JP2009074590A - ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボールねじ装置の樹脂製の連通部材の温度上昇を抑制する手段を提供する。
【解決手段】外周面3aに螺旋状の軸軌道溝4を形成したねじ軸3と、内周面5aに軸軌道溝4に対向するナット軌道溝6を形成したナット5と、軸軌道溝4とナット軌道溝6ととで形成される負荷路をグリースにより潤滑されながら転動するボール2と、負荷路の両端を連通する曲折した連通路を形成した樹脂材料からなる連通部材12と、ナット5の外周面からナット軌道溝6に貫通し、連通部材12の脚部13をそれぞれ嵌合する嵌合穴9a、9b等とを備えたボールねじ装置1において、連通部材12の脚部13とナット5の嵌合穴9a、9b等との嵌合面に、ナット5の内部から外部に通ずるグリース排出溝20を形成し、このグリース排出溝20に、ナット5の内部に供給されたグリースを流入させ、脚部13とナット5の嵌合穴9a、9b等との嵌合面を冷却する。
【選択図】 図3
【解決手段】外周面3aに螺旋状の軸軌道溝4を形成したねじ軸3と、内周面5aに軸軌道溝4に対向するナット軌道溝6を形成したナット5と、軸軌道溝4とナット軌道溝6ととで形成される負荷路をグリースにより潤滑されながら転動するボール2と、負荷路の両端を連通する曲折した連通路を形成した樹脂材料からなる連通部材12と、ナット5の外周面からナット軌道溝6に貫通し、連通部材12の脚部13をそれぞれ嵌合する嵌合穴9a、9b等とを備えたボールねじ装置1において、連通部材12の脚部13とナット5の嵌合穴9a、9b等との嵌合面に、ナット5の内部から外部に通ずるグリース排出溝20を形成し、このグリース排出溝20に、ナット5の内部に供給されたグリースを流入させ、脚部13とナット5の嵌合穴9a、9b等との嵌合面を冷却する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、工作機械や産業機械、電動射出成形機、電動プレス成形機等の機械装置の移動台の位置決め用や搬送用等の直線移動機構の駆動や動力伝達用に用いられるボールねじ装置に関する。
近年、電動射出成形機で成形される射出物の薄肉化に伴い、電動射出成形機の直線駆動に用いられるボールねじ装置の高速作動に対する要求が高まっている。
この高速化のためには、チューブ式の循環方式と同様にしてボールの負荷バランス等を考慮すること、およびボールを負荷路からの連通路に掬い上げる際に、軸軌道溝の接線方向に掬い上げることが有効であるが、このような接線掬上が可能な連通部材は、複雑な連通路の形状や、外形形状を有しているため、複雑な形状を低コストで製作できる樹脂材料を用いた射出成形が一般に用いられている。
この高速化のためには、チューブ式の循環方式と同様にしてボールの負荷バランス等を考慮すること、およびボールを負荷路からの連通路に掬い上げる際に、軸軌道溝の接線方向に掬い上げることが有効であるが、このような接線掬上が可能な連通部材は、複雑な連通路の形状や、外形形状を有しているため、複雑な形状を低コストで製作できる樹脂材料を用いた射出成形が一般に用いられている。
従来のボールねじ装置は、ねじ軸の外周面に螺旋状に形成した軸軌道溝と、ナットの内周面に形成した軸軌道溝に対向するナット軌道溝とを複数のボールを介して螺合させ、樹脂製の連通部材の脚部をナットに設けた長穴からなる嵌合穴に嵌合させて固定し、対向配置された軸軌道溝とナット軌道溝とで形成される負荷路の両端を、連通部材に形成した連通路で連通させて循環路を形成し、循環路内に充填したグリースでボールの転動を潤滑しながら、連通部材の脚部の端部に形成したタング部の一方で負荷路からボールを掬上げ、他方で負荷路に戻してボールを循環させ、ねじ軸の回転運動をナットの直線運動に変換している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−83519号公報(第4頁段落0015−第5頁段落0017、第2図)
しかしながら、上述した従来の技術においては、ナットに設けた嵌合穴に樹脂製の連通部材の脚部を嵌合させているため、電動射出成形機等の高速、高負荷の条件下で用いるボールねじ装置の場合は、ナットとボールとの接触摩擦によりナットの温度が上昇し、樹脂で形成された連通部材は熱伝導率が低く、かつ異種材料が嵌合する連通部材とナットとの嵌合面ではナットと連通部材との間の熱伝達も期待できないので、連通部材の温度が上昇し易くなり、熱影響により連通部材が劣化して、クラックや欠け等が発生し易くなるという問題がある。
また、通常、高速、高負荷の条件下で用いるボールねじ装置の場合には、作動中にグリースを補給し続ける自動補給が行われているため、ナットと連通部材の嵌合面の僅かな隙間等にナット内のグリースが滲み出して滞留し、ナットの温度の上昇によりグリースの温度が上昇し、離油(グリースの基油と増ちょう剤が分離する現象をいう。)が生じ、樹脂で形成された連通部材を化学的に劣化させる可能性があるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、樹脂製の連通部材の温度上昇を抑制する手段を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、外周面に螺旋状の軸軌道溝を形成したねじ軸と、内周面に前記軸軌道溝に対向するナット軌道溝を形成したナットと、前記軸軌道溝とナット軌道溝とを螺合させる複数のボールと、前記軸軌道溝とナット軌道溝とで形成される負荷路と、該負荷路を転動するボールを潤滑するグリースと、前記負荷路の両端を連通する曲折した連通路を形成した樹脂材料からなる連通部材と、前記ナットの外周面から前記ナット軌道溝に貫通し、前記連通部材の脚部をそれぞれ嵌合する嵌合穴とを備えたボールねじ装置において、前記連通部材の脚部と前記ナットの嵌合穴との嵌合面に、前記ナットの内部から外部に通ずるグリース排出溝を形成し、該グリース排出溝に、前記ナットの内部に供給されたグリースの一部、または全部を流入させ、前記嵌合面を冷却することを特徴とする。
これにより、本発明は、グリース排出溝を通過するグリースにより、ナットの嵌合穴と連通部材の脚部との嵌合面を冷却することができ、樹脂製の連通部材の温度上昇を抑制して、連通部材の劣化を防止することができるという効果が得られる。
以下に、図面を参照して本発明によるボールねじ装置の実施例について説明する。
図1は実施例1のボールねじ装置の断面を示す説明図、図2は実施例1のナットの上面を示す説明図、図3は実施例1の連通部材を示す斜視図、図4は実施例1の半割連通部材を示す斜視図である。
図1において、1はボールねじ装置である。
2はボールねじ装置1の転動体としてのボールであり、合金鋼等の鋼材で製作された球体である。
図1において、1はボールねじ装置である。
2はボールねじ装置1の転動体としてのボールであり、合金鋼等の鋼材で製作された球体である。
3はボールねじ装置1のねじ軸であり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、その外周面3aには、円弧状断面形状の軸軌道溝4が所定のリードで螺旋状に形成されている。
5はボールねじ装置1のナットであり、合金鋼等の鋼材で製作された円筒状部材であって、その内周面5aには、軸軌道溝4と対向する円弧状断面形状のナット軌道溝6が軸軌道溝4と同じリードで形成されており、その外周部の一方の端部には、ナット5を図示しない機械装置の移動台にボルト等で固定するためのフランジ部7が設けられている。
5はボールねじ装置1のナットであり、合金鋼等の鋼材で製作された円筒状部材であって、その内周面5aには、軸軌道溝4と対向する円弧状断面形状のナット軌道溝6が軸軌道溝4と同じリードで形成されており、その外周部の一方の端部には、ナット5を図示しない機械装置の移動台にボルト等で固定するためのフランジ部7が設けられている。
また、ナット5には、図2に示すように、ナット5の外周面の一部を軸方向と平行に切欠いた平面8が形成され、その平面8には、後述する連通部材12の脚部13を嵌合させるナット軌道溝6に達する長穴である嵌合穴9a〜9d、および連通部材12をナット5に固定するための図示しない固定具を締結する小ねじ等を螺合させるねじ穴10が形成されている。
更に、1つの連通部材12の2つの脚部13をそれぞれ嵌合させる2つの嵌合穴9a、9bのそれぞれの相手穴側には、U字状の連通部材12の内側の曲げRとの干渉を避けるための座ぐり部11が設けられている。
他の2つの嵌合穴9c、9dにも同様の座ぐり部11が設けられている。
連通部材12は、図3に示すように、両端部にナット5の嵌合穴9a、9bまたは嵌合穴9c、9dに嵌合する脚部13が形成され、内面にボール2が通過可能な直径を有する略U字形に曲折した連通路14(図4、図6参照)が形成されたU字状の中空部材であって、概ね連通路14を移動するボール2の移動方向に沿って縦方向(図2における紙面に直交する方向をいう。)に2分割された半割連通部材12a、12bを組合せて構成されており、それぞれの半割連通部材12a、12bは、ポリアセタール(POM:polyoxymethylene)等の樹脂材料で射出成形により形成されている。
他の2つの嵌合穴9c、9dにも同様の座ぐり部11が設けられている。
連通部材12は、図3に示すように、両端部にナット5の嵌合穴9a、9bまたは嵌合穴9c、9dに嵌合する脚部13が形成され、内面にボール2が通過可能な直径を有する略U字形に曲折した連通路14(図4、図6参照)が形成されたU字状の中空部材であって、概ね連通路14を移動するボール2の移動方向に沿って縦方向(図2における紙面に直交する方向をいう。)に2分割された半割連通部材12a、12bを組合せて構成されており、それぞれの半割連通部材12a、12bは、ポリアセタール(POM:polyoxymethylene)等の樹脂材料で射出成形により形成されている。
一方の半割連通部材12aには、図4に示すように、一端に負荷路からボール2を掬い上げて連通路14へ導くタング部15が、軸軌道溝4の溝筋に正対し、軸軌道溝4の溝形状に沿うように突出して形成され、他端には、ナット軌道溝6の断面形状と同等の形状の半円弧状の切欠部16が形成されており、タング部15と切欠部16との間は、連通路14の略半分を形成する円弧凹面がU字状に曲折して形成されている。
他方の半割連通部材12bも半割連通部材12aと同様に形成され、半割連通部材12bのタング部15側を、半割連通部材12aの切欠部16側に合せて組合せ、連通部材12が形成される。
このような、連通部材12は、脚部13を嵌合穴9a、9bまたは嵌合穴9c、9dに嵌合させて、図示しない固定具によりナット5の平面8に小ねじ等で締結されてナット5に固定される。
このような、連通部材12は、脚部13を嵌合穴9a、9bまたは嵌合穴9c、9dに嵌合させて、図示しない固定具によりナット5の平面8に小ねじ等で締結されてナット5に固定される。
これにより、連通部材12の内面が連通路14として機能し、ねじ軸3の軸軌道溝4とこれに対向するナット5のナット軌道溝6とにより形成される負荷路の両端が連通路14により連通され、ボール2が循環する循環路が形成される。
本実施例の循環路は、ナット5の軸方向に2箇所形成されている。
18は潤滑剤供給口であり、ナット5の外周面から内周面5aに、または負荷路を構成していないナット軌道溝6の溝底に貫通し、口元に管用テーパねじが形成された穴であって、ねじ軸3の外周面3aとナット5の内周面5aとの間、または負荷路を構成していないナット軌道溝6と軸軌道溝4との間に潤滑剤としてのグリース(例えば、リューベ製グリース、型式YS2(基油:鉱油、増ちょう剤:リチウム石けん))を供給する。
本実施例の循環路は、ナット5の軸方向に2箇所形成されている。
18は潤滑剤供給口であり、ナット5の外周面から内周面5aに、または負荷路を構成していないナット軌道溝6の溝底に貫通し、口元に管用テーパねじが形成された穴であって、ねじ軸3の外周面3aとナット5の内周面5aとの間、または負荷路を構成していないナット軌道溝6と軸軌道溝4との間に潤滑剤としてのグリース(例えば、リューベ製グリース、型式YS2(基油:鉱油、増ちょう剤:リチウム石けん))を供給する。
20はグリース排出溝であり、連通部材12の半割連通部材12a、12bのそれぞれのタング部15側の外周面、つまり脚部13の嵌合穴9a、9b等との嵌合面に形成された、ナット5の内部からナット5の外部に通ずる円弧状断面または矩形断面を有する溝であって、潤滑剤供給口18からナット5の内部に供給されたグリースをナット5の外部に排出する排出溝として機能する。
なお、グリース排出溝20は、半割連通部材12a、12bのそれぞれの切欠部16側の外周面に設けるようにしても、ナット5に設けた嵌合穴9a、9b等の脚部13との嵌合面、つまり嵌合穴9a、9b等の内面に設けるようにしてもよく、それぞれを複数設けるようにしても、これらを組合せて設けるようにしてもよい。
また、グリース排出溝20のナット5の外側の開口を、座ぐり部11に開口させて、座ぐり部11に滞留するグリースを入替えながらナット5の外部に排出するようにしてもよい。
また、グリース排出溝20のナット5の外側の開口を、座ぐり部11に開口させて、座ぐり部11に滞留するグリースを入替えながらナット5の外部に排出するようにしてもよい。
上記の循環路には、複数のボール2が装填されると共に、潤滑剤供給穴18から所定の量のグリースが注入され、ねじ軸3を回転させることによってボール2が循環路を循環し、グリースにより潤滑されながら負荷路を転動するボール2がナット5に加えられた荷重を往復動自在に支持してナット5をねじ軸3の軸方向に沿って直線的に往復移動させ、ねじ軸3の回転運動がナット5の直線運動に変換される。
このボールねじ装置1の作動のときに、グリースが潤滑剤供給口18から間欠的または連続的にナット5の内部に自動補給され、ねじ軸3の外周面3aや軸軌道溝4に付着したグリースが、ねじ軸3の回転に伴ってグリース排出溝20のナット5の内部側の開口へ流入し、ナット5の外部側の開口から流出する。
これにより、ナット5の嵌合穴9a、9b等と連通部材12の脚部13とのそれぞれの嵌合面が、グリース排出溝20を通過するグリースにより冷却され、樹脂製の連通部材12の温度上昇を抑制して、連通部材12の劣化を防止する。
これにより、ナット5の嵌合穴9a、9b等と連通部材12の脚部13とのそれぞれの嵌合面が、グリース排出溝20を通過するグリースにより冷却され、樹脂製の連通部材12の温度上昇を抑制して、連通部材12の劣化を防止する。
また、グリースによる冷却作用により、嵌合穴9a、9bや嵌合穴9c、9dの周辺が冷却され、座ぐり部11や、ナット5の嵌合穴9a、9b等と連通部材12の脚部13との嵌合面の隙間等に滞留するグリースの温度上昇を抑制することができ、グリースの離油を防止することができる。
以上説明したように、本実施例では、記連通部材の脚部とナットの嵌合穴との嵌合面に、ナットの内部から外部に通ずるグリース排出溝を形成し、そのグリース排出溝により、ナットの内部に供給されたグリースをナットの外部に流出させるようにしたことによって、グリース排出溝を通過するグリースにより、ナットの嵌合穴と連通部材の脚部との嵌合面を冷却することができ、樹脂製の連通部材の温度上昇を抑制して、連通部材の劣化を防止することができると共に、座ぐり部や、ナットの嵌合穴と連通部材の脚部との嵌合面の隙間等に滞留するグリースの温度上昇を抑制してグリースの離油を防止することができる。
以上説明したように、本実施例では、記連通部材の脚部とナットの嵌合穴との嵌合面に、ナットの内部から外部に通ずるグリース排出溝を形成し、そのグリース排出溝により、ナットの内部に供給されたグリースをナットの外部に流出させるようにしたことによって、グリース排出溝を通過するグリースにより、ナットの嵌合穴と連通部材の脚部との嵌合面を冷却することができ、樹脂製の連通部材の温度上昇を抑制して、連通部材の劣化を防止することができると共に、座ぐり部や、ナットの嵌合穴と連通部材の脚部との嵌合面の隙間等に滞留するグリースの温度上昇を抑制してグリースの離油を防止することができる。
なお、本実施例においては、グリース排出溝20は、連通部材12の脚部13の外周面に設けるとして説明したが、図5に示すように、連通部材12の脚部13に樹脂成形におけるヒケを防止するための肉盗み部22を設ける場合には、各肉盗み部22をそれぞれ千鳥状に連結する連結溝23を脚部13の外周面に設け、この連結溝23と肉盗み部22とにより、ナット5の内部からナット5の外部に通ずるグリース排出溝20を形成するようにしてもよい。
このようにすれば、ナットの嵌合穴と連通部材の脚部との嵌合面を更に冷却することができると共に、肉盗み部22に滲み出したグリースを入れ替えて、その滞留を防止することができる。
図6は実施例2のグリース排出溝の断面を示す説明図である。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例のグリース排出溝25は、図6に示すように、連通部材12のタング部15の背面側の、ねじ軸3の外周面3aの半径方向外側に形成された、ナット5の内部からナット5の外部に通ずる円弧状断面または矩形断面を有する溝であって、ナット5の内部側は暗渠とされており、その開口部にはねじ軸3の外周面3aに付着したグリースをグリース排出溝25へ導く掬上部26が、ねじ軸3の外周面3aの半径方向外側で、軸軌道溝4の溝筋に正対し、ねじ軸3の外周面3aとナット5の内周面5aとの間の空間に突出して、ねじ軸3の外周面3aに摺接、または近接するように形成されている。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例のグリース排出溝25は、図6に示すように、連通部材12のタング部15の背面側の、ねじ軸3の外周面3aの半径方向外側に形成された、ナット5の内部からナット5の外部に通ずる円弧状断面または矩形断面を有する溝であって、ナット5の内部側は暗渠とされており、その開口部にはねじ軸3の外周面3aに付着したグリースをグリース排出溝25へ導く掬上部26が、ねじ軸3の外周面3aの半径方向外側で、軸軌道溝4の溝筋に正対し、ねじ軸3の外周面3aとナット5の内周面5aとの間の空間に突出して、ねじ軸3の外周面3aに摺接、または近接するように形成されている。
これにより、ボールねじ装置1が作動したときに、潤滑剤供給口18から間欠的または連続的にナット5の内部に自動補給され、ねじ軸3の外周面3aや軸軌道溝4に付着したグリースが、ねじ軸3の回転に伴って、掬上部26に掬い上げられてグリース排出溝25に流入し、ナット5の外部側の開口から流出する。
このように、本実施例のグリース排出溝25には、掬上部26が設けられているので、ナット5に内部に供給されたグリースを、より積極的にナット5の外部に排出することができ、グリース排出溝25を通過するグリースにより、ナット5の嵌合穴9a、9b等と連通部材12の脚部13とのそれぞれの嵌合面を積極的に冷却することができ、樹脂製の連通部材12の温度上昇を更に抑制して、連通部材12の劣化を更に防止することができる。
このように、本実施例のグリース排出溝25には、掬上部26が設けられているので、ナット5に内部に供給されたグリースを、より積極的にナット5の外部に排出することができ、グリース排出溝25を通過するグリースにより、ナット5の嵌合穴9a、9b等と連通部材12の脚部13とのそれぞれの嵌合面を積極的に冷却することができ、樹脂製の連通部材12の温度上昇を更に抑制して、連通部材12の劣化を更に防止することができる。
また、グリースによる積極的な冷却作用により、嵌合穴9a、9bや嵌合穴9c、9dの周辺がより冷却され、座ぐり部11や、ナット5の嵌合穴9a、9b等と連通部材12の脚部13との嵌合面の隙間等に滞留するグリースの温度上昇を更に抑制することができ、グリースの離油を更に防止することができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、グリース排出溝のナットの内部側の開口部に、ねじ軸の外周面に摺接、または近接させた掬上部を設け、この掬上部によりねじ軸に付着したグリースをグリース排出溝に導くようにしたことによって、ナットに内部に供給されたグリースを、より積極的にナットの外部に排出することができ、グリース排出溝を通過するグリースによる冷却作用を更に高めることができる。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、グリース排出溝のナットの内部側の開口部に、ねじ軸の外周面に摺接、または近接させた掬上部を設け、この掬上部によりねじ軸に付着したグリースをグリース排出溝に導くようにしたことによって、ナットに内部に供給されたグリースを、より積極的にナットの外部に排出することができ、グリース排出溝を通過するグリースによる冷却作用を更に高めることができる。
1 ボールねじ装置
2 ボール
3 ねじ軸
3a 外周面
4 軸軌道溝
5 ナット
5a 内周面
6 ナット軌道溝
7 フランジ部
8 平面
9a〜9d 嵌合穴
10 ねじ穴
11 座ぐり部
12 連通部材
12a、12b 半割連通部材
13 脚部
14 連通路
15 タング部
16 切欠部
18 潤滑剤供給口
20、25 グリース排出溝
22 肉盗み部
23 連結溝
26 掬上部
2 ボール
3 ねじ軸
3a 外周面
4 軸軌道溝
5 ナット
5a 内周面
6 ナット軌道溝
7 フランジ部
8 平面
9a〜9d 嵌合穴
10 ねじ穴
11 座ぐり部
12 連通部材
12a、12b 半割連通部材
13 脚部
14 連通路
15 タング部
16 切欠部
18 潤滑剤供給口
20、25 グリース排出溝
22 肉盗み部
23 連結溝
26 掬上部
Claims (2)
- 外周面に螺旋状の軸軌道溝を形成したねじ軸と、内周面に前記軸軌道溝に対向するナット軌道溝を形成したナットと、前記軸軌道溝とナット軌道溝とを螺合させる複数のボールと、前記軸軌道溝とナット軌道溝とで形成される負荷路と、該負荷路を転動するボールを潤滑するグリースと、前記負荷路の両端を連通する曲折した連通路を形成した樹脂材料からなる連通部材と、前記ナットの外周面から前記ナット軌道溝に貫通し、前記連通部材の脚部をそれぞれ嵌合する嵌合穴とを備えたボールねじ装置において、
前記連通部材の脚部と前記ナットの嵌合穴との嵌合面に、前記ナットの内部から外部に通ずるグリース排出溝を形成し、該グリース排出溝に、前記ナットの内部に供給されたグリースの一部、または全部を流入させ、前記嵌合面を冷却することを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1において、
前記グリース排出溝の前記ナットの内部側の開口部に、前記ねじ軸の外周面に摺接、または近接させた掬上部を設け、該掬上部により、前記ねじ軸に付着したグリースを前記グリース排出溝に導くことを特徴とするボールねじ装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6085388B1 (ja) * | 2015-12-30 | 2017-02-22 | 上銀科技股▲フン▼有限公司 | メンテナンス装置を備えたボールねじ |
CN115750711A (zh) * | 2022-11-28 | 2023-03-07 | 东莞市科士威传动科技有限公司 | 高精度滚珠螺母及其制造工艺 |
-
2007
- 2007-09-19 JP JP2007242704A patent/JP2009074590A/ja active Pending
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