JP2016150926A - メチルアミン精製装置およびメチルアミン精製方法 - Google Patents

メチルアミン精製装置およびメチルアミン精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低沸点不純物と水とが不純物として含有された粗メチルアミンから、簡単化された方法で、不純物を除去することができるメチルアミン精製装置およびメチルアミン精製方法を提供する。
【解決手段】 メチルアミン精製装置100において、制御手段5は、第2バルブ631および第3バルブ641を閉鎖させた状態で第1バルブ611を開放させることで、貯留タンク1における粗メチルアミンからの低沸点不純物の排出動作の制御を行い、第1バルブ611を閉鎖させた後に第2バルブ631および第3バルブ641を開放させることで、排出動作後の吸着手段2における水分の吸着除去動作の制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メチルアミン精製装置およびメチルアミン精製方法に関する。
半導体製造工程においては、窒化物皮膜の作製などにおいて、処理剤として高純度のメチルアミンが利用されている。このような高純度のメチルアミンは、粗メチルアミンを精製して不純物を除去することにより得られる。
粗メチルアミン中には、水分、ならびに水素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンなどの低沸点ガスが不純物として含まれている。
半導体製造工程におけるメチルアミンが用いられる工程の種類によって、メチルアミン中の不純物の影響の度合いは異なるが、特に水分や酸素は半導体製造工程において膜中に酸素原子が取り込まれる要因となり、光学特性および電気特性に悪影響を与えることが知られている。したがって、メチルアミンの純度としては、水分と酸素の濃度がそれぞれ10vppm以下、より好ましくは1vppm以下であることが求められる。
粗メチルアミン中に含まれる不純物を除去する方法としては、シリカゲル、合成ゼオライト、活性炭などの吸着剤を用いて不純物を吸着除去する方法、不純物を蒸留除去する方法が知られている。
たとえば、特許文献1には、メチルアミンを溶解可能な非極性溶媒の存在下、ゼオライトを用い、操作温度40℃ないしメチルアミンの沸点以下の加熱下で脱水を行うことを特徴とするメチルアミンの脱水精製法が開示されている。
特開平7−278064号公報
特許文献1においては、メチルアミンを溶解可能な非極性溶媒に溶解させ、ゼオライトを用いて水分の吸着除去を行っているが、この方法は、液体状のメチルアミンを取り扱うことを前提としており、気体状のメチルアミンには適用しづらい。また、メチルアミンと溶媒とを分離する、あるいはメチルアミンよりも低沸点の不純物を除去するためには、たとえば蒸留などの操作を必要とするため効率的ではない。
本発明の目的は、メチルアミンよりも沸点の低い水素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンのいずれかを含む低沸点不純物と水とが含有された粗メチルアミンから、簡単化された方法で、不純物を除去することができるメチルアミン精製装置およびメチルアミン精製方法を提供することである。
本発明は、メチルアミンよりも沸点の低い低沸点不純物と水とを含む粗メチルアミンを精製するメチルアミン精製装置であって、
粗メチルアミンの一部を凝縮させる凝縮処理によって、粗メチルアミン中の前記低沸点不純物を分離除去する低沸点不純物除去手段と、
前記低沸点不純物除去手段による前記凝縮処理後の気体状の粗メチルアミンを吸着剤と接触させる吸着処理によって、該凝縮処理後の粗メチルアミン中の前記水を吸着除去する吸着除去手段と、を含むことを特徴とするメチルアミン精製装置である。
また本発明のメチルアミン精製装置において、前記低沸点不純物は、少なくとも水素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンのいずれかを含むことを特徴とする。
また本発明のメチルアミン精製装置において、前記吸着剤は、合成ゼオライトであることを特徴とする。
また本発明のメチルアミン精製装置において、前記合成ゼオライトは、細孔径3Åまたは細孔径4Åのいずれかの細孔を有する多孔質体であることを特徴とする。
また本発明のメチルアミン精製装置において、前記凝縮処理は、温度が−3〜30℃であり、圧力が0.02〜0.30MPaGである条件下で行われ、
前記吸着処理は、温度が0〜60℃であり、圧力が0.03〜1.00MPaGである条件下で行われることを特徴とする。
また本発明のメチルアミン精製装置において、前記メチルアミンは、モノメチルアミン、ジメチルアミン、およびトリメチルアミンから選ばれることを特徴とする。
また本発明のメチルアミン精製装置は、前記吸着剤に吸着された吸着物を、アンモニアガスの気流下で、該吸着剤から脱離させる脱離処理を行う脱離手段を、さらに含むことを特徴とする。
また本発明は、メチルアミンよりも沸点の低い低沸点不純物と水とを含む粗メチルアミンを精製するメチルアミン精製方法であって、
粗メチルアミンの一部を凝縮させる凝縮処理によって、粗メチルアミン中の前記低沸点不純物を分離除去する低沸点不純物除去工程と、
前記低沸点不純物除去工程での前記凝縮処理後の気体状の粗メチルアミンを吸着剤と接触させる吸着処理によって、該凝縮処理後の粗メチルアミン中の前記水を吸着除去する吸着除去工程と、を含むことを特徴とするメチルアミン精製方法である。
本発明によれば、メチルアミン精製装置は、メチルアミンよりも沸点の低い低沸点不純物(少なくとも水素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンのいずれかを含む)と水とを含む粗メチルアミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、およびトリメチルアミンから選ばれる)を精製する装置であり、低沸点不純物除去手段と吸着除去手段とを含む。低沸点不純物除去手段は、粗メチルアミンの一部を凝縮させる凝縮処理によって、粗メチルアミン中の前記低沸点不純物を分離除去する。すなわち、低沸点不純物除去手段は、凝縮処理によって粗メチルアミンを気相成分と液相成分とに分離し、粗メチルアミン中の低沸点不純物を気相成分として分離除去する。そして、吸着除去手段は、低沸点不純物除去手段による凝縮処理後の気体状の粗メチルアミンを吸着剤と接触させる吸着処理によって、該凝縮処理後の粗メチルアミン中の水を吸着除去する。
本発明のメチルアミン精製装置において、低沸点不純物除去手段が粗メチルアミン中の低沸点不純物を分離除去し、吸着除去手段が粗メチルアミン中の水分を吸着除去するので、従来技術のように、メチルアミンを溶解可能な非極性溶媒に溶解させる必要がない。そのため、メチルアミンと溶媒とを分離する、たとえば蒸留などの操作を必要としない。したがって、本発明のメチルアミン精製装置は、メチルアミンよりも沸点の低い水素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンを含む低沸点不純物と水とが不純物として含有された粗メチルアミンから、簡単化された方法で、不純物を除去することができる。
また本発明によれば、吸着除去手段において用いられる吸着剤は、合成ゼオライトである。この合成ゼオライトは、細孔径3Åまたは細孔径4Åのいずれかの細孔を有する多孔質体である。これによって、粗メチルアミン中に含有される水分を、効率よく吸着除去することができる。
また本発明によれば、低沸点不純物除去手段において凝縮処理は、温度が−3〜30℃であり、圧力が0.02〜0.30MPaGである条件下で行われるので、粗メチルアミン中に含有される低沸点不純物を、効率よく分離除去することができる。また、吸着除去手段において吸着処理は、温度が0〜60℃であり、圧力が0.03〜1.00MPaGである条件下で行われるので、粗メチルアミン中に含有される水分を、効率よく吸着除去することができる。
また本発明によれば、メチルアミン精製装置は、脱離手段をさらに含む。この脱離手段は、吸着除去手段の吸着剤に吸着された吸着物を、アンモニアガスの気流下で、該吸着剤から脱離させる脱離処理を行う。アンモニアガスは、水との親和性が高いので、アンモニアガスの気流下で脱離処理を行うことによって、吸着剤から吸着物(主として水分)を効率よく脱離させることができ、このようにして吸着剤を再利用可能にすることができる。
また本発明によれば、メチルアミン精製方法は、メチルアミンよりも沸点の低い低沸点不純物と水とを含む粗メチルアミンを精製する方法であり、低沸点不純物除去工程と吸着除去工程とを含む。低沸点不純物除去工程では、粗メチルアミンの一部を凝縮させる凝縮処理によって、粗メチルアミン中の前記低沸点不純物を分離除去する。すなわち、低沸点不純物除去工程では、凝縮処理によって粗メチルアミンを気相成分と液相成分とに分離し、粗メチルアミン中の低沸点不純物を気相成分として分離除去する。そして、吸着除去工程では、低沸点不純物除去工程で凝縮処理後の気体状の粗メチルアミンを吸着剤と接触させる吸着処理によって、該凝縮処理後の粗メチルアミン中の水を吸着除去する。
本発明のメチルアミン精製方法において、低沸点不純物除去工程で粗メチルアミン中の低沸点不純物を分離除去し、吸着除去工程で粗メチルアミン中の水分を吸着剤により吸着除去するので、従来技術のように、メチルアミンを溶解可能な非極性溶媒に溶解させる必要がない。そのため、メチルアミンと溶媒とを分離する、たとえば蒸留などの操作を必要としない。したがって、本発明のメチルアミン精製方法は、簡単化された方法で、低沸点不純物と水とが不純物として含有された粗メチルアミンから不純物を除去することができる。
本発明の一実施形態に係るメチルアミン精製装置100の構成を示す図である。 メチルアミン精製装置100の構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るメチルアミン精製装置100の構成を示す図である。また図2は、メチルアミン精製装置100の構成を示すブロック図である。本実施形態のメチルアミン精製装置100は、半導体製造工程において窒化物皮膜の作製などに用いる処理剤として利用可能となるように、不純物が含まれる液体状の粗メチルアミンを精製し、高純度のメチルアミンを得るための装置である。メチルアミンとしては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンが挙げられる。
ここで、高純度のメチルアミンが利用される半導体製造工程について、4つの例を挙げて説明する。
まず、第1の例では、高純度のメチルアミンは、III−V族窒化物半導体の製造時に利用される。GaN(窒化ガリウム)、AlN(窒化アルミニウム)、InN(窒化インジウム)とその3元混晶Al(1-x)GaxN(0<x<1)(以下、「AlGaN」という)、In(1-x)GaxN(0<x<1)(以下、「InGaN」という)、In(1-x)AlxN(0<x<1)(以下、「AlInN」という)や4元混晶In(1-x-y)AlxGayN(0<x<1、0<y<1、x+y<1)(以下、「InAlGaN」という)で構成されるIII−V族窒化物半導体は、青色、白色発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、青紫色レーザー(Laser Diode:LD)などに利用されている。
これらのIII−V族窒化物半導体は、従来からOMVPE(Organometallic Vapor Phase Epitaxy:有機金属気相成長)法などの気相成長法により製造されている。たとえばOMVPE法では、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)などのIII族元素と、N(窒素)などのV族元素とを供給する必要がある。Al、Ga、In等のIII族元素の供給源としては、たとえば、適度の蒸気圧あるいは昇華性を有する、トリメチルガリウム((CHGa:TMG)、トリメチルインジウム((CHIn:TMI)、トリメチルアルミニウム((CHAl:TMA)などのトリアルキル化合物が用いられている。
V族元素である窒素(N)の供給源としては、メチルアミンが利用される。
次に、第2の例では、高純度のメチルアミンは、P型ドーパントを含む窒化ガリウム系半導体の製造時に利用される。半導体レーザ、発光ダイオード等の半導体光素子などの電子デバイスに利用される、P型ドーパントを含む窒化ガリウム系半導体を製造するに際し、P型窒化ガリウム系半導体層を含む積層構造を成長させた後に、この積層構造の冷却が行われる。積層構造の冷却は、解離により水素を放出しない窒素原料の雰囲気中で行われるが、この冷却時の窒素原料として、メチルアミンが利用される。
次に、第3の例では、高純度のメチルアミンは、GaAs単結晶鏡面ウエハの製造時に利用される。GaAs単結晶鏡面ウエハを製造するに際し、ウエハ表面の加工ダメージ層を研磨除去した後に、その表面層に形成された酸化膜や有機物汚染膜などの表面膜をエッチング除去する。この酸化膜や有機物汚染膜などの表面膜をエッチング除去するときのエッチング液の構成成分として、メチルアミンが利用される。
次に、第4の例では、高純度のメチルアミンは、樹脂フィルム層と金属層とから成る積層体の製造時に利用される。フレキシブルプリント配線板、TAB(Tape Automated Bonding)、COF(Chip on Film)実装用に使用される、絶縁性を有する樹脂フィルム層(特に、非熱可塑性ポリイミドフィルム層)と、剛性付与および導電回路を担う金属層とから成る積層体において、樹脂フィルム層のウエットエッチング加工時にエッチング液が使用される。この樹脂フィルム層のウエットエッチング加工時のエッチング液の構成成分として、メチルアミンが利用される。
本実施形態のメチルアミン精製装置100は、上記に例示した半導体製造工程において利用される高純度のメチルアミンを得るための精製装置である。
本実施形態のメチルアミン精製装置100は、メチルアミンよりも沸点の低い低沸点不純物と水とを含む液体状の粗メチルアミンを精製する装置である。液体状の粗メチルアミンに含有される低沸点不純物は、少なくとも水素、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンのいずれかを含む。すなわち、液体状の粗メチルアミン中には、メチルアミンよりも沸点の低い水素、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンを含む低沸点不純物と、メチルアミンよりも沸点の高い水とが含有されている。
メチルアミン精製装置100は、低沸点不純物除去手段として機能する貯留タンク1と、吸着除去手段として機能する吸着手段2と、コンデンサ3と、回収タンク4と、制御手段5とを含んで構成される。また、メチルアミン精製装置100は、本発明に係るメチルアミン精製方法を実現し、貯留タンク1および制御手段5で低沸点不純物除去工程を実行し、吸着手段2および制御手段5で吸着除去工程を実行する。
貯留タンク1は、該貯留タンク1内に充填された気体状の粗メチルアミンの一部を凝縮させる凝縮処理によって、粗メチルアミン中の低沸点不純物を分離除去する。すなわち、貯留タンク1は、凝縮処理によって粗メチルアミンを気相成分と液相成分とに分離して、粗メチルアミン中の低沸点不純物を気相成分として分離除去し、液体状の粗メチルアミンを液相成分として貯留する。
貯留タンク1について、より具体的に説明すると、貯留タンク1は粗メチルアミンを貯留するものであり、貯留タンク1が液体状の粗メチルアミンを貯留した状態で、貯留タンク1の上部には気相が形成され、下部には液相が形成されている。貯留タンク1は、気相を形成するように液体状の粗メチルアミンを貯留することで、粗メチルアミンに含まれる低沸点不純物を気相に分配して、該低沸点不純物を気相成分として分離除去する。
本実施形態において、貯留タンク1に貯留される液体状の粗メチルアミンは、純度98.5〜99.0重量%程度である。液体状の粗メチルアミンにおいて、不純物含有濃度は、たとえば、水素が0.01〜1.00vol.ppmであり、酸素が0.10〜50.0vol.ppmであり、窒素が1.00〜2000vol.ppmであり、一酸化炭素が0.01〜0.10vol.ppmであり、二酸化炭素が0.01〜0.10vol.ppmであり、メタンが0.01〜0.10vol.ppmであり、水が1000〜10000vol.ppmである。
貯留タンク1は、耐圧性および耐腐食性を有する保温容器であれば特に制限されるものではない。この貯留タンク1は、粗メチルアミンを液体状のメチルアミンとして貯留し、温度および圧力が一定条件となるように、制御手段5の稼動条件制御部5bにより制御されている。具体的には、貯留タンク1は、温度が−3〜30℃に制御され、圧力が0.02〜0.30MPaG(ゲージ圧)に制御されている。
本実施形態では、貯留タンク1において低沸点不純物が分離除去された後の粗メチルアミンは、吸着手段2に向けて導出される。貯留タンク1から吸着手段2にメチルアミンを導出する際には、貯留タンク1の上部に形成される気相から気体状のメチルアミンとして導出する。貯留タンク1において、気体状の粗メチルアミンを含む気相を、吸着手段2に向けて導出させる方法としては、貯留タンク1の気相と吸着手段2との圧力差を利用する方法を適用することができる。具体的には、メチルアミンとしてモノメチルアミンを用いる場合、貯留タンク1において、気体状の粗メチルアミンを含む気相は、たとえば、貯留タンク1が35℃に加温され、モノメチルアミンの蒸気圧である0.40MPaGから、0.00〜0.10MPaGの圧力下に制御された吸着手段2へ、線速度0.2Nm/sの条件で導出される。
貯留タンク1には、第1流路開閉手段として機能する第1バルブ611が設けられた第1流路配管61と、第2流路配管62とが接続されている。第1流路配管61は、貯留タンク1の気相と外部とを連通し、低沸点不純物が分配された気相を貯留タンク1の外部に排出する流路となる。また、第1流路配管61に設けられた第1バルブ611は、第1流路配管61における流路を開放または閉鎖する。第2流路配管62は、貯留タンク1から導出された気体状のメチルアミンを含む気相が吸着手段2に向けて流過する流路となる。
制御手段5の流路開閉制御部5aは、後述の第2バルブ631および第3バルブ641を閉鎖させた状態で第1バルブ611を開放させることで、貯留タンク1における粗メチルアミンからの低沸点不純物の排出動作の制御を行う。
吸着手段2は、貯留タンク1において低沸点不純物が除去された後に、貯留タンク1から導出された気体状のメチルアミンを含む気相(以下、「一次精製メチルアミン」という)を吸着剤と接触させる吸着処理によって、一次精製メチルアミン中の水を吸着除去する。本実施形態では、吸着手段2は、複数の吸着部である第1吸着塔21および第2吸着塔22を含んで構成される。
第1吸着塔21および第2吸着塔22は、中空の内部空間を有し、その内部空間に、水分に対する吸着能を有する吸着剤が充填されている。第1吸着塔21および第2吸着塔22に充填される吸着剤としては、細孔径が均一な細孔を有する多孔質体である合成ゼオライトを挙げることができる。
合成ゼオライトの中でも、メチルアミンを吸着せずに不純物である水を吸着するという吸着選択性に優れているという観点から、細孔径3Åまたは細孔径4Åのいずれかの細孔を有する合成ゼオライトが好ましい。なお、細孔径3Åの細孔を有する合成ゼオライトとしては、モレキュラーシーブ(以下、「MS」と表記する)−3Aを挙げることができ、細孔径4Åの細孔を有する合成ゼオライトとしては、MS−4Aを挙げることができる。
また、本実施形態において、第1吸着塔21および第2吸着塔22は、脱離手段としての機能も有する。第1吸着塔21および第2吸着塔22は、脱離手段として機能する場合、内部空間に充填された吸着剤に吸着された吸着物(主として水分)を、アンモニアガスの気流下で、該吸着剤から脱離させる脱離処理を行う。
第1吸着塔21および第2吸着塔22に充填された吸着剤は、アンモニアガスの気流下で加熱、または加熱および減圧の脱離処理によって、吸着した吸着物(主として水分)を脱離させて再生することができる。たとえば、加熱による脱離処理によって吸着剤に吸着した吸着物(主として水分)を脱離させる場合には、200〜350℃の温度下で加熱するようにすればよい。なお、加熱および減圧条件下で脱離処理を行う場合には、圧力は、たとえば0.1kPa〜10.0kPaに設定される。また、脱離処理において、第1吸着塔21および第2吸着塔22における線速度(リニアベロシティ)は、たとえば、1.2Ncm/sに設定される。
アンモニアガスは、水との親和性が高いので、アンモニアガスの気流下で脱離処理を行うことによって、吸着剤から吸着物(主として水分)を効率よく脱離させることができ、このようにして吸着剤を再利用可能にすることができる。
吸着剤からの吸着物の脱離処理に用いられるアンモニアガスの純度としては、特に限定されないが、吸着剤からの吸着物の脱離効率の観点から、純度99.9vol.%以上の高純度アンモニアを用いることが好ましい。なお、アンモニアはメチルアミンよりも沸点が低いので、吸着剤からの吸着物の脱離処理に用いたアンモニアが、メチルアミン中に混入した場合であっても、後述のコンデンサ3による気体状のメチルアミンを凝縮して液体状のメチルアミンとして回収するときに、アンモニアを分離除去することが可能である。
本実施形態のメチルアミン精製装置100において、第1吸着塔21および第2吸着塔22は、水分に対する吸着能を有する吸着剤により、貯留タンク1から導出された気体状の一次精製メチルアミンに含まれる水分を吸着除去する。さらに、水分に対する吸着能を有する吸着剤により、気体状の一次精製メチルアミンに含まれる水分を吸着除去することによって、第1吸着塔21および第2吸着塔22に供給される一次精製メチルアミンに含まれる水分の量比が変動する場合であっても、後述する分析手段53による分析結果に基づいて、第1吸着塔21および第2吸着塔22の破過の管理を簡単に実施することができる。
また、細孔径3Åの細孔を有するMS−3A、および細孔径4Åの細孔を有するMS−4Aは、メチルアミンを吸着せずに水を吸着するという吸着選択性に優れているので、MS−3AまたはMS−4Aを吸着剤として用いることによって、貯留タンク1から導出された気体状の一次精製メチルアミンに不純物として含有される水分を、効率よく吸着除去することができる。
なお、第1吸着塔21および第2吸着塔22において、MS−3AまたはMS−4Aと、MS−3AおよびMS−4A以外のその他の吸着剤とを組合せて用いることができるが、MS−3AまたはMS−4Aのみを用いるのが好ましい。その他の吸着剤としては、水分および炭化水素に対する吸着能に優れる合成ゼオライトである、MS−5A(細孔径5Åの細孔を有する多孔質体)、MS−13X(細孔径9Åの細孔を有する多孔質体)などを挙げることができる。
本実施形態のメチルアミン精製装置100において、第1吸着塔21および第2吸着塔22は、制御手段5の稼動条件制御部5bにより、温度が0〜60℃に制御され、圧力が0.03〜1.00MPaG(ゲージ圧)に制御される。第1吸着塔21および第2吸着塔22の温度が0℃ 未満の場合には、不純物の吸着除去時に発生する吸着熱を除去する冷却が必要となってエネルギ効率が低下するおそれがある。第1吸着塔21および第2吸着塔22の温度が60℃を超える場合には、吸着剤による不純物の吸着能が低下するおそれがある。また、第1吸着塔21および第2吸着塔22の圧力が0.03MPaG未満の場合には、吸着剤による不純物の吸着能が低下するおそれがある。第1吸着塔21および第2吸着塔22の圧力が1.00MPaGを超える場合には、一定圧力に維持するために多くのエネルギが必要となり、エネルギ効率が低下するおそれがある。
また、第1吸着塔21および第2吸着塔22における線速度(リニアベロシティ)は、単位時間あたりに気体状の一次精製メチルアミンを、各吸着塔21,22に供給する量をNTPでのガス体積に換算し、各吸着塔21,22の空塔断面積で除算して求めた値である。この線速度の範囲が、0.1〜5.0Nm/sであることが好ましい。線速度が0.1Nm/s未満の場合には、不純物の吸着除去に長時間を要するので好ましくなく、線速度が5.0Nm/sを超える場合には、不純物の吸着除去時に発生する吸着熱の除去が充分に行われずに、吸着剤による不純物の吸着能が低下するおそれがある。
本実施形態では、貯留タンク1から導出された気体状の一次精製メチルアミンが流過する第2流路配管62には、第2流路配管62から分岐する第3流路配管63および第4流路配管64が接続される。
第3流路配管63は、第2流路配管62から分岐して第1吸着塔21の塔頂部に接続される。この第3流路配管63には、第3流路配管63における流路を開放または閉鎖する第2バルブ631が設けられている。第4流路配管64は、第2流路配管62から分岐して第2吸着塔22の塔頂部に接続される。この第4流路配管64には、第4流路配管64における流路を開放または閉鎖する第3バルブ641が設けられている。すなわち、本実施形態において第1吸着塔21と第2吸着塔22とは、第2流路配管62に並列接続されている。なお、第3流路配管63は、第2流路配管62から分岐して第1吸着塔21の塔底部に接続されるようにしてもよく、同様に、第4流路配管64は、第2流路配管62から分岐して第2吸着塔22の塔底部に接続されるようにしてもよく、この場合には、貯留タンク1から導出された気体状の一次精製メチルアミンが、塔底部から導入される。
貯留タンク1から導出された気体状の一次精製メチルアミンの第1吸着塔21への供給時には、制御手段5の流路開閉制御部5aは、第2バルブ631を開放させ、第3バルブ641を閉鎖させる。これによって、貯留タンク1から第1吸着塔21に向けて第3流路配管63内を気体状の一次精製メチルアミンが流過する。また、貯留タンク1から導出された気体状の一次精製メチルアミンの第2吸着塔22への供給時には、制御手段5の流路開閉制御部5aは、第3バルブ641を開放させ、第2バルブ631を閉鎖させる。これによって、貯留タンク1から第2吸着塔22に向けて第4流路配管64内を気体状の一次精製メチルアミンが流過する。
このように、吸着手段2が、並列接続される第1吸着塔21および第2吸着塔22を有することによって、貯留タンク1から導出された気体状の一次精製メチルアミンを、並列接続される第1吸着塔21および第2吸着塔22のそれぞれに、導入することができるので、たとえば、第1吸着塔21で吸着除去している間に、第2吸着塔22の吸着剤を再生処理(吸着剤からの吸着物の脱離処理)することができる。
第1吸着塔21の塔底部には、第5流路配管65が接続されている。この第5流路配管65には、第5流路配管65における流路を開放または閉鎖する第4バルブ651が設けられている。また、第5流路配管65には第7流路配管67が接続されている。第4バルブ651が開放されることによって、第1吸着塔21から気体状のメチルアミンが導出されて第5流路配管65を流過し、第7流路配管67に導入される。
第2吸着塔22の塔底部には、第6流路配管66が接続されている。この第6流路配管66には、第6流路配管66における流路を開放または閉鎖する第5バルブ661が設けられている。また、第6流路配管66には第7流路配管67が接続されている。第5バルブ661が開放されることによって、第2吸着塔22から気体状のメチルアミンが導出されて第6流路配管66を流過し、第7流路配管67に導入される。
第7流路配管67に導入されて、該第7流路配管67を流過した気体状のメチルアミンは、第7流路配管67に接続される第8流路配管68に導入される。この第8流路配管68は、第9流路配管69の中央部に接続されている。第8流路配管68に導入されて、該第8流路配管68を流過した気体状のメチルアミンは、第9流路配管69に導入される。
中央部に第8流路配管68が接続された第9流路配管69は、一端部が分析時回収用コンデンサ51を介して貯留タンク1に接続され、他端部がフィルタ52を介してコンデンサ3に接続されている。この第9流路配管69には、第8流路配管68との接続部に対してコンデンサ3側に第6バルブ691が設けられ、分析時回収用コンデンサ51側に第7バルブ692が設けられている。また、第9流路配管69には、第6バルブ691と第7バルブ692との間に、第9流路配管69から分岐する第11流路配管71が接続されている。この第11流路配管71には、第8バルブ711が設けられ、分析手段53が接続されている。
分析手段53は、吸着手段2から導出された気体状のメチルアミンに含まれる不純物の濃度を分析する。本実施形態では、分析手段53は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)531と、ガスクロマトグラフ分析装置(GC−PDD:パルス放電型検出器)532とを含む。フーリエ変換赤外分光光度計531としては、たとえば、IG−1000(大塚電子社製)を挙げることができ、ガスクロマトグラフ分析装置532としては、たとえば、GC−4000(ジーエルサイエンス株式会社製)を挙げることができる。フーリエ変換赤外分光光度計531は、吸着手段2から導出された気体状のメチルアミン中の水分の濃度を分析し、ガスクロマトグラフ分析装置532は、吸着手段2から導出された気体状のメチルアミン中の水素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素およびメタンの濃度を分析する。
本実施形態のメチルアミン精製装置100では、フーリエ変換赤外分光光度計531による水分濃度の分析結果に基づいて、吸着手段2の第1吸着塔21および第2吸着塔22の破過管理が行われる。フーリエ変換赤外分光光度計531による水分濃度の分析結果が、1.00ppm以上である場合には、第1吸着塔21および第2吸着塔22が破過していると判断され、1.00ppm未満である場合には、第1吸着塔21および第2吸着塔22が破過していないと判断される。
また、ガスクロマトグラフ分析装置532による低沸点不純物濃度の分析結果が、低沸点不純物が十分に除去されていないことを示す結果である場合には、吸着手段2から導出された気体状のメチルアミンを貯留タンク1に戻すようにしてもよい。
制御手段5の流路開閉制御部5aは、分析手段53による分析時には、第6バルブ691を閉鎖させた状態で、第7バルブ692および第8バルブ711を開放させる。これによって、吸着手段2から導出された気体状のメチルアミンは、その一部が第11流路配管71を流過して分析手段53に導入され、残部が第9流路配管69を流過して分析時回収用コンデンサ51に導入されて凝縮され、貯留タンク1に戻される。なお、分析時回収用コンデンサ51および分析手段53の稼動条件は、制御手段5の稼動条件制御部5bにより制御される。
また、制御手段5の流路開閉制御部5aは、分析手段53による分析が終了し、その分析結果が、吸着手段2の第1吸着塔21および第2吸着塔22が破過していないことを示す結果である場合には、第7バルブ692および第8バルブ711を閉鎖させた状態で、第6バルブ691を開放させる。これによって、吸着手段2から導出された気体状のメチルアミンは、第9流路配管69を流過し、フィルタ52を介してコンデンサ3に導入される。
フィルタ52は、吸着手段2から導出された気体状のメチルアミンに含まれる重金属を除去する。本実施形態では、フィルタ52は、ポリプロピレン(PP)製の5μmフィルタと、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)/PP製の0.01μmフィルタとが直列に接続された2層構造を有する。なお、図1では、第9流路配管69に1つのフィルタ52を設ける構成を示したが、この構成に限定されるものではなく、複数のフィルタ52を第9流路配管69に並列に接続するようにしてもよい。たとえば、2つのフィルタ52を第9流路配管69に並列に接続する構成とした場合、吸着手段2から導出された気体状のメチルアミンに含まれる重金属を、一方のフィルタ52でろ過分離除去している間に、使用済みの他のフィルタ52の交換作業を行うことができる。
第9流路配管69を流過してフィルタ52を通過した気体状のメチルアミンは、コンデンサ3に導入される。
コンデンサ3は、貯留タンク1で低沸点不純物が分離除去され、吸着手段2で水分が吸着除去され、フィルタ52で重金属がろ過分離除去された精製後の気体状のメチルアミンを凝縮して、液体状のメチルアミンとして回収する。コンデンサ3により凝縮されて回収された液体状のメチルアミンは、第10流路配管70を介して回収タンク4に導入され、この回収タンク4に貯留される。コンデンサ3および回収タンク4における温度などの稼動条件は、制御手段5の稼動条件制御部5bにより制御される。
また、液体状のメチルアミンを貯留する回収タンク4は、前述の貯留タンク1と同様に、気相を形成するように液体状のメチルアミンを貯留することで、液体状のメチルアミンに含まれる低沸点不純物を気相に分配して、低沸点不純物を気相成分として分離除去し、該低沸点不純物を回収タンク4から外部に排出可能に構成されていてもよい。これによって、たとえば、ガスクロマトグラフ分析装置532による低沸点不純物濃度の分析結果が、低沸点不純物が十分に除去されていないことを示す結果である場合であっても、回収タンク4において、液体状のメチルアミンから低沸点不純物を除去することができる。
以上のように構成される本実施形態のメチルアミン精製装置100、および該メチルアミン精製装置100で実行されるメチルアミン精製方法によれば、メチルアミンよりも沸点の低い低沸点不純物(水素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンを含む)と水とを含む不純物が含有される粗メチルアミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、およびトリメチルアミンから選ばれる)を精製する。
メチルアミン精製装置100において、制御手段5は、第2バルブ631および第3バルブ641を閉鎖させた状態で第1バルブ611を開放させることで、貯留タンク1における粗メチルアミンからの低沸点不純物の排出動作の制御を行い、第1バルブ611を閉鎖させた後に第2バルブ631および第3バルブ641を開放させることで、排出動作後の吸着手段2における水分の吸着除去動作の制御を行う。このようにして、メチルアミン精製装置100では、貯留タンク1において粗メチルアミン中の低沸点不純物が分離されて排出され、吸着手段2において粗メチルアミン中の水分が吸着剤により吸着除去されるので、従来技術のように、メチルアミンを溶解可能な非極性溶媒に溶解させる必要がない。そのため、メチルアミンと溶媒とを分離する、たとえば蒸留などの操作を必要としない。したがって、本実施形態のメチルアミン精製装置100は、メチルアミンよりも沸点の低い水素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンを含む低沸点不純物と水とが不純物として含有された粗メチルアミンから、簡単化された方法で、不純物を除去することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
<粗メチルアミン>
貯留タンクに貯留する粗メチルアミンとして、その気相が表1に示す不純物濃度を示す液体状の粗モノメチルアミンを用いた。なお、不純物濃度は、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素、および水素濃度については、ガスクロマトグラフ分析装置(GC−4000、ジーエルサイエンス株式会社製)で分析し、水分濃度については、フーリエ変換赤外分光光度計(IG−1000、大塚電子社製)で分析した。
Figure 2016150926
(実施例1)
図1に示したメチルアミン精製装置100を用いて、粗モノメチルアミンの精製を行った。まず、第1バルブ611、第2バルブ631および第3バルブ641を閉鎖させた状態で、貯留タンク1において温度30℃、圧力0.30MPaGの条件下で粗モノメチルアミンからの低沸点不純物除去処理を行った。その後、第1バルブ611を開放させて貯留タンク1から低沸点不純物を含む気相を排出させる操作を行った。次に、第1バルブ611を閉鎖させ、貯留タンク1において温度30℃、圧力0.30MPaGの条件下で粗モノメチルアミンの低沸点不純物除去処理を行った後、第1バルブ611を開放させて貯留タンク1から低沸点不純物を含む気相を排出させた。この操作を4回繰り返し、貯留タンク1から低沸点不純物を含む気相を排出させる操作を合計5回実施した。次いで、第1バルブ611および第3バルブ641を閉鎖させ、第2バルブ631を開放させた状態で、貯留タンク1において温度30℃、圧力0.30MPaGの条件に設定することによって、貯留タンク1から導出された気体状のモノメチルアミンを含む気相を、合成ゼオライトMS−3Aが充填された円筒管状の第1吸着塔21(長さ100cm、内径3cm)に、温度25℃、圧力0.10MPaG、線速度0.2Nm/sの条件下で通過させた。このようにして第1吸着塔21を通過した後の気体状のモノメチルアミンについて、不純物濃度を分析した。分析結果を表2に示す。
なお、合成ゼオライトMS−3Aは、純度99.9vol.%のアンモニアガスの気流下、温度250℃、圧力0.00MPaG、線速度1.2Ncm/sの条件下で、24時間再生処理(吸着剤からの吸着物の脱離処理)を、予め実施したものを用いた。
(比較例1)
貯留タンク1から低沸点不純物を含む気相を排出させる操作を行わず、第1バルブ611および第3バルブ641を閉鎖させ、第2バルブ631を開放させた状態で、貯留タンク1において温度30℃、圧力0.30MPaGの条件に設定することによって、貯留タンク1から導出された気体状のモノメチルアミンを含む気相を、合成ゼオライトMS−3Aが充填された円筒管状の第1吸着塔21(長さ100cm、内径3cm)に、温度25℃、圧力0.10MPaG、線速度0.2Nm/sの条件下で通過させた。このようにして第1吸着塔21を通過した後の気体状のモノメチルアミンについて、不純物濃度を分析した。分析結果を表2に示す。
(比較例2)
貯留タンク1から低沸点不純物を含む気相を排出させる操作を実施例1と同様に行った。次いで、実施例1と同じ条件下で、貯留タンク1から導出された気体状のモノメチルアミンを含む気相を、吸着剤が充填されていない第1吸着塔に通過させた。このようにして第1吸着塔を通過した後の気体状のモノメチルアミンについて、不純物濃度を分析した。分析結果を表2に示す。
Figure 2016150926
表2の結果から明らかなように、貯留タンク1における第1バルブ611の開閉動作を行った後に、第1吸着塔による吸着除去動作を行った実施例1のメチルアミンの精製方法では、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素、水素などの低沸点不純物、および、水分の濃度が低減されている。これは、実施例1のメチルアミンの精製方法では、第1バルブ611の開閉動作によって、貯留タンク1の気相から低沸点不純物を排出し、粗モノメチルアミンから低沸点不純物を除去することができ、さらに、第1吸着塔によって粗モノメチルアミンから水分を吸着除去することができたためである。
これに対して、比較例1のメチルアミンの精製方法では、水分の濃度が低減されているものの、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素、水素などの低沸点不純物の濃度が充分に低減されていない。これは、比較例1のメチルアミンの精製方法では、貯留タンク1から低沸点不純物を含む気相を排出させる操作を行わなかったので、粗モノメチルアミンから低沸点不純物を除去することができなかったためである。
また、比較例2のメチルアミンの精製方法では、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素、水素などの低沸点不純物の濃度が低減されているものの、水分の濃度が上昇した。これは、比較例2のメチルアミンの精製方法では、第1吸着塔に吸着剤を充填していないので、吸着剤によって粗モノメチルアミンから水分の吸着除去をすることができず、さらにメチルアミンと水分の親和性が高いことによって、配管中の水分を持ち出したためである。
1 貯留タンク
2 吸着手段
3 コンデンサ
4 回収タンク
21 第1吸着塔
22 第2吸着塔
51 分析時回収用コンデンサ
52 フィルタ
53 分析手段
61 第1流路配管
62 第2流路配管
63 第3流路配管
64 第4流路配管
65 第5流路配管
66 第6流路配管
67 第7流路配管
68 第8流路配管
69 第9流路配管
70 第10流路配管
71 第11流路配管
100 メチルアミン精製装置
611 第1バルブ
631 第2バルブ
641 第3バルブ
651 第4バルブ
661 第5バルブ
691 第6バルブ
692 第7バルブ
711 第8バルブ

Claims (8)

  1. メチルアミンよりも沸点の低い低沸点不純物と水とを含む粗メチルアミンを精製するメチルアミン精製装置であって、
    粗メチルアミンの一部を凝縮させる凝縮処理によって、粗メチルアミン中の前記低沸点不純物を分離除去する低沸点不純物除去手段と、
    前記低沸点不純物除去手段による前記凝縮処理後の気体状の粗メチルアミンを吸着剤と接触させる吸着処理によって、該凝縮処理後の粗メチルアミン中の前記水を吸着除去する吸着除去手段と、を含むことを特徴とするメチルアミン精製装置。
  2. 前記低沸点不純物は、少なくとも水素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンのいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載のメチルアミン精製装置。
  3. 前記吸着剤は、合成ゼオライトであることを特徴とする請求項1または2に記載のメチルアミン精製装置。
  4. 前記合成ゼオライトは、細孔径3Åまたは細孔径4Åのいずれかの細孔を有する多孔質体であることを特徴とする請求項3に記載のメチルアミン精製装置。
  5. 前記凝縮処理は、温度が−3〜30℃であり、圧力が0.02〜0.30MPaGである条件下で行われ、
    前記吸着処理は、温度が0〜60℃であり、圧力が0.03〜1.00MPaGである条件下で行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のメチルアミン精製装置。
  6. 前記メチルアミンは、モノメチルアミン、ジメチルアミン、およびトリメチルアミンから選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のメチルアミン精製装置。
  7. 前記吸着剤に吸着された吸着物を、アンモニアガスの気流下で、該吸着剤から脱離させる脱離処理を行う脱離手段を、さらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のメチルアミン精製装置。
  8. メチルアミンよりも沸点の低い低沸点不純物と水とを含む粗メチルアミンを精製するメチルアミン精製方法であって、
    粗メチルアミンの一部を凝縮させる凝縮処理によって、粗メチルアミン中の前記低沸点不純物を分離除去する低沸点不純物除去工程と、
    前記低沸点不純物除去工程での前記凝縮処理後の気体状の粗メチルアミンを吸着剤と接触させる吸着処理によって、該凝縮処理後の粗メチルアミン中の前記水を吸着除去する吸着除去工程と、を含むことを特徴とするメチルアミン精製方法。
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