JP6098541B2 - 車両用エアバッグシステム - Google Patents

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本発明は、車両用エアバッグシステムに関する。
下記特許文献1には、車両幅方向に隣合うシートバック側部に、ファーサイドエアバッグをそれぞれ備えた構成が開示されている。
特開2010−070003号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された先行技術による場合、フロントシートのシートポジションがニュートラル(中立位置)よりもフロントモースト(最前位置)側に設定されていた場合、斜突時に、ファーサイドエアバッグの前端部が前面衝突用メインエアバッグ(運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグ)と干渉し、互いのエアバッグの展開を阻害することが考えられる。
本発明は上記事実を考慮し、シートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間よりもフロントモースト側にある場合であっても、斜突時又は斜突予知時にファーサイドエアバッグが前面衝突用メインエアバッグの展開を阻害しない車両用エアバッグシステムを得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両用エアバッグシステムの発明は、車室のステアリングホイールを含むインストルメントパネル側に搭載され、斜突時又は斜突予知時にフロントシートのシートバック側へ膨張展開する前面衝突用メインエアバッグと、前記フロントシートのシートバックにおける車両幅方向中央側の側部に搭載され、斜突時又は斜突予知時に当該側部から車両前方側へ膨張展開するファーサイドエアバッグと、前記フロントシートのシートポジションを検知するシートポジションセンサと、前記シートポジションセンサによって前記フロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間からリヤモーストまでの間にあることが検知された場合には、前記ファーサイドエアバッグの展開を許可し、前記シートポジションセンサによって前記フロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間よりもフロントモースト側にあることが検知された場合には、前記ファーサイドエアバッグの展開を禁止するコントローラと、を有している。
請求項2記載の本発明に係る車両用エアバッグシステムの発明は、請求項1記載の発明において、前記ファーサイドエアバッグは、運転席用と助手席用とにそれぞれ設けられていると共に、前記コントローラによってファーサイドエアバッグの展開が許可されるときには、運転席用及び助手席用のいずれのファーサイドエアバッグも膨張展開する。
請求項3記載の本発明に係る車両用エアバッグシステムの発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、車両の速度を検知する車速検知センサを備えており、前記コントローラは、当該車速検知センサによって検知された速度が低速である場合には、前記シートポジションセンサによって前記フロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間からリヤモーストまでの間にあることが検知された場合であっても、前記ファーサイドエアバッグの展開を禁止する。
請求項1記載の本発明の作用は、以下の通りである。
車両前部が斜突すると、フロントシートに着座した乗員の頭部を含む上体(以下、単に「乗員の上体」という。)は、車両前部の衝突側へ慣性移動しようとする。この場合、フロントシートのシートバックにおける車両幅方向中央側の側部に搭載されたファーサイドエアバッグが、当該側部から車両前方側へ膨張展開される。これにより、乗員の上体の車両幅方向中央側への移動がファーサイドエアバッグによって規制(拘束)される。その結果、乗員の上体が保護される。
ところで、一般にフロントシートのシートポジションは、乗員の体格に応じてフロントモーストからリヤモーストまでの間で調節される。そして、どのシートポジションが選択されたかは、シートポジションセンサによって検知されている。
ここで、本発明では、シートポジションセンサによって、フロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間からリヤモーストまでの間にあることが検知された場合には、コントローラによって、ファーサイドエアバッグの展開が許可される。従って、非近接乗員の場合(標準体格から大柄な体格の乗員の場合)には、車両が斜突した際に、前面衝突用メインエアバッグとファーサイドエアバッグの両方が膨張展開される。しかも、シートポジションが上記範囲にあるため、ファーサイドエアバッグの前端部が前面衝突用メインエアバッグと干渉することもない。
一方、シートポジションセンサによって、フロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間よりもフロントモースト側にあることが検知された場合には、コントローラによって、ファーサイドエアバッグの展開が禁止される。従って、近接乗員の場合(小柄な体格の乗員の場合)には、車両前部が斜突した際に、前面衝突用メインエアバッグは膨張展開されるが、ファーサイドエアバッグは膨張展開されない。このため、ファーサイドエアバッグの前端部が前面衝突用メインエアバッグと干渉して前面衝突用メインエアバッグの展開を阻害することはない。しかも、乗員と前面衝突用メインエアバッグとの距離が近く、衝突時の乗員が有する運動エネルギも小さいため、前面衝突用メインエアバッグのみで乗員を充分拘束することができる。
請求項2記載の本発明によれば、ファーサイドエアバッグは、運転席用と助手席用とそれぞれ設けられている。
ここで、本発明では、コントローラによってファーサイドエアバッグの展開が許可されるときには、運転席用のファーサイドエアバッグ及び助手席用のファーサイドエアバッグのいずれも膨張展開される。このため、例えば、ドライバのニアサイドで斜突した場合、ドライバの上体は車両前方側かつ車両幅方向外側へ斜めに慣性移動するが、前面衝突用メインエアバッグで拘束されたときの反発力で当該方向と反対方向へドライバの上体が移動しても、運転席用のファーサイドエアバッグによって保護される。同様に、ドライバのファーサイドで斜突した場合、助手席に着座した乗員の上体は、前面衝突用メインエアバッグで拘束されたときの反発力で当該方向と反対方向へ乗員の上体が移動しても、助手席用のファーサイドエアバッグによって保護される。
請求項3記載の本発明によれば、車速検知センサによって検知された車両の速度が低速であった場合には、シートポジションセンサによってフロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間からリヤモーストまでの間にあることが検知された場合であっても、ファーサイドエアバッグの展開が禁止される。すなわち、低速の場合、衝突時に乗員の上体に働く慣性力も小さいので、ファーサイドエアバッグが膨張展開していなくても、前面衝突用メインエアバッグだけで充分拘束が可能であるので、このような場合にはファーサイドエアバッグを展開させない。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用エアバッグシステムは、シートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間よりもフロントモースト側にある場合であっても、斜突時又は斜突予知時にファーサイドエアバッグが前面衝突用メインエアバッグの展開を阻害しないという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用エアバッグシステムは、フロントシートに着座する乗員がセンタコンソールボックスやシフトレバー等の干渉物と干渉することを抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用エアバッグシステムは、ファーサイドエアバッグの交換を不要とし、ユーザーの負担を軽減することができるという優れた効果を有する。
本実施形態に係る車両用エアバッグシステムの全体構成を模式的に示す平面図である。 本実施形態に係る車両用エアバッグシステムのブロック図である。 本実施形態に係る車両用エアバッグシステムの制御フローの一部を示すフローチャートである。
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る車両用エアバッグシステムの一実施形態について説明する。なお、図1に示される矢印FRは車両前方側を示しており、又矢印LHは車両幅方向左側を示しており、更に矢印RHは車両幅方向右側を示している。
図1に示されるように、車両10は、エンジン等のパワーユニットが配設される車両前部12と、この車両前部12の車両後方側に配置されて乗員の居住空間となる車室(キャビン)14と、を含んで構成されている。
車室14の前部には、運転席16及び助手席18から成るフロントシート20が、センタコンソールボックス22を挟んで車両幅方向に並んで配設されている。運転席16は、乗員(ドライバ)が着座するシートクッション24と、乗員の背もたれとされるシートバック26と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト28と、によって構成されている。同様に、助手席18は、乗員(パッセンジャ)が着座するシートクッション24と、乗員の背もたれとされるシートバック26と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト28と、によって構成されている。なお、以下の説明においては、運転席16と助手席18とを区別する必要がない場合は、「フロントシート20」として包括的な名称を使って説明することがある。
上述したフロントシート20は、図示しないシートスライド機構によって車体フロアに対して車両前後方向にスライド可能とされている。シートスライド機構について補足すると、車体フロアの上面には、各々車両上方側が開放された凹溝を有しかつ長尺状とされた左右一対のシートレールがブラケットを介して平行に取り付けられている。各シートレールにはロアアームがスライド可能に挿嵌されており、このロアアームにフロントシート20のシートクッションの下方に配置されたアッパアームが連結されている。これにより、フロントシート20は、シートレールに沿って車両前後方向に所定のストロークの範囲内でスライドさせることができるようになっている。
また、フロントシート20のシートポジションは、操作レバーを操作することにより、調節可能とされている。一例について説明すると、スライドレールの長手方向に所定ピッチで係合溝が形成されており、この係合溝に係合部が係合されることにより、シートポジションがその位置にロックされるようになっている。なお、シフトポジションを変更する場合には、シートクッションの前端下方付近に設けられた操作レバーを操作することによりロック状態が解除され、係合部が係合溝に対応すると付勢力でロックされるようになっている。係合溝は例えば26個形成されており、最も前側にある係合溝に係合部が係合されたときのシートポジションを「フロントモースト」と称し、最も後ろ側にある係合溝に係合部が係合されたときのシートポジションを「リヤモースト」と称している。また、係合部が26個形成されている場合、前から13個目又は14個目の係合溝に係合部が係合されたときのシートポジションを「ニュートラル」と称している。係合部の数が奇数であれば「ニュートラル」は中央位置となり、係合部の数が偶数であれば「ニュートラル」は中央二箇所のいずれかにすればよい。
上述した車両10には、乗員拘束装置である三点式のシートベルト装置の他に、乗員拘束補助装置として各種エアバッグ装置(運転席用メインエアバッグ装置30、助手席用メインエアバッグ装置32並びに運転席用ファーサイドエアバッグ装置34、助手席用ファーサイドエアバッグ装置36)が搭載されている。以下に、各エアバッグ装置について概説する。
運転席用メインエアバッグ装置30は、ステアリングホイール38のホイールパッドの内側に配設されている。運転席用メインエアバッグ装置30は、図示しない箱状のベースプレートに固定されて斜突を含む前面衝突時又は前面衝突予知時(以下、「斜突時等」と称す。)に作動してガスを噴出するインフレータ40と、折り畳まれた状態でベースプレートにインフレータ40と共に固定されてインフレータ40から噴出されたガスによって膨張展開される運転席用メインエアバッグ42と、を含んで構成されている。さらに、ホイールパッドの裏面側には、乗員側から見てH字状に形成されて所定のバッグ膨張圧が作用することにより破断するティア部が形成されている。これにより、斜突時等には、ホイールパッドの頂部がエアバッグドアとして前後(上下)に展開されて運転席用メインエアバッグ42が膨張展開されるようになっている。
助手席用メインエアバッグ装置32は、インストルメントパネル44の助手席側に配設されている。助手席用メインエアバッグ装置32は、図示しないインパネリインフォースメントに取付ブラケットを介して支持されたモジュールケースを備えている。このモジュールケース内に斜突を含む斜突時等に作動してガスを噴出するインフレータ46と、折り畳まれた状態で取付ブラケットにインフレータ46と共に固定されてインフレータ46から噴出されたガスによって膨張展開される助手席用メインエアバッグ48と、を含んで構成されている。さらに、インストルメントパネル44の助手席側の裏面側には、乗員側から見てH字状に形成されて所定のバッグ膨張圧が作用することにより破断するティア部が形成されている。これにより、斜突時等には、インストルメントパネル44がエアバッグドア50として前後(上下)に展開されて助手席用メインエアバッグ48が膨張展開されるようになっている。
運転席用ファーサイドエアバッグ装置34は、運転席16のシートバック26の車両幅方向中央側の側部26A内に配設されている。運転席用ファーサイドエアバッグ装置34は、シートバック26内に配設されたシートバックフレームの車両幅方向中央側に配置されたサイドフレーム52に固定されて斜突時等に作動してガスを噴出するインフレータ54と、折り畳まれた状態でサイドフレーム52にインフレータ54と共に固定されてインフレータ54から噴出されたガスによって膨張展開される運転席用ファーサイドエアバッグ56と、を含んで構成されている。さらに、シートバック26の車両幅方向中央側の側部26Aを覆う表皮58の所定位置(フロント表皮とサイド表皮とが縫製される部位)には図示しない開裂部が設定されている。これにより、斜突時等には、表皮58の開裂部が破断して、運転席用ファーサイドエアバッグ56が運転席16側のシートバック26の前記側部26Aの側方に車両前方側へ膨張展開されるようになっている。
助手席用ファーサイドエアバッグ装置36は、助手席18のシートバック26の車両幅方向中央側の側部26A内に配設されている。助手席用ファーサイドエアバッグ装置36は、運転席用ファーサイドエアバッグ装置34と同様の構成とされており、インフレータ60と助手席用ファーサイドエアバッグ62とを主要な要素として備えている。これにより、斜突時等には、表皮58の開裂部が破断して、助手席用ファーサイドエアバッグ62が助手席18側のシートバック26の前記側部26Aの側方に車両前方側へ膨張展開されるようになっている。
次に、図2を用いて、本実施形態に係る車両用エアバッグシステム64のシステム構成について説明する。
車両前部12の車両幅方向両側には、車体骨格部材を構成する図示しない左右一対のフロントサイドメンバが車両前後方向に沿って配設されている。運転席16側(図1において左側)のフロントサイドメンバの前端部付近には、加速度センサで構成された第1フロントサテライトセンサ66が配設されている。また、助手席18側(図1において右側)のフロントサイドメンバの前端部付近には、加速度センサで構成された第2フロントサテライトセンサ68が配設されている。
また、運転席16のスライドレールには、運転席用(D席用)シートポジションセンサ70が配設されており、運転席16のシートポジション(車両前後方向の位置)を検知するようになっている。同様に、助手席18のスライドレールには、助手席用(P席用)シートポジションセンサ72が配設されており、助手席18のシートポジションを検知するようになっている。さらに、車両前部12には車速センサ74が配設されている。
上述した第1フロントサテライトセンサ66、第2フロントサテライトセンサ68、運転席用シートポジションセンサ70、助手席用ポジションセンサ72及び車速センサ74は、コントローラ76にそれぞれ接続されており、各々の検知信号をコントローラ76に出力している。さらに、コントローラ76は、運転席用メインエアバッグ装置30のインフレータ40の点火装置、助手席用メインエアバッグ装置32のインフレータ46の点火装置、運転席用ファーサイドエアバッグ装置34のインフレータ54の点火装置及び助手席用ファーサイドエアバッグ装置36のインフレータ60の点火装置にそれぞれ接続されており、これらのエアバッグ装置の作動をそれぞれ制御している。
なお、車両10には、上記エアバッグ装置以外にもサイドエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、ポップアップフード装置、フードエアバッグ装置等の種々の乗員又は歩行者保護デバイスが搭載されており、そのためこれらの乗員又は歩行者保護デバイスを作動させるために側面衝突検知センサ等の種々のセンサを備えているが、本実施形態に係る車両用エアバッグシステム64の要部と直接関係しないものについての説明は省くことにする。従って、後述するフローチャートも同様の観点でのフローチャートとなっている。
(本実施形態の作用・効果)
次に、図3に示されるフローチャートを用いて、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
まず、ステップ100で、シートポジション情報が取込まれる。すなわち、運転席用シートポジションセンサ70によって運転席16のシートポジションの検出値が取込まれると共に、助手席用シートポジションセンサ72によって助手席18のシートポジションの検出値が取込まれる。次いで、ステップ102で、サテライトセンサ情報が取込まれる。すなわち、第1フロントサテライトセンサ66によって運転席16側(ニアサイド側)の加速度の検出値が取込まれると共に、第2フロントサテライトセンサ68によって助手席18側(ファーサイド側)の加速度の検出値が取込まれる。さらに、ステップ104で、車速情報が取込まれる。すなわち、車速センサ74によって現在の車両の速度の検出値が取込まれる。
次に、ステップ106で、車両10が斜突したか否かが判断される。この判断は、ステップ102で取込んだサテライトセンサ情報に基づいて判断される。例えば、第1フロントサテライトセンサ66で検出された加速度が所定の閾値を超えていて、第2フロントサテライトセンサ68で検出された加速度が所定の閾値を超えていない場合には、運転席側でのオフセット衝突であると判断され、更に検出された加速度から演算された衝突荷重の大きさが所定の閾値を超えていれば斜突したと判断される。なお、ステップ106で否定判断された場合は、ステップ100に戻る。
因みに、車両前部12が斜突すると、フロントシート20に着座した乗員の上体は、車両前部12の衝突側へ慣性移動しようとする。この場合、フロントシート20のシートバック26における車両幅方向中央側の側部26Aに搭載された運転席用ファーサイドエアバッグ56及び助手席用ファーサイドエアバッグ62が、当該側部26Aから車両前方側へ膨張展開される。これにより、乗員の上体の車両幅方向中央側への移動がこれらの運転席用ファーサイドエアバッグ56及び助手席用ファーサイドエアバッグ62によって規制(拘束)される。その結果、乗員の上体が保護される。
ステップ106で肯定判断された場合、即ち車両10が斜突したと判断された場合には、ステップ108へ移行し、ステップ104で取込んだ車速情報に基づいて衝突時の車速が低速であったか否かが更に判断される。なお、例えば10km/h以下を「低速」とする等、具体的な数値は予め任意に設定される。
ステップ108で否定された場合、即ち車両10が斜突してかつ低速ではなかった場合には、ステップ110へ移行し、フロントシート20のシートポジションが近接ポジションであるか否かが更に判断される。すなわち、フロントシート20のシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間よりもフロントモースト側にあることが検知された場合には、そのフロントシート20は「近接ポジション」にあると判断し、フロントシート20のシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間からリヤモーストまでの間にあることが検知された場合には、そのフロントシート20は「非近接ポジション」にあると判断する。
ステップ110で否定判断された場合、即ちフロントシート20のシートポジションが非近接ポジションにある場合にはステップ112へ移行し、運転席用メインエアバッグ装置30、助手席用メインエアバッグ装置32といった前席用メインエアバッグ装置の作動が許可されると共に、ファーサイドエアバッグ装置(運転席用ファーサイドエアバッグ装置34及び助手席用ファーサイドエアバッグ装置36の両方)の作動が許可される。つまり、非近接乗員の場合(標準体格から大柄な体格の乗員の場合)には、車両10が斜突した際に、前面衝突用メインエアバッグ(運転席用メインエアバッグ42及び助手席用メインエアバッグ48)とファーサイドエアバッグ(運転席用ファーサイドエアバッグ56及び助手席用ファーサイドエアバッグ62)の両方が膨張展開される。しかも、シートポジションが上記範囲にあるため、運転席用ファーサイドエアバッグ56及び助手席用ファーサイドエアバッグ62の前端部が、運転席用メインエアバッグ42及び助手席用メインエアバッグ48と干渉することもない。
一方、ステップ110で肯定判断された場合、即ちフロントシート20のシートポジションが近接ポジションにある場合にはステップ114へ移行し、運転席用メインエアバッグ装置30、助手席用メインエアバッグ装置32といった前席用エアバッグ装置の作動が許可されると共に、近接ポジションにあるフロントシート20のファーサイドエアバッグ装置(運転席用ファーサイドエアバッグ装置34又は助手席用ファーサイドエアバッグ装置36或いはこれらの両方)の作動が禁止される。つまり、近接乗員の場合(小柄な体格の乗員の場合)には、車両前部12が斜突した際に、前面衝突用メインエアバッグ(運転席用メインエアバッグ42及び助手席用メインエアバッグ48)は膨張展開されるが、近接ポジションにあるフロントシート20側のファーサイドエアバッグ(運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62)は膨張展開されない。このため、これらの運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62の前端部が、運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62と干渉して、運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62の展開を阻害することはない。なお、図1に示される状態は、上記の制御がなされず、運転席16のシートポジションが近接ポジションとされているときに、運転席用ファーサイドエアバッグ56が膨張展開して、その前端部(図1の斜線部)が運転席用メインエアバッグ42と干渉した様子を示している。しかも、乗員と運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62との距離が近く、衝突時の乗員が有する運動エネルギも小さいため、運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62のみで乗員を充分拘束することができる。
なお、ステップ108で肯定判断された場合、即ち斜突時の車速が低速であると判断された場合には、ステップ114へ移行し、運転席用メインエアバッグ装置30、助手席用メインエアバッグ装置32といった前席用エアバッグ装置の作動が許可されると共に、近接ポジションにあるフロントシート20のファーサイドエアバッグ装置(運転席用ファーサイドエアバッグ装置34又は助手席用ファーサイドエアバッグ装置36或いはこれらの両方)の作動が禁止される。
以上により、シートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間よりもフロントモースト側にある場合であっても、斜突時又は斜突予知時にファーサイドエアバッグ(運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62)が前面衝突用メインエアバッグ(運転席用メインエアバッグ42、助手席用メインエアバッグ48)の展開を阻害しない。
また、上述したように、ステップ112でファーサイドエアバッグの展開が許可されるときには、運転席用ファーサイドエアバッグ56及び助手席用ファーサイドエアバッグ62のいずれも膨張展開するように制御される。このため、例えば、ドライバのニアサイドで車両10が斜突した場合、ドライバの上体は車両前方側かつ車両幅方向外側へ斜めに慣性移動するが、運転席用メインエアバッグ42で拘束されたときの反発力で当該方向と反対方向へドライバの上体が移動しても、運転席用ファーサイドエアバッグ56によって保護される。同様に、ドライバのファーサイドで斜突した場合、助手席18に着座した乗員の上体は、助手席用メインエアバッグ48で拘束されたときの反発力で当該方向と反対方向へ乗員の上体が移動しても、助手席用ファーサイドエアバッグ62によって保護される。従って、フロントシート20に着座する乗員がセンタコンソールボックス22やシフトレバー等の干渉物と干渉することを抑制又は防止することができる。
さらに、上述したように、ステップ108で車速センサ74によって検知された速度が低速である場合には、運転席用シートポジションセンサ70及び助手席用シートポジションセンサ72によってフロントシート20のシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間からリヤモーストまでの間にあることが検知された場合であっても、運転席用ファーサイドエアバッグ56及び助手席用ファーサイドエアバッグ62の展開が禁止される。すなわち、低速の場合、衝突時に乗員の上体に働く慣性力も小さいので、運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62が膨張展開していなくても、運転席用メインエアバッグ42、助手席用メインエアバッグ48だけで充分拘束が可能であるので、このような場合には運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62を展開させない。その結果、運転席用ファーサイドエアバッグ56、助手席用ファーサイドエアバッグ62の交換を不要とし、ユーザーの負担を軽減することができる。
なお、以上の説明においては、斜突時を中心に説明してきたが、前面衝突予知センサを備えている車両においては、斜突時だけでなく、斜突予知時に上記の制御が行われるようにしてもよい。
また、本実施形態では、「フロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間よりもフロントモースト側にあることが検知された場合には、ファーサイドエアバッグの展開を禁止する」ように制御している。換言すると、「ニュートラルとフロントモーストとの中間」を基準にして、シートポジションの近接、非近接を切り分けている。しかし、「『無負荷時(非衝突時)において前面衝突用メインエアバッグ及びファーサイドエアバッグをそれぞれ膨張展開させたときに相互に干渉することとなるシートポジションの範囲』のときに、ファーサイドエアバッグの展開を禁止する」と介してもほぼ同義となるので、そのように解してもよい。
14 車室
16 運転席
18 助手席
20 フロントシート
26 シートバック
26A 車両幅方向中央側の側部
38 ステアリングホイール
42 運転席用メインエアバッグ(前面衝突用メインエアバッグ)
44 インストルメントパネル
48 助手席用メインエアバッグ(前面衝突用メインエアバッグ)
56 運転席用ファーサイドエアバッグ(ファーサイドエアバッグ)
62 助手席用ファーサイドエアバッグ(ファーサイドエアバッグ)
64 車両用エアバッグシステム
66 第1フロントサテライトセンサ
68 第2フロントサテライトセンサ
70 運転席用シートポジションセンサ(シートポジションセンサ)
72 助手席用シートポジションセンサ(シートポジションセンサ)
74 車速センサ
76 コントローラ

Claims (3)

  1. 車室のステアリングホイールを含むインストルメントパネル側に搭載され、斜突時又は斜突予知時にフロントシートのシートバック側へ膨張展開する前面衝突用メインエアバッグと、
    前記フロントシートのシートバックにおける車両幅方向中央側の側部に搭載され、斜突時又は斜突予知時に当該側部から車両前方側へ膨張展開するファーサイドエアバッグと、
    前記フロントシートのシートポジションを検知するシートポジションセンサと、
    前記シートポジションセンサによって前記フロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間からリヤモーストまでの間にあることが検知された場合には、前記ファーサイドエアバッグの展開を許可し、前記シートポジションセンサによって前記フロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間よりもフロントモースト側にあることが検知された場合には、前記ファーサイドエアバッグの展開を禁止するコントローラと、
    を有する車両用エアバッグシステム。
  2. 前記ファーサイドエアバッグは、運転席用と助手席用とにそれぞれ設けられていると共に、
    前記コントローラによってファーサイドエアバッグの展開が許可されるときには、運転席用及び助手席用のいずれのファーサイドエアバッグも膨張展開する、
    請求項1に記載の車両用エアバッグシステム。
  3. 車両の速度を検知する車速検知センサを備えており、
    前記コントローラは、当該車速検知センサによって検知された速度が低速である場合には、前記シートポジションセンサによって前記フロントシートのシートポジションがニュートラルとフロントモーストとの中間からリヤモーストまでの間にあることが検知された場合であっても、前記ファーサイドエアバッグの展開を禁止する、
    請求項1又は請求項2に記載の車両用エアバッグシステム。
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