JP2017080669A - 空気精製装置および空気精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ところで、液化分離によって空気から窒素や酸素を製造する際、−200℃といった低温にまで空気を冷却する必要がある。このとき原料である空気に低温で固化する不純物成分が含まれていると、流体の流路が閉塞し、液化分離装置の運転が困難になる。そのため、空気を液化分離する際は、あらかじめ固化するおそれのある不純物成分を除去する必要がある。
また、例えば、特許文献2には、吸着剤としてカルシウムでイオン交換されたXまたはLSX型ゼオライトを用いて、空気中から一酸化二窒素を吸着除去する方法が開示されている。
温度スイング吸着法により、空気中から炭化水素および一酸化二窒素を除去して空気を精製する装置であって、
陽イオンとして銀イオンを含むZSM5型ゼオライト(Ag−ZSM5ゼオライト)が吸着剤として充填された1以上の吸着塔と、
炭化水素および一酸化二窒素を含む空気を前記吸着塔の一端側に供給する原料ガス導入経路と、
前記吸着塔の他端側から精製された空気を取り出す製品ガス導出経路と、
前記製品ガス導出経路から分岐され、精製された空気の一部を再生ガスとして前記吸着塔の他端側に供給する再生ガス供給経路と、を備え、
前記再生ガス供給経路に、前記再生ガスを加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする空気精製装置である。
前記吸着剤が、温度が25℃、圧力が1Paにおけるプロパンの平衡吸着量が30mmol/kg以上である、請求項1に記載の空気精製装置である。
前記加熱手段が、前記吸着塔に設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の空気精製装置である。
温度スイング吸着法により、空気中から炭化水素および一酸化二窒素を除去して空気を精製する方法であって、
陽イオンとして銀イオンを含むZSM5型ゼオライト(Ag−ZSM5ゼオライト)が吸着剤として充填された1以上の吸着塔の一端側から炭化水素および一酸化二窒素を含む空気を供給し、前記吸着剤に炭化水素および一酸化二窒素を吸着させて除去した後、前記吸着塔の他端側から精製された空気を取り出す、空気の精製工程と、
精製された空気の一部を再生ガスとして前記吸着塔の他端側から供給し、前記吸着剤を100〜300℃に加熱して当該吸着剤から炭化水素および一酸化二窒素を脱離させた後、前記吸着塔の一端側から炭化水素および一酸化二窒素を排出する再生工程と、を含むことを特徴とする空気精製方法である。
前記吸着剤が、温度が25℃、圧力が1Paにおけるプロパンの平衡吸着量が30mmol/kg以上である、請求項4に記載の空気精製方法である。
先ず、本実施形態の空気精製装置1について説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態である空気精製装置1の構成を示す系統図である。図1に示すように、本実施形態の空気精製装置1は、2機の吸着塔2A,2Bと、原料ガス導入経路L1と、製品ガス導出経路L2と、再生ガス供給経路L3と、加熱手段3と、排気経路L4と、を備えて概略構成されている。本実施形態の空気精製装置1は、温度スイング吸着(TSA;Thermal Swing Adsorption)法により、空気中の不純物を除去するための装置である。
例えば、浸漬時間を長くすることにより、交換率を増加させることができる。
次に、上述した空気精製装置1を用いた本実施形態の空気精製方法について説明する。本実施形態の空気精製方法は、吸着塔2Aおよび吸着塔2Bを並列に接続し、一方の吸着塔において原料ガスを精製する精製処理を行い、他方の吸着塔において吸着剤を再生する再生処理を行う。上記精製処理と再生処理を吸着塔2Aおよび吸着塔2Bの間で交互に切り替えることにより、全体として空気を連続精製することができる。
本実施形態では、吸着塔2Aおいて精製処理を行い、吸着塔2Bで再生処理を行う方法を例として説明する。
先ず、開閉バルブV1A,V2A,V3B,V4Bを開状態にし、開閉バルブV1B,V2B,V3A,V4Aを閉状態にする。これにより、原料ガス導入経路L1から供給された原料ガスを、原料ガス導入経路L1Aを介して吸着塔2Aに供給する。その後、吸着塔2A内の吸着剤により原料ガスから炭化水素および一酸化二窒素を除去し、製品ガスを生成する。除去した炭化水素および一酸化二窒素は吸着剤に吸着される。その後、精製した製品ガスを製品ガス導出経路L2Aおよび製品ガス導出経路L2を介して外部へ供給する。
一方、製品ガス導出経路L2から製品ガスを外部へ供給している間、再生ガス供給経路L3を介して製品ガスの一部(再生ガス)を加熱手段3に供給する。加熱手段3は、供給された再生ガスを加熱し、再生ガス供給経路L3および再生ガス供給経路L3Bを介して加熱した再生ガスを吸着塔2Bへ供給する。
次に、開閉バルブV1B,V2B,V3A,V4Aを開状態にし、開閉バルブV1A,V2A,V3B,V4Bを閉状態にする。これにより、吸着塔2Aにおいて再生処理を行い、吸着塔2Bにおいて精製処理を行うことができる。これを交互に切り替えることにより、全体として空気を連続精製することができる。
実施例1として、Ag−ZSM5ゼオライトを製造し、プロパンの吸着量を評価した。
先ず、イオン交換工程として、シリカアルミナモル比が11.9のH−ZSM5ゼオライトを、0.02mol/Lの硝酸銀水溶液に浸漬させ、暗室、室温下で24時間攪拌した。その後、吸引濾過をしてAg−ZSM5ゼオライトを回収した。同様のイオン交換工程を繰り返し1回実施した後、100℃で乾燥させてAg−ZSM5ゼオライトを調製した。
実施例2として、Ag−ZSM5ゼオライトを吸着剤とする空気精製装置を用いて空気を精製し、製品ガス中のプロパン、エチレン、一酸化二窒素の残存量を評価した。
実施例1と同様にして、イオン交換率が75%のAg−ZSM5ゼオライトを作製した。
2A,2B…吸着塔
3…加熱手段
L1,L1A,L1B…原料ガス導入経路
L2,L2A,L2B…製品ガス導出経路
L3,L3A,L3B…再生ガス供給経路
L4,L4A,L4B…排気経路
V1A,V1B,V2A,V2B,V3A,V3B,V4A,V4B…開閉バルブ
Claims (5)
- 温度スイング吸着法により、空気中から炭化水素および一酸化二窒素を除去して空気を精製する装置であって、
陽イオンとして銀イオンを含むZSM5型ゼオライト(Ag−ZSM5ゼオライト)が吸着剤として充填された1以上の吸着塔と、
炭化水素および一酸化二窒素を含む空気を前記吸着塔の一端側に供給する原料ガス導入経路と、
前記吸着塔の他端側から精製された空気を取り出す製品ガス導出経路と、
前記製品ガス導出経路から分岐され、精製された空気の一部を再生ガスとして前記吸着塔の他端側に供給する再生ガス供給経路と、を備え、
前記再生ガス供給経路に、前記再生ガスを加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする空気精製装置。 - 前記吸着剤が、温度が25℃、圧力が1Paにおけるプロパンの平衡吸着量が30mmol/kg以上である、請求項1に記載の空気精製装置。
- 前記加熱手段が、前記吸着塔に設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の空気精製装置。
- 温度スイング吸着法により、空気中から炭化水素および一酸化二窒素を除去して空気を精製する方法であって、
陽イオンとして銀イオンを含むZSM5型ゼオライト(Ag−ZSM5ゼオライト)が吸着剤として充填された1以上の吸着塔の一端側から炭化水素および一酸化二窒素を含む空気を供給し、前記吸着剤に炭化水素および一酸化二窒素を吸着させて除去した後、前記吸着塔の他端側から精製された空気を取り出す、空気の精製工程と、
精製された空気の一部を再生ガスとして前記吸着塔の他端側から供給し、前記吸着剤を100〜300℃に加熱して当該吸着剤から炭化水素および一酸化二窒素を脱離させた後、前記吸着塔の一端側から炭化水素および一酸化二窒素を排出する再生工程と、を含むことを特徴とする空気精製方法。 - 前記吸着剤が、温度が25℃、圧力が1Paにおけるプロパンの平衡吸着量が30mmol/kg以上である、請求項4に記載の空気精製方法。
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