JP6085388B1 - メンテナンス装置を備えたボールねじ - Google Patents
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Abstract
【課題】吸引管でナットの内部の汚れを吸出し、吸引管によって清潔にした部分に、給油管で新しい油脂を注入することによって、ボールねじが完全なメンテナンスが得られる。【解決手段】メンテナンス装置を備えたボールねじであって、ねじ軸１と、ナット２と、２つの還流部材３と、固定蓋７と、を含み、ねじ軸は螺旋状の転動溝１１が設けられ、ナットは外周面に少なくとも２つの取付孔２２が設けられ、２つの還流部材はナットに取り付けられ、還流部材には通孔３２が設けられ、通孔の一方の端口はねじ軸の転動溝と所定間隔が保たれ、固定蓋はナットの外周面に設けられ、固定蓋は集中槽７３を有し、通孔の他方の端口は集中槽と連通し、集中槽は吸引管又は給油管と接続され、通孔７１を設ける。【選択図】図１
Description
本発明は、リニア伝動コンポーネントに関し、特にメンテナンス装置を備えたボールねじに関する。
ボールねじは、主に、ナットが転動自在の転動体を介してねじ軸と螺合して構成され、転動自在の転動体によってナットとねじ軸とが相対的に滑り移動するものである。ボールねじは、優れた摺動性及び精度を有するため、例えば各種微細加工や半導体製造工程設備等、精密移動を必要とする様々な機械器具に広く適用されている。そのため、螺旋軌道上の潤滑は大変重要である。ボールねじが長時間潤滑されていないと、ナットとねじ軸との間の摩擦が大きくなり、ボールねじの摩耗が加速する。
摩擦によるボールねじの摩耗を有効に低減するものとして、従来のボールねじの潤滑システムは２種類に分類され得る。第１種類は、外部の潤滑システムによって油管からグリスをナットとねじ軸との間に注入するもので、グリスの粘度が高い特性（グリスは潤滑油に増稠剤を添加したもので、潤滑油が粘稠になってグリスとなる）ゆえに、グリスがナットの内部に持続して保持され、潤滑の効果が得られる。しかし、一定の時間が経つと、グリス中の潤滑油は消耗されるものの、グリス中の増稠剤は依然としてナットの内部に残留するため、古いグリスがナットの外部に排出されないまま、再び新しいグリスが注入されると、グリス中の増稠剤がナットの内部に累積し続けるようになり、散熱が難しくなるとともに、鉄屑が積もりやすくなる。また、潤滑システムが長時間待機状態にあり、資源の無駄となる。
第２種類は、ナットの端部における固体潤滑であり、固体潤滑剤がねじ軸の表面と直接接触することによってねじ軸のねじ山を潤滑し、ボールねじを潤滑するものである。しかし、固体潤滑剤による潤滑効果が悪く十分に潤滑されず、ボールねじが損傷することがある。また、ナットの内部に累積された潤滑剤を排出できないため、熱がこもりやすく、ボールねじの作動に影響を及ぼしてしまう。
以上のように、従来の潤滑方式はいずれも潤滑油（グリス）を持続して増加させる一方、古い潤滑油（グリス）は排出できず、潤滑効果が大幅に低減するため、ボールねじの精度が低下し、寿命が短縮するゆえに、改良する必要がある。
上記課題に鑑み、本発明の主な目的は、ナットの内部を清潔にし、新しい潤滑剤を注入するように、ボールねじのナットの内部の汚れを排出できる装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係るメンテナンス装置を備えたボールねじは、ねじ軸と、ナットと、２つの還流部材と、固定蓋と、を含み、前記ねじ軸は外周面に螺旋状の転動溝が設けられ、前記ナットは前記ねじ軸を貫通させるための穿孔が設けられ、前記穿孔の内周面には前記ねじ軸の前記転動溝と対向する転動溝が設けられ、前記ねじ軸の前記転動溝と前記ナットの前記転動溝とが負荷経路を形成し、前記ねじ軸の前記転動溝と前記ナットの前記転動溝との間には複数の転動体が設けられ、前記ナットの外周面には少なくとも２つの取付孔が設けられ、２つの前記取付孔は前記穿孔と連通し、２つの前記還流部材はそれぞれ接続部と案内部から構成されて略Ｌ字形状の外形を呈し、前記還流部材は前記接続部及び前記案内部を貫通する還流路を有し、前記案内部は前記取付孔に挿設されて前記還流路と前記負荷経路とが接続され、前記案内部は前記ねじ軸の前記転動溝側に爪部が設けられ、２つの前記還流部材のうちの一方の前記還流部材の前記接続部が他方の前記還流部材の前記接続部と接続することで２つの前記還流部材の前記還流路によって前記転動体の循環還流のための循環軌道が形成され、前記爪部は複数の前記転動体が前記循環軌道に進入するように案内し、前記案内部は前記ねじ軸の前記転動溝の表面に対応して通孔が設けられ、前記通孔の一方の端口は前記ねじ軸の前記転動溝と所定間隔が保たれ、前記固定蓋は前記ナットの外周面に設置され、前記固定蓋は固定槽と集中槽とを有し、前記固定槽は２つの前記還流部材を覆うように設けられ、前記通孔の他方の端口は前記集中槽と連通する。
また、好ましくは、前記ナットの外周面と前記固定蓋との間には、ガスケットが設けられている。
また、好ましくは、前記還流部材には、前記爪部に近接して設けられ、前記ねじ軸の前記転動溝に向かって凸出し且つ前記ねじ軸の前記転動溝と接触する刮部が設けられ、前記刮部は、外形がＶ字形状又はＵ字形状である。
また、好ましくは、前記集中槽は、吸引管又は給油管と接続される。
また、好ましくは、前記間隔は、０．２ｍｍ〜１ｍｍの範囲内であり、最適値が０．３ｍｍ〜０．６ｍｍである。
本発明は、集中槽と吸引管を接続した後に、通孔を設けることによってナットの内部の汚れを吸出し、吸引管によって清潔にした部分に、給油管によって新しい油脂を注入することによって、ボールねじが完全なメンテナンスが得られる。
図１から図５を参照されたい。本発明に係るメンテナンス装置を備えたボールねじは、ねじ軸１と、ナット２と、還流部材３と、固定蓋７とを含む。ねじ軸１は、外周面に螺旋状の転動溝１１が設けられる。ナット２は、ねじ軸１を貫通させるための穿孔２１が設けられ、穿孔２１の内周面にはねじ軸１の転動溝１１と対向する転動溝２１１が設けられる。ねじ軸１の転動溝１１とナット２の転動溝２１１とが負荷経路９０を形成する。ねじ軸１の転動溝１１とナット２の転動溝２１１との間には複数の転動体９が設けられる。穿孔２１の両端には環状の密封部材５が設けられる。密封部材５は、ねじ軸１の外表面と接触するリップ部５１を有する。ナット２の外周面には少なくとも２つの取付孔２２が設けられる。本実施形態においては、ナット２は、全部で４つの取付孔２２が設けられ、４つの取付孔２２は穿孔２１と連通する。本実施形態においては、取付孔に対応して４つの還流部材３を備え、それぞれが接続部Ａと案内部Ｂから構成されて略Ｌ字形状の外形を呈する。還流部材３は、接続部Ａ及び案内部Ｂを貫通する還流路３１を有する。案内部Ｂは、取付孔２２に挿設されて還流路３１と負荷経路９０とが接続される。案内部Ｂは、ねじ軸１の転動溝１１側に爪部３３が設けられる。一の還流部材３の接続部Ａが他の還流部材３の接続部Ａと接続して、２つの還流部材３の還流路３１によって１つの循環軌道が形成される。この循環軌道は、転動体９の循環還流のために供される。爪部３３は、複数の転動体９が循環軌道に進入するように案内する。案内部Ｂは、ねじ軸１の転動溝１１の表面に対応して通孔３２が設けられる。通孔３２の一方の端口は、ねじ軸１の転動溝１１と間隔Ｐが保たれる。間隔Ｐは、０．２ｍｍ〜１ｍｍの範囲内であり、最適値は０．３ｍｍ〜０．６ｍｍである。固定蓋７は、ナット２の外周面に設けられる。固定蓋７には複数の通孔７１が設けられ、ナット２には通孔７１と対応するねじ孔２３が設けられ、複数のねじＧが通孔７１に穿設された後にねじ孔２３に螺合して締結して、固定蓋７をナット２の外周面に固定する。固定蓋７は、固定槽７４と集中槽７３とを有する。固定槽７４は、２つの還流部材３を覆うように設けられる。通孔３２の他方の端口は、集中槽７３と連通する。集中槽７３の密封性を向上させるために、本実施形態においては、ナット２の外周面と固定蓋７との間にガスケット４が設けられる。固定蓋７は、別途、集中槽７３と連通するねじ孔７２を少なくとも１つ設けられ、ねじ孔７２には連結部材８が設置される。連結部材８は、通路８１を有する。通路８１は、一端が集中槽７３と連通し、他端が吸引管と接続される又は給油管と接続される。本実施形態においては、２つの連結部材８が近接して設置されることが、図２から明確であり、このように設けることには以下の効果がある。すなわち、一方の連結部材８が吸引管と接続され、吸引管の他端に負圧機械が接続され、負圧機械の起動後の吸引力が吸引管を通じて集中槽７３に伝わり（このときボールねじも起動されてナットがねじ軸に対して往復作動する）、通孔３２を通じて負荷経路９０の汚れや油脂が集中槽７３に吸出された後に、吸引管を通じて負圧機械に導出される。これと同時に、他方の連結部材８が一方の連結部材８に近接して設置されているため、給油管と接続されている他方の連結部材８で油脂を注入して負荷経路９０に塗布することができ、短時間でボールねじのメンテナンス作業を完了することができる。ただし、１つの連結部材８を用いても、２つの連結部材８を用いる場合より所要時間が長くなるものの、本発明の目的を達成することはできる。
図３及び図４に示すように、通孔３２から負荷経路９０の汚れや油脂が十分に排出できるように、本実施形態においては、還流部材３は、爪部３３に近接して、ねじ軸１の転動溝１１に向かって凸出し且つ転動溝１１と接触する刮部３４が設けられる。刮部３４は、外形がＶ字形状又はＵ字形状である。刮部３４を設けることによって汚れや油脂を通孔３２の周りに集めることができ、通孔３２から集中槽７３に迅速に吸出することができる。
以上のように、本発明が「産業上の利用可能性を有する」ことには疑いの余地がない。また、本実施例において開示した技術的特徴は、出願前に刊行物に掲載されたことも、公開使用されたこともなく、上記の効果増進の事実を有するだけでなく、付加的な効果も見損なうことができない。よって、本発明の「新規性」及び「進歩性」は特許法規の規定を満たしており、法に従って特許出願をするので、審査を通じて早期に特許査定がされることを期待する。
以上の実施例による開示は本発明を説明するためのもので、本発明を限定するものではない。従って、数値の変更や等効素子の置換等は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
１ ねじ軸
１１ 転動溝
２ ナット
２１ 穿孔
２１１ 転動溝
９０ 負荷経路
２２ 取付孔
２３ ねじ孔
３ 還流部材
３１ 還流路
３２ 通孔
３３ 爪部
３４ 刮部
Ａ 接続部
Ｂ 案内部
４ ガスケット
５ 密封部材
５１ リップ部
７ 固定蓋
７１ 通孔
７２ ねじ孔
７３ 集中槽
７４ 固定槽
８ 連結部材
８１ 通路
９ 転動体
Ｇ ねじ
Ｐ 間隔
１１ 転動溝
２ ナット
２１ 穿孔
２１１ 転動溝
９０ 負荷経路
２２ 取付孔
２３ ねじ孔
３ 還流部材
３１ 還流路
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３３ 爪部
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Ａ 接続部
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４ ガスケット
５ 密封部材
５１ リップ部
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７１ 通孔
７２ ねじ孔
７３ 集中槽
７４ 固定槽
８ 連結部材
８１ 通路
９ 転動体
Ｇ ねじ
Ｐ 間隔
Claims (7)
- メンテナンス装置を備えたボールねじであって、
ねじ軸と、ナットと、２つの還流部材と、固定蓋と、を含み、
前記ねじ軸は外周面に螺旋状の転動溝が設けられ、
前記ナットは前記ねじ軸を貫通させるための穿孔が設けられ、前記穿孔の内周面には前記ねじ軸の前記転動溝と対向する転動溝が設けられ、前記ねじ軸の前記転動溝と前記ナットの前記転動溝とが負荷経路を形成し、前記ねじ軸の前記転動溝と前記ナットの前記転動溝との間には複数の転動体が設けられ、前記ナットの外周面には少なくとも２つの取付孔が設けられ、２つの前記取付孔は前記穿孔と連通し、
２つの前記還流部材はそれぞれ接続部と案内部から構成されて略Ｌ字形状の外形を呈し、前記還流部材は前記接続部及び前記案内部を貫通する還流路を有し、前記案内部は前記取付孔に挿設されて前記還流路と前記負荷経路とが接続され、前記案内部は前記ねじ軸の前記転動溝側に爪部が設けられ、２つの前記還流部材のうちの一方の前記還流部材の前記接続部が他方の前記還流部材の前記接続部と接続することで２つの前記還流部材の前記還流路によって前記転動体の循環還流のための循環軌道が形成され、前記爪部は複数の前記転動体が前記循環軌道に進入するように案内し、
前記案内部は前記ねじ軸の前記転動溝の表面に対応して通孔が設けられ、前記通孔の一方の端口は前記ねじ軸の前記転動溝と所定間隔が保たれ、
前記固定蓋は前記ナットの外周面に設置され、前記固定蓋は固定槽と集中槽とを有し、前記固定槽は２つの前記還流部材を覆うように設けられ、前記通孔の他方の端口は前記集中槽と連通する
メンテナンス装置を備えたボールねじ。 - 請求項１に記載のメンテナンス装置を備えたボールねじであって、
前記ナットの外周面と前記固定蓋との間には、ガスケットが設けられている
メンテナンス装置を備えたボールねじ。 - 請求項１に記載のメンテナンス装置を備えたボールねじであって、
前記還流部材には、前記爪部に近接して設けられ、前記ねじ軸の前記転動溝に向かって凸出し且つ前記ねじ軸の前記転動溝と接触する刮部が設けられている
メンテナンス装置を備えたボールねじ。 - 請求項３に記載のメンテナンス装置を備えたボールねじであって、
前記刮部は、外形がＶ字形状又はＵ字形状である
メンテナンス装置を備えたボールねじ。 - 請求項４に記載のメンテナンス装置を備えたボールねじであって、
前記集中槽は、吸引管又は給油管と接続される
メンテナンス装置を備えたボールねじ。 - 請求項１に記載のメンテナンス装置を備えたボールねじであって、
前記間隔は、０．２ｍｍ〜１ｍｍの範囲内である
メンテナンス装置を備えたボールねじ。 - 請求項６に記載のメンテナンス装置を備えたボールねじであって、
前記間隔は、最適値が０．３ｍｍ〜０．６ｍｍである
メンテナンス装置を備えたボールねじ。
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