JP6082470B2 - 鉄道車両 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両に関し、特に、鉄道車両が衝突するなどした際に上床が台枠から分離することを抑制する床構造を備える鉄道車両に関する。
本技術分野の背景技術として、たとえば特許文献1がある。この公報には、「閉断面を有す中空押出形材からなる台枠の上面に複数の床支持具を固設し、該床支持具に設けた弾性部材を介して床板を支持した」と記載されている。
また、特許文献2には、「内装床板を支持する防振部材の両側面に係止段部を形成し、構体床板に設けた床受部材に、上面が開口した収納溝を形成し、収納溝の一方の側壁内面に、防振部材の一側面の係止段部上面に係合する突起部を設けるとともに、収納溝の他方の側壁上部から連続して水平方向外側に延出する支持部を設け、支持部に、防振部材の他側面の係止段部上面に係合する突起部を有する押え板を取付けた」と記載されている。
また、特許文献3には、「The mounting has a first C-shaped profiled part (1), with inward facing projections (5), and a second profiled part (2) with upper and low, both parts of plastic or aluminum. Elastic bearin supporting it on the first profile when not under load, or under small load only. The elastic bearing part is glued to the second profile, and another bearing part (12) is glued to the first profile.」と記載されている。
特開平9−150738号公報 特開2001−48017号公報 欧州特許出願公開1193165号明細書
上記の先行技術では、上床の上面に固定されている座席および上床の重量に起因する防振ゴムに作用する荷重の方向は、基本的に鉛直方向下向きなので、防振ゴムには圧縮方向の荷重のみが作用することを仮定している。しかしながら、万が一、鉄道車両が踏切上の障害物あるいは他の鉄道車両に衝突した際に、上床に固定されている座席の重心に鉄道車両の進行方向の力が加わる。同時に、座席の重心に作用する前述した力と、この重心から上床までの高さ寸法とを腕寸法とからなるモーメントが座席に作用する。そして、このモーメントは上床を鉄道車両の台枠から引き剥がそうとする衝撃荷重の原因となる。
従来、防振ゴムには想定されていなかった上述のような衝撃荷重が作用した場合、防振ゴムの上面と上床との接着面、防振ゴム自身、あるいは、防振ゴムの下面と台枠に設けられる防振ゴム受けとの間の接着面のいずれかが破断して、上床が上方に剥がれて浮き上がるおそれがある。
このため、上床が防振支持されている鉄道車両において、鉄道車両に大きな衝撃が作用した際に、通常の防振ゴム等の弾性部材による上床の弾性支持を阻害することなく、座席やテーブル等が固定されている上床が上方に浮き上がらない上床の弾性支持構造の実現が望まれている。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、上床の弾性支持を阻害することなく、鉄道車両に大きな衝撃が作用した際にも上床の上方への浮き上がりを有効に防止し得る鉄道車両を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するために本発明においては、台枠の上面側に床を構成する上床が敷設された鉄道車両において、前記台枠の上面に、当該台枠の長手方向に沿って設けられた突起部と、前記台枠の長手方向に沿って配設され、下面が前記台枠の上面に固定された弾性部材と、前記弾性部材の上面に固定されるとともに、前記上床の下面に固定された支持部材とを備え、前記突起部は、前記台枠の上面から垂直方向に延伸する垂直片と、当該垂直片の上端部から水平方向に延伸する水平片と、当該水平片の水平端部から下方に突出する突起とを有し、前記支持部材は、前記弾性部材の上面に接着剤により固定されるとともに、前記上床の下面側に固定される第1の水平片と、前記第1の水平片の幅方向の一端部から前記台枠の上面の方向に延伸する垂直片と、前記垂直片の下端部から水平方向に延伸する第2の水平片と、当該第2の水平片の水平端部から上方に向けて突出する突起とを有し、前記支持部材は、前記第2の水平片が前記台枠の上面と前記突起部の前記水平片との間に挿入され、前記突起部の前記水平片と前記支持部材の前記第2の水平片とが前記台枠の上面と垂直な方向において空間的に重なるように配置され、前記突起部の前記水平片と前記支持部材の前記第2の水平片との間と、前記突起部の前記水平片の水平端部と前記支持部材の前記垂直片との間と、前記支持部材の前記第2の水平片の水平端部と前記突起部の前記垂直片との間と、前記突起部の前記突起と前記支持部材の前記突起との間と、前記突起部の前記突起と前記支持部材の前記第2の水平片との間と、前記支持部材の前記突起と前記突起部の前記水平部との間には、それぞれ隙間が設けられ、こと前記上床が前記台枠の上面から離反する方向への移動が前記突起部の前記水平片と前記支持部材の前記第2の水平片との係合及び前記突起部の前記突起と前記支持部材の前記突起との係合により抑制するように構成されていることを特徴とする。
かかる鉄道車両によれば、衝突等によって衝撃が生じて上床を持ち上げる(引き剥がす)方向の荷重が上床に作用する場合であっても、突起部が支持部材の移動を係止するため、これに伴い上床の上下方向の移動も抑制される。この場合、突起部および支持部材は、弾性部材による上床の弾性支持には影響を及ぼさない。
本発明によれば、上床の弾性支持を阻害することなく、鉄道車両に大きな衝撃が作用した際にも上床の上方への浮き上がりを有効に防止し得る鉄道車両を実現できる。
図1は、鉄道車両の長手方向の垂直断面図である。 図2は、第1の実施の形態による防振支持構造を示す断面図である。 図3は、第1の実施の形態による防振支持構造の他の構成例を示す断面図である。 図4は、第1の実施の形態による防振支持構造を備える鉄道車両の長手方向に沿った方向の断面構成を示す断面図である。 図5は、第1の実施の形態による防振支持構造の他の構成例を示す断面図である。 図6は、第2の実施の形態による防振支持構造を示す断面図である。 図7は、第2の実施の形態による上床の支持構造の構成例を示す断面図である。 図8は、第2の実施の形態による防振支持構造の構成例を示す断面図である。 図9は、第2の実施の形態による上床の支持構造の構成例を示す断面図である。 図10は、第2の実施の形態による防振支持構造の応用例を示す斜視図である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
図1は本実施の形態による鉄道車両の長手方向の垂直断面図であり、図2は図1のA部を拡大した詳細図である。
一般的に、鉄道車両構体1は、床面をなす台枠2と、台枠2の幅方向の端部に立設される側構体3と、台枠2の長手方向の端部に立設される妻構体4(図4参照)と、側構体3および妻構体4の上部に載置される屋根構体5と、から構成される。
特に、台枠2、側構体3および屋根構体5の各構体は、対向する2枚の面板をリブで一体に結合した部材から構成されている。これらの部材は、アルミニウム合金を押出成型することによって製造され、ダブルスキン形材と呼称される。鉄道車両構体1に供されるこれらダブルスキン形材は、鉄道車両の長手方向に沿って押出し成型される場合が多い。
鉄道車両構体1の内部における台枠2の上面には防振ゴム10(図2)を介して上床11が敷設されており、上床11に座席6やテーブル7などが固定されている。
図2に示すように、上床11は、座席6やテーブル7等を上床11に固定する際に供される固定用レール12と、固定用レール12に接続されて床面を構成する床材13と、から構成される。固定用レール12は、上方が開口した断面C字状のチャンネル材である。床材13は、固定用レール12の側面下端部から矢印120で示す幅方向(枕木方向)に突出する縁部12aにねじ14により締結されている。床材13は、たとえば木材やアルミハニカム材をコア材とし、このコア材の両面にアルミニウム合金等の薄い面板を貼りつけて形成されている。固定用レール12は、台枠2と同様に、アルミニウム合金の押出し成型によって製作されている。
上床11は、鉄道車両構体1内に持ち込まれて所定位置に位置決めされた後、あらかじめ台枠2の上面の所定位置に固定された防振ゴム10の上面に固着されている支持部材15上に載置される。そして、上床11の幅方向(枕木方向)の両端部を、側構体3の下端部に設けられた図示しない支持部にねじ止めするとともに、上床11の幅方向の中央部に位置する固定用レール12を防振ゴム10上の支持部材15にねじ16により締結する。
その後、座席6の脚6aおよびテーブル7の脚7aの下端部を、上床11を構成する固定用レール12の上部にボルト17により固定する。台枠2と上床11との間の空間には、吸音材または断熱材などの所定の板状部材18が必要に応じて配設される。なお、上床11の幅方向の両端部を側構体3の下端部で支持する支持構造として、後述する台枠2の突起部20、支持部材15および防振ゴム10から構成される本実施の形態の防振支持構造を採用してもよい。
次に、台枠2への上床11の取り付け構造について説明する。本実施の形態の場合、台枠2の上面(台枠2の面板2a,2bのうちの車内側の面板2aの表面)側には、図4において矢印110で示す台枠2の長手方向(レール方向)に沿って断面逆L字状の突起部20が台枠2と一体に押出し成型される(図4参照)。突起部20は、面板2aから垂直方向に延伸する垂直片20aと、垂直片20aの上端部から水平方向に延伸する水平片20bと、水平片20bの水平端部から下方に突出する(後述する支持部材15の第2の水平片15c側に突出する)突起20cとを備える。垂直片20aは、台枠2における面板2aと傾斜リブ2cとの接続部の近傍に設けられる。
脱脂処理が施された面板2aの上面に、面板2aの長手方向(レール方向)に沿って防振ゴム10が接着剤によって固定された後、防振ゴム10の上部に支持部材15が接着剤によって固定される。この支持部材15は、第1の水平片15aと、第1の水平片15aの幅方向の一端部から下方に延伸する垂直片15bと、垂直片15bの下端部から水平方向に延伸する第2の水平片15cと、第2の水平片15cの水平端部から上方に向けて突出する(突起部20の水平片20b側に突出する)突起15dとを備えて構成される。
支持部材15は、第2の水平片15cが台枠2の突起部20の水平片20bと台枠2の上面板2aとの間に挿入され、第2の水平片15cと突起部20の水平片20bとが台枠2の上面と垂直な方向(矢印130)において空間的に重なるように防振ゴム10上に接着される。
このとき、突起部20の水平片20bと支持部材15の第2の水平片15cとの間と、突起部20の水平片20bの水平端部と前記支持部材15の垂直片15bとの間と、支持部材15の第2の水平片15cの水平端部と突起部20の垂直片20aとの間と、突起部20の突起20cと支持部材15の突起15dとの間と、突起部20の突起20cと支持部材15の第2の水平片15cとの間と、支持部材15の突起15dと突起部20の水平片20bとの間とにはそれぞれ隙間(空間)が設けられており、これにより鉄道車両の通常の運用時に防振ゴム10が変形することを阻害しないで、上床11を弾性支持できる構成としている。鉄道車両が運行される場合に、防振ゴム10に垂直荷重が作用して圧縮変形したり、水平荷重を受けてせん断変形したりする場合であっても、これら隙間(空間)は確保されており、これにより上床11が防振ゴム10に弾性支持される。
なお、台枠2の突起部20(垂直片20a、水平片20b、突起20c)の態様と、支持部材15(第1の水平片15a、垂直片15b、第2の水平片15c、突起17d)の態様とは、鉄道車両構体1の中央部の垂直断面(図1のB−B断面)に対して面対称に配置されている。
支持部材15の垂直片15bと、防振ゴム10の側面10aとの間にも隙間g1(図2参照)が設けられており、上床11を弾性支持する防振ゴム10に荷重が作用して変形することを妨げない構成としている。さらに、防振ゴム10の側面10aとの間に隙間g1を設けることにより、バネ定数が小さく振動絶縁効果が大きいゴム(ゴム硬度が小さく柔らかいゴム)を防振ゴム10として利用できる構成としている。支持部材15の第1の水平片15aの幅方向の開放端部には切欠15eが設けられており、これにより支持部材15の軽量化が図られている。
次に、上床11を台枠2の上面に固定する方法の一例について説明する。まず、固定用レール12の縁部12aに床材13をねじ14で固定して、固定用レール12と床材13とを一体にした上床11を製作する。上床11の幅方向(枕木方向)の寸法は、鉄道車両構体1の車内の幅方向(枕木方向)の寸法とほぼ同じ寸法であり、上床11の長手方向(レール方向)寸法は、車内に搬入された上床11を車内で容易に取り扱える程度の長さ(たとえば2〔m〕前後)に選定される。
続いて、台枠2の上面(面板2aの表面)の所定位置に防振ゴム10を接着剤で固定し、その後、台枠2の突起部20の垂直片20a、水平片20bおよび突起20cと、支持部材15の垂直片15b、第2の水平片15cおよび突起15dとが上述した位置関係を満足するように支持部材15を位置決めしながら当該支持部材15の第1の水平片15aを防振ゴム10の上面に接着剤で固定する。
この後、支持部材15の第1の水平片15aの上面に上床11を位置決めして載置し、さらに、固定用レール12の上方に開口した部位からねじ16を固定用レール12の内部に挿入し、このねじ16を固定用レール12を介して支持部材15にねじ込むことにより、固定用レール12を支持部材15に固定する。この作業を繰り返すことによって、上床11同士がその長手方向に沿って直列に接続され、これにより継ぎ目の目立たない連続した一体の床が構成される。なお、鉄道車両構体1の長手方向(レール方向)に沿って上床11を直列に接続するための上床11の接合部の形態等については後述する。
図2との対応部分に同一符号を付した図3は、上床11を防振支持する上述の防振支持構造を、台枠2の上面と床の下面との寸法が小さい鉄道車両に採用した場合の構成例を示す。この防振支持構造は、防振ゴム21の厚みが小さい点と、支持部材22の垂直片22bの高さ寸法が短い点とを除いて、図2について上述した本実施の形態による防振支持構造と同様の構造を有する。なお図3において、22aは支持部材22の第1の水平片、22cは支持部材22の第2の水平片、22dは支持部材22の突起をそれぞれ示す。
ここで、複数の鉄道車両から組成される鉄道車両編成は、主電動機を搭載する台車を備える鉄道車両や、主電動機を搭載しない鉄道車両や、架線から電力を鉄道車両へ供給するために屋根上に集電装置が搭載される鉄道車両などから構成される。
主電動機を搭載する台車を備える鉄道車両では、台車に搭載される主電動機の振動や、台車のけん引力やブレーキ力を鉄道車両構体1に与える牽引装置に生じる振動などが台枠2に伝達されやすい。このため、主電動機を搭載する台車を備える鉄道車両では、台枠2の振動が上床11に伝達しないように、防振ゴムの厚み(高さ寸法)を大きくしたり、ゴム硬度を小さくしたりするなどして防振性を高めることが望ましい。一方、主電動機を搭載しない台車を備える鉄道車両では、台枠2に伝達される上述のような振動の振動レベルが小さく、上床11に対する高い防振性能が要求されないので、防振ゴムの厚みを大きく取る必要がない。
また集電装置を搭載する鉄道車両は、屋根構体5の高さが低くなることから、天井8(図1)の高さも低くなる。このため、台枠2の上面(面板2aの表面)から上床11の下面までの高さ寸法H1(図2)を小さくして、上床11の上面から天井8の下面までの高さ寸法を大きくする工夫がなされる場合がある。このような場合、図3のように支持部材22の垂直片22bの高さ寸法と、防振ゴム21の高さ寸法とを小さくするだけで、台枠2の上面から上床11の下面までの高さ寸法H2(図3)を小さくすることができる。
このように台枠2の上面から上床11の下面までの寸法が小さい鉄道車両については、垂直片22bの高さ寸法が小さい支持部材22を適用するとともに、厚みが小さい防振ゴム21を利用することで対応できるため、台枠2と一体に押出し成型される垂直片20a(水平片20b、突起20c)などの寸法を、台枠2の上面と上床11の下面との高さ寸法に応じて変更する必要がない。したがって、台枠2の種類を増やしたり、台枠2を構成する押し出し形材のダイス(押出し成型に供される型)を複数個準備したりすることがなく、製造コストの上昇を抑制することができる。
図4は、上述した本実施の形態の防振支持構造を備える鉄道車両の長手方向に沿う方向の断面図(図2におけるC−C断面図)である。鉄道車両は、長手方向(レール方向)の端部にデッキ部Dを備え、その長手方向の中央部に客室部Pを備えている。一般に、デッキ部Dは台車30の上方に位置する空間であり、側構体3(図1)に乗客等が乗降に供す出入り口を備えている。デッキ部Dと客室部Pとは、仕切り板31で仕切られるとともに、仕切り板31にはデッキ部Dから客室部Pに通じる扉(図示せず)が備えられる。
鉄道車両の床下には、台車30および床下機器32、33が備えられる。たとえば、床下機器32は内燃機関および発電機を備えるパワーパックであり、床下機器33は台車30に備えられるブレーキを制御する制御装置である。床下機器32は可動部を有しているため台枠2を加振する可能性が高く、床下機器33は可動部を有していないため台枠2を加振する可能性が低い。台車30が主電動機を搭載していれば主電動機の回転に伴う振動が台枠2に伝達するし、台車30が主電動機を搭載しない場合であっても、軌道34の継ぎ目や、軌道34の不整等によって台車30から台枠2へ振動が伝わりやすい。
台枠2を加振する床下機器32の上方の位置P1に備えられる上床11は、台枠2の上面に防振ゴム10を介して固定され(防振支持)、台枠2を加振しない床下機器33の上方の位置P2に備えられる上床11は、台枠2の上面に配置される防振ゴム10を介すことなく、台枠2に設けられた突起部20の水平片20bに直接固定される(防振支持なし、図9参照)。
上床11は鉄道車両構体1の長手方向(レール方向)に沿って直列に接続されて台枠2上に配置される。上床11の長手方向(レール方向)の一方の端部には雄型の当接部11bが備えられており、上床11の長手方向の他方の端部には雌型の当接部11aが備えられている。上床11を台枠2の上面に載置して位置決めをする際、直列に配置される上床11の雄型の当接部11bと雌型の当接部11aとを突き合わせてかみ合わせながら敷設する。
なお本実施の形態の場合、図4からも明らかなように、防振ゴム10は台枠2の長手方向(レール方向)に沿って連続的に配置されるのに対して、台枠2の突起部20および支持部材15は台枠2の長手方向に沿って離散的に配置される。これは鉄道車両構体1の軽量化を図るための対策であり、このため台枠2と一体に当該台枠2の長手方向(レール方向)に沿って連続的に押出し成型された突起体(突起部20と同じ断面形状を有する)の余分な部分を、グラインダー等で切り落とすことにより個々の突起部20を形成する。なお、軽量化の要求が厳しくない場合には、突起部20を離散的に設ける必要はなく、かかる突起体をそのまま突起部20として利用するようにしてもよい。
以上の構成を有する本実施の形態の鉄道車両では、踏切等で障害物等に衝突した場合に、上床11、座席6およびテーブル7等には鉄道車両の進行方向(レール方向)に向く慣性力が作用するため、これらの部品には進行方向に向かう力が発生するが、上床11がねじ16で機械的に締結されている支持部材15は、防振ゴム10の上面に接着されているため、接着剤のせん断力によって上床11の進行方向への移動は抑制される。
同様に、進行方向に向く力が作用している座席6の脚6aやテーブル7の脚7aは、上床11を構成する固定用レール12に固定されているので、上床11へ締結されている脚6aおよび脚7aは上床11と同じように進行方向への移動が抑制されるが、座席6の座面や背もたれ等は鉄道車両の進行方向へ移動しようとする。このため、座席6およびテーブル7の重心に作用する進行方向に向かう慣性力と、これらの重心から上床11までの高さ寸法を腕の長さと、からなるモーメントが上床11と脚6a(脚7a)との締結部に作用する。
このモーメントによって、上床11が上方へ持ち上げられようとする力が作用して上述した接着面が剥がれる場合であっても、上床11に固定された支持部材15の第2の水平片15cが台枠2の上面から離反する方向に移動するのを台枠2に設けられた突起部20の水平片20bが係止するため、上床11が台枠2から浮き上がることを抑制することができる。
また鉄道車両に作用する衝撃は、必ずしも進行方向に沿う方向だけとは限らず、たとえば踏切等において自動車が鉄道車両の側面に衝突する場合も想定されうる。このような場合であっても、台枠2に設けられた突起部20の垂直片20a等の態様と、支持部材15の垂直片15b等の態様とが、鉄道車両構体1の中央部の垂直断面に対して面対称に配置されているので、上床11が進行方向に交差する方向に繰り返される力を受けても、台枠2の突起部20の垂直片20aが支持部材15の垂直片15bの幅方向(枕木方向)の移動を係止するとともに、水平方向の力に伴って上床11が上方に持ち上げられようとしても、台枠2の突起部20の水平片20bが支持部材15の第2の水平片15cの上方の移動を係止する。
さらに、台枠2の突起部20には突起20cが設けられるとともに、支持部材15にも突起15dが設けられており、上床11が上方に持ち上げられようとした場合にこれら突起20cと突起15dとが係合するので、上床11が台枠2から分離することを効果的に抑制することができる。したがって、鉄道車両に水平面内の衝撃(幅方向または斜め方向の衝撃)が作用する場合であっても、上床11が台枠2から分離することを有効に抑制することができる。
なお、これらの突起20c,15dは、対応する突起部20の水平片20bや支持部材15の第2の水平片15cの強度および剛性を高めることにも寄与しており、上床11に衝撃が作用した場合においても、これら水平片20b,15cが破損することを有効に防止することができる。
さらに本実施の形態の鉄道車両では、上述のように支持部材15の第2の水平片15cを台枠2に設けられた突起部20の水平片20bと台枠2の上面板2aとの間に挿入し、突起部20の水平片20bと、支持部材15の第2の水平片15cとが台枠2の上面と垂直な方向(図2の矢印130)において空間的に重なる態様で支持部材15が防振ゴム10の上部に固定される。
このとき、突起部20の水平片20bと支持部材15の第2の水平片15cとの間と、突起部20の水平片20bの水平端部と支持部材15の垂直片15bとの間と、支持部材15の第2の水平片15cの水平端部と突起部20の垂直片20aとの間と、突起部20の突起20cと支持部材15の突起15dとの間と、突起部20の突起20cと支持部材15の第2の水平片15cとの間と、支持部材15の突起15dと突起部20の水平片20bとの間とには隙間(空間)がそれぞれ設けられる。この構成によって、鉄道車両の振動に伴う防振ゴム10の変形が阻害されないので、十分な防振支持(振動絶縁)効果を得ることができる。さらに、上述のように突起部20の水平片20bと支持部材15の第2の水平片15cとの間等の隙間が維持されているため、これら部材同士が衝突することによって生じる騒音の発生も抑制することができる。
加えて、本実施の形態の鉄道車両では、台枠2の突起部20が鉄道車両構体1の中央部の垂直断面に対して面対称に設けられるため、突起部20が一体に押出し成型される台枠2の構成形材の種類を少なくすることができる。つまり、たとえば台枠2の幅方向(枕木方向)の右側半分の押出形材(ダブルスキン形材)を手前から奥に向けて押出し成型し、左側半分の押し出し形材(ダブルスキン形材)を奥から手前に向けて押出し成型して、これらを幅方向に突き合わせて接合して台枠2を構成する。この構成(中央部の垂直断面に対して面対称構造)によって、台枠2の構成形材の種別の数を小さくできるので、設計コストおよび製造コストを小さくすることができる。
また本実施の形態の鉄道車両では、台枠2の突起部20の垂直片20aが、台枠2の上面を形成する面板2aと、両面板2a,2b間を接続する傾斜リブ2cとの接続部の近傍に設けられているため、当該突起部20の強度および剛性を強化することができる。つまり鉄道車両に衝撃が生じて、上床11が上方へ移動しようとするとき、上床11に固定されている支持部材15の第2の水平片15cが台枠2に設けられた突起部20の水平片20bに係止される。このとき、水平片20bと、水平片20bを支持する垂直片20aと、垂直片20aが接続される面板2aに大きな力が作用する。しかしながら本実施の形態の鉄道車両においては、上述した構成を備えているため、上床11の上方への移動を抑制する過程において、突起部20の垂直片20aが上方へ引っ張られる方向に衝撃力が作用してもその衝撃力に十分耐えることができる。
なお、座席6の脚6aや、テーブル7の脚7aとの位置の関係によっては、台枠2の面板2aと傾斜リブ2cとの接続部の近傍に突起部20を設けることが難しい場合がある。この場合には、図5に示すように、突起部20の垂直片20aの下方の面板2aと面板2bとを接続する垂直リブ2dを設けることにより、垂直片20aの強度および剛性を確保するようにしてもよい。
さらに、一般に、車内騒音が問題となる160〔Hz〕以上の高周波数域では、上床11が局所的なローカル変形モードの振動を呈するようになり、上床11が単一のマス(質量)ではなく、複数のマス(質量)とバネを有する複数自由度の物体としての挙動を示すようになる。この点について、本実施の形態の鉄道車両では、防振ゴム10の真上に座席6の脚6aおよびテーブル7の脚7aが固定されるため、座席6の重量と着座した乗客の重量とが固定用レール12を介して防振ゴム10に作用する場合は、座席6が防振ゴム10の真上以外の範囲に上床11に固定されている場合に比べて、防振ゴム10をバネ、上床11をマス(質量)とするバネマス系の固有振動数が小さくなるので防振効果が期待できる周波数帯域が低周波数の側に拡大されるため、高い防振効果を発揮することができる。これによりさらに車内騒音を下げる効果がある。
また、剛性の高い固定用レール12は振動の節になりやすく、その節の位置で防振ゴム10により上床11が支持されているため、台枠2の振動が上床11に伝播しにくい構造となっている。さらに、剛性の高い固定用レール12によって座席6の脚6aが固定されているため、固定用レール12を設けない場合に比べて、衝突時に座席6の脚6aを上床11から引き剥がそうとする上方への衝撃荷重に対する耐久力が向上する。さらには、防振ゴム10の上面にあらかじめ支持部材15を接着固定しておき、そこに上床11を固定していくことができるため、支持部材15の位置決めが容易で、組み立て施工性が向上する。
(2)第2の実施の形態
図2との対応部分に同一符号を付した図6は、第2の実施の形態による上床11の防振支持構造を示す。本実施の形態の場合、台枠40の上面側(車内側の面板40aの側)には、台枠40の長手方向(レール方向)に沿って断面逆L字状の突起部41が台枠40と一体に押出し成型される。
突起部41は、面板40aから垂直方向に延伸する垂直片41aと、垂直片41aの上端部から水平方向に延伸する水平片41bと、水平片41bの水平端部から下方に突出(後述する支持部材43の第2の水平片43c側に突出)する突起41cとを備え、台枠40の長手方向に沿って連続的または離散的に形成される。突起部41の水平片41bは、第1の実施の形態の突起部20の水平片20b(図2)に比べて幅方向(枕木方向)の幅が広く形成されている。また垂直片41aは、台枠40の上面を形成する面板40aと、面板40aおよび面板40b間を接続する傾斜リブ40cとの接続部の近傍に設けられる。
脱脂処理が施された突起部41の上面には、突起部41の水平片41bとほぼ同じ幅を有し、かつ長手方向(レール方向)に後述する支持部材43と同じ長さを有する防振ゴム42が接着剤によって固定されており、この防振ゴム42の上面に支持部材43が固定されている。この支持部材43は、略C字状の断面形状を有しており、第1の水平片43aと、第1の水平片43aの幅方向の一方の端部から下方に延伸する垂直片43bと、垂直片43bの下端部から第1の水平片43aと対向するように水平方向に延伸する第2の水平片43cと、第2の水平片43cの水平端部から上方に向けて突出(突起部41の水平片41b側に突出)する突起43dとを備えて構成される。
支持部材43は、第2の水平片43cが突起部41の水平片41bと台枠40の上面板40aとの間に挿入され、突起部41の水平片41bと、当該支持部材43の第2の水平片43cとが台枠40の上面と垂直な方向(矢印130)において空間的に重なるように、第1の水平片43aにおける第2の水平片43cとの対向面が防振ゴム42の上面に接着剤により固定される。
このとき、突起部41の水平片41bと支持部材43の第2の水平片43cとの間と、突起部41の水平片41bの水平端部と支持部材43の垂直片43bとの間と、突起部41の突起41cと支持部材43の第2の水平片43cとの間と、支持部材43の水平片43cの水平端部と突起部41の垂直片41aとの間と、支持部材43の突起43dと突起部41の水平片41bとの間とには隙間(空間)がそれぞれ設けられており、鉄道車両の通常の運用時に防振ゴム42が変形することを阻害しないで、上床11を弾性支持できる構成としている。鉄道車両が運行される場合に、防振ゴム42に垂直荷重が作用して圧縮変形したり、水平荷重を受けてせん断変形したりする場合であっても、これら隙間(空間)は確保されており、これにより上床11が防振ゴム42に弾性支持される。
なお、台枠40の突起部41(垂直片41a、水平片41b、突起41c)の態様と、支持部材43(第1の水平片43a、垂直片43b、第2の水平片43c、突起43d)の態様とは、鉄道車両構体1の中央部の垂直断面(図1のB−B断面)に対して面対称に配置されている。
支持部材43の垂直片43bと、防振ゴム42の側面42aとの間にも隙間g2が設けられており、上床11を弾性支持する防振ゴム10に荷重が作用して変形することを妨げない構成としている。さらに、防振ゴム42の側面42aとの間に隙間g2を備えることにより、バネ定数が小さく振動絶縁効果が大きいゴム(ゴム硬度が小さく柔らかいゴム)を防振ゴム42として選定できる構成としている。支持部材43の第1の水平片43aの幅方向の開放端部には切欠き43eが設けられており、支持部材43の軽量化が図られている。
次に、上床11を台枠40の上面に固定する方法の一例について説明する。まず、第1の実施の形態について上述した手法により固定用レール12と床材13とを一体にした上床11を製作する。
続いて、台枠40の各突起部41の水平片41b上に防振ゴム42を接着剤で固定し、その後、台枠40の突起部41の垂直片41a、水平片41bおよび突起41cと、支持部材43の第1の水平片43a、垂直片43b、第2の水平片43cおよび突起43dとが上述した位置関係を満足するように支持部材43を位置決めしながら、支持部材43の第1の水平片43aにおける第2の水平片43cとの対向面を防振ゴム42の上面に接着剤で固定する。
この後、支持部材43の第1の水平片43aの上面に上床11を位置決めして載置し、さらに、固定用レール12の上方に開口した部位からねじ16を固定用レール12の内部に挿入し、このねじ16を固定用レール12を介して支持部材43にねじ込むことにより、固定用レール12を支持部材43に固定する。この作業を繰り返すことによって、上床11同士がその長手方向に沿って直列に接続され、これにより継ぎ目の目立たない連続した一体の床が構成される。
本実施例においても、第1の実施の形態において述べたのと同様に、鉄道車両の衝突時に上述した接着材が剥がれて上床11が上方に移動しようとする衝撃荷重に対して、支持部材43の第2の水平片43cが突起部41の水平片41bにぶつかり、上床11の上方への移動が抑制される。これにより、第1の実施の形態と同様の効果、つまり上床11の防振性能と、衝突時の安全性を両立するという効果を得ることができる。なお、本実施の形態では突起部41の水平片41bと、支持部材43の第2の水平片43cとの間に隙間が存在するが、この隙間にも防振ゴム42と同様の防振ゴムを配設するようにしてもよい。
また、鉄道車両構体1の内部における台車の上方以外の一般部の床など、防振の必要性が低い部位については、図6について上述した本実施の形態の防振支持構造と、図7に示すような剛支持構造とを併用するようにしてもよい。この剛支持構造は、台枠40の上面側(車内側の面板40aの側)に、台枠40の長手方向に沿って当該台枠40と一体に押出し成型された断面F字状の突起部44から構成される。
突起部44は、面板40aから垂直方向に延伸する垂直片44aと、垂直片44aの上端部から水平方向に延伸する第1の水平片44bと、垂直片44aの中段位置から第1の水平片44bと対向するように水平方向に延伸する第2の水平片44cと、第2の水平片の44cの端部から下方へ突出する突起44dとを備える。垂直片44aは、台枠40の面板40aと、面板40aに斜めに接続する傾斜リブ40cとの接続部の近傍に設けられる。
また突起部44は、面板40aから第1の水平片44bの上面までの高さが図6について上述した防振支持構造における支持部材43の第1の水平片43aの上面までの高さと同じ高さに形成されるとともに、面板40aから第2の水平片44cまでの高さが図6について上述した防振支持構造における突起部41の水平片41bの上面までの高さと同じ高さに形成されている。
そして上床11は、突起部44の第1の水平片44bの上面に位置決めして載置し、固定用レール12の上方に開口した部位からねじ16を固定用レール12の内部に挿入し、このねじ16を固定用レール12を介して突起部44の第1の水平片44bにねじ込むようにして、突起部44(ひいては台枠40)に固定される。
したがって、たとえば図4において、内燃機関および発電機を備えるパワーパックでなる床下機器32の上方の位置P1には図6について上述した防振支持構造を設け、制御装置でなる床下機器33の上方の位置P2には図7について上述した剛支持機構を設けることにより、剛支持構造と防振支持構造と併用することができる。
この場合において、防振支持構造を設けるに際しては、突起部44における第2の水平片44cよりも上側部分を取り除くことで防振支持構造の突起部41(図6)を作成することができるため、台枠40の形状を部位によって変更する必要がなく、上床11の支持機構が剛支持機構および防振支持構造のいずれであるかに係わりなく、台枠40の形状を共通化することができる。
逆に、図6について上述した本実施の形態による防振支持構造よりもさらに防振ゴム42の厚みを大きくし、より防振性能を高めたい部位については、図8に示すように、突起部44(図7)全体を取り除き、台枠40に接着などの方法により固定した防振ゴム45の上方に固定用レール12をねじ止めするなどして上床11を台枠40に固定することも可能である。この場合、この部分自体には車両衝突時に上床11が上方へ変位するのを抑制する機能はないが、図4について上述したように上床11同士は鉄道車両の長手方向(レール方向)に締結されているため、前後の上床11において上方への変位が抑制されれば、この上床11だけが上方へ変位することはない。
また、たとえば屋根上に集電装置が搭載された鉄道車両において、屋根構体5(図1)の高さが低くなるのに伴って床を低く抑える必要があり、かつ床の防振支持が必要ない場合には、図9に示すように、上述の突起部44の第2の水平片44cよりも上側部分を取り除くことにより図6の突起部41を形成し、この突起部41の水平片41bに直接、固定用レール12をねじ16により固定することによって、上床11の高さを低くすることができる。このように本発明によれば、異なる防振性能や床高さへの要求に対応して、鉄道車両毎に床高さの異なる構成を容易に実現することができ、幅広い車種に対応することが可能である。
なお、鉄道車両において、部分的に上床11の長手方向(レール方向)の移動を強固に抑制することが必要な場合には、図10に示すように、突起部41を台枠40の長手方向(レール方向)に沿って連続的に設けるとともに、当該突起部41の水平片41bにアンカー穴41baを設け、アンカーピン46をアンカー穴41baに挿入するようにしてもよい。この場合、アンカーピン46とアンカー穴41baとは非接触であり、アンカーピン46は固定用レール12に設けた穴12bに固定される。これにより、通常時はアンカーピン46とアンカー穴41baとは非接触であるが、衝突時に上床11が長手方向(レール方向)に移動しようとした際には、アンカーピン46がアンカー穴41baにぶつかり、上床11の移動を抑制する。また、アンカーピン46は、座席6の脚6aを固定するボルト17(図6)と共用であってもよい。
(3)他の実施の形態
なお上述の実施の形態は一例であり、本発明の構成はこれに限定されるものではない。たとえば、上述の第1及び第2の本実施の形態において、支持部材15,22,43の水平片15a,22a,43aを防振ゴム10,21,42の上面に接着するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上床11の下面に支持部材15,22,43の水平片15a,22a,43aを固定し、台枠2,40の突起部20,41と、支持部材15,22,43との位置関係を上述した態様とするようにしてもよい。このように支持部材15,22,43と防振ゴム10,21,42とを分離する場合、固定用レール12を設けないで上床11に座席6を直接固定するようにしてもよい。支持部材15,22,42と防振ゴム10,21,42とを分離した場合であって、防振ゴム10,21,42の上方に座席6の脚6aが固定されない場合であっても、上述の第1及び第2の実施の形態と同様の防振効果および上床11の移動抑制効果を得ることができる。
また上述の第1および第2の実施の形態においては、上床11を弾性支持する弾性部材として防振ゴム10,21,42,45を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、かかる弾性部材として、たとえば、ばねや硬化スポンジ等のゴム以外の弾性部材を広く適用することができる。
さらに上述の第1および第2の実施の形態においては、突起部15d,20c,22d,41c,43d,44dを台枠2,40と一体に押出し成型するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、突起部15d,20c,22d,41c,43d,44dを台枠2,40とは別個に形成し、突起部15d,20c,22d,41c,43d,44dをねじ止め又は溶接等により台枠20,40に固定するようにしてもよい。ただし、突起部15d,20c,22d,41c,43d,44dを台枠2,40と一体に押出し成型した方が引っ張り方向(上方向)に対する突起部15d,20c,22d,41c,43d,44dの強度を上げることができる。
さらに上述の第1および第2の実施の形態においては、突起部20,41,44および支持部材15,22,43を図2、図3または図6について上述した構成とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、上床11に固定された支持部材の台枠20,40の上面から離反する方向への移動を突起部により係止することができるのであれば、これら支持部材および突起部の構成としては、図2、図3または図6について上述した構成以外の種々の構成を広く適用することができる。
さらに上述の第1の実施の形態においては、台枠2に、突起部20の垂直片20aの下方の面板2aと面板2bとを接続する垂直リブ2dを設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第2の実施の形態の台枠40についても同様に、必要に応じて突起部41の垂直片41aの下方の面板40aと面板40bとを接続する垂直リブを設けるようにしてもよい。
さらに上述の第2の実施の形態においては、図10について上述した上床11の長手方向への移動抑制構造を第2の実施の形態の防振支持構造に対してのみ適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、このような上床11の長手方向への移動抑制構造を第1の実施の形態の防振支持構造についても適用するようにしてもよい。
本発明は台枠の上面側に床を構成する上床が敷設される種々の構成の鉄道車両に広く適用することができる。
1……鉄道車両構体、2,40……台枠、2a,2b,40a,40b……面板、2c,40c……傾斜リブ、2d……垂直リブ、6……座席、6a,7a……脚、7……テーブル、10,21,42,45……防振ゴム、11……上床、12……固定用レール、12a……縁部、12b……穴、13……床材、14,16……ねじ、15,22,43……支持部材、15a,15c,20b,22c,41b,44b,44d……水平片、15b、20a,22b,41a,43b、44a……垂直片、15d,20c,22d,41c,43d,44d……突起、15e……切欠き、17,46……ボルト、20,41,44……突起部、30……台車、33……床下機器、110……長手方向(レール方向)、120……幅方向(枕木方向)、130……高さ方向。

Claims (4)

  1. 台枠の上面側に床を構成する上床が敷設された鉄道車両において、
    前記台枠の上面に、当該台枠の長手方向に沿って設けられた突起部と、
    前記台枠の長手方向に沿って配設され、下面が前記台枠の上面に固定された弾性部材と、
    前記弾性部材の上面に固定されるとともに、前記上床の下面に固定された支持部材と
    を備え、
    前記突起部は、
    前記台枠の上面から垂直方向に延伸する垂直片と、
    当該垂直片の上端部から水平方向に延伸する水平片と、
    当該水平片の水平端部から下方に突出する突起と
    を有し、
    前記支持部材は、
    前記弾性部材の上面に接着剤により固定されるとともに、前記上床の下面側に固定される第1の水平片と、
    前記第1の水平片の幅方向の一端部から前記台枠の上面の方向に延伸する垂直片と、
    前記垂直片の下端部から水平方向に延伸する第2の水平片と、
    当該第2の水平片の水平端部から上方に向けて突出する突起と
    を有し、
    前記支持部材は、
    前記第2の水平片が前記台枠の上面と前記突起部の前記水平片との間に挿入され、
    前記突起部の前記水平片と前記支持部材の前記第2の水平片とが前記台枠の上面と垂直な方向において空間的に重なるように配置され、
    前記突起部の前記水平片と前記支持部材の前記第2の水平片との間と、前記突起部の前記水平片の水平端部と前記支持部材の前記垂直片との間と、前記支持部材の前記第2の水平片の水平端部と前記突起部の前記垂直片との間と、前記突起部の前記突起と前記支持部材の前記突起との間と、前記突起部の前記突起と前記支持部材の前記第2の水平片との間と、前記支持部材の前記突起と前記突起部の前記水平部との間には、それぞれ隙間が設けられ、
    前記上床が前記台枠の上面から離反する方向への移動が前記突起部の前記水平片と前記支持部材の前記第2の水平片との係合及び前記突起部の前記突起と前記支持部材の前記突起との係合により抑制するように構成されている
    ことを特徴とする鉄道車両。
  2. 前記突起部の態様と、前記支持部材の態様とが、前記台枠における幅方向の中央部の垂直断面に対して面対称に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
  3. 前記台枠は、
    押出し成型により形成され、対向する2枚の面板をリブにより接続した構造を有し、
    前記突起部は、
    前記台枠の上面を形成する前記面板と、前記リブとの接続部の近傍に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
  4. 前記上床上に配置された座席を備え、
    前記座席の脚が前記上床における前記弾性部材の真上の位置に固定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
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