JP6410662B2 - 詰め替え容器 - Google Patents

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Description

本発明は、詰め替え容器に関する。
この種の詰め替え容器として、従来、例えば下記特許文献1に記載されているような、本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、容器本体の口部に装着され、該口部を閉塞する中栓と、を備え、中栓を本容器の口部に螺着させた状態で詰め替えを行う詰め替え容器が知られている。この中栓には、内容物を注出するための注出口が形成されているとともに、該注出口を閉塞するシール部が設けられている。シール部は、例えばプルトップが付設された蓋体からなる。
上記した詰め替え容器では、まずプルトップを引き上げて中栓の注出口を開封する。続いて、詰め替え容器を正立姿勢(口部が上向きの姿勢)に配置し、該詰め替え容器の中栓に、倒立姿勢(口部が下向きの姿勢)とされた本容器の口部を螺着する。そしてこの状態から、詰め替え容器と本容器とを上下反転させて、本容器を正立姿勢にするとともに詰め替え容器を倒立姿勢にする。これにより、詰め替え容器内の内容物が、詰め替え容器及び本容器の各口部の内側を流通して本容器内に詰め替えられる。
特開2000−159249号公報
しかしながら、上記した従来の詰め替え容器では、中栓の注出口を開封した後、中栓に本容器の口部を螺着し、その後、詰め替え容器と本容器とを上下反転させる必要があるので、詰め替え作業が煩雑となっていた。
また、中栓の注出口を開封した後に、該中栓に対して本容器の口部を螺着するため、その螺合作業中に誤って詰め替え容器を倒すと、詰め替え容器内の内容物がこぼれ出るおそれがあった。
さらに、中栓に本容器の口部を螺着する際には、該本容器を倒立姿勢にするため、本容器内に内容物が残留していると、該内容物がこぼれるおそれがある。従って、本容器内の内容物を使い切った後でないと、詰め替え作業を行い難かった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、詰め替え作業を簡便に行うことができるうえ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うことができる詰め替え容器を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る詰め替え容器は、本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部から容器軸方向に沿った該容器本体の外側に向けて延在するとともに、前記本容器の注入口内に差し込み可能とされ、かつ先端部に注出口が形成された注出筒と、前記注出口に着脱自在に嵌合するとともに、前記注出筒に連結された閉塞板と、前記閉塞板に連結された操作突片と、を備え、前記操作突片は、前記注出筒の径方向の外側に配置され、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向けて開口して前記本容器の注入口の開口端縁に係止するフック部と、一端部が前記閉塞板に連結され、かつ他端部が前記フック部に連結された突片本体と、を備え、前記注出筒の径方向において、前記注出筒における前記突片本体の一端部を挟んで前記突片本体の他端部と反対側となる部分には、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向かって突出する突設片が配設され、前記突設片および前記突片本体の一端部には、これらを互いに離脱可能に係合させる係合部が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る詰め替え容器によれば、注出筒の径方向の外側に配置された突片本体の他端部にフック部が形成されているので、該フック部を本容器の注入口の開口端縁に係止させながら、注出筒を本容器の注入口に対して向かい合わせに配置することができる。そのため、容器本体と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させることで、注出筒を本容器の内側に差し込むように移動させることができる。このとき、フック部が本容器に係止されているので、本容器の内側への注出筒の移動に伴って、突片本体が徐々に張った状態となり、しだいに該突片本体を介して閉塞板に引張力を作用させることができる。
これにより、閉塞板を開封作動させて閉塞していた注出口を開放させることができる。その結果、注出口を通じて容器本体内の内容物を本容器内に注出することができ、本容器内への詰め替えを行うことができる。
以上のように、フック部を本容器に係止した状態で、詰め替え容器と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な作業によって、内容物を詰め替えることができる。
しかも、フック部を本容器に係止した後であっても、容器本体と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させるまでは、注出口は閉塞板によって閉塞されているので、詰め替え前の段階で容器本体内の内容物がこぼれることがない。
さらに、本容器を倒立姿勢にせず、未開封の詰め替え容器を倒立姿勢にして詰め替え作業を行うので、例えば本容器内の内容物が残留している場合であっても、内容物の詰め替え作業を行うことができる。
そして、突設片および突片本体の一端部に形成された係合部により、閉塞板に不意に外力が加えられても、突設片および突片本体の一端部の相対的な位置がずれることを抑制することが可能になり、閉塞板が不意の外力によって注出口から外れることを抑えることができる。
また、突設片および突片本体の一端部に形成された係合部により、閉塞板の閉塞状態を維持可能になるとともに、フック部に連なる突片本体を注出筒の本容器への差し込みに伴い引いて係合部の係合を解除することで、閉塞板を容易かつ確実に開封可能とし、内容物の詰め替え作業を効率よく行うことができる。
本発明では、前記注出筒内には、容器軸方向に延びるとともに、内径が前記注出筒の内径より小さい空気置換筒が配設され、前記注出筒および空気置換筒は、互いに一体に形成されている構成でもよい。
この場合、注出口から本容器内に内容物が注出される際に、本容器内の空気の一部が空気置換筒を通じて詰め替え容器内に導入される。このため、本容器内のエア抜きと詰め替え容器内の負圧の抑制とを同時に行うことができ、内容物の詰め替え作業をよりスムーズに行うことができる。
本発明によれば、詰め替え作業を簡便に行うことができるうえ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うことができる。
本発明に係る一実施形態として示した詰め替え容器の縦断面図である。 図1に示す詰め替え容器の上面図である。 図1に示す詰め替え容器の閉塞板を全開にした状態の縦断面図である。 図1及び図2に示す詰め替え容器を本容器に組み合わせた状態を示す縦断面図である。 図4に示す状態から詰め替え容器と本容器とを容器軸方向に相対的に接近移動させて係合部の係合を解除した状態を示す縦断面図である。 図5に示す状態からさらに詰め替え容器と本容器とを容器軸方向に相対的に接近移動させて注出口を開放し、内容物を詰め替えている状態を示す縦断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る詰め替え容器1について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の詰め替え容器1は、本容器Aに詰め替える内容物N(何れも図4〜図6参照)が収容される有底筒状の容器本体2と、本容器Aの注入口1A内に差し込み可能とされ、先端部に注出口3aが形成された注出筒3と、該注出筒3の注出口3aを閉塞する閉塞板4と、該閉塞板4に連結された操作突片5と、を備えている。
なお、上述した容器本体2及び注出筒3は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態では、この共通軸を容器軸Oといい、図1に示す正立姿勢にある詰め替え容器1において、容器軸Oに沿った注出筒3側を上側、容器本体2側を下側という。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
容器本体2における口部2a及び胴部2bは、それぞれ円筒状に形成されている。
注出筒3は、容器本体2の口部2aから容器軸O方向に沿って上方に向けて延在する筒状に形成されている。注出筒3は、下端部に連結された装着筒10を介して容器本体2の口部2aに装着されている。注出筒3の上端開口は注出口3aとなっている。
注出筒3は、周方向に沿って湾曲した湾曲壁部41と、湾曲壁部41の両周端部同士を連結する平坦壁部42と、により構成されている。注出筒3は、容器軸Oに直交する横断面視形状がD字状となっている。注出筒3の内側には、容器軸Oに対して平坦壁部42の反対側にずれた位置に、容器軸Oに沿って延びる空気置換筒6が配置されている。空気置換筒6は、架設部6aを介して湾曲壁部41の内周面に支持されている。空気置換筒6は、その上端開口が注出筒3の上端開口面3b上に位置し、下端開口が注出筒3の下端を超えて装着筒10の内側、すなわち容器本体2の口部2aの内側に位置するように配設されている。空気置換筒6は、湾曲壁部41の内周側における例えば周方向の中央部に配置されているが、周方向の中央部を避けて配置されてもよい。
なお、空気置換筒6は、平坦壁部42の内周側に配置されるとより良い。すなわち、空気置換筒6が平坦壁部42側に配置される場合、湾曲壁部41側から開く閉塞板4の開動作にて内容物Nの吐出が先に行われ、その後に空気置換筒6を通じて空気の置換がなされるため、空気置換筒6内への内容物Nの入り込みを抑制することが可能になる。
装着筒10は、注出筒3より大径に形成されるとともに、容器本体2の口部2aに打栓嵌合(アンダーカット嵌合)された周壁部11と、注出筒3の下端部と周壁部11の上端部とを連結し、かつ口部2aの開口端縁上に配置された環状のフランジ部13と、を備えている。
なお、フランジ部13には、容器本体2の口部2aの内側に嵌合するシール筒14が形成されている。シール筒14は、口部2aと装着筒10との間を例えば液密にシールしている。また、図示の例では、周壁部11を容器本体2の口部2aにアンダーカット嵌合させたが、この場合に限定されるものではなく、例えば螺着しても構わない。さらに、注出筒3が容器本体2の口部2aに一体形成または一体接合される構成でもよい。
注出筒3の湾曲壁部41の外径は、本容器Aの注入口1Aの内径より小さくなっている。注出口3aが位置する注出筒3の上端開口面3bは、容器軸Oに直交する水平方向に沿って延在している。
なお、注出筒3の上端開口面3bは、容器軸Oに対して傾斜する方向に延在してもよく、または下方若しくは上方に向けて凸の曲面状に形成されてもよく、または階段状若しくは波形状に形成されてもよい。
閉塞板4は、注出口3aの形状に倣って形成されて該注出口3aを閉塞している。閉塞板4が注出口3aを閉塞したとき、後述する保護突片16および突片本体20の一端部20aが互いに離脱可能に係合する。以下、特に記載がなければ、閉塞板4が注出口3aを閉塞したときの構成について説明する。
なお、注出口3aを閉塞した閉塞板4に開方向又は注出筒3内への押し込み方向への付勢力が作用する構成であっても、係合部30によって閉塞板4が注出口3aを閉塞した閉塞状態に維持される。
注出口3aの上面視形状は、注出筒3の横断面視における内周形状と同じになっている。閉塞板4の上面視形状は、注出口3aの上面視形状と同等形状とされるとともに、注出口3aよりも一回り大きい形状とされている。閉塞板4は、注出筒3の上端開口縁に当接している。閉塞板4の下面には、上面視形状が注出口3aの上面視形状と同様とされて注出口3a内に嵌合するシール筒24が形成されている。シール筒24は、閉塞板4と注出筒3との間を例えば液密にシールしている。また、閉塞板4の下面には、空気置換筒6の上端開口の内側に嵌合するシール突部24aが形成されている。
閉塞板4は、注出筒3の上端部のうち、上面視で直線状をなす部分、すなわち平坦壁部42の上端部にヒンジ部(例えば弾性ヒンジ)31を介して連結されている。なお、図2中線31aはヒンジ部31の回動中心軸線を示す。回動中心軸線31aは、詰め替え容器1の上面視で、平坦壁部42に沿って真直ぐに延びている。図1に示すように、平坦壁部42の上部には、径方向の内側に向けてくぼむくぼみ部42aが形成されている。
閉塞板4は、容器軸Oに直交する平板状に形成されている。閉塞板4の上面には、側面視三角形状の補強リブ7が立設されている。補強リブ7の側面視形状を画成する三辺のうち、一辺は閉塞板4の上面上に位置し、他の一辺7a(以下、起立辺7aという。)は閉塞板4の上面から上方に延びて突片本体20の一端部20aに径方向で対向し、残りの一辺7b(以下、傾斜辺7bという。)は起立辺7aの上端から突片本体20の他端部20b側に向かうに従い漸次下方に位置するように延びている。起立辺7aの上端(傾斜辺7bとの交点)は、補強リブ7の頂部7cを形成する。図示の例では、傾斜辺7bの下端は閉塞板4の上面およびヒンジ部31に段差なく連なっている。補強リブ7は、上面視で突片本体20と重なるように配設されている。補強リブ7の起立辺7aと突片本体20の一端部20aとは、径方向で互いに離間している。
操作突片5は、一端部20aが閉塞板4の外周縁部に連結され、かつ他端部20bが注出筒3の径方向外側に配置された帯状の突片本体20と、この突片本体20の他端部20bに連結され、上方に向けて開口するフック部21と、を備えている。
上面視において、突片本体20は、一端部20aから他端部20bに向けて直線状をなすように、容器軸Oを径方向に跨いで延びている。突片本体20の一端部20aは、容器軸Oを径方向に挟んだ他端部20bの反対側に位置している。突片本体20の一端部20aは、閉塞板4から上方に延在している。突片本体20の他端部20bは、閉塞板4よりも下方に位置している。突片本体20の一端部20aおよび他端部20bの間は、比較的弾性変形が容易な可撓部20cとされ、この可撓部20cの両端部が一端部20aおよび他端部20bにそれぞれ薄肉部20ca,20cbを介して接続されている。
操作突片5は、上面視で突片本体20およびフック部21の幅方向の中心線Lを容器軸Oと交差させて配置され、かつ中心線Lを注出筒3の平坦壁部42及び回動中心軸線31aと直交させるように配置されている。補強リブ7は、その厚み中心が上面視で中心線L上に位置するように配設されている。
突片本体20の一端部20aは、閉塞板4から上方に向けて略直角に起立する。一端部20aの上端には、薄肉部20caを介して可撓部20cの一端が接続される。可撓部20cの他端は、薄肉部20cbを介して突片本体20の他端部20bの上端に接続される。可撓部20cは、側面視において、一端部20aの上端から補強リブ7の上方を該傾斜辺7bに沿うように斜めに延び、ヒンジ部31を詰め替え容器1の外側から覆いつつ、上方から下方に向けて径方向の外側に向けて凸となるように湾曲し、注出筒3の径方向外側で容器軸O方向に沿うように下方に向けて延びる。
ここで、容器本体2の口部2aに装着される注出筒3および装着筒10等を含む注出筒部材3Cは、合成樹脂を用いた一体成形品とされる。注出筒部材3Cは、図3に示すように、閉塞板4およびシール筒24の中心軸線が容器軸Oと並列かつ平行になるまで閉塞板4が開いた状態で成形される。このとき、突片本体20の可撓部20cは、下向きになった一端部20aから下方に延びた後に上方に湾曲し、フック部21の上方で再度下方に湾曲した後に他端部20bに至るように形成される。
図1、図2を参照し、フック部21は、注出筒3の径方向の外側に配置され、突片本体20の他端部20bが上側から接続されている。フック部21は、突片本体20の他端部20bに接続されて下方に向けて突出する内側部21aと、内側部21aの下端から径方向の外側に延びる連結部21bと、連結部21bの径方向の外端から上方に向けて突出する外側部21cと、を備えている。
フック部21は、帯状の突片本体20と同等幅をなし、側面視で鉤状に屈曲して延びる。フック部21の内側部21aは、突片本体20の一端部20aと同等の厚みとされ、フック部21の連結部21b及び外側部21cは、内側部21aよりも厚く形成されている。フック部21の内側部21aは、注出筒3の外周面に沿うように配置されている。フック部21の内側部21aは、破断可能なブリッジ部22を介して注出筒3の外周面に連結されている。本実施形態では、フック部21の内側部21aは、注出筒3の平坦壁部42の外側面に連結されている。
注出筒3には、上方に向けて突出する保護突片(突設片)16が配設されている。保護突片16は、その上端部(先端部)が容器軸O方向で操作突片5の上端部よりも上方に位置している。この保護突片16により、例えば、詰め替え容器1が落下する等したときに、他の物体が、操作突片5ではなく、まず保護突片16に衝突しやすくなる。なお、保護突片16の上端部は、容器軸O方向の位置が操作突片5の上端部と同等であってもよい。
保護突片16は、周方向に沿って湾曲する円弧状に形成され、注出筒3の湾曲壁部41の上方に連なるように形成される。保護突片16は、突片本体20の一端部20aの周囲を、径方向の外側から周方向の一定の範囲にわたって覆う。保護突片16は、その周方向の中央部が、径方向において、突片本体20の一端部20aを挟んで突片本体20の他端部20bと反対側となる部分に配設されている。
保護突片16は、注出筒3とともに、本容器Aの注入口1A内に差し込み可能に形成されている。保護突片16は、注出筒3の外周面から径方向の外側に突出しておらず、保護突片16の外周面は、周方向に沿って湾曲し、注出筒3の外周面とほぼ面一となっている。上面視において、保護突片16の周方向の中央部は、操作突片5の幅方向の中心線L上に配置されている。
突片本体20の一端部20aにおける径方向の外側、すなわち保護突片16側を向く外側面には、係止爪30aが突設されている。また、保護突片16の周方向の中央部には、係止爪30aを嵌入させる係止孔30bが形成されている。これら係止爪30a及び係止孔30bにより、突片本体20の一端部20aの上方移動ひいては閉塞板4の開封動作を規制する係合部30が構成される。
なお、本実施形態では、係合部30が構成されることで、閉塞板4に対して容器軸O方向に不意な外力が加えられた場合でも、閉塞板4が開状態になること、又は閉塞板4が注出筒3内に入り込むことを抑制している。
補強リブ7は、その起立辺7aが、突片本体20の一端部20aに対して径方向の内側に隙間s1を空けて配置される。突片本体20の一端部20aは、注出口を開封するために突片本体20の他端部20bが図1の下方に引き下げられた際に、径方向で他端部20b側に倒れるように弾性変形し、係止爪30aを保護突片16の係止孔30bから離脱させる(図5参照)。すなわち、係合部30の係合を解除する。このとき、補強リブ7の起立辺7aには、突片本体20における径方向で倒れた一端部20aが当接し、これ以上の一端部20aの倒れを抑止する。
次に、上述したように構成された詰め替え容器1から本容器Aに内容物Nを詰め替える方法について、図4〜図6を参照して説明する。
図4を参照し、まず、詰め替え容器1を倒立姿勢にするとともに本容器Aを正立姿勢にした状態で、詰め替え容器1を本容器Aの上方に配置させる。そして、注出筒3を注入口1A内に差し込みつつ、突片本体20の他端部20bに連設されたフック部21を本容器Aの注入口1Aの開口端縁に係止させるように、詰め替え容器1と本容器Aとを組み合わせる。その際、保護突片16の外側面および注出筒3の湾曲壁部41の外周面は、注入口1Aの内周面との間に隙間s2を形成する。注出筒3が注入口1A内に進入すると、注出筒3の平坦壁部42の外側面は、注入口1Aの内周面に、突片本体20の他端部20bおよびフック部21の内側部21aを間に挟んで対向する。
次いで、フック部21を本容器Aに係止させたままの状態で、詰め替え容器1と本容器Aとを容器軸O方向で相対的に接近移動させる。図5を参照し、このとき、フック部21を注出筒3の外周面に連結するブリッジ部22を破断させながら、注出筒3が本容器Aの内側にさらに差し込まれるように下方へ移動する。注出筒3は、湾曲壁部41の外周面と注入口1Aの内周面との間の隙間s2により、これらを近接若しくは当接させるように容器軸Oに対して斜めに変位可能である。
このとき、フック部21が本容器Aに係止されているので、本容器Aの内側への注出筒3の移動に伴って、突片本体20には相対的にフック部21側へ引かれるように張力が作用する。突片本体20がフック部21側へ引かれることで、突片本体20の一端部20aには、他端部20b側へ倒れる方向の回動力が作用する。これにより、係止爪30aが保護突片16の係止孔30bから離脱して係合部30の係合が解除され、閉塞状態にある閉塞板4が開封可能な状態となる。
なお、例えば、突片本体20がフック部21側へ引かれて一端部20aが閉塞板4と略平行になるまで倒れてしまうと、突片本体20がフック部21側に引かれても閉塞板4に開封方向への回動力、換言すればモーメントが作用し難くなる。
これに対し、本実施形態では、突片本体20を引く力が閉塞板4から離間した補強リブ7の頂部7cに作用するので、閉塞板4に開封方向への回動力が作用し易い。またこのとき、閉塞板4に曲げが生じると閉塞板4への回動力が逃げてしまうが、閉塞板4は補強リブ7によって補強されているため、閉塞板4の曲げを抑えて閉塞板4を効率よく回動、開封させることが可能である。
図6を参照し、そして、係合部30の係合が解除されて閉塞板4が開封方向に回動し、閉塞板4およびシール筒24により閉塞されていた注出口3aが開放することで、注出口3aを通じて容器本体2内の内容物Nが本容器A内に注出され、本容器A内への詰め替えを行うことが可能となる。
注出筒3を注入口1A内に差し込んで注出口3aを開放した状態では、注入口1Aの開口端縁と装着筒10のフランジ部13の上面との間に、フック部21の連結部21bが挟み込まれる。これにより、注入口1Aの開口端縁と装着筒10のフランジ部13の上面との間に、連結部21bの厚み分の隙間s3が確保される。
またこのとき、注出筒3の湾曲壁部41の外周面は、注入口1Aの内周面に近接若しくは当接するが、注出筒3の平坦壁部42の外側面と注入口1Aの内周面との間には隙間s4が形成される。これらの隙間s3,s4を通じて、注出口3aから本容器A内に内容物Nが注出される際に本容器A内の空気が本容器A外に排出される。
また、本実施形態では、注出筒3の内側に、注出筒3と平行で注出筒3よりも細身かつ長尺の空気置換筒6が一体に設けられており、この空気置換筒6を通じて、注出口3aから本容器A内に内容物Nが注出される際に、本容器A内の空気の一部が詰め替え容器1内に導入される。このように、本容器A内の空気を本容器A外に排出するとともに詰め替え容器1内に導入することで、内容物Nの詰め替え作業を円滑に行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態による詰め替え容器1によれば、フック部21を本容器Aに係止した状態で、詰め替え容器1と本容器Aとを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な作業によって、内容物Nを詰め替えることができる。
しかも、フック部21を本容器Aに係止した後であっても、容器本体2と本容器Aとを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させるまでは、注出口3aは閉塞板4によって閉塞されているので、詰め替え前の段階で容器本体2内の内容物Nがこぼれることがない。
さらに、本容器Aを倒立姿勢にせず、未開封の詰め替え容器1を倒立姿勢にして詰め替え作業を行うので、例えば本容器A内の内容物Nが残留している場合であっても、内容物Nの詰め替え作業を行うことができる。
そして、保護突片16および突片本体20の一端部20aに形成された係合部30により、閉塞板4に不意に外力が加えられても、保護突片16および突片本体20の一端部20aの相対的な位置がずれることを抑制することが可能になり、閉塞板4が不意の外力によって注出口3aから外れることを抑えることができる。
また、保護突片16および突片本体20の一端部20aに形成された係合部30により、閉塞板4の閉塞状態を維持可能になるとともに、フック部21に連なる突片本体20を注出筒3の本容器Aへの差し込みに伴い引いて係合部30の係合を解除することで、閉塞板4を容易かつ確実に開封可能とし、内容物Nの詰め替え作業を効率よく行うことができる。
また、注出筒3に配設された保護突片16により、例えば、この詰め替え容器1が落下する等したときに、他の物体が、操作突片5ではなく、まず保護突片16に衝突しやすくなり、操作突片5に不意に外力が加えられるのを抑制することが可能になり、意図せず係合部30の係合が解除され注出口3aが開口(開封)されることをより一層抑えることができる。
また、注出筒3の上方に連設される保護突片16が、注出筒3とともに本容器Aの注入口1A内に差し込み可能になっているので、保護突片16をガイドとして本容器Aの注入口1Aの開口端縁に摺接させながら、詰め替え容器1の注出筒3を本容器Aの注入口1Aに差し込む作業を容易にすることができる。
また、注出筒3内には、容器軸O方向に延びるとともに、内径が前記注出筒3の内径より小さい空気置換筒6が配設され、注出筒3および空気置換筒6は、互いに一体に形成されているため、注出口3aから本容器A内に内容物Nが注出される際に、本容器A内の空気の一部が空気置換筒6を通じて詰め替え容器1内に導入される。このため、本容器A内のエア抜きと詰め替え容器1内の負圧の抑制とを同時に行うことができ、内容物Nの詰め替え作業をよりスムーズに行うことができる。空気置換筒6は注出筒3と平行に配置されるため、注出口部材を容器軸O方向の型割りで一体形成する際に成形金型を複雑にする要因にならず、詰め替え容器1を容易に形成することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、保護突片16は、注出筒3の外周面に沿う単一の円弧状に限らず、係合部30を構成可能であれば、例えば周方向幅を抑えた突出片として設けてもよく、かつ複数設けてもよく、操作突片5の上端部よりも容器軸O方向高さが低くてもよい。
係合部30は、上記実施形態に対して、係止孔等の凹形状と係止爪等の凸形状とを逆にした構成でもよく、かつ互いに離脱可能に係合して閉塞板4を閉塞状態に維持可能な構成であれば凹凸の構成に限らない。さらに、係合部30の係合強さ等を適宜調整することによって、不意な外力に対する閉塞板4のロックに加え、閉塞板4を開く際の切掛とすることが可能である。すなわち、係合部30の係合が解除される際に勢いを付けることによって、閉塞板4を開放しやすくすることができる。
また、上記実施形態では、注出筒3、閉塞板4及び操作突片5等を含む注出筒部材3Cと、容器本体2と、が互いに別部材とされた構成を示したが、例えば、容器本体2をチューブ容器で構成することなどによって、全てが一体に形成された構成としてもよい。
また、上記実施形態では、フック部21と注出筒3の外周面とをブリッジ部22を介して互いに連結したが、これらを連結しなくてもよい。
また、注出筒3は、平坦壁部42を有さず全周が湾曲壁部41からなる円筒状にしてもよい。
また、容器本体2における口部2a及び胴部2bは、円形状に限らず、例えば、矩形状若しくは楕円形状等、適宜の形状でもよい。
また、上記実施形態では、閉塞板4が容器軸O上に位置し、かつ容器軸Oに直交しているが、例えば、閉塞板4が、容器軸Oを回避した位置に配置されてもよく、かつ閉塞板4が容器軸Oに直交せず傾斜したり湾曲もしくは屈曲してもよい。
1 詰め替え容器
1A 注入口
2 容器本体
2a 口部
3 注出筒
3a 注出口
4 閉塞板
5 操作突片
6 空気置換筒
16 保護突片(突設片)
20 突片本体
20a 一端部
20b 他端部
21 フック部
30 係合部
A 本容器
O 容器軸
N 内容物

Claims (2)

  1. 本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、
    前記容器本体の口部から容器軸方向に沿った該容器本体の外側に向けて延在するとともに、前記本容器の注入口内に差し込み可能とされ、かつ先端部に注出口が形成された注出筒と、
    前記注出口に着脱自在に嵌合するとともに、前記注出筒に連結された閉塞板と、
    前記閉塞板に連結された操作突片と、を備え、
    前記操作突片は、
    前記注出筒の径方向の外側に配置され、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向けて開口して前記本容器の注入口の開口端縁に係止するフック部と、
    一端部が前記閉塞板に連結され、かつ他端部が前記フック部に連結された突片本体と、を備え、
    前記注出筒の径方向において、前記注出筒における前記突片本体の一端部を挟んで前記突片本体の他端部と反対側となる部分には、容器軸方向に沿った前記容器本体の外側に向かって突出する突設片が配設され、
    前記突設片および前記突片本体の一端部には、これらを互いに離脱可能に係合させる係合部が形成されていることを特徴とする詰め替え容器。
  2. 請求項1記載の詰め替え容器であって、
    前記注出筒内には、容器軸方向に延びるとともに、内径が前記注出筒の内径より小さい空気置換筒が配設され、
    前記注出筒および空気置換筒は、互いに一体に形成されていることを特徴とする詰め替え容器。
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