JP5881167B2 - アンモニアの精製方法 - Google Patents

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本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の原料として用いられるアンモニアを精製する方法であって、工業用として市販されている粗アンモニア等、油分を不純物として含む粗アンモニアを精製する方法に関する。
窒化ガリウム系化合物半導体が、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている。この窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程(窒化ガリウム系化合物半導体プロセス)は、通常はMOCVD法によってサファイア等の基板に窒化ガリウム系化合物を気相成長させることにより行なわれており、これに用いられる原料ガスとしては、例えばIII族のトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのほか、V族のアンモニアが使用されている。
一般的に工業用として市販されている粗アンモニア(工業用の粗アンモニア)には、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、水等が含まれている。また、比較的高純度のアンモニアとしては、これをさらに蒸留あるいは精留することにより得られた形態、またはこれを高純度の不活性ガスで希釈した形態で市販されている。しかし、従来から実施されている窒化ガリウム系化合物半導体プロセスにおいては、原料として極めて高い純度のアンモニアが要求されるため、工業用のアンモニアを蒸留あるいは精留して得られた比較的高純度のアンモニアをさらに精製して使用されている。
従来より、ニッケル触媒等を用いたアンモニアの精製方法が開発されている。例えば、粗アンモニアを連続して精製する方法として、該粗アンモニアをニッケルを主成分とする触媒と接触させて不純物を除去する方法がある。(特開平5−124813、特開平6−107412)また、工業用のアンモニアを、連続して精製し窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給する方法として、該粗アンモニアをニッケルを有効成分とする触媒と接触させた後、さらに細孔径が4〜10Å相当の合成ゼオライトと接触させて、粗アンモニアに含まれる不純物を除去する方法(特開2002−37624)がある。
特開平5−124813号公報 特開平6−107412号公報 特開2002−37624号公報
特許文献3に記載されたアンモニアの精製方法は、工業用として市販されている安価な粗アンモニアを、蒸留あるいは精留することなく、連続して窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給することが可能である。しかしながら、アンモニアを精製し窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給するに際し、工業用の粗アンモニアを特許文献3に記載されたアンモニアの精製方法のみにより精製した場合は、アンモニアを極めて高純度に精留した場合と比較して、基板の表面に成長する窒化ガリウム系化合物の気相成長速度が若干低下する傾向があることが判明した。
特許文献3に記載されたアンモニアの精製方法においては、窒化ガリウム系化合物の気相成長速度が低下する原因が解明され、基板の表面に効率よく窒化ガリウム系化合物が成長可能な方法が開発されることが望まれる。従って、本発明が解決しようとする課題は、工業用として市販されている安価な粗アンモニアを、蒸留あるいは精留することなく、気相成長速度等に悪影響を及ぼす原因となる不純物を除去し、連続して窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給することが可能なアンモニアの精製方法を提供することである。
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、(1)水素及び窒素から合成される工業用のアンモニアの製造工程にはガス圧縮工程があり、該工程においてコンプレッサーに用いられる油分(潤滑性、防錆性等を向上させるためのオイル)がアンモニアに混入され得ること、(2)油分は微量であっても窒化ガリウム系化合物の気相成長速度に悪影響を及ぼす可能性があること、(3)前記粗アンモニア中の油分は、フィルター及び活性炭と接触させることにより、他の条件に悪影響を与えることなく容易に除去できること等を見出し、本発明のアンモニアの精製方法に到達した。
すなわち本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の原料として用いられる、油分と、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれる一種以上の不純物を含む粗アンモニアの精製方法であって、前記粗アンモニアを、フィルターと接触させて該粗アンモニアに含まれるミスト状の油分を除去し、さらに活性炭と接触させて該粗アンモニアに含まれる気体状の油分を除去した後、ニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトと接触させて、油分以外の前記不純物を除去することを特徴とするアンモニアの精製方法である。
本発明のアンモニアの精製方法により、蒸留あるいは精留することなく、油分を含む粗アンモニアから、効率よく油分を除去することができる。その結果、窒化ガリウム系化合物の気相成長速度に悪影響を与えることなく、安価な工業用の粗アンモニアを連続して精製し窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給することが可能である。
本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の原料として用いられるアンモニアを精製する方法であって、油分を不純物として含む粗アンモニアを精製する方法に適用される。本発明において、油分を不純物として含む粗アンモニアとしては、工業用の粗アンモニアのほか、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニアを含む排ガスを、加圧処理及び冷却処理することにより、該排ガスに含まれるアンモニアを液化して回収するアンモニアが含まれる。
以下、本発明のアンモニアの精製方法について、図1〜図3に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
尚、図1、図2は、本発明に使用する装置一式(アンモニアの精製装置)の一例を示す構成図である。図3は、本発明に適用できる気相成長装置の一例を示す構成図である。
また、本発明における窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程は、ガリウム、インジウム、アルミニウムから選ばれる1種または2種以上の金属と、窒素との化合物からなる窒化物半導体の結晶成長を行なうための製造工程である。
本発明のアンモニアの精製方法は、窒化ガリウム系化合物半導体の原料として用いられる、油分と、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれる一種以上の不純物を含む粗アンモニアの精製方法であって、前記粗アンモニアを、フィルターと接触させて該粗アンモニアに含まれるミスト状の油分を除去し、さらに活性炭と接触させて該粗アンモニアに含まれる気体状の油分を除去した後、ニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトと接触させて、油分以外の前記不純物を除去するアンモニアの精製方法である。
本発明のアンモニアの精製方法は、具体的には、図1に示すように、粗アンモニアの供給源1から供給される、油分(ミスト状の油分及び気体状の油分)と、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれる一種以上の不純物とを含む粗アンモニアを、フィルター筒2に収納されたフィルター3と接触(通過)させてミスト状の油分を除去し、さらに活性炭筒4に充填された活性炭5と接触(通過)させて気体状の油分を除去した後、ニッケルを有効成分とする触媒6及び合成ゼオライト7と接触させて、油分以外の前記不純物(酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれる一種以上の不純物)を除去するアンモニアの精製方法である。
本発明において精製の対象である粗アンモニアは、例えば工業用のアンモニアであり、水素と窒素の高圧反応で合成され、液体アンモニアとしてボンベ等に詰められて市販されているものである。このような粗アンモニアは、99.9%または99.99%の純度が保証されているが、酸素、二酸化炭素、及び水以外の不純物として、製造の際のガス圧縮工程においてコンプレッサーに用いられる油分(潤滑性、防錆性等を向上させるためのオイル)が含まれている。前記の油分は、液体アンモニアを気化した後においても、ミスト状(主に0.01〜100μm程度の径を有するオイルミスト)及び気体状の形態で粗アンモニアガス中に長期間浮遊する。粗アンモニアに含まれる油分の含有量は、通常は5〜50mg/mである。
本発明において使用されるフィルターは、アンモニアに対する耐腐食性があり、ミスト状の油分を除去することができれば特に制限されることはないが、例えば、セラミック繊維、ガラス繊維、金属繊維等からなるものを用いることができる。フィルター筒の形態についても特に制限されることはないが、例えば円筒状のフィルターが収納されたフィルター筒を用いることができる。また、フィルター筒は、目の粗さが互いに異なる複数枚のフィルターが設けられ、粒径の大きなミスト状の油分から順に除去するような構成であることが好ましい。
本発明において使用される活性炭は、アンモニアに対する耐腐食性があり、気体状の油分を除去することができれば特に制限されることはないが、例えば、椰子殻炭、木粉炭、ピート炭等を用いることができる。これらの活性炭のうち、BET比表面積が500m/g以上のものが好ましい。活性炭筒に充填される活性炭の充填長は、通常は5〜150cmである。活性炭筒は、図2に示すように、複数の活性炭筒を設置することにより、いずれかの活性炭筒でアンモニアの精製を行なうと同時に、その他の活性炭筒で活性炭の交換を行ない、順次ラインを切替えることにより連続してアンモニアの精製を行なうようにすることができる。尚、本発明において使用される活性炭は、予め主に活性炭に含まれる水分等を除去する目的で、通常は使用する前に200℃以下の温度で加熱しながら窒素等の不活性ガスを流す処理、あるいは200℃以下の温度に加熱された不活性ガスを流す処理が行なわれる。
粗アンモニアとフィルターとの接触温度、粗アンモニアと活性炭との接触温度は100℃以下であるが、通常は両者共常温でよく、特に加熱や冷却を必要としない。また、圧力にも特に制限はなく、常圧、減圧、加圧のいずれでも処理が可能であるが、通常は常圧ないし0.3MPaの加圧下で行なわれる。また、精製時の活性炭筒内の粗アンモニアの空筒線速度(LV)は、通常は100cm/sec以下、好ましくは30cm/sec以下である。
尚、粗アンモニアに含まれる、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれるいずれの不純物も、フィルターと接触しても粗アンモニアから除去されずフィルターを通過し、活性炭と接触してもきわめて微量に活性炭に保持され得る程度で粗アンモニアからほとんど除去されない。(常温の活性炭による吸着のされやすさ:気体状の油分>アンモニア>二酸化炭素等)また、粗アンモニアを予めフィルターと接触させない場合は、活性炭の表面にミスト状の油分が付着し、時間の経過とともに気体状の油分の吸着が妨げられるようになる。
本発明において使用されるニッケルを有効成分とする触媒は、金属ニッケルまたはニッケルの酸化物等還元され易いニッケル化合物を主成分とするものである。また、ニッケル以外の金属成分としてクロム、鉄、コバルト、銅などの金属が少量含まれているものであってもよい。これらのニッケルは単独で用いてもよく、また、触媒担体などに担持させた形態で用いてもよいが、ニッケルの表面とガスとの接触効率を高める目的などから通常は、触媒担体などに担持させた形態で使用することが好ましい。
ニッケルを担体に担持させる方法としては、例えば、ニッケル塩の水溶液中に珪藻土、アルミナ、シリカアルミナ、アルミノシリケートおよびカルシウムシリケート等の担体粉末を分散させ、さらにアルカリを添加して担体の粉末上にニッケル成分を沈殿させ、次いで濾過し必要に応じて水洗して得たケーキを120〜150℃で乾燥後、300℃以上で焼成しこの焼成物を粉砕する方法、あるいはNiCO、Ni(OH)、Ni(NO等の無機塩、NiC、Ni(CHCOO)等の有機塩を焼成し、粉砕した後、これに耐熱性セメントを混合し焼成する方法が挙げられる。
これらは、通常は、押出成型、打錠成型などで成型体とされ、そのまま、あるいは必要に応じて適当な大きさに破砕して使用される。成型方法としては乾式法あるいは湿式法を用いることができ、その際、少量の水、滑剤などを使用してもよい。また、ニッケル系触媒として市販されているものがあるので、それらから選択したものを使用してもよい。要は、還元ニッケル、酸化ニッケル等が微細に分散されて、その表面積が大きくガスとの接触効率の高い形態のものであればよい。
ニッケルを有効成分とする触媒のBET比表面積は、通常は10〜300m/g、好ましくは30〜250m/gである。また、触媒全体に対するニッケルの含有率は、通常は5〜95wt%、好ましくは20〜95wt%である。ニッケルの含有量が5wt%よりも少なくなると酸素の除去能力が低くなり、また95wt%よりも高くなると水素による還元の際にシンタリングが生じて活性が低下する虞がある。(ニッケルを有効成分とする触媒は、通常は使用する前にこれらを活性化するために、水素還元が行なわれる。水素還元の際は、例えば350℃以下程度で水素と窒素の混合ガスを空筒線速度(LV)5cm/sec程度で通すことによって行なうことができる。)
本発明において使用される合成ゼオライトは、化学的には合成結晶アルミノシリケート含水ナトリウム塩のナトリウムの一部をカリウムで置換した合成ゼオライトである。この合成ゼオライト結晶は内部に多数の細孔を有し、その細孔径がほぼ揃っていることが特徴である。これらの合成ゼオライトは効率よく使用できるように、通常は4〜20meshの球状物、直径1.5〜4mm、高さ5〜20mmの柱状物等に成形されて用いられる。尚、本発明においては、好ましくは、細孔径が4〜10Å相当の合成ゼオライトが使用される。合成ゼオライトは、通常は使用する前に200〜350℃程度の温度で不活性ガスを通気しながら活性化される。
本発明においては、ニッケルを有効成分とする触媒との接触により、粗アンモニアから主に酸素と二酸化炭素が除去され、合成ゼオライトとの接触により、粗アンモニアから主に二酸化炭素、水が除去される。本発明に適用される粗アンモニアに含まれる酸素、二酸化炭素、水の濃度は、通常は各々100ppm程度である。これらの不純物の濃度がこれよりも高くなると発熱量が増加する場合があるため条件によっては除熱手段が必要となる。尚、本発明において、予め粗アンモニアから油分(ミスト状の油分及び気体状の油分)を除去しない場合、通常の条件では、ニッケルを有効成分とする触媒、あるいは合成ゼオライトにより油分を除去することができない。
ニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトの充填長は、実用上通常は5〜150cmとされる。精製時の粗アンモニアの空筒線速度(LV)は供給される粗アンモニア中の不純物の濃度及び操作条件などによって異なり一概に特定できないが、通常は100cm/sec以下、好ましくは30cm/sec以下である。粗アンモニアとニッケルを有効成分とする触媒との接触温度、粗アンモニアと合成ゼオライトの接触温度は、100℃以下であるが、通常は両者共常温でよく、特に加熱や冷却を必要としない。また、圧力にも特に制限はなく、常圧、減圧、加圧のいずれでも処理が可能であるが、通常は常圧ないし0.3MPaの加圧下で行なわれる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
(アンモニア精製装置の製作)
ニッケル触媒と合成ゼオライトを別々の処理筒に分けたほかは、図1に示すような構成と同様のアンモニア精製装置を製作した。フィルター筒は、目の粗さが互いに異なる3枚のフィルター(ドムニクハンター社製、AOグレード(1μm程度の径を有するオイルミストを除去)、AAグレード(0.01μm程度の径を有するオイルミストを除去)、AXグレード(0.01μm以下の径を有するオイルミストを除去))を設け、粒径の大きなミスト状の油分から順に除去するような構成とした。
また、活性炭(BET比表面積約800m/g)を、内径45.2mm、長さ200mmのステンレス製の活性炭筒に、充填長が150mmとなるように充填した。さらに、市販のニッケル触媒を、内径45.2mm、長さ200mmのステンレス製の触媒筒に充填長150mmとなるように充填し、市販の4Å相当の合成ゼオライトを、触媒筒の下流に配置された内径45.2mm、長さ200mmのステンレス製の吸着筒に充填長150mmとなるように充填した。
次に、活性炭筒に3L/minの流量で150℃の窒素を1時間流して活性炭の乾燥処理を行なった。また、ニッケル触媒を300℃に加熱するとともに、水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を3L/minの流量で5時間流してニッケル触媒の還元処理を行なった。また、合成ゼオライトを300℃に加熱するとともに、窒素を3L/minの流量で5時間流して合成ゼオライトの活性化処理を行なった。
(アンモニアの精製実験)
工業用として市販されている粗アンモニアを、予め熱伝導度検出器(GC−TCD)、水素炎イオン化検出器(GC−FID)、及びフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)で分析した結果、不純物として、酸素、二酸化炭素、及び水が、各々4ppm、5ppm、40ppm含まれていた。また、この粗アンモニアには、ミスト状の油分及び気体状の油分が含まれている。
この工業用の粗アンモニアを、常温、常圧、流量10L/minの条件で5時間流通して精製実験を行なった。精製実験開始後1時間の間隔でGC−TCD、GC−FID、FT−IR(検出下限濃度はいずれも0.01ppm)を用いて出口ガス中の酸素、二酸化炭素、及び水の濃度を測定したが、いずれも検出されなかった。また、精製実験終了後に取出したフィルターの重量変化により、粗アンモニアからミスト状の油分24mgを除去できたことがわかった。さらに、精製実験終了後に取出した活性炭から、四塩化炭素可溶成分(油分)を抽出し溶媒を蒸発乾固することにより、粗アンモニアから気体状の油分3.5mgを除去できたことがわかった。
[実施例2]
(気相成長装置の製作)
ステンレス製の反応容器の内部に、円板状のサセプタ(SiCコートカーボン製、直径600mm、厚さ20mm、3インチの基板を5枚保持可能)、冷媒を流通する構成を備えたサセプタの対面(カーボン製)、ヒータ、原料ガスの導入部(カーボン製)、反応ガス排出部等を設けて、図3に示すような気相成長装置を製作した。また、3インチサイズのサファイアよりなる5枚の基板を気相成長装置にセットした。尚、冷媒を流通する構成として、配管1本を中心部から周辺部に向かって渦巻き状に配置した。
原料ガスの導入部は、直径200mm、厚さ2mmの円板状の仕切り(カーボン製)2個により上下方向に仕切られた3個のガス噴出口を形成し、上層の噴出口からアンモニア、中層の噴出口からTMGを含むガス、下層の噴出口から窒素を供給できるような構成とした。
また、ガスの噴出口の先端と基板との水平面の距離は32.4mmであった。さらに、原料ガス導入部の各々のガス流路に、マスフローコントローラー等を介して、所望の流量及び濃度の各ガスが供給できるように配管を接続した。
(気相成長実験)
工業用のアンモニアを、図1に示すアンモニア精製装置を経由して、前述の気相成長装置に供給できるように設定した。また、その他の原料ガスも、各原料の供給源から各精製装置を経由して、前述の気相成長装置に供給できるように設定した。その後、基板の表面に窒化ガリウム(GaN)の成長を行なった。気相成長は、バッファー層成長後に、基板温度を1050℃まで上昇させ、上層の噴出口からアンモニア(流量:30L/min)、中層の噴出口からTMG(流量:60cc/min)と水素(流量:30L/min)、下層の噴出口から窒素(流量:40L/min)を供給して、窒化ガリウム膜を1時間成長させた。
気相成長実験終了後、温度を下げ、基板を反応容器から取り出した。さらに、このような気相成長実験を合計10回繰返して行なった。その結果、50枚の基板のGaN膜厚の平均値は4.2μmであった。
[比較例1]
実施例1のアンモニア精製装置の製作において、活性炭筒を使用しなかったほかは実施例1と同様にしてアンモニア精製装置を製作した。
実施例2の気相成長実験において、このアンモニア精製装置を使用したほかは実施例2と同様にして気相成長実験を行なった。その結果、気相成長実験を合計10回繰返して行なって得られた50枚の基板のGaN膜厚の平均値は3.9μmであった。GaN膜厚の成長速度の低下は、気体状の油分が気相成長に悪影響を及ぼしたことによると考えられる。
[比較例2]
実施例1のアンモニア精製装置の製作において、フィルター筒を使用しなかったほかは実施例1と同様にしてアンモニア精製装置を製作した。
実施例2の気相成長実験において、このアンモニア精製装置を使用したほかは実施例2と同様にして気相成長実験を行なった。その結果、気相成長実験を合計5回繰返して行なって得られた25枚の基板のGaN膜厚の平均値は実施例2とほぼ同じであったが、6回目以降は急激にGaN膜厚が低下したので気相成長実験を中止した。活性炭筒を調査した結果、活性炭の表面にミスト状の油分が付着しており、これが原因で活性炭による油分の吸着が妨げられて、油分を含むアンモニアが気相成長装置に供給されたため、GaN膜厚の成長速度が低下したのではないかと考えられる。
以上の通り、本発明のアンモニアの精製方法は、油分を含む粗アンモニアから、効率よく油分を除去することができる。また、窒化ガリウム系化合物の気相成長速度に悪影響を及ぼす油分を除去しながら、安価な工業用のアンモニアを連続して精製し窒化ガリウム系化合物半導体プロセスに供給できる。
本発明に使用する装置一式(アンモニアの精製装置)の一例を示す構成図 本発明に使用する図1以外のアンモニア精製装置の一例を示す構成図 本発明に適用できる気相成長装置の一例を示す構成図
1 粗アンモニアの供給源
2 フィルター筒
3 フィルター
4 活性炭筒
5 活性炭
6 ニッケルを有効成分とする触媒
7 合成ゼオライト
8 精製アンモニアの取出し口
9 基板ホルダー
10 サセプタ
11 サセプタの対面
12 ヒータ
13 反応炉
14 原料ガス導入部
15 反応ガス排出部
16 原料ガス配管
17 冷媒を流通する流路
18 サセプタ回転板

Claims (2)

  1. 窒化ガリウム系化合物半導体の原料として用いられる、油分と、酸素、二酸化炭素、及び水から選ばれる一種以上の不純物を含む粗アンモニアの精製方法であって、前記粗アンモニアを、フィルターと接触させて該粗アンモニアに含まれるミスト状の油分を除去し、さらに活性炭と接触させて該粗アンモニアに含まれる気体状の油分を除去した後、ニッケルを有効成分とする触媒及び合成ゼオライトと接触させて、油分以外の前記不純物を除去することを特徴とするアンモニアの精製方法。
  2. 油分を含む粗アンモニアが、工業用として市販されている粗アンモニアである請求項1に記載のアンモニアの精製方法。
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