JP6082915B2 - アンモニア及び水素の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスからアンモニア及び水素を回収する方法に関する。
窒化ガリウム系化合物半導体が、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている。この窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程(窒化ガリウム系化合物半導体プロセス)は、通常はMOCVD(有機金属気相成長)法によってサファイア等の基板に窒化ガリウム系化合物を気相成長させることにより行なわれており、これに用いられる原料ガスとしては、例えばIII族のトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのほか、V族のアンモニアが使用されている。
アンモニアは、分解効率が悪いため、III族のトリメチルガリウム等のガスに比べて極めて大量に必要とされる。また、前記半導体の製造工程に使用されるアンモニアは、工業用のアンモニアを蒸留あるいは精留した高純度のアンモニア、またはこれをさらに精製した高価なアンモニアである。しかもその大部分は半導体プロセスで使用されることなく、未反応のまま大量に廃棄されている。そのため、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスからアンモニアを回収し、再利用することが望まれており、例えば、特許文献1、2に記載されているようなアンモニアの回収方法が知られている。
さらに水素も、前述のような原料ガスのキャリアガスとして多用されるため、極めて大量に必要とされる。しかも高純度であることが要求され、未反応のまま大量に廃棄されている。そのため、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスから、水素を回収し、再利用することも望まれている。半導体の製造工程から排出される排ガスから水素を回収し再利用する方法としては、廃棄ガス流に含まれるアンモニアを、反応器内で水素と窒素に分解し、水素分離装置により分離した水素を精製装置で精製し、精製した水素ガスを再利用する方法(特許文献3)がある。
特開2008−7378号公報 特開2000−317246号公報 特表2005−536336号公報
特許文献3に記載されているアンモニア含有廃棄ガス流の利用方法では、廃棄ガス流に含まれるアンモニアを水素と窒素に分解して得られたガス流から水素ガスが回収される。しかし、一般的に水素よりアンモニアの方が高価格であり、アンモニアを分解して水素を回収する方法は、有害なアンモニアを回収することができれば、効率がよい方法であるとは言えない。従って、本発明が解決しようとする課題は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスから、効率よくアンモニア及び水素を回収し再利用することが可能な方法を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスに、加圧処理及びヒートポンプによる冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して該排ガスからアンモニアを回収した後、加圧された水素及び窒素を含む排ガスを、パラジウム合金膜と接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収することにより、前述の課題を解決できること等を見出し、本発明のアンモニア及び水素の回収方法に到達した。
すなわち本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスに、加圧処理及びヒートポンプによる冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して該排ガスからアンモニアを回収した後、加圧された水素及び窒素を含む排ガスを、パラジウム合金膜と接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収することを特徴とするアンモニア及び水素の回収方法である。
本発明のアンモニア及び水素の回収方法においては、アンモニアを液化して回収するのでアンモニアをアンモニアとして再利用することが可能なだけでなく、アンモニア回収後の水素及び窒素を含む排ガスをパラジウム合金膜と接触させて、パラジウム合金膜を透過した高純度の水素を回収し再利用することも可能である。
また、本発明のアンモニア及び水素の回収方法においては、アンモニアを液化するための加圧処理により加圧された水素及び窒素を含む排ガスを、パラジウム合金膜と接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収するので、水素の透過に必要な圧力を確保するために別途の加圧手段を必要とせず、アンモニア及び水素の回収を簡易な構成の装置により実施することができる。
本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスからアンモニア及び水素を回収する方法に適用される。本発明における窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程は、ガリウム、インジウム、アルミニウムから選ばれる1種または2種以上の金属と、窒素との化合物からなる窒化物半導体の結晶成長を行なうための製造工程である。
以下、本発明のアンモニア及び水素の回収方法について、図1〜図5に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。尚、図1は、本発明のアンモニア及び水素の回収方法に関連する装置一式の一例を示す構成図である。図2、図3は、本発明に使用するアンモニア回収装置の一例を示す構成図であり、パラジウム合金膜を備えた水素透過装置が接続された状態を示す。図4は、本発明に使用する水素透過装置の一例を示す構成図である。図5は、本発明を適用できる気相成長装置の一例を示す構成図である。
本発明のアンモニア及び水素の回収方法は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスに、加圧処理及びヒートポンプによる冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して該排ガスからアンモニアを回収した後、加圧された水素及び窒素を含む排ガスを、パラジウム合金膜と接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収することを特徴とする。
まず、本発明における排ガスからのアンモニアの回収について説明する。本発明のアンモニア及び水素の回収方法においては、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスを、加圧処理及びヒートポンプによる冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して回収するので、排ガスからアンモニアのみを回収し、再利用することが可能である。
具体的には、図1に示すように、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程が行われる気相成長装置9から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスを、ガス圧縮機11により加圧し、ヒートポンプ式冷却機12により排ガスに含まれるアンモニアを液化して水素及び窒素と分離し、アンモニアを液体として回収する。尚、基板に堆積しなかった窒化ガリウム等の金属化合物等の固体化合物が、気相成長装置9から排出される排ガス中に含まれる場合には、フィルター10で濾過して該排ガスに含まれる固体化合物を除去した後に、ガス圧縮機11による加圧が行われる。
本発明に使用されるヒートポンプは、冷媒が減圧して気化する際に排ガスから気化熱を奪い、排ガスを冷却する原理を用いたものである。本発明に使用されるヒートポンプ式冷却機としては、例えば図2に示すように、冷媒送液器17、膨張弁18、凝縮弁19、熱交換器20、液体アンモニア槽21からなる冷却機を用いることができる。この冷却機においては、冷媒送液器17により膨張弁18に送られた液体冷媒が、膨張弁18において蒸発するとともに熱交換器20においてアンモニアを含む排ガスから熱を奪い、該排ガスが冷却されてアンモニアが液化する。その後、気体冷媒は凝縮弁19により加圧され液体となって冷媒送液器17に送られ循環する。
本発明においては、このような原理を利用して排ガスを冷却するので、排ガスと冷媒を単に熱交換する方法と比較してアンモニアを冷却する効果が優れている。そのため、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスのように、アンモニアの含有率が10〜40vol%程度のガスであっても、予め排ガスを水にバブリングしてアンモニアを水に溶解する等、水素及び窒素を除去する操作、あるいは水素及び窒素の含有率を大幅に低下させる操作を行なう必要がなく、排ガス中のアンモニアを効率よく液化することができる。
本発明において、アンモニアを液化する際、ヒートポンプ式冷却機に用いられる冷媒としては、特に制限されることはないが、液化対象と同一のアンモニアを冷媒とすることが、熱特性が同一である点で好ましい。また、図3に示すように、加圧された排ガスを液体アンモニア槽21に供給する際には、排ガスの供給管が液体アンモニアに浸かり、排ガスが液体アンモニア中でバブリングされることが冷却効果の点で好ましい。このような操作により排ガス中のアンモニアが液化しやすくなる。
さらに、液体アンモニアを撹拌して、該液体アンモニアに含まれる水素及び窒素を除去することが好ましい。このような操作により、液体アンモニアに不純物として含まれる水素及び窒素を1000ppm以下に除去することが可能である。また、有機金属の液体原料として、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、またはトリエチルアルミニウムから選ばれる液体原料を用いることができるが、このような場合、気相成長反応の際に、メタンまたはエタンが発生し排ガスに含まれて排出される。しかし、本発明においては、アンモニアを液化する時点でこれらがアンモニア中に残存しないようにすることができる。前記の液体原料を用いる場合にも、液体アンモニアを撹拌することにより、液体アンモニア(沸点:−33℃)に含まれるメタン(沸点:−161℃)またはエタン(沸点:−89℃)を効率よく除去することができる。尚、メタン、エタンが含まれているアンモニアを使用した場合、気相成長に悪影響が生じ、結晶膜の特性が劣化する。
窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程は、例えば図1に示すように、各原料の供給源、各原料ガスの精製装置、及び気相成長装置等からなる。本発明においては、有機金属の液体原料(トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、またはトリエチルアルミニウムから選ばれる液体原料)は、該製造工程のキャリアガスとして使用される水素または窒素を、該液体原料中でバブリングして気体原料とすることが好ましい。有機金属はTHF(テトラヒドロフラン)等の有機溶媒に溶解して気化することも考えられるが、有機溶媒を使用するとアンモニアを液化して回収する際に、有機溶媒がアンモニアに混合する不都合が生じる。
本発明のアンモニア及び水素の回収方法においては、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスが、アンモニアを液化しやすくするためにガス圧縮機11により0.5〜2MPaGに加圧され、前述のヒートポンプ式冷却機12において−30〜−60℃に冷却される。尚、ガス圧縮機11により加圧された際に、排ガス中の一部のアンモニアが液化されてもよい。
次に、本発明における排ガスからの水素の回収について説明する。本発明においては、排ガスに含まれるアンモニアを液化して該排ガスからアンモニアを回収した後、加圧された水素及び窒素を含む排ガスを、パラジウム合金膜と接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収する。前述のようにアンモニアが回収された後の排ガスには、気体として残存したアンモニアと、液化されない水素及び窒素が含まれる。アンモニア回収後の排ガスをパラジウム合金膜と接触させることにより、水素のみがパラジウム合金膜を透過して、窒素等の他の成分から分離されると同時に精製され、高純度の水素が回収される。尚、前述のような理由により排ガスにメタンまたはエタンが含まれていても、メタン及びエタンはパラジウム合金膜を透過しないので、高純度の水素を回収できる。
具体的には、図1に示すように、回収された液体アンモニアは液体アンモニア貯蔵槽14に移送される一方で、アンモニア回収(除去)後の排ガスは、水素透過装置7に送られ水素が該パラジウム合金膜を透過することにより、窒素等の他の成分から分離される。アンモニアを回収した後の水素及び窒素を含む排ガスの圧力は、通常は0.5〜2MPaGである。このような圧力コントロールはパラジウム合金膜の下流側(水素透過装置の排気管側)に設けた圧力調整装置13により行なうことができる。また、パラジウム合金膜透過前後で水素分圧の差が大きいほど単位時間当たりの水素透過量が大きくなる。そのため、本発明においては、パラジウム合金膜透過直後の水素の圧力を、コンプレッサ等の減圧装置またはブロワー等のポンプを用いて大気圧以下(絶対圧力で0.05〜0.1MPa程度)とすることが、水素の回収量を増加できる点で好ましい。尚、前述のようにアンモニアが回収された後の排ガスを、ガス圧縮機等により加圧された圧力のままパラジウム合金膜に接触させてもよいが、液体アンモニア槽と水素透過装置の間にも圧力調整装置を設けて、パラジウム合金膜の破壊を生じない程度に減圧してからパラジウム合金膜に接触させてもよい。また、水素透過装置により回収した高純度の水素は、冷却した後、再使用する前に水素貯蔵手段により貯蔵しておくこともできる。
本発明に使用されるパラジウム合金膜を備えた水素透過装置は、例えば図4に示されるように構成される。図4の水素透過装置には、細管状の形状を有するパラジウム合金膜26が設けられた透過器24が備えられている。すなわち透過器24は、圧力による変形を防止するためのスプリング25が挿入され、かつ先端を封止した細管状のパラジウム合金膜26を複数本取り付けた管板27により排ガス導入室28と精製水素ガス室29に仕切られた構造となっている。排ガス導入室28には、排ガス入口30と排ガス弁31を有する排ガス配管32が接続されており、その他に置換用の窒素ガスの入口36と窒素ガス弁37を有する窒素ガス配管38等を接続することができる。また、水素の分離時には水素分離後の排ガスを、また置換時は窒素ガスを適量排出するための排気管であって、排気管入口39と流量調節弁40と排気管出口41を有する排気管42とが接続されている。また精製水素ガス室29は接続管48を経て冷却管43に接続されており、その下流には精製水素ガス弁44と精製水素ガス出口45を有する精製水素ガス配管46が接続されている。透過器24は温度調節器を介したヒータ47で加熱されて使用される。
本発明に使用されるパラジウム合金膜を備えた水素透過装置において、水素ガスの透過は、透過器24の温度を300〜450℃程度の水素透過が生じる通常の温度に保持し、排ガス導入室28の圧力を、精製水素ガスとして所望の圧力、流量が得られるように設定し、また排ガス導入室28に窒素等の他の成分や不純物が蓄積しないように排ガスの一部を排気管出口41から排出することにより行われる。パラジウム合金膜を透過した精製水素ガスは、精製水素ガス室29、接続管48を経て、冷却管43で室温まで冷却され、精製水素ガス出口45を経由して再利用に供される。
本発明のアンモニア及び水素の回収方法においては、アンモニア回収後の排ガスをパラジウム合金膜と接触させることにより、水素のみをパラジウム合金膜を透過させて、窒素等の他の成分から分離するが、このようにして得られる水素は高純度な水素であり、そのまま気相成長装置に供給して窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に用いることができる。一方で、ボンベ等の水素の供給源から供給される新規の水素(回収された水素とは別の水素)を前述のパラジウム合金膜に接触させて、原料水素ガス中の不純物を除去して高純度な水素を得ることもでき、排ガスから回収された水素と新規の水素を適宜切り替えて使用することもできる。
さらに本発明においては、アンモニア回収後の排ガスをパラジウム合金膜に接触させることにより分離及び精製された水素を、新規の水素(別のパラジウム合金膜、またはその他の精製手段により精製されることが好ましい)と混合した後、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給することができる。また、アンモニア回収後の排ガスを、新規の水素と混合した後、該混合ガスをパラジウム合金膜と接触させることにより水素を分離及び精製して窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給することもできる。
従って、本発明においては、回収された水素に、新規の水素を追加して連続的に気相成長装置に供給することができる。これにより、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出された後、前述のアンモニア及び水素の回収方法によって消失する水素を、前記新規の水素により補うことができる。具体的には、図1に示すように、加圧された水素及び窒素を含む排ガスからパラジウム合金膜を備えた水素透過装置7により分離及び精製された水素と、水素の供給源3から供給される新規の水素がパラジウム合金膜を備えた別の水素透過装置7’により精製されて得られる水素を、ガス混合器15により混合してから、窒化ガリウム系化合物半導体の気相成長装置9に供給することができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
(水素透過装置の製作)
以下のようにして、図4に示すような水素透過装置を製作した。まず、直径0.25mmのSUS316L鋼製コイルで外径1.3mm、長さ240mmに成形したスプリング25を、外径1.6mm、内径1.45mm、長さ245mmで先端を溶封処理した金、銀、パラジウム3元合金管26内に挿入したものを78本製作した。次に直径48.6mm、厚さ5mmの円盤状で周縁部を除く平板部分に均等に直径1.6mmの貫通孔を78個設けたニッケル製の管板27に前記のパラジウム合金管78本を貫通孔部へ挿入し、それぞれを管板27に溶接して、一体化した。これを、外径40mmのSUS316L鋼製のパイプと円板より製作した排気管入口39を備えた排気管42と共に、外径48.6mmのSUS316L鋼製の円筒状容器に溶接し、透過器24を製作した。この透過器24に図4に示されるような各部を設けて水素透過装置を完成した。
(アンモニア回収装置)
以下のようにして、図3に示されるようなアンモニア回収装置を製作した。すなわち、冷媒(アンモニア)送液器17、膨張弁18、凝縮弁19、熱交換器20、液体アンモニア槽(円柱形)21からなるヒートポンプ式冷却機12を製作し、フィルター10及びガス圧縮機11と配管等で接続して、図3に示すようなアンモニア回収装置を完成した。
(気相成長装置の製作)
以下のようにして、図5に示されるような気相成長装置を製作した。すなわち、ステンレス製の反応容器の内部に、円板状のサセプタ50(SiCコートカーボン製、直径600mm、厚さ20mm、3インチの基板を5枚保持可能)、冷媒を流通する構成57を備えたサセプタの対面51(カーボン製)、ヒータ52、原料ガス導入部54(カーボン製)、反応ガス排出部55等を設けて、図5に示すような気相成長装置を完成した。また、3インチサイズのサファイアよりなる基板5枚をこの気相成長装置にセットした。尚、冷媒を流通する構成57として、配管1本を中心部から周辺部に向かって渦巻き状に配置した。
原料ガス導入部54は、直径200mm、厚さ2mmの円板状の仕切り(カーボン製)2個により上下方向に仕切られた3個のガス噴出口を形成し、上層の噴出口からアンモニア、中層の噴出口からトリメチルガリウムを含むガス、下層の噴出口から窒素を供給できるような構成とした。また、ガスの噴出口の先端と基板との水平面の距離は32.4mmであった。さらに、原料ガス導入部54の各々のガス流路に、マスフローコントローラー等を介して、所望の流量及び濃度の各ガスが供給できるように配管を接続した。
(本発明に関連する装置一式の製作)
以上のようにして製作した気相成長装置、水素透過装置、及びアンモニア回収装置を用いて、図1に示すような本発明のアンモニア及び水素の回収方法に関連する装置一式を完成させた。すなわち、気相成長装置9の排出配管にアンモニア回収装置23を接続し、これらに、アンモニアの気化器5、アンモニア精製装置8、及びガス混合器15’を、配管等を用いて接続した。そして、圧力調整装置13、及びガス混合器15と共に、水素透過装置7を配管等で気相成長装置9及びアンモニア回収装置23に接続した。さらに、図1に示すようなその他の各部を設けて、本発明のアンモニア及び水素の回収方法に関連する装置一式を完成させた。
(気相成長実験)
図1に示すような本発明のアンモニア及び水素の回収方法に関連する装置一式を用いて気相成長実験を行った。すなわち、原料ガスを、各原料の供給源から精製装置を経由して、前述の気相成長装置に供給し、基板の表面に窒化ガリウム(GaN)の成長を行なった。尚、アンモニアの精製剤として、ニッケルを有効成分とする触媒及び細孔径が4〜10Å相当の合成ゼオライトを使用した。気相成長は、バッファー層成長後に、基板温度を1050℃まで上昇させ、上層の噴出口からアンモニア(流量:30L/min)、中層の噴出口かトリメチルガリウム(流量:60cc/min)と水素(流量:30L/min)、下層の噴出口から窒素(流量:40L/min)を供給して、窒化ガリウム膜を2時間成長させた。
この間、気相成長装置から排出される排ガスの一部をサンプリングするとともに、ガス圧縮機11、ヒートポンプ式冷却機12、撹拌器等を稼動させて、排ガス中のアンモニアを液化し、液体アンモニア貯蔵槽14に回収した。尚、ガス圧縮機11により、排ガスは常圧から1MPaGに加圧され、ヒートポンプ式冷却機12により−40〜−45℃に冷却された。
また、アンモニア回収装置23から排出される加圧された排ガスを、水素透過装置7上流の圧力調整装置(減圧弁、図示しない)により減圧してから、水素透過装置7の排ガス導入室28に導入したところ、水素透過装置7下流の圧力調整装置13(保圧弁)により、排ガス導入室28中の圧力は0.6MPaGに維持された。このようにして水素透過装置7により排ガスから回収される水素と、水素の供給源3(水素ボンベ)から供給される新規の水素が別の水素透過装置7’により精製されて得られる水素を、ガス混合器15で混合することにより、水素の回収によって消失する水素を水素の供給源3からの水素により補ってから、気相成長装置9に供給した。
その際、水素透過装置7の透過器24の温度は420℃に保持され、排ガス導入室28に窒素等の他の成分や不純物が蓄積しないように排ガスの一部を排気管出口41から排出した。水素透過装置7のパラジウム合金膜26を透過して得られた精製水素ガスは、精製水素ガス室29、接続管48を経て、冷却管43で室温まで冷却され、精製水素ガス出口45を経由してからガス混合器15で新規の水素と混合されて、気相成長装置9に供給された。尚、水素透過装置7’には、水素透過装置7と同様の水素透過装置を用い、水素透過装置7と同様の圧力及び温度条件に設定した。
測定の結果、気相成長装置9から排出される排ガスの成分は、アンモニア30%、水素30%、窒素40%であった。また、液体アンモニア槽21におけるアンモニアの回収率は79%、液体アンモニアに含まれる水素の含有率は23ppm、窒素の含有率は140ppmであった。また、水素透過装置7により回収された水素からアンモニア及び窒素は検出できなかった。気相成長中、気相成長装置9には、安定して30L/minの水素が供給され、基板上には窒化ガリウム膜の成長が確認された。
本発明は、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア及び水素の回収に好適である。特に、MOCVD法によって基板に窒化ガリウム系化合物が気相成長される窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア及び水素の回収に好適である。
本発明のアンモニア及び水素の回収方法に関連する装置一式の一例を示す構成図である。 本発明に使用するアンモニア回収装置の一例を示す構成図であり、パラジウム合金膜を備えた水素透過装置が接続された状態を示す。 本発明に使用するアンモニア回収装置の図2以外の一例を示す構成図であり、パラジウム合金膜を備えた水素透過装置が接続された状態を示す。 本発明に使用する水素透過装置の一例を示す構成図である。 本発明を適用できる気相成長装置の一例を示す構成図である。
1 有機金属化合物の供給源
2 窒素の供給源
3 水素の供給源
4 アンモニアの供給源
5、5’気化器
6 窒素精製装置
7、7’水素透過装置
8 アンモニア精製装置
9 気相成長装置
10 フィルター
11 ガス圧縮機
12 ヒートポンプ式冷却機
13 圧力調整装置
14 液体アンモニア貯蔵槽
15、15’ガス混合器
16 外部へのガス放出ライン
17 冷媒送液器
18 膨張弁
19 凝縮弁
20 熱交換器
21 液体アンモニア槽
22 液体アンモニア
23 アンモニア回収装置
24 透過器
25 スプリング
26 パラジウム合金膜
27 管板
28 排ガス導入室
29 精製水素ガス室
30 排ガス入口
31 排ガス弁
32 排ガス配管
33 原料水素ガス入口
34 原料水素ガス弁
35 原料水素ガス配管
36 置換用窒素ガス入口
37 窒素ガス弁
38 窒素ガス配管
39 排気管入口
40 流量調節弁
41 排気管出口
42 排気管
43 冷却管
44 精製水素ガス弁
45 精製水素ガス出口
46 精製水素ガス配管
47 ヒータ
48 接続管
49 基板ホルダー
50 サセプタ
51 サセプタの対面
52 ヒータ
53 反応炉
54 原料ガス導入部
55 反応ガス排出部
56 原料ガス配管
57 冷媒を流通する流路
58 サセプタ回転板

Claims (4)

  1. 窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスに、加圧処理及びヒートポンプによる冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して該排ガスからアンモニアを回収した後、加圧された水素及び窒素を含む排ガスを、パラジウム合金膜と接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収することを特徴とするアンモニア及び水素の回収方法。
  2. アンモニアを回収した後の水素及び窒素を含む排ガスの圧力を、パラジウム合金膜の下流側に設けた圧力調整装置により調整する請求項1に記載のアンモニア及び水素の回収方法。
  3. アンモニアを回収した後の水素及び窒素を含む排ガスの圧力が、0.5〜2MPaGである請求項に記載のアンモニア及び水素の回収方法。
  4. パラジウム合金膜透過直後の水素の圧力が、大気圧以下である請求項1に記載のアンモニア及び水素の回収方法。
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