JP6075345B2 - コンドロイチン製剤 - Google Patents
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Description
また、コンドロイチン又はその誘導体には、腰痛や関節痛等の症状の改善に加え、加齢とともに減少する真皮層の細胞間物質を補填、皮膚の保湿性,弾力性,肌荒れ及び小皺の改善や育毛等の美容効果も知られており、近年、これらの効果をコンドロイチン又はその誘導体を経口摂取することにより得る方法が取られている。
しかし、コンドロイチン又はその誘導体は、サメやサケ,イカ等の魚介類、牛や豚等の動物の軟骨を原料としており、原料由来の味や臭いを有している。よって、コンドロイチン又はその誘導体の経口摂取には、原料由来の味や臭いによる不快感が伴い、コンドロイチン又はその誘導体を含む経口組成物には、マスキング等の対策が必須である。
更に、グルコサミン塩酸塩又はコンドロイチン硫酸塩等の機能性素材を矯臭剤でマスキングし、更にミルク香料で矯臭剤のにおいを補ったペット用のサプリメント(特許文献3)、グルコサミン類の特異な香味をミルク香料で改善した愛玩動物用の経口投与固形製剤(特許文献4)等が開示されている。
このように、特異な臭いや味を有する素材の臭い又は味を改善し得る化合物は、素材によって異なるとともに、臭いや味のマスキングに使用され得る化合物は種類も多いため、対象となる素材に適したマスキング効果が得られる化合物の組み合わせを見出すことは非常に困難である。
(1)ウメ香料を含有することを特徴とするコンドロイチン製剤。
(2)ウメ香料を含有することを特徴とする臭い又は味の改善されたコンドロイチン製剤。
(3)更に、オリゴ糖又は多糖類を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のコンドロイチン製剤。
(4)更に、グルコサミン又はその誘導体を含有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1に記載のコンドロイチン製剤。
また、コンドロイチン製剤に、更にオリゴ糖または多糖類を配合することで、コンドロイチン製剤の溶解性を改善し、より摂取し易くすることができる。
本発明で使用されるコンドロイチン又はその誘導体として、コンドロイチン又はその誘導体を含有する従来公知な素材、例えば、サメ,サケ又はイカ等の魚介類や豚,牛,鳥等の動物の軟骨組織が挙げられる。その他、牛等の動物の目や角膜、イカの皮、鶏冠、鶏皮等の軟骨組織以外の動物の組織、山いも、納豆、オクラ等の植物、ツバメの巣、なめこ等が挙げられる。これらはそのまま使用しても良いし、コンドロイチン又はその誘導体を分離又は精製したものを使用しても良い。
本発明のコンドロイチン製剤には、ウメ香料に加えて一般的に市販されているその他の香料、例えば、ヨーグルト香料、ペパーミント香料、バナナ香料、ストロベリー香料、ピーチ香料、グレープ香料、パイナップル香料、グレープフルーツ香料、オレンジ香料、レモン香料、アップル香料、アセロラ香料、ブルーベリー香料、コーヒー香料、紅茶香料、バニラ香料等を組み合わせて使用しても良い。
また、コンドロイチン又はその誘導体は、グルコサミンやアセチルグルコサミン等のアミノ糖類等の成形する際の付着性が悪い化合物と併用されることが多いが、オリゴ糖又は多糖類は、これらの化合物の付着性を改善できる。そのため、本発明のコンドロイチン製剤は、オリゴ糖又は多糖類を配合することで、処方や形態の選択性に優れ、利便性に優れる。
配合するアミノ糖類としては、例えば、グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、アセチルノイラミン酸、ヘキソサミン、及びこれらの塩又は誘導体、若しくはこれらを含有する素材等が挙げられる。また、ムコ多糖としては、例えば、ヒアルロン酸、デルマタン、ヘパラン、ヘパリン、ケタラン、及びこれらの塩又は誘導体、若しくはこれらを含有する素材等が挙げられる。
中でも、グルコサミンを配合することで、コンドロイチン又はその誘導体を摂取することで得られる変形関節痛や関節炎等に対する効果が増強されるため好ましい。
コンドロイチン又はその誘導体の配合量が0.5重量%より多くなるにつれ、コンドロイチン製剤に含まれるコンドロイチン又はその誘導体の量が増えるので、コンドロイチン製剤の必要摂取量が過剰になることが無く、利便性に優れる傾向にあり、5重量%より多いと、この傾向により優れるため好ましい。
また、配合量が60重量%より少なくなるにつれ、コンドロイチン製剤の成形性に優れるとともに、他の成分との併用がし易く、利便性に優れる傾向にあり、35重量%より少ないと、これら傾向により優れるため好ましい。
ウメ香料の配合量が、0.01重量%より多くなるにつれ、コンドロイチン又はその誘導体の原料由来の臭いや味の改善作用、飲み易さの改善作用等に優れる傾向にあり、0.3重量%より多いと、この傾向がより優れるため好ましい。
また、ウメ香料の配合量が3重量%より少なくなるにつれ、コンドロイチン製剤の摂取時に感じるウメ香料の香味が強くなり難く、コンドロイチン製剤の嗜好性が増し、より摂取し易くなる傾向にあり、0.7重量%より少ないと、この傾向がより優れるため好ましい。
重量比(a)/(b)が0.1より大きくなるにつれ、コンドロイチン又はその誘導体に対するウメ香料の割合が多くなり過ぎず、コンドロイチン製剤の味にウメ香料の香味によるクセが出にくく、嗜好性が良くなる傾向にあり、9より大きいと、この傾向がより優れるため好ましい。
また、重量比(a)/(b)が5000より小さくなるにつれ、コンドロイチンに又はその誘導体に対するウメ香料の割合が少なくなり過ぎず、コンドロイチン又はその誘導体の原料由来の臭いや味等の改善効果に優れる傾向にあり、22より小さいと、この傾向がより優れるため好ましい。
オリゴ糖又は多糖類の配合量が、0.001重量%より多くなるにつれ、コンドロイチン製剤の成形性が良く、製造時の歩留まりが高くなる傾向にあり、0.1重量%より多いと、この傾向がより優れるので好ましい。
また、オリゴ糖又は多糖類の配合量が90重量%より少なくなるにつれ、製剤の溶解性・崩壊性に良くなり、経口摂取し易くなる傾向にあり、2重量%より少ないと、この傾向がより優れるので好ましい。
その他の成分としては、例えば、通常使用され得る、機能性成分、甘味料、調味料、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、崩壊剤、流動化剤、pH調製剤、防腐剤等が挙げられる。本発明のコンドロイチン製剤に対するこれらの成分の配合量は、本発明の効果が十分に発現されれば、特に制限はなく、目的や形状,使用対象等の様々な条件に応じて、広範囲でその配合量を適宜設定することができる。
また、本発明のコンドロイチン製剤の摂取量、摂取回数、摂取時期、及び摂取対象は特に制限はなく、摂取対象個体の年齢、体重、体質等の様々な要因、目的に応じて適宜選択することができる。
表1に示す配合で、サメ軟骨エキス(コンドロイチン硫酸40重量%含有)を含有する錠剤1乃至6(1粒約300mg)を、定法に従い作製し、コンドロイチン製剤を得た。
作製した錠剤1〜6を、被験者に経口摂取させ、臭気の改善、飲み易さ、後味、美味しさ、嗜好性の5の項目につき、9段階(1:悪い<5:基準<9:良い)で官能評価を行った。
尚、摂取の際、錠剤を口腔内に約5秒間留めた後、飲料水10〜30mLで錠剤を流し込むこととし、評価は錠剤1を基準とした。
これらのことから、香料の中でも、ウメ香料はコンドロイチンの原料特有の臭い及び味等に対し優れた改善効果を有しており、ウメ香料を含有するコンドロイチン製剤は、他の香料を含有するコンドロイチン製剤と比べて、服用し易いことが示された。
表3に示す配合で、サメ軟骨エキス(コンドロイチン硫酸40重量%含有)を含有する錠剤7〜10(1粒約300mg)を、定法に従い作製し、コンドロイチン製剤を得た。
作製した錠剤2,7〜10を、被験者に官能評価試験1と同様の方法で経口摂取させ、 官能評価試験1の評価項目に溶解性を追加した6項目につき、9段階(1:悪い<5:基準<9:良い)で官能評価を行った。
尚、評価は錠剤2を基準とした。
また、オリゴ糖又は多糖類を含有させた錠剤7〜10は、溶解性の評価値が上がっており、評価時の感想として、オリゴ糖や多糖類を含む錠剤7〜10は、錠剤2ほど硬くなく、飲みやすかったとの意見が得られた。
表5に示す配合で、サメ軟骨エキス(コンドロイチン硫酸40%含有)を含有する錠剤11及び12(1粒約300mg)を、定法に従い作製し、コンドロイチン製剤を得た。
官能評価試験1と同様の方法で、錠剤7,11及び12を経口摂取させ、味の好みにつき、官能評価を行った。
尚、評価が、味の好みに特に合うものを◎、味の好みに合うものを○、味の好みに合わないものを×とした。
また、重量比が22の錠剤11及び重量比が9の錠剤12では、評価は○であった。摂取時の感想として、錠剤11はコンドロイチンの臭いは感じないが、ウメの風味が弱く、錠剤12はコンドロイチンの臭いは感じないが、ウメの風味が強いとの意見があった。
また、コンドロイチン又はその誘導体が摂取し易いため、本発明のコンドロイチン製剤は、コンドロイチン又はその誘導体の摂取による真皮層の細胞間物質の生成又は保護、皮膚の保湿性,弾力性,肌荒れ及び小皺の改善、育毛効果等の作用も容易に得ることができる。
表7の配合割合で、各成分をフローコーターNFL−200型流動層造粒機(フロイント産業株式会社製)に投入し、数分間気流で混合し、これに水を噴霧することにより造粒を行った。得られた造粒物を篩によって篩別し、粒径1〜1000μmの顆粒剤とした。
表8の配合割合で、配合例1と同様に顆粒剤を製造した。
表9の配合割合で各成分を配合し、定法に従い打錠して錠剤を製造した。
表10の配合割合で各成分を配合し、定法に従い打錠して錠剤を製造した。
表11の配合割合で組成物を調製し、定法に従いハードカプセル化した。
表12の配合割合で組成物を配合し、飴剤を製造した。
表13の配合割合で組成物を配合し、定法に従い型に入れて成型し、グミ製剤を製造した。
表14の配合割合で組成物の乾燥粉末を配合し、散剤を製造した。
表15の配合割合で組成物を配合し、定法に従い型に入れて成型し、ゼリー剤を製造した。
表16の配合割合で組成物を配合し、定法に従い型に入れて成型し、ガム剤を製造した。
また、更にオリゴ糖又は多糖類を添加することにより、コンドロイチン製剤の溶解性を改善し、より摂取し易くすることができる。
Claims (2)
- ウメ香料及びオリゴ糖を含有することを特徴とするコンドロイチン製剤。
- 更に、グルコサミン又はその誘導体を含有することを特徴とする請求項1に記載のコンドロイチン製剤。
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