JP2009127037A - 植物由来成分を有するポリカーボネート及びその製造方法 - Google Patents

植物由来成分を有するポリカーボネート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、色相が改善された植物由来成分を有するポリカーボネート及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、ポリマー原料中のF、Cl、Br、Iの含有量を制御し製品ポリマー中のF、Cl、Br、Iの含有量を低減することで、色相が改善された植物由来成分を有するポリカーボネート及びその製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は色相が改善された植物由来成分を有するポリカーボネート、該ポリカーボネートからなる成形体、および該ポリカーボネートの製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、耐衝撃性に優れており、現在、光メディア分野、電気・電子・OA分野、自動車・産業機器分野、医療分野、その他の工業分野で広く使用されている。しかしながら、現在一般に用いられている芳香族ポリカーボネートは石油資源から得られる原料より製造されている。そのため、石油資源の枯渇や、廃棄物の焼却処理に伴い発生する二酸化炭素による地球温暖化が懸念されている昨今において、芳香族ポリカーボネートと同様の物性を有しながら、より環境負荷が小さい材料の登場が待たれている。
このような状況の中、無水糖アルコールであるジアンハイドロヘキシトール類(イソマンニド、イソイディド及びイソソルビド)は、マンニトール、イジドール及びソルビトールといった植物由来の原料から誘導することができ、ポリマー特にポリエステルおよびポリカーボネート製造用の再生可能資源(石油や石炭のような枯渇性のあるような天然資源とは異なり、森林資源、バイオマス、風力、小規模水力などのようにそれ自身が再生能力を持つような資源)として検討されている。なかでも、安価なデンプンを出発原料として作られ、医薬品原料としても用途があり商業的に入手しやすいイソソルビドを用いたポリマーの検討が盛んに行われている(例えば特許文献1〜3等)。
更に、イソソルビドとともに、ポリエステル原料に使用されるグリコール類などをジオール成分として共重合したカルボネートの検討も行われている(例えば特許文献4〜5等)。これは、ジオール成分がイソソルビドのみのポリカーボネートは、その剛直な構造のため、溶融粘度が非常に高く成形加工が難しい等の問題があるためである。また、ジアンハイドロヘキシトール類はポリマー原料としてはかなり高価でありコスト面の課題もある。つまり、必要なポリマー物性を維持できる範囲で、安価なグリコール類を共重合させることは、原料のコストダウンという利点もある。
しかし、従来の検討における最大の問題は、石油原料の一般的なポリマーに比べて、イソソルビド等の無水糖アルコールを原料としたポリマーは色相が悪いことであり、これが商品化や用途展開の支障になっていた。
英国特許第1079686号明細書 国際公開第1999/054119号パンフレット 国際公開第2007/013463号パンフレット 国際公開第2004/111106号パンフレット 特開2003−292603号公報
本発明は色相が改善された植物由来成分を有するポリカーボネート、当該ポリカーボネートからなる成形体及び当該ポリカーボネートの製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、次の構成を要旨とするものである。
1.下記式(1)
Figure 2009127037
(R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基であり、Rは炭素数が2から12である脂肪族基であり、またnは0.6≦n≦0.9である。)
で表され、ポリマー中のF、Cl、Br、Iの含有量合計が2質量ppm以下であるポリカーボネート。
2.ポリマーのCol−b値が5以下である上記1項に記載のポリカーボネート。
3.上記1項または2項に記載のポリカーボネートからなる成形体。
4.F、Cl、Br、Iの含有量合計が1.5質量ppm以下であり、ガスクロマトグラフィーでの純度分析値が99.7%以上である下記式(2)で表されるジオールと、
Figure 2009127037
(R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基である)、
F、Cl、Br、Iの含有量合計が1.5質量ppm以下であり、ガスクロマトグラフィーでの純度分析値が99.7%以上である下記式(3)で表されるジオールと、
Figure 2009127037
(Rは炭素数が2から12である脂肪族炭化水素基である。)
F、Cl、Br、Iの含有量合計が1.5質量ppm以下であり、ガスクロマトグラフィーでの純度分析値が99.7%以上である下記式(4)
Figure 2009127037
(RおよびRは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基であり、RとRは同じ基であっても異なる基であってもよい。)
で表される炭酸ジエステルとを原料とする溶融重縮合法による上記1項または上記2項に記載のポリカーボネートの製造方法。
本発明によれば、着色が改善された植物由来成分を有するポリカーボネート、当該ポリカーボネートからなる成形体及び当該ポリカーボネートの製造方法を提供することができる。
本発明のポリカーボネートは、再生可能資源である植物由来の成分からなり環境負荷が小さく、かつ色相が非常に良好であるため種々の用途に極めて有用である。
以下に、本発明を実施するための形態につき詳細に説明する。
本発明のポリカーボネートは前記式(1)にて表される構造を有し、ポリマー中のF、Cl、Br、Iの含有量の合計が2質量ppm以下、好ましくは1.5質量ppm以下である。ポリマー中のF、Cl、Br、Iの含有量合計がこの範囲を超えると着色が顕著になり、溶融安定性または/および耐加水分解が悪化するなどの問題があり好ましくない。特にClについては、天然の存在量も多く、含有する化合物が様々な用途に用いられること等から、他のハロゲン元素に比べ不純物として混入し易い。
また本発明のポリカーボネートは、色相を示すCol−b値が5以下であることが好ましく、特に好ましくは3以下である。
本発明のポリカーボネートは、還元粘度が0.5〜1.0dl/gであることが好ましく、0.6〜0.8dl/gであるとより好ましい。還元粘度が0.50より低くなると本発明のポリカーボネートより得られた成形品に十分な機械強度を持たせることが困難となる。また還元粘度が1より高くなると溶融流動性が高くなりすぎて、成形に必要な流動性を有する溶融温度が分解温度より高くなってしまい好ましくない。
本発明のポリカーボネートにおいて、前記式(1)中のnは0.6≦n≦0.9である。nが0.6よりも小さくなると、得られる樹脂のガラス転移温度および耐熱性が低くなり好ましくない。また0.9よりも大きくなると、溶融流動性が高く成形に必要な流動性を確保するのが困難な場合がある。前記式(1)中のnの範囲としてより好ましいのは0.65≦n≦0.85である。
本発明のポリカーボネートは、光メディア用途、電気・電子・OA用途、自動車・産業機器用途、医療・保安用途、シート・フィルム・包装用途、雑貨用途をはじめとする様々な用途に幅広く用いることができる。具体的には、光メディア用途としてDVD、CD−ROM、CD−R、ミニディスク、電気・電子・OA用途として携帯電話、パソコンハウジング、電池のパックケース、液晶用部品、コネクタ、自動車・産業機器用途としてヘッドランプ、インナーレンズ、ドアハンドル、バンパ、フェンダ、ルーフレール、インバネ、クラスタ、コンソールボックス、カメラ、電動工具、医療・保安用途として銘板、カーポート、液晶用拡散・反射フィルム、飲料水タンク、雑貨としてパチンコ部品、消火器ケースなどが挙げられる。
本発明において、上記のような用途のためにポリカーボネートを成形し成形体を得る方法としては、射出成形,圧縮成形,射出圧縮成形,押し出し成形、ブロー成形等が用いられる。フィルムやシートを製造する方法としては、例えば溶剤キャスト法、溶融押出し法、カレンダー法等が挙げられる。
本発明においては、前記式(2)で表される植物由来のジオール成分として、具体的にはジアンハイドロヘキシトール類が使用される。ジアンハイドロヘキシトール類としては、イソマンニド、イソイディド及びイソソルビドが挙げられる(下記式(5)、(6)、(7))。これらジアンハイドロヘキシトール類は、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。イソソルビドはでんぷんから得られるD-グルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のジアンハイドロヘキシトール類についても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。特に、ジアンハイドロヘキシトール類としてはイソソルビド残基を含んでなるポリカーボネートが好ましい。イソソルビドはでんぷんなどから簡単に作ることがジオールであり資源として豊富に入手することができる上、イソマンニドやイソイディッドと比べても製造の容易さにおいて優れている。
Figure 2009127037
Figure 2009127037
Figure 2009127037
その他のジオール成分は前記式(3)で表され(以下、グリコール成分と称することがある)、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチオルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどが挙げられる。この中でもポリマーの合成において重合性が高く、またポリマーの物性においても高いガラス転移点を示すといった点で1,3−プロパンジオール(以下、1,3−PDOのように略することがある)、1,4−ブタンジオール(以下、1,4−BDOのように略することがある)、1,6−ヘキサンジオール(以下、1,6−HDOのように略することがある)が好ましい。更には、植物原料からも得ることができ、かつ共重合による溶融流動性の向上効果が大きいという点で1,3−プロパンジオールが特に好ましい。また、これら式(3)のジオール成分を少なくとも2種類以上組み合わせても良く、更には、ポリマー物性の改質のために前記式(3)以外のジオール成分、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジメタノールベンセン、ジエタノールベンゼン、ビスフェノール類などを共重合してもよい。
本発明に用いるジオールの精製方法については特に限定されない。好ましくは、単蒸留、精留または再結晶のいずれか、もしくはこれらの手法の組み合わせにより精製してもよい。ただし、該ジオールの市販品には安定剤や、保管中に生成した劣化物が含まれていることがあり、これらがポリマー品質に悪影響を与える可能性があるため、該ジオールを用いてポリマーを得る際には、再度精製を行い直ちに重合反応に使用するのが好ましく、やむを得ず精製後、暫く保管してから使用する際は、乾燥、40℃以下の低温、遮光および不活性雰囲気下で保管しておいて使用することが好ましい。
本発明で使用される式(2)、式(3)のジオール成分は、ガスクロマトグラフィーより検出される有機不純物の含有量が全体量の0.3%以下であり、好ましくは0.1%以下、更に好ましくは0.05%以下である。また、イオンクロマトグラフ法(IC法)より検出されるF、Cl、Br、Iの含有量合計が1.5質量ppm以下であり、好ましくは1ppm以下である。
本発明で使用される炭酸ジエステルとしては前記式(4)で表され、たとえばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ジキシリルカーボネート、ビス(エチルフェニル)カーボネート、ビス(メトキシフェニル)カーボネート、ビス(エトキシフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ビフェニル)カーボネートなどの芳香族系炭酸ジエステルや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等の脂肪族系炭酸ジエステルが挙げられる。このような化合物のうち反応性、コスト面から芳香族系炭酸ジエステルを用いることが好ましく、ジフェニルカーボネートを用いることがさらに好ましい。
本発明に用いる炭酸ジエステルの精製方法については特に限定されない。好ましくは、単蒸留、精留または再結晶のいずれか、もしくはこれらの手法の組み合わせにより精製してもよい。
本発明で使用される炭酸ジエステルは、ガスクロマトグラフィーにより検出される有機不純物の含有量が全体量の0.3%以下であり、好ましくは0.1%以下、更に好ましくは0.05%以下である。また、イオンクロマトグラフ法(IC法)より検出されるF、Cl、Br、Iの含有量合計が1.5質量ppm以下であり、好ましくは1ppm以下である。
ポリカーボネート樹脂の公知の製造方法としては、主としてジヒドロキシ化合物のアルカリ水溶液とホスゲンを有機溶媒の存在下反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをエステル交換触媒の存在下高温・高真空下で溶融重縮合反応させる溶融重縮合法が挙げられる。このうち溶融重縮合法は、エステル交換触媒と高温・高真空を必要とするプロセスであるが、ホスゲン法に比較して経済的であり、更に塩素原子を実質的に含まないポリカーボネート樹脂が得られる利点がある。本発明においても溶融重縮合法により上記ポリカーボネートを製造するのが好ましい。
さらに、本発明の製造方法では、好ましくは前記式(2)で表されるジオール、および炭酸ジエステルとから溶融重縮合法により前記式(1)のポリカーボネートを製造する。
本発明のポリカーボネートを得る溶融重合においては、炭酸ジエステルをジオール成分1モルに対して、0.90〜1.30モルの量を用いるのが好ましく、0.99〜1.05モルの量で用いるとより好ましい。
本発明にかかる製造方法では触媒を用いることが好ましい。使用できる触媒としては、アルカリ金属のアルコキシド類またはフェノキシド類、アルカリ土類金属のアルコキシド類またはフェノキシド類、含窒素塩基性化合物類、第4級アンモニウム塩類、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の有機酸塩類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、珪素化合物類、チタン化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスニウム化合物類、アンチモン化合物類、ジルコニウム化合物類、マンガン化合物などのエステル交換反応またはエステル化反応への触媒能を有する化合物が挙げられるが、反応性、成形体品質への影響、コスト、および衛生性といった点から好ましいのは(i)含窒素塩基性化合物、(ii)アルカリ金属化合物および(iii)アルカリ土類金属化合物である。これらは一種類を単独で使用しても、二種類以上を併用してもよいが、(i)と(ii)、(i)と(iii)、(i)と(ii)と(iii)の組み合わせで併用することが特に好ましい。
(i)については好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、(ii)については、好ましくはナトリウム塩類であり、中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン二ナトリウム塩を用いることが特に好ましい。
上記(i)の窒素塩基性化合物は、塩基性窒素原子がジオール化合物1モルに対し、1×10−5〜1×10−3モルとなる割合で用いるのが好ましく、より好ましくは2×10−5〜8×10−4モルとなる割合である。
上記の触媒(ii)アルカリ金属化合物および(iii)アルカリ土類金属化合物については、アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素としての添加量合計が、原料のジオール化合物1モル当たり、0から1×10−5モルの範囲にあるのが好ましく、0〜5×10−6モルの範囲にあるとより好ましい。
本発明の製造方法では、好ましくは重合触媒の存在下、原料であるジオールと炭酸ジエステルとを常圧で加熱し、予備反応させた後、減圧下で280℃以下の温度で加熱しながら撹拌して、生成するフェノール等の芳香族アルコールまたは脂肪族アルコールを留出させる。反応系は窒素などの原料、反応混合物に対し不活性なガスの雰囲気に保つことが好ましい。窒素以外の不活性ガスとしては、アルゴンなどを挙げることができる。
反応初期に常圧で加熱反応させることが好ましい。これはオリゴマー化反応を進行させ、反応後期に減圧してフェノール等の芳香族アルコールまたは脂肪族アルコールを留去する際、未反応のモノマーが留出してモルバランスが崩れ、重合度が低下することを防ぐためである。本発明にかかる製造方法においては芳香族アルコールまたは脂肪族アルコールを適宜系(反応器)から除去することにより反応を進めることができる。そのためには、減圧することが効果的であり、好ましい。
本発明の製造方法において、ジオールの分解を抑え、着色が少なく高粘度の樹脂を得るためにはできるだけ低温の条件が好ましいが、重合反応を適切に進めるためには重合温度は180℃以上280℃以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは230〜260℃の範囲に最高の重合温度がある条件である。
以下の実施例により本発明の詳細をより具体的に説明する。尚、これらの実施例および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
本実施例に使用したイソソルビドはロケット社製または三光化学社製、ジフェニルカーボネートは帝人化成製、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、フェノール、テトラクロロエタンは和光純薬製を使用した。
(a)ジオール類、ジフェニルカーボネートおよびポリマー中のハロゲンの含有量については、イオンクロマトグラフDX−500型(Dionex社製)を用いて測定した。
(b)ジオール類およびジフェニルカーボネートの純度については、ガスクロマトグラフィー(島津GC−14B)で測定した。測定条件としては、カラム温度220℃、INJECTION温度280℃、DETECTION温度280℃、キャリアガス:(He:120kPa(1.63ml/min)、Split:30.9ml/min、PURGE:30ml/min)、MAKE UP:(N2:40ml/min、H2×Air:70×70kPa)であった。サンプル溶液(5%アセトン溶液)を用意し、1μl注入し測定を行った。
(c)ポリマーの還元粘度はフェノール/テトラクロロエタン(体積比50/50)の混合溶媒10mlに対してポリカーボネート120mgを溶解して得た溶液の35℃における粘度をウデローベ粘度計で測定した。
(d)ポリマーの色相についてはJIS Z 8722に従い、UV−VIS RECORDING SPECTROPHOTOMETER(島津製作所製)を用いて、ポリマー0.935gに塩化メチレン4mlを加え溶解したものをサンプルとし、波長780〜380nm、照明:C、視野:2°の条件のもとCol−b値を測定した。
[実施例1]
単蒸留を1回施したイソソルビド(ロケット社製)(23.38g、0.16mol)、1,3−プロパンジオール(3.043g、0.04mol)およびジフェニルカーボネート(42.84g、0.2mol)を三ツ口フラスコに入れ、重合触媒として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン二ナトリウム塩(2.723μg、1.0×10-8mol)およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(0.3646mg、4.0×10-6mol)を加え窒素雰囲気下180℃で溶融した。攪拌下、反応槽内を100mmHg(13.33kPa)に減圧し、生成するフェノールを溜去しながら約20分間反応させた。次に200℃に昇温した後、フェノールを留去しながら30mmHg(4.00kPa)まで減圧し、さらに215℃に昇温した。ついで、徐々に減圧し、20mmHg(2.67kPa)で10分間、10mmHg(1.33kPa)で10分間反応を続行し、230℃に昇温した後さらに減圧・昇温し、最終的に250℃、0.5mmHg(0.067kPa)の条件下で反応させた。この時点を時間0分とし10分後サンプリングし、還元粘度、ハロゲン含有量を測定した。更に、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製PS型射出成形機、PS20)を用いてシリンダー温度250℃、金型温度80℃にて厚さ3mm×幅12.5mm×長さ63mmの試験片を成形して外観を目視確認した。結果を表1に示す。
[実施例2]
1,3−プロパンジオールに代わり1,4−ブタンジオールを使用した以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
1,3−プロパンジオールに代わり1,6−ヘキサンジオールを使用した以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
イソソルビドの蒸留精製を行わなかった以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
三光化学社製のイソソルビドを蒸留精製無しで使用した以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009127037

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 2009127037
    (R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基であり、Rは炭素数が2から12である脂肪族炭化水素基であり、nは0.6≦n≦0.9である。)
    で表され、ポリマー中のF、Cl、Br、Iの含有量合計が2質量ppm以下であるポリカーボネート。
  2. ポリマーのCol−b値が5以下である請求項1に記載のポリカーボネート。
  3. 請求項1または2に記載のポリカーボネートからなる成形体。
  4. F、Cl、Br、Iの含有量合計が1.5質量ppm以下であり、ガスクロマトグラフィーでの純度分析値が99.7%以上である下記式(2)で表されるジオールと、
    Figure 2009127037
    (R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基である)、
    F、Cl、Br、Iの含有量合計が1.5質量ppm以下であり、ガスクロマトグラフィーでの純度分析値が99.7%以上である下記式(3)で表されるジオールと、
    Figure 2009127037
    (Rは炭素数が2から12である脂肪族炭化水素基である。)
    F、Cl、Br、Iの含有量合計が1.5質量ppm以下であり、ガスクロマトグラフィーでの純度分析値が99.7%以上である下記式(4)
    Figure 2009127037
    (RおよびRは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基であり、RとRは同じ基であっても異なる基であってもよい。)
    で表される炭酸ジエステルとを原料とする溶融重縮合法による請求項1または2に記載のポリカーボネートの製造方法。
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