有することである。特定のオリゴエステルの提供によって、溶融エステル交換によりオリゴカーボネート及びオリゴエステルブロックからポリエステルカーボネートを得ることができたのであり、これは上記の求められる目的に関して良好な特性を有する。
したがって、本発明は、式(1)のオリゴエステルを含む混合物であって、
Figure 2024521478000002
式中、
各Rは独立に水素原子、ハロゲン又は炭素数1~4を有するアルキル基であり、
各qは独立に0又は1であり、
q=1の場合:各Zは独立に-H又は式(2a)の芳香族基であり、
Figure 2024521478000003
式中、R’は水素又は-COOCHであり、「*」は式(2a)が式(1)中の酸素原子と結合する位置を示し、
q=0の場合:各Zは独立に式(2)の芳香族基であり、
Figure 2024521478000004
式中、Rは水素又は-COOCHであり、「*」は式(2)が式(1)中の酸素原子と結合する位置を示し、
pは繰り返し単位の数を示す、
混合物において、
混合物に対するZ基の0.5重量%以下が水素であること、及び、混合物中の1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーのパーセンテージが12%未満、好ましくは10%未満であり、ここで、オリゴマーのパーセンテージが、1000g/mol未満の範囲内の屈折率シグナル(ゲル浸透クロマトグラフィーからの)に対する混合物の分子量分布曲線の下の面積と、分子量分布曲線の下の総面積との比によって決定され、ここで、ゲル浸透クロマトグラフィーはビスフェノールAポリカーボネート標準を用いてジクロロメタン中で行われること、
を特徴とする、混合物を提供する。
本発明によれば、「式(1)のオリゴエステルを含む混合物」という表現は、この混合物が式(1)のオリゴエステルから実質的になるというように理解されるべきである。これは、好ましくは、混合物の少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%が、式(1)のオリゴエステルからなることを意味する。しかし、調製の結果として、混合物には、式(1)を有するが、式中、少なくとも1つのqが0であり、この場合q=0であるオリゴエステルのこの鎖末端におけるZが水素であるオリゴエステルも一定割合含まれることを排除することはできない。この場合、R及びpは上記の定義を有する。これは、オリゴエステルが、少なくとも1つの側においてイソフタル酸/テレフタル酸によって末端化されていることを意味する(末端基として-COOH)。
式(1)のオリゴエステルであって、式中、少なくとも1つのqが0であり、この場合q=0であるオリゴエステルのこの鎖末端におけるZが水素である、オリゴエステルが、本発明による混合物中に存在する場合、これらのOH末端基(-COOH末端基)は、本発明による混合物中のOH末端基(式(1)中のZを介する)の定義された重量パーセンテージには含まれない。好ましくは、本発明による混合物中の-COOH末端基の割合(式(1)において、少なくとも1つのqが0であり、q=0であるオリゴエステルの鎖末端におけるZが水素である場合を介する)は、混合物の総重量に対して10重量%以下、より好ましくは8重量%以下、更により好ましくは5重量%以下、最も好ましくは2重量%以下である。当業者は、これらの-COOH末端基をどのように決定できるかを知っている。特に、C13 NMR測定により、酸末端基の一部である炭素原子を決定することができる。この目的のためには、重水素化DMSOが特に適切な溶媒である。酸末端基の一部である炭素原子は、通常160ppm~170ppm、特に163ppm~169ppmの範囲内にあるべきである。本発明によれば、式中、少なくとも1つのqが0であり、かつq=0であるオリゴエステルの鎖末端におけるZが水素である式(1)の、本発明による混合物中の含有量が低いことが好ましい。
本発明によれば、混合物は、混合物の総重量に対して、合計で0.5重量%以下、好ましくは0.45重量%以下、より好ましくは0.4重量%以下、最も好ましくは0.35重量%以下のOH末端基を含む(好ましくはH NMRにより検出される)ことが好ましい。
好ましくは、式(1)中のRは水素である。これは、Rによって置換される環が好ましくはレゾルシノールに由来することを意味する。
好ましくは、式(2)中のRは水素である。これは、式(1)と組み合わせて、式(2)中にRが存在する基が、好ましくはイソフタル酸及び/又はテレフタル酸フェニルであることを意味する。
同様に好ましくは、式(2a)中のR’は水素である。これは、式(1)と組み合わせて、式(2a)中でR’が存在する基が、好ましくはレゾルシノールフェニルカーボネートであることを意味する。
特に好ましくは、式(1)中のRは水素であり、式(2)中のRは水素であり、式(2a)中のR’は水素である。
式(1)中のpは、オリゴエステルの繰り返し単位の数を示す。pは、好ましくは少なくとも4の平均値を有する。より好ましくは、式(1)中のpは、少なくとも4かつ最大でも30、より好ましくは少なくとも5かつ最大でも27、最も好ましくは少なくとも5かつ最大でも24の平均値を有する。オリゴエステルの混合物は、1300g/mol~6000g/mol、より好ましくは1400g/mol~5500g/mol、最も好ましくは1500g/mol~5000g/molの範囲の数平均モル質量を有することが特に好ましい。このMは、好ましくは、標準としてビスフェノールAポリカーボネートを用いてジクロロメタン中でのゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される。本発明による、使用されるオリゴエステル又はポリエステルカーボネートについての分子量Mw(重量平均)及びMn(数平均)は、特に明記しない限り、サイズ排除クロマトグラフィー(ゲル浸透クロマトグラフィー、GPC;BPAポリカーボネート校正を使用したDIN55672-1:2007-08に従う)によって決定した。校正は、既知のモル質量分布の直鎖ポリカーボネート(例えば、PSS Polymer Standards Service GmbH社(ドイツ国)から)を用いて行った。これは、Currenta GmbH & Co. OHG社、レバークーゼンからの方法2301-0257502-09D(ドイツ語の2009年から)を利用して行った。ジクロロメタンを溶離液として使用した。カラムの組合せは、架橋スチレン-ジビニルベンゼン樹脂からなっていた。GPCは、ポリマー、特に、2000g/mol~100000g/molの重量平均モル質量Mを有する芳香族ポリカーボネートのモル質量を十分に分離できるように選択される、サイズ排除クロマトグラフィー用の1つ以上の直列接続された市販のGPCカラムを含むことができる。分析カラムは典型的には、7.5mmの直径及び300mmの長さを有する。カラム材料の粒子サイズは3μm~20μmの範囲である。
本発明による混合物は、式(1)中のRが水素であり、混合物に対するZ基の0.4重量%以下が水素であり、1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーのパーセンテージが10%未満であることを特徴とすることが好ましい。
本発明による混合物は、混合物全体に対して、0.5重量%以下、好ましくは0.45重量%以下、より好ましくは0.4重量%以下、最も好ましくは0.35重量%以下の、OH末端基を有する(式(1)中のZが水素であることを意味する)。このOH末端基含有量は、当業者に知られている方法で決定することができる。OH末端基含有量は、好ましくはH NMRによって決定される。これは、例えば、ジクロロメタン中で内部標準としてテトラメチルシロキサンを用いて行うことができる。この目的のために、OH基のシグナルの下の面積(これは通常5.3ppm~5.6ppmにある)を、オリゴマーの他のシグナルの面積に対して表すことができる。
驚くべきことに、本発明による混合物のOH末端基含有量が混合物全体に対して0.5%超である場合、このオリゴエステルの混合物が高い反応性を有し、これにより溶融エステル交換によって、もはや加工不可能な相対溶液粘度(すなわち、通常1.35のエータrelの上)を有するポリエステルカーボネートが得られることが見出された。すなわち、得られるものは、例えば射出成形によって成形品を得るために、加工に常に困難性を伴うポリエステルカーボネートである。同時に、このようにして得られるこれらのポリエステルカーボネートの多くは、フェノール性OH含有量も有する。これは、通常、温度及び/又は光によって劣化しやすい不安的なポリマーにつながる。これに対して、本発明による混合物のOH末端基含有量が混合物全体に対して0.5重量%以下である場合、その分子量(エータrelとして測定)と、その得られるフェノール性OH末端基含有量とを考慮して、良好な加工性(例えば射出成形による)を有するだけでなく、分解に対して非常に安定でもあるポリエステルカーボネートを得ることができる。
本発明によれば、式(1)に対して、Zが式(2a)及び/又は式(2)に一致する末端基と、Zが水素である末端基(そしてこの末端基においてq=1)との比が、10:1~2:1、より好ましくは9:1~3:1、最も好ましくは8:1~4:1であることが好ましい。この末端基の比は、当業者に知られている方法で決定することができる。特に、この比は、H NMRによって、好ましくは少なくとも700MHzで、決定することができる。これは、例えば、ジクロロメタン中で内部標準としてテトラメチルシロキサンを用いて行うことができる。この目的のために、OH基のシグナルの下の面積(これは通常5.3ppm~5.6ppmにある)を、オリゴマーの他のシグナルの面積に対して表すことができる。ピークの重なり及び本発明によるオリゴエステルを形成するモノマーの選択に応じて、例えば、レゾルシノール末端基(3プロトン)に対応すべき6.6ppm~6.8ppmのピークの面積に対する、フェニル末端基(2プロトン)に対応すべき約7.4ppmにおけるピークの面積を表すことも可能である。
同様に、驚くべきことに、溶融エステル交換によりポリエステルカーボネートの分子量を十分に増加させるためには、本発明による混合物中の1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの割合が、12%未満、好ましくは11%未満、より好ましくは10%未満でなければならないことが見出された。割合が12%超である場合、オリゴエステルの混合物は、分子量の十分な増加が得られるほど十分な反応性を有さないであろう。これは、得られるポリエステルカーボネートが、加工性、機械的特性及び光学的特性に関する所望の特性を有しないであろうことを意味する。本発明によれば、1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの割合は、1000g/mol未満の範囲内の屈折率シグナル(ゲル浸透クロマトグラフィーからの)に対する混合物の分子量分布曲線の下の面積と、その分子量分布曲線の下の総面積との比によって決定される。ここで、ゲル浸透クロマトグラフィーは、ビスフェノールAポリカーボネート標準を用いてジクロロメタン中で実施される(上記のゲル浸透クロマトグラフィーの正確な説明も参照)。屈折率シグナルの曲線対分子量は、当業者に知られている方法、特にGPCソフトウェアによって積分することができる。1000g/mol未満の曲線の下の面積は、ここでは、総面積に対して表される。オリゴエステルの混合物のMnが、1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの量に影響を与えることは明らかであろう。これは、第1に、オリゴエステルのMn値が低い場合、1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの割合が12%未満となる分子量分布の比較的狭い分布が存在するであろうことを意味する。しかし、第2に、これは好ましくは、オリゴエステルが比較的高いMnを有し、したがって1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの割合が12%未満であることも意味し得る。
上記の全ての好ましいもの及び好ましいものの組合せにおける式(1)のオリゴエステルを含む本発明による混合物は、
(i)少なくともイソフタル酸及び/又はテレフタル酸が、式(3)のジオール及び式(4)の少なくとも1種のジアリールカーボネートと混合され、
Figure 2024521478000005
式中、Rは水素原子、ハロゲン又は炭素数1~4を有するアルキル基、好ましくは水素であり、
Figure 2024521478000006
式中、Rは、各場合において独立に、水素であるか、又は-COOCH、好ましくは水素であり、
(ii)工程(i)からのこの混合物が少なくとも1種の触媒の存在下で加熱され、
(iii)オリゴエステルを含む混合物を得るために、工程(ii)からの混合物に減圧が適用される、
プロセスを介して製造されることが好ましい。
任意選択で、本発明によるこのプロセスは、工程(iii)から得られた、オリゴエステルを含む混合物が沈殿される工程(iv)によって補足することもできる。この目的のために、混合物は好ましくはジクロロメタン中に溶解される。同様に好ましくは、次いで、それを非溶媒、例えばメタノール中で沈殿させることができる。続いてオリゴエステルを含む沈殿した混合物を非溶媒から分離し、任意選択で乾燥させた後、オリゴエステルを含む本発明による混合物が得られる。工程(iv)は、混合物中の1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの割合が12%超である場合に使用することができる。沈殿の効果は、低分子量を有するオリゴマーが溶液中に残留することである。したがって、混合物中の1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの割合を低減することができる。
同様に任意選択で、本発明によるプロセスは、工程(iv)に加えて、工程(iii)から又は工程(iv)から得られた、オリゴエステルを含む混合物が、二酸ジフェニルエステル、好ましくはイソフタル酸ジフェニル及び/又はテレフタル酸ジフェニルと反応される更なる工程(v)を任意選択で含むことができる。混合物に対して、工程(iii)又は工程(iv)から得られる、オリゴエステルを含む混合物のOH末端基含有量が0.5重量%超である場合に、プロセス工程(v)が特に利用可能である。二酸ジフェニルエステルとの付加的な反応により、少なくとも一部のOH末端基をフェノキシ末端基に変換することができる(すなわち、式(1)中のZがフェニルである)。このようにして、オリゴエステルを含む混合物のOH末端基含有量を低減することができる。当業者であれば、OH末端基含有量を低減するための代替的工程(v)をも認識するであろう。しかし、記載される末端基の導入は、ポリエステルカーボネートを与えるその後の溶融エステル交換プロセスにおける反応性につながるため、記載される工程(v)が特に好ましい。
しかし、本発明によれば、工程(iii)の後であっても、適切なパラメータの選択、及びさらに特に工程(ii)における適切な触媒の選択によって、OH末端基含有量及び1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの割合についての、本発明によって要求される特徴を直接満たすオリゴエステルを含む混合物が得られることも同様に可能である。したがって、この場合、工程(iv)も工程(v)も必要ではない。
例えば、工程(i)において、好ましくはイソフタル酸及び/又はテレフタル酸と式(3)のジオールとの比により、オリゴエステルを含む混合物中の得られる末端基の比に直接影響を与えることができる。イソフタル酸及び/又はテレフタル酸と式(3)のジオールとの比は、好ましくは1.00~1.15、より好ましくは1.03~1.13、最も好ましくは1.04~1.12である。比が1.00未満の場合には、高い割合の、1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーが形成されることが見出された。既に記載したように、これらは工程(iv)によって混合物から除去することができる。しかし、したがって、この比は1.00の上であることが好ましい。逆に、過剰に高い比は、非常に高いOH末端基の末端化につながる。ここでも、これが工程(v)によって低減できることは既に記載されている。それにもかかわらず、したがって、この比は1.15以下であることが好ましい。
好ましくは、イソフタル酸及びテレフタル酸の両方がプロセス工程(i)で使用される。両方の二酸が使用される場合、イソフタル酸とテレフタル酸との比が0.25~4.0:1、より好ましくは0.4~2.5:1、最も好ましくは0.67~1.5:1であることが更に好ましい。式(3)のジオールがレゾルシノールであることが同様に好ましい。式(4)のジアリールカーボネートがジフェニルカーボネートであることが同様にかつ好ましくは同時に好ましい。
1:2~2.5、更に好ましくは1.0:2.01~2.25、最も好ましくは1.0:2.05の、イソフタル酸及び/又はテレフタル酸と式(4)のジアリールカーボネートとの比を使用することが特に好ましい。
プロセス工程(ii)において、プロセス工程(i)からの混合物は、少なくとも1種の触媒の存在下で加熱される。好ましくは、このプロセス工程(ii)では、プロセス工程(i)からの個々の成分が溶融される。しかし、特にテレフタル酸は、所与の条件下で少なくとも開始時点では溶解しない。しかし、これはプロセス工程(ii)の過程で変えることができる。プロセス工程(ii)で、通常二酸化炭素が放出される。この手順により、低い熱負荷(thermal stress)で迅速な反応が可能になる。プロセス工程(ii)は、好ましくは保護ガス雰囲気下、好ましくは窒素及び/又はアルゴン下で行われる。工程(ii)は、好ましくは溶媒の非存在下で行われる。この文脈における「溶媒」という用語は、当業者には知られている。本発明によれば、「溶媒」という用語は、プロセス工程(i)、(ii)及び/又は(iii)のいずれにおいても化学反応を開始しない化合物を意味すると好ましくは理解される。これにより、反応によって形成されるような化合物(例えば、使用されるジアリールカーボネートがジフェニルカーボネートである場合のフェノール)は除外される。勿論、出発化合物中の微量の溶媒の存在を排除することはできない。この起こりうる事態は、好ましくは本発明によって包含される。しかし、本発明によれば、そのような溶媒を添加する積極的な工程は回避されることが好ましい。
プロセス工程(ii)における加熱は、180℃~300℃、好ましくは190℃~270℃、特に好ましくは195℃~250℃の温度で好ましくは行われる。これらの温度条件下では、ジアリールカーボネートの対応するアリールアルコール、好ましくはフェノールが留去されることができる。プロセス工程(ii)は、好ましくは標準圧力下で行われる。ここでは、ガスの発生が実質的に止まるまで標準圧力下で撹拌することが好ましい。代替で、観察された反応性に応じて、温度を段階的に200℃~300℃、好ましくは210℃~260℃、特に好ましくは215℃~240℃まで上昇させることもできる。反応性は、当業者に知られている方法で、ガスの発生から推定することができる。この工程では原理的により高い温度も可能であるが、より高い温度では副反応(変色等)が発生する可能性がある。したがって、より高い温度ほどより好ましくない。
プロセス工程(ii)で使用される少なくとも1種の触媒が、オリゴエステルを含む本発明による混合物のオリゴマー分布に影響を与えることができることが見出された。プロセス工程(ii)において、アルカリ金属イオン、好ましくはナトリウムイオンを含有する触媒を使用することが(も)可能である。しかし、アルカリ金属イオンは本発明による混合物中に残留する。これは、その後、溶融エステル交換によって凝縮されることになる。しかし、アルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンは溶融エステル交換を触媒することができるため、混合物中に残留するナトリウムの量は正確に知られ、かつ必要に応じて決定されるべきである。したがって、プロセス工程(ii)においてアルカリ金属イオンを含む触媒を使用しない場合が有利である。
少なくとも1種の触媒は、より好ましくは有機塩基、好ましくはアルキルアミン、イミダゾール(誘導体)、トリアザビシクロデセン等のグアニジン塩基、DMAP及び対応する誘導体、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)及びジアザビシクロウンデセン(DBU)、最も好ましくはDMAPである。これらの触媒は、これらが本発明によるプロセス工程(iii)において適用される減圧によって除去できるという特定の利点をもたらす。これは、得られる、オリゴエステルを含む混合物が触媒を少ない含有量しか含まない又は全く含まないことさえあることを意味する。これは、オリゴエステルの混合物中に、例えばホスゲンが使用される経路によっては常に得られる無機塩が存在せず、したがってその後のポリエステルカーボネートにおいても同様であるという特定の利点をもたらす。このような塩は、対応する分解の場合にイオンが触媒的に作用することができるため、ポリエステルカーボネートの安定性に悪影響を及ぼす可能性があることが知られている。
少なくとも1種の有機塩基、例えばアルキルアミン、イミダゾール(誘導体)、トリアザビシクロデセン等のグアニジン塩基、DMAP及び対応する誘導体、DBN又はDBUの、式(VIII)のホスホニウム触媒(更に下記を参照)と一緒にした混合物を使用することが好ましい。プロセス工程(ii)で使用される触媒は、最も好ましくは4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)及びテトラブチルホスホニウムアセテートの混合物である。
少なくとも1種の触媒は、イソフタル酸及び/又はテレフタル酸の、式(3)のジオールの、及び、式(4)のジアリールカーボネートの質量の総計に対して、1ppm~5000ppm、好ましくは5ppm~1000ppm、より好ましくは20ppm~500ppmの量で好ましくは使用される。反応において2種以上の触媒が使用される場合、これらの触媒は、1ppm~5000ppm、好ましくは5ppm~1000ppm、より好ましくは300ppm~700ppmの量で好ましくは使用される。
プロセス工程(iii)では、プロセス工程(ii)から得られた混合物に減圧が適用される。その結果、使用されるジアリールカーボネートの対応するアリールアルコール、好ましくはフェノールが留去され、反応の平衡はオリゴエステルの方に動く。アリールアルコールは縮合反応により脱離した化学化合物である。
「縮合」という用語は当業者には知られている。これは、化学的に単純な物質の1つの分子の脱離を伴う、(同じ物質又は異なる物質の)2つの分子が結合して1つのより大きな分子を形成する反応を意味すると好ましくは理解される。縮合中に脱離したこの化合物は、プロセス工程(iii)において減圧によって除去される。したがって、本発明によるプロセスは、プロセス工程(iii)中に、プロセス工程(ii)で形成されたオリゴエステルの混合物の沸点未満の沸点を有する揮発性成分が、任意選択で圧力の段階的低下を用いて、除去されることを特徴とすることが好ましい。異なる揮発性成分が除去される場合に、段階的な除去が好ましく選択される。揮発性成分(複数の場合もある)ができるだけ完全に除去されることを確実にするために、段階的除去が同様に好ましく選択される。揮発性成分は、縮合中に脱離する化学化合物(複数の場合もある)、好ましくはフェノールである。
凝縮において脱離する化学化合物の連続的な除去を確実にするために、圧力は、例えば、オーバーヘッド温度が降下したらすぐに圧力を下げることにより、段階的に低下させることができる。
縮合生成物は、好ましくは、200℃~280℃、より好ましくは210℃~270℃、特に好ましくは220℃~265℃の温度でプロセス工程(iii)において除去される。さらに、除去過程における減圧は、好ましくは500mbar~0.01mbarである。除去が減圧により段階的に行われることが特に好ましい。最終段階における真空度は、最も好ましくは10mbar~0.01mbarである。
本発明の第1の態様において、(A)式(I)のエステル基
Figure 2024521478000007
(式中、Rは、各場合において独立に、水素原子、ハロゲン、又は炭素数1~4を有するアルキル基、好ましくは水素であり、nは少なくとも4、好ましくは4~30、より好ましくは5~27、最も好ましくは5~24であり、「*」はエステル基がポリエステルカーボネートに組み込まれる位置を示す)、
(B)式(II)のカーボネート基
Figure 2024521478000008
(式中、Yは、各場合において独立に、式(III)、(IV)、(V)又は(VI)の構造であり、
Figure 2024521478000009
式中、
R6及びR7は、各々独立に、水素、C~C18アルキル、C~C18アルコキシ、ハロゲン、又は各場合において任意選択で置換されるアリール又はアラルキル、好ましくは水素であり、
Xは単結合、-CO-、-O-、-S-、C~Cアルキレン、C~Cアルキリデン、C~C10シクロアルキリデン、又は任意選択でヘテロ原子を含む更なる芳香環と縮合されてよいC~C12アリーレン、好ましくは単結合、C~Cアルキリデン、C~C10シクロアルキリデン、より好ましくはイソプロピリデンであり、
Figure 2024521478000010
これらの式(IV)~(VI)において、Rは、各場合において、C~Cアルキル、アラルキル又はアリール、好ましくはメチル又はフェニル、最も好ましくはメチルであり、
「*」は、各場合において式(III)、(IV)、(V)又は(VI)が式(II)のカーボネート基に結合する位置を示し、
mは少なくとも5、好ましくは8~300、より好ましくは10~250、最も好ましくは50~200であり、「*」は、それぞれカーボネート基がポリエステルカーボネートに組み込まれる位置を示す)、
を含む、ポリエステルカーボネートにおいて、
エステル基(A)の少なくとも一部が式(VII)を介してカーボネート基(B)の少なくとも一部に直接結合しており、
Figure 2024521478000011
式中、Yは(B)に関する上記定義を有し、(A)はエステル基(A)への結合を表し、(B)はカーボネート基(B)への結合を表し、
ポリエステルカーボネートは、0ppm超~500ppm以下の範囲のフェノール性OH基含有量を有し、
ポリエステルカーボネートは、少なくとも1.255~最大でも1.35の相対溶液粘度を有する、
ことを特徴とする、ポリエステルカーボネートが提供される。
式(VII)の構造の存在は、NMRによって決定することができる。これは、例えば、イソフタル酸及び/又はテレフタル酸単位に対するビスフェノール単位の直接結合によって示される。この結合はエステル結合である。この結合の存在は、式(VIIa)中の矢印で特定されるカルボニル炭素原子の化学シフトを決定することにより、13C NMR分光法により決定することができる。
Figure 2024521478000012
実験項では、13C NMRにおいて式(VIIa)中の矢印で特定される炭素の位置を発見/校正するために、ビスフェノールA及びイソフタル酸/テレフタル酸から形成されるモデル化合物の合成を例として説明する。
エステル基(A)及び(B)を含む、界面プロセスによって製造されるポリエステルカーボネートは、構造式(VII)を有さない(図1参照)。このような反応では、OH末端化オリゴエステルが、ビスフェノール(通常ビスフェノールA)、又は、ホスゲンとの反応によりカーボネートを与える対応するオリゴカーボネートと反応する。これは、例えば、カーボネート基を介してBPA単位に直接結合したレゾルシノール単位が常に存在することを意味する。
エステル基(A)及びカーボネート基(B)がそれぞれポリエステルカーボネート中で繰り返し生じ得ることは、当業者には明らかであろう。同様に、n及びm、並びにエステル基(A)及び/又はカーボネート基(B)の数は、ポリエステルカーボネートの対応する溶液粘度が得られるように選択されなければならないことは明らかであろう。ここで、本発明によるポリエステルカーボネートは、エステル基(A)の及びカーボネート基(B)の総重量に対する、5重量%~90重量%、より好ましくは8重量%~30重量%、最も好ましくは9重量%~25重量%のエステル基(A)の比を有することが好ましい。本発明によるポリエステルカーボネートは、少なくとも80重量%程度、より好ましくは少なくとも90重量%程度、最も好ましくは少なくとも95重量%程度の式(I)及び(II)の単位からなることが同様に好ましい。
本発明によるポリエステルカーボネートは、少なくとも1.26~最大でも1.34の相対溶液粘度を有することを特徴とすることが好ましい。既に上記に記載したように、この相対溶液粘度によって、例えば射出成形によるポリエステルカーボネートの良好な加工性が確実とされる。この相対溶液粘度により、同様に、自動車の外装等の関心のある使用分野のための良好な機械的特性を示すことができる。ポリエステルカーボネートは高い安定性を有し、耐候性に対して本質的に安定である。
本発明によれば、相対溶液粘度(ηrel;エータrelともいう)は、好ましくは、ウベローデ粘度計を用いて、ジクロロメタン中で5g/lの濃度、25℃で決定される。当業者は、ウベローデ粘度計による相対溶液粘度の決定に精通している。本発明によれば、これは好ましくはDIN51562-3;1985-05に従って実行される。これは、次いでポリマー溶液とその溶媒との間の粘度の差を決定するために、ウベローデ粘度計を通る分析されるべきポリエステルカーボネートのフロー時間を測定することを含む。この目的のために、ウベローデ粘度計は最初に純粋な溶媒であるジクロロメタン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンを分析することによって校正される(常に少なくとも3回かつ最大でも9回の測定を実行する)。これに、溶媒であるジクロロメタンを使用した適切な校正が続く。次にポリマーサンプルを計量し、ジクロロメタン中に溶解し、次にこの溶液についてフロー時間を3回決定する。フロー時間についての平均値をハーゲンバッハ補正によって補正し、相対溶液粘度を計算する。
本発明によるポリエステルカーボネートは、50ppm超400ppm以下、より好ましくは80ppm超350ppm以下の範囲のフェノール性OH基含有量を有することが同様に好ましい。このフェノール性OH基含有量は、好ましくは赤外分光法によって決定される。本発明による混合物のOH末端基に関して上記したように、H NMRによってそれを決定することもできる。しかし、ここで、シグナルが重なる可能性がある。したがって、フェノール性OH基含有量は、赤外分光法により決定することが好ましい。この目的のために、ポリエステルカーボネートは、好ましくはジクロロメタン(2g/50ml)中に溶解され、3583cm-1の波数におけるバンドを評価することによって決定される。この目的のために必要な赤外線装置の校正は、当業者に知られている。
本発明によれば、式(I)中のRが水素であることが好ましい。同様に、式(II)中のYが式(III)の構造であることが好ましい。
さらに、式(III)中のR6及びR7が各々独立に水素又はC~C12アルキル、より好ましくは水素又はC~Cアルキル、最も好ましくは水素又はメチルであることが好ましい。
4’-ジヒドロキシジフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ジメチルビスフェノールA、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,1-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン及び1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンからなる群から選択されるジフェノールを介して、より好ましくはビスフェノールAを介して、Yがカーボネート基(B)に導入されることが非常に特に好ましい。
本発明によるポリエステルカーボネートは、そのまま加工してあらゆる種類の成形品を得ることができる。それは他の熱可塑性プラスチック及び/又はポリマー添加剤と共に加工して、熱可塑性成形コンパウンドを得ることもできる。本発明によって成形コンパウンド及び成形品が更に提供される。ポリマー添加剤は、難燃剤、垂れ防止剤(anti-drip agents)、難燃相乗剤、発煙防止剤(smoke inhibitors)、潤滑剤及び離型剤、核剤、帯電防止剤、導電性添加剤、安定剤(例えば、加水分解、熱老化及びUV安定剤、並びにエステル交換阻害剤)、流動促進剤、相相溶化剤(phase compatibilizers)、染料及び顔料、耐衝撃性改良剤、並びに充填剤及び強化剤からなる群から好ましくは選択される。
熱可塑性成形コンパウンドは、知られた方法で、例えば、ポリエステルカーボネートと更なる成分とを混合し、これらを、好ましくは200℃~320℃の温度で、例えば内部混練機、押出機、二軸スクリューシステム等の従来の装置内で溶融コンパウンド化し、溶融押出することにより製造することができる。本願の文脈において、このプロセスを通常コンパウンド化という。したがって、「成形コンパウンド」という用語は、組成物の成分を溶融コンパウンド化し、溶融押出したときに得られる生成物を意味すると理解される。
本発明によるポリエステルカーボネートから、又は該ポリエステルカーボネートを含む熱可塑性成形コンパウンドから形成される成形品は、例えば、射出成形、押出及びブロー成形プロセスによって製造することができる。加工の更なる形態は、従前に製造されたシート又はフィルムからの熱成形による成形体の製造である。
本発明の更なる態様においては、オリゴエステルを含む本発明による混合物が、溶融エステル交換によってオリゴカーボネートの混合物と反応されることを特徴とする、本発明によるポリエステルカーボネートを製造する方法が提供される。
溶融エステル交換のプロセスはそれ自体当業者に知られている。ここでは、例えば、Schnell, "Chemistry and Physics of Polycarbonates", Polymer Reviews, Volume 9, Interscience Publishers, New York, London, Sydney 1964を参照することができる。特に、これは、溶媒及び/又はホスゲンなしに実施できるプロセスである。この目的のために、オリゴエステルを含む混合物、及び更にオリゴカーボネートの混合物を溶融する必要がある。この目的に適した温度は、通常280℃~400℃、好ましくは300℃~390℃、より好ましくは305℃~350℃、更に好ましくは310℃~340℃である。しかし、本発明によれば、320℃未満、好ましくは280℃超~315℃の温度が、ポリエステルカーボネートへのオリゴエステルブロックの組み込みに関して有利であることが見出された。これは、本発明によって定義される範囲内の高いOH末端基含有量を有する、オリゴエステルを含む混合物が使用される場合に特に当てはまる。
同時に、反応平衡をポリエステルカーボネート側の方に動かすために減圧が適用される。この目的のために使用される圧力は、好ましくは0.001mbar~50mbar、より好ましくは0.005mbar~40mbar、更により好ましくは0.02mbar~30mbar、更に好ましくは0.03mbar~5mbarである。
ここで、オリゴカーボネートの混合物は、250ppm~2500ppm、好ましくは500ppm~2400ppm、特に好ましくは1000ppm~2300ppmのフェノール性OH基含有量を有することが好ましい。フェノール性OH基含有量の決定については、既に上記されている。
オリゴカーボネートの混合物は、1.08~1.22、好ましくは1.11~1.22、好ましくは1.13~1.20の相対溶液粘度を有することが同様に好ましい。相対溶液粘度の決定についても既に上記されている。
当業者は、本発明によるポリエステルカーボネートのカーボネート基(B)が得られるように、オリゴカーボネートの化学的性質を選択することができるであろう。ビスフェノールAベースのオリゴカーボネートが特に好ましい。
本発明による方法は、好ましくは触媒の非存在下で行われる。これには、触媒が、得られたポリエステルカーボネートから除去される必要がなく、その中に残留しないという利点がある。触媒によれば、これはポリエステルカーボネートの安定性に影響を与える可能性がある。本発明による方法は、触媒の存在下、特に好ましくは塩基性触媒の存在下で行うこともできる。
適切な触媒としては、全ての無機又は有機の塩基性化合物、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム及びマグネシウムの水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、フェノキシド、ジフェノキシド、フッ化物、酢酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩及びホウ酸塩、窒素塩基及び亜リン酸塩基、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムフルオリド、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムフルオリド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、ジメチルジフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、セチルトリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、セチルトリメチルアンモニウムフェノキシド、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)又はグアニジン系、例えば1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-フェニル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7,7’-ヘキシリデンジ-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7,7’-デシリデンジ-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7,7’-ドデシリデンジ-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、又はホスファゼン、例えばホスファゼン塩基P1-t-oct=tert-オクチルイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン、ホスファゼン塩基P1-t-ブチル=tert-ブチルイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン、及びBEMP=2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチルペルヒドロ-1,3,2-ジアザ-2-ホスホランが挙げられる。
式(VIII)のホスホニウム触媒が特に適している:
Figure 2024521478000013
式中、Ra、Rb、Rc及びRdは、同一の又は異なるC~C10アルキル、C~C14アリール、C~C15アリールアルキル又はC~Cシクロアルキル、好ましくはメチル又はC~C14アリール、特に好ましくはメチル又はフェニルであってよく、Xは、水酸化物、硫酸塩、硫酸水素塩、炭酸水素塩、炭酸塩又はハロゲン化物等のアニオン、好ましくは塩化物、又は式-ORのアルコキシド又はアロキシドであってよく、式中、RはC~C14アリール、C~C15アリールアルキル又はC~Cシクロアルキル、好ましくはフェニルであってよい。
特に好ましい触媒は、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド及びテトラフェニルホスホニウムフェノキシドであり、テトラフェニルホスホニウムフェノキシドが非常に特に好ましい。テトラブチルホスホニウムアセテートが同様に好ましい。
これらの触媒は、1molのオリゴエステル混合物に対して10-2mol~10-8molの量で好ましくは使用される。助触媒として使用されるアルカリ塩の量は、1ppb~500ppb、好ましくは5ppb~300ppb、特に好ましくは5ppb~200ppbの範囲であることができる。
本発明の更なる態様においては、開示された全ての組合せ及び好ましい形態における、本発明による上記の方法によって得られるポリエステルカーボネートが提供される。
界面プロセスによって調製された、イソフタル酸/テレフタル酸-レゾルシノールエステルブロック及びBPAを含む市販製品の13C NMRスペクトルからの詳細を示す図である。
使用した材料:
テレフタル酸:合成用、CAS100-21-0、Bernd Kraft、ドュイスブルク
イソフタル酸:99%、CAS121-91-5、Sigma-Aldrich
レゾルシノール:99%、CAS108-46-3、ABCR
ジフェニルカーボネート:ジフェニルカーボネート、99.5%、CAS102-09-0;Acros Organics、ヘール、ベルギー国、DPCと略
4-ジメチルアミノピリジン:4-ジメチルアミノピリジン;≧98.0%;純粋;CAS1122-58-3;Sigma-Aldrich、ミュンヘン、ドイツ国、DMAPと略
テトラブチルホスホニウムアセテート:CAS-34430-94-9、Angewandte Chemie, International Edition, Vol. 48, Issue: 40, 7398-7401; 2009に従って調製
安息香酸ナトリウム:≧99%、CAS532-32-1、Sigma-Aldrich
オリゴカーボネート:ポリエステルカーボネートの調製のために使用した出発物質は、フェニル末端基及びフェノール性OH末端基を含み、1.17の相対溶液粘度を有する直鎖ビスフェノールAオリゴカーボネートであった。このオリゴカーボネートは、UV安定剤、離型剤又は熱安定剤等のいかなる添加剤も含まない。オリゴカーボネートは、国際公開第02085967号に記載されているような溶融エステル交換法によって調製し、第1の横型反応器からの出口で直ちに除去した。オリゴカーボネートは、0.16重量%のフェノール性末端基含有量を有する。
分析方法:
溶液粘度:
溶液粘度の決定:相対溶液粘度(ηrel;エータrelともいう)を、ウベローデ粘度計を用いて、25℃、5g/lの濃度のジクロロメタン中で決定した。
GPC:
分子量を、溶離液としてジクロロメタンを用いたゲル浸透クロマトグラフィーによって決定した。使用した標準はBPAポリカーボネートであった。屈折率検出器からのシグナルを使用した。対応する方法は、Currenta GmbH & Co. OHG社においてNo.2301-0257502-09Dで定義されており、Currenta社にいつでも求めることができる。
オリゴマー含有量も同様にGPCにより決定した。これは、屈折率シグナル(RID)を使用して行った。オリゴマー範囲は、1000g/mol未満の分子量分布の範囲として定義した。1000g/mol未満の範囲を、分布曲線の総面積との比較による積分によって面積パーセンテージとして評価した。
フェノール性OH末端基含有量の決定:
赤外分光法による:ジクロロメタン(2g/50ml;1mm石英キュベット)中に溶解したポリエステルカーボネートを、Thermo Fisher Scientific社からのNicolet iS10 FT赤外分光計において分析した。フェノール性OH末端基含有量を、波数3583cm-1におけるバンドを評価することによって決定した。H NMR分光法による:測定は、内部標準としてテトラメチルシロキサンを用いてジクロロメタン中で行った。OH基含有量は、オリゴマーに対する重量%で報告する。評価のために、OH基のシグナルを積分し、オリゴマーからのシグナルに対して表した。典型的には、オリゴマーのOH基の共鳴は5.3ppm~5.6ppmの間にある。(しかし、当業者は、NMR中のOHシグナルが溶媒中の水分含有量等の条件に従って動く可能性があることを認識している)。
フェニル末端基とOH末端基との比を、H NMR分光法(Bruker、700MHz)によって決定した。測定は、内部標準としてテトラメチルシロキサンを用いてジクロロメタン中で行った。ここで、約7.4ppmのピーク(プロトン2個)の面積を、6.6ppm~6.8ppmの間のピーク(プロトン3個)の面積に対して表した。
イソフタル酸及び/又はテレフタル酸単位とビスフェノールAとの結合(化学式(VII)を参照)を、13C NMR分光法によって検出した。
カルボニル炭素原子は164ppm~165ppmでシフトを示すが、イソフタル酸及び/又はテレフタル酸レゾルシノールエステルは約163ppm~164ppmでシグナルを示す。
測定は、Bruker社のAvance III HD 600MHz NMR分光計を使用して行った。測定は、CDCl中でテトラメチルシランを標準として行った。
BPA及びテレフタル酸/イソフタル酸からのモデルエステル化合物の調製
21.9mmolのBPAと、テレフタル酸及びイソフタル酸から形成された合計21.9mmolのジフェニルエステルとが、多口丸底フラスコ内の初期投入物を形成した。2.4mgのテトラブチルホスホニウムアセテートを添加し、これは総質量の0.02%に相当した。フラスコの内容物から、4回の排気及び窒素を用いた不活性化によって酸素を除去した。混合物を一定に撹拌しつつ200℃に加熱した。凝縮物の連続的な形成が起こった。フェノールの形成が増加するにつれて、最初は曇っていた液体混合物は徐々により透明となった。橙色が確立され、これは温度が230℃まで上昇するにつれてその強さが増した。反応開始から約80分後、フェノールを除去するために圧力を10mbar~100mbarまで低下させた。均質な、橙色で茶色がかった生成物を除去した。
13C NMR(600MHz):164.2ppm~164.5ppm(m、1C);IPS/TPS-BPAエステルC原子(イソフタル酸及び/又はテレフタル酸単位とレゾルシノールとの結合)
Figure 2024521478000014
この物質は、BPAとテレフタル酸又はイソフタル酸とから形成されるエステルを特徴付けるエステル炭素原子からのシグナルを明確に識別するために調製した。対応するシグナルは164.2ppm~164.5ppmにあることが示された。
比較実施例のためのオリゴエステルの調製
実施例1
単経路分離器を備えたフラスコに、24.93g(0.15mol)のテレフタル酸、24.93g(0.15mol)のイソフタル酸、42.94g(0.39mol)のレゾルシノール、及び更に130.46g(0.609mol)のジフェニルカーボネート、及び0.0447gのDMAP(4-ジメチルアミノピリジン;出発物質に対して200ppm)、及び9.9μlの安息香酸ナトリウム(131.37g/l)(約1ppmのナトリウムに対応)の水溶液を投入した。4回の排気及び窒素の充填により混合物から酸素を除去した。混合物を溶融し、撹拌しつつ標準圧力で200℃まで加熱した。テレフタル酸は最初溶融物中に溶解しなかったため、結果は懸濁液であった。反応混合物をその温度で約3時間撹拌した。これにより二酸化炭素が放出された。混合物を240℃まで徐々に加熱した。フェノールが留去された。混合物を240℃で約1時間撹拌した。最後に、混合物を260℃で更に半時間撹拌した。ガスの発生が終わった後、反応混合物を210℃まで冷却し、圧力を下げた。圧力は45分内で60mbarまで段階的に下げた。温度を230℃に上昇させ、混合物をその温度で半時間撹拌した。次に、温度を245℃まで上昇させた。反応混合物を更に0.5h撹拌し、次いで圧力を技術的に実現可能な最小値(約1mbar)まで下げた。これにより、薄茶色の溶融物が得られた。分析データは表1にまとめられている。
実施例2
実施例は、基本的には実施例1と同様に行った。
実施例1とは異なり、単経路分離器を備えたフラスコに、26.18g(0.1575mol)のテレフタル酸、26.18g(0.1575mol)のイソフタル酸、33.03g(0.30mol)のレゾルシノール、及び更に141.69g(0.6615mol)のジフェニルカーボネート、及び0.0441gのDMAP(4-ジメチルアミノピリジン;出発物質に対して200ppm)、及び9.9μlの安息香酸ナトリウム(131.37g/l)(約1ppmのナトリウムに相当)の水溶液を投入した。
実施例1とは異なり、緑がかった色のオリゴエステルが得られた。
実施例3
実施例は、基本的には実施例1と同様に行った。
実施例1とは異なり、単経路分離器を備えたフラスコに、8.31g(0.0500mol)のテレフタル酸、8.31g(0.0500mol)のイソフタル酸、11.56g(0.105mol)のレゾルシノール、及び更に43.91g(0.205mol)のジフェニルカーボネート、及び0.0144gのDMAP(4-ジメチルアミノピリジン;出発物質に対して200ppm)、及び3.2μlの安息香酸ナトリウム(131.37g/l)(約1ppmのナトリウムに相当)の水溶液を投入した。
混合物を160℃で溶融し、ガスの発生によって許される限り速やかに260℃まで加熱した。もはやガスが放出されなくなり、懸濁液が溶液に変わったときに、0.5hの保持段階をおいた。減圧段階は、実施例1と同様に行った。
実施例4
実施例は、基本的には実施例1と同様に行った。
実施例1とは異なり、単経路分離器を備えたフラスコに、24.93g(0.1500mol)のテレフタル酸、24.93g(0.1500mol)のイソフタル酸、42.94g(0.39mol)のレゾルシノール、及び130.46g(0.609mol)のジフェニルカーボネート、及び0.04465gのDMAP(4-ジメチルアミノピリジン;供給原料に対して200ppm)を投入した。
これらの変更した調製パラメータを用いて調製したオリゴエステルは、OH濃度を除いて、ナトリウムを用いた対応物と同様の特徴を有していた。
実施例5
実施例4からの生成物をジクロロメタン中に溶解し、次いでメタノール中で沈殿させた。
実施例6
実施例は、基本的には実施例2と同様に行った。
実施例2とは異なり、単経路分離器を備えたフラスコに、25.35g(0.1525mol)のテレフタル酸、25.35g(0.1525mol)のイソフタル酸、33.03g(0.30mol)のレゾルシノール、及び131.73g(0.609mol)のジフェニルカーボネート、及び0.0858gのDMAP(4-ジメチルアミノピリジン;供給原料に対して400ppm)を投入した。
これらの変更した調製パラメータを用いて調製したオリゴエステルは、ナトリウムを用いた対応物と同様の特徴を有していた。
本発明の実施例のためのオリゴエステルの調製
実施例7
実施例6からのオリゴエステルをジクロロメタン中に溶解し、次いでメタノール中で沈殿させた。
実施例8
実施例は、基本的には実施例1と同様に行った。
実施例1とは異なり、単経路分離器を備えたフラスコに、20.77g(0.125mol)のテレフタル酸、20.77g(0.125mol)のイソフタル酸、28.90g(0.2625mol)のレゾルシノール、及び109.79g(0.5125mol)のジフェニルカーボネート、及び0.036gのDMAP(4-ジメチルアミノピリジン;供給原料に対して200ppm)、及び0.054gのテトラブチルホスホニウムアセテート(300ppm)を投入した。
実験手順は実施例1と同様であった。実施例2~7とは異なり、生成物は除去の際に明らかに増加した溶融粘度を有していた。
実施例9
実施例は、基本的には実施例1と同様に行った。
実施例1とは異なり、単経路分離器を備えたフラスコに、20.77g(0.125mol)のテレフタル酸、20.77g(0.125mol)のイソフタル酸、30.28g(0.275mol)のレゾルシノール、及び109.79g(0.5125mol)のジフェニルカーボネート、及び0.036gのDMAP(4-ジメチルアミノピリジン;供給原料に対して200ppm)、及び0.054gのテトラブチルホスホニウムアセテート(300ppm)を投入した。
実験手順は実施例1と同様であった。
Figure 2024521478000015
実施例1~9からのオリゴカーボネート及びオリゴエステルブロックからのポリエステルカーボネート合成の実施例
実施例10(比較実施例)
単経路分離器を備えたフラスコに、32.0g(80重量%)のオリゴカーボネート、及び8.0g(20重量%)の実施例1からのオリゴカーボネートを投入した。4回の排気及び窒素の充填によって混合物から酸素を除去した。混合物を標準圧力下、160℃で溶融した。次いで、温度を320℃まで上昇させた。圧力を技術的に可能な最小値(約1.5mbar)まで下げた。温度を30分内で約335℃まで段階的に上昇させた;フェノールを連続的に除去した。透明な溶融物が得られた。分析データは表2に示されている。
実施例11(比較実施例)
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、36.0gの実施例1からのオリゴカーボネート(90重量%)及び4.0gのオリゴエステル(10重量%)を使用したことであった。
実施例12
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、実施例2からのオリゴカーボネートを使用したことであった。
実施例13
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、36.0gの実施例2からのオリゴカーボネート(90重量%)及び4.0gのオリゴエステル(10重量%)を使用したことであった。
実施例14
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、実施例3からのオリゴカーボネートを使用したことであった。
実施例15
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、36.0gの実施例3からのオリゴカーボネート(90重量%)及び4.0gのオリゴエステル(10重量%)を使用したことであった。
実施例16
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、36.0gの実施例4からのオリゴカーボネート(90重量%)及び4.0gのオリゴエステル(10重量%)を使用したことであった。
実施例17
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、実施例4からのオリゴカーボネートを使用したことであった。
実施例18
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、36.0gの実施例5からのオリゴカーボネート(90重量%)及び4.0gのオリゴエステル(10重量%)を使用したことであった。
実施例19
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、実施例5からのオリゴカーボネートを使用したことであった。
実施例20
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、36.0gの実施例6からのオリゴカーボネート(90重量%)及び4.0gのオリゴエステル(10重量%)を使用したことであった。粘度の増加は従前の実施例と比較して小さかった。
実施例21
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、実施例5からのオリゴカーボネートを使用したことであった。粘度の増加は従前の実施例と比較して小さかった。
実施例22
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、36.0gの実施例7からのオリゴカーボネート(90重量%)及び4.0gのオリゴエステル(10重量%)を使用したことであった。
実施例23
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、実施例7からのオリゴカーボネートを使用したことであった。
実施例24
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、36.0gの実施例8からのオリゴカーボネート(90重量%)及び4.0gのオリゴエステル(10重量%)を使用したことであった。
実施例25
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、実施例8からのオリゴカーボネートを使用したことであった。
実施例26
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、36.0gの実施例9からのオリゴカーボネート(90重量%)及び4.0gのオリゴエステル(10重量%)を使用したことであった。
実施例27
実験は実施例10に記載したように行った。相違点は、実施例9からのオリゴカーボネートを使用したことであった。
Figure 2024521478000016
Na触媒を用いた実験
実施例1では、大部分OH末端化されたオリゴエステルが得られる(0.6重量%のOH)。オリゴエステルのGPCは、1000g/mol未満の範囲の低レベルのオリゴマーのみを示す。このオリゴエステルを実施例1及び2において使用した。各最終生成物は比較的高いフェノール性OH値を示す。実施例1では500ppmを超える。どの場合でも500ppm以下の生成物を得ることができないことから、したがって、これはエステルブロックがあまり適切ではないことを示している。また、実施例2は500ppm未満のOH値を有するにもかかわらず、粘度、したがって分子量が非常に大きい。したがって、対応してより低い分子量の場合には、500ppmの制限を超えるであろう可能性が非常に高い。
実施例2では、低いOH含有量を有するオリゴエステルを調製した(0.2重量%)。このブロックは大部分フェニル末端化されている。しかし、このブロックは、1000g/mol未満の範囲の明確な量のオリゴマーを含む。実施例2からのオリゴエステルブロックを使用した実施例13と同様に、他の実施例と比較して分子量の増加は小さい。したがって、比較的高いオリゴマー含有量を有するフェニル末端化ブロックの場合は、活性がより低いことが見出された。驚くべきことに、触媒の使用にもかかわらず、所望の分子量は達成できなかった。
実施例3では、比較的高いOH含有量(0.85重量%)を有するオリゴエステルを調製した。さらに、この生成物は、1000g/mol未満の範囲の比較的高いオリゴマー含有量を有している。実施例15は、対応するポリエステルカーボネートが、500ppm超のフェノール性OH値を有することを示す。したがって、異なるエステル含有量を有する全範囲のポリエステルカーボネートを製造することは不可能である。
実施例4は、大部分OH末端化された(0.80重量%のOH)オリゴエステルを示す。実施例16及び17は比較的高い分子量を有し(触媒を使用する必要がない)、したがって、OH末端化ブロックが高い反応性を有することを示す。しかし、対応する最終生成物は、10%及び20%のエステルブロック含有量の場合の両方で、フェノール性OH末端基の高い含有量を有する(500ppm超)。
実施例5では、実施例4から得たエステルブロックを沈殿させる。したがって、フェノール性OH末端基の含有量は、0.8重量%から0.7重量%まで降下する。しかし、このブロックを用いてさえも、許容可能なOH含有量を有する生成物を製造することは不可能である(実施例18及び19を参照)。
実施例6では、許容可能なOH含有量を有するオリゴエステルブロックが使用される。しかし、1000g/mol未満の範囲のオリゴマー含有量は比較的高い。実施例13におけると同様に、ここでも(実施例20及び21)反応性は低く、分子量の目標範囲を達成できなかった。
本発明の実施例22及び23では、(実施例7からの)オリゴエステルブロックから出発して、低い割合のフェノール性OH基を有するポリエステルカーボネートが調製される。したがって、中程度のOH含有量を有するオリゴエステルを使用する場合、目的に従うポリエステルカーボネートを調製できることが見出される。オリゴエステルブロックの比較的低いOH含有量にもかかわらず、驚くべきことに、ポリエステルカーボネートにおいて比較的高い分子量を達成することが可能であった。
驚くべきことに、非常に低いOH含有量の場合(実施例8からのオリゴエステルブロック)においても、ポリエステルカーボネートにおける高い分子量を達成することが可能であった(実施例24及び25)。さらに、得られる材料は低いOH含有量を有する。
本発明の実施例26及び27は、同様に、低いOH含有量を有する。ここでは、0.2重量%のフェノール性OH基を有するオリゴエステルブロックを使用した。

Claims (15)

  1. 式(1)のオリゴエステルを含む混合物であって、
    Figure 2024521478000017
    式中、
    各Rは独立に水素原子、ハロゲン又は炭素数1~4を有するアルキル基であり、
    各qは独立に0又は1であり、
    q=1の場合:各Zは独立に-H又は式(2a)の芳香族基であり、
    Figure 2024521478000018
    式中、R’は水素又は-COOCHであり、「*」は前記式(2a)が前記式(1)中の酸素原子と結合する位置を示し、
    q=0の場合:各Zは独立に式(2)の芳香族基であり、
    Figure 2024521478000019
    式中、Rは水素又は-COOCHであり、「*」は前記式(2)が前記式(1)中の酸素原子と結合する位置を示し、
    pは繰り返し単位の数を示す、
    混合物において、
    前記混合物に対する前記Z基の0.5重量%以下が水素であること、及び、前記混合物中の1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーのパーセンテージが12%未満、好ましくは10%未満であり、ここで、オリゴマーの前記パーセンテージが、1000g/mol未満の範囲内の屈折率シグナル(ゲル浸透クロマトグラフィーからの)に対する前記混合物の分子量分布曲線の下の面積と、前記分子量分布曲線の下の総面積との比によって決定され、ここで、前記ゲル浸透クロマトグラフィーはビスフェノールAポリカーボネート標準を用いてジクロロメタン中で行われること、
    を特徴とする、混合物。
  2. 式(1)中のRは水素であり、
    前記混合物に対する前記Z基の0.4重量%以下が水素であり、
    1000g/mol未満の分子量を有するオリゴマーの前記パーセンテージが10%未満である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の混合物。
  3. オリゴエステルの前記混合物が、1300g/mol~6000g/molの範囲の数平均分子質量を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の混合物。
  4. (A)式(I)のエステル基
    Figure 2024521478000020
    (式中、Rは、各場合において独立に、水素原子、ハロゲン、又は炭素数1~4を有するアルキル基であり、nは少なくとも4であり、「*」は前記エステル基がポリエステルカーボネートに組み込まれる位置を示す)、
    (B)式(II)のカーボネート基
    Figure 2024521478000021
    (式中、Yは、各場合において独立に、式(III)、(IV)、(V)又は(VI)の構造であり、
    Figure 2024521478000022
    式中、
    R6及びR7は、各々独立に、水素、C~C18アルキル、C~C18アルコキシ、ハロゲン、又は各場合において任意選択で置換されるアリール又はアラルキルであり、
    Xは単結合、-CO-、-O-、-S-、C~Cアルキレン、C~Cアルキリデン、C~C10シクロアルキリデン、又は任意選択でヘテロ原子を含む更なる芳香環と縮合されてよいC~C12アリーレンであり、
    Figure 2024521478000023
    これらの式(IV)~(VI)において、Rは、各場合において、C~Cアルキル、アラルキル又はアリール、好ましくはメチル又はフェニル、最も好ましくはメチルであり、
    「*」は、各場合において前記式(III)、(IV)、(V)又は(VI)が式(II)の前記カーボネート基に結合する位置を示し、
    mは少なくとも5であり、「*」は、各場合において前記カーボネート基が前記ポリエステルカーボネートに組み込まれる位置を示す)、
    を含む、ポリエステルカーボネートにおいて、
    前記エステル基(A)の少なくとも一部が式(VII)を介して前記カーボネート基(B)の少なくとも一部に直接結合しており、
    Figure 2024521478000024
    式中、Yは(B)に関する上記定義を有し、(A)は前記エステル基(A)への結合を表し、(B)は前記カーボネート基(B)への結合を表し、
    前記ポリエステルカーボネートは、0ppm超~500ppm以下の前記範囲のフェノール性OH基含有量を有し、
    前記ポリエステルカーボネートは、少なくとも1.255~最大でも1.35の相対溶液粘度を有する、
    ことを特徴とする、ポリエステルカーボネート。
  5. 式(I)中のRが水素であることを特徴とする、請求項4に記載のポリエステルカーボネート。
  6. 式(II)中のYが前記式(III)の構造であることを特徴とする、請求項4又は5に記載のポリエステルカーボネート。
  7. 式(III)中のR6及びR7が各々独立に水素又はC~C12アルキル、より好ましくは水素又はC~Cアルキル、最も好ましくは水素又はメチルであることを特徴とする、請求項4~6のいずれか一項に記載のポリエステルカーボネート。
  8. 4’-ジヒドロキシジフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ジメチルビスフェノールA、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,1-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン及び1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンからなる群から選択されるジフェノールを介して、Yが前記カーボネート基(B)に導入されることを特徴とする、請求項4~7のいずれか一項に記載のポリエステルカーボネート。
  9. 前記ポリエステルカーボネートが少なくとも1.26~最大でも1.34の相対溶液粘度を有することを特徴とする、請求項4~8のいずれか一項に記載のポリエステルカーボネート。
  10. 前記ポリエステルカーボネートが、50ppm超400ppm以下の範囲のフェノール性OH基含有量を有することを特徴とする、請求項4~9のいずれか一項に記載のポリエステルカーボネート。
  11. 請求項4~10のいずれか一項に記載のポリエステルカーボネートを含む成形コンパウンド。
  12. 請求項4~10のいずれか一項に記載のポリエステルカーボネートを含む成形品。
  13. 請求項1~3のいずれか一項に記載のオリゴエステルを含む混合物を、溶融エステル交換によりオリゴカーボネートの混合物と反応させることを特徴とする、請求項4~10のいずれか一項に記載のポリエステルカーボネートを調製する方法。
  14. オリゴカーボネートの前記混合物が、250ppm~2500ppm、好ましくは500ppm~2400ppm、特に好ましくは1000ppm~2300ppmのフェノール性OH基含有量を有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  15. オリゴカーボネートの前記混合物が、1.08~1.22、好ましくは1.11~1.22、より好ましくは1.13~1.20の相対溶液粘度を有することを特徴とする、請求項13又は14に記載の方法。
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