JP6098170B2 - インストルメントパネル取付構造 - Google Patents

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本発明は、ステアリングサポートメンバに取り付けられるインストルメントパネルの取付構造に関する。
四輪車等の自動車では、運転席および助手席の正面側にインストルメントパネルが設置されている。特許文献1に例示されるように、インストルメントパネルは、車両幅方向に延びるステアリングサポートメンバに連結されている。特許文献2に例示されるように、インストルメントパネルの助手席側には、グローブボックスが開閉可能に収容されている。グローブボックスはその側面にストッパを有し、グローブボックスの開時にストッパがインストルメントパネルに当接することで、その回動が規制されるようになっている。
また、特許文献3に例示されるように、グローブボックスには、引っ込み可能な爪(ロッド部材)がインストルメントパネルに形成された孔に引っ掛けられて、閉状態が保持されるものもある。
特開2012−140093号公報 特開2002−96687号公報 特開2010−12860号公報
昨今、インストルメントパネルは、収容される部品の増加および燃費向上につながる軽減孔の増加によって、強度が低い(すかすかな)状態になってきている。一方、グローブボックスは、ユーザが使い易いように、内部容量の拡大が進められている。
これより、インストルメントパネルの変形に対する耐久性が低下してきていて、グローブボックスの円滑な開閉、安定的な動作を長期間に亘って保障するためには、別途の補強構造が必要となっている。しかし、別途の補強構造を施す場合には、部品点数の増加が不可避となる。
本発明はこのような課題に鑑み、部品点数の増加を抑えつつ、インストルメントパネルの変形に対する耐久性を高め、グローブボックスの円滑な開閉、安定的な動作を長期間に亘って保障することができるインストルメントパネル取付構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、車両用のインストルメントパネルを備え、インストルメントパネルが車両両側面に差し渡されるステアリングサポートメンバに取り付けられるインストルメントパネル取付構造において、インストルメントパネルのうち助手席に対面する位置に収容されるグローブボックスと、インストルメントパネルの車両幅方向中央に収容される電装品と、電装品の下側にてインストルメントパネルに一部が重なるように連結され車両床面まで延びる連結部品と、グローブボックスと電装品との間に位置し、ステアリングサポートメンバに接合されて下方に延びる板金部品とをさらに備え、インストルメントパネルは、グローブボックスが開閉する際の軸である回動軸の近傍の第1の固定点、電装品の側方に位置する第2の固定点、連結部品がインストルメントパネルに重なる面に設けられた第3の固定点にて、板金部品に固定されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、インストルメントパネルが第1の固定点、第2の固定点、第3の固定点にて剛性の高い(剛体とみなせる)板金部品に固定される。これにより、これらの近傍、およびこれらを結んだ三角形の内側の強度を向上することができる。第1の固定点が、グローブボックスの回動軸の近傍に設けられるため、回動軸の強度を高め、回動の動作を安定させることができる。第2の固定点が電装品の側方に位置することで、電装品の重量により、安定させることができる。第3の固定点が、連結部品がインストルメントパネルに重なる面に設けられることで、連結部品が重ならない面にそれが設けられるよりも、インストルメントパネルの強度を向上することができる。
したがって、部品点数の増加を抑えつつ、インストルメントパネルの変形に対する耐久性を高め、グローブボックスの円滑な開閉、安定的な動作を長期間に亘って保障することができる。
グローブボックスは、グローブボックスの側面に設けられ、グローブボックスの開時にインストルメントパネルに当接しその回動を規制するストッパを有し、インストルメントパネルは、第1の固定点、第2の固定点、第3の固定点を結んだ三角形の内側に、グローブボックスの開時にストッパが当接する被当接部を有するとよい。
かかる構成によれば、ストッパが当接するインストルメントパネルの被当接部が、第1〜第3の固定点を結んだ三角形の内側に位置する。第1〜第3の固定点を結んだ三角形の内側は、強度が向上した部分であるので、グローブボックスの開時のストッパの支持を安定させることができる。また強度を向上した部分を被当接部とすることで、その変形を防止することができる。
グローブボックスは、グローブボックスの側面から車両幅方向に突出する引っ込み可能な引掛爪を有し、インストルメントパネルは、第1の固定点、第2の固定点、第3の固定点を結んだ三角形の内側に、グローブボックスの閉時に引掛爪が引っ掛けられる引掛孔を有するとよい。
かかる構成によれば、引掛爪が引っ掛けられる引掛孔が、第1〜第3の固定点を結んだ三角形の内側に位置する。第1〜第3の固定点を結んだ三角形の内側は、強度が向上した部分であるので、グローブボックスの閉時の引掛爪の支持を安定させることができる。また強度を向上した部分に引掛孔を形成することで、その変形を防止することができる。
本発明によれば、部品点数の増加を抑えつつ、インストルメントパネルの変形に対する耐久性を高め、グローブボックスの円滑な開閉、安定的な動作を長期間に亘って保障することができるインストルメントパネル取付構造を提供することができる。
本実施形態にかかるインストルメントパネル取付構造が適用されたインストルメントパネルを示す図である。 図1に示すインストルメントパネルの固定点を示す図である。 図2に示すステアリングサポートメンバおよび板金部品を示す図である。 図2に示すステアリングサポートメンバおよび板金部品を側方から見た図である。 図2に示すインストルメントパネル、ステアリングサポートメンバおよび板金部品を側方から見た図である。 図1に示すグローブボックスを示す図である。 図5に示すインストルメントパネルにグローブボックスを取り付けた図である。 図7の矢視図である。 本実施形態にかかるインストルメントパネル取付構造の応用例を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態にかかるインストルメントパネル取付構造が適用されたインストルメントパネル100を示す図である。なお図中、「車両前側」を矢印Fwdで、「車両上側」を矢印Upで表す。
図1に示すように、インストルメントパネル100は、運転席102および助手席104の正面側に設置される。インストルメントパネル100は、車両幅方向に延びる棒状のステアリングサポートメンバ106に連結される。ステアリングサポートメンバ106は、車両両側面に差し渡されステアリングホイールを支持する。インストルメントパネル100は、複数の部品(計器類等)を収容すると共に、燃費向上につながる軽減孔を複数有する。
インストルメントパネル100のうち助手席104に対面する位置にはグローブボックス108が収容される。インストルメントパネル100の車両幅方向の中央付近には、電装品としてのカーナビ110(カーナビゲーション装置)が収容される。電装品は、カーナビ110に限らず、オーディオ機器等であってもよい。
本実施形態では、連結部品としてのコンソール112が、カーナビ110の下側にて、一部がインストルメントパネル100に重なるように連結され、車両床面まで延びる。コンソール112は、車室の略中央にて前後方向に伸びる。連結部品は、コンソール112に限らず、車両床面につながるセンターロアカバー等であってもよい。
図2は、図1に示すインストルメントパネル100の固定点を示す図である。図2(a)がカーナビ110の近傍を示す図であり、図2(b)が図2(a)のA−A断面図である。なお、図2では、グローブボックス108およびコンソール112は図示しない。図2(a)に示すように、インストルメントパネル100は、グローブボックス108とカーナビ110との間に位置し、ステアリングサポートメンバ106に接合(溶接)されて下方に延びる板金部品116に固定される。
図3、図4は、図2に示すステアリングサポートメンバ106および板金部品116を示す図である。図3、図4に示すように、板金部品116は、下方に行くにつれて車両後方へと向かうようにステアリングサポートメンバ106から車両床面へと差し渡されるブレース118と、ブレース118の中途に接合(溶接)され車両前方へと延びるブラケット120とからなる。
板金部品116(ブレース118、ブラケット120)は、樹脂製のインストルメントパネル100に比して剛性が高い。したがって、かかる板金部品116にインストルメントパネル100を固定することで、インストルメントパネル100の剛性を高めることができる。板金部品116は、ブレース118とブラケット120とからなり、既存構造をほぼ変更することがないため、部品点数の増加も回避する(抑える)ことができる。
図2(a)に示すように、本実施形態にかかるインストルメントパネル取付構造122では、インストルメントパネル100が、スクリュー124a、126a、128aによって、第1の固定点(以下「固定点124」と称する)、第2の固定点(以下「固定点126」と称する)、第3の固定点(以下「固定点128」と称する)にて板金部品116に締結される。かかる締結により、これらの固定点124、126、128の近傍の剛性を向上することができる。
第1の固定点124は、グローブボックス108が開閉する際の軸である回動軸130の近傍に設定される。ここでは、固定点124は回動軸130の横(車両中央側)に設けられ、インストルメントパネル100がスクリュー124aによってブラケット120の先端に締結される。これにより、回動軸130の強度を高め、グローブボックス108の回動の動作を安定させることができる。
第2の固定点126は、カーナビ110の側方に設定される。ここでは、固定点126はカーナビ110の重心の横(板金部品116側)に設けられ、インストルメントパネル100がスクリュー126aによって、ブレース118のうちステアリングサポートメンバ106からブラケット120までの間に締結される。これにより、カーナビ110の重量を安定化に利用することができ、固定点124、126、128を結んだ三角形T1の剛体としての効果が高まる。
図2(b)に示すように、第3の固定点128は、コンソール112がインストルメントパネル100に重なる面に設けられる(図2(a)ではコンソール112を図示していないため、図2(b)にてコンソール112を仮想線で図示する)。ここでは、固定点128はカーナビ110の下側の開口部114付近に設けられ(開口部114の側方に設けられ)、インストルメントパネル100がスクリュー128aによって、ブレース118のうちブラケット120の根元に締結される。コンソール112がインストルメントパネル100に重なる面は、板厚が厚くなっているのと同様の部分であり、この部分に固定点128を設けることで、インストルメントパネル100の強度をより効果的に向上することができる。
図5は、図2に示すインストルメントパネル100、ステアリングサポートメンバ106および板金部品116を側方から見た図である。図5に示すように、上述した固定点124、126、128でインストルメントパネル100を締結することで、これらを結んだ三角形T1の内側のインストルメントパネル100の強度を向上することができる。
本実施形態では、側方から見て、第2の固定点126は、第1の固定点124と第3の固定点128の間に位置する。よって、重量の大きなカーナビ110を車両前側と車両後側から(三角形T1で)安定的に支持することができる。
また、第1の固定点124、第2の固定点126を固定しておくことで、車両後側からインストルメントパネル100に組み付けられるコンソール112を、安定的に組み付けることができる。
図6は、図1に示すグローブボックス108を示す図である。図6に示すように、グローブボックス108は、回動軸130(図2参照)に係合する円弧状の軸係合部132を有する。グローブボックス108は、軸係合部132にて回動軸130に係合し、その開閉の際に回動軸130を中心に回動する。インストルメントパネル100の回動軸130には、内部の収納物も含めたグローブボックス108の重量がかかる。
しかし本実施形態にかかるインストルメントパネル取付構造122では、インストルメントパネル100を第1の固定点124すなわち回動軸130の横(ヒンジの横)にてブラケット120に締結しているため、回動軸130の近傍の強度(変形に対する強度)が高まっている。そのため、グローブボックス108の円滑な開閉、安定的な動作を保障することができる。
図7は、図5に示すインストルメントパネル100にグローブボックス108を取り付けた図である。図7では、グローブボックス108の開時を図示している。図8は、図7のB矢視図である。
図7、図8に示すように、グローブボックス108はその側面108aに、クッションゴム等で形成されるストッパ134を有する。ストッパ134は、グローブボックス108の開時にインストルメントパネル100の被当接部136に当接しその回動を規制する。
図7に示すように、本実施形態では、被当接部136が、第1の固定点124、第2の固定点126、第3固定点128を結んだ三角形T1の内側に位置している。かかる三角形T1の内側は、強度が向上した部分であるので、グローブボックス108の開時のストッパ134の支持を安定させることができる。また強度を向上した部分を被当接部136とすることで、その変形を防止することができる。
以上、上述したインストルメントパネル取付構造122によれば、部品点数の増加を抑えつつ、インストルメントパネル100の変形に対する耐久性を高め、グローブボックス108の円滑な開閉、安定的な動作を長期間に亘って保障することができる。より具体的には、グローブボックス108を収容する開口部の変形、カーナビ110を収容する開口部の変形、開口部114の変形を防止することができる。
なお、本実施形態にかかるインストルメントパネル取付構造122では、グローブボックス108は、グローブボックス108の側面108aから車両幅方向に突出する引っ込み可能な引掛爪138(図6参照)を有し、インストルメントパネル100は、グローブボックス108の閉時に引掛爪138が引っ掛けられる引掛孔140(図7参照、クロスハッチで図示する)を有する。ここで、内部の収納物も含めたグローブボックス108の重量が極めて大きい場合、長期間の使用によって、引掛孔140も変形してくるおそれがある。引掛孔140が変形すると、グローブボックス108を閉状態に保持できなくなってしまうおそれもある。
図9は、本実施形態にかかるインストルメントパネル取付構造122の応用例を示す図である。そこで、図9に示すように、第1の固定点124、第2の固定点126、第3の固定点128を結んだ三角形T1の内側に引掛孔240(クロスハッチで図示する)を設け、かかる引掛孔240にグローブボックス108の引掛爪138が引っ掛けられるようにしてもよい。三角形T1の内側は、強度が向上した部分であるので、グローブボックス108の閉時の引掛爪138の支持を安定させることができる。そして、強度を向上した部分に引掛孔240を形成することで、その変形を防止することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、ステアリングサポートメンバに取り付けられるインストルメントパネルの取付構造に利用することができる。
100…インストルメントパネル、102…運転席、104…助手席、106…ステアリングサポートメンバ、108…グローブボックス、108a…側面、110…カーナビ、112…コンソール、114…開口部、116…板金部品、118…ブレース、120…ブラケット、122…インストルメントパネル取付構造、124、126、128…固定点、124a、126a、128a…スクリュー、130…回動軸、132…軸係合部、134…ストッパ、136…被当接部、138…引掛爪、140、240…引掛孔

Claims (3)

  1. 車両用のインストルメントパネルを備え、該インストルメントパネルが車両両側面に差し渡されるステアリングサポートメンバに取り付けられるインストルメントパネル取付構造において、
    前記インストルメントパネルのうち助手席に対面する位置に収容されるグローブボックスと、
    前記インストルメントパネルの車両幅方向中央に収容される電装品と、
    前記電装品の下側にて前記インストルメントパネルに一部が重なるように連結され車両床面まで延びる連結部品と、
    前記グローブボックスと前記電装品との間に位置し、前記ステアリングサポートメンバに接合されて下方に延びる板金部品とをさらに備え、
    前記インストルメントパネルは、
    前記グローブボックスが開閉する際の軸である回動軸の近傍の第1の固定点、
    前記電装品の側方に位置する第2の固定点、
    前記連結部品が前記インストルメントパネルに重なる面に設けられた第3の固定点にて、
    前記板金部品に固定されていることを特徴とするインストルメントパネル取付構造。
  2. 前記グローブボックスは、該グローブボックスの側面に設けられ、該グローブボックスの開時に前記インストルメントパネルに当接しその回動を規制するストッパを有し、
    前記インストルメントパネルは、第1の固定点、第2の固定点、第3の固定点を結んだ三角形の内側に、前記グローブボックスの開時に前記ストッパが当接する被当接部を有することを特徴とする請求項1に記載のインストルメントパネル取付構造。
  3. 前記グローブボックスは、該グローブボックスの側面から車両幅方向に突出する引っ込み可能な引掛爪を有し、
    前記インストルメントパネルは、第1の固定点、第2の固定点、第3の固定点を結んだ三角形の内側に、前記グローブボックスの閉時に前記引掛爪が引っ掛けられる引掛孔を有することを特徴とする請求項1または2に記載のインストルメントパネル取付構造。
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