JP6091395B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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この発明は、パワーデバイス等の半導体素子の終端構造が設けられた半導体装置及びその製造方法に関する。
主に電力変換や電力制御などに用いられる電力機器向けの半導体素子として、パワーデバイスが知られている。このパワーデバイスでは、高圧及び大電流に対して、通常の半導体素子よりも高い耐性が求められている。例えば、パワーデバイスは、逆方向の電圧印加時に電流を遮断して高い電圧を保持するために高い耐圧性能が求められる。パワーデバイスを高耐圧化する構造としては、FLR(Field Limiting Ring)構造や、リサーフ(RESURF:Reduced SURface Field)構造、VLD(Variation of Lateral Doping)構造などの終端構造がよく知られている。
これら終端構造としては、耐圧保持のための平面視して環状の不純物領域(環状半導体領域)が、素子領域を囲むように形成される。なお、環状半導体領域の平面形状は、通常、直線部と、直線部を接続するコーナー部とを組み合わせることによって形成される。
このような平面形状の環状半導体領域において、コーナー部では、直線部よりも電界が集中しやすいため、終端構造の耐圧性能はコーナー部の耐圧性能で決定されることが多い。そこで、コーナー部の電界強度を緩和する構造が様々に提案されている。例えば、特許文献1では、コーナー部の不純物領域の内周側または外周側にリサーフ領域を形成する構造が提案されている。この構造によれば、コーナー部の不純物領域の幅が、直線部の不純物領域の幅よりも実質的に太くなることから、コーナー部での電界強度の集中を緩和することが可能となる。
また、特許文献2によれば、MISFETのドレイン領域においてコーナー部以外の領域の不純物濃度をコーナー部より高く設定することにより電界集中を緩和する構造が適用されている。
特開平11−68085号公報 特開平07−169959号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構造では以下のような問題点がある。コーナー部の不純物領域の内側にリサーフ領域を形成すると、活性領域の素子領域の面積を狭くする必要があり、素子領域に形成される半導体素子、ひいてはそれを含む半導体装置の性能が悪化する問題点がある。一方、コーナー部の不純物領域の外側にリサーフ領域を形成すると、外側の領域をすでに有効に使用している場合(例えば半導体装置の特性及び品番を管理するためのマークを外側の領域に配置している場合など)には、リサーフ領域の分だけ半導体装置のサイズが大きくなってしまう問題点がある。
また、特許文献2に開示の構造のように、コーナー部以外の領域の不純物濃度を単純に高くするだけでは、電界集中するポイントが形成されてしまい、かえって耐圧低下を引き起こす可能性があるという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、装置サイズを大きくすることなく、耐圧性能を向上させた半導体装置及びその製造方法を得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の半導体装置は、半導体素子が設けられた第1導電型の半導体層と、前記半導体素子の平面視外周部を囲んで前記半導体層の終端領域に形成される第2導電型の環状半導体領域とを備え、前記環状半導体領域は、平面視直線状に形成された直線領域を含む直線部と、平面視屈曲部分を有して形成されたコーナー領域を含むコーナー部とを有し、前記直線領域は前記コーナー領域より第2の導電型の不純物濃度が高く、前記直線部及び前記コーナー部の少なくともいずれか一方は、前記直線領域と前記コーナー領域との間に形成された中間領域をさらに含み、前記中間領域の第2導電型の不純物濃度は前記直線領域の不純物濃度より低く、前記コーナー領域の不純物濃度より高く設定される。
この発明における請求項1記載の本願発明の半導体装置によれば、直線領域とコーナー領域との間に形成された中間領域を含んでおり、第2の導電型の不純物濃度の高さは、直線領域、中間領域、コーナー領域の順に高低差をつけて設定される。
このため、請求項1記載の本願発明の半導体装置は、環状半導体領域の周方向における不純物濃度の変化を緩和することができ、直線部とコーナー部との間の境界部分に集中する電界を分散することができる。
その結果、環状半導体領域を広げることなく、すなわち、装置サイズを大きくすることなく、耐圧性能を向上させた半導体装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1である半導体装置の構成を示す平面図である。 図1のA−A断面、B−B断面及びC−C断面を示す断面図である。 実施の形態1である半導体装置の構成を模式的に示した説明図である。 実施の形態1の半導体装置製造用の注入マスクを示す平面図である。 実施の形態1の半導体装置における逆方向電圧印加時における空乏層の広がりを示す説明図である。 実施の形態1の半導体装置の効果説明用の説明図(その1)である。 図6で示した第1の比較用半導体装置に逆方向電圧を印加したときの空乏層化領域と電界集中領域との関係を示す説明図である。 実施の形態1の半導体装置の効果説明用の説明図(その2)である。 図8で示した第2の比較用半導体装置に逆方向電圧を印加したときの空乏層化領域と電界集中領域との関係を示す説明図である。 実施の形態1の半導体装置に逆方向電圧を印加したときの空乏層化領域と電界集中領域との関係を示す説明図である。 実施の形態1の半導体装置の変形例を示す説明図(その1)である。 実施の形態1の半導体装置の変形例を示す説明図(その2)である。 実施の形態1の半導体装置の変形例を示す説明図(その3)である。 実施の形態2である半導体装置の構成を模式的に示した説明図である。 実施の形態2の半導体装置の変形例を示す説明図(その1)である。 実施の形態2の半導体装置の変形例を示す説明図(その2)である。 実施の形態3である半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態3である半導体装置の構成を模式的に示した説明図である。 実施の形態3の半導体装置の変形例を示す説明図(その1)である。 実施の形態3の半導体装置の変形例を示す説明図(その2)である。 実施の形態4である半導体装置の基本構成を模式的に示した説明図である。 実施の形態4の半導体装置の別構成を模式的に示した説明図である。 実施の形態5である半導体装置の構成を模式的に示した説明図である。 実施の形態6である半導体装置の基本構成を模式的に示した説明図である。 実施の形態6の半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態6である半導体装置の別構成を模式的に示した説明図である。 実施の形態6の半導体装置における変形例の構成を模式的に示した説明図である。 図27で示した変形例の構造を示す断面図である。 変形例となる注入マスクの一例を示す平面図である。
<実施の形態1>
図1はこの発明の実施の形態1である半導体装置の構成を示す平面図である。図2は図1のA−A断面、B−B断面及びC−C断面を示す断面図である。
図1及び図2を参照して、実施の形態1である半導体装置は、表面及び裏面を有する半導体基板30と、半導体基板30に形成された半導体素子であるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)および終端領域32に形成される終端構造を含んでいる。半導体基板30は例えばシリコン等より構成されている。
図2に示すように、終端領域32は、N型ドリフト層1(第1導電型の半導体層)と、環状のP型不純物領域2(第2導電型の環状半導体領域)と、N型ドリフト層1よりもN型不純物の濃度が高いN型チャネルストッパ領域3とを備えて構成されている。
N型ドリフト層1は、半導体基板30の主要領域として形成されており、N型ドリフト層1の上層部にP型不純物領域2が選択的に形成されており、図1及び図2に示すように、IGBT31(エミッタ電極6)の平面視外周部を囲む領域が終端領域32となる。
図1に示すように、環状半導体領域である環状のP型不純物領域2は、平面視してIGBT31の外周部を囲んでおり、図2に示すように、IGBT31に形成されるP型不純物領域2と一体化形成されている。
なお、本明細書において、「環状のP型不純物領域2」はIGBT(領域)31及び終端領域32に形成されるP型不純物領域2のうち、終端領域32に形成されるP型不純物領域2を意味する。この環状のP型不純物領域2の詳細な構成については後に詳述する。
N型チャネルストッパ領域3は、N型ドリフト層1の上層部にP型不純物領域2と独立して形成されている。すなわち、N型チャネルストッパ領域3は、環状のP型不純物領域2を基準として、IGBT31と逆側(外側)に形成されている。ここでは、環状のP型不純物領域2及びN型チャネルストッパ領域3は、N型ドリフト層1の一部を挟むように形成されている。
次にIGBT31について説明する。図1及び図2に示されるように、IGBT31は、N型ドリフト層1、P型不純物領域2(終端領域32の形成部分は除く)、ゲート電極8(ゲートパッド)、エミッタ電極6、N型バッファ領域4、P型コレクタ領域5、コレクタ電極7と、及び図示しないエミッタ領域(IGBT31を形成するP型不純物領域2の表面内に選択的に形成される領域)を備えて構成されている。
エミッタ電極6及びゲート電極8は、IGBT31を形成するP型不純物領域2上に形成されている。また、ゲート電極8は、図1において、IGBT31の平面視での領域の左右方向で中央の一部領域に形成されており、ゲート電極8以外の領域にエミッタ電極6が形成されている。
図2(a) 〜(c) に示されるように、N型バッファ領域4は、N型ドリフト層1下に形成され、P型コレクタ領域5はN型バッファ領域4下に形成され、コレクタ電極7はP型コレクタ領域5下に形成されている。このように、半導体基板30にP型コレクタ領域5、N型バッファ領域4及びN型ドリフト層1が形成される。
(環状のP型不純物領域2(環状半導体領域))
図3は、実施の形態1である半導体装置の構成を模式的に示した説明図であり、具体的には、図1の破線で囲まれた抽出領域E11を拡大した平面図である。なお、図1と同様、図3におけるA−A断面、B−B断面、C−C断面を図2(a) 〜(c) が示している。
環状半導体領域である環状のP型不純物領域2は、複数の直線部R10と、各々が直線部R10,直線部R10間を接続する複数のコーナー部R11とを有しており、図3では直線部R10とコーナー部R11との境界線L12が破線で示されている。なお、図1に示すように、環状のP型不純物領域2の形状が、略四角形を縁取った環状である場合には、当該環状のP型不純物領域2は、略四角形の4辺に対応する4つの直線部R10と、略四角形の4つの屈曲部分に対応する4つのコーナー部R11とを有することになる。
図3に示すように、直線部R10は平面視直線状に形成された直線部不純物領域2s(直線領域)を含んでおり、コーナー部R11は平面視屈曲部分を有して形成されたコーナー部不純物領域2c(コーナー領域)を含んでいる。さらに、直線部R10は濃度緩和領域14(中間領域)を含んでおり、この濃度緩和領域14は直線部不純物領域2s及びコーナー部不純物領域2c間に形成される。したがって、終端領域32における環状のP型不純物領域2は直線部R10からコーナー部R11にかけて、直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14及びコーナー部不純物領域2cの順で連続的に形成される。なお、図3に示す例では、半導体装置の特性及び品番を管理するための管理パターン28がコーナー部不純物領域2cの外周側に設けられている。
実施の形態1の半導体装置における終端領域32は、前述したN型ドリフト層1、環状のP型不純物領域2及びN型チャネルストッパ領域3とを備えた終端構造を形成している。
そして、環状のP型不純物領域2のP型の不純物濃度は、コーナー部不純物領域2c、濃度緩和領域14及び直線部不純物領域2sの順に高くなるように不純物濃度関係が設定されている。すなわち、直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14及びコーナー部不純物領域2cの不純物濃度をCs,C14及びCcとすると、「Cs>C14>Cc」を満足する不純物濃度関係を有している。
さらに、図2(a)〜(c) に示すように、直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14及びコーナー部不純物領域2cの直線部接合深さds、中間部接合深さdm、及びコーナー部接合深さdcは、ds>dm>dcを満足する不純物接合深さ関係を有している。なお、「接合深さ」とは半導体基板30の表面から環状のP型不純物領域2とN型ドリフト層1とのPN接合部に至る深さを意味する。
(製造方法)
次に、実施の形態1である半導体装置の製造方法について説明する。実施の形態1の製造方法は以下のステップ(a) 〜(c) を実行することにより実現される。
ステップ(a):IGBT31が設けられたN型ドリフト層1を有する構造を準備する。すなわち、周知の方法により、IGBT31(既にP型不純物領域、N型バッファ領域4、P型コレクタ領域5等が形成されている)が設けられたN型ドリフト層1を有する構造である半導体基板30を準備する。
ステップ(b): N型ドリフト層1に対し、複数の注入窓を有する注入マスクを用いてP型の不純物をイオン注入することによって、IGBT31の平面視外周部を囲んで終端領域32に不純物注入領域を形成する。
ステップ(c) :上記不純物注入領域のP型の不純物を熱拡散させ環状のP型不純物領域2を得る。この環状のP型不純物領域2がIGBT31を形成するP型不純物領域と一体化することにより最終的なP型不純物領域2(図1,図2参照)が形成される。その後、N型チャネルストッパ領域3を形成する等の処理を施すことにより、図1及び図2で示す構造の実施の形態1の半導体装置を得ることができる。
ここで、ステップ(b) にて実行されるイオン注入にて用いられる注入マスクについて説明する。図4は、その注入マスクの一例を示す平面図である。ここでは、半導体基板30上の全面に形成されたシリコン酸化膜13を、注入マスク20Aとして用いた例を示しているが、後述するようにこれに限ったものではない。
図4に示すように、注入マスク20A(シリコン酸化膜13)は、直線部R10及びコーナー部R11に対応させて直線部M10及びコーナー部M11を設定し、形成対象の環状のP型不純物領域2の平面形状に沿ったマスクパターン40Aを有しており、このマスクパターン40A内には、複数の注入窓12(開口部)が含まれている。イオン注入時には、シリコン酸化膜13はイオンを通過させず、注入窓12はイオンを通過させる。
この注入マスク20Aにおいて、マスクパターン40Aを構成する複数の注入窓12それぞれのサイズ(単体形成面積)は同一である。直線部M10(濃度緩和領域形成部E14以外)における注入窓12の形成度合を最も密に設定し、以下、濃度緩和領域形成部E14、コーナー部M11の順で疎になるよう粗密差をつけて設定される。なお、濃度緩和領域形成部E14は直線部R10に形成される濃度緩和領域14に対応づけた領域である。
具体的には、コーナー部M11(濃度緩和領域形成部E14を除く)における(隣接する)注入窓12,12の間隔を窓間隔gs、濃度緩和領域形成部E14における注入窓12,12の間隔を窓間隔gm、コーナー部M11における注入窓12,12の間隔を窓間隔gcとすると、「gs<gm<gc」になるように設定される。
このように、注入マスク20Aのマスクパターン40Aを構成する複数の注入窓12は、直線部M10(濃度緩和領域形成部E14を除く)、濃度緩和領域形成部E14及びコーナー部M11において、形成度合が密な方から、直線部M10(第1種)、濃度緩和領域形成部E14(第2種)及びコーナー部M11(第3種)の順で粗密差をつけて設定される。
その結果、直線部M10(濃度緩和領域形成部E14除く)が最も開口率が大きく、以下、濃度緩和領域形成部E14及びコーナー部M11の順で開口率が小さくなる開口率関係を満足するマスクパターン40Aを有する注入マスク20Aを得ることができる。
ここで、開口率は、イオン注入装置から照射される単位面積当たりのイオンのドーズ量に対する、イオン注入及び熱拡散された領域全体の単位面積当たりのドーズ量の割合に相当する。例えば、イオン注入装置から1E+14cm−2のドーズ量のイオンを照射した後に熱拡散を行った場合において、開口率が1%の部分に対応する領域全体の単位面積当たりのドーズ量は、上記ドーズ量の1%、つまり1E+12cm−2となる。
つまり、注入マスク20A(シリコン酸化膜13)の複数の注入窓12の開口率を制御(調整)することにより、ウエハプロセスの工程数を増やすことなく、イオン注入及び熱拡散された領域のイオン(不純物)のドーズ量を調整することができる。ここでは、上述したように、注入マスク20Aにおいて、上記開口率関係を満足するマスクパターン40Aを有している。
したがって、注入マスク20Aを用いる実施の形態1に係る製造方法によれば、コーナー部不純物領域2c、濃度緩和領域14及びコーナー部不純物領域2c間において、上述した不純物濃度関係(Cs>C14>Cc)を満足する実施の形態1の半導体装置を製造することができる。その結果、環状のP型不純物領域2を形成するのに必要な注入マスクの枚数、及び、イオン注入工程の回数を低減することができる。
(効果等)
(逆方向電圧の保持原理)
次に、実施の形態1による半導体装置が、逆方向電圧を保持する原理について説明する。
図2で示す終端領域32を備える実施の形態1の半導体装置において、エミッタ電極6の電位よりもコレクタ電極7の電位が高くなる逆方向電圧が印加されると、半導体基板30上面では、N型ドリフト層1とP型不純物領域2との接合部(N型チャネルストッパ領域3とP型不純物領域2とが接合している場合には、N型チャネルストッパ領域3とP型不純物領域2との接合部)に電圧が加わる。これにより、N型チャネルストッパ領域3(高圧側)側からP型不純物領域2(低圧側)へ向かって空乏層が伸びる。環状のP型不純物領域2の不純物濃度が適切に制御されておれば、上記接合部の電界が臨界点を超えて降伏する前に、P型不純物領域2の下部とN型ドリフト層1との境界部から半導体基板30表面に向かって伸びる空乏層によって、P型不純物領域2の下部表面、内部及び上部表面(半導体基板30表面)まで空乏化される。その結果、P型不純物領域2の内部、及び、N型ドリフト層1の内部に形成された空乏層によって逆方向電圧が保持される。
なお、逆方向電圧を印加することによりP型不純物領域2の内部に形成された空乏層の広がりは、環状のP型不純物領域2の濃度、深さに依存性を有している。
図5は実施の形態1の半導体装置における逆方向電圧印加時における空乏層の広がりを示す説明図である。図5(a) 〜(c) は、図2(a) 〜(c) で示した断面構造に逆方向電圧を印加したときの空乏層の広がりを示す説明図である。図5(a) 〜(c) に示すように、逆方向電圧の印加時に、環状のP型不純物領域2の不純物濃度が低い順、すなわち、環状のP型不純物領域2内側に広がる空乏層化領域90の広がり度合が大きい方から、コーナー部不純物領域2c、濃度緩和領域14及び直線部不純物領域2sの順となる空乏化制御傾向を示していることがわかる。
例えば、図5(a) 〜(c) に示すように、エミッタ電極6の端部を起点として、残存するP直線部不純物領域2sの形成幅を直線部形成幅ws、残存する濃度緩和領域14の形成幅を中間部形成幅wm、残存するコーナー部不純物領域2cの形成幅をコーナー部形成幅wcとすると、「ws>wm>wc」を満足する空乏化制御傾向を実施の形態1の半導体装置は有している。
このように、実施の形態1の半導体装置は、環状のP型不純物領域2の不純物濃度が高く及び、形成深さが深い程、空乏層化領域90の広がりを強く抑制制御する図5で示した空乏化制御傾向を実現している。
図6は実施の形態1の半導体装置の効果説明用の説明図(その1)である。同図において、環状のP型不純物領域2の不純物濃度が直線部R10及びコーナー部R11において同一に設定されている終端構造を有する第1の比較用半導体装置を示している。
図7は図6で示した第1の比較用半導体装置に逆方向電圧を印加したときの空乏層化領域90と電界集中領域91との関係を示す説明図である。同図に示すように、コーナー部R11では環状のP型不純物領域2の曲率の影響があるため電界強度が高くなってしまう。すなわち、直線部R10の電界強度が十分に高くなる前にコーナー部R11で電界集中が起こり、この電界集中によって装置全体の逆方向耐圧が決まってしまう。
図8は実施の形態1の半導体装置の効果説明用の説明図(その2)である。同図において、環状のP型不純物領域2の不純物濃度に関し、濃度緩和領域14を形成することなく、コーナー部R11(コーナー部不純物領域2c)の不純物濃度Ccが直線部R10(直線部不純物領域2s,濃度緩和領域14は存在せず)の不純物濃度Csより低く設定されている終端構造を有する第2の比較用半導体装置を示している。
図9は図8で示した第2の比較用半導体装置に逆方向電圧を印加したときの空乏層化領域90と電界集中領域91との関係を示す説明図である。同図に示すように、直線部R10の空乏層化領域90よりもコーナー部R11の空乏層化領域90を環状のP型不純物領域2内側に部分的に広げることができるが、直線部不純物領域2s,コーナー部不純物領域2c間の接線方向にける接合部(境界線L12上)で濃度差が発生することによる電界集中領域91が発生してしまい、かえって逆方向耐圧の低下に繋がってしまう。
以下、本明細書で使用する「接線方向」と「法線方向」について説明する。環状半導体領域である環状のP型不純物領域2の内周側から外周側に向かう方向(つまり、環状のP型不純物領域2の幅方向)を「法線方向」と記する。環状のP型不純物領域2の周方向(つまり環状のP型不純物領域2の延在方向)を「接線方向」と記す。
したがって、「法線方向」は、直線部R10において、直線部分の形成方向と垂直な方向(図3の右下の直線部不純物領域2sでは水平方向(右方向)、左上の直線部不純物領域2sでは垂直方向(上方向))となる。一方、コーナー部R11において、コーナー部不純物領域2cの内周及び外周の仮想中心点を始点として終端領域32の内側から外側へ向かう方向となる。
また、「接線方向」は直線部R10及びコーナー部R11において上述した「法線方向」と垂直な方向となり、直線部R10においては上述した直線部分の形成方向と一致する。
上述した第1及び第2の比較用半導体装置に対し、実施の形態1の半導体装置はコーナー部不純物領域2c、濃度緩和領域14及び直線部不純物領域2s間に上述した不純物濃度関係を設けている。このため、実施の形態1の半導体装置は局所的に電界を集中させることなくコーナー部R11の空乏層化領域90の曲率を擬似的に大きくすることができるため、電界集中を効果的に抑制することができる。
図10は図1〜図3で示した実施の形態1の半導体装置に逆方向電圧を印加したときの空乏層化領域90と電界集中領域91との関係を示す説明図である。
同図に示すように、コーナー部不純物領域2cを直線部不純物領域2sよりも不純物濃度を低濃度に設定することにより、直線部R10の空乏層化領域90の広がりよりもコーナー部R11の空乏層化領域90の広がり大きくなるように、環状のP型不純物領域2内側に部分的に広げることができる。
また、直線部R10に形成される直線部不純物領域2sと、コーナー部R11に形成されるコーナー部不純物領域2cとの間のつなぎ目となる領域に中間濃度(C14:Cs>C14>Cc)を有する濃度緩和領域14を設けることにより、直線部不純物領域2s,コーナー部不純物領域2c間の接続部分の濃度差を緩やかにすることができ、局所的な電界集中を抑制することができる。図10と図7及び図9とを比較すると、上述した効果により終端領域32のコーナー部R11で空乏層化領域90の曲率(空乏層化領域90のコーナー部R11における平面視内側の曲率)を擬似的に大きくすることが可能となり、曲率による影響を効果的に抑制することができため、電界集中を緩和することができる。
このように、実施の形態1の半導体装置によれば、直線部不純物領域2s(直線領域)とコーナー部不純物領域2c(コーナー領域)との間に形成された濃度緩和領域14(中間領域)を有する。そして、P型の不純物濃度の高さは、高い方から直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14、コーナー部不純物領域2c順に高低差をつけて設定される。
このため、実施の形態1の半導体装置は、環状のP型不純物領域2の周方向における濃度の変化を緩和することができ、直線部R10とコーナー部R11との境界線L12部分に集中する電界を分散することができる。
その結果、環状のP型不純物領域2を広げることとなく、すなわち、装置サイズを大きくすることなく、実施の形態1の半導体装置の耐圧性能を向上させることができる。したがって、半導体装置の小型化及び長寿命化を図ることができる。
さらに、装置サイズの小型化を実現する分、素材の欠陥に伴う歩留まりの低下を抑制することができる。
加えて、直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14及びコーナー部不純物領域2cは、「ds>dm>dc」を満足する不純物接合深さ関係を有するため、空乏層化領域90の広がりを抑制する強さが、強い方から、直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14及びコーナー部不純物領域2cの順となる空乏化制御傾向をより高めることができる。
また、接合深さを深く設定することにより、不純物濃度の深さ方向における勾配をなだらかにして電界集中を緩和する効果も期待できる。
(変形例)
以上説明した実施の形態1では、濃度緩和領域14は直線部R10に含まれていたが、これに限定されず以下で示す変形例の終端領域32を採用してもよい。
図11〜図13はそれぞれ実施の形態1の半導体装置の変形例を示す説明図(その1〜その3)である。例えば、図11に示されるように、濃度緩和領域14はコーナー部R11に含まれる構成であってもよいし、図12に示されるように、濃度緩和領域14は直線部R10及びコーナー部R11の両方に含まれる構成であってもよい。また、図13に示されるように、コーナー部不純物領域2cと濃度緩和領域14との接合部分近傍領域、濃度緩和領域14と直線部不純物領域2sとの接合部分近傍領域において、法線方向の濃度が一定でない構成であってもよい。以上のような図11〜図13に示した構成のいずれにおいても、図1〜図3で示した実施の形態1と同様の効果が期待できる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、接線方向に対して、濃度緩和領域14の濃度が一定である構成を示した。そのような構成であっても上述の効果が発揮できるが、濃度緩和領域14の濃度が連続的または段階的に変化する濃度勾配を持たせることにより、電界(集中ポイント)をさらに分散させることができ、より安定した耐圧が得られることが期待できる。
そこで、本発明の実施の形態2である半導体装置は、濃度緩和領域14におけるP型不純物の濃度が、直線部不純物領域2sからコーナー部不純物領域2cに向かうにつれて連続的または段階的に減衰するという特徴を、実施の形態1に付加した構成を採用している。
図14は、本実施の形態2である半導体装置の構成を模式的に示した説明図である。具体的には図3で示した実施の形態1と同様の平面図、すなわち、図1の破線で囲まれた抽出領域E11を拡大した平面図に相当する。
同図に示すように、直線部R10は直線部不純物領域2s及び濃度緩和領域14を含んでいる。コーナー部R11はコーナー部不純物領域2cを含んでいる。濃度緩和領域14は、互いに接線方向に隣接して形成された濃度緩和領域14a及び14bにより構成され、濃度緩和領域14aがコーナー部不純物領域2cに隣接して形成され、濃度緩和領域14bが直線部不純物領域2s側に隣接して形成されている。
そして、コーナー部不純物領域2c、濃度緩和領域14a、14b及び直線部不純物領域2sの不純物濃度を、Cc、C14a、C14b及びCcとすると、「Cs>C14b>14a>Cc」を満足する不純物濃度関係を有している。また、可能であれば、濃度緩和領域14a及び14bの各領域内においても、P型不純物の濃度が、直線部R10に向かうにつれて連続的または段階的に増大するように形成しても良い。
(効果)
以上のように構成された実施の形態2の半導体装置によれば、濃度緩和領域14a及び14bにおけるP型の不純物濃度が、直線部不純物領域2sからコーナー部不純物領域2cに向かう接線方向に沿って連続的または段階的に減衰する。これにより、コーナー部不純物領域2cと濃度緩和領域14aとの接合部(繋ぎ目)近傍領域、あるいは直線部不純物領域2sと濃度緩和領域14bとの接合部近傍領域での電界集中を効果的に抑えることができる。したがって、半導体装置の耐圧性能のさらなる向上が期待できる。
このように、実施の形態2の半導体装置では、濃度緩和領域14(中間領域)におけるP型の不純物濃度が、直線部不純物領域2s(直線領域)からコーナー部不純物領域2c(コーナー領域)に向かう接線方向に沿って(向かうにつれて)連続的または段階的に減衰するため、直線部R10とコーナー部R11との境界線L12の近傍に集中していた電界をさらに分散することができる。したがって、実施の形態2の半導体装置の耐圧性能のさらなる向上が期待できる。
(変形例)
図14で示した実施の形態2の構成(基本構成)では、濃度緩和領域14(濃度緩和領域14a及び14b)は、直線部R10に含まれていたが、これに限定されることなく以下で述べる変形例を採用しても良い。
図15及び図16はそれぞれ実施の形態2の半導体装置の変形例を示す説明図(その1,その2)である。例えば、図15に示されるように、P型不純物の濃度が接線方向に沿って連続的または段階的に減衰する濃度緩和領域14(濃度緩和領域14a及び14b)は、コーナー部R11に含まれるものであってもよい。
濃度緩和領域14a及び14bは互いに接線方向に隣接して形成されており、濃度緩和領域14aがコーナー部不純物領域2cに隣接して形成され、濃度緩和領域14bが直線部不純物領域2s側に隣接して形成されている。そして、図14で示した基本構成と同様、「Cs>C14b>14a>Cc」を満足する不純物濃度関係を有している。また、可能であれば、濃度緩和領域14a及び14bの各領域内においても、P型の不純物濃度が、コーナー部R11(例えばコーナー部R11の中央部)に向かうにつれて連続的または段階的に減衰するようにしても良い。
また、例えば、図16に示すように、P型の不純物濃度が連続的または段階的に減衰する濃度緩和領域14(濃度緩和領域14a〜14c)は、直線部R10及びコーナー部R11それぞれに含まれるものであってもよい。すなわち、濃度緩和領域14a及び14bがコーナー部R11に形成され、濃度緩和領域14c(不純物濃度C14c)は直線部R10に形成され、濃度緩和領域14a〜14cは14a,14b間、14b,14c間が隣接して形成される。そして、「Cs>C14c>C14b>C14a>Cc」を満足する不純物濃度関係を有している。また、可能であれば、濃度緩和領域14a〜14cの各領域内においても、P型不純物の濃度が、コーナー部R11に向かうにつれて連続的または段階的に減衰するようにしても良い。
以上のような図15及び図16に示した変形例のいずれにおいても、図14で示した実施の形態2の基本構成と同様の効果が期待できる。
なお、図14、図15で示す濃度緩和領域14は、濃度緩和領域14a及び14bの2段階で、図16で示す濃度緩和領域14は、濃度緩和領域14a〜14cの3段階で濃度変化を図示している。
しかしながら、コーナー部不純物領域2c,直線部不純物領域2s間をシームレスに接続することが電界緩和に有効であるため、上述したように濃度緩和領域14a〜14cの各領域内においてP型不純物の濃度がコーナー部R11に向かうにつれて連続的または段階的に減衰させせるべく、注入マスク20Aのマスクパターン40Aの精度、ウエハプロセス技術による製造が可能な限り多段階でなだらかに作成することが望ましい。
なお、注入マスク20Aのマスクパターン40Aにおける複数の注入窓12の開口率を実施の形態2に適した内容に制御し、イオン注入、熱拡散を行うことにより、実施の形態1の製造方法と同様な製造方法を用いて実施の形態2の半導体装置を製造することができる。
また、濃度緩和領域14a〜14cの各領域内においても、P型不純物の濃度が、コーナー部R11に向かうにつれて連続的または段階的に減衰する構造を実現する製造方法として、注入マスク20Aを構成するシリコン酸化膜13の膜厚をコーナー部R11に向かうにつれて連続的または段階的に増加させる等の対応が考えられる。
<実施の形態3>
実施の形態3の半導体装置は、実施の形態1、実施の形態2の半導体装置と比較して、環状のP型不純物領域2の不純物濃度が終端領域32の内周から外周方向、すなわち法線方向に向かって減衰する構造であることを特徴としている。
実施の形態1、実施の形態2のように終端領域32の法線方向において、環状のP型不純物領域2のP型の不純物濃度が一定である場合、ウエハプロセスのバラツキに対して安定した耐圧が得られるP型不純物領域2の範囲が狭い。なぜならば、法線方向における不純物濃度は一種類であるため、ウエハプロセスのバラツキによる不純物濃度が設計時から変動するとそのまま法線方向の不純物濃度の変動として反映されるからである。
そこで、終端領域32(環状のP型不純物領域2)の法線方向へ向けて不純物濃度を減衰させることにより、ウエハプロセスのバラツキに対して安定した耐圧を得ることができるようにしたのが実施の形態3の半導体装置である。
すなわち、直線部R10に形成される直線部不純物領域のP型の不純物濃度は、終端領域32の法線方向に沿って(内周から外周へ向けて)連続的もしくは段階的に減衰させている。コーナー部不純物領域のP型の不純物域濃度も同様に、終端領域32の法線方向に沿って連続的もしくは段階的に減衰させている。加えて、上記直線部不純物領域と上記コーナー部不純物領域とのつなぎ目に設ける濃度緩和領域のP型の不純物濃度も法線方向に沿って連続的もしくは段階的に減衰させている。
そして、不純物濃度の減衰の割合が最も小さい上記直線部不純物領域から、上記濃度緩和領域及び上記コーナー部不純物領域の順で減衰の割合が大きくなるように設定される結果、P型の不純物濃度が最も高い上記直線部不純物領域から、上記濃度緩和領域、上記コーナー部不純物領域の順でP型の不純物濃度が相対的に低くなるように形成される。
したがって、実施の形態3においても、実施の形態1及び実施の形態2と同様、環状のP型不純物領域2は、接線方向において最も不純物濃度が高い上記直線部不純物領域から、上記濃度緩和領域、上記コーナー部不純物領域の順で不純物濃度が相対的に低く設定されることにより、上記直線部不純物領域と上記コーナー部不純物領域との中間の不純物濃度を有する上記濃度緩和領域が存在する構造を維持しているため、実施の形態1及び実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
図17は、本発明の実施の形態3における半導体装置の構造を示す断面図である。図17(a) 〜(c) は図1のA−A断面、図B−B断面、及びC−C断面を示している。図18は、実施の形態2である半導体装置の構成を模式的に示した説明図であり、具体的には、図3で示した実施の形態1と同様の平面図である。
図18に示すように、直線部R10に形成される上記直線部不純物領域は、法線方向に沿って最内不純物領域51、直線部中間不純物領域52s、及び直線部最外不純物領域53sの順で形成され、コーナー部R11に形成される上記コーナー部不純物領域は、法線方向に沿って最内不純物領域51、コーナー部中間不純物領域52c、及びコーナー部最外不純物領域53cの順で形成される。さらに、上記濃度緩和領域は直線部R10に含まれており、法線方向に沿って最内不純物領域51、中間濃度緩和領域62及び最外濃度緩和領域63の順で形成される。
ここで、最内不純物領域51、直線部中間不純物領域52s、直線部最外不純物領域53s、コーナー部中間不純物領域52c、コーナー部最外不純物領域53c、中間濃度緩和領域62及び中間濃度緩和領域63のP型の不純物濃度をC51、C52s、C53s、C52c、C53c、C62、及びC63として、実施の形態3の半導体装置は法線方向及び接線方向における不純物濃度関係を説明する。
実施の形態3の半導体装置は、「C51>C52s>C53s」、かつ「C51>C52c>C53c」、かつ「C51>C62>C63」という法線方向における不純物濃度関係を満足することにより、終端領域32の法線方向に沿って(内周から外周に向けて)連続的もしくは段階的にP型の不純物濃度が減衰している構造を得ることができる。
したがって、法線方向に沿って複数の不純物濃度が設定されるため、法線方向に一つの不純物濃度が設定されている実施の形態1や実施の形態2の構造に比べ、ウエハプロセスのバラツキによって生じる環状のP型不純物領域2の不純物濃度の法線方向におけるバラツキを緩和することができる。
その結果、実施の形態3の半導体装置は、法線方向に沿って広範囲になだらかに不純物濃度が変化する耐圧保持領域に電界が加わることになり、局所的に集中していた電界を分散することができるため、ウエハプロセスのバラツキに対して安定した耐圧を得ることができる。
さらに、実施の形態3の半導体装置は、環状のP型不純物領域2が法線方向沿って接合深さが浅くなるように形成される。すなわち、図17(a) に示すように、直線部不純物領域2s(最内不純物領域51、直線部中間不純物領域52s及び直線部最外不純物領域53s)の直線部接合深さds(ds1〜ds3)が、法線方向沿って浅くなる(ds1>ds2>ds3)ように形成される。
また、図17(b) に示すように、濃度緩和領域14(最内不純物領域51、中間濃度緩和領域62及び最外濃度緩和領域63)の中間部接合深さdm(dm1〜dm3)が、法線方向沿って浅くなる(dm1>dm2>dm3)ように形成される。同様にして、図17(c) に示すように、コーナー部不純物領域2c(最内不純物領域51、コーナー部中間不純物領域52c、及びコーナー部最外不純物領域53c)のコーナー部接合深さdc(dc1〜dc3)が、法線方向沿って浅くなる(dc1>dc2>dc3)ように形成される。
このように、直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14及びコーナー部不純物領域2cは、「ds1>ds2>ds3」、「dm1>dm2>dm3」及び「dc1>dc2>dc3」を満足する不純物接合深さ関係を有することにより、環状のP型不純物領域2が法線方向に沿って連続的もしくは段階的にP型の不純物濃度が減衰しやすい構造を得ることができる。
さらに、実施の形態3の半導体装置は、「C52s>C62>C52c」かつ「C53s>C63>C53c」という接線方向における不純物濃度関係を満足することにより、実施の形態1及び実施の形態2の同様、逆方向耐圧印加時のコーナー部R11での空乏層化領域90の曲率を擬似的に大きくすることにより、半導体装置の装置サイズを大きくすることなく、半導体装置の耐圧性能を向上させることができる。
なお、局所的にコーナー部R11の不純物濃度が直線部R10の不純物濃度より高くなっていても(例えば、コーナー部R11における最内不純物領域51が直線部R10にける直線部最外不純物領域53sより不純物濃度が高い場合等)、法線方向に不純物濃度を積分した場合にコーナー部R11の不純物濃度が直線部R10の不純物濃度より低く設定されておれば良い。
(変形例)
以上の説明した実施の形態3の構成(基本構成)では、濃度緩和領域を構成する中間濃度緩和領域62及び最外濃度緩和領域63は直線部R10に含まれていたが、これに限定されず以下で示す変形例の終端領域32を採用してもよい。
図19及び図20はそれぞれ実施の形態3の半導体装置の変形例を示す説明図(その1,その2)である。例えば、図19に示すように、中間濃度緩和領域62及び最外濃度緩和領域63はコーナー部R11に含まれる構成であってもよいし、図20に示すように、中間濃度緩和領域62及び最外濃度緩和領域63は直線部R10及びコーナー部R11の両方に含まれる構成であってもよい。以上のような図19及び図20に示した構成のいずれにおいても、図17及び図18で示した実施の形態3の基本構成と同様の効果が期待できる。
なお、注入マスク20Aのマスクパターン40Aにおける複数の注入窓12の開口率を実施の形態3に適した内容に制御し、イオン注入、熱拡散を行うことにより、実施の形態1の製造方法と同様な製造方法を用いて実施の形態3の半導体装置を製造することができる。
また、環状のP型不純物領域2の法線方向に沿ってP型の不純物濃度が連続的または段階的に減衰する構造を実現する製造方法として、注入マスク20Aを構成するシリコン酸化膜13の膜厚を法線方向に沿って連続的または段階的に増加させる等の対応が考えられる。
<実施の形態4>
本発明の実施の形態4である半導体装置は、環状のP型不純物領域2が複数に分離されているという特徴を、実施の形態1〜実施の形態3に付加した構成となっている。なお、以下においては、その特徴を実施の形態1に付加した構成について説明するが、実施の形態2及び実施の形態3に付加した構成も以下と同様であるため、実施の形態2及び実施の形態3に付加した構成の説明については省略する。
図21は実施の形態4である半導体装置の基本構成を模式的に示した説明図であり、具体的には、図3で示した実施の形態1と同様の平面図である。図21に示す構成では、環状のP型不純物領域2(直線部不純物領域2s、コーナー部不純物領域2c及び濃度緩和領域14)が、接線方向に延在するN型ドリフト層1によって分離されている。これにより、環状のP型不純物領域2は、法線方向に対して複数に分離されている。
なお、直線部不純物領域2s、コーナー部不純物領域2c及び濃度緩和領域14間の不純物濃度関係は、実施の形態1と同様、「Cs>C14>Cc」を満足している。
図22は実施の形態4である半導体装置の別構成を模式的に示した説明図であり、具体的には、図3で示した実施の形態1と同様の平面図である。図22に示す構成では、図21に示した環状のP型不純物領域2が、法線方向に延在するN型ドリフト層1によってさらに分離されている。これにより、環状のP型不純物領域2は、法線方向に加え接線方向に対しても複数に分離されている。
なお、実施の形態4である半導体装置では、以上に説明した構成に限ったものではなく、環状のP型不純物領域2が、法線方向及び接線方向の少なくともいずれか一方に対して複数に分離されていればよい。また、以下の説明では、環状のP型不純物領域2が接線方向に複数に分離されることによって形成される領域を「部分領域」と称す場合がある。
(効果)
以上のような実施の形態4である半導体装置によれば、環状のP型不純物領域2が法線方向及び接線方向の少なくともいずれか一方に対して複数に分離される構造で、実施の形態1と同様な不純物濃度関係を満足する環状のP型不純物領域2(直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14、コーナー部不純物領域2c)を実現することにより、半導体装置の装置サイズを大きくすることなく、半導体装置の耐圧性能を向上させることができる。
すなわち、実施の形態4の半導体装置は、図21及び図22で示すいずれの構造においても、実施の形態1と同様、逆方向耐圧印加時のコーナー部R11での空乏層化領域の曲率を擬似的に大きくすることができ、電界緩和を可能とし耐圧向上を図ることができる。
また、半導体基板30としてP型の不純物が拡散しにくい材質を用いても実施の形態4の構造であれば比較的容易に製造することができる利点を奏する。
なお、実施の形態4の構造を実施の形態2及び実施の形態3に付加したした場合、実施の形態2及び実施の形態3と同様な効果が得られることは勿論である。
また、実施の形態4の半導体装置の製造方法は、実施の形態1の製造方法と同様な製造方法を用い、例えば、図4で示した注入マスク20Aのマスクパターン40Aにおける注入窓12,12の間隔を実施の形態1〜3の場合よりも広くする(形成度合の疎密度を「疎」にする)設定等により、比較的簡単に実現することができる。
<実施の形態5>
図23は実施の形態5である半導体装置の構成を模式的に示した説明図であり、具体的には、図3で示した実施の形態1と同様の平面図である。図23に示すように、実施の形態5の半導体装置は、環状のP型不純物領域2の少なくとも一部が接線方向に分離されることによって形成された複数の部分領域2に関し、直線部R10の部分領域2の単体形成面積が最も広く設定され、以下、濃度緩和領域14における部分領域2、コーナー部R11における部分領域2の順で単体形成面積が狭くなる形成面積関係を有している。なお、各部分領域2の不純物濃度は同一に設定されている。
その結果、巨視的に視て(単位面積当たりの不純物濃度を換算すると)、直線部R10(濃度緩和領域14を除く)に形成される直線部不純物領域(複数の部分領域2(面積最大)の集合体)の不純物濃度が最も高くなる。以下、濃度緩和領域14(複数の部分領域2(面積中間)の集合体)、コーナー部R11に形成されるコーナー部不純物領域(複数の部分領域2(面積最小)の集合体)の順で、実施の形態1と同様の不純物濃度関係を設定している。
(効果等)
実施の形態5は上記のように巨視的に視て実施の形態1と同様の特徴(不純物濃度関係)を有することにより、局所的な電界集中を抑制することができ、半導体装置の耐圧を向上させることができる。
また、実施の形態5の半導体装置の製造方法は、実施の形態1の製造方法と同様な製造方法を用い、例えば、図4で示した注入マスク20Aのマスクパターン40Aを構成する複数の注入窓12を複数の部分領域に合致した形状で設定し、熱拡散度合を低減する等により、比較的簡単に実現することができる。
<実施の形態6>
本発明の実施の形態6である半導体装置は、環状のP型不純物領域2上にシリコン酸化膜19(絶縁膜)を介して形成された環状のフィールドプレート16(フィールドプレート)を、実施の形態1〜実施の形態5に付加した構成となっている。なお、以下においては、その特徴を実施の形態1及び実施の形態4に付加した構成について説明するが、実施の形態2、実施の形態3及び実施の形態5に付加した構成も以下と同様であるため、実施の形態2、実施の形態3及び実施の形態5に付加した構成の説明については省略する。
図24は実施の形態6である半導体装置の基本構成を模式的に示した説明図であり、具体的には、図3で示した実施の形態1と同様の平面図である。図25は当該構成を図2と同様に示す断面図である。これら図24及び図25には、複数の(3つの)環状のフィールドプレート16を実施の形態1の構造に付加した構成が示されている。
図26は、実施の形態6である半導体装置の別構成を模式的に示した説明図であり、具体的には図2と同様の断面図である。図26には、複数のフィールドプレート16を、実施の形態4の半導体装置の複数に離散された環状のP型不純物領域2上に形成した構成が示されている。
これらの図に示すように、各々が接線方向に延在した複数の環状のフィールドプレート16が法線方向に互いに分離して形成されている。各フィールドプレート16は、環状のP型不純物領域2(図26の場合、複数に分離されたP型不純物領域2)上にシリコン酸化膜19を介して形成されているとともに、その一部が環状のP型不純物領域2上に直接形成されている。なお、各フィールドプレート16は、例えばアルミニウムやポリシリコンなどから構成される。
そして、各フィールドプレート16は、エミッタ電極6と離間されて形成されている。また、シリコン酸化膜19上の一部には、N型チャネルストッパ電極9が形成されており、N型チャネルストッパ電極9の一端はフィールドプレート16と近接して設けられ、他端はN型チャネルストッパ領域3の表面上に延びて形成されている。このように、複数のフィールドプレート16はエミッタ電極6,N型チャネルストッパ電極9間に形成されている。
(効果)
以上のような本実施の形態6に係る半導体装置によれば、フィールドプレート効果により、複数のフィールドプレート16とN型チャネルストッパ電極9とによる電位分担の割合を増加させることができる。これにより、電界の分散、電位の安定化、外乱の防止を実現することができる。
(変形例)
図27は、実施の形態6の半導体装置における変形例の構成を模式的に示した説明図であり、具体的には、図3で示した実施の形態1と同様の平面図である。図28は、当該構成を図2と同様に示す断面図である。図27及び図28で示す変形例では、複数の(3つの)環状のフローティングフィールドプレート17(第2のフィールドプレート)と、複数の(4つの)環状のフローティングフィールドプレート18(第1のフィールドプレート)とがそれぞれ法線方向に沿って互いに分離して複数個設けられている。各フローティングフィールドプレート17,18は例えばアルミニウムやポリシリコンなどから構成される。
各フローティングフィールドプレート18は、環状のP型不純物領域2上にシリコン酸化膜19を介して形成されることにより環状のP型不純物領域2と絶縁されている。なお、各フローティングフィールドプレート18は半導体基板30の表面(環状のP型不純物領域2)との間にシリコン酸化膜19を介した容量結合(第1の容量結合)が形成される高さで形成される。
各フローティングフィールドプレート17は、フローティングフィールドプレート18上のシリコン酸化膜19を介して形成されることにより、環状のP型不純物領域2及びフローティングフィールドプレート18と絶縁されている。なお、フローティングフィールドプレート17及び18は隣接するフローティングフィールドプレート17及び18間において容量結合(第2の容量結合)が形成される程度に平面視重複部分を有している。
各フローティングフィールドプレート17,18は、エミッタ電極6と離間されて形成されている。また、シリコン酸化膜19上には、N型チャネルストッパ電極9が形成されており、N型チャネルストッパ電極9の一端はフローティングフィールドプレート18と近接して設けられ、他端はN型チャネルストッパ領域3の表面上に延びて形成されている。このように、複数のフローティングフィールドプレート17,18はエミッタ電極6,N型チャネルストッパ電極9間に形成されている。
以上のような構成によれば、上述した第1及び第2の容量結合が形成される複数のフローティングフィールドプレート17,18とN型チャネルストッパ電極9とによって電位分担の割合を増加させることができる。これにより、電界の分散、電位の安定化、外乱の防止を実現することができる。
なお、実施の形態6で半導体装置は、実施の形態1〜実施の形態5の半導体装置の終端構造である環状のP型不純物領域2のいずれかを形成した後に、フィールドプレート16(フローティングフィールドプレート17,18)を形成することにより製造することができる。
<実施の形態1〜実施の形態6に共通する変形例>
以上においては、N型ドリフト層1は、シリコンなどからなる半導体基板30に形成されているものとして説明したが、これに限ったものではない。例えば、N型ドリフト層1は、炭化シリコン(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、もしくはダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体からなる基板に形成されてもよい。
また、以上においては、半導体素子は、IGBT31であるものとして説明したが、これに限ったものではない。例えば、半導体素子は、ダイオードやMOSトランジスタなどであってもよい。
<注入マスクの変形例>
図4で示した注入マスク20Aでは、複数の注入窓12(開口部)の形成度合の疎密によって、複数の注入窓12の開口率が調整された。これに対し、本変形例に係る注入マスク20Bでは、複数の注入窓12の単体形成面積の大小によって、複数の注入窓12の開口率が調整される。
図29は、本変形例に係る注入マスク20Bの一例を示す平面図である。この注入マスク20Bは複数の注入窓12(注入窓12s,注入窓12m及び注入窓12c)からなるマスクパターン40Bを有している。
マスクパターン40Bを構成する複数の注入窓12として、直線部R10(濃度緩和領域14を除く)に対応する直線部M10(濃度緩和領域形成部E14を除く)に複数の注入窓12sが形成され、濃度緩和領域形成部E14に複数の注入窓12mが形成され、コーナー部R11に対応するコーナー部M11に複数の注入窓12cが形成される。なお、複数の注入窓12の形成度合は直線部M10、コーナー部M11に関係なく均一に形成される。
そして、各注入窓12s、注入窓12m及び注入窓12cの単体形成面積をS12s,S12m及びS12cとすると、「S12s>S12m>S12c」とする面積関係を満足するように設定される。その結果、直線部M10(濃度緩和領域形成部E14除く)の開口率が最も大きく、以下、濃度緩和領域形成部E14及びコーナー部M11の順で開口率が小さくなる開口率関係を満足するマスクパターン40Bを得ることができる。
このような図29に示される注入マスク20Bを用いれば、図4に示した注入マスク20Aと同様に、実施の形態1で示した製造方法によって、直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14及びコーナー部不純物領域2c間で実施の形態1と同様の不純物濃度関係を満足する環状のP型不純物領域2を得ることができる。
加えて、マスクパターン40Bを構成する複数の注入窓12は「S12s>S12m>S12c」とする面積関係を満足するため、図2に示すように、「ds>dm>dc」を満足する不純物接合深さ関係を有する、直線部不純物領域2s、濃度緩和領域14及びコーナー部不純物領域2cからなる環状のP型不純物領域2を比較的容易に得ることができる。なぜならば、注入窓12の形成面積が大きい程、環状のP型不純物領域2を深く形成することができる性質を有しているからである。
なお、図29に示される注入マスク20Bでは、直線部M10(濃度緩和領域形成部E14を除く)における注入窓12sの接線方向及び法線方向の長さを最も長く設定し、以下、濃度緩和領域形成部E14及びコーナー部M11の順で注入窓12(注入窓12m,注入窓12c)の接線方向及び法線方向の長さを短くしていくことにより、マスクパターン40Bを形成している。
しかし図29で示したマスクパターン40B以外のマスクパターンを採用しても良い。例えば、注入窓12sの接線方向及び法線方向いずれか一方の方向の長さを、注入窓12m及び注入窓12cの当該一方の方向の長さよりも大きくし、他方の長さをほぼ同じにすることにより、「S12s>S12m>S12c」とする面積関係を満足するように設定しても良い。
また、注入マスク20A及び注入マスク20Bの特徴を共に備えた注入マスクを構成しても良い。すなわち、注入窓12の単体形成面積の大小差及び形成度合の粗密差の組合せにより、直線部M10の開口率が最も大きく、以下、濃度緩和領域形成部E14及びコーナー部M11の順で開口率が小さくなる開口率関係を満足するマスクパターンを有する注入マスクを構成しても良い。
また、図4及び図29に示したマスクパターン40A及び40Bでは、各注入窓12の形状は正方形としているが、これに限ったものではなく、円、長方形、楕円などの他の形状でも同様の効果を得ることができる。また、巨視的にみて、直線部M10の不純物濃度が濃度緩和領域形成部E14及びコーナー部M11よりも高い構成を、ラインパターン、ドットパターンのみで構成し、以下、濃度緩和領域形成部E14、コーナー部M11の順で低くなるように設定することも可能である。
また、以上においては、注入マスク20A及び20Bとして、半導体基板30上に形成されるシリコン酸化膜13を用いた場合について説明した。しかしシリコン酸化膜13以外に、レジストなど、通常の半導体プロセスでマスクとして用いられるものを、注入マスクとして用いてもよい。また、ハーフトーンマスクやグレイトーンマスクなどのフォトマスクを注入マスクとして用いて、P型不純物領域2を一括して形成してもよい。
また、上述した例では、局所的に開口率が異なる注入マスク20A及び20Bを用いて、イオン注入を行うことによって不純物濃度の異なる環状のP型不純物領域2を形成する方法について説明した。しかしこれに限ったものではなく、複数の注入マスクを用いるとともに、異なるまたは同様のドーズ量で複数回のイオン注入を行うことによって環状のP型不純物領域2を形成してもよい。また、複数のマスクパターンを用いるとともに、異なるまたは同様のドーズ量で複数回のイオン注入を行うことによって環状のP型不純物領域2を形成してもよい。
また、図1及び図2等で示すIGBT31及び終端領域32におけるP型不純物領域2を一括して形成すべく、注入マスク20A,20BにIGBT31下のP型不純物領域2形成用のパターンを併せて設ける構成も考えられる。
なお、以上で説明した各図面は、構造等を簡易的に分かりやすく示したもので、図面における縮小や縦横比、繰り返し用いられるパターンの数などは正確ではない。また、以上に開示された実施の形態は全ての点で例示に過ぎず、本発明を制限するものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態の内容だけではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての修正や変形を含むものと意図される。
また、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能であり、これまで記載した構造及び製造方法は、適宜組み合わせることが可能である。
1 N型ドリフト層、2 P型不純物領域、2c コーナー部不純物領域、2s 直線部不純物領域、3 N型チャネルストッパ領域、6 エミッタ電極、7 コレクタ電極、8 ゲート電極、9 N型チャネルストッパ電極、12 注入窓、14 濃度緩和領域、16 フィールドプレート、17,18 フローティングフィールドプレート、20A,20B 注入マスク、31 IGBT、32 終端領域、90 空乏層化領域、R10 直線部、R11 コーナー部。

Claims (12)

  1. 半導体素子が設けられた第1導電型の半導体層と、
    前記半導体素子の平面視外周部を囲んで前記半導体層の終端領域に形成される第2導電型の環状半導体領域とを備え、
    前記環状半導体領域は、
    平面視直線状に形成された直線領域を含む直線部と、
    平面視屈曲部分を有して形成されたコーナー領域を含むコーナー部とを有し、前記直線領域は前記コーナー領域より第2の導電型の不純物濃度が高く、
    前記直線部及び前記コーナー部の少なくともいずれか一方は、
    前記直線領域と前記コーナー領域との間に形成された中間領域をさらに含み、
    前記中間領域の第2導電型の不純物濃度は前記直線領域の不純物濃度より低く、前記コーナー領域の不純物濃度より高く設定される、
    半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記直線領域は前記コーナー領域より、前記環状半導体領域と前記半導体層との接合部の形成深さである接合深さが深くなるように形成され、
    前記中間領域の前記接合深さは、前記直線領域の前記接合深さより浅く、前記コーナー領域の前記接合深さより深く設定される、
    半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の半導体装置であって、
    前記中間領域における第2導電型の不純物濃度は、前記直線領域から前記コーナー領域に向かう方向に沿って連続的または段階的に減衰する、
    半導体装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の半導体装置であって、
    前記環状半導体領域における前記第2導電型の不純物濃度は、前記環状半導体領域の内周側から外周側に向かう方向に沿って連続的または段階的に減衰する、
    半導体装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうち、いずれか1項に記載の半導体装置であって、
    前記環状半導体領域は、内周側から外周側に向かう方向に沿って複数に分離されている、
    半導体装置。
  6. 請求項1〜請求項5のうち、いずれか1項に記載の半導体装置であって、
    前記環状半導体領域は周方向に沿って複数に分離されている、
    半導体装置。
  7. 請求項6記載の半導体装置であって、
    前記環状半導体領域が前記周方向に分離されることによって形成された複数の部分領域に関し、前記中間領域における前記部分領域の単体形成面積が前記コーナー領域における前記部分領域の単体形成面積より広く、前記直線領域の前記部分領域の単体形成面積より狭く設定される、
    半導体装置。
  8. 請求項1〜請求項7のうち、いずれか1項に記載の半導体装置であって、
    前記環状半導体領域上に絶縁膜を介して形成された平面視環状のフィールドプレートをさらに備える、
    半導体装置。
  9. 請求項1〜請求項7のうち、いずれか1項に記載の半導体装置であって、
    前記環状半導体領域上に絶縁膜を介して形成された平面視環状の第1のフィールドプレートと、
    前記第1フィールドプレート上に絶縁膜を介して形成された平面視環状の第2フィールドプレートをさらに備え、
    前記第1のフィールドプレートと前記環状半導体領域との間に容量結合が形成され、
    前記第1及び第2フィールドプレート間で容量結合が形成される、
    半導体装置。
  10. 請求項1記載の半導体装置を製造する方法であって、
    (a) 前記半導体素子が設けられた第1導電型の前記半導体層を準備するステップと、
    (b) 前記半導体層に対し、複数の注入窓を有する注入マスクを用いて第2導電型の不純物をイオン注入することによって、前記半導体素子の平面視外周部を囲んで不純物注入領域を形成するステップと、
    (c) 前記不純物注入領域の前記第2導電型の不純物を熱拡散させ前記環状半導体領域を得るステップとを備え、
    前記ステップ(b) で用いる前記注入マスクに形成される前記複数の注入窓において、前記環状半導体領域における前記直線領域、前記中間領域及び前記コーナー領域に対応する第1種、第2種及び第3種の注入窓の開口率は、大きい方から第1種、第2種及び第3種の順で大小差をつけて設定される、
    半導体装置の製造方法。
  11. 請求項10記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第1種、第2種及び第3種の注入窓は、形成度合が密な方から、第1種、第2種及び第3種の順で粗密差をつけて設定される、
    半導体装置の製造方法。
  12. 請求項10または請求項11に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第1種、第2種及び第3種の注入窓は、単体形成面積が大きい方から、第1種、第2種及び第3種の順で大小差をつけて設定される、
    半導体装置の製造方法。
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