JP5924604B1 - 口腔ケア組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯磨きを行うことなく、う蝕を完全に防止し、ひいては口腔内の健康維持増進を図ることが可能な口腔ケア組成物を提供する。【解決手段】口腔内に含ませることにより口腔内の健康を増進する口腔ケア組成物において、組成物全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム:1%〜4%未満、ラクトフェリン:0.01%〜10%を含有し、更に必要に応じて重炭酸ナトリウム:1〜20%を含有することにより、口腔内に唾液の分泌を促進させる。【選択図】なし

Description

本発明は、殺菌、抗菌作用を発揮する唾液を口腔内により多く分泌させることにより、口腔内の健康を維持する上で好適な口腔ケア組成物に関するものである。
歯磨きは、口腔内の健康維持を図るために従来より日常生活に取り入れられている。この歯磨きは、歯磨き剤を付着させた歯ブラシにより歯をブラッシングする必要があり、高齢者や身体障害者等にとって困難な作業を伴う場合もある。また歯磨きを行う際には、水が必要になるが、例えば震災時における避難場所のように水の供給が無い場合には、歯磨きをすることができないという問題点があった。
これに加えて歯磨きに使用する歯磨き剤は、各種研磨剤が大量に含まれ、また泡立てることを目的として各種発泡剤が含まれる。例えば特許文献1には、研磨剤成分として燐酸水素カルシウムや炭酸カルシウム等を使用した歯磨材が開示されている。これらの成分が含まれる歯磨き剤を用いて歯磨きすると、口腔内を痛めてしまい、強い刺激を感じることや殺菌剤による痛みが生じる場合がある。また歯を磨き過ぎることにより、研磨剤の成分により歯そのものを削ってしまう虞もある。更にこの歯磨き剤に含まれる成分により、舌に生存する善玉菌まで死滅させてしまう場合もある。
このため、歯磨きに代わる手段により、口腔内の健康維持増進を図る技術が従来より研究され、そのうちの一つとして唾液を積極的に活用する技術も検討されている。
唾液は、口腔内のpHを一定に保つ役割を果たす。唾液中の重炭酸塩イオン(HCO3 -)の働きにより、口腔内のpHがより中性となるように保持されることとなる。一般的にう蝕(虫歯)は、歯垢の中に酸が大量に生成されることにより、口腔内のpHが酸性に傾き、歯の表面のカルシウムやミネラルを溶かしはじめるいわゆる脱灰が起点となる。しかし、この唾液が大量に分泌されることにより、唾液自身が保有する緩衝作用に基づいて口腔内がいち早く中性に戻ることとなる。さらに唾液は、酸によって溶けた歯の表面のカルシウムやミネラルを補充し、修復するいわゆる再石灰化作用を発揮する。
即ち、歯が健全状態を維持するためには、唾液の働きにより脱灰が生じた歯にミネラルが供給され、ミクロのレベルでの脱灰と再石灰化が均衡していることが必要となる。一般的に飲食後には歯垢内のpHが低下傾向となり、脱灰と再石灰化の均衡がくずれ、脱灰の進展が再石灰化を上回るようになるとう蝕が進行することとなる。逆に再石灰化の進展が脱灰を上回るようになるとう蝕が回復に向かい、歯が再石灰化することとなる。
このような脱灰と再石灰化のバランスを図るために、例えば特許文献2、3には、リン酸化オリゴ糖により口腔内の唾液のpHを中性付近で安定させることにより、う蝕の進行を抑える技術が開示されている。具体的には、口腔内にリン酸化オリゴ糖を添加することにより、口腔内の唾液などに存在するリン酸およびカルシウムを歯の再石灰化を狙うものである。
しかしながら、リン酸化オリゴ糖を添加することにより確かに唾液のpHの上昇に向けて作用させることが可能となるが、歯磨きを併用しない限り、う蝕を完全に防止することができない。
また特許文献4においても、歯の再石灰化とリン酸カルシウムとの関係に着目し、りん酸カルシウムを介して再石灰化促進作用を評価する方法も提案されているが、これらの技術か開示されていても、結局は歯磨き無しではう蝕を完全に防止し、ひいては口腔内の健康維持増進を図ることができない。
特開2004−26816号公報 特開2002−325556号公報 特開2009−258112号公報 特開2008−286556号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、歯磨きを行うことなく、う蝕を完全に防止し、ひいては口腔内の健康維持増進を図ることが可能な口腔ケア組成物を提供することにある
本発明は、以下の成分からなる口腔ケア組成物を錠剤等の固形物に仕上げ、これを口腔内にて含ませて溶解させる。これにより、唾液を大量に分泌させるとともに、そのpHを高く調整することにより、唾液の持つ抗菌作用、再石灰化作用等を好適に発揮させる。これにより、実際に歯磨きを行うこと無くう蝕を防止し、ひいては口腔内の健康維持増進を図るものである。
即ち、第1の発明に係る口腔ケア組成物は、口腔内に含ませることにより口腔内の健康を増進する口腔ケア組成物において、組成物全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム:1%〜4%未満、ラクトフェリン:0.01%〜10%を含有することを特徴とする。
第2の発明に係る口腔ケア組成物は、口腔内に含ませることにより口腔内の健康を増進する口腔ケア組成物において、組成物全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム:4%〜30%、ラクトフェリン:0.01%〜0.2%未満又は3%超〜10%を含有することを特徴とする。
また、第3の発明に係る口腔ケア組成物は、第1又は第2発明において、更に重炭酸ナトリウム:1%〜20%を含有することを特徴とする。
また、第4の発明に係る口腔ケア組成物は、第1〜第3発明において、更に炭酸カリウム又は炭酸水素カリウム:1%〜5%を含有することを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、被験者の口腔内に含ませることにより、この口腔ケア組成物に含有されているリン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンが互いの存在により相乗的に作用して、唾液をより大量に分泌させることになる。このとき、上述した重炭酸ナトリウムや炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムが含有されていることにより、更に唾液の分泌が促されることとなる。
このようにして、口腔内における唾液の分泌が促進されることにより、食物の消化が助けられ、口腔内にある食べかすを洗い流す自浄作用が高まることとなる。また口腔内における殺菌作用をも発揮され、更には口腔内のpHがよりアルカリとなるように保持されることとなり、う蝕の発生や進行を防止することが可能となり、また再石灰化の作用も発揮させることが可能となる。
特に本発明では、大量の唾液の分泌促進が実現できるため、被災地等のような水が無い場所においても、これを口に含ませておくことにより、歯磨きをすることなくう蝕の発生や進行を防止することが可能となる。また高齢者や身体障害者等のように、歯磨きが困難な者が、本発明を適用した口腔ケア組成物を口に含ませることにより、歯磨きをすることなくう蝕の発生や進行を防止することが可能となる。
さらに本発明を適用した口腔ケア組成物は、口腔内における唾液の分泌を促すことで、高齢者等に多く現れるドライマウスの症状を緩和させることも可能となる。
本発明者らは、上述した課題を解決するために、唾液により発現される作用に着目し、これを大量に分泌させるとともに、そのpHを高く調整することにより、歯磨きを行うこと無くう蝕を防止し、口腔内の健康維持増進を図ることが可能な口腔ケア組成物を発明した。唾液により発現される主な作用は以下である。
唾液は、消化酵素のアミラーゼが含まれている。このアミラーゼは、食物に含まれる糖質を分解することにより体内において吸収しやすくする効果を発現させる。唾液は、このような酵素としてのアミラーゼが含まれることで、食物の消化を助ける作用を奏するものである。
また口腔内にある食物と唾液とが混和することにより、適当なサイズの食塊を生成させることができる。このため唾液は、食物の飲み込みを助ける作用を奏するものである。また唾液は、口腔内にある食べかすを洗い流すいわゆる自浄作用を発揮する。即ち、よく噛むことで分泌する唾液の量が増加し、自浄作用が高まることとなる。
唾液には外部から口や鼻等を介して浸入してくる細菌に対する抗菌作用を発揮するリゾチームも含まれている。また唾液には、口腔の中を洗い流す役目も果たし、唾液が大量に分泌されることにより、口腔内の汚れを除去することができ、ひいては口臭を防ぐことも可能となる。
また唾液は、口腔内のpHを一定に保つ役割を、いわゆる緩衝作用を発揮する。唾液中の重炭酸塩イオン(HCO3 -)の働きにより、口腔内のpHがより中性となるように保持されることとなる。一般的にう蝕(虫歯)は、歯垢の中に酸が大量に生成されることにより、口腔内のpHが酸性に傾き、歯の表面のカルシウムやミネラルを溶かしはじめるいわゆる脱灰が起点となる。しかし、この唾液が大量に分泌されることにより、唾液自身が保有する緩衝作用に基づいて口腔内がいち早く中性に戻ることとなる。
更に唾液は、酸によって溶けた歯の表面のカルシウムやミネラルを補充し、修復するいわゆる再石灰化作用を発揮する。
本発明者らは、これら唾液の持つ作用をより好適に発揮させる条件について鋭意検討した。その結果、以下に示す成分からなる口腔ケア組成物とし、これを被験者の口腔内に含ませることにより、唾液をより大量に分泌させることができることを実験的に検証した。その結果、リン酸化オリゴ糖カルシウムとラクトフェリンとを混合することによる相乗効果に基づいて、唾液の分泌量を飛躍的に上げることができることを新たに見出した。このリン酸化オリゴ糖カルシウムは水に溶けにくい物質であるのに対してラクトフェリンは、水に溶けやすい物質である。即ち、互いに水和性の異なるリン酸化オリゴ糖カルシウムとラクトフェリンを混合して一つの口腔ケア組成物とするという従来には無い発想に基づくものである。
即ち、本発明に係る口腔ケア組成物は、口腔内に含ませることにより口腔内の健康を増進する口腔ケア組成物であって、組成物全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム:1%〜4%未満、ラクトフェリン:0.01%〜10%を含有することを特徴とする。また、本発明に係る口腔ケア組成物は、組成物全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム:4%〜30%、ラクトフェリン:0.01%〜0.2%未満又は3%超〜10%を含有することを特徴とする。この口腔ケア組成物は、更に重炭酸ナトリウム:1%〜20%を含有するものであってもよいし、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムを1%〜5%含有するものであってもよい。
また本発明を適用した口腔ケア組成物では、難消化性デキストリン、ジャンピニオンエキス粉末、キシリトール、香料、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム等の何れか1以上を残部に含有するものであってもよい。
以下、本発明を適用した口腔ケア組成物について、その成分と含有量の限定理由について説明する。なお、各成分の含有量は、組成物全質量に対する質量%で表すこととし、その質量%を表すときには単に%と記載して表すこととする。
[第1実施形態]
リン酸化オリゴ糖カルシウム:1%〜4%未満
リン酸化オリゴ糖カルシウムは、北海道産のジャガイモを原料とした澱粉由来の成分である。ジャガイモの澱粉にはリン酸基が結合している部位があり、その澱粉に酵素を作用させて抽出及び精製し、カルシウム塩として調製したものが、リン酸化オリゴ糖カルシウムである。このリン酸化オリゴ糖カルシウムは、口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。また、このリン酸化オリゴ糖カルシウムは、カルシウム源としての機能を発揮することに加え、う蝕原性細菌であるミュータンスレンサ球菌の栄養源にならず、更に口腔内のpH低下を緩衝作用によって抑制する機能も発揮しえる。リン酸化オリゴ糖カルシウムは、溶解したカルシウムイオンが唾液中において増強されることにより、歯の再石灰化も促進させることが可能となる。
このようなリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量が1%未満では、リン酸化オリゴ糖カルシウムの本来保有する機能を発揮し得ず、上述した所期の効果を奏することができない。一方、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量が4%以上の場合には、これを多く含有させることによる原料コストが増加してしまうこととなる。このため、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は1%〜4%未満とする。
ラクトフェリン:0.01%〜10%
ラクトフェリンは、動物の体内で広く分布している分子量約8万の鉄結合性の糖タンパク質である。ラクトフェリンは、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳、又はこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等を乳原料とし、例えばイオン交換クロマトグラフィー等の公知の分離・精製方法を用いることで、前記原料から分離して得られるものを用いることができる。このラクトフェリンは、更に植物(トマト、イネ、タバコ)から生産されたものであってもよいし、遺伝子組み換えによって得られるものであってもよい。更にラクトフェリンは、市販品を使用してもよいし、公知の方法により調製して使用することができる。ラクトフェリンは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。このようなラクトフェリンは、口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。
ラクトフェリンの含有量が0.01%未満では、ラクトフェリンの本来保有する機能を殆ど発揮し得ず、上述した所期の効果を全く奏することができない。一方、ラクトフェリンの含有量が10%を超えた場合には、効果が飽和してしまうとともに、これを多く含有させることによる原料コストが増加してしまうこととなる。これに加えて、ラクトフェリンの含有量が10%を超えてしまうと、これを摂取した患者の血糖値が高くなってしまう。このため、ラクトフェリンの含有量は0.01%〜10%とする。
[第2実施形態]
リン酸化オリゴ糖カルシウム:4%〜30%
リン酸化オリゴ糖カルシウムの詳細は、上述した第1実施形態と同一であるため、以下での説明を省略する。
このようなリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量が4%未満では、リン酸化オリゴ糖カルシウムの本来保有する機能を発揮し得ず、上述した所期の効果を奏することができない。一方、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量が30%超の場合には、これを多く含有させることによる原料コストが増加してしまうこととなる。特にリン酸化オリゴ糖カルシウムを大量に添加してしまうことになれば、乳児に対して却って毒性の強いものとなってしまう。このため、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は4%〜30%とする。
ラクトフェリン:0.01%〜0.2%未満又は3%超〜10%
ラクトフェリンの詳細は、上述した第1実施形態と同一であるため、以下での説明を省略する。
このようなラクトフェリンの含有量が3%以下では、ラクトフェリンの本来保有する機能をより好適に発揮し得ず、上述した所期の効果をより好適に奏することができない。一方、ラクトフェリンの含有量が10%を超えた場合には、効果が飽和してしまうとともに、これを多く含有させることによる原料コストが増加してしまうこととなる。これに加えて、ラクトフェリンの含有量が10%を超えてしまうと、これを摂取した患者の血糖値が高くなってしまう。このため、ラクトフェリンの含有量は3%超〜10%とする。
一方ラクトフェリンの含有量が0.01%未満では、ラクトフェリンの本来保有する機能を殆ど発揮し得ず、上述した所期の効果を全く奏することができない。一方、ラクトフェリンの含有量が0.01%以上であれば、ラクトフェリンの本来保有する機能を僅かながら発揮することが可能となり、しかもラクトフェリンの原料コストを大幅に低減させることが可能となる。但し、このラクトフェリンの含有量が0.2%以上の場合には、僅かながら奏するラクトフェリンの機能に対して、相対的に原料コストが高くなってしまう。このため、原料コストの大幅低減の観点からはラクトフェリン:0.01%〜0.2%未満とされていてもよい。
[第1実施形態、第2実施形態共通]
重炭酸ナトリウム:1%〜20%
重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)は、一般に重曹と称されるもので、ふくらし粉、清涼飲料などの添加剤として各種の食品分野や、人工透析剤、胃腸薬などの医薬品分野において、さらに消火剤、浴用剤、洗浄剤などとして広く使用されている。このような重炭酸ナトリウムを、口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。
このような重炭酸ナトリウムの含有量が1%未満では、重炭酸ナトリウムの本来保有する機能を発揮し得ず、上述した所期の効果を奏することができない。一方、重炭酸ナトリウムの含有量が20%を超えた場合には、効果が飽和してしまう。このため、重炭酸ナトリウムの含有量は1%〜20%とする。
ちなみに、この重炭酸ナトリウムの含有量は、更に所期の効果を発揮させるためには、6%〜16%とされていることが望ましく、更には、10%〜16%とされていることは望ましい。この望ましい重炭酸ナトリウムの例として、上限を16%としている理由は、16%を超える重炭酸ナトリウムを添加すると吐き気を感じる場合があり、嘔吐しやすい組成物となってしまうためである。
炭酸カリウム:1%〜5%
炭酸カリウムは、医薬品、食品、化粧品等の多分野で古くから汎用の成分であり、制酸剤又はアシドーシス抑制剤として医薬品中に配合され、或いは経口の水分補給剤の成分として用いられる。また、炭酸カリウムは、唾液をアルカリ性にしたり、アルカリ性の状態を維持したりする緩衝剤としての機能も発揮しえる。このような炭酸カリウムを口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。
このような炭酸カリウムの含有量が1%未満では、炭酸カリウムの本来保有する機能を発揮し得ず、上述した所期の効果を奏することができない。一方、炭酸カリウムの含有量が5%を超えた場合には、効果が飽和してしまうとともに、これを多く含有させることによる原料コストが増加してしまうこととなる。このため、炭酸カリウムの含有量は1%〜5%とする。なお、炭酸カリウムの代替として、炭酸水素カリウムを添加させるようにしてもよい。
なお、本発明では、必要に応じて下記の成分を含有するものであってもよい。
リン酸源化合物:1%〜3%
リン酸源化合物は、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸および環状リン酸塩からなる群より選択される化合物である。中でもポリリン酸は、2以上のリン酸が縮合して形成される化合物であり、食品の賦形剤、変色防止剤等として多用される。ポリリン酸中の重合度は2以上であれば任意であり、例えば、2以上であり、10以下である。ポリリン酸の例としては、ピロリン酸、トリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、シクロポリリン酸などが挙げられる。環状リン酸の例としては、ヘキサメタリン酸などが挙げられる。ポリリン酸は、腸管バリア機能の低下を抑制することができ、腸管バリア機能を回復させる機能を発揮しえる。ポリリン酸は、大腸菌をはじめとする微生物において、ポリリン酸キナーゼによりATPから合成される。このようなポリリン酸を口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。
残部の含有物
難消化性デキストリンは、とうもろこし、小麦、米、豆類、イモ類、タピオカなどの植物由来の澱粉を加酸および/または加熱して得た焙焼デキストリンを、必要に応じてαアミラーゼ及び/又はグルコアミラーゼで処理した後、必要に応じて脱塩、脱色した水溶性食物繊維であり、難消化性の特徴を持つものをいう。本発明を適用した口腔ケア組成物では、錠剤として構成する場合における増量剤として使用され、その含有量は特に限定されるものではなく適量添加される。
ジャンピニオンエキス粉末は、マッシュルームから抽出される成分であり、口臭等の臭いを消去するために適量添加される。
キシリトールは、天然に存在する五炭糖の糖アルコールであり、本発明において添加するものについては、その供給源としてはいかなる公知のものであってもよい。このキシリトールを添加することにより、口腔ケア組成物を錠剤として構成した場合に飲みやすくすることが可能となる。キシリトールの含有量は特に限定されるものではなく適量添加される。
香料は、様々な植物や一部の動物から抽出された天然香料、あるいは化学的に合成された合成香料を多数調合して得られるものである。例えばオレンジの香料を添加することにより口腔ケア組成物を錠剤として構成した場合に飲みやすくすることが可能となる。また、メントールの香料を添加することにより、これを飲んだ際にスッとするような感覚を発現させることが可能となる。この香料の含有量は特に限定されるものではなく適量添加される。
微粒二酸化ケイ素は、ケイ酸ナトリウムを塩酸や硫酸で分解した微粒状なものであり、硬度を調整するために適量添加されるものであるが、その添加は必須ではない。
ステアリン酸カルシウムは、ステアリン酸とパルミチン酸のカルシウム塩であり、粉状製品の滑沢性、流動性付与や固結防止、又は製品組織の乳化、粘性を高める効果のあるパーム由来脂肪酸を使用したものである。ステアリン酸カルシウムの含有量は特に限定されるものではなく適量添加される。
本発明を適用した口腔ケア組成物は、上述した含有量からなる各成分を錠剤又は粉末状等の固体状にして具現化されるものであってもよいし、液体として具現化されるものであってもよい。
このような本発明を適用した口腔ケア組成物を被験者の口腔内に含ませることにより、この口腔ケア組成物に含有されているリン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンが互いの存在により相乗的に作用して、唾液をより大量に分泌させることになる。このとき、上述した重炭酸ナトリウムや炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムが含有されていることにより、更に唾液の分泌が促されることとなる。
このようにして、口腔内における唾液の分泌が促進されることにより、食物の消化が助けられ、口腔内にある食べかすを洗い流す自浄作用が高まることとなる。また口腔内における殺菌作用をも発揮され、更には口腔内のpHがより中性となるように保持されることとなり、う蝕の発生や進行を防止することが可能となり、また再石灰化の作用も発揮させることが可能となる。
特に本発明では、大量の唾液の分泌促進が実現できるため、被災地等のような水が無い場所においても、これを口に含ませておくことにより、歯磨きをすることなくう蝕の発生や進行を防止することが可能となる。また高齢者や身体障害者等のように、歯磨きが困難な者が、本発明を適用した口腔ケア組成物を口に含ませることにより、歯磨きをすることなくう蝕の発生や進行を防止することが可能となる。
さらに本発明を適用した口腔ケア組成物は、口腔内における唾液の分泌を促すことで、高齢者等に多く現れるドライマウスの症状を緩和させることも可能となる。
以下に、本発明で使用した試験方法、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の例において単に%のみ記載されている場合は、質量%を示すものとする。
本発明では、実験的検討を行うために得たサンプル錠剤について、表1、2に示すように、被験者A〜Eの5名に対して口に含ませ、唾液分泌量を計測した。
Figure 0005924604
Figure 0005924604
被験者Aは50代男性、被験者Bは60代男性、被験者Cは40代男性、被験者Dは50代女性、被験者Eは50代女性である。この被験者A〜Eは何れもドライマウス症状のある者である。特に被験者Eは、舌癌の手術後、抗癌剤による治療中であり、通常であると唾液が殆ど分泌しない状態にある者である。
これら各被験者A〜Eについて、以下の表1、2に示す成分からなるサンプル錠剤を1分間に亘り口に含ませ、口腔内に溜まった唾液を計量カップに吐き出させてその量を測定した。サンプル錠剤は、いずれも500mgの錠剤で構成し、それぞれ表1、2に示す各成分について表中の数値からなる%含有させ、残部は、デキストリン等のような澱粉成分により構成している。
比較例1は、単にサンプル錠剤をデキストリンのみで構成した、いわゆるバルク状態のサンプルである。比較例2〜3において唾液分泌を促す成分は、重炭酸ナトリウムのみであり、これについて含有量を互いに異ならせて構成している。比較例4〜7において唾液分泌を促す成分は、リン酸化オリゴ糖カルシウムのみであり、これについて含有量を互いに異ならせて構成している。比較例8〜10において、唾液分泌を促す成分は、ラクトフェリンのみであり、これについて含有量を互いに異ならせて構成している。
これら比較例2〜10は、成分の含有量が高くなるにつれて、被験者A〜E何れも唾液分泌量が多くなる傾向が見られていた。
比較例11は、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量を下限である1%未満とした例であるが、唾液の分泌量はそれほど増加していないことが示されている。比較例13は、ラクトフェリンが下限である0.01%未満とした例である。
本発明例1−4、11、12は、何れもリン酸化オリゴ糖カルシウム:1%〜4%未満、ラクトフェリン:0.01%〜10%を含有する例である。何れも比較例2−11、13と比較して唾液の分泌量は多くなっている。また本発明例5−9は、何れもリン酸化オリゴ糖カルシウム:4%〜30%、ラクトフェリン:0.01%〜0.2%未満又は3%超〜10%を含有する例であるが、何れも比較例2−11、13と比較して唾液の分泌量は多くなっている。
一方、比較例12は、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有率が12%であるため、効果が飽和してしまっているのが分かる。これに加えて、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有率が高いことから原料コストがその分増加してしまっている。
本発明例8、9、12は、何れも本発明において規定した範囲に含まれるリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンに更に重炭酸ナトリウムを含有させた例であるが、唾液の分泌量が更に多くなっていることが分かる。また本発明例10は、更に炭酸カリウムを2%添加した例である。この炭酸カリウムを添加することにより唾液の分泌量を飛躍的に増大させることができたことが分かる。

Claims (4)

  1. 口腔内に含ませることにより口腔内の健康を増進する口腔ケア組成物において、
    組成物全質量に対する質量%で、
    リン酸化オリゴ糖カルシウム:1%〜4%未満、
    ラクトフェリン:0.01%〜10%を含有すること
    を特徴とする口腔ケア組成物。
  2. 口腔内に含ませることにより口腔内の健康を増進する口腔ケア組成物において、
    組成物全質量に対する質量%で、
    リン酸化オリゴ糖カルシウム:4%〜30%、
    ラクトフェリン:0.01%〜0.2%未満又は3%超〜10%を含有すること
    を特徴とする口腔ケア組成物。
  3. 更に重炭酸ナトリウム:1%〜20%を含有すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の口腔ケア組成物。
  4. 更に炭酸カリウム又は炭酸水素カリウム:1%〜5%を含有すること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の口腔ケア組成物。
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