JP2014214060A - 水素の回収方法及びそれを用いた水素の再利用方法 - Google Patents

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安定 宮野
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Abstract

【課題】 窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、窒素、及び有機金属化合物を含む排ガスから、効率よく容易に水素を回収する方法、及び再利用する方法を提供する。
【解決手段】 排ガスを、金属酸化物にアルカリ金属化合物を添着してなる浄化剤と接触させて、該排ガスから有機金属化合物を除去し、除去処理後の排ガスを、アンモニア分解触媒と加熱下で接触させて、アンモニアを窒素及び水素に分解し、さらに分解処理後の排ガスを、パラジウム合金膜と加熱下で接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収する。また、前記の回収された水素を、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給し再利用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、窒素、及び有機金属化合物を含む排ガスから水素を回収する方法、及び該回収された水素を原料として、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給する水素の再利用方法に関する。
窒化ガリウム系化合物半導体が、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている。この窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程(窒化ガリウム系化合物半導体プロセス)は、通常はMOCVD法によってサファイア等の基板に窒化ガリウム系化合物を気相成長させることにより行なわれており、これに用いられる原料ガスとしては、例えばIII族のトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのほか、V族のアンモニアが使用されている。また、これらの原料ガスのほか、キャリアガスとして水素及び窒素が用いられている。
前記半導体製造工程の原料ガスとして使用されるアンモニアは、極めて高純度であることが要求されるため、工業用のアンモニアを蒸留あるいは精留した高純度のアンモニア、またはこれをさらに精製した高価なアンモニアである。一方、キャリアガスとして使用される水素は、例えば工業的には、液化石油ガス、液化天然ガス等の炭化水素の水蒸気改質法を利用したプロセス(脱硫工程、水蒸気改質工程、水素精製(PSA方式)工程等を含む)により製造される。しかし、アンモニアと同様に極めて高純度であることが要求されるため、例えばさらにパラジウム合金膜を透過させることによって得られる高純度の水素が用いられる。
前記のように半導体製造工程において使用されるアンモニアは、高価で高純度なものであるが、毒性が高く、その許容濃度は25ppmであり、アンモニアを含む排ガスが大気中に放出された場合は、人体や環境に悪影響を及ぼす。従ってアンモニアを半導体の製造工程で使用した後に排出されるアンモニアを含む排ガスは、大気に放出するに先立って浄化する必要がある。そのため、例えば公知文献1〜3に示すように、アンモニアを含む排ガスを、アンモニア分解触媒と加熱下で接触させて、アンモニアを窒素及び水素に分解する処理方法が実施されている。
特開平8−57256号公報 特開平8−84910号公報 特開2000−233117号公報
前述のように、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程においては、高価で高純度のアンモニアが使用され、その大部分が半導体プロセスで使用されることなく、窒素及び水素に分解された後、廃棄されている。また、高純度の水素も同様に、半導体プロセスで反応に関わることなく、そのまま廃棄されている。そのため、半導体プロセスから排出されるこのような高純度の水素を回収し、再利用することが望ましい。
従って、本発明が解決しようとする課題は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスから、効率よく容易に水素を回収する方法及びその水素を再利用する方法を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスから、有機金属化合物を除去し、アンモニア分解触媒で分解処理した後のガスには、基本的に不活性ガス以外の物質(塩素系ガス、炭化水素、金属化合物等)が含まれず、かつ水素が多量に含まれること、パラジウム合金膜の水素選択透過性を利用することにより、アンモニア分解処理後の排ガスから効率よく容易に高純度の水素が得られること等を見出し、本発明の水素の回収方法及びそれを用いた水素の再利用方法に到達した。
すなわち本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、窒素、及び有機金属化合物を含む排ガスを、金属酸化物にアルカリ金属化合物を添着してなる浄化剤と接触させて、該排ガスから有機金属化合物を除去し、除去処理後の該排ガスを、アンモニア分解触媒と加熱下で接触させて、アンモニアを窒素及び水素に分解し、さらに分解処理後の該排ガスを、パラジウム合金膜と加熱下で接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収することを特徴とする水素の回収方法である。
また、本発明は、前記の水素の回収方法により窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から回収された水素を、前記の窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給することを特徴とする水素の再利用方法である。
本発明の水素の回収方法及びそれを用いた水素の再利用方法は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスから有機金属化合物を除去した後、アンモニア分解触媒と加熱下で接触させ、さらにパラジウム合金膜と加熱下で接触させて水素を回収するので、本発明に必要なガス加熱を効率よく行なうこと及び容易に高純度の精製水素を得ることが可能であり、また得られた精製水素をそのまま窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に再利用することも可能なので、省資源化及び省力化を達成することができる。
本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスから有機金属化合物を除去した後、アンモニアを窒素及び水素に分解し、さらに分解後の水素及び窒素を含む排ガスから、パラジウム合金膜の水素選択透過性を利用した水素分離方法により水素を回収する方法に適用される。本発明における窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程は、ガリウム、インジウム、アルミニウムから選ばれる1種または2種以上の金属と、窒素との化合物からなる窒化物半導体の結晶成長を行なうための製造工程である。
以下、本発明の水素の回収方法及びそれを用いた水素の再利用方法について、図1〜図4に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。尚、図1は、本発明の水素の回収方法及びそれを用いた水素の再利用方法に関連する装置一式の一例を示す構成図である。図2は、本発明に使用するアンモニアの分解装置の一例を示す構成図である。図3は、本発明に使用する水素分離装置の一例を示す鉛直方向断面の構成図である。図4は、本発明に適用できる気相成長装置の一例を示す構成図である。
窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程には、例えば図1に示すように、各原料の供給源(有機金属化合物の供給源1、窒素の供給源2、アンモニアの供給源3、水素の供給源4)、各原料ガスの精製装置5〜8、及び気相成長装置9等が用いられる。また、有機金属化合物は、例えば有機金属の液体原料(トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等の液体原料)中に、水素または窒素をバブリングして、これらの有機金属化合物を気体原料とすることにより使用される。そして、気相成長装置9の排出口からは、アンモニア、水素、窒素のほか、有機金属の液体原料に由来する有機金属化合物が排出される。
本発明の水素の回収方法は、前記のような窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、窒素、及び有機金属化合物を含む排ガスを、金属酸化物にアルカリ金属化合物を添着してなる浄化剤と接触させて、該排ガスから該有機金属化合物を除去し、有機金属化合物を除去処理後の排ガスを、アンモニア分解触媒と加熱下で接触させて、該アンモニアを窒素及び水素に分解し、さらに分解処理後の水素及び窒素を含む排ガスを、パラジウム合金膜と接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収する方法である。
本発明の水素の回収方法は、具体的には図1に示すように、窒化ガリウム系化合物半導体の気相成長装置9から排出されるアンモニア、水素、窒素、及び有機金属化合物を含む排ガスを、金属酸化物にアルカリ金属化合物を添着してなる浄化剤が充填された除去筒10に導入して有機金属化合物を除去し、次にアンモニア分解触媒が充填されたアンモニアの分解装置11に導入して、加熱下でアンモニアを窒素及び水素に分解し、さらにパラジウム合金膜を備えた水素分離装置12に導入して、加熱下でパラジウム合金膜と接触させ、パラジウム合金膜を透過した水素を回収する方法である。尚、アンモニアの分解装置11と水素分離装置12の間に、コンプレッサーを設置し水素分離装置における水素の回収率を向上させることができる。
本発明に使用される除去筒10としては、排ガスの導入口と処理後の排ガスの排出口を有し、金属酸化物にアルカリ金属化合物を添着してなる浄化剤が排ガスの流路に充填された除去筒を用いることができる。本発明に使用される浄化剤としては、金属酸化物にアルカリ金属化合物が添着された浄化剤が用いられる。金属酸化物は、通常は酸化銅及び酸化マンガンを主成分とするものが使用されるが、酸化コバルト、酸化銀、酸化アルミニウム、酸化硅素等が混合されたものであってもよい。金属酸化物中の酸化銅及び酸化マンガンの含有量は、通常は両者を合せて60wt%以上、好ましくは70wt%以上である。また、酸化銅に対する酸化マンガンの割合は、通常は1:0.6〜5.0、好ましくは1:1.0〜3.0程度である。
また、前記の金属酸化物に添着するアルカリ金属化合物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム、または炭酸カリウム等を例示することができる。金属酸化物に添着するアルカリ金属化合物の量は、金属酸化物100重量部に対し、通常は1〜50重量部、好ましくは3〜20重量部程度である。アルカリ金属化合物の添着量が1重量部よりも少ないと有機金属化合物の除去効率が低下し、50重量部を越えると金属酸化物の表面積が低下し、有機金属化合物の除去能力が低下する虞が生じる。
本発明に使用されるアンモニアの分解装置11としては、排ガスの導入口と分解処理後の排ガスの排出口を有し、アンモニア分解触媒が排ガスの流路に充填され、さらにこの触媒を加熱するためのヒータが備えられたアンモニアの加熱分解筒を用いることができる。前記のアンモニア分解触媒としては、種々の分解触媒を用いることができるが、比較的低温で長時間にわたり効率よくアンモニアを分解し得る点で、アルミナにルテニウムを担持させた触媒を用いることが好ましく、さらにアルミナがαアルミナで比表面積が5〜100m/gの触媒を用いることがより好ましい。アンモニアを分解する際の接触温度は、通常は350〜800℃であるが、分解効率、触媒の耐久性、エネルギーの節減、窒素酸化物の発生防止等を含めた見地、また次工程であるパラジウム合金膜による水素分離の際の温度条件から、実用上は400〜600℃のような比較的低温域で行なうことが好ましい。
本発明においては、前記のように1個の加熱分解筒からなるアンモニアの分解装置を用いることができるが、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスには、通常はアンモニアが10〜40vol%程度含まれているので、前記のような加熱分解筒ではアンモニアを許容濃度である25ppm以下に低減することは困難である。そのため、例えば図2に示すように、アンモニアの加熱分解筒17のほか2個のアンモニアの吸着筒18が備えられ、アンモニアを低濃度になるまで分解できる装置を用いることができる。
図2のアンモニアの分解装置は、アンモニアの加熱分解筒17により分解処理された処理後のガスをアンモニアの吸着筒18に導入し、該ガス中に含まれる未分解のアンモニアを、該吸着筒に充填された合成ゼオライト等のアンモニア吸着剤と接触させて吸着できるような構成としたものである。アンモニアの吸着筒18は交互に使用され、片方の吸着筒で未分解のアンモニアの吸着が行なわれているときに、他の吸着筒では吸着剤の再生が行なわれる。吸着剤の再生は、吸着剤を加熱するとともに不活性ガス供給ライン21から不活性ガスを導入し吸着剤からアンモニアを脱着させて、ブロワ19、熱交換器20を経由して再度アンモニアの加熱分解筒17に導入することにより行なう。
前述のようにアンモニアを窒素及び水素に分解された後の排ガスは、水素分離装置12に導入される。本発明に使用される水素分離装置としては、図3に示すように、パラジウム合金膜からなる複数本のパラジウム合金管22が、開口端で管板23に固定されてセル内に収納され、複数本のパラジウム合金管22及び管板23によってセル内が一次側及び二次側の二つの空間に仕切られた構成を有する水素分離装置を例示することができる。排ガスから水素を回収する際には、排ガスが導入口25から加熱された一次側セル内に供給され、パラジウム合金膜と接触し、水素のみが二次側セル内に透過されて取出し口26から回収される。
本発明において、水素透過の際のパラジウム合金膜の温度は、通常は350〜500℃、好ましくは400〜450℃である。尚、通常は予め予熱器等により処理対象ガスを前記の温度程度に加熱してから、水素分離装置に導入する必要があるが、本発明においてはアンモニア分解の際に400〜600℃に加熱されているので、条件によっては予熱器等を用いることなく水素透過を行なうことも可能である。その際にコンプレッサーを用いてガス圧力を高くする場合は、コンプレッサーの耐熱性を考慮して、アンモニアの分解装置11の前にコンプレッサーを設置し、水素分離装置における水素の回収率を向上させることが好ましい。但し、排ガスの圧力を高くしすぎるとアンモニア分解触媒によるアンモニアの分解率が低下する虞が生じるので、ガス圧力はゲージ圧で0.3〜0.8MPa程度とすることが好ましい。水素分離装置12の取出し口26から回収された水素は、例えば水素貯蔵槽14のような容器に加圧された状態で蓄えられる。
また、パラジウム合金膜を透過することなく水素分離装置12の排出口27から排出されたガスは、圧力調整装置13、外部へのガス放出ライン16を経由した後、次の処理装置に送られるか、または大気に放出される。該ガスには、パラジウム合金膜を透過しなかった水素が含まれていてもよい。尚、回収された精製水素は、以下に述べる窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程への再利用のほか、例えばハイブリッド車、電気自動車に利用するための燃料電池等の原料として用いることができる。
本発明のアンモニアの再利用方法は、前述の水素の回収方法により窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から回収された水素を、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給する方法である。
具体的には、図1に示すように、水素貯蔵槽14の水素を、ガス混合器15に導入し、水素供給源4から供給される水素と混合して、窒化ガリウム系化合物半導体の気相成長装置9に供給する方法である。尚、水素精製装置8とガス混合器15の位置を入れ替えて、混合後のガスを併せて精製することもできる。また、水素貯蔵槽14とガス混合器15の間に、コンプレッサーを設置することができる。
本発明の水素の再利用方法おいては、前述の水素の回収方法によって回収された水素が一定の量に達した後、この回収された水素のみを再利用することもできるが、回収された水素に、新規の水素を追加して連続的に気相成長装置に供給することができる。その場合、新規の水素の供給量は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出された後、前述の水素の回収方法によって消失する水素の消失量と実質的に等しい量となるように調整される。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
(気相成長装置の製作)
ステンレス製の反応容器の内部に、円板状のサセプタ29(SiCコートカーボン製、直径600mm、厚さ20mm、3インチの基板を5枚保持可能)、冷媒を流通する構成を備えたサセプタの対面30(カーボン製)、ヒータ31、原料ガスの導入部33(カーボン製)、反応ガス排出部34等を設けて、図4に示すような反応炉32を有する気相成長装置9を製作した。また、3インチサイズのサファイアよりなる基板5枚を基板ホルダー28にセットした。尚、冷媒を流通する流路36として、配管1本を中心部から周辺部に向かって渦巻き状に配置した。
原料ガスの導入部は、直径200mm、厚さ2mmの円板状の仕切り(カーボン製)2個により上下方向に仕切られた3個のガス噴出口を形成し、上層の噴出口からアンモニア、中層の噴出口からトリメチルガリウムを含むガス、下層の噴出口から窒素を供給できるような構成とした。
また、ガスの噴出口の先端と基板との水平面の距離は32.4mmであった。さらに、原料ガス導入部の各々のガス流路に、マスフローコントローラー等を介して、所望の流量及び濃度の各ガスが供給できるように原料ガス配管35を接続した。
(有機金属化合物の除去筒の製作)
金属酸化物として、二酸化マンガン(MnO)70wt%、酸化銅(CuO)23wt%、酸化アルミニウム(Al)3wt%を含む組成からなり、直径1.5mm、長さ3〜10mmの押出し成型品である市販のホプカライト2500gに、濃度45wt%の水酸化カリウム溶液を散布し含浸させた後、窒素雰囲気下50℃で24時間乾燥させることにより、ホプカライト100重量部に対し、水酸化カリウムが18重量部添着された浄化剤を調製した。この浄化剤を内径80mm、長さ1000mmのSUS316製の除去筒に400mm充填して有機金属化合物の除去筒を製作した。
(アンモニアの分解装置の製作)
加熱分解筒17として、インコロイ800製であって内径80mm、長さ1000mmの反応管を製作した。この反応管に、アンモニア分解触媒として、αアルミナにルテニウムを担持させてなる触媒を500mm充填した。また、反応管には外側から加熱できるように電気ヒータを取付け加熱分解筒とした。
次に、内径110mm、長さ1350mmのSUS316製の吸着筒2筒を製作した。これらの吸着筒に、アンモニアの吸着剤として円柱状の合成ゼオライトを1200mm充填した。また、吸着筒には外側から加熱できるように電気ヒータを取付けアンモニア吸着筒とした。これらの加熱分解筒、アンモニア吸着筒とともに、ブロワ19、熱交換器20を用いて図2に示すようなアンモニアの分解装置を製作した。
(水素分離装置の製作)
以下のようにして、図4に示すような水素分離装置を製作した。まず、直径0.25mmのSUS316L鋼製コイルで外径1.3mm、長さ240mmに成形したスプリングを、外径1.6mm、内径1.45mm、長さ245mmで先端を溶封処理した金、銀、及びパラジウムの合金からなるパラジウム合金管22内に挿入したものを78本製作した。次に直径48.6mm、厚さ5mmの円盤状で周縁部を除く平板部分に均等に直径1.6mmの貫通孔を78個設けたニッケル製の管板23に前記のパラジウム合金管78本を貫通孔部へ挿入し、それぞれを管板23に溶接して、一体化した。これを、導入口25、取出し口26、及び排出口27を備えた外径48.6mmのSUS316L鋼製の円筒状容器に溶接するとともにヒータ24を設けて水素分離装置12を製作した。
(水素回収システムの装置一式の製作)
有機金属化合物の供給源1、窒素の供給源2、アンモニアの供給源3、水素の供給源4等と、各ガスの精製装置5〜8、及び気相成長装置9、有機金属化合物の除去筒10、アンモニアの分解装置11、前記のように製作した水素分離装置12、水素貯蔵槽14等を接続し、図1に示すような装置一式を製作した。また、アンモニアの分解装置11と水素分離装置12の間にコンプレッサー及び予熱器を設置し、水素貯蔵槽14とガス混合器15の間に、コンプレッサーを設置した。
(水素回収実験)
各原料ガスを、各原料の供給源から精製装置を経由して、前述の気相成長装置に供給し、基板の表面に窒化ガリウム(GaN)の成長を行なった。気相成長は、バッファー層成長後に、基板温度を1050℃まで上昇させ、上層の噴出口からアンモニア(流量:30L/min)、中層の噴出口からTMG(流量:60cc/min)と水素(流量:30L/min)、下層の噴出口から窒素(流量:40L/min)を供給して、窒化ガリウム膜を2時間成長させた。
この間、気相成長装置から排出される排ガスを、有機金属化合物の除去筒、アンモニアの分解装置に導入し、さらにこれらの処理後の排ガスを水素分離装置に導入して水素の回収を行なった。水素分離装置に導入する直前のガスは、ゲージ圧が0.85MPa程度になるように設定した。また、気相成長装置の排出口、アンモニアの分解装置(アンモニアの吸着筒)の排出口、及び水素分離装置の精製水素取出し口から排出される各ガスの一部をサンプリングした。アンモニアの分解の際の触媒温度は約500℃、水素回収の際のパラジウム合金管の温度は約450℃であった。また、アンモニアの分解装置の吸着筒に充填された吸着剤の温度は約80℃であった。
以上の実験の結果、気相成長装置から排出される排ガスの成分は、アンモニア30%、水素30%、窒素40%であった。また、アンモニアの分解装置(アンモニアの吸着筒)の排出口から排出されたガスからアンモニアは検出されなかった。また、水素分離装置の精製水素取出し口から得られた水素から、水素以外のガスは検出されなかった。尚、回収された水素の回収率は、アンモニアの分解で発生する水素を含めて約70%であった。
[実施例2]
(水素回収システムの装置一式の製作)
実施例1のアンモニアの分解装置の製作において、アンモニアの吸着筒を用いなかったほかは実施例1と同様にしてアンモニアの分解装置を製作した。また、実施例1の水素回収システムの装置一式の製作において、有機金属化合物の除去筒とアンモニアの分解装置の間にコンプレッサーを設置し予熱器は設置しなかったほかは実施例1と同様にして水素回収システムの装置一式を製作した。尚、アンモニアの分解装置から排出されるガスを、温度低下を少なくして水素分離装置に導入するためこのような構成とした。
(水素回収実験)
前記の装置一式を用いて実施例1と同様に実験の準備を行なった後、実施例1と同様にして水素回収実験を行なった。また、アンモニアの分解装置に導入する直前のガスは、ゲージ圧が0.6MPa程度になるように設定した。その結果、気相成長装置から排出される排ガスの成分は、アンモニア30%、水素30%、窒素40%であった。また、アンモニアの分解装置の排出口から排出されたガスから約5000ppmのアンモニアが検出された。また、水素分離装置の精製水素取出し口から得られた水素から、水素以外のガスは検出されなかった。尚、回収された水素の回収率は、アンモニアの分解で発生する水素を含めて約60%であった。
[実施例3]
(水素の再利用実験)
実施例1の実験終了後、回収された水素を原料の一部として使用し、実施例1と同様の水素回収実験を再開した。水素の気相成長装置への供給は、回収された水素をガス混合器15に供給するとともに、水素の供給源からは不足した量に相当する水素を加えてこれらを混合した後、精製装置を経由して気相成長に供給した。その結果、気相成長は支障なく行なうことができた。また、気相成長装置の排出口、アンモニアの分解装置(アンモニアの吸着筒)の排出口、及び水素分離装置の精製水素取出し口から排出される各ガスの分析結果もほぼ実施例1と同じであった。
以上の通り、本発明の水素の回収方法は、窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出される排ガスから、効率よく容易に水素を回収することができる。また、本発明の水素の再利用方法は、気相成長に悪影響を及ぼすことなく、回収されたアンモニアを容易に窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給して再利用することができる。
本発明の水素の回収方法及びそれを用いた水素の再利用方法に関連する装置一式の一例を示す構成図 本発明に使用するアンモニアの分解装置の一例を示す構成図 本発明に使用する水素分離装置の一例を示す鉛直方向断面の構成図 本発明に適用できる気相成長装置の一例を示す構成図
1 有機金属化合物の供給源
2 窒素の供給源
3 アンモニアの供給源
4 水素の供給源
5 気化器
6 窒素精製装置
7 アンモニア精製装置
8 水素精製装置
9 気相成長装置
10 有機金属化合物の除去筒
11 アンモニアの分解装置
12 水素分離装置
13 圧力調整装置
14 水素貯蔵槽
15 ガス混合器
16 外部へのガス放出ライン
17 アンモニアの加熱分解筒
18 アンモニアの吸着筒
19 ブロワ
20 熱交換器
21 不活性ガス供給ライン
22 パラジウム合金管
23 管板
24 ヒータ
25 排ガスの導入口
26 精製水素の取出し口
27 処理済ガスの排出口
28 基板ホルダー
29 サセプタ
30 サセプタの対面
31 ヒータ
32 反応炉
33 原料ガス導入部
34 反応ガス排出部
35 原料ガス配管
36 冷媒を流通する流路
37 サセプタ回転板

Claims (6)

  1. 窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から排出されるアンモニア、水素、窒素、及び有機金属化合物を含む排ガスを、金属酸化物にアルカリ金属化合物を添着してなる浄化剤と接触させて、該排ガスから有機金属化合物を除去し、除去処理後の該排ガスを、アンモニア分解触媒と加熱下で接触させて、アンモニアを窒素及び水素に分解し、さらに分解処理後の該排ガスを、パラジウム合金膜と加熱下で接触させて、パラジウム合金膜を透過した水素を回収することを特徴とする水素の回収方法。
  2. 金属酸化物にアルカリ金属化合物を添着してなる浄化剤が、酸化銅及び酸化マンガンを主成分とする金属酸化物に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム、または炭酸カリウムを添着してなる浄化剤である請求項1に記載の水素の回収方法。
  3. アンモニア分解触媒が、アルミナにルテニウムを担持させてなる触媒である請求項1に記載の水素の回収方法。
  4. アンモニアの分解後、パラジウム合金膜と接触させる前の排ガスを、コンプレッサーにより加圧する請求項1に記載の水素の回収方法。
  5. 排ガスに含まれるアンモニアの含有率が、10〜40vol%である請求項1に記載の水素の回収方法。
  6. 請求項1に記載の水素の回収方法により窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程から回収された水素を、前記の窒化ガリウム系化合物半導体の製造工程に供給することを特徴とする水素の再利用方法。
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