JP6103344B2 - アンモニアの回収方法及び再利用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスからアンモニアを液化して回収する回収方法、及びその回収方法により回収された液体アンモニアを気化し、気化された該アンモニアを前記の窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給する再利用方法に関する。
窒化ガリウム系化合物半導体が、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている。この窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程(窒化ガリウム系化合物半導体プロセス)は、通常はMOCVD(有機金属気相成長)法によってサファイア等の基板に窒化ガリウム系化合物を気相成長させることにより行なわれており、これに用いられる原料ガスとしては、例えばIII族のトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのほか、V族のアンモニアが使用されている。
アンモニアは、分解効率が悪いため、III族のトリメチルガリウム等のガスに比べて極めて大量に必要とされる。また、前記半導体の製造工程に使用されるアンモニアは、工業用のアンモニアを蒸留あるいは精留した高純度のアンモニア、またはこれをさらに精製した高価なアンモニアである。しかもその大部分は半導体プロセスで使用されることなく、未反応のまま大量に廃棄されている。そのため、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニアを含む排ガスから、アンモニアを回収し、再利用することが望まれている。
そのため、例えば、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程等の処理工程から排出された排出ガス中のアンモニアガスを、水に溶解させる溶解工程と、アンモニアガスを溶解させたアンモニア水を蒸留して水とアンモニアガスとを分離する蒸留工程と、分離したアンモニアガスを液化する液化工程とを有するアンモニアガスの回収方法(特許文献1)が提案されている。また、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程等から排出されるアンモニアを含む排ガスを、アンモニアの吸着剤を充填した多管式吸着器に冷却しながら通気し、アンモニアを吸着捕取した後、多管式吸着器を加熱しながら減圧下にアンモニアを脱離させて回収する方法(特許文献2)が提案されている。
しかし、特許文献1に記載されたアンモニアの回収方法では、アンモニアの溶解ステップを反復させてアンモニア濃度を高める必要があり、また窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に使用される原料ガスは、水分が極めて低濃度であることが要求されており、所定濃度に達したアンモニア水を蒸留して得られるアンモニアを高度に除湿する必要があった。また、特許文献2に記載されたアンモニアガスの回収装置は、吸着捕取し回収できるアンモニアの量が少ないという不都合があった。
尚、特許文献3には、コットン等の天然繊維を液体アンモニアに浸漬し処理した後、処理室から発生するアンモニアガスを、ブロアーで加圧し凝縮器で冷凍機からの冷媒の冷熱により液化して回収するアンモニアガス回収液化装置が開示されている。
特開2008−7378号公報 特開2000−317246号公報 特開平6−157027号公報
窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に用いられる気相成長装置が基板の出し入れやメンテナンス等のために開放されると、気相成長装置の内壁には大気中の水分が吸着されるので、気相成長中に脱着した水分が排ガスに混入することがある。水はアンモニアに比べて高沸点であるため、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスからアンモニアを回収する方法に、特許文献3に記載されたアンモニアガスの回収方法を利用しても、基板の出し入れやメンテナンスを繰り返す度に、アンモニアの回収及び再利用のための装置内に水が蓄積される虞があった。
その結果、アンモニアの回収及び再利用のための装置から供給されるアンモニア中の水分濃度も上昇してしまい、半導体製造工程の直前に設置されているアンモニア精製装置の負荷が大きくなり、該装置のメンテナンスの増加等の点で窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に悪影響を及ぼす虞があった。そのため、アンモニアの回収及び再利用のための装置を頻繁に停止し、該装置内を洗浄または乾燥して水分を除去しなければならなかった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスに加圧処理及び冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して水素及び窒素と分離し、アンモニアを回収する方法、並びに該アンモニアの回収方法により窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から回収された液体アンモニアを気化し、気化された該アンモニアを前記の窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給するアンモニアの再利用方法であって、基板の出し入れやメンテナンスを繰り返しても、アンモニアの回収及び再利用のための装置内に水が蓄積されにくく、再利用のために窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給されるアンモニア中の水分濃度の上昇を抑制できるアンモニアの回収方法及び再利用方法を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスに加圧処理及び冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して水素及び窒素と分離し、アンモニアを回収する方法において、冷却処理の前に排ガスに含まれる水分を水分除去手段により除去することにより、前述の課題を解決できること、さらに冷却処理はヒートポンプによる冷却処理が好ましいこと等を見出し、本発明のアンモニアの回収方法及び再利用方法に到達した。
すなわち本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスを、加圧処理及び水分除去手段による水分の除去処理を行なった後、ヒートポンプによる冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して水素及び窒素と分離し、アンモニアを回収することを特徴とするアンモニアの回収方法である。
本発明のアンモニアの回収方法においては、冷却処理の前に排ガスに含まれる水分を水分除去手段により除去するので、水分の除去が気相中で行われ、基板の出し入れやメンテナンス、アンモニアの回収と再利用を繰り返しても、アンモニアの回収及び再利用のための装置内に水が蓄積されず、再利用のために窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給されるアンモニア中への水分混入を防止することができる。
また、本発明のアンモニアの回収方法において、凝縮器または吸着剤等を水分除去手段として用い、加圧処理の後に排ガスに含まれる水分を水分除去手段により除去する場合は、水分の凝縮または吸着が加圧下で行われるので、水分の凝縮または吸着が促進され、効率的に水分が除去される。
本発明のアンモニアの回収方法はヒートポンプによる冷却処理を行なっているので、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスから、効率よく容易にアンモニアを液化し回収することができる。また、回収されたアンモニアの不純物の主要成分は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に悪影響を及ぼさない水素及び窒素なので、容易な精製処理を行なった後に、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給して再利用することができる。
本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガス加圧処理、及び水分除去手段による水分の除去処理を行なった後、ヒートポンプによる冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して水素及び窒素と分離し、アンモニアを回収する方法に適用される。また、本発明は、本発明の回収方法により回収された液体アンモニアを気化し、気化された該アンモニアを前記の窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給する再利用方法にも適用される。
以下、本発明のアンモニアの回収方法及びアンモニアの再利用方法について、図1〜図4に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。尚、図1は、本発明のアンモニアの回収方法及びそれを用いたアンモニアの再利用方法に関連する装置一式の一例を示す構成図である。図2、図3は、本発明に使用するアンモニア回収装置の一例を示す構成図である。図4は、本発明に適用できる気相成長装置の一例を示す構成図である。
本発明のアンモニアの回収方法は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスを、加圧処理及び水分除去手段による水分の除去処理を行なった後、ヒートポンプによる冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して水素及び窒素と分離し、アンモニアを回収することを特徴とするアンモニアの回収方法である。
具体的には、図1に示すように、窒化ガリウム系化合物半導体の気相成長装置9から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスをガス圧縮機11により加圧し、ヒートポンプ式冷却機13により排ガスに含まれるアンモニアを液化して水素及び窒素と分離し、液体アンモニアを回収するが、冷却処理の前に排ガスに含まれる水分が水分除去手段を備えた水分除去装置12により除去される。水分除去装置12は、気相成長装置9のガス排出口からヒートポンプ式冷却機13の間に設置することができるが、ガス圧縮機11からヒートポンプ式冷却機13の間に設置することが好ましい。尚、基板に堆積しなかった窒化ガリウム等の金属化合物等の固体化合物が、気相成長装置9から排出される排ガス中に含まれる場合には、フィルター10で濾過して該排ガスに含まれる固体化合物を除去した後に、ガス圧縮機11による加圧が行われる。
本発明のアンモニアの回収方法において、水分除去手段としては凝縮器または吸着剤を用いることが好ましく、凝縮器及び吸着剤を併用することもできる。水分除去手段としての凝縮器または吸着剤を、加圧処理の後及び冷却処理の前に設けることにより、水分の凝縮または吸着が加圧下で行われるので凝縮または吸着が促進され、効率的な水分の除去が可能になる。一般的に吸着剤は、水分除去のために外部からのエネルギーを必要とせず、水分除去手段の構成を簡単にできるので、水分除去手段としては吸着剤が特に好ましい。回収されたアンモニアに不純物として含まれる水分は、前述のような水分除去手段を用いることにより、0.1ppm以下に除去されることが好ましく、0.01ppm以下に除去されることが特に好ましい。
本発明に用いられる凝縮器には、例えば、冷媒が減圧して気化する際に排ガスから気化熱を奪い、排ガスを冷却する原理を有し、水分を凝縮させて液体の水として回収する凝縮器を用いることができる。本発明における凝縮器による冷却温度は、アンモニアが凝縮せずに水分が効率的に凝縮する温度に排ガスを冷却できるように適宜設定され、排ガスの圧力にもよる。
また、本発明に用いられる吸着剤は、アンモニアに対して化学的に安定であり、水分を吸着可能な吸着剤であればよい。本発明に用いられる吸着剤の例としては、活性アルミナ、珪藻土、合成ゼオライト、活性炭等が挙げられ、合成ゼオライトが特に好ましく用いられるが、これらの吸着剤に限定されることはない。本発明に用いられる吸着剤が合成ゼオライトであるときには、水分に対する吸着能力が高い4〜10Å相当の細孔径を有する合成ゼオライトであることが好ましいが、このような合成ゼオライトに限定されることはない。また、吸着剤は、水分に対する吸着能力が低下した際に再生処理が可能であることが好ましく、合成ゼオライトをはじめとする前述の吸着剤に対しては、吸着剤の加熱による水分の脱着を利用した加熱再生が可能であり、吸着剤を再利用することができる。
通常、本発明における水分除去手段として吸着剤を用いる場合には、吸着剤は吸着筒に収納されて用いられ、排ガスを吸着筒に通して吸着剤と接触させることにより、排ガス中の水分が吸着剤に吸着、除去される。前述のような再生処理のために、吸着筒には加熱再生のためのヒータ等の再生手段が設けられることが好ましい。水分除去手段として用いられる吸着剤が充填された吸着筒は、1つの製造工程に1つでもよいが、2つ以上設けられることが好ましく、例えば2つ並列に設けることにより、一方の吸着筒の吸着能力が低下してきたら、もう一方の吸着筒を使用し、その間に、吸着能力が低下した吸着筒の交換または再生処理を行うことができる。このようにして、水分除去、及び交換または再生処理の操作を交互に行うことにより、連続的に水分を除去することができる。
本発明に使用されるヒートポンプは、冷媒が減圧して気化する際に排ガスから気化熱を奪い、排ガスを冷却する原理を用いたものである。本発明に使用されるヒートポンプ式冷却機13としては、例えば図2に示すように、冷媒送液器18、膨張弁19、凝縮弁20、熱交換器21、液体アンモニア槽22からなる冷却機を用いることができる。この冷却機においては、冷媒送液器18により膨張弁19に送られた液体冷媒が、膨張弁19において蒸発するとともに熱交換器21においてアンモニアを含む排ガスから熱を奪い、該排ガスが冷却されてアンモニアが液化する。その後、気体冷媒は凝縮弁20により加圧され液体となって冷媒送液器18に送られ循環する。
本発明においては、このような原理を利用して排ガスを冷却するので、排ガスと冷媒を単に熱交換する方法と比較してアンモニアを冷却する効果が優れている。そのため、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスのように、アンモニアの含有率が10〜40vol%程度のガスであっても、予め排ガスを水にバブリングしてアンモニアを水に溶解する等、水素及び窒素を除去する操作、あるいは水素及び窒素の含有率を大幅に低下させる操作を行なう必要がなく、排ガス中のアンモニアを効率よく液化することができる。
本発明において、アンモニアを液化する際、ヒートポンプ式冷却機に用いられる冷媒としては、特に制限されることはないが、液化対象と同一のアンモニアを冷媒とすることが、熱特性が同一である点で好ましい。
また、図3に示すように、加圧された排ガスを液体アンモニア槽22に供給する際には、排ガスの供給管が液体アンモニアに浸かり、排ガスが液体アンモニア中でバブリングされることが冷却効果の点で好ましい。このような操作により排ガス中のアンモニアが液化しやすくなる。
さらに、液体アンモニアを撹拌して、該液体アンモニアに含まれる水素及び窒素を除去することが好ましい。このような操作により、液体アンモニアに不純物として含まれる水素及び窒素を1000ppm以下に除去することが可能である。また、有機金属の液体原料として、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、またはトリエチルアルミニウムから選ばれる液体原料を用いることができるが、このような場合、気相成長反応の際に、メタンまたはエタンが発生し排ガスに含まれて排出される。しかし、本発明においては、アンモニアを液化する時点でこれらを除去することができる。前記の液体原料を用いる場合にも、液体アンモニアを撹拌することにより、液体アンモニア(沸点:−33℃)に含まれるメタン(沸点:−161℃)またはエタン(沸点:−89℃)を効率よく除去することができる。尚、メタン、エタンが含まれているアンモニアを使用した場合、気相成長に悪影響が生じ、結晶膜の特性が劣化する。
窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程は、例えば図1に示すように、各原料の供給源、各原料ガスの精製装置、及び気相成長装置等からなる。本発明においては、有機金属の液体原料(トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、またはトリエチルアルミニウムから選ばれる液体原料)は、該製造工程のキャリアガスとして使用される水素または窒素を、該液体原料中でバブリングして気体原料とすることが好ましい。有機金属はTHF(テトラヒドロフラン)等の有機溶媒に溶解して気化することも考えられるが、有機溶媒を使用するとアンモニアを液化して回収する際に、有機溶媒がアンモニアに混合する不都合が生じる。
本発明のアンモニアの回収方法において、前記のような構成の窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスは、アンモニアを液化しやすくするためにガス圧縮機11により0.5〜2MPaGに加圧され、前述のヒートポンプ式冷却機13において−30〜−60℃に冷却される。尚、ガス圧縮機11により加圧された際に、排ガス中の一部のアンモニアが液化されてもよいが、水分除去手段が凝縮器または吸着剤であり、加圧処理の後に水分除去手段による水分の除去が行われる場合には、液化されないことが好ましい。液体アンモニアは液体アンモニア貯蔵槽15に移送され、気体として残存したアンモニアと、液化されない水素及び窒素は、圧力調整装置14を通過して排ガス浄化装置に送られ処理される。
本発明のアンモニアの再利用方法は、本発明のアンモニアの回収方法により窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から回収された液体アンモニアを気化し、気化された該アンモニアを前記の窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給することを特徴とするアンモニアの再利用方法である。
本発明のアンモニアの回収方法により回収されたアンモニアに含まれる水分は極めて低濃度であるが、該アンモニアを、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給する直前に、前述の本発明に係る水分除去手段とは別に設置される水分除去手段によって処理することが好ましい。
本発明のアンモニアの再利用方法において、別の水分除去手段としては、通常は4〜10Å相当の細孔径を有する合成ゼオライトが用いられる。このような水分除去手段は、ニッケル触媒と共にアンモニア精製装置8として一体的に用いることができる。
本発明のアンモニアの再利用方法においては、前述のアンモニアの回収方法によって回収されたアンモニアが一定の量に達した後、この回収されたアンモニアのみを再利用することもできるが、回収されたアンモニアに、新規のアンモニア(回収されたアンモニアとは別のアンモニア)を追加して連続的に気相成長装置に供給することもできる。その場合、新規のアンモニア(回収されたアンモニアとは別のアンモニア)の供給量は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出された後、前述のアンモニアの回収方法によって消失するアンモニアの消失量と実質的に等しい量となる。
具体的には、図1に示すように、液体アンモニア貯蔵槽15の液体アンモニアを気化器5により気化し、ガス混合器16により、アンモニア供給源4から供給されるアンモニアと混合し、アンモニア精製装置8により精製して、窒化ガリウム系化合物半導体の気相成長装置9に供給することができる。図1の装置一式に水分除去手段12を設けることにより、基板の出し入れやメンテナンス、アンモニアの回収(液化)と再利用(気化)を繰り返したときの気化器5内部における水分の蓄積が抑制される。
尚、本発明においては、新規のアンモニアとして、例えば不純物として水素及び窒素のほか、酸素、二酸化炭素、及び水分から選ばれる一種以上の不純物を含む工業用アンモニアを使用することができる。また、回収されたアンモニアと新規のアンモニアの混合ガスを精製する方法としては、例えばこの混合粗アンモニアガスを、酸化マンガンを有効成分とする触媒、またはニッケルを有効成分とする触媒と接触させた後、細孔径が4〜10Å相当の合成ゼオライトと接触させて、酸素、二酸化炭素、及び水分から選ばれる一種以上の不純物を除去する方法(特許第4640882号)を挙げることができる。また、気相成長装置としては、窒化ガリウム系化合物半導体の製造が可能であれば、特に制限されることはないが、例えば、特開2007−96280、特開2010−232624、特開2011−18895に記載されたような装置を使用することができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
(気相成長装置の製作)
ステンレス製の反応容器の内部に、円板状のサセプタ(SiCコートカーボン製、直径600mm、厚さ20mm、3インチの基板を5枚保持可能)、冷媒を流通する構成を備えたサセプタの対面(カーボン製)、ヒータ、原料ガスの導入部(カーボン製)、反応ガス排出部等を設けて、図4に示すような気相成長装置を製作した。また、3インチサイズのサファイアよりなる基板を5枚気相成長装置にセットした。尚、冷媒を流通する構成として、配管1本を中心部から周辺部に向かって渦巻き状に配置した。
原料ガスの導入部は、直径200mm、厚さ2mmの円板状の仕切り(カーボン製)2個により上下方向に仕切られた3個のガス噴出口を形成し、上層の噴出口からアンモニア、中層の噴出口からトリメチルガリウムを含むガス、下層の噴出口から窒素を供給できるような構成とした。
また、ガスの噴出口の先端と基板との水平面の距離は32.4mmであった。さらに、原料ガス導入部の各々のガス流路に、マスフローコントローラー等を介して、所望の流量及び濃度の各ガスが供給できるように配管を接続した。
(アンモニア回収装置等の製作)
細孔径が4Å相当の合成ゼオライトが充填されたステンレス製の吸着筒の外壁に加熱再生用のヒータを設けて水分除去手段12を製作した。次に、気相成長装置9の排出配管に、フィルター10及びガス圧縮機11を設け、これらの下流に前記のようにして製作した水分除去手段12を設置した。また、これらと、冷媒(アンモニア)送液器18、膨張弁19、凝縮弁20、熱交換器21、液体アンモニア槽22からなるヒートポンプ式冷却機13を配管等で接続し、図3に示すようなアンモニア回収装置を製作した。さらに、圧力調整装置14、液体アンモニ貯蔵槽(円柱形)15、アンモニアの気化器5等を設けて配管等で接続し、図1に示すような装置一式を製作した。
(アンモニア回収実験)
原料ガスを、各原料の供給源から精製装置を経由して、前述の気相成長装置に供給し、基板の表面に窒化ガリウム(GaN)の成長を行なった。尚、アンモニア精製装置8に用いるアンモニアの精製剤として、ニッケルを有効成分とする触媒(酸素、二酸化炭素の除去手段)及び細孔径が4Å相当の合成ゼオライト(水分除去手段)を使用した。気相成長は、バッファー層成長後に、基板温度を1050℃まで上昇させ、上層の噴出口からアンモニア(流量:30L/min)、中層の噴出口からトリメチルガリウム(流量:60cc/min)と水素(流量:30L/min)、下層の噴出口から窒素(流量:40L/min)を供給して、窒化ガリウム膜を2時間成長させた。
この間、気相成長装置から排出される排ガスの一部をサンプリングするとともに、ガス圧縮機11、ヒートポンプ式冷却機13、撹拌器等を稼動させて、排ガス中のアンモニアを液化し、液体アンモニア槽22に回収した。尚、ガス圧縮機により、排ガスは常圧から1MPaGに加圧され、ヒートポンプ式冷却機により−40〜−45℃に冷却された。
測定の結果、気相成長装置から排出される排ガスの成分は、アンモニア30%、水素30%、窒素40%であった。但し、気相成長を繰返して長期間行ない、途中で基板の出し入れやメンテナンスを実施した場合、例えば気相成長装置とアンモニアの回収装置間の配管に水分が混入する可能性がある。このような場合においても、排ガス中の水分は水分除去手段12により除去される。
[実施例2]
(アンモニアの再利用実験)
前記のようにして回収された液体アンモニアを、液体アンモニア貯蔵槽15に送液した。前述と同様に気相成長の準備を行なった後、回収された液体アンモニアを気化器5により気化して、ガス混合器16に供給するとともに、アンモニアの供給源4からは、前記のアンモニアの回収によって消失した量と同量の新規のアンモニアを加えて混合した後、アンモニア精製装置8を経由して気相成長装置9に供給した。尚、回収された液体アンモニアと新規のアンモニアの供給量比は79:21であった。
窒化ガリウムの気相成長は、実施例1と同様に、バッファー層成長後に、基板温度を1050℃まで上昇させ、上層の噴出口からアンモニア(流量:30L/min)、中層の噴出口からトリメチルガリウム(流量:60cc/min)と水素(流量:30L/min)、下層の噴出口から窒素(流量:40L/min)を供給して2時間行なった。この間、アンモニアの回収も行なった。実験終了後、気相成長装置から基板を取出し検査した結果、実施例1の基板と同等の性能を有する結晶膜が得られたことが確認された。また、液体アンモニア槽22におけるアンモニアの回収率は80%、液体アンモニアに含まれる水素の含有率は25ppm、窒素の含有率は150ppmであり、水分は検出されなかった。
(回収されたアンモニアに含まれる水分の測定)
以上のようなアンモニアの回収実験及び再利用実験を繰り返し、10回目の再利用実験中に、気化器5とアンモニア精製装置8の間の配管内を流れるアンモニアガスをサンプリングし、該アンモニアガス中の水分を測定したところ、水分は検出されなかった。尚、気相成長で得られた結晶膜は10回とも良好な特性を示した。
本発明は、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニアの回収及び再利用に好適である。特に、MOCVD法によって基板に窒化ガリウム系化合物が気相成長される窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニアの回収及び再利用に好適である。
本発明に関連する装置一式の一例を示す構成図 本発明に使用するアンモニア回収装置の一例を示す構成図 本発明に使用する図2以外のアンモニア回収装置の一例を示す構成図 本発明に適用できる気相成長装置の一例を示す構成図
1 有機金属化合物の供給源
2 窒素の供給源
3 水素の供給源
4 アンモニアの供給源
5 気化器
6 窒素精製装置
7 水素精製装置
8 アンモニア精製装置
9 気相成長装置
10 フィルター
11 ガス圧縮機
12 水分除去装置
13 ヒートポンプ式冷却機
14 圧力調整装置
15 液体アンモニア貯蔵槽
16 ガス混合器
17 外部へのガス放出ライン
18 冷媒送液器
19 膨張弁
20 凝縮弁
21 熱交換器
22 液体アンモニア槽
23 液体アンモニア
24 アンモニア回収装置
25 基板ホルダー
26 サセプタ
27 サセプタの対面
28 ヒータ
29 反応炉
30 原料ガス導入部
31 反応ガス排出部
32 原料ガス配管
33 冷媒を流通する流路
34 サセプタ回転板

Claims (6)

  1. 窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、及び窒素を含む排ガスを、加圧処理及び水分除去手段による除去処理を行なった後、冷媒として液化対象と同一のアンモニアを用いたヒートポンプによる冷却処理を行なうことにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して水素及び窒素と分離し、アンモニアを回収する方法であって、加圧処理の後及び冷却処理の前に、加圧下で排ガスに含まれる水分を水分除去手段としての凝縮器により除去することを特徴とするアンモニアの回収方法。
  2. 水分除去手段は、吸着剤を併用する請求項1に記載のアンモニアの回収方法。
  3. 水分除去手段が4〜10Å相当の細孔径を有する合成ゼオライトである請求項2に記載のアンモニアの回収方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のアンモニアの回収方法により窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から回収された液体アンモニアを気化し、気化された該アンモニアを前記の窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給することを特徴とするアンモニアの再利用方法。
  5. 窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から回収された液体アンモニアを気化し、気化された該アンモニアに含まれる水分を別の水分除去手段により除去してから前記の窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給する請求項4に記載のアンモニアの再利用方法。
  6. 別の水分除去手段が4〜10Å相当の細孔径を有する合成ゼオライトである請求項5に記載のアンモニアの再利用方法。
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