JP6100908B2 - 導電性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上の導電性構造の作製に有用な、特に半導体太陽電池の電極の作製に有用な、導電性組成物に関する。
金属ベースのインクおよびペーストなどの導電性組成物は、誘電体または半導体基板上の導電性構造の作製(例えば、表面実装技術、およびハイブリッド集積回路、プリント回路基板、電気光学、電気化学、電気機械、または電子セラミックデバイス(例えば、フォトダイオード、センサー、燃料電池、および光電池)の製作におけるもの)において広範に用いられている。そのため、これらの導電性組成物は、重要技術分野(例えば、持続可能エネルギー技術)における可能性を有する主要な要素となっており、その結果、化石燃料の枯渇および環境問題(例えば、温室効果)に関連する経済的圧力の増加により急速成長している市場となっている。光起電技術は、効率的大量生産が可能なシリコン太陽電池技術によって占有されており、太陽エネルギーは世界中で豊富に利用可能であるため、再生可能エネルギー技術のうち最も開発可能性が高い。
シリコン太陽電池による太陽エネルギーから電気エネルギーへの変換は、入射太陽光の吸収および電子およびp−n接合における内部電界による孔分離を用いた電子正孔対の生成に基づく。例えば米国特許第2010/0186823A1号および米国特許第2011/0014743号に記載のように、シリコン太陽電池は従来は、例えば前駆体(例えば、POCl)からリンを熱拡散させることにより光受容面上にn型不純物層を形成することにより、p型シリコンウェーハによって構成される。ウェーハ表面および反射防止コーティングをテクスチャライズすると、光反射損失を低減する一助となる。しかし、セル変換効率は、ウェーハおよび表面光学特性のドーピングプロファイルにだけでなく、通常は導電性金属ペーストのスクリーン印刷、乾燥および焼結による光電流の収集のために適用される前電極および後電極の特性にも依存する。典型的には、ワイヤ電極のグリッドをウェーハの光受容面上の導電性銀ペーストから作製し、ウェーハの反対側上では、裏面電界(BSF)電極を導電性アルミニウムペーストから作製する。Al電極への半田付けは不可能であるため、例えば半田銅ワイヤによって複数のセルを相互接続して光起電モジュールを形成するためのバスバー電極を、ウェーハ裏側の部分の導電性銀または銀アルミニウムペーストからさらに作製することができる。
電極の作製に用いられる導電性ペーストは典型的には、導電性相を形成する金属粉末と、ガラスフリットと、有機溶媒中の有機ポリマー溶液である場合が多い担体との3つの相を含む場合が多い。ガラスフリットは、焼結時においては溶融するため、導電性相と基板との間に持続的で良好な抵抗接点を提供する。担体は、レオロジー特性および組成物の処理可能性の制御のための主要な成分である。さらに、担体は、安定した分散を形成するために基板ならびに金属およびガラス粉末に対して適切な濡れおよび結合特性を持つ必要があり、湿潤および乾燥状態において基板へ良好に接着する必要があり、高乾燥速度および好都合な焼成特性を持つ必要がある。
セルロース誘導体(詳細にはエチルセルロース)は、優れた分散能、濃化および形状設定効果を持ち、また、焼結時において完全に分解して揮発性生成物となるため、担体のポリマー成分として広範に用いられている。しかし、シリコン基板への接着をこのようなセルロース誘導体を用いて行った場合、層間剥離が局所的にでも存在すると、不完全な電極形成に起因して全体的セル性能が大きく損なわれるため、シリコン太陽電池への要求増加の観点からみて不完全である。詳細には、例えば、電流コレクタの有効網羅範囲が不十分であること、接触抵抗が局所的に高いことおよび/またはAl−Si−合金p層の形成妨害により内部電界に起因してAl裏側電極の焼結によるセル変換効率を増加させる一助となる電子および孔の再結合ができなくなることが発生し得る。
米国特許第2008/0302411A1号において、例えば、従来のAlペースト組成物の使用時における焼結後のシリコン基板へのAl裏側電極の接着が不十分であることの問題についての記載がある。同文献は、Al粉末に加えて、Si基板への接着の向上および電極剥離の回避のために有機溶媒中に粘着付与剤を溶解されたガラスフリットおよび有機担体(例えばエチルセルロース)を含むペースト組成物の使用を提案している。粘着付与剤は、良好な接着性能を有する任意の有機材料であり得る(例えば、多様な有機樹脂(例えば、ロジンベースの樹脂、フェノール樹脂、メラミンベースの樹脂またはブチルゴム)。同様に、米国特許第2010/0186823A1号は、基板への接着の向上、および焼結構造の剥離の回避を可能にするために、分子量が100,000g/モルを超えるアクリレートポリマーを感圧添加剤として適用することを提案している。しかし、焼結状態における接着向上は、粘着付与剤または感圧添加剤の不完全分解の原因となる特定の焼結条件においてのみ達成される場合がある。有機ポリマー接着結合剤を適用した場合、良好な導電性特性の達成のための焼結時において分解すべき有機物質の負荷が増加する。有機残留物が増加すると、電極の電気抵抗も増加する。
上記と対照的に、米国特許第2011/0217809A1号は、シリコン太陽電池の後電極の非接触印刷のためのガラスフリットフリーのアルミニウムインクの形成のために、特定の無機ポリマーを接着促進結合剤として用いることを提案している。この無機ポリマーは、ポリフェニルシルセスキオキサン(PPSQ)またはポリ(ヒドロメチルシロキサン)(PHMS)であり、Al粉末の分散を補助するように有機溶媒中に溶解させることができ、また、焼結時に有機残留物無く実質的に分解する。これらの無機ポリマーは、焼結すると分解してシリカになるため、アルミニウム粒子を基板へ結合させまた金属相とシリコン基板との間の熱膨張不整合を低減させてウェーハ反りを低減させる点において、ガラスフリットの代替物として有益と考えられている。しかし、焼結を行っても、ガラスフリットが存在しておらずまた形成されたシリカが軟化するのは適用される約750℃よりもずっと高温であるため、無機ポリマーの分解が誘発されるだけであり、溶解は発生しない。そのため、金属粒子と基板との間の接触親和性が低くなり、抵抗接点抵抗は、焼結時に溶解して基板に対して金属相となるガラスフリットを含む組成物の場合よりも大幅に高くなる。よって、本発明は、ガラスフリットを含む導電性組成物の担体中に有機ポリシロキサン樹脂結合剤を用いることによる利点を追求する。
従来、有機ポリシロキサンは、例えば中国特許第101555394A号および中国特許第101710497A号中にそれぞれ実証されているように、導電性組成物の消泡剤または艶消し剤としての形成において用いられている。しかし、用いられているシリコーン剤は、結合剤として機能せずまた薄め効果も持つため導電性組成物のレオロジーおよび形状設定特性の低下の原因となる液体有機ポリシロキサン油であるため、処理可能性(詳細には、スクリーン印刷適性)と干渉する。一般的には、処理特性の観点から、導電性組成物のチキソトロピック特性を向上させることが望ましい。
上記したシリコン基板への導電性組成物の接着向上のための従来技術のコンセプトはそれぞれ、従来結合剤(例えば、セルロース誘導体)に加えて、有機であれまたは無機であれ、特定のポリマー結合剤の使用に依存している。しかし、これらの結合剤は一般的には、相互相溶性が低いかまたは中程度であるため、乾燥すると別個の相に分離する傾向になり、その結果接着が不均一になる。さらに、従来の導電性組成物は、作製時に発生するガスおよび/または凝集に起因する粗大粒子泡の形態の欠陥を示す傾向があり、その結果、得られる電極の均一性および導電性も低下するため、太陽電池の変換効率の最大化への継続的要求と矛盾し、より均一のコーティングが望まれている。
従来の導電性組成物は、焼結時における応力発生に起因して、亀裂形成および/または顕著なセル反りなどの欠陥をさらに示す場合があるため、伝導路またはウェーハ破壊の可能性が高くなり、欠陥セル部分が廃棄される。従来におけるセル反り低減のための試みにおいては、ガラス相の組成物の調節に焦点を当てており、米国特許第2009/0120490A1号中に実証されているように、シリコン基板のうちの1つに対するその熱膨張係数の近似化を基本的に求めている。しかし、ガラス相を変更すると例えば焼結条件をさらに変更する必要がある場合が多いため、代替的戦略が望まれている。
上記を鑑みて、本発明の目的は、従来技術の上記した欠陥のうち少なくとも一部を解消する導電性組成物を提供することである。詳細には、本発明の目的は、誘電体または半導体基板(例えば、シリコン基板)への向上した接着を提供しまた基板の反りを低減しつつ亀裂、泡または粗大粒子の形態の欠陥を実質的に含まない好適には低オーム抵抗の均一の良好な接着性の導電性構造を上側に作製する、良好な処理可能性を有する安定した導電性組成物(例えば、向上したチキソトロピック特性を有するペースト)を提供することである。本発明の範囲は、基板上のこのような導電性組成物からの導電性構造の作製(特に、向上したセル効率を有する半導体太陽電池の製造)のための、効率的かつコストを節減する方法を提供することも含む。
本発明のさらなる特徴および利点について、以下に詳述する。
第1の態様において、本発明は、したがって、
a.複数の金属粒子と、
b.複数のガラス粒子と、
c.相互有機溶媒中に溶解された少なくとも1つのセルロース誘導体および少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂を含む担体と、
を含む導電性組成物に関連する。
本発明の別の態様において、基板上に1つ以上の導電性構造を作製する方法が提供され、この方法は、
a.基板の表面の少なくとも一部へ本発明による導電性組成物を適用することと、
b.適用された導電性組成物を少なくとも部分的に乾燥させることと、次いで、
c.600℃を超える温度で焼結することと、
を含む。
さらに、本発明は、本発明による導電性組成物から作製された1つ以上の電極を含む半導体太陽電池を含む。
本発明は、相互有機溶媒中にセルロース誘導体と共に溶解された固体有機ポリシロキサン樹脂を含む担体を用いると、導電性組成物の基板(詳細にはシリコン基板)への接着が向上するという知見に基づく。固体有機ポリシロキサン樹脂は、接着促進剤として作用するだけでなく、金属およびガラス粒子の安定した分散を補助して、レオロジー特性の低下を招くことなくこのような粒子の凝集を回避する。このような担体を含む導電性組成物から、亀裂、泡または粗大粒子の形態の欠陥を実質的に含まない均一の導電性構造を、基板の反り発生を低減しつつ、誘電体または半導体基板上に効率的かつコストを節減する様態(例えば、例えば、スクリーン印刷、乾燥および焼結)で作製することができる。任意の特定の理論に縛られること無しに、本発明者らは、有機ポリシロキサン樹脂のシロキサン部分により、シリコン基板上の化学的に関連する遍在するシリカ層との可能な相互作用にが可能になり、その結果、湿潤および乾燥状態における接着が向上するという意見である。以下に詳述するような特定の構造の有機ポリシロキサンは、驚くべきことにセルロース誘導体(例えば、エチルセルロース)と高混和性であることが判明したため、特に有用である。よって、これらの有機ポリシロキサンは、金属およびガラス粒子のためのセルロース誘導体のような高い分散能により分散の安定性を向上させるだけでなく、良好な接着性の電極の作製を低接触抵抗で補助する担体の結合剤の優れた相溶性に起因して、優れた均一性の欠陥フリーのコーティングも対応する導電性組成物から得ることができる。従来の条件下において焼結されると、固体有機ポリシロキサン樹脂の有機部分は完全に分解される一方、シロキサン骨格はシリカへ変換されるため、熱膨張係数の不整合の低下に貢献し、これにより、基板とコーティングとの間の熱機械応力ならびにその結果の反り効果が低下する。シリカ残留物は、特にシリカは焼結時に溶解するガラス粒子の存在に起因して溶解ガラス相において溶解し得るため、焼結状態における基板と金属相との間の接着の向上にさらに貢献し得る。ガラス相の存在に起因して、金属粒子と基板との間の近密な接着が継続的に形成され、これにより、良好な抵抗接点が形成される。上記した特性により、本発明の導電性組成物は、例えばハイブリッド集積回路またはデバイス(例えば、センサー、燃料電池および光電池)の作製において、誘電体または半導体基板上への導電性構造の作製において極めて有用である。詳細には、本発明の導電性組成物は、向上したセル変換効率を有するシリコン太陽電池の製造のために好都合に用いることができる。
RuO染色後の化学式(II)の有機ポリシロキサン樹脂としての、エチルセルロース(ETHOCEL STD 100)およびDow CorningからのDC249フレーク樹脂の70/30(重量/重量)ブレンドの膜のTEM画像を示す。
上述のように、担体の組成物は、本発明の主要な態様である。この担体は、少なくとも1つのセルロース誘導体を含む。本明細書中、「セルロース誘導体」という用語は、セルロース骨格を有する任意の化合物を指す(すなわち、純セルロースに含まれないペンダント部分の導入により化学的に修飾されたβ−1,4−グリコシド結合によって接続されたD−グルコピラノース単位の構造)。好適な実施形態において、純セルロースに含まれないペンダント部分は、グルコピラノース繰り返し単位の2−、3−および/または6−位置におけるヒドロキシル基の少なくとも一部のエーテル化および/またはエステル化によって導入される。これに対応して、本発明に従って用いられる少なくとも1つのセルロース誘導体は、化学式(I)によって表される1,4−β−グリコシド結合型繰り返し単位を含み得、
式中、Y、Y、およびYはそれぞれ独立して、ヒドロキシル基、−OR′、−OC(O)R′、および−OMから選択され、−Oは、繰り返し単位の2−、3−または6−位置において炭素原子に直接結合した酸素原子を表し、R′は一価有機基であり、Mは、OH基のホルマール抽出による無機オキソ酸から導出された部分を表し、繰り返し単位間において相互に同一であるかまたは異なり得るが、ただし、繰り返し単位の2−、3−および/または6−位置における炭素原子の少なくとも一部がヒドロキシル基と異なる置換基Y、YまたはYを有することを条件とする。
一価有機基R′は、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアラルキル基から選択され得、これらはそれぞれ置換されてもよいが、好適には、置換されない。置換されると、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはアラルキル基は、例えば、ヒドロキシル、エーテル、チオール、チオエーテル、アミン、エステル、アミド、シアノ、イソシアネート、チオイソシアネート、カルバミン酸塩、エポキシ、およびハロゲンからそれぞれ独立して選択される1つ以上の官能基を含み得る。好適には、一価有機基は、1〜20個、より好適には1〜12個の炭素原子を含む。適切なシクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはメチルシクロヘキシル基である。適切なアリールおよびアラルキル基は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、トリル、ベンジル、キシリル、クミル、メシチル、またはエチルフェニル基によって例示され得る。適格なアルキル基は、線状または分岐状であり得、好適には1〜8個の炭素原子または最も好適には1〜4個の炭素原子を含む。例を挙げると、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルなどがある。線状非環式アルキル基、特に、線状C1−4アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチル)が好適である。
エステル化によって1つ以上の無機オキソ酸と共に導入され得る基−OMは、例えば、硝酸基、硫酸基またはリン酸基であり得る。
本発明において用いられるセルロース誘導体は、繰り返し単位の2−、3−または6−位置におけるOH以外の単一の種類、または1種類よりも多い(すなわち、混合置換)置換基を含み得る。好適な実施形態において、化学式(I)のセルロース誘導体のY、YおよびYはそれぞれ独立して、a)ヒドロキシル基およびb)−OR′もしくは−OC(O)R′または−OMのいずれかから選択され、繰り返し単位間において相互に同一であってもよいしあるいは異なってもよい。よって、適切なセルロース誘導体の非限定的例を挙げると、セルロースエステル材料(例えば、三酢酸セルロース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC)、酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、またはセルロース硝酸)およびセルロースエーテル材料(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、シアノエチルセルロース、メチルエチルセルロース、エチルプロピルセルロース、またはエチルヒドロキシルエチルセルロース)および混合エーテル−エステルセルロース材料(例えば、メチルアセチルセルロース、エチルアセチルセルロース、またはエチルプロピオニルセルロース)がある。
本発明の好適な実施形態において、少なくとも1つのセルロース誘導体は、セルロースエーテルである。セルロースエーテルは、例えば、1〜4個の炭素原子を有する1つ以上の種類のアルコキシ基−OR′を含むセルロース誘導体であり得る(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、またはメチルエチルセルロース)。少なくとも1つのセルロース誘導体がエチルセルロースであることが特に好適である。
グルコピラノース単位の2−、3−および6−位置において−OR′、−OC(O)R′および−OM基によって全て置換される繰り返し単位毎のヒドロキシル基の平均数対セルロース親化合物を、置換度(DS)として示す。全ヒドロキシル基が置換される場合、置換度は例えば3.0になり得る。本発明に従って用いられるセルロース誘導体は、0.1〜2.99、好適には1.0〜2.9、より好適には2.0〜2.8、最も好適には2.2〜2.6の置換度を持ち得る。置換度は、例えば、Cellurose Communication 6(1999)(73−79)およびChirality(12(9)(2000)、670−674)に記載の方法を適合させたH−NMRおよび13C−NMRにより、決定され得る。エチルセルロースの特定の場合において、置換度を、United States Pharmacopeia(USP)XXXII−National Formulary(NF)XXVIIモノグラフ(「ethyl cellulose」、「assay」のセクション)に従って余分なヨウ化水素酸との反応、ガスクロマトグラフィーおよび炎イオン化の組み合わせによる遊離ヨウ化エチルの抽出および定量化可能な検出によって定量化することができる。
本発明に従って用いられるセルロース誘導体の重量平均分子量(M)は、1,000〜1,000,000g/モル、好適には20,000〜500,000g/モル、より好適には50,000〜300,000g/モルの範囲内であり得る。特定の実施形態において、多分散指数(PD)、すなわち、平均分子量数(M)に対するMの比は、5.0未満、より好適には2.5〜4.0の範囲内である。MおよびMの決定の根拠として用いられる分子量分布を、例えば上記例に記載のようなポリスチレン標準物質を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により実験的に測定することができる。
本発明において有用なセルロース誘導体は、上記したような公知の方法(例えば、「Comprehensive cellulose chemistry」,vol.2,Wiley−VCH,2001またはUllmanns Encyklopadie der Technischen Chemie,Verlag Chemie,4th ed.,vol.9,pp.192−212(エーテル化)およびpp.227−246(エステル化)もしくはvol.17,pp.343−354(硝酸エステル化))に従って、適切なセルロース原材料(例えば、コットンリンター、木材パルプ、またはこれらの混合物)から作製することができる。本発明に従って容易に利用することが可能な多数の市販のセルロース誘導体が存在する(例えば、CELLOSIZEヒドロキシエチルセルロース材料ならびにMETHOCELおよびETHOCELという商標でそれぞれ販売されているメチルセルロースおよびエチルセルロース材料)(全てThe Dow Chemical Companyから入手可能)またはWalsroderニトロセルロース(Dow Wolff cellulosics GmbHから入手可能)。
本発明の導電性組成物は典型的には、組成物の総重量に基づいて、少なくとも1つのセルロース誘導体を0.1〜5重量%、好適には0.3〜4重量%、より好適には0.5〜2重量%の量で含む。
少なくとも1つのセルロース誘導体に加えて、本発明による導電性組成物の担体は、相互有機溶媒中にセルロース誘導体と共に溶解された少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂を含む。他に明記なき限り、本明細書中の材料の指定された物理的状態は、周囲条件下(すなわち、23℃および圧力1atm)における物理的状態を指す。有機ポリシロキサン樹脂は固体であるため、さらなる量の処理補助(例えば、増粘剤)の利用の必要なく、導電性組成物の適切なレオロジー特性および処理可能性の調節が補助される。少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂は典型的には、分岐状分子構造(好適には3次元架橋網構造)を有する。典型的には、少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂は、例えば空気中における900℃の完全熱分解によって決定することが可能な有機ポリシロキサン樹脂の総重量に基づいて、残留物SiO含有量を40〜70重量%、好適には45〜65重量%の範囲で有する。本発明の好適な実施形態において、有機ポリシロキサンの有機部分は炭化水素基である。
好適には、本発明に従って用いられる少なくとも1つの有機ポリシロキサンは、セルロース誘導体について述べられる手順と同じ手順に従ってポリスチレン標準物質を用いてGPCによって測定されるような重量平均分子量を、500、好適には1,000、より好適には1,500から、300,000、または好適には100,000、またはより好適には30、000、またはさらにより好適には10,000、または最も好適には5,000g/モルまでの範囲で有する。多分散性は、1〜5、より好適には1.5〜3の範囲であり得る。
固体有機ポリシロキサン樹脂は、ヒドロキシ官能基であり得る。好適な実施形態において、固体有機ポリシロキサン樹脂は、有機ポリシロキサン樹脂の総重量に基づいて、ケイ素結合ヒドロキシル基を0.1〜15重量%、好適には0.5〜10重量%、より好適には1〜8重量%、さらにより好適には3.7重量%の量で含む。ヒドロキシル基の含有量は、当該分野において周知の方法(例えば、G.B.Shah、eXPRESS Polymer Letters2(11)(2008)、pp.830−831に記載の手順に従った滴定)によって決定され得る。
本発明の好適な実施形態において、導電性組成物の担体に含まれる少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂から、少なくとも1つのセルロース誘導体との混和性ブレンドが得られる。本発明の特に好適な実施形態において、少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂は、例えば化学式(II)、
の組成物を有し、式中、置換基R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、炭化水素基、またはヒドロキシル、アシルオキシ基、もしくはアルコキシ基から選択されたから選択される官能基を表し、各個々のケイ素原子に対して相互に同じであるかまたは異なり得、
0≦a≦0.4において、aは、好適には0〜0.25の範囲であり、より好適には0〜0.1の範囲であり、最も好適には0〜0.05の範囲であり、
0.01≦b≦0.99において、bは、好適には0.1〜0.95の範囲であり、より好適には0.3〜0.9の範囲であり、さらにより好適には0.45〜0.8の範囲であり、
0.01≦c≦0.99において、cは、好適には0.05〜0.95の範囲であり、より好適には0.1〜0.75の範囲であり、さらにより好適には0.2〜0.55の範囲であり、
0≦d≦0.3において、dは、好適には0〜0.15の範囲であり、より好適には0〜0.05の範囲であり、さらにより好適には0〜0.01の範囲であるが、
ただし、少なくとも1つの炭化水素基および少なくとも1つの官能基が存在し、かつa+b+c+d=1であることを条件とする。驚くべきことに、このような有機ポリシロキサン樹脂から、セルロース誘導体との高混和性ブレンドを得ることが可能であることが分かった。本発明の文脈において、「(高)混和性」という用語は、ブレンドが分子レベル上において単一相であることまたは混和性の熱力学的基準を満たすこと(すなわち、混合の負のギブズ自由エネルギーを有すること)を必ずしも必要としないが、ブレンドは実際はこれらの特性を持ち得る。しかし、本発明内において、「(高)混和性」という用語は、ブレンドがISO11357−2に従って示差走査熱量測定(DSC)によって測定されるような単一ガラス遷移温度を示すことおよび/またはブレンド中に存在し得る不連続の相構造の長さが最大寸法において200nm以下、好適には100nm以下、またはより好適には50nm以下であることも意味し得る。不連続の相構造の寸法は、当該分野において公知の透過電子顕微鏡法(TEM)によって決定され得る。図1は、エチルセルロースおよび化学式(II)の有機ポリシロキサン樹脂のブレンドの膜のTEM画像を例示する。
化学式(II)による有機ポリシロキサンは好適には、一置換および二置換構造モノマー単位を主に含む。よって、(b+c)は、例えば、0.7〜1、好適には0.8〜1、またはより好適には0.9〜1、または最も好適には0.95〜1の範囲であり得る。一置換構造モノマー単位対二置換構造モノマー単位のモル比(すなわち、c/b)は、さらに、5:1〜1:5、好適には3:1〜1:3、より好適には2:1〜1:2の範囲であり得る。有機ポリシロキサン(d、c、b、およびa)を構成する非置換、一置換、二置換、および三置換構造モノマー単位のモル分率は、実施例中に記載されるような29Si−NMR分光法によって定量的に決定することができる。
化学式(II)の有機ポリシロキサンの少なくとも1つの炭化水素基は、1つ以上の脂肪族および/または芳香族部分を含む1〜30個の炭素原子を有し得る。脂肪族部分は、線状または分岐状、飽和または不飽和であり得る。少なくとも1つの炭化水素基は、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくは1〜12個の炭素原子を有するアラルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、トリル、ベンジル、キシリル、およびエチルフェニル基)、または前記のうちいずれかの混合物から選択され得る。好適な実施形態において、少なくとも1つの炭化水素基は、1〜4個の炭素原子および/またはフェニルを有するアルキル基から選択される。1つの特に好適な実施形態において、C−Cアルキル基(例えば、メチル基およびフェニル基)双方がポリシロキサン中に存在する。アルキルおよびフェニル置換基双方が存在する場合、H−NMR分光法によって決定することが可能なアルキル対フェニル置換基のモル比は、好適には1:15〜15:1、または好適には1:10〜10:1、またはより好適には1:7〜7:1の範囲である。
少なくとも1つの炭化水素基に加えて、化学式(II)の有機ポリシロキサンは、ヒドロキシル、アシルオキシまたはアルコキシ基から選択される少なくとも1つのSi結合官能基を含む。本明細書中、アシルオキシおよびアルコキシ基は典型的には、1〜4個の炭素原子を含む(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシ基)。有機ポリシロキサンは、2つ以上の異なる官能基または単一種類の官能基を含み得る。後者の場合、化学式(II)の有機ポリシロキサンの官能基は典型的には、好適には上記したような量で存在するヒドロキシル基である。
上記に述べた有機ポリシロキサンは、上記したような当該分野において周知の方法(例えば、Ullmanns Encyklopadie der technischen Chemie、Verlag Chemie、4th ed.,vol.21,pp.511−541中のもの)に従って加水分解重縮合によって化学式SiX4−qの前駆体から生成することができ、式中、Xは、加水分解性置換基(例えば、ハロゲン)を示し、Rは、非加水分解性置換基を表し、上記したような炭化水素基からそれぞれ個々に選択することができ、qは、1〜4の範囲の整数である。本発明に従って好都合に用いることが可能な市販の有機ポリシロキサンは、例えば、Dow Corning Corp.によって流通されている217、220、233、249、および255フレーク樹脂またはZ−6018および3074樹脂中間体、Wacker Chemie AGから入手可能なSilres(登録商標)603または605を含む。
上記した固体有機ポリシロキサン樹脂は、導電性組成物および導電性組成物から得られた導電性構造の基板(例えば、シリコン基板)への接着を有効に向上させることが分かっている。さらに、上記した固体有機ポリシロキサン樹脂は、金属およびガラス粒子の安定した分散を補助することにより、レオロジー特性の低下を招くことなくこのような粒子の凝集を回避する。セルロース誘導体との高混和性ブレンドを形成する有機ポリシロキサン樹脂(例えば、化学式(II)の有機ポリシロキサン)は、相分離に対して安定しており、また、担体の結合剤の相溶性に起因して優れた均一性の良好な接着性のコーティングを提供し得るため、本発明による導電性組成物における使用に特に適している。
少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂は典型的には、組成物の総重量に基づいて、本発明の導電性組成物中において0.1〜5重量%の量、好適には0.3〜3重量%の量、より好適には0.5〜2重量%の量で含まれる。
担体は、相互有機溶媒をさらに含む。ここで、少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂および上記した少なくとも1つのセルロース誘導体が溶解される。原則的には、有機溶媒は、任意の有機溶媒または溶媒混合物であり得、少なくとも1つのセルロース誘導体および上記した少なくとも1つの有機ポリシロキサン双方は溶解性である(すなわち、少なくとも1つのセルロース誘導体および上記した少なくとも1つの有機ポリシロキサン双方はそれぞれ、23℃において少なくとも10g/Lの溶解度を示し、好適には少なくとも25g/Lの溶解度を示し、またはより好適には少なくとも50g/Lの溶解度を示す)。優先的に、有機溶媒は、1atmにおける沸点が70〜250℃の範囲である有機溶媒である。有機溶媒は、例えば炭化水素(例えば、ナフサ、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ベンゼン、トルエン、ケロシン、天然油または鉱油)、テルペンベースの溶媒(例えば、テルピネオール、ミルセン、リモネン、またはオシメン)(このうちテルピネオールが好適である)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロエタンおよびジクロロベンゼン)、および、例えば、エーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、および/またはヒドロキシル基から選択される1つ以上の他の官能基を有する炭化水素(例えばシクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シクロヘキシルアセテート、エタノール、ブチルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、Texanol、プロピレンフェノキセトール、ベンジルアルコール、1、4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、グリコールエーテル(例えば、およびグリコールエーテルエステル))ならびに前記のいずれかの混合物から選択され得る。適格なグリコールエーテルは、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノブチルエーテルである。適切なグリコールエーテルエステルは、例えば、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、およびエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを含む。本発明の好適な実施形態において、有機溶媒は、テルピネオール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレンフェノキセトール、Texanol、または前記のうちいずれかの混合物から選択される。
導電性組成物は典型的には、有機溶媒を組成物の総重量に基づいて15〜30重量%の量、好適には20〜27重量%の量で含む。
本発明の導電性組成物の伝導度は、例えば少なくとも0.01S/cmの特定の伝導度を持ち得、内部に含まれる金属粒子によって付与され、導電性相を形成し、任意の導電性金属、合金、またはその混合物によって構成され得る。例えば、金属粒子は、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、金、もしくは前記のいずれかの合金、またはこれらの混合物によって構成された粒子から選択され得る。本発明の好適な実施形態において、アルミニウム粒子および/または銀粒子が用いられる。金属粒子は、10nm〜20μmの範囲、より好適には50nm〜15μmの範囲、さらに好適には0.2〜10μmの範囲の平均粒径を有し得る。金属粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球状、粒状、針状、柱状、プレートレット状、スポンジ状、多角形、不規則形状、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。市販の金属粉末(例えば、Jin Yuan Powder Materials Co.Ltd.からのKY456 Al粉末)または7000−07Ag粉末(Ferro Corp.)を、本発明の導電性組成物の金属粒子成分として用いることができる。金属粉末は、本発明の導電性組成物の目標とする用途(例えば、シリコン太陽電池のBSF電極の作製のための導電性組成物のためのアルミニウム粉末またはシリコン太陽電池の前電極の作製用の導電性組成物の形成のための銀粉末)に従って選択することができる。金属粒子は通常は、導電性組成物の総重量に基づいて、60〜90重量%の量、好適には70重量%〜85重量%の量で用いられる。
本発明の導電性組成物中に存在するガラス粒子は、焼結プロセスにおける溶融および再固化により、導電性相と基板との間の近密かつ持続的な接触の形成のための無機結合剤として機能する。導電性組成物の形成に適した、当業者に公知の任意のガラスフリットを用いることができる。ガラス粒子は、例えば、SiO、B、Al、Bi、MgO、Sb、PbO、CaO、BaO、ZnO、NaO、LiO、KO、ZrO、TiO、IrO、SnOおよびこれらの組み合わせから選択される酸化物を含み得る。本発明の一実施形態において、ガラス粒子は、無鉛ガラスによって構成される一方、別の実施形態において、有鉛ガラスによって構成される。ガラス粒子の平均粒径は典型的には、20μm未満(例えば、0.1〜15μm)または好適には0.5〜10μmである。当業者であれば、ガラス成分を、各選択された基板および金属粒子への良好な接着、基板に類似する熱膨張係数および最大焼結温度を大きく下回る軟化温度を提供する導電性組成物の目標用途に従って選択する必要があることを理解する。例えば、ガラス粒子は、300〜650℃の軟化温度を持ち得る。シリコン基板の場合、ガラスの熱膨張係数は、例えば10×10−7〜100×10−7/℃の範囲内であり得る。このようなガラスフリットの作製は周知であり、構成酸化物の同時溶解、得られた均質のガラス溶解物の急冷および例えばボールミル中における固化ガラスの製粉により、所望の粒径が得られる。適切なガラスフリットは、例えば、Asahi、Ferro Corp.、またはXuanYan Glass Materials Co Ltd.から市販されている。ガラス粒子は典型的には、0.5〜5重量%の量、好適には1〜3重量%の量、より好適には1.5〜2.5重量%の量で本発明による導電性組成物中に含まれる。
上記した金属およびガラス粒子の寸法について、他に明記無き限り、粒子のサイズは、本発明の文脈において、各粒子を完全に包囲しかつおよびその2次元電子顕微鏡画像中の外形に接触する最小の可能な円形の直径によって定義される点に留意されたい。各平均粒径の決定は、各種類の少なくとも500個の個々の粒子の粒径の決定と、数平均粒径の計算とに基づく。
任意選択的に、本発明の導電性組成物は、金属粒子、ガラス粒子、セルロース誘導体、固体有機ポリシロキサン樹脂、および有機溶媒とは異なる導電性組成物の形成に従来から用いられる1つ以上のさらなるポリマー結合剤および/または1つ以上の添加剤をさらに含み得る。さらなるポリマー結合剤として、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリビニールブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリイミド、アルキド樹脂などの有機ポリマーが用いられ得る。さらなるポリマー結合剤を、組成物の総重量に基づいて導電性組成物中に0〜3重量%の量で含めることができる。任意選択的に存在する少なくとも1つの添加剤は、例えば、可塑剤、界面活性剤、結合剤、消泡剤、平滑剤、分散剤、導電剤、およびチキソトロピック剤から選択され得る。このような添加剤の導電性組成物中の合計量は典型的には、組成物の総重量に基づいて0〜2重量%である。本発明の好適な実施形態において、本発明の導電性組成物は、例えば導電性鉱物粉末および炭素導電剤(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ガラス状炭素およびカーボンナノチューブまたはナノ粒子)から選択され得る少なくとも1つの導電剤を含む。本発明の特に好適な実施形態において、導電性組成物は、炭素導電剤(好適にはグラファイト)を含む。これにより、このような導電剤の濃度が組成物の総重量に基づいて0.05重量%と低い場合であっても、焼結時に有機ポリシロキサン樹脂から形成されるシリカ残留物に起因して発生し得る電気抵抗の増加を全て十二分に補償することが可能になる。任意選択の導電剤を、組成物の総重量に基づいて0.1重量%以下の量で含めることができる。さらに、導電性組成物は、少なくとも1つのチキソトロピック剤(例えば、ナノ粒子シリカ)、沈殿炭酸カルシウム、水素化ヒマシ油、酸化ポリエチレンワックス、アミドワックスまたは前記のいずれかの組み合わせを含むと好適である。本発明の特に好適な実施形態において、少なくとも1つのアミド官能有機油またはワックス(好適にはアミド変性水素化ヒマシ油)を含めると、他のチキソトロピック剤よりも大幅にチキソトロピック特性を向上させることが可能となることが分かっているため、導電性組成物は、このような材料を含む。任意選択のチキソトロピック剤は、例えば、組成物の総重量に基づいて0.2重量%以下の量で導電性組成物を含む。
本発明による導電性組成物は、当該分野において公知の手段によって作製することができる。典型的には、担体は、第1のステップにおいて少なくとも1つのセルロース誘導体、少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂および任意のさらなるポリマー結合剤(ただし、用いられる場合)を相互有機溶媒中に溶解させることにより、作製される。攪拌および例えば25〜90℃の範囲の温度で加熱(ただし、必要な場合)により、均質の溶液の形成を促進することができる。その後、担体を金属粒子と混合し、ガラス粒子およびこの混合物を均質化して、本発明の導電性組成物を形成する。均質化は、例えばボールミルまたはロールミル(例えば、スリーロールグラインダー)中において行うことができる。添加剤(を少しでも用いる場合)、作製の任意の段階において用いることができる。よって、担体の作製の時において、添加剤を有機溶媒中への結合剤の溶解の前、溶解と同時または溶解後に溶解または分散させることができ、あるいはその後、金属およびガラス粒子との混合の前、混合と同時または混合後に担体へ適用することもできる。
このようにして得ることが可能な本発明の導電性組成物は、所定の導電性構造を好適には印刷可能な基板へ適用する際に適した一貫性およびレオロジー特性を持つ必要がある。本発明の導電性組成物は、例えばインク、ペーストまたは固体であり得、融点は50℃未満である。本発明の特に好適な実施形態において、導電性組成物はペーストである。好適には、導電性組成物の粘度をBrookfield RVDV−II+Pro器具によって温度23℃において51番スピンドルおよび回転速度1rpmで測定した場合、粘度は、5,000〜200,000mPa・sの範囲であり、好適には10,000〜100,000mPa・sの範囲であり、より好適には20,000〜60,000mPa・sの範囲である。さらに、本発明による導電性組成物のチクソ性指数を回転速度0.1rpmで測定された粘度η0.1と回転速度1rpmで測定された粘度ηとの間の比として表すと、チクソ性指数は1.5〜5.0の範囲であり、好適には2.0〜4.0の範囲である。
本発明の導電性組成物は、基板上に1つ以上の導電性構造を作製するために用いられ得る。基板は、誘電体または半導体基板であり得る。非限定的な例を挙げると、アルミナ、ジルコニア、チタニア、窒化ホウ素、ガラスまたはシリカ基板およびシリコンまたはグループIII−V半導体(例えば、GaAs基板)がそれぞれある。特に好適な実施形態において、基板はシリコン基板である。導電性構造は、例えば典型的には良好に画定された幾何学的形状の電気接点および電極であり得る。導電性構造は、効率的およびコストを節減する様態で以下を含む方法により作製することができる。
a.本発明による導電性組成物を基板の表面の少なくとも一部へ適用することと、
b.適用された導電性組成物を少なくとも部分的に乾燥させることと、
c.焼結を600℃を超える温度で行うこと。
導電性組成物を基板の表面の少なくとも一部へ適用するために、異なる従来の技術を用いることができる(例えば、スクリーン印刷、パッド印刷、スピンコーティング、ブラッシング、ディッピング、マイクロジェット直接書刻または押し出し)。好適には、本発明による導電性組成物は、スクリーン印刷によって適用される。本発明による導電性組成物は典型的には、コーティング厚さが10〜50μm厚さとなるような量で適用される。
乾燥ステップにおいて、例えば、直接加熱、放射加熱、マイクロ波加熱、任意選択的に加熱されたガス流れへの露出、真空適用またはこれらの任意の組み合わせにより、有機溶媒の少なくとも一部を適用された導電性組成物から蒸発させる。典型的には、少なくとも部分的な乾燥は、基板を上記基板へ適用された導電性組成物と共に100〜300℃の温度まで数秒間〜約15分まで例えば赤外線(IR)乾燥器により加熱することにより、行われる。
焼結により、導電性組成物有機成分が残留物無しに焼成され、有機ポリシロキサン樹脂のシロキサン骨格は分解してシリカとなり、また、金属相と基板との間に近密かつ持続的な良好な抵抗接点を形成するためにガラス相が溶解される。さらに、これらの条件下において、金属が基板中に拡散するかまたは溶融により合金形成が基板と金属との間に発生し得る。焼結は典型的には、少なくとも部分的に乾燥された試料を600〜1000℃の温度で1〜500秒間にわたって例えばIRベルト炉中において加熱することにより、行われる。
本発明による導電性組成物から分離された導電性構造は、基板に対して均一かつ良好な接着性であり得、亀裂、泡、または粗大粒子の形態の欠陥を実質的に含まず、基板の反りもごくわずかである。これらの特性により、本発明の導電性組成物は、多様な異なる用途(例えば、表面実装技術およびハイブリッド集積回路、プリント回路基板、多層セラミックコンデンサ、電気光学、電気化学、電気機械および電子セラミックデバイスの作製において極めて魅力的となる。本発明による導電性組成物は、半導体太陽電池の電極の作製のための従来の導電性ペーストの代替物として、特に有用である。
よって、本発明は、本発明による導電性組成物から分離された1つ以上の電極を含む半導体太陽電池(例えば、グループIII−V型太陽電池)または好適にはシリコン太陽電池にも関連する。半導体太陽電池の作製は、電極のうち少なくとも1つ作製のために本発明による少なくとも1つの導電性組成物を用いる点を除いて、従来の方法に基づいてよい。
例えば、シリコン太陽電池は、典型的には厚さ100〜300μmである単結晶、多結晶または非結晶質のp型シリコンのウェーハから形成され得る。第1のステップにおいて、典型的には、入射太陽光への反射率低減のためのμmサイズのピラミッド型構造を備えた粗表面を形成することにより、ウェーハの表面をテクスチャライズする。例えばHFによるエッチングによりネーティブシリカ層を除去した後、ドーピングをn型ドーパント(例えば、リンまたは別のグループV要素)により行って例えば熱拡散処理をPOClを前駆体として用いることにより、厚さが典型的には0.1〜0.5μmであるn型不純物層を光受容面の側部上に作製することができ、p−n接合が形成される。その後、例えばシャント抵抗を増加させるようにエッチングまたはレーザを行うことにより、n型層を基板の縁部から局所的に除去することができる。最終的に、例えば反射損失を低減させるようにプラズマ化学蒸着を行うことにより、典型的には厚さが60〜100nmである反射防止層(例えば、窒化ケイ素、チタニア、MgFまたはシリカ層)をn型不純物層上に堆積させることができる。その後、例えば上記した本発明による方法に従って、このような事前形成されたp−n接合型ウェーハを、前電極および後電極の作製のために用いることができる。よって、典型的には幅が50〜200μmであり、厚さが20〜40μmであるワイヤ電極のグリッドを銀ベースの導電性組成物からウェーハの光受容側へ適用することができる。ワイヤ電極のグリッドは、光受容面積を最大化するために、被覆する表面部分をできるだけ小さくすべきである一方、ワイヤ電極の最低面密度および寸法が、効率的電流収集および伝導の要求によって制限されるべきでもある。ウェーハの裏側は、アルミニウム裏面電界(BSF)電極の形成のために、典型的には厚さ20〜50μmでアルミニウムベースの導電性組成物によりコーティングされ得る。さらに、例えば幅1〜4mmのバスバー電極を銀およびアルミニウムベースの導電性組成物から裏側へ適用し、アルミニウム電極上に配置するか、または、アルミニウムベースの導電性組成物の裸基板上への適用前に配置し、その後、アルミニウムベースの導電性組成物は、バスバー電極間の裸領域内に部分的重複と共に適用される。本明細書中、使用される金属ベースの導電性組成物のうち少なくとも1つの(好適には全て)は、本発明による導電性組成物である。導電性組成物をペースト状にして、好適にはスクリーン印刷によりウェーハへ適用することができる。上記したような乾燥および/または焼結を単一の種類の電極に対して別個に行ってもよいし、あるいは、a)Ag前電極、b)アルミニウム裏側電極、およびc)裏側Al−Ag電極から選択される)1つ以上の種類の電極を同時に焼成してもよい。当業者に公知のように、裏面電界電極の効率的形成へ調節することができるよう、p型シリコン基板中へのAlの拡散または溶解アルミニウム中へのシリコン溶解の後に冷却によるエピタキシャル再蒸着を行って高濃度アルミニウムドーパントを含むp層を形成することにより、焼結条件を例えば上記した範囲へ調節することが必要である。p層に起因して発生する電界効果により、電子および孔の再結合が回避されるため、セルのエネルギー変換効率の向上が補助される。さらに、Agは焼結されると反射防止層を貫通して、n型不純物層と電気的に接触し得る。本発明による導電性組成物から作製された上記した電極の特性向上により、向上したセル変換効率を有する半導体太陽電池を実行することが可能になる。
以下の実施例により、本発明についてより詳細に説明するが、本発明は、これらによって限定されることを意図しない。他に明記無き限り、全ての部分およびパーセンテージは重量に基づく。本発明においてISOまたはASTM標準などの標準に言及する場合、他に指定無き限り、有効な出願日において公開された対応する基準の最新版を指すものとする。
材料
ETHOCEL STD 10(EC STD 10):エチルセルロース(The Dow Chemical Companyから入手可能)、DS:2.5、M:83,000g/モル、PD:3.30
ETHOCEL STD 45(EC STD 45):エチルセルロース(The Dow Chemical Companyから入手可能)、DS:2.5、M:158,000g/モル、PD:3.04
ETHOCEL STD 100(EC STD 100):エチルセルロース(The Dow Chemical Companyから入手可能)、DS:2.5、M:214、000g/モル、PD:3.42
DC249:Si結合メチルおよびフェニル基を有する固体フレークヒドロキシル−官能有機ポリシロキサン樹脂(Dow Corning Corp.から入手可能)。Si−結合OH基の含有量:5重量%、モル比Ph/Me:1.3/1、M:2,763g/モル、29Si−NMRによって決定された構造パラメータ:a:0、b:0.67、c:0.33、d:0
DC217:Si−結合メチルおよびフェニル基(Dow Corning Corp.から入手可能)を有する固体フレークヒドロキシル−官能有機ポリシロキサン樹脂、Si−結合OH基の含有量:6重量%、モル比Ph/Me:6.6/1、残留物SiO含有量:47重量%、M:2,000g/モル、29Si−NMRによって決定された構造パラメータ:a:0、b:0.57、c:0.43、d:0
201メチルシリコーン油:ポリジメチルシロキサン(Sinopharm Chemical Reagent Co.Ltd.から入手)、Si−結合OH基の含有量:0重量%、残留物SiO含有量:74重量%
ブチルカルビトール(BC)(The Dow Chemical Company)、純度≧99.0重量%
テルピネオール(TP)(Sinopharm Chemical Reagent Co.Ltd.)、cpグレード
ブチルカルビトールアセテート(BCA)(The Dow Chemical Company)、純度≧99.6重量%
Al粉末KY456(Jin Yuan Powder Materials Co.Ltd.)
ガラスフリットXY18008(Xuan Yan Glass Materials Co.Ltd.)。
分子量の決定
用いられるETHOCEL材料および有機ポリシロキサンの上記した重量平均分子量ならびに多分散性指数を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、温度40℃で保持されるAgilent屈折率検出器を備えたAgilent1200器具を用いて測定した。各測定において、20mgの各サンプル材料を10mLのテトラヒドロフラン(THF)中に溶解させた。その後、この溶液の20μLのアリコートを、分子量に従った分離のために40℃で保持されるタンデムモードにおいて2つのミニ混合Dカラム(4.6×250mm)を用いて1分当たり0.3mLのTHF/分の一定溶出速度で操作されるGPC器具の入口ポート中に注入した。分子量が580〜316,500g/モルの範囲のPLポリスチレン狭基準(部品番号2010−0101)を用いて、システム較正を行った。
有機ポリシロキサン樹脂構造パラメータa、b、c、およびdの決定
29Si−NMR分光法により、例において用いられる有機ポリシロキサン樹脂を構成する非置換、一置換、二置換、および三置換構造モノマー単位の報告されたモル分率を定量的に決定した。固体状態29Si−NMRスペクトルを、Bruker Avance400幅広ボア器具上において22℃でジルコニアサンプルロータおよび各粉末状の有機ポリシロキサン樹脂がロードされた7mmのMASプローブと共に29Si共振周波数79.4MHzで取得し、直接分極/マジック角回転(MAS)実験を回転周波数4kHzで5μs90°励起パルスで、500sリサイクル遅延を単一走査間で用い、50kHzのTPPM減結合を384走査において平均化した。化学シフト(Δ)を外部基準のトリス(トリメチルシリル)シラン(TTMSS、Δ=−9.83、−138.36ppm)によって較正した。当業者に公知の各構造に対する化学シフト特性に従って、1倍、2倍または3倍置換または非置換構造モノマー単位の有機ポリシロキサンに対してピーク指定を行った(例えば、G.Engelhardt et al.,Journal of Organometallic Chemistry,54(1974),115−122C.B.Wu et al.,High Performance Polymers,22(2010),959−973、およびHuang et al.,Journal of Applied Polymer Science,70(1998),1753−1757)。)調査したポリシロキサンについて、以下に示すように、以下のピークが観察され、割り当てられた:DC217について、δ=−17.5ppm(Me)Si(O1/2、δ=−56.2ppm(HO)(Me)Si(O1/2、δ=−63.6ppm(Me)Si(O1/2、δ=−68.7ppm(HO)(Ph)Si(O1/2およびδ=−78.8ppm(Ph)Si(O1/2forDC249;δ=−60.6ppm(Me)Si(O1/2、δ=−69.1ppm(HO)(Ph)Si(O1/2およびδ=−78.3ppm(Ph)Si(O1/2。その後、モル分率を、各種類の構造モノマー単位(a:[RSiO0。5]、b:[RSiO]、c:[RSiO1.5]、d:[SiO])に関連する全ピークの累積統一面積と、全ピークの累積された合計統一面積との間の比として計算する。各29SiDP/MAS NMRスペクトルのピークデコンボリューションをDMFit曲線適合プログラムを用いて行った(D.Massiot et al.,Magn.Reson.Chem.,vol.40(2002),70−76)。これらのピークを、デコンボリューションパラメータとしての混合されたガウス/ローレンツ特性、線幅および強度と自由適合させた。4kHzにおけるマジック角回転から得られた主要回転サイドバンドをこの適合において考慮した。特定の構造モノマー単位と関連付けられたパラメータ値a、b、cまたはdがゼロであると報告された場合、各構造単位に対応する信号は29Si−NMR分析内において検出されなかったが、検出制限未満の量のこのような構造単位の実際の存在を排除しない。
ブレンド混和性
10.0gのEC STD100および4.3gのDC249を、84重量部のトルエン、5.3重量部のアセトン、および10.7重量部のエチルアセテートの90gの溶媒混合物中に溶解させることによって得られた均質の溶液をガラス基板上においてElco計測器4340自動膜アプリケータを用いてキャストし、オーブン中において60℃で2時間乾燥させた後、120℃で2時間で乾燥させ、その後乾燥した膜を基板から剥離することにより、厚さ90μmのブレンド膜を準備した。キャスト膜の中央領域から得られた厚さ約60nmの断面をLeica EM UC6ミクロトームによって入手し、1000メッシュTEMグリッド上に収集した。0.5重量%水溶性RuO溶液の気相へ10分間露出することにより、膜断面を染色し、その後、100kVでGatan−791および794デジタルカメラと共に動作するJEOL JEM−1230透過型電子顕微鏡上において画像化した。図1は、このようにして得られたTEM画像を示し、ブレンドにより、極めて均質のナノ構造からEC STD100およびDC249が得られることを示している。これは、化学式(II)の他の有機ポリシロキサン樹脂のブレンド(例えば、DC217およびチルセルロース材料のブレンド)においても確認された。TEM分析時において毎回別個の特徴が示される場合、図1中に例示的に示すように均一のマトリックス中に分散された場合に最大寸法長さが200nm未満である特徴を示す。これは、化学式(II)の有機ポリシロキサン樹脂とセルロース誘導体との優れた混和性を示す。
担体作製および試験
16gのETHOCEL STD45および4gのDC217を180gのブチルカルビトールへ撹拌下で適用することにより、本発明による担体(例1A)を調製した。攪拌した混合物を約70℃まで加熱し、固体を完全溶解させるため、この温度で3時間保持した。その後、その結果得られた均質の溶液を雰囲気温度まで冷却した。
例1Aについて述べるように比較例を調製したが、表1に記載のように、ETHOCEL STD45を結合剤(比較例1B)のみを用いるかまたは非セルロース結合剤201としてメチルシリコーン油(比較例1C)、変性ポリエステル樹脂(比較例1D)またはエポキシ樹脂(比較例1E)をDC217の代わりにそれぞれ用いた。
その接着特性の調査のため、ステンレススチールブレードおよび乾燥ボックスを備えたAFA−III自動肉厚膜コーターを用いることにより、担体1A〜1Eをそれぞれ約1.0gのローディングで横寸法125x125mm2および厚さ200μmの単結晶シリコンウェーハ上にコーティングした。キャスト膜を空気中において230℃において5分間で乾燥させ、厚さ15±3μmとした。角度90度で相互に交差する11個の平行な切断部の2つの群からなるグリッドを適用した後、P−99型の25mm幅の接着テープ(PERMACELから供給)を同一バッチからグリッド上の全測定のために適用し、180度の角度でテープを素早く剥離した後にグリッド領域を視認検査することにより、各コーティングのウェーハへの接着をASTMD3359の方法Bに従って測定した。接着測定の結果の概要を表1に示し、表中、スケール範囲を0B(最低接着)〜5B(最高接着)によって示す。担体組成物を含むエチルセルロースのシリコン基板への接着は、固体有機ポリシロキサン樹脂の組み込みによって、大幅に向上させることができ(例1A対比較例1B)、一方、ポリエステル(比較例1D)またはエポキシ樹脂(比較例1E)をさらなる結合剤としてエチルセルロースへ組み込んだ場合、シリコン基板への接着が低下したことが分かる。シリコーン油を適用した場合(比較例1C)。接着は若干向上したが、例1Aの同一量の固体有機ポリシロキサン樹脂よりも大幅に低かった。よって、固体有機ポリシロキサン樹脂を接着促進剤として用いた場合、エチルセルロースベースの担体を含む導電性組成物の形成において好都合となるようである。
さらに、本発明による担体を例1Aについて記載のように調製した以外の差として、ETHOCEL STD45、DC217を用い、各場合において表1に羅列するような別個のチキソトロピック剤(例2A〜2D)あるいは、基準として表1に記載される量で指定量のテルピネオールおよびブチルカルビトールアセテートの2:1(重量%/重量%)溶媒混合物中へチキソトロピック剤(例2E)を溶解させず、異なるチキソトロピック剤の適用による担体のレオロジー特性への影響を調査した。
担体2A〜2Eの粘度を、Brookfield RV DV−II+Pro器具を用いて温度23℃で51番スピンドルでおよび回転速度1rpmで測定した。さらに、粘度をそれぞれ回転速度10rpmで測定されるとき、、チクソ性指数η/η10を1rpmにおける粘度と10rpmにおける粘度との間の比として計算した。さらに、担体2A〜2Eを、直径40mmのアルミニウムプレートを用いた平行板ジオメトリ中の温度制御のためのペルチェ要素を備えたTA器具からのAR2000exレオメータ上において試験した。約2mLの各担体溶液をプレート間に配置し、設定測定温度30℃において2分間平衡化させた。その後、せん断速度を先ず10分以内において0.1から100s−1まで線状に増加させた後、同様に線状に10分以内において100から0.1s−1まで低下させ、その際、合計60個のデータポイントの取得により、せん断速度へ依存するせん断応力を同時に測定した。せん断応力対せん断速度のプロットから、チキソトロピックループを上昇測定と下降測定との間の統一面積として測定した。測定したレオロジー特性の概要を表1に示し、アミド官能化合物(例えば、Crayvallac MT(例2A)およびHycasol R12(例2B))を適用することにより、他のチキソトロピック剤(例えば、ナノ粒子シリカ(例2C)または水素化ヒマシ油(例2D))対基準としてのチキソトロピック添加剤無しの担体(例2E)を適用した場合よりも、チキソトロピックループおよびチクソ性指数を実質的に増加させることができることが分かる。チキソトロピックループは、例2A〜Bの場合は例えば10倍よりも多く増加したのに対し、基準としての例2C〜D対例2Eの場合の増加は2倍未満であった。よって、アミド官能有機ワックスまたは油は、本発明による導電性組成物のための特に有効なチキソトロピック剤を示す。
導電性アルミニウムペーストの作製
異なる導電性アルミニウムペーストを、表2、3および4に示す配合に従って調製した。第1のステップにおいて、エチルセルロースおよび有機ポリシロキサン成分DC217または201メチルシリコーン油および任意の溶解性添加剤を相対量でそれぞれ各有機溶媒中に表に記載の配合で撹拌下で溶解させ、温度約70℃まで加熱し、3時間保持した。その後、その結果得られた均質の担体溶液を雰囲気温度まで冷却した。その後、アルミニウム粉末、ガラスフリットおよび有機溶媒中に溶解しない任意の添加剤を、表に記載の配合に従って各相対量でそれぞれ対応する担体溶液へ適用し、攪拌により分散させた。スクレーパーにより深い端部からゲージの浅い端部まで均一動作で掬い取られたペーストの微粉度がスケール範囲0〜25μmおよびステップ幅1.25μmを有する段階型Hegman型ゲージ(Shanghai Xiandai Environmental Engineering Technique Co.Ltd.から提供)を用いたASTM−D1210を用いて測定した際に15μm未満になるまで、各分散物をPuhler PTR 65Cスリーロールミルによって均質化させた。このような微粉度を達成した後、ペーストを真空脱気し、さらなる使用のために保存した。
調製されたアルミニウムペーストの特性化
表2に記載の配合は、本発明による導電性Alペーストであり、このようなチキソトロピック剤(例5)を含まない組成物と比較して、チキソトロピック剤であるHycasol R12(例3A〜C)およびCrayvallac MT(例4A〜C)それぞれの量を系統的に増加させた。チクソ性指数を回転速度0.1rpmにおける測定粘度と粘度1rpmにおいて測定された粘度との間の比として計算した点を除いて、これらのペーストのレオロジー特性を担体溶液に述べたように測定した。粘度、チキソトロピックループおよびチクソ性指数η0。1/ηの結果を表2に示す。例3A〜Cおよび4A〜Cから分かるように、例5と比較して、本発明による導電性組成物のチキソトロピック特性は、アミド官能ワックスの組み込みにより大幅に向上させることができる。粘度、チキソトロピックループおよびチクソ性指数は、Hycasol R12またはCrayvallac MTの適用量と共に安定して増加する。このようなアミドワックスをペーストの総重量に基づいてわずか0.06重量%の量で適用することにより、チキソトロピックループを約50%だけ増加させることができる。同時に、チキソトロピック剤が0重量%である場合にチクソ性指数を1.6から増加させることができ、添加剤が0.06重量%である場合に2.9以上まで増加させることができる。よって、本発明により、良好に画定された基板上の導電性構造の例えばスクリーン印刷による作製において、優れた処理特性を示す(詳細には、流動性が低く、沈下抵抗が高く、せん断応力が適用されていないときの形状保持能力が優れている一方、せん断応力適用により粘度を大幅に低減することができる)導電性ペーストが得られる。
エチルセルロース結合剤を含む担体を有する導電性アルミニウムペースト中に有機ポリシロキサンを組み込んだことによる影響を調査するために、表3に記載の配合を調製した。調製された導電性ペーストのうち1つを約1.0gだけローディングして、ステンレススチールブレードおよび乾燥ボックスを備えたAFA−III自動肉厚膜コーターを用いることにより、横寸法125x125mm2および厚さ200μmの単結晶シリコンウェーハをそれぞれコーティングした。キャスト膜を空気中において230℃で5分間乾燥させて、厚さ25±3μmの乾燥膜を得た。その後、乾燥膜を空気中においてプログラマブル焼結オーブンを用いて温度を室温から790℃まで5秒以内に上昇させることにより焼結し、温度を10秒以内にさらに790から802℃へ上昇させ、温度を802℃で2秒だけ保持した後、温度を再度室温まで6秒以内に低下させた。得られたコーティングに対し、肉眼的欠陥の存在について表面泡および粗大粒子が無いかについて視認検査を行った。コーティングされたウェーハをコーティング側を無地のガラス本体の表面上に載置した状態で配置し、ウェーハ上端からガラス本体下部への距離をデジタルマイクロメーターにより測定し、ガラス本体の厚さおよびシリコンウェーハ厚さを減算することにより、シリコン基板の反りを決定した。コーティングの基板への剥離接着について、質量1kgおよび幅25mmを有するスチールローラーを用いて、JAL150型(JINGTHUA Tape)の長さ300のアルミニウム接着テープを長さ方向に手でコーティング上において125mm幅ウェーハの中心線に沿って3回回転させて、残りの175mmがウェーハの一側部上に突出して自由端を形成し、ウェーハおよびテープの自由端をテスターの同軸クランプ中に固定し、その後引張速度500mm/分を用いて180度剥離し、対応する力を記録することにより、Instron 5566 Universal Mechanicalテスター上においてASTMD3330の方法Aに従って試験した。表3中に記録されている接着力は、接着テープ幅へ正規化された、剥離に必要な記録平均力値によって表される。コーティングのシート抵抗を、DMR−1C抵抗計測器(DM,Nanjing,Jiangsuから)によって4点プローブ配置においてさらに測定した。表3中に、これらの特性化方法の結果の概要を表2の配合について測定されたペーストのレオロジー特性と共に示す。
表3中の結果は、ペースト(例6A〜6D)へ適用されるDC217の量を一定の合計結合剤ロード(エチルセルロース+有機ポリシロキサン)で系統的に増加させることにより、導電性ペーストから調製された焼結電極のシリコン基板に対する接着力は、結合剤としてエチルセルロースのみを含むが固体有機ポリシロキサン樹脂(比較例9)は含まないペーストの参考値0.56N/mmから、1重量%のDC217を初期ペースト中に含めた場合の1.12N/mmまで着実に増加することを示す。さらに、DC217を初期ペースト中に0.3重量%以上の量で含めた場合、基板の反りは1mm未満まで低下したのに対し、このような固体有機ポリシロキサン樹脂を用いなかった場合、基板反りは1.5mmであった。さらに、例6A〜6Dの場合に得られた焼結電極は均一であり、比較例9および10の場合に得られたコーティングと対照的に、表面泡および粗大粒子などの肉眼的欠陥も無かった。さらに、DC217を含むがエチルセルロース結合剤は含まない比較例10のペーストは、例6A〜6Dのペーストと比較して粘度が低く、チキソトロピックも低かった。これらの発見は、エチルセルロースと、相互有機溶媒中に溶解した固体有機ポリシロキサン樹脂との組み合わせを含む担体を用いることにより、導電性金属ペースト中にこのような結合剤を個々に使用する場合よりも、有利でありかつより特性のバランスのとれたプロファイルが得られることを示す。双方の結合剤の優れた相溶性と、その層状効果とにより、優れた分散安定性およびレオロジー特性のペーストを得ることが可能になり、このようなペーストから、肉眼的欠陥の無い良好に画定された導電性構造体をシリコーン基板上に付着し、基板への接着が大幅に向上し、基板反りが低減する。有機ポリシロキサン樹脂をペースト中に導入することに起因するシート抵抗の増加の観測(例6A〜6D対おそらくは焼結によって形成されたシリカ残留物に関連する比較例9)は、ペーストの総重量に基づいて導電剤(例えば、グラファイト)をわずか0.05重量%の量で適用すること(例6E)により、十二分に補償することができる(ただし、目標用途において必要な場合)。
シリコーン油(比較例7)を固体有機ポリシロキサン樹脂およびエチルセルロース結合剤の組み合わせの代わりに用いた場合、有利な恩恵は得られないものの、類似の恩恵が得られなかったが、処理可能性(詳細には、導電性配合のスクリーン印刷適性)の大幅の低減の原因となるチキソトロピック特性および粘度が低下した。比較例7の分散は、さらに安定せず、雰囲気温度における保存を48h行った後に沈殿を示す一方、本発明によるペーストは、これらの条件下において均一かつ安定したままであった。さらに、対応する焼結コーティングのシリコン基板への接着力は大幅に低下し、シート抵抗は108.6mΩであり、同一量の固体有機ポリシロキサン樹脂を用いた類似のペーストのコーティング(例6C)の場合の52.8mΩの値の2倍を超えた。
比較例8を例6Dと比較したところ、ガラスフリットを金属ペーストから省略した場合、剥離接着力が約4倍低下し、シート抵抗が85.7mΩから700mΩを超える値まで大幅に増加したことがさらに分かった。これは、ガラスフリットは本発明による導電性組成物の本質的な成分であり、シリコン基板への接着と、焼結によって達成される金属相および基板間の抵抗接点とを大きく損なうこと無く、米国第2011/0217809A1号に提案されているような有機ポリシロキサン結合剤によって代替することはできないことを示す。
表4において、シリコン太陽電池のためのアルミニウム電極の作製について、本発明による別の導電性ペースト(例11)の性能と、太陽電池用途に用いられる2つの市販の導電性アルミニウムペースト(比較例12および13)とを比較した。これらのペーストからのシリコンウェーハ上のコーティングの作製と、ペーストおよびコーティングの評価および試験とを、表3の配合に上述のように実行した。本発明によるペーストは、市販のペーストよりも顕著なチキソトロピック特性を示し、より良好な処理特性(例えば、より良好なスクリーン印刷適性)を示した。例11の配合から調製された焼結電極は、市販のペーストを用いた場合と同様の少量の基板反りを示し、泡または粗大粒子などの肉眼的欠陥が無かった一方、市販のアルミニウムペーストZL−120Xから作製されたコーティング(比較例12)の場合、一定の表面泡があった。さらに、本発明によるペーストから調製された電極のシート抵抗は、ZL−120Xから構成された電極よりもずっと低く、剥離接着力は、市販のペーストSolus6220(比較例13)から得られたコーティングのほぼ2倍であった。従って、結論として、本発明による導電性ペーストは、太陽用途のための従来の市販の金属ペーストと比較して互角の性能を示し、よって、セル変換効率が向上したシリコン太陽電池の作製に有利に用いることが可能である。

Claims (9)

  1. 導電性組成物であって、当該導電性組成物の総重量に基づいて、
    a.60〜84.7重量%の複数の金属粒子と、
    b.0.1〜5重量%の複数のガラス粒子と、
    c.15〜30重量%の相互有機溶媒中に溶解された0.1〜5重量%の少なくとも1つのセルロース誘導体および0.1〜5重量%の少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂を含む担体と、
    を含む、導電性組成物。
  2. 前記少なくとも1つのセルロース誘導体は、セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテルである、請求項1に記載の導電性組成物。
  3. 前記少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂は、式、
    [RSiO0.5[RSiO][RSiO1.5[SiO
    の組成物を有し、式中、前記置換基R、R、R、R、RおよびRはそ
    れぞれ独立して、炭化水素基、またはヒドロキシル、アシルオキシ基、もしくはアルコキシ基から選択される官能基を表し、各個々のケイ素原子について相互に同一であるかまたは異なり得、
    0≦a≦0.4であり、
    0.01≦b≦0.99であり、
    0.01≦c≦0.99であり、
    0≦d≦0.3であるが、
    ただし、少なくとも1つの炭化水素基および少なくとも1つの官能基が存在し、かつa+b+c+d=1であることを条件とする、
    請求項1または2に記載の導電性組成物。
  4. 前記少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂は、ヒドロキシ官能性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性組成物。
  5. 前記少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂は、分岐状分子構造を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性組成物。
  6. 前記少なくとも1つの固体有機ポリシロキサン樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィーによってポリスチレン標準物質を用いて測定されるとき、1,000〜300,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性組成物。
  7. 前記導電性組成物は、ペーストでありかつ/またはBrookfield RVDV−II+Pro器具によって温度23℃において51番スピンドルおよび回転速度1rpmで測定されるとき、5,000〜200,000mPa・sの範囲の粘度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性組成物。
  8. 基板上に1つ以上の導電性構造を作製する方法であって、
    a.請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性組成物を前記基板の表面の少なくとも一部へ適用することと、
    b.前記適用された導電性組成物を少なくとも部分的に乾燥させることと、次いで
    c.焼結を600℃を超える温度で行うことと、
    を含む、方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性組成物から作製された1つ以上の電極を含む、半導体太陽電池。
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