JP6064560B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
第1の問題は、光学系の光路を補正するためには、光源やf−θレンズを含む補正光学系、光路内のミラー等を機械的に動作させ、各色の位置を合わせ込む必要があるが、このためには高精度な可動部材が必要となり、高コスト化を招く点である。さらに、補正の完了までに時間がかかるため、頻繁に補正を行うことができないという問題もある。
従来の方法では、色ずれ制御直後には、色ずれの少ない高品位な画像を形成できるが、時間経過につれ色ずれ量が変化するために、常にこの状態を保つことが困難であり、機内温度を検知して色ずれ制御を行うようにしても同様で印刷動作を行う毎に色ずれが制御されている訳ではない。
従来の方法では、機内温度の変化や時間経過や連続画像形成枚数などの情報に基づき実行される1回の色ずれ制御の工程内で、テストパターンの形成と、テストパターンからの色ずれ量検出と、検出された色ずれ量に基づき次の色ずれ制御工程が実行されるまでに使用する画像位置補正量の算出とが行われる。このとき、色ずれ量検出値に検出誤差やノイズ要因が生じると、誤った(誤差の生じた)画像位置補正量が算出され、次の色ずれ制御工程が実行されるまではこの補正量に基づいた画像が形成されてしまうという問題があった。
一方、色ずれ検出用のテストパターンを複数組形成して検出を行い、検出値の平均値から色ずれ量を算出することで検出誤差を低減する方法では、テストパターン長が長くなり、通常画像の印刷を実行できない期間(ダウンタイム)が増え、色ずれ補正精度向上と引き換えに生産性の低下を招いてしまう。特に、連続印刷を行う際は、機内の温度上昇が著しいため色ずれ変化量が大きく、頻繁な色ずれ制御を必要とするため、ダウンタイムが多くなり、生産性の低下が生じてしまう。特に、電子写真方式の印刷機(デジタル印刷機)では、常に高品位な画像と高生産性との両立が求められるため、この問題点はより顕著となる。
さらに、中間転写体に形成されたテストパターンの検知結果から、色ずれ量の変化量を求め、該色ずれ量の変化量を用いて、保持されている色ずれ量を更新する画像形成装置が提案されている(特許文献5参照)。
この感光体ドラムで発生する周期ずれの問題を解決するために、例えば、色ずれ検出用のテストパターンを感光体ドラム円周の整数倍に渡って複数組形成し、これを検出し、得られた検出結果を平滑化して、色ずれ補正を行なうことで、感光体ドラムで発生する周期ずれの影響を低減させている。
図1に示す画像形成装置30は、像担持体としての感光体ドラム7の周囲に帯電装置32、走査光学装置(露光装置)6、現像装置33、一次転写装置34、クリーニング装置35が複数色(図では4色)分配置され、感光体ドラム7と接する部分には、中間転写体である無端状の転写ベルト8が配置され、ベルトの下流側にクリーニング装置39が配置され、上流側には二次転写装置9が配置され、二次転写装置9の上部には定着装置36が配置されている。
さらに、転写ベルト8上のトナー像が用紙Pに転写された後に、転写ベルト8の表面はクリーニング装置39のクリーニングブレード39aにより残トナーが除去されて、次の作像に供される。
感光体ドラム7に対応して走査光学系6がそれぞれ備えられ(図2では走査光学系6を一体化して図示)、各色に対応した感光体ドラム7上に光ビームを走査し、画像(静電潜像)をそれぞれの感光体ドラム7上に形成し、図示しない現像装置でそれぞれの潜像を顕像化する。そして、それぞれの感光体ドラム7上に顕像化された画像を、転写ベルト8上に多重に一次転写した後、多重に転写された各色の画像を、二次転写部9において記録用紙P上に一括して二次転写し、図示しない定着装置により記録用紙P上に画像を定着することにより、カラー画像を形成するように構成されている。
これらの動作のタイミング制御は、図示しないエンジンコントローラ部で行われる。なお、本発明の主旨と直接関係のないものに関しては図示及び説明を簡略化ないし省略する。
色ずれ量の参照は画像データの先頭で行い、1枚(あるいはテストパターン1組)を補正する間は同一の色ずれ量で補正する。この補正方法については後述する。
そして、書込制御部5内部で生成される画素クロックを基準として、前記主副の同期信号に同期し、各色毎に補正画像データ22C,22M,22Y,22Kから走査光学系6内にある光源の変調信号である書込信号23C,23M,23Y,23Kへと変換する。
色ずれ制御を行なうときに、図13に示すCPU102などから、色ずれ量検出制御が開始されるタイミングで発行される位置ずれ量検出要求信号を受信後、印刷ジョブ制御部13からの送られてくるテストパターン書出許可信号が受信されているときに、テストパターン書出指示部17より、テストパターン書き出し指示信号を印刷ジョブ制御部13へ発行し、このときのテストパターン書出指示信号を発行した時刻を保持する。発行されたテストパターン書出指示信号に基づいて、最初のテストパターン形成が行われる。
さらに、通常画像の印刷ジョブを発行しない間は、テストパターン書出指示部17へテストパターン書出許可信号を発行する。
テストパターンの印刷ジョブを行なう場合、印刷ジョブ制御部13は、テストパターン書出指示部17へテストパターン書出許可信号を発行しているときに、テストパターン書出指示部17からのテストパターン書出指示信号を受信した場合に、テストパターン印刷ジョブ開始信号を発行する。
テストパターン書出指示部17は、(A)に示す色ずれ量検出制御が開始されるタイミングで発行される位置ずれ量検出要求信号を受信後、印刷ジョブ制御部13から送られてくる(B)に示すテストパターン書出許可信号が受信されているときに、(C)に示すテストパターン書出指示信号を印刷ジョブ制御部13へ発行し、このときのテストパターン書出指示信号を発行した時刻T1を保持する。T1に発行されたテストパターン書出指示信号に基づいて、最初のテストパターン形成が行われる。このような構成により、ユーザー要求による通常画像印刷の領域外にテストパターンの形成が行われる。
最初のテストパターンを形成した時刻T1から、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間となるのは、図のa〜hで示す時刻である。そのa〜hの時刻のうち、テストパターン書出許可信号が受信されているタイミングと一致するのは、d、f及びhになるが、予め設定してあるサンプリング時間Stにもっとも近いのはfである。特定されたfのタイミングで、次のテストパターン書出し信号を発行する。
例えば、感光体ドラムの直径がφ60mmで線速度が350mm/sとした場合、感光体ドラム1回転に掛かる時間は、約0.5秒となる。サンプリング時間Stを5秒とした場合において、例えば、近傍の範囲を±1周期と設定した場合は、5秒±0.5秒となり、サンプリング時間St近傍とする範囲は、4.5秒〜5.5秒となる。
従って、サンプリング時間Stに対し、テストパターン形成が行なわれる実際のサンプリング時間は(C)に示すTsとなるが、TsはStに近い時間であるため以降の説明においては、St≒Tsを満たすものとして説明する。
(A)は位置ずれ量検出要求信号を示し、Rの矢印はその開始タイミングであり、予め設定されたユーザー要求による画像印刷が開始され、1枚目の印刷が行われる直前に発行される。(B)は印刷ジョブ制御部13から発行されるテストパターン書出許可信号を示し、ユーザー要求による通常画像印刷の処理が行われていないときに信号がHighとなる。つまり、信号がHighのときは通常画像形成の領域外であり、所謂「紙間」であることを意味している。テストパターン書出許可信号がHighのときに、テストパターンの形成が行われる。(C)は、(B)のタイミングが一致したときに発行されたテストパターン書出指示信号を示している。(D)は、感光体ドラムの回転周期に対する、回転周期の駆動ムラによるずれ量を表している。
まず、図の位置ずれ検出要求Rのタイミングで、はじめの位置ずれ検出要求が発行される。この検出要求Rが発行されたタイミングと、テストパターン書出許可信号がHighとなっているタイミングとが一致したとき、最初のテストパターンの形成が行なわれる。最初に形成されたテストパターンが検出され、検出されたテストパターンの位置ずれ量A1が算出される。このときの、位置ずれ量A1と、テストパターンの形成を行なった時刻T1が保持される。
保持される位置ずれ量はA1からA2に、時刻はT1からT2にそれぞれ更新される。
上記感光体ドラム半周期分の経過時間を、等間隔で分割した周期となる時間(例えば3分割した場合は、2π,2π/3,4π/3の3点の周期位置となる時間、4分割とした場合は、2π,3π/2,π,π/2の4点の周期位置となる時間)とした場合においても同様である。
検知部であるセンサ11は、発光部65と受光部66とを一対として構成される。
発光部65から照射され、転写ベルト8で反射された光を受光部66が受光し、これを電気信号に変換する反射形フォトセンサである。転写ベルト8上にテストパターン(マーク)が形成されていない(トナーが無い)状態では反射光量は多いが、テストパターン(マーク)が形成されている(トナーが存在する)状態では、照射光が散乱するため受光部66で受光する反射光量が少なくなる。この反射光量の違いにより転写ベルト8上のテストパターンの有無が検出される。
図6に示すテストパターンは、主走査方向と平行な直線マーク61と、主走査方向と45度の角度をなす直線マーク62が一対のパターンとして、各色(C,K,Y,M)のマークが副走査方向に順に並んで構成される。点線で囲まれたこれらの1組のマークをテストパターンと称する。該テストパターンは主走査方向に複数形成され、副走査方向には所定のタイミングで1組ずつ形成される。形成されたテストパターンから取得された位置ずれ量は、色ずれ量を算出する際に用いられる。
図中のL1c、L2k、L2cについては後述する。
図7に示すように、感光体ドラム7の表面は、所定の回転角度の位置に移動したとき、レーザー光Lによって潜像が光書込される。この所定の回転角度の位置が像書込位置としての光書込位置Pwである。
(A)に示すテストパターン書出指示信号がHighになり、テストパターンの形成が行なわれる。
K,M,Y,C用の感光体ドラム(ドラムK、ドラムM、ドラムY、ドラムC)は、それぞれの光書込位置Pwにおいて、図示されたようなサインカーブ状となる特性の周期ずれ変動を生じている。それぞれの周期ずれ変動曲線は感光体ドラム1回転あたりに1周期分のサインカーブを描く特性になっているが、ある時刻における位相はドラム毎に異なっている。
したがって、図8に示すような関係が成立し、各色の書出位置は52_61K,52_62K,52_61M,52_62M,52_61Y,52_62Y,52_61C,52_62Cのようになる。
次のテストパターンが形成される位置は、直前に形成されたテストパターンの回転位置に対し、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間経過後のタイミングで形成される位置であり、各色の書出位置は図の53_61K,53_62K,53_61M,53_62M,53_61Y,53_62Y,53_61C,53_62Cのように、ドラム半回転周期分ずれた位置となる。さらに次のテストパターンの形成においても同様に、ドラム半回転周期分ずれた位置関係、つまり、回転周期がN+0.5となる位置(Nは整数)となる。
図9の(A)は位置ずれ量検出要求信号を表し、印刷が開始される直前のタイミングで発行される。
J1〜J6は、通常画像の印刷ジョブを示し、数字が何枚目であるかを表す。
(C)はY(イエロー)の感光体ドラム7Y上に顕像化された画像が、中間転写体である転写ベルト8に転写される点Pyでのジョブを表している。印刷ジョブ開始信号から各部での処理・遅延時間Tdyが加算された後、転写ベルト8に転写される。各ジョブの開始時刻は、対応する印刷ジョブ(T1〜T3及びJ1〜L6)の開始指示信号から、一定の遅延時間Tdyを経過した後となる。
同様に(E)はM(マゼンタ)の感光体ドラム7M上に顕像化された画像が、転写ベルトに転写される点転写点Pmでのジョブを表し、(F)はK(ブラック)の転写点Pkでのジョブを表している。
転写ベルト移動方向(負方向)が副走査方向(Y)であり、その直交方向が主走査方向(X)である。斜線で示す領域は画像形成領域51であり、J1、J2及びJ3は図9で示した画像印刷ジョブに対応した画像形成領域である。
3つのセンサ11(11a,11b,11c)は、主走査方向に一列に配置されている。
最初のテストパターンの形成領域52(52a,52b,52c)は、主走査方向においてセンサ11(11a,11b,11c)の位置(一点鎖線a,b,c)に対応している。
制御部は、上述したタイミングでテストパターンの形成を開始した後、所定の時間が経過した時点で、パターン内における各マークの位置検知用画像の検知タイミングについてサンプリングを開始する。図11は、サンプリング開始時点を示しており、テストパターン(位置ずれ検知用マーク像)は、センサ11よりもベルト移動方向の上流側に存在している。
例えば、C第1位置ずれ量LsA1cについては、下記(式1)
C第1実測値LsA1c=C第1時間t1Ac×ベルト線速vb−Ls1c (式1)
によって算出する。
LsA1k=t1Ak×vb−Ls1k、
LsA1y=t1Ay×vb−Ls1y、
LsA1m=t1Am×vb−Ls1m
という数式により、K第1位置ずれ量LsA1k、Y第1位置ずれ量LsA1y、M第1位置ずれ量LsA1mを算出する。
LsA2c=t2Ac×vb−Ls2c、
LsA2k=t2Ak×vb−Ls2k、
LsA2y=t2Ay×vb−Ls2y、
LsA2m=t2Am×vb−Ls2m
C第1位置ずれ量Ls1c=(C第1位置ずれ量LsA1c+C第1位置ずれ量LsB1c)/2 (式2)
K第1位置ずれ量LsC1k=(LsA1k+LsB1k)/2、
Y第1位置ずれ量LsC1y=(LsA1y+LsB1y)/2、
M第1位置ずれ量LsC1m=(LsA1m+LsB1m)/2、
C第2位置ずれ量LsC2c=(LsA2c+LsB2c)/2、
K第2位置ずれ量LsC2k=(LsA2k+LsB2k)/2、
Y第2位置ずれ量LsC2y=(LsA2y+LsB2y)/2、
M第2位置ずれ量LsC2m=(LsA2m+LsB2m)/2
で算出する。
色ずれの主な成分としては、スキューずれ、副走査方向のレジストずれ(マージンずれ、オフセットずれともいう)、主走査方向の倍率誤差、主走査方向のレジストずれが挙げられる。
本実施形態における色ずれ検出用テストパターンから色ずれ量を演算する方法は、例えば、特許第3773884号に開示された方法を応用したものである(詳細は特許第3773884号参照)。
まず、位置ずれ量Cによって得られたマーク間の距離を図6に示すように定義する。単位はmmとする。
基準色Kのマーク61Kと対象色(例えばC)のマーク61Cとの測定された距離をL1cとする。M,Yも同様にL1m,L1y(未図示)とする。また、同色のマーク61とマーク62との測定された距離をL2とし添え字にその色を表す。例えばシアンであればL2cとする。
L1c及びL2cを下記式で表す。
L1c=LsC1c−LsC1k (式3)
L2c=LsC2c−LsC1c (式4)
M及びYのマークも同様とする。
KとYのマーク間の距離も同一でありL1refとし、KとMとの横線マーク間の距離はその倍の2×L1refとする。
さらにセンサ11の位置(例えば、図10に示すa,b,c)それぞれにおいて測定される上記の距離には、それぞれ「_a」,「_b」,「_c」を付けて区別する。
また、センサ位置aとc間の距離をLacとする。
d(C)=(L1c_c−L1c_a)/Lac
d(M)=(L1m_c−L1m_a)/Lac
d(Y)=(L1y_c−L1y_a)/Lac
f(C)=((0.25・L1c_a+0.5・L1c_b+0.25・L1c_c)−L1ref)・κ
f(M)=((0.25・L1m_a+0.5・L1m_b+0.25・L1m_c)−2・L1ref)・κ
f(Y)=((0.25・L1y_a+0.5・L1y_b+0.25・L1y_c)−L1ref)・κ
ここで、κは距離の単位を[mm]から[dot]に変換する係数で、例えば画像データが1200dpiとすると、κ=1200/25.4である。
a(C)=((L2c_c−L2k_c)−(L2c_a−L2k_a))/Lac
a(M)=((L2m_c−L2k_c)−(L2m_a−L2k_a))/Lac
a(Y)=((L2y_c−L2k_c)−(L2y_a−L2k_a))/Lac
c(C)=((L2c_a−L2k_a)−Lbd・a(C))・κ
c(M)=((L2m_a−L2k_a)−Lbd・a(M))・κ
c(Y)=((L2y_a−L2k_a)−Lbd・a(Y))・κ
Lbd・a(C)の項は、主走査方向の同期位置となる同期検知センサからセンサ位置aまで走査する期間に、主走査方向の倍率誤差によって生じる位置ずれを、レジストずれから減じて校正する項である。
F(C)=((0.5・L1c_a+0.5・L1c_c)−L1ref)・κ (式6’)
(M)、(Y)も同様にする。
画像データ補正部3は、中間転写体上の前記各色の画像の位置合わせにおいて、色ずれ量を補正するように各色の画像の座標変換を行なう。この画像補正方法については、特開2012−63499に記載された画像補正方法を利用することができる(詳細な説明は特開2012−63499参照)。
ブラック(K)に対するC、M、Yの各色の上記色ずれ量の各成分を用いて、書込み制御部以降で生じる色ずれは、各色それぞれ下記(式9)で示す座標変換で表すことができる。
よって、画像データ補正部3では、各色毎に上記色ずれ量(a’、c、d、f)を参照して、上記(式9)の行列A(以下、「色ずれ変換行列」ともいう)の逆行列A−1(以下「色ずれ補正行列」ともいう)を求め、下記(式11)の座標変換を行なうようにすれば、中間転写体である転写ベルト8上に形成される画像の色ずれ量が補正される。
以下に説明するフローは、各色(C,M,Y)で実行される。
初期値は、色ずれ量なし(a'=1、c=0、d=0、f=0)、または前回使用時に記憶された最後の色ずれ量の値を初期値としても良い。また、テストパターンを形成し、センサ11の測定結果の情報からテストパターンの検出結果の補正を行ない、得られた結果から上述の色ずれ量を算出する色ずれ量初期値検出ステップを含み、これを初期値として設定しても良い。
最初のテストパターンを形成するタイミングは、前述したように、感光体ドラムの回転位置が検出されたタイミングで形成される。サンプリングのタイミングは前述したように印刷ジョブ開始信号に従って定められる。そのタイミングまではこのステップで待機となる。
ステップS103におけるテストパターンの検出回数が2回目以降の場合は、ステップS105へ移行し、位置ずれ量Qxを算出する。
ステップS102でサンプリングしたセンサ出力は、保持されている色ずれ量に従って補正されたものであるので、ここで算出される色ずれ量が保持されている色ずれ量からの変化分である。得られた値は、n番目のテストパターンにより算出される変化量であるので、添え字nを付けてΔa(n)、Δc(n)、Δd(n)、Δf(n)と表す。
単純には、保持されている色ずれ量(n−1番目のテストパターンにより算出された結果なのでa(n-1)、c(n-1)、d(n-1)、f(n-1)と表す)に色ずれ量の変化値をそれぞれ加算して、
a(n)=a(n-1)+Δa(n)
とすればよい。他の成分も同様である。
色ずれ量演算手段12は、前記色ずれ量の変化量に所定の係数を乗じた値と、現在の色ずれ量とを加算した新たな色ずれ量を演算して色ずれ量を更新する。ここで、前記所定の係数は、位置ずれ量を取得する間隔に応じて定められる値である。
これによりノイズ成分が平滑化されるため高精度に色ずれ量が求められる。
a(n)=a(n-1)+Kp・Δa(n) (式12)
a(n)=a(n-1)+Kp・Δa(n)+Ki・ΣΔa(n) (式13)
他の成分も同様である。
つまり、これまでのような感光体ドラムの回転周期の整数倍に至る複数組のテストパターンを形成し、それらの平均値を求める必要がなくなり、少ないテストパターンでも十分精度良く色ずれ量が求められるようになる。
また、この制御帯域以下の変動に対して追従して色ずれ量が求められる。
さらに、色ずれ量の変化値Δa(n)の積算値も反映しているので、定常誤差も低減できる。
また、各要素に対するKp,Kiを変えて、制御帯域を互いに異なるようにして、各要素のずれ量補正が互いに干渉しないようにしてもよい。
その後、ステップS109へ移行し、検出した位置ずれ量Anの値を直前に保持してあった位置ずれ量An−1から更新し、これを保持した後、ステップS102に戻る。次のテストパターンは、更新された色ずれ量に従って補正される。
また、この構成は、前述した画像形成装置内各部の動作タイミング制御を行なうエンジンコントローラと兼ねても良い。
I/Oポート105は、A/D変換器101および外部ブロックと接続され、CPU102との入出力信号のやり取りを行う。印刷要求信号の入力や印刷ジョブ開始指示信号の発行、画像データ補正部3への色ずれ量の更新などは、このI/Oポート105を介して行なう。
ROM104は、色ずれ量を演算するためのプログラムを始め、各種プログラムが格納されている。
取得された位置ずれ量A1’及びA2から、位置ずれ量Q1を求めることにより、一定のサンプリング間隔Stで位置ずれ量を求めることが出来、その時刻における位置ずれ量の制御精度を高く維持することができる。
直前に形成したテストパターンの形成位置に対して、ドラム1周期の整数倍+半周期となる時間で形成され、検出、算出された位置ずれ量である場合は、ステップS105へ進み位置ずれ量Qxの算出を行う。一方、図14のA1’のように、新たな周期で形成、検出、算出された位置ずれ量である場合は、ステップS109へ進み、直前の位置ずれ量A1を破棄し、新たな位置ずれ量A1’を保持する。
このとき、テストパターン書出指示部17から印刷ジョブ制御13へ、書出許可タイミングの延長要求信号を発行する(不図示)。
ここで、感光体ドラムの直径がφ60mm、線速度が350mm/sである場合において、ドラム1回転に要する時間は約0.5秒である。拡げる紙間領域を感光体ドラム周期の半周期分とした場合、半回転に要する時間は約0.25秒である。通常画像印刷の要求を停止させる時間は0.25秒となり、その時間分の紙間領域(94mm)を一時的に拡げてテストパターンを挿入することになる。よって、時間的なダウンタイムは非常に小さくて済み、生産性を低下させることなく、定期的に位置ずれ量を取得できるようになる。
連続して形成された2つのテストパターンから位置ずれ量を取得するために、一定の間隔で実施されるサンプリングにおいて、次回のサンプリングのタイミングが、書出許可信号を受信し、かつ直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングと一致せず、前記テストパターン書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、取得される位置ずれ量の変化が小さい場合には、直前のサンプリングで取得した位置ずれ量の情報を破棄し、次に形成されるテストパターンから得た新たな位置ずれ量の情報を保持し、取得される位置ずれ量の変化が小さい場合には、前記書出許可領域を拡張することができる。
このように、位置ずれ量の変化量に応じて位置ずれ量の取得方法を切り替えることで、制御精度を低下させることなく、安定した色ずれ量の算出が可能になる。
図17に示すテストパターンは、図6に示すテストパターンよりも、パターン全体のpLの長さが約1/2程度短い例である。例えば、図6示すテストパターンAを、感光体ドラムに対して1/4周期分の長さに収まるような寸法で構成した場合、図17に示すテストパターンBを、感光体ドラムの1/8周期分の長さに収まる寸法で構成すれば良い。このテストパターンBが、センサの検出位置がパターンの中央部にくるように転写ベルト上に複数形成される。
(C)のテストパターン書出指示信号が発行されるタイミング(T1,T2)で、色ずれ検出用テストパターンAを形成し、これらを検出し、それぞれの位置ずれ量A1及びA2から算出した位置ずれ量Q1から色ずれ量を算出する。算出された各色の色ずれ量に基づいて、画像データの座標変換を行なう。
また、テストパターンBに切り替えた後、何らかの原因(突発的な事象)により、位置ずれ量の検出誤差が大きくなってしまい、テストパターンBによる位置ずれ量の検出が困難となったとき((A)に示す[2]のタイミング)は、形成されるテストパターンを再度テストパターンAに切り替えることができる。
図17(B)では、センサ検出波形が隣り合うパターンの検出波形と重なってしまうような場合は、位置ずれ量の検出誤差が大きくなっている。
また、テストパターン書出許可信号とテストパターン書出指示信号が一致したタイミングで、2組のテストパターンBを形成するようにすれば、直前のサンプリングで形成した感光体ドラムの周期位置に対し、逆位相となる位置に形成する必要がなくなり、その時点における感光体ドラム周期の駆動ムラを除去した位置ずれ量を検出することができる。
2組の位置ずれ量の平均値から色ずれ量を算出することが可能となるので、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間が所定の時間一致しない場合にも、直前に保持した位置ずれ量を破棄して、新たな時刻で形成したテストパターンから位置ずれ量を新たに取得したり、テストパターンを所定の位置に形成するために紙間領域を拡大したりする必要がなくなる。これにより、制御精度を低下させることなく、常に安定した色ずれ量を算出することが可能になる。
S112で、検出された位置ずれ量の検出誤差が所定の範囲内となっているかを判断し、所定の範囲内である(Yes)場合はBへ移行し、テストパターンBによる位置ずれ量の検出を開始する。一方、検出誤差が所定の範囲外である(No)場合は、引き続きテストパターンAによる位置ずれ量の検出を行なう。
そして、ステップS114で、位置ずれ量の検出誤差が所定の範囲外であるか、または検出エラーとなった(位置ずれ量が検出できない)か否かを判断し、検出誤差が所定範囲内または検出エラー(Yes)となった場合は、ステップS102へ移行し、テストパターンBによる位置ずれ量検出を継続して行なう。一方、検出誤差が所定範囲内であるか、検出エラーではない(No)場合は、Aへ移行し、テストパターンAによる位置ずれ量検出へ戻る。
3 画像データ補正手段(画像データ補正部)
4 色ずれ量保持部
6 走査光学装置(露光装置)
7 感光体ドラム
8 中間転写体(転写ベルト)
9 二次転写装置
10 用紙搬送路
11 センサ
12 色ずれ量演算手段(色ずれ量演算部)
13 印刷ジョブ制御部
14 画像形成部
17 テストパターン書出指示部
30 画像形成装置
32 帯電装置
33 現像装置
34 一次転写装置
35 クリーニング装置
36 定着装置
37 給紙カセット
38 レジストローラ
39 クリーニング装置
Claims (8)
- 色の異なる画像を形成する複数の感光体ドラムと、
形成された各色の画像が重ねて転写される中間転写体と、
前記中間転写体上にテストパターンを形成するテストパターン形成手段と、
テストパターンの書き出しを許可する領域を指示する書出許可信号を発行する書出許可指示手段と、
テストパターン形成を指示する書出指示信号を発行する書出指示手段と、
形成されたテストパターンの位置ずれ量を検出するセンサと、
連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出する色ずれ量演算手段と、
得られた色ずれ量を補正するように前記各色の画像の座標変換を行なう画像データ補正手段とを少なくとも備え、
前記書出指示信号は、検出要求信号を受信したタイミング、または直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングで発行され、前記書出許可信号及び前記書出指示信号に基づいてテストパターンが形成され、
前記連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量は、一定の間隔で実施されるサンプリングにより取得され、
次に実施されるサンプリングにおいて、前記書出許可信号の受信と、直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングとが一致せず、前記書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、
取得される位置ずれ量の変化が小さい場合には、直前のサンプリングで取得した位置ずれ量の情報を破棄し、前記色ずれ量演算手段が、次に連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出し、
取得される位置ずれ量の変化が大きい場合には、前記書出許可指示手段が、テストパターンの書き出しを許可する領域が拡張された書出許可信号を発行することを特徴とする画像形成装置。 - 色の異なる画像を形成する複数の感光体ドラムと、
形成された各色の画像が重ねて転写される中間転写体と、
前記中間転写体上にテストパターンを形成するテストパターン形成手段と、
テストパターンの書き出しを許可する領域を指示する書出許可信号を発行する書出許可指示手段と、
テストパターン形成を指示する書出指示信号を発行する書出指示手段と、
形成されたテストパターンの位置ずれ量を検出するセンサと、
連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出する色ずれ量演算手段と、
得られた色ずれ量を補正するように前記各色の画像の座標変換を行なう画像データ補正手段とを少なくとも備え、
前記書出指示信号は、検出要求信号を受信したタイミング、または直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングで発行され、前記書出許可信号及び前記書出指示信号に基づいてテストパターンが形成され、
テストパターンとして、第一のテストパターンと、前記第一のテストパターンよりも副走査方向の長さが短い第二のテストパターンとを有し、
位置ずれ量検出における検出誤差の大きさに応じて、形成されるテストパターンを切り替える切替手段を備え、
前記切替手段が、前記第二のテストパターンによる位置ずれ量検出において、検出誤差の大きさが所定の範囲外となった場合、または前記第二のテストパターンにより位置ずれ量が検出できない場合に、形成されるテストパターンを前記第一のテストパターンへ切り替えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が、前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と半周期を加算した期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量は、一定の間隔で実施されるサンプリングにより取得され、
次に実施されるサンプリングにおいて、前記書出許可信号の受信と、直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングとが一致せず、前記書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、
前記色ずれ量演算手段が、直前のサンプリングで取得した位置ずれ量の情報を破棄し、次に連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量は、一定の間隔で実施されるサンプリングにより取得され、
次に実施されるサンプリングにおいて、前記書出許可信号の受信と、直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングとが一致せず、前記書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、
前記書出許可指示手段が、テストパターンの書き出しを許可する領域が拡張された書出許可信号を発行することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量は、一定の間隔で実施されるサンプリングにより取得され、
次に実施されるサンプリングにおいて、前記書出許可信号の受信と、直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングとが一致せず、前記書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、
取得される位置ずれ量の変化が小さい場合には、直前のサンプリングで取得した位置ずれ量の情報を破棄し、前記色ずれ量演算手段が、次に連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出し、
取得される位置ずれ量の変化が大きい場合には、前記書出許可指示手段が、テストパターンの書き出しを許可する領域が拡張された書出許可信号を発行することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記色ずれ量演算手段が、前記色ずれ量の変化量に所定の係数を乗じた値と、現在の色ずれ量とを加算した新たな色ずれ量を演算して色ずれ量を更新するものであり、
前記所定の係数は、位置ずれ量を取得する間隔に応じて定められる値であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。 - テストパターンとして、第一のテストパターンと、前記第一のテストパターンよりも副走査方向の長さが短い第二のテストパターンとを有し、
位置ずれ量検出における検出誤差の大きさに応じて、形成されるテストパターンを切り替える切替手段を備え、
前記切替手段が、前記第二のテストパターンによる位置ずれ量検出において、検出誤差の大きさが所定の範囲外となった場合、または前記第二のテストパターンにより位置ずれ量が検出できない場合に、形成されるテストパターンを前記第一のテストパターンへ切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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