JP6078440B2 - 詰め替え容器 - Google Patents

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Description

本発明は、詰め替え容器に関するものである。
この種の詰め替え容器として、従来、例えば下記特許文献1に記載されているような、本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、容器本体の口部に装着され、該口部を閉塞する中栓と、を備え、中栓を本容器の口部に螺着させた状態で詰め替えを行う詰め替え容器が知られている。この中栓には、内容物を注出するための注出口が形成されているとともに、該注出口を閉塞するシール部が設けられている。シール部は、例えばプルトップが付設された蓋体からなる。
上記した詰め替え容器では、まずプルトップを引き上げて中栓の注出口を開封する。続いて、詰め替え容器を正立姿勢(口部が上向きの姿勢)に配置し、該詰め替え容器の中栓に、倒立姿勢(口部が下向きの姿勢)とされた本容器の口部を螺着する。そしてこの状態から、詰め替え容器と本容器とを上下反転させて、本容器を正立姿勢にするとともに詰め替え容器を倒立姿勢にする。これにより、詰め替え容器内の内容物が、詰め替え容器及び本容器の各口部の内側を流通して本容器内に詰め替えられる。
特開2000−159249号公報
しかしながら、上記した従来の詰め替え容器では、中栓の注出口を開封した後、中栓に本容器の口部を螺着し、その後、詰め替え容器と本容器とを上下反転させる必要があるので、詰め替え作業が煩雑となっていた。
また、中栓の注出口を開封した後に、該中栓に対して本容器の口部を螺着するため、その螺合作業中に誤って詰め替え容器を倒すと、詰め替え容器内の内容物がこぼれ出るおそれがあった。
さらに、中栓に本容器の口部を螺着する際には、該本容器を倒立姿勢にするため、本容器内に内容物が残留していると、該内容物がこぼれるおそれがある。従って、本容器内の内容物を使い切った後でないと、詰め替え作業を行い難かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、詰め替え作業を簡便に行うことができるうえ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うことができる詰め替え容器を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る詰め替え容器は、本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部から容器軸方向に沿った該容器本体の外側に向けて延在するとともに、前記本容器の注入口内に差し込み可能とされ、かつ先端部に注出口が形成された注出筒と、前記注出口を閉塞するとともに、該注出口の開口周縁部に破断可能な弱化部を介して連結された閉塞板と、前記閉塞板に連結された操作突片と、を備え、前記閉塞板の表裏面は、平坦に形成されて容器軸に直交する直交面に沿って延び、前記操作突片は、前記注出筒の径方向の外側に配置され、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向けて開口して前記本容器の注入口の開口端縁に係止するフック部と、一端部が前記閉塞板に連結され、かつ他端部が前記フック部に連結された突片本体と、を備え、前記一端部は、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向かうに従い漸次、径方向に沿って前記他端部側に向けて延び、かつ容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲していることを特徴とする。
この発明によれば、注出筒の径方向の外側に配置された突片本体の他端部にフック部が形成されているので、該フック部を本容器の注入口の開口端縁に係止させながら、注出筒を本容器の注入口に対して向かい合わせに配置することができる。そのため、容器本体と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させることで、注出筒を本容器の内側に差し込むように移動させることができる。このとき、フック部が本容器に係止されているので、本容器の内側への注出筒の移動に伴って、突片本体が徐々に張った状態となり、しだいに該突片本体を介して閉塞板に引張力を作用させることができる。
従って、閉塞板を変形若しくは変位させながら弱化部を破断することができ、閉塞していた注出口を開放することができる。その結果、注出口を通じて容器本体内の内容物を本容器内に注出することができ、本容器内への詰め替えを行うことができる。
以上のように、フック部を本容器に係止した状態で、詰め替え容器と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な作業によって、内容物を詰め替えることができる。
しかも、フック部を本容器に係止した後であっても、容器本体と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させるまでは、注出口は閉塞板によって閉塞されているので、詰め替え前の段階で容器本体内の内容物がこぼれることがない。
さらに、本容器を倒立姿勢にせず、未開封の詰め替え容器を倒立姿勢にして詰め替え作業を行うので、例えば本容器内の内容物が残留している場合であっても、内容物の詰め替え作業を行うことができる。
そして、突片本体の一端部が、容器軸方向に沿った容器本体の外側に向かうに従い漸次、径方向に沿って他端部側に向けて延び、かつ容器軸方向に沿った容器本体の外側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲しているので、例えばこの一端部が、容器軸方向に沿った容器本体の外側に向けて真直に延びている場合などに比べて、閉塞板に引張力を作用させて弱化部を破断させるときに、この一端部が、注出筒の先端部に引っ掛かるのを抑制することができる。これにより、弱化部を破断させるために容器本体と本容器とを接近移動させるときに、これらの容器本体および本容器に加える力を小さく抑えることが可能になり、詰め替え作業の操作性を向上させることができる。
また、前記突片本体の全体が、容器軸方向に沿う前記容器本体の外側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲していてもよい。
この場合、突片本体の全体が、容器軸方向に沿う容器本体の外側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲しているので、閉塞板に引張力を作用させて弱化部を破断させるときに、突片本体の全体が、注出筒の先端部に引っ掛かるのを抑制することが可能になり、容器本体および本容器に加える力を一層小さく抑えることができる。
また、前記一端部は、容器軸を径方向に挟んだ前記他端部の反対側に位置していてもよい。
この場合、突片本体の一端部が、容器軸を径方向に挟んだ突片本体の他端部の反対側に位置しているので、注出口を大きく形成するため、閉塞板を、容器軸を径方向に跨ぐように形成した場合であっても、突片本体に作用する引張力を、この突片本体の一端部から閉塞板を介して弱化部に効率的に伝達することができる。これにより、注出口を開放するために容器本体と本容器とを接近移動させるときに、これらの容器本体および本容器に加える力を小さく抑えることが可能になり、突片本体の注出筒への引っ掛かりが抑制されることと相俟って、注出口を大きく形成した上で詰め替え作業の操作性を確保して、詰め替え作業の効率を向上させることができる。
本発明によれば、詰め替え作業を簡便に行うことができるうえ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うことができる。
本発明に係る一実施形態として示した詰め替え容器の縦断面図である。 図1に示す詰め替え容器の上面図である。 図1及び図2に示す詰め替え容器を本容器に組み合わせた状態を示す縦断面図である。 図3に示す状態から、詰め替え容器と本容器とを容器軸方向に相対的に接近移動させて、内容物を詰め替えている状態を示す縦断面図である。 検証試験に用いた比較例の詰め替え容器の縦断面図である。 図5に示す詰め替え容器を本容器に組み合わせた状態を示す縦断面図である。 図6に示す状態から、詰め替え容器と本容器とを容器軸方向に相対的に接近移動させて、弱化部を部分的に破断した状態を示す縦断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る詰め替え容器1について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の詰め替え容器1は、本容器A(図3及び図4参照)に詰め替える図示しない内容物が収容される有底筒状の容器本体2と、本容器Aの注入口1A内に差し込み可能とされ、先端部に注出口3aが形成された注出筒3と、該注出筒3の注出口3aを閉塞する閉塞板4と、該閉塞板4に連結された操作突片5と、を備えている。
なお、上述した容器本体2及び注出筒3は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態では、この共通軸を容器軸Oといい、この容器軸Oに沿った注出筒3側を上側、容器本体2側を下側という。また、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
容器本体2における口部2a及び胴部2bは円筒状に形成されている。
注出筒3は、容器本体2の口部2aから容器軸O方向に沿って上方に向けて延在する筒状に形成されており、下端部に連結された装着筒10を介して容器本体2の口部2aに装着されている。注出筒3の上端開口が注出口3aとなっている。
注出筒3は、周方向に沿って湾曲した湾曲壁部41と、湾曲壁部41の両周端部同士を連結する平坦壁部42と、により構成されていて、容器軸Oに直交する横断面視形状がD字状となっている。
装着筒10は、注出筒3より大径に形成されるとともに容器本体2の口部2aに螺着された周壁部11と、注出筒3の下端部と周壁部11の上端部とを連結し、かつ口部2aの開口端縁上に配置された環状のフランジ部13と、を備えている。
フランジ部13の上面には、周方向に間隔をあけて複数の突当り突部15が形成されている。突当り突部15は、表裏面が周方向を向く板状に形成されている。突当り突部15は、注出筒3の下端部の外周面に接続されている。図示の例では、突当り突部15は、注出筒3のうち湾曲壁部41の下端部の外周面に接続されている。
なお、フランジ部13には、容器本体2の口部2aの内側に嵌合するシール筒14が形成されており、口部2aと装着筒10との間を例えば液密にシールしている。また、図示の例では、周壁部11を容器本体2の口部2aに螺着したが、この場合に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合させても構わない。
注出筒3の外径は、本容器Aの注入口1Aの内径の大きさ以下となっている。注出口3aが位置する注出筒3の上端開口面は、容器軸Oに直交する水平方向に沿って延在している。
閉塞板4は、注出口3aの形状に倣って形成されて該注出口3aを閉塞しており、該注出口3aの開口周縁部に、破断可能な弱化部30を介して連結されている。
ここで、本実施形態では、注出口3aの開口周縁部の上面視形状は、注出筒3の横断面視形状と同じD字状となっている。閉塞板4は、この注出口3aの開口周縁部のうち、上面視で曲線状をなす部分にのみ弱化部30を介して連結され、上面視で直線状をなす部分には破断しにくい連結部31を介して連結されている。弱化部30の肉厚は、閉塞板4の肉厚より小さく、連結部31の肉厚は閉塞板4の肉厚と同等になっている。また、閉塞板4は、注出筒3の肉厚よりも薄く形成され、変形可能(例えば弾性変形可能)とされている。閉塞板4の表裏面は、容器軸Oに直交する平坦面となっている。
なお、閉塞板4は、肉厚を例えば注出筒3の肉厚以上として変形しにくくしてもよい。
操作突片5は、一端部20aが閉塞板4に連結され、かつ他端部20bが注出筒3の径方向外側に配置された帯状の突片本体20と、この突片本体20の他端部20bに連結され、上方に向けて開口するフック部21と、を備えている。
操作突片5の周方向の中央部は、注出筒3における湾曲壁部41及び平坦壁部42それぞれの周方向の中央部と一致している。
突片本体20は、一端部20aから他端部20bに向けて、上面視で直線状をなすように延びている。突片本体20は、容器軸Oを径方向に跨いでいて、突片本体20の一端部20aは、容器軸Oを径方向に挟んだ他端部20bの反対側に位置している。この一端部20aは、閉塞板4から上方に延在していて、他端部20bよりも上方に位置している。
そして本実施形態では、この一端部20aは、上方に向かうに従い漸次、径方向に沿って他端部20b側に向けて延び、かつ容器軸O方向に沿う容器本体2の外側である上側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲している。本実施形態では、突片本体20の全体が、上側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲している。
突片本体20の一端部20aおよび他端部20bを通るこの詰め替え容器1の縦断面視において、突片本体20の肉厚は、一端部20aと他端部20bとの間の中間部で最も小さく、一端部20aで最も大きくなっている。また、突片本体20において上側を向く外面および下側を向く内面はそれぞれ、上側に向けて突となる曲線状をなしている。突片本体20の内面のうち、少なくとも、容器軸Oよりも一端部20a側に位置する部分は、単一の円弧形状により形成されている。図示の例では、突片本体20の外面および内面はいずれも、単一の円弧形状により形成されていて、全長にわたって連続して湾曲している。
フック部21は、注出筒3の径方向の外側に配置されていて、このフック部21には、突片本体20の他端部20bが上側から接続されている。フック部21は、突片本体20の他端部20bに接続され、下方に向けて突出する内側部21aと、内側部21aの下端から径方向の外側に延びる連結部21bと、連結部21bの径方向の外端から上方に向けて突出する外側部21cと、を備えている。
ここで、本実施形態では、操作突片5のうち、フック部21の外側部21cの、径方向の外側を向く外面が、最も径方向の外側に位置している。この外側部21cの外面は、装着筒10の外周面よりも径方向の外側で、かつ容器本体2の胴部2bの外周面よりも径方向の内側に位置している。
フック部21は、周方向の両方向に開口している。フック部21の周方向に沿った幅は、突片本体20の周方向に沿った幅と同等になっている。フック部21の内側部21aは、破断可能なブリッジ部22を介して注出筒3の外周面に連結されている。図示の例では、フック部21の内側部21aは、注出筒3の平坦壁部42の外周面に連結されている。
注出筒3には、上方に向けて突出する保護突起16が配設されている。保護突起16の上端部(先端部)16cは、操作突片5の上端部(先端部)に対して、容器軸O方向に沿う位置が同等になっている、若しくは操作突片5の上端部よりも上方に位置している。
保護突起16は、注出筒3において、突片本体20の一端部20aを径方向に挟む突片本体20の他端部20bの反対側に位置する部分に配設されている。図示の例では、保護突起16は、注出筒3のうち、湾曲壁部41の上端開口縁における周方向の中央部に配設されている。なお、突片本体20の一端部20aは、閉塞板4の外周縁部のうち、保護突起16の径方向の内側に隣接する部分に連結されている。
また、保護突起16は、注出筒3とともに、本容器Aの注入口1A内に差し込み可能に形成されている。保護突起16は、注出筒3の外周面から径方向の外側に突出しておらず、図示の例では、保護突起16の外表面のうち、径方向の外側を向く外側面16aは、周方向に沿って湾曲していて注出筒3の外周面とほぼ面一となっている。保護突起16の周方向の幅は、突片本体20の一端部20aの周方向の幅より大きくなっている。保護突起16のうち、最も肉厚の厚い部分における肉厚は、注出筒3の肉厚と同等になっている。
ここで、保護突起16の外表面のうち、操作突片5側を向く内側面16bが平坦面となっており、この詰め替え容器1を容器軸O方向から見た上面視において、操作突片5を線対称に二分する分割線Lと、保護突起16の内側面16bと、が直交している。図示の例では、分割線Lは容器軸Oに直交している。また、前記上面視で、分割線Lは、保護突起16の内側面16bの中央部に直交している。さらに、前記上面視において、保護突起16の内側面16bと、注出筒3の平坦壁部42と、は平行になっている。
次に、上述したように構成された詰め替え容器1から本容器Aに内容物を詰め替える方法について説明する。
まず、詰め替え容器1を倒立姿勢にするとともに本容器Aを正立姿勢にした状態で、詰め替え容器1を本容器Aの上方に配置させた後、突片本体20の他端部20bに設けられたフック部21を本容器Aの注入口1Aの開口端縁に係止させながら、詰め替え容器1と本容器Aとを組み合わせる。
この際、保護突起16の外側面16a、および注出筒3の湾曲壁部41の外周面が、注入口1Aの内周面に近接若しくは当接し、また、突片本体20が注入口1A内に進入し、注出筒3の平坦壁部42の外周面が、注入口1Aの内周面に、突片本体20の他端部20bを間に挟んで対向する。さらに、突当り突部15は、注入口1Aの開口端縁の上方に位置し、フランジ部13の一部は、フック部21の連結部21bの上方に位置する。
なお、上述したように詰め替え容器1を倒立姿勢とすることで、詰め替え容器1における上下が反転することとなり、倒立姿勢の詰め替え容器1において、容器軸O方向に沿った注出筒3側が下側、容器本体2側が上側となる。
続いて図3に示すように、フック部21を本容器Aに係止させたままの状態で、詰め替え容器1と本容器Aとを容器軸O方向に相対的に接近移動させ、ブリッジ部22を破断させながら注出筒3を本容器Aの内側に差し込むように下方に移動させる。このとき、フック部21が本容器Aに係止されているので、本容器Aの内側への注出筒3の移動に伴って、突片本体20が徐々に張った状態となり、しだいに突片本体20を介して閉塞板4に引張力を作用させることができる。なおこのとき、突片本体20の一端部20aがなす湾曲形状の曲率が大きくなりながら、この一端部20aの内面が閉塞板4の表面に接近するように、一端部20aが変形される。
従って、図4に示すように、弱化部30を破断しながら閉塞板4を、容器軸Oを径方向に挟む保護突起16の反対側に向けて変形若しくは変位させることができ、閉塞していた注出口3aを開放することができる。その結果、注出口3aを通じて容器本体2内の内容物を本容器A内に注出することができ、本容器A内への詰め替えを行うことができる。
なお、注出筒3を本容器Aの注入口1A内に完全に差し込んだ状態では、図4に示されるように、突当り突部15が、注入口1Aの開口端縁に当接して、注入口1Aの開口端縁と、装着筒10のフランジ部13の上面と、の間の隙間が確保され、また、フック部21の連結部21bが装着筒10のフランジ部13に当接し、また、注出筒3の湾曲壁部41の外周面が注入口1Aの内周面に近接若しくは当接し、また、突片本体20が注出筒3の平坦壁部42の外周面と注入口1Aの内周面との間の隙間に進入する。この状態で、注出口3aから本容器A内に内容物が注出されると、本容器A内の空気は、例えば、注入口1Aの内周面と注出筒3の平坦壁部42の外周面との間の隙間や、注入口1Aの開口端縁と装着筒10のフランジ部13の上面との間の隙間などを通して本容器A外に排出され、本容器Aの空気置換が円滑に行われる。
以上説明したように、本実施形態による詰め替え容器1によれば、フック部21を本容器Aに係止した状態で、詰め替え容器1と本容器Aとを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な作業によって、内容物を詰め替えることができる。
しかも、フック部21を本容器Aに係止した後であっても、容器本体2と本容器Aとを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させるまでは、注出口3aは閉塞板4によって閉塞されているので、詰め替え前の段階で容器本体2内の内容物がこぼれることがない。
さらに、本容器Aを倒立姿勢にせず、未開封の詰め替え容器1を倒立姿勢にして詰め替え作業を行うので、例えば本容器A内の内容物が残留している場合であっても、内容物の詰め替え作業を行うことができる。
そして、突片本体20の一端部20aが、上側に向かうに従い漸次、径方向に沿って他端部20b側に向けて延び、かつ上側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲しているので、例えばこの一端部20aが、上側に向けて真直に延びている場合などに比べて、閉塞板4に引張力を作用させて弱化部30を破断させるときに、この一端部20aが、注出筒3の先端部に引っ掛かるのを抑制することができる。これにより、弱化部30を破断させるために容器本体2と本容器Aとを接近移動させるときに、これらの容器本体2および本容器Aに加える力を小さく抑えることが可能になり、詰め替え作業の操作性を向上させることができる。
また、突片本体20の全体が、上側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲しているので、閉塞板4に引張力を作用させて弱化部30を破断させるときに、突片本体20の全体が、注出筒3の先端部に引っ掛かるのを抑制することが可能になり、容器本体2および本容器Aに加える力を一層小さく抑えることができる。
さらに、突片本体20の一端部20aが、容器軸Oを径方向に挟んだ突片本体20の他端部20bの反対側に位置しているので、注出口3aを大きく形成するため、閉塞板4を、容器軸Oを径方向に跨ぐように形成した場合であっても、突片本体20に作用する引張力を、この突片本体20の一端部20aから閉塞板4を介して弱化部30に効率的に伝達することができる。これにより、注出口3aを開放するために容器本体2と本容器Aとを接近移動させるときに、これらの容器本体2および本容器Aに加える力を小さく抑えることが可能になり、突片本体20の注出筒3への引っ掛かりが抑制されることと相俟って、注出口3aを大きく形成した上で詰め替え作業の操作性を確保して、詰め替え作業の効率を向上させることができる。
また、注出筒3に前述の保護突起16が配設されているので、例えば、この詰め替え容器1が落下する等したときに、他の部材が、操作突片5ではなく、まず保護突起16に衝突しやすくなり、操作突片5に不意に外力が加えられるのを抑制することが可能になり、意図せず弱化部30が破断され注出口3aが開口されるのを抑えることができる。
また、保護突起16が、注出筒3とともに、本容器Aの注入口1A内に差し込み可能になっているので、保護突起16を本容器Aの注入口1Aの開口端縁に摺接させながら、詰め替え容器1の注出筒3を、保護突起16とともに本容器Aの注入口1Aに差し込むことが可能になり、この差し込みを容易に行うことができる。
また、前記上面視において、操作突片5を線対称に二分する分割線Lと、保護突起16の内側面16bと、が直交しているので、この詰め替え容器1を成形する一対の成形金型の割方向を、前記上面視で分割線Lに直交する方向と一致させることが可能になり、成形金型を複雑にすることなく、詰め替え容器を容易に形成することができる。
また、操作突片5のうち、最も径方向の外側に位置する外側部21cの外面が、容器本体2の胴部2bの外周面よりも径方向の内側に位置しているので、例えば、この詰め替え容器1が落下する等したときに、他の部材が、操作突片5ではなく容器本体2の胴部2bに衝突しやすくなり、操作突片5に不意に外力が加えられるのを抑制することが可能になり、意図せず弱化部30が破断され注出口3aが開口されるのを抑えることができる。
さらに、操作突片5の外側部21cが、装着筒10の外周面よりも径方向の外側に位置しているので、他の部材が装着筒10と比べて操作突片5に衝突しやすいにもかかわらず、他の部材を胴部2bに衝突させやすくなることから、前述の作用効果が顕著に奏功される。
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば前記実施形態では、保護突起16の内側面16bが平坦面に形成された構成を示したが、これに限らず例えば、外側面16aと同様に周方向に沿って湾曲させてもよい。さらに例えば、保護突起16により、突片本体20の一端部20aを周方向に沿った一定の範囲にわたって径方向の外側から覆ってもよい。また例えば、保護突起16の径方向に沿う厚さが全周にわたって注出筒3の厚さと同等になっていてもよい。
また、保護突起16は、注出筒3に複数配設してもよいし、保護突起16の内側面16bは、操作突片5側に向けて突の曲面状に形成してもよい。さらに、保護突起16がなくてもよい。
また、前記実施形態では、注出筒3、閉塞板4及び操作突片5と、容器本体2と、が別部材とされた構成を示したが、例えば、容器本体2をチューブ容器で構成することなどによって、全てが一体に形成された構成を採用してもよい。
また、前記実施形態では、フック部21と注出筒3の外周面とをブリッジ部22を介して連結したが、連結しなくてもよく、また、突当り突部15は設けなくてもよい。
また、注出筒3は、平坦壁部42を有さず全周が湾曲壁部41からなる円筒状にしてもよい。
また、容器本体2における口部2a及び胴部2bは、円形状に限らず例えば、矩形状若しくは楕円形状など適宜変更してもよい。
また、前記実施形態では、操作突片5のうち、最も径方向の外側に位置する部分として、フック部21の外側部21cの外面を示したが、これに限らず例えば、突片本体20にする等変更してもよい。
また前記実施形態では、閉塞板4が容器軸O上に位置し、閉塞板4の表裏面が容器軸Oに直交しているが、本発明はこれに限られない。例えば閉塞板4が、容器軸Oを回避した位置に配置されていてもよく、本発明は、閉塞板4の表裏面が、平坦に形成されて容器軸Oに直交する直交面に沿って延びる他の形態に適宜変更することができる。
また前記実施形態では、突片本体20の一端部20aが、容器軸Oを径方向に挟んだ突片本体20の他端部20bの反対側に位置しているが、本発明はこれに限られない。例えば、突片本体20の一端部20aが、容器軸O上に配置されていたり、他端部20bと容器軸Oとに径方向に挟まれた位置に配置されていたりしてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
次に、以上説明した作用効果についての検証試験について説明する。
実施例として、図1に示す詰め替え容器1を採用し、比較例として、図5に示す詰め替え容器50を採用した。この詰め替え容器50は、図1に示す詰め替え容器1に対して、突片本体20の構成を異ならせている。
図5に示すように、詰め替え容器50では、突片本体20の一端部20aが、閉塞板4から容器軸O方向に沿って真直に延びている。突片本体20の中間部は、一端部20aと屈曲部51を介して接続されている。この中間部は、屈曲部51から径方向に沿った他端部20b側に真直に延びていて、屈曲部51は、直角形状をなしている。
そして本検証試験では、実施例の詰め替え容器1および比較例の詰め替え容器50について、前記実施形態に示した内容物の詰め替え方法を実施するに際し、弱化部30が破断されて注出口3aの全体が開放されるまで、詰め替え容器1、40と本容器Aとを接近移動させるのに要した力(以下、「抜栓力」という)を、それぞれ測定した。
このとき、実施例の詰め替え容器1では、図3および図4に示すように、突片本体20の一端部20aが、注出筒3の先端部に引っ掛かることが抑制された。一方、比較例の詰め替え容器50では、図6および図7に示すように、突片本体20の一端部20aが、径方向に沿って他端部20b側に倒れ込んで注出筒3の先端部に引っ掛かり、この引っ掛かりを解除するために大きな抜栓力が必要とされた。
なお本検証試験では、実施例の詰め替え容器1および比較例の詰め替え容器50を、いずれも3つずつ準備し、実施例の詰め替え容器1および比較例の詰め替え容器50それぞれの抜栓力として、3つの詰め替え容器1、50の抜栓力の平均値を求めた。
その結果、実施例の詰め替え容器1では、抜栓力が17.2Nである一方、比較例の詰め替え容器50では、抜栓力が41.7Nとなり、実施例の詰め替え容器1では、比較例の詰め替え容器50に比べて小さい抜栓力で開封できることが確認された
1、50 詰め替え容器
1A 注入口
2 容器本体
2a 口部
3 注出筒
3a 注出口
4 閉塞板
5 操作突片
20 突片本体
20a 一端部
20b 他端部
21 フック部
30 弱化部
A 本容器
O 容器軸

Claims (3)

  1. 本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、
    前記容器本体の口部から容器軸方向に沿った該容器本体の外側に向けて延在するとともに、前記本容器の注入口内に差し込み可能とされ、かつ先端部に注出口が形成された注出筒と、
    前記注出口を閉塞するとともに、該注出口の開口周縁部に破断可能な弱化部を介して連結された閉塞板と、
    前記閉塞板に連結された操作突片と、を備え、
    前記閉塞板の表裏面は、平坦に形成されて容器軸に直交する直交面に沿って延び、
    前記操作突片は、
    前記注出筒の径方向の外側に配置され、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向けて開口して前記本容器の注入口の開口端縁に係止するフック部と、
    一端部が前記閉塞板に連結され、かつ他端部が前記フック部に連結された突片本体と、を備え、
    前記一端部は、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向かうに従い漸次、径方向に沿って前記他端部側に向けて延び、かつ容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲していることを特徴とする詰め替え容器。
  2. 請求項1記載の詰め替え容器であって、
    前記突片本体の全体が、容器軸方向に沿う前記容器本体の外側に向けて突となる曲面状をなすように湾曲していることを特徴とする詰め替え容器。
  3. 請求項1または2に記載の詰め替え容器であって、
    前記一端部は、容器軸を径方向に挟んだ前記他端部の反対側に位置していることを特徴とする詰め替え容器。
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