本発明者らは、上述した課題を解決するために、唾液により発現される作用に着目し、これを大量に分泌させ、口腔内の健康維持増進を図ることが可能な医薬品の製造方法を発明した。唾液により発現される主な作用は以下である。
唾液は、消化酵素のアミラーゼが含まれている。このアミラーゼは、食物に含まれる糖質を分解することにより体内において吸収しやすくする効果を発現させる。唾液は、このような酵素としてのアミラーゼが含まれることで、食物の消化を助ける作用を奏するものである。
また口腔内にある食物と唾液とが混和することにより、適当なサイズの食塊を生成させることができる。このため唾液は、食物の飲み込みを助ける作用を奏するものである。また唾液は、口腔内にある食べかすを洗い流すいわゆる自浄作用を発揮する。即ち、よく噛むことで分泌する唾液の量が増加し、自浄作用が高まることとなる。
唾液には外部から口や鼻等を介して浸入してくる細菌に対する抗菌作用を発揮するリゾチームも含まれている。また唾液には、口腔の中を洗い流す役目も果たし、唾液が大量に分泌されることにより、口腔内の汚れを除去することができ、ひいては口臭を防ぐことも可能となる。
また唾液は、口腔内のpHを一定に保つ役割を、いわゆる緩衝作用を発揮する。唾液中の重炭酸塩イオン(HCO3 -)の働きにより、口腔内のpHがより中性となるように保持されることとなる。一般的にう蝕(虫歯)は、歯垢の中に酸が大量に生成されることにより、口腔内のpHが酸性に傾き、歯の表面のカルシウムやミネラルを溶かしはじめるいわゆる脱灰が起点となる。しかし、この唾液が大量に分泌されることにより、唾液自身が保有する緩衝作用に基づいて口腔内がいち早く中性に戻ることとなる。
更に唾液は、酸によって溶けた歯の表面のカルシウムやミネラルを補充し、修復するいわゆる再石灰化作用を発揮する。
本発明者らは、これら唾液の持つ作用をより好適に発揮させる条件について鋭意検討した。その結果、以下に示す成分からなる補助成分を医薬品として、これを被験者の口腔内に含ませることにより、唾液をより大量に分泌させることができることを実験的に検証した。その結果、リン酸化オリゴ糖カルシウムとラクトフェリンとを混合することによる相乗効果に基づいて、唾液の分泌量を飛躍的に上げることができることを新たに見出した。このリン酸化オリゴ糖カルシウムは水に溶けにくい物質であるのに対してラクトフェリンは、水に溶けやすい物質である。即ち、互いに水和性の異なるリン酸化オリゴ糖カルシウムとラクトフェリンを混合して一つの補助成分として医薬品に添加するという従来には無い発想に基づくものである。
即ち、本発明に係る医薬品の製造方法は、口腔内に含ませることにより口腔内の健康を増進する口腔ケア機能、及び唾液を大量に分泌させることによる飲み易さを発揮するものであって、薬剤成分と補助成分を含有し、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム:1〜30%、ラクトフェリン:0.01〜10%を含有する。この補助成分は、更に炭酸マグネシウム:1〜5%を含有するものであってもよい。また補助成分は、スクラロース:1〜5%を含有するものであってもよい。また、補助成分は、重炭酸ナトリウム:1〜20%を含有するものであってもよいし、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムを1〜5%含有するものであってもよい。
また補助成分は、難消化性デキストリン、ジャンピニオンエキス粉末、キシリトール、香料、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム等の何れか1以上を残部に含有するものであってもよい。
以下、医薬品に含まれる補助成分について、その成分と含有量の限定理由について説明する。なお、各成分の含有量は、補助成分全質量に対する質量%で表すこととし、その質量%を表すときには単に%と記載して表すこととする。
リン酸化オリゴ糖カルシウム:1〜30%
リン酸化オリゴ糖カルシウムは、北海道産のジャガイモを原料とした澱粉由来の成分である。ジャガイモの澱粉にはリン酸基が結合している部位があり、その澱粉に酵素を作用させて抽出及び精製し、カルシウム塩として調製したものが、リン酸化オリゴ糖カルシウムである。このリン酸化オリゴ糖カルシウムは、口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。また、このリン酸化オリゴ糖カルシウムは、カルシウム源としての機能を発揮することに加え、う蝕原性細菌であるミュータンスレンサ球菌の栄養源にならず、更に口腔内のpH低下を緩衝作用によって抑制する機能も発揮しえる。リン酸化オリゴ糖カルシウムは、溶解したカルシウムイオンが唾液中において増強されることにより、歯の再石灰化も促進させることが可能となる。
このようなリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量が1%未満では、リン酸化オリゴ糖カルシウムの本来保有する機能を発揮し得ず、上述した所期の効果を奏することができない。一方、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量が30%を超えた場合には、効果が飽和してしまうとともに、これを多く含有させることによる原料コストが増加してしまうこととなる。リン酸化オリゴ糖カルシウムを30%を超えるほど大量に添加してしまうことになれば、乳児に対して却って毒性の強いものとなってしまう。このため、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は1〜30%とする。
ラクトフェリン:0.01〜10%
ラクトフェリンは、動物の体内で広く分布している分子量約8万の鉄結合性の糖タンパク質である。ラクトフェリンは、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳、又はこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等を乳原料とし、例えばイオン交換クロマトグラフィー等の公知の分離・精製方法を用いることで、前記原料から分離して得られるものを用いることができる。このラクトフェリンは、更に植物(トマト、イネ、タバコ)から生産されたものであってもよいし、遺伝子組み換えによって得られるものであってもよい。更にラクトフェリンは、市販品を使用してもよいし、公知の方法により調製して使用することができる。ラクトフェリンは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。このようなラクトフェリンは、口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。
このラクトフェリンが奏しえる中核機能として、は、免疫的寛容の導入、異物認識の強化、血管新生の阻害、オピオイド作用の増強等である。免疫的寛容の導入により、自己免疫疾患、各種アレルギーに対する改善効果が期待できる。また異物認識の強化により、例えば感染症、特に日和見感染症に対し改善効果が期待できる。またラクトフェリンは、炎症が誘導する血管新生を阻害する効果も奏するため、癌を始めとする血管新生病に有効である。一方、ラクトフェリンは脳内麻薬と称される内因性オピオイドの効果を高めため、疼痛に対する鎮痛効果をも発揮しえる。
ラクトフェリンは、上述した唾液の分泌効果に加え、更に結膜粘膜の修復と涙腺の若返りに効果をも発揮しえる。このため、このようなラクトフェリンを点眼することにより、いわゆるドライアイの改善効果も期待できる。またラクトフェリンは、アルツハイマー病を始めとする神経変性疾患を治療、予防できる可能性もある。
このようなラクトフェリンの含有量が0.01%未満では、ラクトフェリンの本来保有する機能を発揮し得ず、上述した所期の効果を奏することができない。一方、ラクトフェリンの含有量が10%を超えた場合には、効果が飽和してしまうとともに、これを多く含有させることによる原料コストが増加してしまうこととなる。これに加えて、ラクトフェリンの含有量が10%を超えてしまうと、これを摂取した患者の血糖値が高くなってしまう。このため、ラクトフェリンの含有量は0.01〜10%とする。
重炭酸ナトリウム:1〜20%
重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)は、一般に重曹と称されるもので、ふくらし粉、清涼飲料などの添加剤として各種の食品分野や、人工透析剤、胃腸薬などの医薬品分野において、さらに消火剤、浴用剤、洗浄剤などとして広く使用されている。このような重炭酸ナトリウムを、口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。
このような重炭酸ナトリウムの含有量が1%未満では、重炭酸ナトリウムの本来保有する機能を発揮し得ず、上述した所期の効果を奏することができない。一方、重炭酸ナトリウムの含有量が20%を超えた場合には、効果が飽和してしまう。このため、重炭酸ナトリウムの含有量は1〜20%とする。
ちなみに、この重炭酸ナトリウムの含有量は、更に所期の効果を発揮させるためには、6〜16%とされていることが望ましく、更には、10〜16%とされていることは望ましい。この望ましい重炭酸ナトリウムの例として、上限を16%としている理由は、16%を超える重炭酸ナトリウムを添加すると吐き気を感じる場合があり、嘔吐しやすい組成物となってしまうためである。
炭酸カリウム:1〜5%
炭酸カリウムは、医薬品、食品、化粧品等の多分野で古くから汎用の成分であり、制酸剤又はアシドーシス抑制剤として医薬品中に配合され、或いは経口の水分補給剤の成分として用いられる。また、炭酸カリウムは、唾液をアルカリ性にしたり、アルカリ性の状態を維持したりする緩衝剤としての機能も発揮しえる。このような炭酸カリウムを口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。
このような炭酸カリウムの含有量が1%未満では、炭酸カリウムの本来保有する機能を発揮し得ず、上述した所期の効果を奏することができない。一方、炭酸カリウムの含有量が5%を超えた場合には、効果が飽和してしまう。このため、炭酸カリウムの含有量は1〜5%とする。なお、炭酸カリウムの代替として、炭酸水素カリウムを添加させるようにしてもよい。
なお、本発明では、必要に応じて下記の成分を含有するものであってもよい。
リン酸源化合物:1〜3%
リン酸源化合物は、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸および環状リン酸塩からなる群より選択される化合物である。中でもポリリン酸は、2以上のリン酸が縮合して形成される化合物であり、食品の賦形剤、変色防止剤等として多用される。ポリリン酸中の重合度は2以上であれば任意であり、例えば、2以上であり、10以下である。ポリリン酸の例としては、ピロリン酸、トリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、シクロポリリン酸などが挙げられる。環状リン酸の例としては、ヘキサメタリン酸などが挙げられる。ポリリン酸は、腸管バリア機能の低下を抑制することができ、腸管バリア機能を回復させる機能を発揮しえる。ポリリン酸は、大腸菌をはじめとする微生物において、ポリリン酸キナーゼによりATPから合成される。このようなポリリン酸を口腔内に含ませることにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。このリン酸源化合物は1〜3%の範囲内とされていることが望ましい。
炭酸マグネシウム:1〜5%
炭酸マグネシウムは、主として歯磨き粉の研磨剤や制酸剤として用いられる。このような炭酸マグネシウムを混合することにより、唾液を大量に分泌させる作用を引き起こさせる。炭酸マグネシウムの含有量が1%未満である場合には、かかる唾液分泌の効果を奏し得ない。一方、炭酸マグネシウムの含有量が5%を超えてしまうと、効果が飽和してしまう。このため炭酸マグネシウムの含有量は1〜5%とする。
スクラロース:1〜5%
スクラロースは、ショ糖から生まれた人口甘味料の一つである。スクラロースは、ショ糖の約600倍の甘味を持ち、水に溶けやすく安定性に優れる。またスクラロースは、砂糖に似たまろやかな甘味を発揮しつつも砂糖のように体内で炭水化物として消化、吸収はされないため、生理的熱量はゼロである。このため、スクラロースは、清涼飲料水やアイスクリームを始めとした各種飲料組成物、食料組成物に適用される。またこのスクラロースが発揮するまろやかな甘味により、唾液を大量に分泌させる作用を発揮する。このスクラロースの含有量が1%未満である場合には、かかる唾液分泌の効果を奏し得ない。一方、スクラロースの含有量が5%を超えてしまうと、効果が飽和してしまうとともに、これを多く含有させることによる原料コストが増加してしまうこととなる。このためスクラロースの含有量は1〜5%とする。
残部の含有物
難消化性デキストリンは、とうもろこし、小麦、米、豆類、イモ類、タピオカなどの植物由来の澱粉を加酸および/または加熱して得た焙焼デキストリンを、必要に応じてαアミラーゼ及び/又はグルコアミラーゼで処理した後、必要に応じて脱塩、脱色した水溶性食物繊維であり、難消化性の特徴を持つものをいう。本発明を適用した医薬品では、錠剤として構成する場合における増量剤として使用され、その含有量は特に限定されるものではなく適量添加される。
ジャンピニオンエキス粉末は、マッシュルームから抽出される成分であり、口臭等の臭いを消去するために適量添加される。
キシリトールは、天然に存在する五炭糖の糖アルコールであり、本発明において添加するものについては、その供給源としてはいかなる公知のものであってもよい。このキシリトールを添加することにより、清涼感が発揮され錠剤として構成した場合に飲みやすくすることが可能となる。キシリトールの含有量は特に限定されるものではなく適量添加される。
香料は、様々な植物や一部の動物から抽出された天然香料、あるいは化学的に合成された合成香料を多数調合して得られるものである。例えばオレンジの香料を添加することにより錠剤として構成した場合に飲みやすくすることが可能となる。また、メントールの香料を添加することにより、これを飲んだ際にスッとするような感覚を発現させることが可能となる。この香料の含有量は特に限定されるものではなく適量添加される。
微粒二酸化ケイ素は、ケイ酸ナトリウムを塩酸や硫酸で分解した微粒状なものであり、硬度を調整するために適量添加されるものであるが、その添加は必須ではない。
ステアリン酸カルシウムは、ステアリン酸とパルミチン酸のカルシウム塩であり、粉状製品の滑沢性、流動性付与や固結防止、又は製品組織の乳化、粘性を高める効果のあるパーム由来脂肪酸を使用したものである。ステアリン酸カルシウムの含有量は特に限定されるものではなく適量添加される。
本発明を適用した医薬品は、上述した含有量からなる各成分を錠剤又は粉末状等の固体状にして具現化されるものであってもよいし、液体として具現化されるものであってもよい。
このような補助成分を含有した医薬品等を被験者の口腔内に含ませることにより、この補助成分に含有されているリン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンが互いの存在により相乗的に作用して、唾液をより大量に分泌させることになる。また、リン酸オリゴ糖カルシウムのカルシウム分がラクトフェリンといち早く結合し、ラクトフェリンがタンパク質分解酵素に構造破壊されにくくなるため、これを構造的に安定化させることが可能となる。
その結果、口腔内における唾液の飛躍的な分泌が生じ、ドライマウスの症状を緩和させることも可能となる。このとき、上述した重炭酸ナトリウムや炭酸カリウム又は炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、スクラロースが含有されていることにより、更に唾液の分泌が促されることとなる。
このようにして、口腔内における唾液の分泌が促進されることにより、食物の消化が助けられ、口腔内にある食べかすを洗い流す自浄作用が高まることとなる。また口腔内における殺菌作用をも発揮され、更には口腔内のpHがより中性となるように保持されることとなり、う蝕の発生や進行を防止することが可能となり、また再石灰化の作用も発揮させることが可能となる。
特に本発明では、大量の唾液の分泌促進が実現できるため、被災地等のような水が無い場所においても、これを口に含ませておくことにより、歯磨きをすることなくう蝕の発生や進行を防止することが可能となる。また高齢者や身体障害者等のように、歯磨きが困難な者が、本発明を適用した補助成分を口に含ませることにより、歯磨きをすることなくう蝕の発生や進行を防止することが可能となる。
また本発明を適用した医薬品は、口腔内における唾液の分泌を促すことで、高齢者等に多く現れるドライマウスの症状を緩和させることも可能となる。
なお本発明は、医薬品として具現化される場合において、その薬剤成分としては、いかなる薬剤が適用されるものであってもよい。
補助成分は、医薬品全質量に対する質量%で0.01〜50%含有する。補助成分が医薬品全質量に対する質量%で0.01%未満の場合には、補助成分としての上述した効能を発揮することができない。一方、この補助成分が医薬品全質量に対する質量%で50%を超えて含有させてもその効果は飽和してしまう。
医薬品が点眼薬として具現化される場合には、上述した配合比率からなる補助成分と、通常の点眼薬に含まれる点眼薬成分からなる薬剤成分とを含有した点眼薬液として具現化される。点眼薬成分としては、例えば、抗炎症剤、ビタミン剤、血管収縮剤、抗ヒスタミン剤、散瞳剤、縮瞳剤、眼圧降下剤、白内障治療剤、ステロイドホルモン剤、抗生物質、局所麻酔剤、充血除去成分、アミノ酸類成分、抗菌成分等が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、他のいかなる点眼薬成分が混合するものであっても良い。なお点眼薬液は、点眼薬成分以外に水分、防腐剤も含む。
ちなみに、補助成分におけるリン酸化オリゴ糖カルシウムと、ラクトフェリンとは、互いに別々に点眼するように構成するようにしてもよい。かかる場合には、リン酸化オリゴ糖カルシウムと必要な場合には点眼薬成分からなる点眼薬液を一の容器に入れ、ラクトフェリンと必要な場合には点眼薬成分からなる点眼薬液を他の容器に入れる。そして、何れか一方の容器の点眼薬液により点眼を行い、しばらく時間が経過した後に他方の容器の点眼薬液により点眼を行う。これにより、リン酸化オリゴ糖カルシウムと、ラクトフェリンとの点眼時をずらすことができ、目の中でリン酸化オリゴ糖カルシウムと、ラクトフェリンとが混合してしまうのを防止することができる。
上述の如き構成からなる点眼薬液によれば、ラクトフェリンによる結膜粘膜の修復作用と涙腺細胞の若返り作用により、いわゆるドライアイを改善することが可能となる。また、本発明によれば液体状の補助成分単体そのものを点眼薬液として具現化してもよい。
また、本発明では、上述した配合比率からなる補助成分が混合された点鼻薬に適用されるものであってもよい。点鼻薬として具現化される場合には、上述した補助成分と、通常の点鼻薬に含まれる点鼻薬成分からなる薬剤成分とを含有した点鼻薬液として具現化される。点鼻薬成分としては、血管収縮剤、血管拡張薬、抗ヒスタミン剤、ステロイド等が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、他のいかなる点鼻薬成分が混合するものであってもよい。
ちなみに、補助成分におけるリン酸化オリゴ糖カルシウムと、ラクトフェリンとは、互いに別々に点鼻するように構成するようにしてもよい。かかる場合には、リン酸化オリゴ糖カルシウムと必要な場合には点鼻薬成分からなる点鼻薬液を一の容器に入れ、ラクトフェリンと必要な場合には点鼻薬成分からなる点鼻薬液を他の容器に入れる。そして、何れか一方の容器の点鼻薬液により点鼻を行い、しばらく時間が経過した後に他方の容器の点鼻薬液により点鼻を行う。これにより、リン酸化オリゴ糖カルシウムと、ラクトフェリンとの点鼻時をずらすことができ、鼻の中でリン酸化オリゴ糖カルシウムと、ラクトフェリンとが混合してしまうのを防止することができる。
上述の如き構成からなる点鼻薬液として具現化される医薬品によれば、ラクトフェリンが点鼻により、鼻の毛細血管から、血液脳関門を通過し、ラクトフェリンと結びついたカルシウムイオンが脳血液内に広がる作用が生じ、アルツハイマー特有の脳血液内のカルシウムイオン不足 が解消されることにより、アルツハイマー症を改善することが可能となる。また、本発明によれば液体状の補助成分単体そのものを点鼻薬液として具現化してもよい。
また、本発明では、上述した配合比率からなる補助成分が混合され、かつ薬剤成分を含有する錠剤として具現化される医薬品に適用されるものであってもよい。錠剤として具現化される場合には、上述した補助成分と、通常の錠剤に含まれる有効成分としての薬剤成分とを含有した錠剤として具現化される。この錠剤は、例えば有効成分で構成される薬剤成分としては、解熱鎮痛成分、去痰成分、抗炎症成分、鎮静成分、制酸成分、ビタミンその他滋養強壮成分、漢方製剤、カフェイン等の眠気防止性分、抗めまい成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分、局所麻酔成分、殺菌消毒成分、健胃成分、消化成分、胃粘膜保護・修復成分、止瀉薬成分、組織修復成分、止血成分、血管収縮成分等が挙げられる。但し薬剤成分は、これらに限定されるものではなく、他のいかなる成分が混合するものであってもよい。また有効成分以外の錠剤を構成するものとしては、増量剤、結合剤、滑沢剤等がある。また本発明では、補助成分単体そのものを錠剤として具現化してもよい。
また図1に示すように薬剤成分を含む核剤1の表面に補助成分2が被覆されている錠剤10として構成されていてもよい。核剤1の表面に補助成分2を被覆する際には、補助成分2により被覆しきれていない箇所があるために核剤1が露出してしまっていてもよい。即ち、この補助成分2は、核剤1の少なくとも一部を被覆するものであってもよい。また図1に示す形態以外に、補助成分と薬剤成分とが互いに混合し合って一つの錠剤を構成するものであってもよい。
このような錠剤を口に含ませることにより、リン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンが互いの存在により相乗的に作用して、唾液をより大量に分泌させることになる。その結果、口腔内における唾液の飛躍的な分泌が生じ、ドライマウス症状の人であっても、唾液を通じて錠剤を飲みやすくすることが可能となる。
また、本発明では、上述した配合比率からなる補助成分が混合された粉体状薬剤又は顆粒状薬剤からなる医薬品に適用されるものであってもよい。具体的には、上述した配合比率からなる粉体状の補助成分と、粉体からなる有効成分を含む薬剤成分を含有する粉体状薬剤、又は顆粒体状の補助成分と顆粒体からなる有効成分を含む薬剤成分を含有する顆粒状薬剤として具現化される医薬品となる。これら粉体状薬剤又は顆粒状薬剤は、カプセルに封入されて流通販売、使用されるものであってもよい。ちなみに、この薬剤成分については、上述した錠剤と同様のものであるため、係る記載を引用することにより以下での説明を省略する。
このような粉体又は顆粒状薬剤を口に含ませることにより、リン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンが互いの存在により相乗的に作用して、唾液をより大量に分泌させることになる。その結果、口腔内における唾液の飛躍的な分泌が生じ、ドライマウス症状の人であっても、唾液を通じて粉体又は顆粒状薬剤を飲みやすくすることが可能となる。
次に上述した構成からなる医薬品の製造方法について説明をする。図2は、本発明を適用した医薬品の製造方法のフローを示している。
先ず医薬品製造メーカは、上述の如き薬剤成分を含む核剤1を製造する。この核剤は、薬剤成分であれば、錠剤、液体状、顆粒状、粉体状等、いかなる形態で構成されるものであってもよい。医薬品製造メーカにより製造されるこの核剤1は、通常であるとこのままの状態で市場において流通販売されるものであるが、本発明によれば、このような核剤1を加工業者が入手した上で、これに対して補助成分を添加する作業を行うこととなる。
かかる場合において、先ず加工業者は、この核剤1を入手することとなる。核剤1の入手は、いかなる方法を介して行うようにしてもよいが、何れの場合においても加工業者が実際に加工を行う現場に対して、この核剤1が外部又は内部から搬送されてくることが必須となる。
加工業者は、このような核剤1に対して補助成分2を添加する。核剤1への補助成分2の添加は、いかなる形態で行うようにしてもよい。この添加方法としては、単に核剤1に対して補助成分を混合するようにしてもよいし、搬送されてきた核剤1に対して補助成分2を被覆するようにしてもよい。この補助成分2の被覆は、例えば核剤1に対してスプレー等で吹きかけるか、或いは塗布等の手段により、行うようにしてもよい。加工業者は、このようにして補助成分2を核剤1に添加することにより得られた錠剤10からなる医薬品を流通販売させていくこととなる。
ちなみに、この図1に示すようなフローに限定されるものではなく、例えば、医薬製造メーカと加工業者が同一の事業者とされる場合も適用可能であることは勿論である。かかる場合には、当該事業者内における薬剤製造部門において製造された核剤1が加工部門に搬送され、加工部門では同様に補助成分2を核剤1に添加する作業を行うこととなる。かかる場合においても、同様に搬送されてくる核剤1について処理を施すこととなる。この搬送の意味するところについては、ベルトコンベアのようなものに限定されるものではなく、単に人為的に他の箇所から運ばれてきたもので保管庫に保管するものを取り出して処理を施すものであってもよい。
また、補助成分2の添加工程においては、リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンを含有する補助成分2を一体として核剤1に添加するようにしてもよいし、リン酸化オリゴ糖カルシウムとラクトフェリンとを別々に添加するようにしてもよい。
また補助成分2の添加工程では、補助成分2を、医薬品全質量に対する質量%で0.01〜50%含有するように添加することが望ましいが、これに限定されるものではなく、かかる範囲から外れるものであってもよい。
また図3は、服用予定の患者6に関する情報を取得してこれを医薬品の設計に反映させる例を示している。先ず医薬品を服用予定の患者6から情報を取得する。この取得する情報としては、例えば口腔内に含ませる錠剤であれば、患者6の唾液の分泌性に関する情報を取得するようにしてもよいし、点眼薬として適用する場合には、涙腺からの涙の分泌性に関する情報を取得するようにしてもよい。また点鼻薬として適用する場合には、鼻水の量等に関する情報を取得するようにしてもよい。
次に取得した情報に基づいて、実際に医薬品の設計を行う。この設計においては、例えば患者の唾液の分泌性に関する情報を取得した場合において、その唾液の分泌性に応じて、リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量を異ならせるように設計をする。例えば、唾液の分泌性が高い場合には、補助成分2を通じてそれほど唾液の分泌を促進する必要性が高くないため、リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量をより低めに設定する。これに対して、唾液の分泌性が低くドライマウス状態の場合には、補助成分2を通じて唾液の分泌をより促進する必要性が高いため、リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量をより高めに設定する。設定したリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量に関する情報は、補助成分2の添加工程において通知され、その添加工程におけるリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの添加量として生かされることとなる。取得した情報が唾液の分泌量ではなく、涙腺からの涙の分泌量に関する情報であれば、その涙の分泌量に応じてリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの添加量を増減させるように設定することとなる。
このようにしてリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量の設計工程を導入することにより、患者のニーズに応じた最適な医薬品を提供することが可能となる。
ちなみに本発明は、上述した患者に関する情報を取得する情報取得工程と、取得した情報に基づいて添加すべき補助成分に含有するリン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンの含有量を設計する設計工程で少なくとも構成される設計方法として具現化されるものであってもよい。つまり、上述した情報取得工程、設計工程を業として行うコンサルティングビジネスも本発明に含まれるものとなる。
ちなみに設計工程では、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等を使用し、患者に関する情報をPCに入力すると、事前にインストールされている設計ソフトウェアを介して自動的に最適な含有量を出力できるように設定されていてもよい。この設計ソフトウェアは、入力された患者に関する情報に応じてリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量を変化させて出力するプログラムで構成されている。例えば、1分間あたりの唾液量が30cc以上であれば、リン酸化オリゴ糖カルシウムは5%、ラクトフェリンは2%とし、1分間あたりの唾液量が10cc未満であれば、リン酸化オリゴ糖カルシウムは20%、ラクトフェリンは8%とする等、予め命令系が組まれている。リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量の上限、下限は上述した範囲となるようにプログラムされていることは勿論である。
また、この設計工程では、補助成分が、医薬品全質量に対する質量%で0.01〜50%含有するように設計するようにしてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、補助成分単体で医薬品を構成する場合には、補助成分が、医薬品全質量に対する質量%で100%となるが、かかる範囲も本発明を適用した設計方法に含まれることは勿論である。
本発明は、人体を治療するための医薬品の製造方法以外に、化学組成物の製造方法に対しても適用可能である。かかる場合において、この化学組成物は、所定の効能を発揮する主成分と、この主成分に対して添加される補助成分とを含有することとなる。以下、化学組成物を構成する主成分の例について説明をする。
化学組成物は、主成分と、補助成分とを含むものである。補助成分の詳細は上述したとおりである。補助成分は、化学組成物全質量に対する質量%で0.01〜50%含有する。補助成分が化学組成物全質量に対する質量%で0.01%未満の場合には、補助成分としての上述した効能を発揮することができない。一方、この補助成分が化学組成物全質量に対する質量%で50%を超えて含有させてもその効果は飽和してしまう。なお、補助成分単体で化学組成物を構成するようにしてもよい。
主成分の例としては、頭髪用シャンプー、ボディシャンプー、クレンジング、洗顔フォーム等の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物として適用されるものであってもよい。皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物として具現化される場合には、上述した配合比率からなる補助成分と、通常の皮膚又は毛髪用洗剤に含まれる洗浄用成分とを含有する皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物からなる主成分により具現化される。この皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は、例えば粉末、固形、ペースト、液状で構成されている。以下の例では液状で構成されている場合を例にとり説明をする。洗浄用成分としては、主として水と界面活性剤により構成されている。界面活性剤は、高級アルコール系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤(両イオン性界面活性剤)、ノニオン界面活性剤(非イオン性界面活性剤)、天然界面活性剤が挙げられる。この洗浄用成分は、その他シリコン、メントール、保湿成分、石鹸、椿油等も添加されている。このような皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物により毛髪や皮膚を洗浄することにより、毛髪内部や肌の表皮層にカルシウムイオンとラクトフェリンを送り込む作用が生じ、毛髪や肌の質を改善することが可能となる。
また本発明では、上述した配合比率からなる補助成分が混合されたリンス、コンディショナー、トリートメント、整髪料(ジェル、ムース、スプレーを含む)等の毛髪処理料に適用されていてもよい。毛髪処理料として具現化される場合には、上述した配合比率からなる補助成分と毛髪処理成分とを含有させて構成する。毛髪処理成分は、例えば粉末、固形、ペースト、液状で構成されている。以下の例では液状で構成されている場合を例にとり説明をする。毛髪処理成分は、リンス、コンディショナー、トリートメントへの適用の場合には、精製水、還元水、グリセリン、スクワラン、保湿剤、油分、アミノエチルアミノプロピルメチコンジメチコン、高級アルコール、植物の種子油、メドゥフォームエストリド、コレステロール、アロエエキス、オリーブ油脂肪酸グリセリン、バイオヒアルロン酸等である。また毛髪処理成分は、整髪料への適用の場合には、液体油脂、ポリマー、固形油脂、界面活性剤、アルコール、水分、噴射剤(ガス)、香料、防腐剤、安定剤、シリコン等から構成されている。
補助成分は、毛髪処理料全質量に対する質量%で0.1〜10%含有されている。このような毛髪処理料により毛髪を処理することにより、毛根へのラクトフェリンとリン酸化オリゴ糖カルシウムイオンを イオンチャネルの電解で定着させる作用が生じ、効果的な毛髪処理を行うことが可能となる。
また、本発明では、上述した配合比率からなる補助成分が混合された化粧料としての化学組成物に適用されるものであってもよい。化粧料として具現化される場合には、上述した配合比率からなる補助成分と、通常の化粧品に含まれる化粧用成分からなる主成分とを含有した化粧料として具現化される。この化粧料は、ともに肌に塗布するためのファンデーション又はクリーム、その他化粧液等であり、化粧用成分としては、アルブチン、フラーレン、トラネキサム酸、ハイドロキノン、ヨクイニンエキス、プラセンタエキス等のいわゆる美白成分、リン酸アスコルビルNa、リン酸アスコルビルMg、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル間等のいわゆるビタミンC誘導体、ヒアルロン酸Na、水溶性コラーゲン、プラセンタエキス、セラミド2、セラミド3、セラミド6等の保湿成分、アスタキサンチン、コエンザイムQ10、 EGF(ヒトオリゴペプチド)、白金ナノコロイド、レチノイン酸トコフェリル、レチノール等のアンチエイジング成分等が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、他のいかなる化粧用成分が混合するものであってもよい。
ちなみに、補助成分におけるリン酸化オリゴ糖カルシウムと、ラクトフェリンとは、互いに別々に肌に塗布するように構成するようにしてもよい。かかる場合には、リン酸化オリゴ糖カルシウムと必要な場合には化粧用成分からなる化粧料を一の容器に入れ、ラクトフェリンと必要な場合には化粧用成分からなる化粧料を他の容器に入れる。そして、何れか一方の容器の化粧料を肌に塗布し、しばらく時間が経過した後に他方の容器の化粧料を肌に塗布して施術することが可能となる。これにより、リン酸化オリゴ糖カルシウムと、ラクトフェリンとの化粧時をずらすことができ、皮膚の表面でリン酸化オリゴ糖カルシウムと、ラクトフェリンとが混合してしまうのを防止することができる。
上述の如き構成からなる化粧料からなる化学組成物によれば、リン酸化オリゴ糖カルシウムのカルシウムイオンがラクトフェリンとの化合により、肌の角層への浸透作用が生じ、表皮顆粒層に局在するカルシウムイオンとして働く作用が生じ、表皮内カルシウム局在を改善することが可能となる。その結果、肌荒れ、くすみ、ドライスキン等の症状を改善することができる。また、本発明によればクリーム状又はパウダー状の補助成分単体そのものを化粧料として具現化してもよい。
次に上述した構成からなる化学組成物の製造方法について説明をする。図4は、本発明を適用した化学組成物の製造方法のフローを示している。
先ずメーカは、上述の如き主成分を含有する主剤11を製造する。主剤11は、固体状、液体状、顆粒状、粉体状等、いかなる形態で構成されるものであってもよい。製造されるこの主剤11は、通常であるとこのままの状態で市場において流通販売されるものであるが、本発明によれば、このような主剤11を加工業者が入手した上で、これに対して補助成分を添加する作業を行うこととなる。
かかる場合において、先ず加工業者は、この主剤11を入手することとなる。主剤11の入手は、いかなる方法を介して行うようにしてもよいが、何れの場合においても加工業者が実際に加工を行う現場に対して、この主剤11が外部又は内部から搬送されてくることが必須となる。
加工業者は、このような主剤11に対して補助成分12を添加する。主剤11への補助成分12の添加は、いかなる形態で行うようにしてもよい。この添加方法としては、単に主剤11に対して補助成分12を混合するようにしてもよいし、搬送されてきた主剤11に対して補助成分12を被覆するようにしてもよい。この補助成分12の被覆は、例えば主剤11に対してスプレー等で吹きかけるか、或いは塗布等の手段により、行うようにしてもよい。加工業者は、このようにして補助成分12を主剤11に添加することにより得られた化学組成物20からなる医薬品を流通販売させていくこととなる。
ちなみに、この図4に示すようなフローに限定されるものではなく、例えば、メーカと加工業者が同一の事業者とされる場合も適用可能であることは勿論である。かかる場合には、当該事業者内における製造部門において製造された主剤11が加工部門に搬送され、加工部門では同様に補助成分12を主剤11に添加する作業を行うこととなる。かかる場合においても、同様に搬送されてくる主剤11について処理を施すこととなる。この搬送の意味するところについては、ベルトコンベアのようなものに限定されるものではなく、単に人為的に他の箇所から運ばれてきたもので保管庫に保管するものを取り出して処理を施すものであってもよい。
また、補助成分12の添加工程においては、リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンを含有する補助成分12を一体として主剤11に添加するようにしてもよいし、リン酸化オリゴ糖カルシウムとラクトフェリンとを別々に添加するようにしてもよい。
また補助成分12の添加工程では、補助成分12を、化学組成物全質量に対する質量%で0.01〜50%含有するように添加することが望ましいが、これに限定されるものではなく、かかる範囲から外れるものであってもよい。
また図5は、施術予定の被施者16に関する情報を取得してこれを化学組成物の設計に反映させる例を示している。先ず化学組成物を施術予定の被施者16から情報を取得する。ここでいう施術は、例えば化粧品として具現化される化学組成物を皮膚に塗る場合や、頭髪洗浄剤として具現化される化学組成物を利用して頭髪を洗浄する場合等も含まれる。この取得する情報としては、例えば化学組成物が飲食物であれば、患者6の唾液の分泌性に関する情報を取得するようにしてもよいし、頭髪洗浄剤として適用する場合には、頭髪中における皮脂の量や質に関する情報を取得するようにしてもよい。
次に取得した情報に基づいて、実際に化学組成物の設計を行う。この設計においては、例えば被施者16の唾液の分泌性に関する情報を取得した場合において、その唾液の分泌性に応じて、リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量を異ならせるように設計をする。例えば、唾液の分泌性が高い場合には、補助成分12を通じてそれほど唾液の分泌を促進する必要性が高くないため、リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量をより低めに設定する。これに対して、唾液の分泌性が低くドライマウス状態の場合には、補助成分12を通じて唾液の分泌をより促進する必要性が高いため、リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量をより高めに設定する。設定したリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量に関する情報は、補助成分12の添加工程において通知され、その添加工程におけるリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの添加量として生かされることとなる。取得した情報が唾液の分泌量ではなく、例えば皮脂の量であった場合には、その皮脂の量に応じてリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量を増減させるように設定を行う。
このようにしてリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量の設計工程を導入することにより、患者のニーズに応じた最適な医薬品を提供することが可能となる。
ちなみに本発明は、上述した患者に関する情報を取得する情報取得工程と、取得した情報に基づいて添加すべき補助成分に含有するリン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンの含有量を設計する設計工程で少なくとも構成される設計方法として具現化されるものであってもよい。つまり、上述した情報取得工程、設計工程を業として行うコンサルティングビジネスも本発明に含まれるものとなる。
ちなみに設計工程では、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等を使用し、患者に関する情報をPCに入力すると、事前にインストールされている設計ソフトウェアを介して自動的に最適な含有量を出力できるように設定されていてもよい。この設計ソフトウェアは、入力された患者に関する情報に応じてリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量を変化させて出力するプログラムで構成されている。例えば、1分間あたりの唾液量が30cc以上であれば、リン酸化オリゴ糖カルシウムは5%、ラクトフェリンは2%とし、1分間あたりの唾液量が10cc未満であれば、リン酸化オリゴ糖カルシウムは20%、ラクトフェリンは8%とする等、予め命令系が組まれている。リン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有量の上限、下限は上述した範囲となるようにプログラムされていることは勿論である。
また、この設計工程では、補助成分が、化学組成物全質量に対する質量%で0.01〜50%含有するように設計するようにしてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、補助成分単体で化学組成物を構成する場合には、補助成分が、化学組成物全質量に対する質量%で100%となるが、かかる範囲も本発明を適用した設計方法に含まれることは勿論である。
また、本発明によれば、上述した主成分と、補助成分全質量に対する質量%でリン酸化オリゴ糖カルシウム:1〜30%、ラクトフェリン:0.01〜10%を含有する補助成分を含有する化学組成物を被施者に対して施術する施術方法として、具現化されるものであってもよい。この施術の具体例は上述したものと同様であるが、これに限定されるものは無く、上記配合成分からなる化学組成物を被施者に対して施すものであればいかなる行為を含む概念である。
また、本発明では、上述した配合比率からなる補助成分が混合された飲食料組成物に適用されるものであってもよい。飲食料組成物として具現化される場合には、上述した配合比率からなる補助成分と、通常の食品や菓子類を構成する食用成分とを含有した飲食料組成物として具現化される。この食用成分は、たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウム、ビタミン、カロチン等の栄養素により構成されている。ここでいう菓子類は、例えばガムやキャンディ等の嗜好品も含まれる。
このような飲食料組成物により、通常の栄養摂取に加えてラクトフェリンのもつ血液脳関門を越えて脳脊髄液へ移行する作用を発揮させることが可能となり、アルツハイマー病を始めとする神経変性疾患を治療、予防することが可能となる。またリン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンが互いの存在により相乗的に作用して、唾液をより大量に分泌させることになる。その結果、口腔内における唾液の飛躍的な分泌が生じ、ドライマウス症状の人であっても、唾液を通じて食べやすい食材とすることができる。更に食後の口腔内に残存した食べかすについても、分泌量の増加した唾液を通じて処理することが可能となり、口腔内の健康増進にも寄与することとなる。
また本発明では、上述した配合比率からなる補助成分が混合された飲料からなる飲食料組成物に適用されるものであってもよい。飲食料組成物として具現化される場合には、上述した配合比率からなる補助成分と、通常の飲料類を構成する飲料用成分とを含有した飲食料組成物として具現化される。この飲食料組成物は、清涼飲料水、炭酸飲料水、酒類等で構成されており、水分、コーヒー、香料、着色料、糖分、ビタミンC、塩分、果物のエキス、アルコール類等で構成されている。
このような飲食料組成物により、通常の水分並びに栄養摂取に加えてラクトフェリンのもつ血液脳関門を越えて脳脊髄液へ移行する作用を発揮させることが可能となり、アルツハイマー病を始めとする神経変性疾患を治療、予防することが可能となる。またリン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンが互いの存在により相乗的に作用して、唾液をより大量に分泌させることになる。その結果、口腔内における唾液の飛躍的な分泌が生じ、口腔内の健康増進にも寄与することとなる。
また本発明では、上述した配合比率からなる補助成分が混合された調味料組成物からなる飲食料組成物に適用されるものであってもよい。飲食料組成物を調味料組成物として具現化される場合には、上述した配合比率からなる補助成分と、通常の調味料を構成する食用成分とを含有した調味料組成物として具現化される。この調味料組成物は、液体状、固形状、粉体状等で構成されてなり、食塩、醤油、砂糖、酢、味噌以外に、ラー油、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、タバスコ、胡椒、七味唐辛子、みりん、料理酒、和風調味料(つゆ、ぽん酢)等に代表されるものであるが、これ以外に、旨み調味料等に代表されるようなアミノ酸等を主成分としたものであってもよい。
このような調味料を含む飲食料組成物により、ラクトフェリンのもつ血液脳関門を越えて脳脊髄液へ移行する作用を発揮させることが可能となり、アルツハイマー病を始めとする神経変性疾患を治療、予防することが可能となる。またリン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンが互いの存在により相乗的に作用して、唾液をより大量に分泌させることになる。その結果、口腔内における唾液の飛躍的な分泌が生じ、口腔内の健康増進にも寄与することとなる。
このような飲食料組成物の製造方法についても、図4に示す化学組成物の製造方法と同様のフローに応じたものとなる。上述の如き飲食用成分を含有する飲食材が主剤11に対応し、このような主剤11を加工業者が入手した上で、これに対して補助成分を添加する作業を行うこととなる。この飲食料組成物の製造方法の詳細は、図4に示す化学組成物の製造方法の説明を流用することにより、以下での説明を省略する。
また、実際に飲食料組成物を飲食する消費者に相当する被施者16に関する情報を取得してこれを飲食料組成物の設計に反映させる場合も図5に示すフローと同様の手順に基づいて実行していくこととなる。先ず飲食料組成物を飲食する消費者としての被施者16から情報を取得する。この取得する情報としては、例えば化学組成物が飲食物であれば、被施者16の唾液の分泌性に関する情報を取得するようにしてもよいし、食物や飲料の嗜好性に関する情報を取得するようにしてもよい。
取得した情報に基づいて、実際に飲食料組成物の設計を行う場合についても、上述した図5に示す化学組成物と同様であるため、かかる説明を引用することで、以下での説明を省略する。
ちなみに本発明は、上述した患者に関する情報を取得する情報取得工程と、取得した情報に基づいて添加すべき補助成分に含有するリン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンの含有量を設計する設計工程で少なくとも構成される設計方法として具現化されるものであってもよい。つまり、上述した情報取得工程、設計工程を業として行うコンサルティングビジネスも本発明に含まれるものとなる。
ちなみに設計工程では、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等を使用し、患者に関する情報をPCに入力すると、事前にインストールされている設計ソフトウェアを介して自動的に最適な含有量を出力できるように設定されていてもよいことも、上述した化学組成物の設計方法と同様である。
また、この設計工程では、補助成分が、化学組成物全質量に対する質量%で0.01〜50%含有するように設計するようにしてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、補助成分単体で化学組成物を構成する場合には、補助成分が、化学組成物全質量に対する質量%で100%となるが、かかる範囲も本発明を適用した設計方法に含まれることは勿論である。
図6は、実際の施術に使用する口腔装着体31の例を示している。口腔装着体31は、被施者の口腔に装着可能な入れ歯又はマウスピース等で構成されている。この口腔装着体31における内側には、装入ポケット32が設けられている。この装入ポケット32には、補助成分全質量に対する質量%でリン酸化オリゴ糖カルシウム:1〜30%、ラクトフェリン:0.01〜10%を含有する補助成分が装入されている。補助成分は、液体状、固体状、顆粒体状、粉状等で構成されている。
このような口腔装着体31を被施者の口腔に装着することにより、装入ポケット32に装入された補助成分が溶解して、自然に被施者の口腔内に拡散していく。ちなみに、この補助成分の溶解は、被施者の唾液又は口腔内の温度により進んでいくこととなる。
このようにして口腔内において補助成分が自然に拡散することにより、唾液の分泌が促されることとなる。特にこのような構成とすることで夜間寝ているときに、補助成分を口腔内にて徐々に溶解させることができ、睡眠時にドライマウス状態になるのを防止することができる。また、寝たきり状態の患者にこの口腔装着体31を装着させることで、補助成分の服用を容易に実現することが可能となり、また24時間に亘る口腔ケアも実現することが可能となる。
以下に、本発明で使用した試験方法、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の例において単に%のみ記載されている場合は、質量%を示すものとする。
本発明では、実験的検討を行うために得たサンプル錠剤について、表1、2に示すように、被験者A〜Eの5名に対して口に含ませ、唾液分泌量を計測した。
被験者Aは50代男性、被験者Bは60代男性、被験者Cは40代男性、被験者Dは50代女性、被験者Eは50代女性である。この被験者A〜Eは何れもドライマウス症状のある者である。特に被験者Eは、舌癌の手術後、抗癌剤による治療中であり、通常であると唾液が殆ど分泌しない状態にある者である。
これら各被験者A〜Eについて、以上の表1、2に示す成分からなるサンプル錠剤を1分間に亘り口に含ませ、口腔内に溜まった唾液を計量カップに吐き出させてその量を測定した。サンプル錠剤は、いずれも500mgの錠剤で構成し、それぞれ表1に示す各成分について表中の数値からなる%含有させ、残部は、デキストリン等のような澱粉成分により構成している。
比較例1は、単にサンプル錠剤をデキストリンのみで構成した、いわゆるバルク状態のサンプルである。比較例2〜3において唾液分泌を促す成分は、重炭酸ナトリウムのみであり、これについて含有量を互いに異ならせて構成している。比較例4〜7において唾液分泌を促す成分は、リン酸化オリゴ糖カルシウムのみであり、これについて含有量を互いに異ならせて構成している。比較例8〜10において、唾液分泌を促す成分は、ラクトフェリンのみであり、これについて含有量を互いに異ならせて構成している。
これら比較例2〜10は、成分の含有量が高くなるにつれて、被験者A〜E何れも唾液分泌量が多くなる傾向が見られていた。
本発明例1〜14は、何れも本発明において規定した範囲内に入るものである。例えば本発明例3は、重炭酸ナトリウムが16%、リン酸化オリゴ糖カルシウムが10%、ラクトフェリンが1%であるのに対して、比較例3は、重炭酸ナトリウムが16%のみ、比較例6は、リン酸化オリゴ糖カルシウムが10%のみ、比較例10は、ラクトフェリンが1%のみ含有するものである。本発明例3は、比較例3、6、10の合計の唾液分泌量を上回っていることからも、これら各成分を混合して一つの組成物とすることによる相乗効果が現れているものと考えられる。
また、比較例11、本発明例1〜6は、何れも重炭酸ナトリウムを16%に、またラクトフェリンを1%に固定し、リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量を異ならせて、それぞれ唾液分泌量を測定した結果である。本発明例1〜6は、何れもリン酸化オリゴ糖カルシウムが1〜30%の範囲に含まれているため、被験者5人分の唾液分泌量の総量が150mlを超えていた。比較例11は、リン酸化オリゴ糖カルシウムが30%を超えているため、唾液分泌量が本発明例5、6と比べて低下傾向にあり、またリン酸化オリゴ糖カルシウムが30%を超えると原料コストの負担が多くなってしまう。これに加えて、この比較例11を摂取した被験者のうちの複数人が、お腹がゆるくなる等の症状を訴えたことからも、このリン酸化オリゴ糖カルシウムを添加しすぎることによるデメリットが現れてきてしまう。
本発明例9〜13は、重炭酸ナトリウムを添加することなく、リン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンのみで組成物を構成する例である。この本発明例9〜13においても、比較例4、8の合計の唾液分泌量を上回っていることからも、これら各成分を混合して一つの組成物とすることによる相乗効果が現れているものと考えられる。
本発明例8では、リン酸化オリゴ糖カルシウム及びラクトフェリンの含有量は、本発明例7と同一であるが、重炭酸ナトリウムの含有量を25%とすることにより、1〜20%の範囲を超えるように設定したものである。重炭酸ナトリウムの含有量を高めることにより、唾液分泌量を更に増加できることが示されている。本発明例8では、このように唾液分泌量を増加させることができる。また今回の被験者からは特段報告はなされなかったが、本発明例8を摂取した被験者のうちの一人が、僅かな吐き気をもよおす等の症状を訴えたことからも、この重炭酸ナトリウムを添加しすぎることによるデメリットが現れてきてしまう。
本発明例14は、更に炭酸カリウムを2%添加した例である。この炭酸カリウムを添加することにより唾液の分泌量を飛躍的に増大させることができたことが分かる。
本発明例15は、本発明例11に示すリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有率に加えて、炭酸マグネシウムを3%含有した例である。本発明例15の方が炭酸マグネシウムが添加されている分において唾液の分泌量が増加している。
また本発明例16は、本発明例11に示すリン酸化オリゴ糖カルシウム、ラクトフェリンの含有率に加えて、スクラロースを3%含有した例である。本発明例16の方がスクラロースが添加されている分において唾液の分泌量が増加している。
搬送されてきた点眼薬成分に補助成分を混合することで点眼薬液を作製した。補助成分は、点眼薬液全質量に対する質量%で2.6%の液体で構成している。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム16%、ラクトフェリン1%、残部は水分で構成されている。また、点眼薬成分は、参天製薬のサンテメディカル10(登録商標)と同様に、点眼薬成分全体に対する質量%で、ビタミンB12(シアノコバラミン)0.02%、ネオスチグミンメチル硫酸塩0.005%、ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)0.05%、パンテノール0.05%、L−アスパラギン酸カリウム1.0%、タウリン1.0%、クロルフェニラミンマレイン酸塩0.03%、イプシロン-アミノカプロン酸1.0%、グリチルリチン酸二カリウム0.1%、塩酸テトラヒドロゾリン0.03%とされており、その他エデト酸ナトリウム水和物、クロロブタノール、ベンザルコニウム塩化物液、ホウ酸、d-ボルネオ−ル、l-メントール、pH調節剤が添加されている。また点眼薬成分の残りは水分等である。
このような点眼薬成分をドライアイの症状を持つ被験者に点眼したところ、ドライアイの症状が以前より回復した旨の回答があった。
また補助成分として、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム16%、ラクトフェリン1%、残部は水分で構成し、補助成分は、点眼薬液全質量に対する質量%で2.6%とし、点眼薬成分は、水分のみで構成した例も同じ被験者に試したが、同様にドライアイの症状が以前より回復した旨の回答があった。
搬送されてきた点鼻薬成分に補助成分を混合することで点鼻薬液を作製した。補助成分は、点眼薬液全質量に対する質量%で3.6%の液体で構成している。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム6%、ラクトフェリン2.5%、残部は水分で構成されている。また、点鼻薬成分は、新ルル(登録商標)点鼻薬と同様に、1ml中にナファゾリン塩酸塩0.5mg、クロルフェニラミンマレイン酸塩5mg、塩酸リドカイン3mg、ベンゼトニウム塩化物0.2mgを含有し、等張化剤、パラベン、pH調節剤を添加してなるものである。
このような点鼻薬成分を被験者に点鼻したところ、副交感神経に働きかけたと思われる動作の落ち着きがでたことや、ドライアイの改善が見られ視野も広がったとの治験から、脳機能の向上による作用と思われる症状が以前より回復した旨の回答があった。
また補助成分として、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム6%、ラクトフェリン2.5%、残部は水分で構成し、補助成分は、点鼻薬液全質量に対する質量%で3.6%とし、点鼻薬成分は、水分のみで構成した例も同じ被験者に試したが、同様にドライアイや視野が広がる等の症状が以前より回復した旨の回答があった。
また、佐藤製薬社製の商品名(ナザール(登録商標))からなる点鼻薬成分と、補助成分とを含有する点鼻薬液を作製した。補助成分は、点眼薬液全質量に対する質量%で3.6%の液体で構成している。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム6%、ラクトフェリン2.5%、残部は水分で構成されている。これを被験者に点鼻したところ、同様の回答があった。
搬送されてきた化粧用成分に補助成分を含有することにより化粧料を作製した。補助成分は、化粧料全質量に対する質量%で5.2%の液体で構成している。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム12%、ラクトフェリン1%、残部は水分で構成されている。また、化粧用成分は、化粧用成分全体の質量%で、美白成分(L−アスコルビン酸 2−グルコシド等)2.00%、肌荒れ防止成分(グリチルリチン酸2K):0.10%、保湿成分(濃グリセリン:8.00%、トレハロース液:1.00%、ヒアルロン酸ナトリウム:0.05%、油性エモリエント成分(大豆油)0.03%、pH調整剤:0.03%、増粘剤(キサンタンガム:0.30%、ヒドロキシエチルセルロース0.30%)、可溶化剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油):0.5%、防腐剤(メチルパラベン:0.21%、フェノキシエタノール:0.11%)、キレート剤(EDTA−2Na):0.10%、天然ビタミンE:0.07%、残部:精製水を添加してなるものである。
このような化粧料を被験者に塗布したところ、肌荒れ、くすみ、ドライスキンの症状が以前より回復した旨の回答があった。
また補助成分として、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム12%、ラクトフェリン1%、残部は水分で構成し、補助成分は、点鼻薬液全質量に対する質量%で5.2%とし、化粧用成分は、水分のみで構成した例も同じ被験者に試したが、同様に肌荒れ、くすみの症状が以前より回復した旨の回答があった。
なお、上述した成分以外に、ロート製薬(株)の商品名(薬用 極潤(登録商標))からなる化粧用成分と、補助成分とを含有する化粧料を作製した。補助成分は、化粧料全質量に対する質量%で5.2%の液体で構成している。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム12%、ラクトフェリン1%、残部は水分で構成されている。このような化粧料を被験者に塗布したところ、肌荒れ、くすみ、ドライスキンの症状が以前より回復した旨の回答があった。
搬送されてきた薬剤成分に、補助成分を混合することで錠剤を作製した。補助成分は、錠剤全質量に対する質量%で2.3%とし、薬剤成分の表面を被覆させている。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム7%、ラクトフェリン3%、残部は澱粉で構成している。薬剤成分は、薬剤成分全体の質量%で、9錠中の成分が、タカヂアスターゼN1:150mg、リパーゼAP12:60mg、アカメガシワエキス:63mg、カンゾウ末:150mg、ケイ酸アルミン酸マグネシウム720mg、合成ヒドロタルサイト300mg、水酸化マグネシウム600mg、ロートエキス30mg、オウパク末105mg、ケイヒ末225mg、ウイキョウ末60mg、チョウジ末30mg、ショウキョウ末75mg、I−メントール9mgを含有させてなる。このような錠剤を被験者に飲ませたところ、胃腸の状態の改善のみならず、口に含ませた際の唾液分泌量を増加させることができ、より飲みやすくすることができた旨の回答があった。
同様に粉薬、顆粒についても上述した錠剤と同一成分で作製し、被験者に塗布したところ、同様の回答が得られた。
搬送されてきた洗浄用成分に補助成分を混合することで皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物(シャンプー)を作製した。補助成分は、シャンプー全質量に対する質量%で5.6%としている。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム12%、ラクトフェリン2%、残部は水分で構成している。洗浄用成分は、洗浄用成分全体の質量%で、水:53.3%、界面活性剤(石鹸):42.0%、増泡剤:3.0%、香料:0.5%、防腐剤:0.5%未満、pH調整剤:0.5%、コンディショニング剤:0.5%を含有する。このようなシャンプーを被験者の頭髪洗浄に使用させたところフケ症の改善や髪にツヤが出たとの回答があった。
搬送されてきた毛髪処理成分に補助成分を混合することで毛髪処理料(リンス)を作製した。補助成分は、リンス全質量に対する質量%で7.1%としている。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム12%、ラクトフェリン2%、残部は水分で構成している。毛髪処理成分は、毛髪処理成分全体の質量%で、ミリスチルアルコール:5.00%、ジメチコン:1.00%、イソノナン酸エチルへキシル:1.00%、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー:0.50%、水添オリーブ油:0.50%、アジピン酸ジイソブチル:0.25%、アジピン酸ジイソプロピル:0.25%、ラベンダー油:0.03%、グリセリン:5.00%、グリシン:1.00%、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル):0.20%、ステアラミドエチルジエチルアミン:3.00%、ココイルアルギニンエチルPCA:0.20%、加水分解シルク:0.01%、グリコール酸:0.63%、水添レシチン:0.50%、エタノール:0.01%、残部が水で構成されている。このようなリンスを被験者の頭髪洗浄に使用させたところフケ症の改善や髪にツヤが出たとの回答があった。
搬送されてきた食用成分に補助成分を混合することでゼリー菓子を作製した。補助成分は、菓子全質量に対する質量%で3.1%としている。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム16%、ラクトフェリン6%、残部は水分としている。また食用成分は、100g中水分82.3g、たんぱく質2.3g、糖質15.3g、繊維0.1g、カルシウム3mgからなる。このようなゼリー菓子を被験者に食用させたところ、唾液の大量の分泌が促された旨の回答があった。
搬送されてきたサントリー社製の「南アルプス天然水」(登録商標)からなる飲料用成分に補助成分を混合することで飲料組成物を作製した。補助成分は、飲料組成物全質量に対する質量%で10%としている。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム12%、ラクトフェリン4%、残部は水分としている。また、飲料用成分は、サントリー社製の「南アルプス天然水」(登録商標)とし、ナトリウム:0.4〜1.0 mg、カルシウム:0.6〜1.5 mg、マグネシウム:0.1〜0.3 mg、カリウム:0.1〜0.5 mg、硬度:30、pH:約7とされている。このような飲料を被験者に飲用させたところ、唾液の大量の分泌が促された旨の回答があった。
搬送されてきたキッコーマン社製の醤油からなる調味料成分に補助成分を混合することで調味料を作製した。補助成分は、調味料全質量に対する質量%で5%としている。この補助成分は、補助成分全質量に対する質量%で、リン酸化オリゴ糖カルシウム12%、ラクトフェリン4%、残部は水分としている。また、調味料成分は、キッコーマン社製の醤油している。このような調味料を被験者に使用させたところ、味かまろやかになった旨の回答があった。