JP6090314B2 - 金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム - Google Patents
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Description
本発明は、金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムに関するものである。
ポリアリーレンスルフィドは優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、電気絶縁性および低吸湿性などの性質を有しており、特に電気・電子機器、機械部品および自動車部品などに好適に使用されている。
近年、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略称することがある。)に代表されるポリアリーレンスルフィドフィルムは、その電気絶縁性や低吸湿性を活かし、電気絶縁材料への適用が進められている。しかしながら、ポリアリーレンスルフィドフィルムは、一般に金属や他樹脂との接着性、密着性が低く、また、成形性も低いという欠点を有している。
例えば、ポリフェニレンスルフィドは機械特性に優れている(特許文献1)。しかし、機械特性に優れているものの、金属などの接着性において満足のいくものではなかった。また、m−フェニレンスルフィド単位をブレンドする技術が開示されている(特許文献2)が、厚みムラ、機械特性、耐熱性に優れたフィルムに関する技術であり、金属などの接着性、成形性において満足のいくものではなかった。また、二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムおよび二軸延伸共重合ポリアリーレンスルフィドフィルムが交互に積層された積層フィルムの技術が開示されている(特許文献3)が、モータ絶縁用相間紙として加工時の割れ改善に関する技術であり、金属などの接着性、加熱時の成形性において満足のいくものではなかった。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂を2段熱固定する技術が開示されている(特許文献4)が、破断伸度、平面性を改良する技術であり、金属などの接着性、加熱時の成形性において満足のいくものではなかった。
そこで本発明は、これらの問題点を解消し、金属との接着性および接着耐久性、成形性に優れた金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムを提供することを目的とするものである。
(1) 融点が260℃以下であるポリアリーレンスルフィドからなり結晶化度が10%以上、30%以下であることを特徴とする金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム、
(2) 前記フィルムのヤング率が2.5GPa以上、3.5GPa以下であることを特徴とする(1)に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
(3) 前記ポリアリーレンスルフィドがm−フェニレンスルフィド単位を5〜15モル%含むポリアリーレンスルフィドであることを特徴とする(1)または(2)に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム、
(4) 前記フィルムの200℃破断伸度が150%以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
(5) ポリアリーレンスルフィドの融点が異なる2種以上のPPSを含むことを特徴とする、(1)〜(4)に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム、
(6) ポリアリーレンスルフィドの溶融粘度が200〜10000ポイズであることを特徴とする、(1)〜(5)に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム、
である。
(2) 前記フィルムのヤング率が2.5GPa以上、3.5GPa以下であることを特徴とする(1)に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
(3) 前記ポリアリーレンスルフィドがm−フェニレンスルフィド単位を5〜15モル%含むポリアリーレンスルフィドであることを特徴とする(1)または(2)に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム、
(4) 前記フィルムの200℃破断伸度が150%以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
(5) ポリアリーレンスルフィドの融点が異なる2種以上のPPSを含むことを特徴とする、(1)〜(4)に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム、
(6) ポリアリーレンスルフィドの溶融粘度が200〜10000ポイズであることを特徴とする、(1)〜(5)に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム、
である。
本発明によれば、金属との接着性および接着耐久性、成形性に優れた金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムを得ることができ、各種部品の金属シール材として好適に用いることができる。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムに用いるポリアリーレンスルフィドは、融点が260℃以下であることが重要であり、より好ましくは250℃以下、さらに好ましくは248℃以下である。下限としては特に制限は無いがポリアリーレンスルフィドの耐熱性を活かす上では230℃以上である。
本発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹脂とは、−(Ar−S)−の繰り返し単位を有するコポリマーである。Arとしては下記の式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあげられる。
(R1,R2は、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基から選ばれた置換基であり、R1とR2は同一でも異なっていてもよい)
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂の繰り返し単位としては、上記の式(A)で表される構造式が好ましく、これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトンなどが挙げられ、特に好ましいポリアリーレンスルフィドとしては、フィルム物性と経済性の観点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく例示される。PPSの主要構成単位として下記構造式で示されるp−フェニレンスルフィド単位を全繰り返し単位の85モル%以上95モル%以下で構成されていることが好ましい。より好ましくは、88モル%以上、92モル%以下である。かかるp−フェニレンスルフィド単位が85モル%未満では、耐熱性、耐薬品性が低下する場合があり、また、必要な結晶化度を得られないことがあり、95モル%を超えるとポリアリーレンスルフィド樹脂の融点を十分低下できず、成形性、金属との接着性を十分高められない場合がある。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂の繰り返し単位としては、上記の式(A)で表される構造式が好ましく、これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトンなどが挙げられ、特に好ましいポリアリーレンスルフィドとしては、フィルム物性と経済性の観点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく例示される。PPSの主要構成単位として下記構造式で示されるp−フェニレンスルフィド単位を全繰り返し単位の85モル%以上95モル%以下で構成されていることが好ましい。より好ましくは、88モル%以上、92モル%以下である。かかるp−フェニレンスルフィド単位が85モル%未満では、耐熱性、耐薬品性が低下する場合があり、また、必要な結晶化度を得られないことがあり、95モル%を超えるとポリアリーレンスルフィド樹脂の融点を十分低下できず、成形性、金属との接着性を十分高められない場合がある。
ポリアリーレンスルフィド樹脂の溶融粘度は、溶融混練が可能であれば特に限定されないが、好ましくは、温度300℃で剪断速度200(1/sec)のもとで、200〜10000ポイズの範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜5000ポイズで、さらに好ましくは1000〜3000ポイズ、より好ましくは1500〜2500ポイズの範囲である。ポリアリーレンスルフィド樹脂の溶融粘度が200ポイズ未満であるとポリアリーレンスルフィド樹脂溶融時の流動性が高すぎるため、製膜安定性が低下する場合があり、10000ポイズより大きいと、溶融樹脂の流動性を十分確保できず、金属との接着性を十分高められない場合がある。溶融粘度は後述する手法にて評価できる。
また、本願発明では融点が260℃以下のポリアリーレンスルフィドを用いる必要があるが融点を260℃以下とするためには共重合成分を導入することによって調整することができる。たとえば、p−フェニレンスルフィドを主たる構成単位とする場合は、後述する結晶化度を所定範囲とする観点も踏まえて、繰り返し単位の5モル%以上20モル%以下、5モル%以上18モル%以下、5モル%以上15モル%以下、好ましくは11モル%以上15モル%以下、8モル%以上12モル%以下の範囲の中でp−フェニレンスルフィド単位以外の構成単位を共重合せしめることで融点を所定範囲とすることができる。かかる共重合単位が5モル%未満では、ポリアリーレンスルフィド樹脂の融点を十分低下できず、成形性、金属との接着性を十分高められない場合があり、20モル%を超えると、耐熱性、耐薬品性が低下する場合がある。
本発明において、金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムに用いるポリアリーレンスルフィドは融点の異なるポリアリーレンスルフィドを2種以上含有することもできる。ポリアリーレンスルフィドは融点の異なるポリアリーレンスルフィドを2種以上含有する場合、融点が245℃以下であるポリアリーレンスルフィドを、ポリアリーレンスルフィドの総含有量100質量%中に10〜50質量%含むことが好ましく、1〜40質量%含むことがより好ましい。融点が245℃以下であるポリアリーレンスルフィドを含むことで、製膜安定性の維持と、流動性の改良により優れた接着性を発現することができる。融点が245℃以下であるポリアリーレンスルフィドの含有量が10質量%より小さいと、金属との接着性が低下する場合がある。また、50質量%より大きいと、耐熱性、耐薬品性が低下する場合がある。融点が245℃以下であるポリアリーレンスルフィドは繰り返し単位の15モル%以上のp−フェニレンスルフィド単位以外の構成単位を共重合せしめることで調整可能である。
本発明において、金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムに用いるポリアリーレンスルフィドは融点の異なるポリアリーレンスルフィドを2種以上含有することもできる。ポリアリーレンスルフィドは融点の異なるポリアリーレンスルフィドを2種以上含有する場合、融点が245℃以下であるポリアリーレンスルフィドを、ポリアリーレンスルフィドの総含有量100質量%中に10〜50質量%含むことが好ましく、1〜40質量%含むことがより好ましい。融点が245℃以下であるポリアリーレンスルフィドを含むことで、製膜安定性の維持と、流動性の改良により優れた接着性を発現することができる。融点が245℃以下であるポリアリーレンスルフィドの含有量が10質量%より小さいと、金属との接着性が低下する場合がある。また、50質量%より大きいと、耐熱性、耐薬品性が低下する場合がある。融点が245℃以下であるポリアリーレンスルフィドは繰り返し単位の15モル%以上のp−フェニレンスルフィド単位以外の構成単位を共重合せしめることで調整可能である。
好ましい共重合単位は、下記式に示す共重合単位、
(ここでXは、アルキレン、CO、SO2単位を示す。)
(ここでRはアルキル、ニトロ、フェニレン、アルコキシ基を示す。)が挙げられ、結晶化を抑制し、金属との接着性を向上する点からm−フェニレンスルフィド単位が好ましい。
共重合成分との共重合の態様は特に限定はないが、ランダムコポリマーであることが好ましい。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムは、金属との接着性および接着耐久性の観点から、結晶化度が10%以上、30%以下であることが重要である。下限として好ましくは17%以上、より好ましくは19%以上であり、上限としては好ましくは28%以下、より好ましくは26%以下、より好ましくは24%以下、さらに好ましくは22%以下である。結晶化度が10%未満の場合、フィルムのクリープ性が悪化し、金属との接着耐久性が低下する一方、結晶化度が30%を超える場合、成形性、金属との接着性に劣るものとなる。フィルムの結晶化度を本発明の範囲とするためには、製膜条件をコントロールすることで調整をはかることができ、例えば、p−フェニレンスルフィド単位とm−フェニレンスルフィド単位とが含まれた共重合体である場合、熱固定を温度の異なる2段以上の工程で行い、1段目熱固定を150℃以上、170℃以下、後段の熱固定温度を180℃以上、230℃以下で行い、本発明のフィルムを得ることが可能となる。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムは、接着耐久性の観点から、フィルムのヤング率が2.5GPa以上、3.5GPa以下が好ましく、より好ましくは2.5GPa以上、3.0GPa以下、さらに好ましくは2.5GPa以上、2.8GPa以下が好ましい。ここで、フィルムのヤング率は、フィルムの長手方向,幅方向の平均のヤング率であり、フィルムの長手方向、幅方向が不明なときは、長手方向及び幅方向とはフィルム表面の任意の点を基準に面内360°に亘って屈折率を測定したとき最も屈折率が高い方向とそれに直交する方向をそれぞれ長手方向、幅方向とみなす。ヤング率が2.5GPa未満の場合、フィルムのクリープ性が悪化、金属との接着耐久性が低下する場合がある。ヤング率3.5GPaを超えると、成形性、金属との接着性が低下する場合がある。ヤング率を上記範囲にするためには、融点が260℃以下のポリアリーレンスルフィド樹脂を用い、面積倍率を後述する範囲にすることによって達成できる。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムは、金属との成形性向上の観点から200℃における破断伸度が150%以上であることが好ましい。より好ましくは200%以上であり、さらに好ましくは250%以上である。ここでフィルムの破断伸度は、フィルムの長手方向,幅方向の平均の破断伸度であり、フィルムの長手方向、幅方向が不明なときは、長手方向及び幅方向とはフィルム表面の任意の点を基準に面内360°に亘って屈折率を測定したとき最も屈折率が高い方向とそれに直交する方向をそれぞれ長手方向、幅方向とみなす。本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムの200℃の破断伸度とは、フィルム長手方向および幅方向の平均の破断伸度である。200℃の破断伸度が150%未満の場合、金属との成形加工工程でフィルム破れが発生する場合がある。破断伸度の上限は特に設けないが400%を超えるとフィルムの耐熱性が低下する場合がある。本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムの200℃の破断伸度を上記範囲とするためには、融点を本発明の範囲とし、本明細書に記載の特定の面積倍率、熱固定法により、結晶化度を本発明の範囲とすることにより得ることが可能となる。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムは、金属との接着耐久性の観点から、耐クリープ性が3%以下であることが好ましく、より好ましくは、2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。耐クリープ性が3%を超えると、金属との接着耐久性が悪化する場合がある。耐クリープ性とは、一定荷重下におけるフィルムの変形度合いを示す指標であり、金属との接着耐久性の観点から上記範囲であることが好ましい態様である。本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムの耐クリープ性を上記範囲にするためには、本明細書に記載の特定の融点のPPSを用い、後述する面積倍率にすることで達成できる。本願発明においては、厚さ0.1mmのフィルムを5mm×15cmサイズに切断したフィルムの片側に500gの重りをぶら下げ、70℃に加熱したオーブン中、65時間処理した後のフィルム変化量(伸び)を測定し、評価した。なお、フィルム厚みが0.1mmでないときには断面積1mm2あたりの荷重が1kgとなるように重りをつける。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムの厚みは、金属との接着耐久性の観点から、25μm以上、300μm以下が好ましく、より好ましくは、50μm以上、200μm以下である。フィルム厚みが25μm未満の場合、金属との接着性が悪化する場合がある。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムは、金属接着用に用いられ、金属としては、アルミニウム、SUS(ステンレス鋼)、銅などの金属や2種以上の金属の合金を用いることができる。また、2層以上の金属板が積層されていてもよい。該金属の表面に、酸化、別の金属原子の付加、薬品処理等の表面処理が施されていてもよい。金属との接着は、熱接着する方法が好適に用いられる。金属接着したフィルムは、例えば、コネクタ、プリント基板、封止成形品などの電子・電気用シール材、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などに使用される駆動モータ用絶縁材用シール材、電池用シール材として有用である。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤。また、シート表面に易滑性や耐磨耗性や耐スクラッチ性等を付与するために、無機粒子や有機粒子などを含むこともできる。そのような添加物としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子、ポリアリーレンスルフィドの重合反応時に添加する触媒等によって析出する、いわゆる内部粒子や、界面活性剤などが挙げられる。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムは、コロナ放電処理やプラズマ処理を施すことも本発明の好ましい態様に含まれる。コロナ放電処理時の雰囲気ガスとしては、特に限定されないが空気(EC処理)、酸素(OE処理)、窒素(NE処理)、炭酸ガス(CE処理)等から選ばれる少なくとも1種のガスが挙げられる。
次いで、本発明のポリアリーレンスルフィドフィルムを製造する方法について、ポリアリーレンスルフィド樹脂としてp−フェニレンスルフィドにm−ジクロロベンゼンを共重合させた共重合フェニレンスルフィド樹脂(以下共重合PPS樹脂と略記する場合がある)を用いた場合を例にとって説明するが、本発明は、この例に限定されないことは無論である。すなわち、適宜用いるモノマーを変えてこの例を参考とすれば過度の試行錯誤を要すること無く本発明を実施できる。
共重合PPS樹脂の製造方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。例えば、次のような方法がある。硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンおよびm−フェニレンスルフィドを本発明でいう比率で配合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミド系極性溶媒中で重合助剤の存在下、高温高圧下で反応させる。必要によって、トリハロベンゼンなどの共重合成分を用いることもできる。重合度調整剤として、苛性カリやカルボン酸アルカリ金属塩などを添加し、230〜280℃の温度で重合反応させる。重合後にポリマを冷却し、ポリマを水スラリーとしてフィルターで濾過後、粒状ポリマを得る。これを酢酸塩などの水溶液中で30〜100℃の温度で10〜60分間攪拌処理し、イオン交換水にて30〜80℃の温度で数回洗浄、乾燥して共重合PPS粒状ポリマを得る。得られた粒状ポリマを、酸素分圧10トール以下、好ましくは5トール以下でNMPにて洗浄後、30〜80℃の温度のイオン交換水で数回洗浄し、副生塩、重合助剤および未反応モノマ等を分離し、共重合PPS樹脂を得る。上記で得られたポリマには必要に応じて、無機または有機の添加剤等を本発明の目的に支障を与えない程度添加することができる。
その後、押出機を経た溶融ポリマをフィルターに通過させた後、その溶融ポリマをTダイの口金を用いてシート状に吐出する。シート状物を表面温度20〜70℃の冷却ドラム上に密着させて冷却固化し、実質的に無配向状態の未延伸ポリフェニレンスルフィドシートを得る。
次いで、このようにして得られた非晶状態の単層を共重合PPS樹脂のガラス転移点以上冷結晶化温度以下の範囲で、従来公知の逐次二軸延伸機や同時二軸延伸機により二軸延伸した後、150〜230℃の範囲の温度で多段熱処理を行い二軸配向フィルムを得る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法(長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行う方法などの一方向ずつの延伸を組み合わせた延伸法)、同時二軸延伸法(長手方向と幅方向を同時に延伸する方法)、又はそれらを組み合わせた方法を用いることができる。ここでは、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法を用いる。まず、未延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを加熱ロール群で加熱し、長手方向(MD方向)に2.5〜3.4倍、好ましくは2.8〜3.0倍、1段もしくは2段以上の多段で延伸する(MD延伸)。延伸温度は、Tg(共重合PPSのガラス転移温度)〜(Tg+40)℃、好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲である。その後20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。
MD延伸に続く幅方向(TD方向)の延伸方法としては、例えば、テンターを用いる方法が一般的である。このフィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導き、幅方向の延伸を行う(TD延伸)。延伸温度はTg(共重合PPSのガラス転移温度)〜(Tg+40)℃が好ましく、より好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲である。金属との接着性向上の観点から2.5〜3.4倍、好ましくは2.8〜3.0倍が好ましい。また、面積倍率(MD方向の倍率とTD方向の倍率の積)は、金属との接着性および接着耐久性、成形性向上の観点から6倍以上が好ましく、より好ましくは12倍以下、さらに好ましくは、7.5倍以上9倍以下である。上記範囲とすることで金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムの平面性・製膜安定性を損なうことなく、結晶化を抑制することによる金属との接着性が向上と、フィルムの低配向化による成形性の向上を両立することができる。
次に、この延伸フィルムを緊張下で熱固定する。1段目熱固定の好ましい熱固定温度は150℃〜170℃であり、好ましくは160℃〜170℃である。1段目熱固定温度を前記範囲とすることで、フィルム平面性を保持することが可能となる。2段目熱固定の好ましい熱固定温度は180〜230℃であり、好ましくは190〜220℃であり、さらに好ましくは200〜210℃である。2段目熱固定温度を上記範囲にすることで、結晶化度と200℃における破断伸度を好ましい範囲にしやすく、金属と接着させた場合の接着強度が高まりやすい。2段目熱固定温度が180℃未満の場合、結晶化度が低くなりすぎるため、耐クリープ性が悪化する場合があり、230℃を超えると結晶化度が増加しすぎるため、金属との接着性、成形性が低下する場合がある。1段目と2段目の熱固定温度を段階的に昇温して、1段目の熱固定で微結晶を形成させ、さらに、2段目の熱固定で配向緩和の抑制を図ることが重要である。また、2段目の熱固定温度は(融点−70)℃から(融点−20)℃の範囲にすることが好ましく、結晶化により耐クリープ性および金属と接着させた場合の接着耐久性を発現せしめるとともに、過度の結晶化を抑制することで金属との優れた接着性を発現せしめることが可能となる。さらに、フィルムを室温まで、必要ならば、長手および幅方向に弛緩処理を施しながら、フィルムを冷やして巻き取り、目的とする二軸配向フィルムを得る。
[特性の測定方法]
(1)融点
JIS K7121−1987に従って示差走査熱量計として、セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製受皿上、室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温する。同試料を取り出し急冷したのち、室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、そのとき、観測される融解の吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とする。
(1)融点
JIS K7121−1987に従って示差走査熱量計として、セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製受皿上、室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温する。同試料を取り出し急冷したのち、室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、そのとき、観測される融解の吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とする。
(2)PPS樹脂またはPPSフィルムの溶融粘度
東洋精機社製キャピログラフC1(ダイス長10mm、ダイス穴直径(mm)を用い、300℃または320℃の条件で測定を行い、剪断速度200/sでの溶融粘度を測定した。
東洋精機社製キャピログラフC1(ダイス長10mm、ダイス穴直径(mm)を用い、300℃または320℃の条件で測定を行い、剪断速度200/sでの溶融粘度を測定した。
なお、PPS樹脂を測定する際はパウダー状またはチップ状の樹脂をそのままサンプルとした。また、フィルムを構成するPPSの粘度を測定する際は市販機の凍結粉砕装置(機種名:SPEX製6770型)を用いて、フィルムを約4g採取し、凍結粉砕用容器に入れた。凍結粉砕用の冷媒として液体窒素を使用し、−196℃で凍結粉砕しサンプルとした。
(3)結晶化度
JIS K7121―1987に準じて示差走査熱量計セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製受皿上で室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、350℃で5分間溶融保持した。そのとき、下記の算出方法により結晶化度を求めた。
結晶化度(%)=(結晶融解に伴う吸熱ピーク熱量ΔHm−結晶生成に伴う発熱ピーク熱量ΔHc)/完全結晶ポリアリーレンスルフィドの融解熱量ΔHm*1×100
*1ポリアリーレンスルフィドがPPSの場合、ΔHmの文献値=146.44J/gである(Maemura E.,Cakmak M.,White J.L.,Polym.Eng.Sci,29,140(1989).)。
JIS K7121―1987に準じて示差走査熱量計セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製受皿上で室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、350℃で5分間溶融保持した。そのとき、下記の算出方法により結晶化度を求めた。
結晶化度(%)=(結晶融解に伴う吸熱ピーク熱量ΔHm−結晶生成に伴う発熱ピーク熱量ΔHc)/完全結晶ポリアリーレンスルフィドの融解熱量ΔHm*1×100
*1ポリアリーレンスルフィドがPPSの場合、ΔHmの文献値=146.44J/gである(Maemura E.,Cakmak M.,White J.L.,Polym.Eng.Sci,29,140(1989).)。
(4)ヤング率
ASTM−D882(1999)に規定された次の方法に従って、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック社製AMF/RTA-100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mmとなるようにセットし、25℃の温度で、55%RH(相対湿度)の雰囲気条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行った。
ASTM−D882(1999)に規定された次の方法に従って、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック社製AMF/RTA-100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mmとなるようにセットし、25℃の温度で、55%RH(相対湿度)の雰囲気条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行った。
ヤング率は、フィルム長手方向および幅方向についてそれぞれ5試料測定を行い、下記式で求めた。
測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×長さ150mm
引張り速度:300mm/分
測定環境:25℃、55%RH
ヤング率(GPa)=(長手方向について求めたフィルムのヤング率の総和(5試料分)+幅方向について求めたフィルムのヤング率の総和(5試料分))/10。
試料サイズ:幅10mm×長さ150mm
引張り速度:300mm/分
測定環境:25℃、55%RH
ヤング率(GPa)=(長手方向について求めたフィルムのヤング率の総和(5試料分)+幅方向について求めたフィルムのヤング率の総和(5試料分))/10。
(5)200℃破断伸度
ASTM−D882(1999)に規定された次の方法に従って、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック社製AMF/RTA-100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mmとなるようにセットし、200℃の温度雰囲気条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行った。
ASTM−D882(1999)に規定された次の方法に従って、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック社製AMF/RTA-100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mmとなるようにセットし、200℃の温度雰囲気条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行った。
破断伸度は、フィルム長手方向および幅方向についてそれぞれ5試料測定を行い、下記式で求めた。
測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×長さ150mm
引張り速度:300mm/分
測定環境:200℃
破断伸度(%)=(長手方向について求めたフィルムの破断伸度の総和(5試料分)+幅方向について求めたフィルムの破断伸度の総和(5試料分))/10。
試料サイズ:幅10mm×長さ150mm
引張り速度:300mm/分
測定環境:200℃
破断伸度(%)=(長手方向について求めたフィルムの破断伸度の総和(5試料分)+幅方向について求めたフィルムの破断伸度の総和(5試料分))/10。
(6)耐クリープ性
厚さ0.1mmのフィルムを5mm×15cmサイズに切断し、測定長5cmのフィルムに荷重500gの重りを付け、オーブン70℃、65時間で加熱して、変位量を下記式で算出した。単位は、%である。
耐クリープ性(%)=(加熱後の測定長−加熱前の測定長)/加熱前の測定長×100。
厚さ0.1mmのフィルムを5mm×15cmサイズに切断し、測定長5cmのフィルムに荷重500gの重りを付け、オーブン70℃、65時間で加熱して、変位量を下記式で算出した。単位は、%である。
耐クリープ性(%)=(加熱後の測定長−加熱前の測定長)/加熱前の測定長×100。
(7)成形性
真空圧空成型機(浅野製作所社製)を用い、試料を幅22cm、長さ30cm(A4版サイズ)に切断し、シート温度200℃になるよう予熱し、φ20mm、高さ10mmの円柱金型で加熱成形し、目視でフィルム割れの発生の有無を下記基準により判定した。なお、加工個数は各試料100枚成型を行った。
AA:フィルムの破れや亀裂の発生数が5%未満
A:フィルムの破れや亀裂の発生数が5%以上、10%未満
B:フィルムの破れや亀裂の発生数が10%以上、20%未満
C:フィルムの破れや亀裂の発生数が20%以上。
真空圧空成型機(浅野製作所社製)を用い、試料を幅22cm、長さ30cm(A4版サイズ)に切断し、シート温度200℃になるよう予熱し、φ20mm、高さ10mmの円柱金型で加熱成形し、目視でフィルム割れの発生の有無を下記基準により判定した。なお、加工個数は各試料100枚成型を行った。
AA:フィルムの破れや亀裂の発生数が5%未満
A:フィルムの破れや亀裂の発生数が5%以上、10%未満
B:フィルムの破れや亀裂の発生数が10%以上、20%未満
C:フィルムの破れや亀裂の発生数が20%以上。
(8)耐久試験後の接着強度
30mm×70mmサイズのアルミニウム板(厚さ:0.5mm)2枚の間に30mm×15mmサイズのサンプルを挟んで、熱プレス機で金型表面温度250℃、5秒間予熱した後、10MPaの押圧の下で3分間加熱して、サンプルとアルミニウム板との接着を行った。横万力(ナベヤ社製)を用いて、サンプルとアルミニウム板との接着を行った30mm×15mmの箇所を境に横万力で挟み込み、それぞれのアルミニウム板を横万力で挟まれた接着箇所に対して90°になるよう、折り曲げた。折り曲げた部分のアルミニウム板は、30mm×55mmとした。アルミニウム板の片側をオーブン天井に固定、もう片方のアルミニウム板にバインダークリップを取り付け、バインダークリップ取っ手箇所の穴に10MPaの重りを吊し、オーブン70℃、65時間で熱処理を行った。熱処理後、アルミニウム板の両端を(5)に記載の引張試験機のチャックに挟み、チャック間距離10mm、引張速度20mm/分で180°方向に引っ張って最大接着強度を求め、5回の試験の算術平均値で下記基準で評価した。
AA:耐久試験後の接着強度が100N/30mm以上である
A:耐久試験後の接着強度が50N/30mm以上、100N/30mm未満
B:耐久試験後の接着強度が30N/30mm以上、50N/30mm未満
C:耐久試験後の接着強度が30N/30mm未満。
30mm×70mmサイズのアルミニウム板(厚さ:0.5mm)2枚の間に30mm×15mmサイズのサンプルを挟んで、熱プレス機で金型表面温度250℃、5秒間予熱した後、10MPaの押圧の下で3分間加熱して、サンプルとアルミニウム板との接着を行った。横万力(ナベヤ社製)を用いて、サンプルとアルミニウム板との接着を行った30mm×15mmの箇所を境に横万力で挟み込み、それぞれのアルミニウム板を横万力で挟まれた接着箇所に対して90°になるよう、折り曲げた。折り曲げた部分のアルミニウム板は、30mm×55mmとした。アルミニウム板の片側をオーブン天井に固定、もう片方のアルミニウム板にバインダークリップを取り付け、バインダークリップ取っ手箇所の穴に10MPaの重りを吊し、オーブン70℃、65時間で熱処理を行った。熱処理後、アルミニウム板の両端を(5)に記載の引張試験機のチャックに挟み、チャック間距離10mm、引張速度20mm/分で180°方向に引っ張って最大接着強度を求め、5回の試験の算術平均値で下記基準で評価した。
AA:耐久試験後の接着強度が100N/30mm以上である
A:耐久試験後の接着強度が50N/30mm以上、100N/30mm未満
B:耐久試験後の接着強度が30N/30mm以上、50N/30mm未満
C:耐久試験後の接着強度が30N/30mm未満。
(9)接着耐久性
30mm×70mmサイズのアルミニウム板(厚さ:0.5mm)2枚の間に30mm×15mmサイズのサンプルを挟んで熱プレス機で金型表面温度250℃、5秒間予熱した後、10MPaの押圧の下で3分間加熱して、サンプルとアルミニウム板との接着を行った。サンプルとアルミニウム板との接着を行ったサンプルを上記(8)と同様に、サンプルとアルミニウム板との接着を行った30mm×15mmの箇所を境にアルミニウム板をそれぞれ90°に折り曲げた。折り曲げた部分のアルミニウム板は、30mm×55mmとした。折り曲げたアルミニウム板の両端を(5)に記載の引張試験機のチャックに挟み、チャック間距離10mm、引張速度20mm/分で180°方向に引っ張って耐久試験前の接着強度評価を行った。このようにして得られた耐久試験前の接着強度と(8)で得られた耐久試験後の接着強度から接着耐久性を下記式で算出した。
接着耐久性(%)=(耐久性試験前の接着強度−耐久性試験後の接着強度)/耐久性試験前の接着強度×100
AA:接着強度の低下率が10%未満である
A:接着強度の低下率が10%以上、20%未満である
B:接着強度の低下率が20%以上、30%未満である
C:接着強度の低下率が30%以上。
30mm×70mmサイズのアルミニウム板(厚さ:0.5mm)2枚の間に30mm×15mmサイズのサンプルを挟んで熱プレス機で金型表面温度250℃、5秒間予熱した後、10MPaの押圧の下で3分間加熱して、サンプルとアルミニウム板との接着を行った。サンプルとアルミニウム板との接着を行ったサンプルを上記(8)と同様に、サンプルとアルミニウム板との接着を行った30mm×15mmの箇所を境にアルミニウム板をそれぞれ90°に折り曲げた。折り曲げた部分のアルミニウム板は、30mm×55mmとした。折り曲げたアルミニウム板の両端を(5)に記載の引張試験機のチャックに挟み、チャック間距離10mm、引張速度20mm/分で180°方向に引っ張って耐久試験前の接着強度評価を行った。このようにして得られた耐久試験前の接着強度と(8)で得られた耐久試験後の接着強度から接着耐久性を下記式で算出した。
接着耐久性(%)=(耐久性試験前の接着強度−耐久性試験後の接着強度)/耐久性試験前の接着強度×100
AA:接着強度の低下率が10%未満である
A:接着強度の低下率が10%以上、20%未満である
B:接着強度の低下率が20%以上、30%未満である
C:接着強度の低下率が30%以上。
(参考例1)共重合PPS樹脂1の製造
オートクレ−ブに100モルの硫化ナトリウム9水塩、45モルの酢酸ナトリウムおよび25リットルのN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、撹拌しながら徐々に220℃の温度まで昇温して、含有されている水分を蒸留により除去した。脱水の終了した系内に、主成分モノマとして90モルのp−ジクロロベンゼン、副成分モノマとして10モルのm−ジクロロベンゼンを5リットルのNMPとともに添加し、170℃の温度で窒素を3kg/cm2で加圧封入後、昇温し、260℃の温度にて4時間重合した。重合終了後冷却し、蒸留水中にポリマを沈殿させ、150メッシュ目開きを有する金網によって、小塊状ポリマを採取した。このようにして得られた小塊状ポリマを90℃の蒸留水により5回洗浄した後、減圧下120℃の温度にて乾燥して、300℃の溶融粘度が2800ポイズであり、融点が250℃の共重合PPS樹脂1を作製した。
オートクレ−ブに100モルの硫化ナトリウム9水塩、45モルの酢酸ナトリウムおよび25リットルのN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、撹拌しながら徐々に220℃の温度まで昇温して、含有されている水分を蒸留により除去した。脱水の終了した系内に、主成分モノマとして90モルのp−ジクロロベンゼン、副成分モノマとして10モルのm−ジクロロベンゼンを5リットルのNMPとともに添加し、170℃の温度で窒素を3kg/cm2で加圧封入後、昇温し、260℃の温度にて4時間重合した。重合終了後冷却し、蒸留水中にポリマを沈殿させ、150メッシュ目開きを有する金網によって、小塊状ポリマを採取した。このようにして得られた小塊状ポリマを90℃の蒸留水により5回洗浄した後、減圧下120℃の温度にて乾燥して、300℃の溶融粘度が2800ポイズであり、融点が250℃の共重合PPS樹脂1を作製した。
(参考例2)PPS樹脂の製造
主成分モノマとして100モルのp−ジクロベンゼンを用い、副成分モノマを用いないこと以外は参考例1と同様に実施して、320℃の溶融粘度が4500ポイズであり、融点が285℃のPPS樹脂を作製した。
主成分モノマとして100モルのp−ジクロベンゼンを用い、副成分モノマを用いないこと以外は参考例1と同様に実施して、320℃の溶融粘度が4500ポイズであり、融点が285℃のPPS樹脂を作製した。
(参考例3)共重合PPS樹脂2の製造
主成分モノマとして85モルのp−ジクロロベンゼン、副成分モノマとして15モルのm−ジクロロベンゼンを用いること以外は参考例1と同様に実施して、300℃の溶融粘度が1400ポイズであり、融点が240℃の共重合PPS樹脂2を作製した。
主成分モノマとして85モルのp−ジクロロベンゼン、副成分モノマとして15モルのm−ジクロロベンゼンを用いること以外は参考例1と同様に実施して、300℃の溶融粘度が1400ポイズであり、融点が240℃の共重合PPS樹脂2を作製した。
(実施例1)
参考例1で作製した共重合PPS樹脂1を100重量部280℃に加熱されたベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数300回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングして共重合PPSチップを作製した。得られたチップを、180℃で3時間減圧乾燥した後、溶融部が290℃に加熱されたフルフライトの単軸押出機に供給した。
参考例1で作製した共重合PPS樹脂1を100重量部280℃に加熱されたベント付き同方向回転式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に投入し、滞留時間90秒、スクリュー回転数300回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングして共重合PPSチップを作製した。得られたチップを、180℃で3時間減圧乾燥した後、溶融部が290℃に加熱されたフルフライトの単軸押出機に供給した。
次いで押出機で溶融したポリマーを温度290℃に設定した16μmカットフィルターで濾過した後、温度290℃に設定したTダイの口金から溶融押出した後、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、次いで、得られた未延伸シートを、表面温度94℃の複数の加熱ロールに接触走行させ、加熱ロールの次に設けられた周速の異なる30℃の冷却ロールとの間で長手方向(MD方向)に3.0倍延伸した。このようにして得られた1軸延伸シートを、テンターを用いて長手方向と幅方向(TD方向)に95℃の温度で3.0倍(面積延伸倍率9.0倍)に延伸し、続いて1段目熱固定を170℃、2段目熱固定を210℃で熱処理を行い、厚み100μmの二軸配向ポリフェニレンスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例2)
実施例1の2段目熱固定を220℃とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
実施例1の2段目熱固定を220℃とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例3)
実施例1の2段目熱固定を230℃とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
実施例1の2段目熱固定を230℃とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例4)
実施例1の2段目熱固定を190℃とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
実施例1の2段目熱固定を190℃とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例5)
実施例1の2段目熱固定を180℃とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
実施例1の2段目熱固定を180℃とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例6)
実施例1において共重合PPS樹脂1のキャスト量を変更し、また、延伸倍率を3.4×3.4倍とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
実施例1において共重合PPS樹脂1のキャスト量を変更し、また、延伸倍率を3.4×3.4倍とする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例7)
副成分モノマとして6モル%のm−ジクロロベンゼンを用いた以外は、参考例1と同様にして共重合PPS樹脂1−1を作製した。上記で得られた共重合PPS樹脂1−1を実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
副成分モノマとして6モル%のm−ジクロロベンゼンを用いた以外は、参考例1と同様にして共重合PPS樹脂1−1を作製した。上記で得られた共重合PPS樹脂1−1を実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例8)
実施例3の1段目熱固定を230℃とする以外は、実施例3と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
実施例3の1段目熱固定を230℃とする以外は、実施例3と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例9)
参考例1で作製した共重合PPS樹脂1を70質量部、参考例3で作製した共重合PPS樹脂2を30質量部となるようにブレンドする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。ブレンドした原料の粘度は、2000ポイズであった。
参考例1で作製した共重合PPS樹脂1を70質量部、参考例3で作製した共重合PPS樹脂2を30質量部となるようにブレンドする以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。ブレンドした原料の粘度は、2000ポイズであった。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表2に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例10)
実施例9の2段目熱固定を230℃とする以外は、実施例9と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
実施例9の2段目熱固定を230℃とする以外は、実施例9と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表2に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(実施例11)
実施例10の1段目熱固定を230℃とする以外は、実施例10と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
実施例10の1段目熱固定を230℃とする以外は、実施例10と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表2に示したとおりであり、金属との接着耐久性、成形性に優れたフィルムであった。
(比較例1)
実施例1の2段目熱固定を250℃とする以外は、実施例1と同様にして厚みを100μmの二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを作製した。
実施例1の2段目熱固定を250℃とする以外は、実施例1と同様にして厚みを100μmの二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属接着性、成形性が悪化した。
(比較例2)
実施例1で得られる未延伸シートの厚みを100μmとして未延伸ポリフェニレスルフィドシートを作製した。
実施例1で得られる未延伸シートの厚みを100μmとして未延伸ポリフェニレスルフィドシートを作製した。
得られた厚み100μmの未延伸シートの評価結果は表1に示したとおりであり、金属接着性は優れるものの、耐久性、成形性が悪化した。
(比較例3)
参考例2のPPS樹脂単体を用い、融点が285℃となる以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
参考例2のPPS樹脂単体を用い、融点が285℃となる以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸ポリフェニレスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表1に示したとおりであり、金属接着性、成形性が悪化した。
(比較例4)
参考例1で作製した共重合PPS樹脂1を12質量部、参考例2で作製したPPS樹脂を88質量部となるようにブレンドする以外は、実施例1と同様にして厚みを100μmの二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを作製した。
参考例1で作製した共重合PPS樹脂1を12質量部、参考例2で作製したPPS樹脂を88質量部となるようにブレンドする以外は、実施例1と同様にして厚みを100μmの二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表2に示したとおりであり、金属接着性、成形性が悪化した。
(比較例5)
参考例2で作製したPPS樹脂を用いる以外は、実施例5と同様にして厚みを100μmの二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを作製した。
参考例2で作製したPPS樹脂を用いる以外は、実施例5と同様にして厚みを100μmの二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表3に示したとおりであり、金属接着性、成形性が悪化した。
(比較例6)
参考例2で作製したPPS樹脂を用いる以外は、実施例3と同様にして厚みを100μmの二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを作製した。
参考例2で作製したPPS樹脂を用いる以外は、実施例3と同様にして厚みを100μmの二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルムを作製した。
得られた厚み100μmの二軸延伸フィルムの評価結果は表3に示したとおりであり、金属接着性、成形性が悪化した。
本発明の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムは、金属との接着性および接着耐久性に優れることから、各種部品の金属シール材として好適に用いることができる。
Claims (6)
- 融点が260℃以下であるポリアリーレンスルフィドからなり結晶化度が10%以上、30%以下であることを特徴とする金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- 前記フィルムのヤング率が2.5GPa以上、3.5GPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- 前記ポリアリーレンスルフィドがm−フェニレンスルフィド単位を5〜15モル%含むポリアリーレンスルフィドであることを特徴とする請求項1に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- 前記フィルムの200℃破断伸度が150%以上であることを特徴とする請求項1に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- ポリアリーレンスルフィドの融点が異なる2種以上のPPSを含むことを特徴とする、請求項1に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
- ポリアリーレンスルフィドの溶融粘度が200〜10000ポイズであることを特徴とする、請求項1に記載の金属接着用二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム。
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