JP2014109755A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産性を低下させることなく、感光体ドラムの偏心による位置ずれ検出の誤差を低減し、高い精度で色ずれ補正された高品位な画像を形成可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光体ドラム7と、中間転写体8と、中間転写体8上にテストパターンを形成するテストパターン形成手段と、書出許可指示手段と、書出指示手段と、テストパターンの位置ずれ量を検出するセンサと、色ずれ量演算手段と、得られた色ずれ量を補正するように前記各色の画像の座標変換を行なう画像データ補正手段とを少なくとも備え、
前記書出指示信号は、検出要求信号を受信したタイミング、または直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングで発行され、前記書出許可信号及び前記書出指示信号に基づいてテストパターンが形成される画像形成装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式のカラー画像形成装置では、複数の画像形成部を直列に配置して、1パスでフルカラー画像を形成するタンデム方式が主流となっている。このタンデム方式の画像形成装置では、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の各色に対応した複数の画像形成部で形成された画像を、中間転写ベルト上に多重に一次転写した後、この中間転写ベルト上に多重に転写された各色の画像を、記録用紙上に一括して二次転写し、記録用紙上に画像を定着することにより、フルカラー画像を形成するように構成されている。
上記のタンデム方式の画像形成装置においては、生産性(単位時間当たりに印刷できる枚数)が大幅に改善されるものの、各色の画像形成部における感光体ドラムや露光装置等の位置精度や径のずれや、光学系の精度ずれなどに起因して、各色の記録用紙上での位置ずれが発生する。この位置ずれが、記録用紙上では色ずれ(「レジずれ」ともいう)となって現れるため、色ずれ制御(「レジストレーション制御」ともいう)が不可欠である。
この色ずれ制御の方法として、前記の中間転写ベルト上に各色の色ずれ検出用のテストパターンを形成して、このテストパターンの位置をセンサで検知し、その結果から色ずれ量を算出する。通常の画像形成時においては、この結果をもとに各光学系の光路を補正したり、各色の画像書き出し位置や画素クロック周波数を補正する方法が知られている。
従来の色ずれ制御方法では、以下の二点で問題があった。
第1の問題は、光学系の光路を補正するためには、光源やf−θレンズを含む補正光学系、光路内のミラー等を機械的に動作させ、各色の位置を合わせ込む必要があるが、このためには高精度な可動部材が必要となり、高コスト化を招く点である。さらに、補正の完了までに時間がかかるため、頻繁に補正を行うことができないという問題もある。
上記の第1の問題に対し、例えば、検出されたレジずれ量に基づいて、座標変換手段が各色毎の画像データの出力座標位置をレジストレーションずれを補正した出力座標位置に自動変換する方法(特許文献1参照)や、レジずれ検出用パターンの形成時と画像形成時とで、レジずれ補正手段が、記録媒体に対する画像位置補正に加え、主走査方向または副走査方向の倍率、スキュー、リニアリティ等の画像位置補正量の少なくとも1つ以上を変更可能とする方法(特許文献2参照)等が提案されている。
第2の問題は、レジずれ量の経時的な変化により、色ずれ制御を行ったとしても、制御を行った直後の高品位な画像を保つことが困難となる点である。経時的変化としては、例えば、機内温度の変化等に起因して光学系や支持部材等の装置を構成する部材が変形し、レジずれ量の変化が経時的に大きくなることなどが挙げられる。
上記の第2の問題点に対しては、機内の温度を検知し、一定の温度変化があったときや時間の経過に伴い、上述した色ずれ制御を繰り返し行なう方法などが知られている。
従来の方法では、色ずれ制御直後には、色ずれの少ない高品位な画像を形成できるが、時間経過につれ色ずれ量が変化するために、常にこの状態を保つことが困難であり、機内温度を検知して色ずれ制御を行うようにしても同様で印刷動作を行う毎に色ずれが制御されている訳ではない。
また、色ずれ量を直接検知していないので、所定の色ずれ量の範囲に収まるようにタイミングよく正確に色ずれ制御を行うのは困難であり、色ずれ制御の頻度過多や不足になりやすい。
一方、色ずれ検出用のテストパターンを形成してこれを検知し、得られた検知結果からずれ量を算出する方法が知られている。
従来の方法では、機内温度の変化や時間経過や連続画像形成枚数などの情報に基づき実行される1回の色ずれ制御の工程内で、テストパターンの形成と、テストパターンからの色ずれ量検出と、検出された色ずれ量に基づき次の色ずれ制御工程が実行されるまでに使用する画像位置補正量の算出とが行われる。このとき、色ずれ量検出値に検出誤差やノイズ要因が生じると、誤った(誤差の生じた)画像位置補正量が算出され、次の色ずれ制御工程が実行されるまではこの補正量に基づいた画像が形成されてしまうという問題があった。
検出誤差の低減は不可欠であるが、高精度な部品を使用して検出誤差を低減することはコスト増となる。
一方、色ずれ検出用のテストパターンを複数組形成して検出を行い、検出値の平均値から色ずれ量を算出することで検出誤差を低減する方法では、テストパターン長が長くなり、通常画像の印刷を実行できない期間(ダウンタイム)が増え、色ずれ補正精度向上と引き換えに生産性の低下を招いてしまう。特に、連続印刷を行う際は、機内の温度上昇が著しいため色ずれ変化量が大きく、頻繁な色ずれ制御を必要とするため、ダウンタイムが多くなり、生産性の低下が生じてしまう。特に、電子写真方式の印刷機(デジタル印刷機)では、常に高品位な画像と高生産性との両立が求められるため、この問題点はより顕著となる。
この問題に対し、画像形成装置内に設置された複数の画像形成手段における駆動ムラを検出する駆動ムラ検出手段を備え、駆動ムラの最も少ない時点においてテストパターンを形成することで、正確な色ずれ量を表すパターンを形成可能とし、色ずれ補正の精度向上により印字品質の高い画像を得る技術が提案されている(特許文献3参照)。
また、実際に多々ある変動要因を考慮し、起こっている転写媒介体上での変動に近い状態でパターン配置を考えて設定することで、色ずれ検出の信頼性を高くし、マークパターンのマーク配列による誤差を極力少なくすることで色ずれ補正精度を向上させることができる色ずれ検出補正方法及びカラー画像形成装置が提案されている(特許文献4参照)。
さらに、中間転写体に形成されたテストパターンの検知結果から、色ずれ量の変化量を求め、該色ずれ量の変化量を用いて、保持されている色ずれ量を更新する画像形成装置が提案されている(特許文献5参照)。
特許文献3に記載の装置では、駆動ムラを最小にするために感光体ドラムや中転ベルト駆動の各色の位相を合わせる制御が必要となるが、駆動系が一旦停止してしまうと、再駆動したときには位相がずれることが考えられ、感光体ドラムや中転ベルトが駆動を開始する度に位相を検出して合わせる制御が必要となる。このため、印刷可能の状態となるまでに時間が掛かり、生産性が低下するという問題がある。
通常、画像形成装置では、画像形成領域を隙間なく連続しているのではなく、紙間と呼ばれる画像を形成しない領域を設けている。常に色ずれ検出を行なうようにした場合であっても、この紙間に色ずれ検出用のテストパターンを形成し、これを検知し、得られた結果から色ずれ量を算出し制御を行なうことにより、画像形成が妨げられない。
また特許文献5に記載の装置において、色ずれ検出用のテストパターンを感光体ドラム円周の整数倍に渡って複数組形成して精度良く色ずれ制御するには、紙間領域では足りなくなるおそれがある。また、テストパターンを複数組形成するために紙間領域を広げた場合、一定時間内に印刷できる枚数が減少してしまうため、生産性が低下するおそれがある。
一方、感光体ドラムを駆動させる駆動ギヤ等の駆動系の偏心によって、感光体ドラムの回転が不規則となり、周期変動が生じることで色ずれが発生することが知られている。
この感光体ドラムで発生する周期ずれの問題を解決するために、例えば、色ずれ検出用のテストパターンを感光体ドラム円周の整数倍に渡って複数組形成し、これを検出し、得られた検出結果を平滑化して、色ずれ補正を行なうことで、感光体ドラムで発生する周期ずれの影響を低減させている。
特許文献4の装置では、形成されるテストパターン(マークセット)のパターン数を、転写ベルトの周長の50%近い長さを要する8組とすることで周期変動成分をキャンセルするが、テストパターン長が長くなるためにダウンタイムが増加し、色ずれ検出精度向上と引き換えに生産性の低下を招いてしまうおそれがある。
本発明は、生産性を低下させることなく、感光体ドラムの偏心による位置ずれ検出の誤差を低減し、高い精度で色ずれ補正された高品位な画像を形成可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、色の異なる画像を形成する複数の感光体ドラムと、形成された各色の画像が重ねて転写される中間転写体と、前記中間転写体上にテストパターンを形成するテストパターン形成手段と、テストパターンの書き出しを許可する領域を指示する書出許可信号を発行する書出許可指示手段と、テストパターン形成を指示する書出指示信号を発行する書出指示手段と、形成されたテストパターンの位置ずれ量を検出するセンサと、連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出する色ずれ量演算手段と、得られた色ずれ量を補正するように前記各色の画像の座標変換を行なう画像データ補正手段とを少なくとも備え、前記書出指示信号は、検出要求信号を受信したタイミング、または直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングで発行され、前記書出許可信号及び前記書出指示信号に基づいてテストパターンが形成されることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の画像形成装置によれば、生産性を低下させることなく、感光体ドラムの偏心による位置ずれ検出の誤差を低減し、高い精度で色ずれ補正された高品位な画像を形成可能な画像形成装置を提供することができる。
本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略装置構成図である。 本実施形態の画像形成装置の全体構成の一例を説明する概略ブロック図である。 テストパターン書出指示信号を発行するタイミングの一例を説明する図である。 テストパターン書出許可信号と、感光体ドラム上の回転周期との関係の一例を示す図である。 本実施例の検知部の機能構成例を示す模式図である。 色ずれ検出用テストパターンの一例を示す図である。 感光体ドラムにおける光書込位置と周期ずれ量を説明するための図である。 テストパターン書出指示のタイミングと、各色の感光体ドラムの光書込位置における周期ずれ変動曲線の一例を示すグラフである。 印刷ジョブのタイミングの一例を示した図である。 中間転写体の上面図において画像及びテストパターンの形成領域とセンサ位置との関係の一例を経時的に示す説明図である。 テストパターンのサンプリング開始時点における各マークの基準距離を説明するための模式図である。 色ずれ量演算部において、2組のテストパターンから色ずれ量を演算する方法の一例を示すフローチャートである。 本実施例の画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 サンプリングが実施されるタイミングに、テストパターンが形成されないことを回避する方法の一例を説明する図である。 図14に示す方法において色ずれ量を演算する方法の一例を示すフローチャートである。 サンプリングが実施されるタイミングに、テストパターンが形成されないことを回避する方法の他の例を説明する図である。 図6に示す第一のテストパターンに対し、副走査方向の長さが短い第二のテストパターンの例を示した図である。 図17(A)に示すテストパターンを利用して位置ずれ量を取得する方法の一例を示す説明図である。 図18に示す方法において色ずれ量を演算する方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施例の実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
図1に、本実施形態に係る画像形成装置の例として、カラー印刷を行なう画像形成装置によく利用される、二次転写機構を具備した画像形成装置(例えば、電子写真方式の複写機)の概略構成図を示す。
図1に示す画像形成装置30は、像担持体としての感光体ドラム7の周囲に帯電装置32、走査光学装置(露光装置)6、現像装置33、一次転写装置34、クリーニング装置35が複数色(図では4色)分配置され、感光体ドラム7と接する部分には、中間転写体である無端状の転写ベルト8が配置され、ベルトの下流側にクリーニング装置39が配置され、上流側には二次転写装置9が配置され、二次転写装置9の上部には定着装置36が配置されている。
本実施形態の画像形成装置は、タンデム方式と称される複数の画像形成部14を有する多色対応の画像形成装置であり、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色に対応した別々の感光体ドラム7(7C、7M、7Y、7K)を備える。
この画像形成装置30の画像形成動作時においては、所定のプロセススピードで回転駆動される感光体ドラム7の表面を帯電装置32により一様に帯電させ、読取り装置(不図示)で読取った原稿の画像情報に応じて走査光学装置6により露光を行って静電潜像を形成した後、現像装置33のトナー(現像剤)で現像を行なうことにより、トナー像が感光体ドラム7(7Y,7C,7M,7K)上に色毎に形成される。
その形成されたトナー像を所定のプロセススピードで回転駆動される中間転写体(以下、「転写ベルト」ともいう)8に、一次転写装置34により、各感光体ドラム7Y,7C,7M,7K上に担持されている複数色の画像(トナー像)が順番に重畳転写される。
そして、給紙カセット37から所定のタイミングで用紙搬送路10を通して二次転写部位に搬送される用紙Pに、二次転写装置9により転写ベルト8上に担持されている画像(トナー像)が重畳転写される。
トナー像が転写された用紙Pは定着装置36に搬送されて、定着ローラ36aと加圧ローラ36b間で加熱・加圧されることにより、用紙P上にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙Pは、排紙ローラ(不図示)により外部に排出される。
なお、各感光体ドラム7Y,7C,7M,7K上のトナー像が転写ベルト8に転写された後に、各感光体ドラム7Y,7C,7M,7Kの表面はクリーニング装置35のクリーニングブレード35aにより残トナーが除去されて、次の作像に供される。
さらに、転写ベルト8上のトナー像が用紙Pに転写された後に、転写ベルト8の表面はクリーニング装置39のクリーニングブレード39aにより残トナーが除去されて、次の作像に供される。
そして、転写ベルト8の上流となる位置に、色ずれ検出用テストパターン(以下、単に「テストパターン」という)を検出する為のセンサ11が配置されており、感光体ドラム7の所定の回転位置で現像されたテストパターン画像が、転写ベルト8上に転写されセンサ11の下を通過する。テストパターンの移動速度と、通過時間から、各色のマーク位置を検出する。なお、図1において、38はレジストローラである。
図2は、本実施形態の画像形成装置の全体構成を説明する概略ブロック図である。
感光体ドラム7に対応して走査光学系6がそれぞれ備えられ(図2では走査光学系6を一体化して図示)、各色に対応した感光体ドラム7上に光ビームを走査し、画像(静電潜像)をそれぞれの感光体ドラム7上に形成し、図示しない現像装置でそれぞれの潜像を顕像化する。そして、それぞれの感光体ドラム7上に顕像化された画像を、転写ベルト8上に多重に一次転写した後、多重に転写された各色の画像を、二次転写部9において記録用紙P上に一括して二次転写し、図示しない定着装置により記録用紙P上に画像を定着することにより、カラー画像を形成するように構成されている。
これらの動作のタイミング制御は、図示しないエンジンコントローラ部で行われる。なお、本発明の主旨と直接関係のないものに関しては図示及び説明を簡略化ないし省略する。
本実施形態の画像形成装置は、色の異なる画像を形成する複数の感光体ドラム7を含む画像形成部14と、形成された各色の画像が重ねて転写される中間転写体(転写ベルト)8と、中間転写体8上にテストパターンを形成するテストパターン形成手段と、テストパターンの書き出しを許可する領域を指示する書出許可信号を発行する書出許可指示手段と、テストパターン形成を指示する書出指示信号を発行する書出指示手段と、形成されたテストパターンの位置ずれ量を検出するセンサ11と、連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出する色ずれ量演算手段と、得られた色ずれ量を補正するように前記各色の画像の座標変換を行なう画像データ補正手段とを少なくとも備え、前記書出指示信号は、検出要求信号を受信したタイミング、または直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングで発行され、前記書出許可信号及び前記書出指示信号に基づいてテストパターンが形成される。
図2において、テストパターン生成部1は、テストパターン出力指示信号に従いテストパターンを形成する。テストパターンは、各色で異なるマーク(TPDk、TPDc、TPDm、TPDy)を構成する。
画像パス切換部2は、転送されたプリントする画像データ(C,M,Y,Kの各色毎の版がある)と、テストパターン生成部1の出力するテストパターンとを切り換えて出力する。21C,21M,21Y,21Kは画像データとテストパターンとを切り換えて出力された色毎の画像データである。
色ずれ量保持部4は、現時点での色ずれ量、すなわち電源投入時点または色ずれ量演算部12により演算が行われた時点での最新の色ずれ量を色毎に保持している。
画像データ補正部3は、画像パス切換部2の出力する画像データ21C,21M,21Y,21Kを、色ずれ量保持部4に保持されている現時点での色ずれ量を参照して、この色ずれ量を打ち消すように補正し、補正画像データ22C,22M,22Y,22Kを出力する。
色ずれ量の参照は画像データの先頭で行い、1枚(あるいはテストパターン1組)を補正する間は同一の色ずれ量で補正する。この補正方法については後述する。
書込制御部5は、走査光学系6から入力される光ビームが所定位置を通過したことを示すライン同期信号24C,24M,24Y,24Kから、各色毎に主走査同期信号を生成する。また、入力される印刷ジョブ開始指示信号あるいはエンジンコントローラ部からの書込み開始指示を基準とし、各感光体間の距離(例えばPyとPcとの距離)と中間転写ベルト8の線速とに基づき決定される各色間の時間差により、各色毎に副走査同期信号を生成する。
そして、書込制御部5内部で生成される画素クロックを基準として、前記主副の同期信号に同期し、各色毎に補正画像データ22C,22M,22Y,22Kから走査光学系6内にある光源の変調信号である書込信号23C,23M,23Y,23Kへと変換する。
こうして補正画像データ22C,22M,22Y,22Kは、先に説明したように各々別の感光体ドラム上に顕像化され、転写ベルト8上に多重に転写される。
センサ11は、中間転写ベルト8上に形成されたテストパターンを読み取るためのセンサ(反射形フォトセンサ)である。センサ11は、感光体ドラム7のテストパターンがセンサ位置に来たときにサンプリングするようにタイミングが制御される。
テストパターン書出し指示部17は、感光体ドラム7のドラム直径と回転速度から求まる1周期分の時間に対して、テストパターン書出指示を発行した時刻と次に発行する時刻の間隔が、所定の間隔(感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間)となっているかを判定するタイマー機能を持つ。
色ずれ制御を行なうときに、図13に示すCPU102などから、色ずれ量検出制御が開始されるタイミングで発行される位置ずれ量検出要求信号を受信後、印刷ジョブ制御部13からの送られてくるテストパターン書出許可信号が受信されているときに、テストパターン書出指示部17より、テストパターン書き出し指示信号を印刷ジョブ制御部13へ発行し、このときのテストパターン書出指示信号を発行した時刻を保持する。発行されたテストパターン書出指示信号に基づいて、最初のテストパターン形成が行われる。
これにより、ユーザー要求による通常画像印刷の領域とテストパターンを形成する領域が異なることが保証されるので、領域が重なることなく、通常画像印刷領域外にテストパターンの形成が行われる。
次に、保持した時刻から、「感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過した時間」と、印刷ジョブ制御部13から送られてくるテストパターン書出許可信号が受信されているタイミングと、予め設定されているサンプリング時間の近傍となる時刻が一致する時間で、テストパターン書出指示信号を印刷ジョブ制御部13へ発行する。これにより、次(2つ目)のテストパターンの形成が開始され、テストパターン形成が行われたときの時刻が保持され、直前に保持されていた時刻情報が更新される。
新たに保持された時刻から、「感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過した時間」と、印刷ジョブ制御部13からの送られてくるテストパターン書き出し許可信号が受信されているタイミングと、予め設定しているサンプリング時間の近傍となる時刻が一致する時間でテストパターン書き出し指示信号を印刷ジョブ制御部13へ発行し、次(3つ目)のテストパターンの形成が開始される。
これらの動作は繰り返し行われ、現時点において形成されたテストパターンによって算出した最新の位置ずれ量を「位置ずれ量An」とし、直前に行われた時刻でテストパターンを形成し、検出、算出した位置ずれ量を「位置ずれ量An−1」とする。
各色(Y,M,C,K)用の感光体ドラム7Y,7M,7C,7Kは、感光体ドラム周長と同じピッチで並べられている。これにより、Y用の1次転写ニップの中心(ベルト移動方向の中心)とC用の1次転写ニップの中心との距離は、ちょうど感光体周長と同じ距離になっている。また、C用の1次転写ニップの中心とM用の1次転写ニップの中心との距離や、M用の1次転写ニップの中心とK用の1次転写ニップの中心との距離も、ちょうど感光体周長と同じ距離になっている。
かかる構成において、互いに全く同じ大きさのY,M,C,Kトナー像を位置ずれなく重ね合わせる場合、Y,M,C,K用の感光体7Y,7M,7C,7Kに対する光書込開始タイミングを、ちょうど感光体1回転周期分ずつずらせばよい。
まず、Y用の感光体7Yに対して所定のタイミングで光書込を開始し、その後、感光体1回転周期が経過した時点でC用の感光体7Cに対して光書込を開始する。また、その後、感光体1回転周期が経過した時点でM用の感光体7Mに対して光書込を開始する。更に、その後、感光体1回転周期が経過した時点でK用の感光体7Kに対して光書込を開始する。
以降の説明において、画像1枚、またはテストパターン1組のプリントを「印刷ジョブ」という。印刷ジョブ実行中の感光体ドラム7は、等速度で回転駆動制御される。よって、感光体ドラム7のドラム直径と回転速度から、1周期分の時間(1回転周期が経過するまでの時間)を求めることができる。
直前のテストパターン形成を行なった時刻から、次のテストパターン形成を行なう時刻までの間の「感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間」を、例えば、「感光体ドラムの1回転周期の整数倍と半周期を加算した期間」となるようにすると、感光体ドラム7上でそれぞれのテストパターンが形成される位置は、180度異なる位置となる。
感光体ドラム7上で、連続して形成された2つのテストパターンの180度異なる位置は、相対的にわかれば良いので、テストパターン形成を行なうために感光体ドラム7上のテストパターン形成の書き出し位置を特定する必要はない。はじめにテストパターンの形成を行った時刻からの経過時間を監視すればよいので、感光体ドラムの回転位置を検出するセンサなどは不要になる。
以下、本実施形態では、「感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間」を「感光体ドラムの1回転周期の整数倍と半周期を加算した期間」としてテストパターンを形成する説明をしているが、前記所定の期間は、ドラム周期を等間隔で分割した期間としてもよい。例えば、ドラム周期に対して3分割した場合は2π,2π/3,4π/3の周期位置となる期間としてもよく、4分割とした場合は2π,3π/2,π,π/2の4点の周期位置となる期間としてもよい。
検出されたそれぞれのテストパターンに基づき、検出部15にて「位置ずれ量An」及び「位置ずれ量An−1」が算出される。位置ずれ量Anと位置ずれ量An−1の値から平均値を求めることにより、感光体ドラムの回転の偏心よる位置ずれ検出誤差を除去した「位置ずれ量Qx」を求めることができる。
位置ずれ量Qxは、各色毎、マーク毎に求められ、位置ずれ量Qxにおける黒の位置ずれ量と各色の位置ずれ量に基づき、色ずれ量演算部12にて色ずれ量が算出される。よって、テストパターンに感光体ドラムの偏心による位置ずれ検出誤差が含まれるような場合であっても、正確にドラムの偏心による位置ずれ検出誤差を除去できるので、高精度な色ずれ量検出が可能となる。
色ずれ量演算部12は、2つのテストパターンより算出した位置ずれ量Qxから、理想値とのずれを色ずれ量の変化量として検出し、この色ずれ量の変化量とその時点まで色ずれ量の変化量とから色ずれ量を演算する。
色ずれ量保持部4は、保持している色ずれ量を、色ずれ量演算部12で演算された新しい色ずれ量に更新し保存する。そのため、温度変化などにより色ずれ量が変動しても、常にその時点での色ずれ量が保持されている。
印刷ジョブ制御部13は、通常画像の印刷ジョブおよびテストパターンの印刷ジョブのタイミングを制御するものであり、画像印刷要求に伴い印刷ジョブ開始信号を発行する。
さらに、通常画像の印刷ジョブを発行しない間は、テストパターン書出指示部17へテストパターン書出許可信号を発行する。
印刷ジョブ制御部13は、通常画像の印刷ジョブ開始により画像データ転送要求信号を発行し、テストパターンの印刷ジョブ開始によりテストパターン出力指示信号を発行する。
テストパターンの印刷ジョブを行なう場合、印刷ジョブ制御部13は、テストパターン書出指示部17へテストパターン書出許可信号を発行しているときに、テストパターン書出指示部17からのテストパターン書出指示信号を受信した場合に、テストパターン印刷ジョブ開始信号を発行する。
また、印刷ジョブ開始信号は、エンジンコントローラ部および書込制御部5にも出力し、各部においてこれを開始基準としてタイミング制御が図られる。また、前述したように、1つの印刷ジョブに対し、書込制御部5において各色毎に各感光体ドラム間の距離に応じた時間差をつけて出力されるよう制御されている。
書込制御部5内に備えるバッファメモリの低減のため、テストパターンおよび画像テータを色毎に上記時間差をつけて出力するようにすると良い。すなわち、書込制御部5が、前述の副走査同期信号に基づき色毎のテストパターンの出力指示信号をテストパターン生成部1に出力し、色毎の画像データ転送要求信号を発行するようにしても良い。あるいは、副走査同期信号を印刷ジョブ制御部13に入力し、印刷ジョブ制御部13で色毎のテストパターン出力指示信号および画像データ転送要求信号を生成するようにしてもよい。
図3は、テストパターン書出指示部17において、テストパターン書出指示信号を発行するタイミングを説明する図である。
テストパターン書出指示部17は、(A)に示す色ずれ量検出制御が開始されるタイミングで発行される位置ずれ量検出要求信号を受信後、印刷ジョブ制御部13から送られてくる(B)に示すテストパターン書出許可信号が受信されているときに、(C)に示すテストパターン書出指示信号を印刷ジョブ制御部13へ発行し、このときのテストパターン書出指示信号を発行した時刻T1を保持する。T1に発行されたテストパターン書出指示信号に基づいて、最初のテストパターン形成が行われる。このような構成により、ユーザー要求による通常画像印刷の領域外にテストパターンの形成が行われる。
次に、保持された時刻T1から感光体ドラムの1回転周期の整数倍と半周期を加算した期間が経過する時間(以下、「感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間」と表す)と、印刷ジョブ制御部13から送られてくるテストパターン書出許可信号を受信している時間が一致し、かつ予め設定しているサンプリング時間Stの近傍である時刻を特定する。
最初のテストパターンを形成した時刻T1から、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間となるのは、図のa〜hで示す時刻である。そのa〜hの時刻のうち、テストパターン書出許可信号が受信されているタイミングと一致するのは、d、f及びhになるが、予め設定してあるサンプリング時間Stにもっとも近いのはfである。特定されたfのタイミングで、次のテストパターン書出し信号を発行する。
サンプリング時間Stの近傍とする範囲は、該サンプリング時間Stに対する一定の時間の範囲として定めてもよく、感光体ドラムの1回転周期の±数周期分としてもよい。
例えば、感光体ドラムの直径がφ60mmで線速度が350mm/sとした場合、感光体ドラム1回転に掛かる時間は、約0.5秒となる。サンプリング時間Stを5秒とした場合において、例えば、近傍の範囲を±1周期と設定した場合は、5秒±0.5秒となり、サンプリング時間St近傍とする範囲は、4.5秒〜5.5秒となる。
従って、サンプリング時間Stに対し、テストパターン形成が行なわれる実際のサンプリング時間は(C)に示すTsとなるが、TsはStに近い時間であるため以降の説明においては、St≒Tsを満たすものとして説明する。
図4は、位置ずれ量検出要求によってテストパターンの形成を行なうときのテストパターン書出許可信号と、感光体ドラム上の回転周期との関係の一例を示した図である。
(A)は位置ずれ量検出要求信号を示し、Rの矢印はその開始タイミングであり、予め設定されたユーザー要求による画像印刷が開始され、1枚目の印刷が行われる直前に発行される。(B)は印刷ジョブ制御部13から発行されるテストパターン書出許可信号を示し、ユーザー要求による通常画像印刷の処理が行われていないときに信号がHighとなる。つまり、信号がHighのときは通常画像形成の領域外であり、所謂「紙間」であることを意味している。テストパターン書出許可信号がHighのときに、テストパターンの形成が行われる。(C)は、(B)のタイミングが一致したときに発行されたテストパターン書出指示信号を示している。(D)は、感光体ドラムの回転周期に対する、回転周期の駆動ムラによるずれ量を表している。
(D)の回転周期上の白丸印(○)と黒丸印(●)は、テストパターンの形成位置を表し、それぞれ180度異なる形成位置の関係となっている。
まず、図の位置ずれ検出要求Rのタイミングで、はじめの位置ずれ検出要求が発行される。この検出要求Rが発行されたタイミングと、テストパターン書出許可信号がHighとなっているタイミングとが一致したとき、最初のテストパターンの形成が行なわれる。最初に形成されたテストパターンが検出され、検出されたテストパターンの位置ずれ量A1が算出される。このときの、位置ずれ量A1と、テストパターンの形成を行なった時刻T1が保持される。
次に、保持された時刻T1から、予め設定しておいたサンプリング時間Stにおいて、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間で、テストパターン書出許可信号がHighとなっているタイミングでテストパターン書出指示信号T2が発行され、次のテストパターンの形成が行われる。検出されたテストパターンの位置ずれ量A2が算出される。
算出された位置ずれ量A2と、直前(最後)に算出されて保持された位置ずれ量A1とから平均値を求め、位置ずれ量Q1が得られる。位置ずれ量A1とA2は、感光体ドラムの周期に対する位相関係が180度異なる位置で取得した位置ずれ量となるので、位置ずれ量A1とA2の平均値を取得することにより、感光体ドラムの周期に対する駆動ムラ分を除去した位置ずれ量を求めることが可能となる。
保持される位置ずれ量はA1からA2に、時刻はT1からT2にそれぞれ更新される。
印刷が連続して行なわれる場合、続いて、保持された時刻T2から、予め設定しておいたサンプリング時間Stにおいて、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間で、テストパターン書出許可信号がHighとなっているタイミングでテストパターン書出指示信号T3が発行され、次のテストパターンの形成が行なわれる。検出されたテストパターンの位置ずれ量A3が算出され、算出された位置ずれ量A3と、直前(最後)に保持された位置ずれ量A2とから平均値を求め、位置ずれ量Q2が求められる。
以降同様に、連続して印刷が行なわれている間、保持された時刻Tn−1から、予め設定しておいたサンプリング時間Stにおいて、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間で、テストパターン書出許可信号がHighとなっているタイミングでテストパターン書出指示信号Tnが発行され、次のテストパターンの形成が行なわれる。検出されたテストパターンの位置ずれ量Anが算出され、算出された位置ずれ量Anと、直前(最後)に保持された位置ずれ量An−1とから平均値を求め、位置ずれ量Qxが求められる。
このように、本実施形態においては、感光体ドラムの回転周期に対して、常に180度異なる書き出し位置でテストパターンを紙間に形成し、感光体ドラム回転周期の偏心よる位置ずれ検出誤差を除去した位置ずれ量を求めることができる。
上記感光体ドラム半周期分の経過時間を、等間隔で分割した周期となる時間(例えば3分割した場合は、2π,2π/3,4π/3の3点の周期位置となる時間、4分割とした場合は、2π,3π/2,π,π/2の4点の周期位置となる時間)とした場合においても同様である。
図5は、本実施形態における検知部の構成を説明する図である。
検知部であるセンサ11は、発光部65と受光部66とを一対として構成される。
発光部65から照射され、転写ベルト8で反射された光を受光部66が受光し、これを電気信号に変換する反射形フォトセンサである。転写ベルト8上にテストパターン(マーク)が形成されていない(トナーが無い)状態では反射光量は多いが、テストパターン(マーク)が形成されている(トナーが存在する)状態では、照射光が散乱するため受光部66で受光する反射光量が少なくなる。この反射光量の違いにより転写ベルト8上のテストパターンの有無が検出される。
受光部66が出力する電気信号(センサ出力信号)を、例えば、色ずれ量演算部12内に備えられる一定周期でサンプリングを行なうA/D変換器などで変換し、これを信号処理することにより、各マークの中心がセンサ位置を通過した時間を求めることができる。そして、テストパターンが通過した時間と転写ベルト8の移動方向の線速度とから距離が得られる。
図6は、色ずれ検出用テストパターンの一例を示す図である。
図6に示すテストパターンは、主走査方向と平行な直線マーク61と、主走査方向と45度の角度をなす直線マーク62が一対のパターンとして、各色(C,K,Y,M)のマークが副走査方向に順に並んで構成される。点線で囲まれたこれらの1組のマークをテストパターンと称する。該テストパターンは主走査方向に複数形成され、副走査方向には所定のタイミングで1組ずつ形成される。形成されたテストパターンから取得された位置ずれ量は、色ずれ量を算出する際に用いられる。
図中のL1c、L2k、L2cについては後述する。
図7は、感光体ドラム7における光書込位置Pwと周期ずれ量を説明するための図である。
図7に示すように、感光体ドラム7の表面は、所定の回転角度の位置に移動したとき、レーザー光Lによって潜像が光書込される。この所定の回転角度の位置が像書込位置としての光書込位置Pwである。
感光体ドラム7に回転駆動力を伝達する感光体ギヤ71は、感光体ドラム7と同一軸線上に位置しながら、図示しないカップリングによって感光体ドラム7と連結されている。感光体ギヤ71は、製造精度の限界からわずかな偏心を有しており、また感光体ギヤ71の径は感光体ドラム7よりも大きいため、その偏心が感光体ドラム7の挙動に大きな影響を与えてしまう。具体的には、光書込位置Pwにおいて、感光体ドラム7の1回転あたりに1周期分のサインカーブを描く特性の線速変動を発生させ、周期変動による位置ずれ(周期ずれ)を発生させる。
図8は、テストパターン書出指示のタイミングと、各色の感光体ドラム7Y,7M,7C,7Kの光書込位置Pw(図7参照)における周期ずれ変動曲線の一例を示すグラフである。
(A)に示すテストパターン書出指示信号がHighになり、テストパターンの形成が行なわれる。
K,M,Y,C用の感光体ドラム(ドラムK、ドラムM、ドラムY、ドラムC)は、それぞれの光書込位置Pwにおいて、図示されたようなサインカーブ状となる特性の周期ずれ変動を生じている。それぞれの周期ずれ変動曲線は感光体ドラム1回転あたりに1周期分のサインカーブを描く特性になっているが、ある時刻における位相はドラム毎に異なっている。
ただし、印刷ジョブ実行中の感光体ドラムは等速度で回転駆動制御されているので、各色の感光体ドラムの直径が全て同じ場合は、互いの回転位相は常に一定であり、例えば、ドラムKの周期ずれ変動曲線に対するドラムY、ドラムM及びドラムCの周期ずれ変動曲線の位相差はそれぞれ一定となる。
したがって、図8に示すような関係が成立し、各色の書出位置は52_61K,52_62K,52_61M,52_62M,52_61Y,52_62Y,52_61C,52_62Cのようになる。
最初のテストパターンを形成した時刻から、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間が経過し、テストパターン書出許可信号がHighとなっているタイミングで、テストパターン書出指示信号が発行され、次のテストパターンが形成される。
次のテストパターンが形成される位置は、直前に形成されたテストパターンの回転位置に対し、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間経過後のタイミングで形成される位置であり、各色の書出位置は図の53_61K,53_62K,53_61M,53_62M,53_61Y,53_62Y,53_61C,53_62Cのように、ドラム半回転周期分ずれた位置となる。さらに次のテストパターンの形成においても同様に、ドラム半回転周期分ずれた位置関係、つまり、回転周期がN+0.5となる位置(Nは整数)となる。
画像形成装置を構成する部品精度や組み付け精度の違いによって、上述した回転位置位相の関係に微妙なずれが生じる場合がある。しかしながら、各感光体ドラムの回転位相の関係にずれが生じても、直前のテストパターン形成が行なわれた時刻から感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過するまでの時間の間隔をもってテストパターンを形成して検出するので、回転位相を検出することなく、常に高精度な位置ずれ検出が可能となる。
図9は、通常画像およびテストパターンの印刷ジョブのタイミングを説明するためのタイミングチャートの一例である。
図9の(A)は位置ずれ量検出要求信号を表し、印刷が開始される直前のタイミングで発行される。
(B)は印刷ジョブ開始指示信号を表し、下向きの矢印がジョブの開始時刻を表す。TP1はテストパターンの印刷ジョブであり、その書き出しタイミングは、前述したテストパターン書出許可信号がHighとなっているときに、テストパターン書出指示信号が発行されたタイミングであり、TP2は、TP1に対して、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間を経過した時刻で、テストパターン書込み許可信号がHighとなっているときが一致したときに対応して発行されるタイミングである。直前のテストパターン形成を行なう印刷ジョブ開始信号TP1が発行されてから、次のTP2が発行されるまでの間隔St(Ts)が制御系にとってのサンプリング周期となる。
J1〜J6は、通常画像の印刷ジョブを示し、数字が何枚目であるかを表す。
(C)〜(F)は、中間転写体上における各点のタイミングを表す。
(C)はY(イエロー)の感光体ドラム7Y上に顕像化された画像が、中間転写体である転写ベルト8に転写される点Pyでのジョブを表している。印刷ジョブ開始信号から各部での処理・遅延時間Tdyが加算された後、転写ベルト8に転写される。各ジョブの開始時刻は、対応する印刷ジョブ(T1〜T3及びJ1〜L6)の開始指示信号から、一定の遅延時間Tdyを経過した後となる。
(D)は、C(シアン)の感光体ドラム7C上に顕像化された画像が、転写ベルトに転写される点Pcでのジョブを表す。印刷ジョブ開始時刻からの遅延時間Tdcは、Tdyに、PyとPcとの距離と転写ベルト8の線速とから決定される時間差が加わった値である。
同様に(E)はM(マゼンタ)の感光体ドラム7M上に顕像化された画像が、転写ベルトに転写される点転写点Pmでのジョブを表し、(F)はK(ブラック)の転写点Pkでのジョブを表している。
(G)は、センサ11の検出点Psでの色ずれ検出用テストパターンの通過タイミングを表している。Pyと検出点Psとの距離に応じて印刷ジョブ開始時刻からの時間が決まる。テストパターンの通過タイミング付近以外では、センサ11を動作しないようにしておくと、誤検出防止および省電力となるため好ましい。
(H)は、センサ11でテストパターンの検出が完了する時刻を表し、色ずれ量のサンプリング点に相当する。印刷ジョブ開始時刻からの遅延時間Tdsは、Tdyに、Pyとセンサ検出点Psとの距離にテストパターンの長さを加えた距離と転写ベルト8の線速とから決定される時間差が加わったものになる。その後、色ずれ量の演算時間τ後に新しい色ずれ量に更新される。
これ以降に発行される印刷ジョブ(図9の例ではTP2以降の印刷ジョブ)に対して、各色とも更新された色ずれ量が参照される。このTdsに色ずれ量の演算時間τを加えたものが、色ずれ検出用テストパターンの印刷ジョブ開始時刻から色ずれ量更新までの時間となり、色ずれ量保持値を常にその時点での色ずれ量になるように制御する制御系にとってのむだ時間となる。
印刷ジョブ開始信号TP1が発行されてから、次の印刷ジョブ開始信号TP2が発行されるまでの間隔Stが制御系にとってのサンプリング周期となり、本実施形態では、前述のむだ時間より長くなるようにしている。制御対象となる色ずれ量の変動は、温度変化が主因となるので、比較的遅い変動(緩やかに変化)であり、例えば数分のオーダーで変化していく。これに対してサンプリング周期Tsが十分短ければよいので、例えばStを数秒と設定した場合は、毎分60枚の印刷ができる装置では、数枚に一回テストパターンを挿入することになる。図9は、3枚に1回の割合で位置ずれ量検出要求が発行されている例である。
なお、このときのサンプリング時間精度は、特段厳密である必要はなく、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間と、テストパターン書出許可信号がHighであるときが、サンプリング時間Stの近傍であればよい。
(I)は、二次転写部9における印刷ジョブのタイミングであり、通常画像は記録用紙に転写されるが、テストパターンは二次転写部で転写ベルトが離間されて記録用紙には転写されない。
図10は、中間転写体である転写ベルト8の上面における画像及びテストパターンの形成領域とセンサ位置との関係を経時的に示す説明図である。
転写ベルト移動方向(負方向)が副走査方向(Y)であり、その直交方向が主走査方向(X)である。斜線で示す領域は画像形成領域51であり、J1、J2及びJ3は図9で示した画像印刷ジョブに対応した画像形成領域である。
3つのセンサ11(11a,11b,11c)は、主走査方向に一列に配置されている。
最初のテストパターンの形成領域52(52a,52b,52c)は、主走査方向においてセンサ11(11a,11b,11c)の位置(一点鎖線a,b,c)に対応している。
一定間隔おいた後の紙間に次のテストパターン53(53a,53b,53c)が形成される。テストパターンが形成されるタイミングは、TP1及びTP2である。この間隔は厳密に一定距離である必要はないが、テストパターン形成を行なう領域が紙間となるタイミングとなるように印刷ジョブを制御しても良い。
また、テストパターン形成領域は52及び53で示す紙間(副走査方向の画像領域外)でなくとも、主走査方向の画像領域外、例えば54(54a,54c)及び55(55a,55c)で示す位置としてもよい。その場合、センサ11はその主走査位置に対応して56(56a,56c)の位置に配置される。この場合、通常画像と副走査方向に排他的に配置する必要がなくなり、さらにはテストパターン形成を行なうタイミングも画像印刷ジョブや紙間に合わせる必要がなくなるので、テストパターン形成位置や間隔が自由に選択できるようになる。
図11は、テストパターンのサンプリング開始時点における各マークの基準距離を説明するための模式図である。
制御部は、上述したタイミングでテストパターンの形成を開始した後、所定の時間が経過した時点で、パターン内における各マークの位置検知用画像の検知タイミングについてサンプリングを開始する。図11は、サンプリング開始時点を示しており、テストパターン(位置ずれ検知用マーク像)は、センサ11よりもベルト移動方向の上流側に存在している。
図11において、C第1基準距離Ls1cは、シアン用の感光体7Cにおける1回転あたりの偏心による位置ずれやその他の要因よるずれ量が全くない場合における光学センサと、C第1位置検知用画像61Cとの距離である。K第1基準距離Ls1k、Y第1基準距離Ls1y、M第1基準距離Ls1mも、同様に、感光体1回転あたりの偏心による位置ずれが全くない場合における光学センサと、K第1位置検知用画像61K、Y第1位置検知用画像61Y、M第1位置検知用画像61Mとの距離である。以下、これらに対し、実測した距離を、C第1実測値LsA1c、K第1実測値LsA1k、Y第1実測値LsA1y、M第1実測値LsA1mという。
また、C第2基準距離Ls2cは、C用の感光体1Cにおける1回転あたりの偏心による位置ずれやその他の要因によるずれ量が全くない場合における光学センサと、C第2位置検知用画像62Cとの距離である。K第2基準距離Ls2k、Y第2基準距離Ls2y、M第2基準距離Ls2mも、同様に、感光体1回転あたりの偏心による位置ずれが全くない場合における光学センサと、K第2位置検知用画像62K、Y第2位置検知用画像62Y、M第2位置検知用画像62Mとの距離である。
以下、これらに対し、実測した距離を、C第2実測値LsA2c、K第2実測値LsA2k、Y第2実測値LsA2y、M第2実測値LsA2mという。
以下、前述したテストパターンのサンプリングにおける位置ずれ量を、テストパターン書出指示のタイミングによって、形成された2つのテストパターンの位置ずれ量をそれぞれ、C第1位置ずれ量LsB1c、K第1位置ずれ量LsB1k、Y第1位置ずれ量LsB1y、M第1位置ずれ量LsB1m、C第2位置ずれ量LsB2c、K第2位置ずれ量LsB2k、Y第2位置ずれ量LsB2y、M第2位置ずれ量LsB2mという。
また、サンプリング開始時点から、はじめのテストパターンのC第1位置検知用マーク61C,K第1位置検知用マーク61K,Y第1位置検知用マーク61Y,M第1位置検知用マーク61Mが光学センサ(図示の例ではセンサ11)によって検知されるまでの時間を、C第1時間t1Ac、K第1時間t1Ak、Y第1時間t1Ay、M第1時間t1Amという。
さらに、サンプリング開始時点から、C第2位置検知用マーク62C,K第2位置検知用マーク62K、Y第2位置検知用マーク62Y、M第2位置検知用マーク62Mが光学センサによって検知されるまでの時間を、C第2時間t2Ac、K第2時間t2Ak、Y第2時間t2Ay,M第2時間t2Amといい、次のテストパターンのC第1位置検知用マーク61C,K第1位置検知用マーク61K,Y第1位置検知用マーク61Y,M第1位置検知用マーク61Mが光学センサ(図示の例ではセンサ11)によって検知されるまでの時間を、C第1時間t1Bc、K第1時間t1Bk、Y第1時間t1By、M第1時間t1Bmという。
サンプリング開始時点から、C第2位置検知用マーク62C,K第2位置検知用マーク62K、Y第2位置検知用マーク62Y、M第2位置検知用マーク62Mが光学センサによって検知されるまでの時間を、C第2時間t2Bc、K第2時間t2Bk、Y第2時間t2By,M第2時間t2Bmという。サンプリングとは、具体的には、これらの時間を計時することを意味する。
それぞれの位置ずれ量は、テストパターンそれぞれのサンプリングが終了後、各マークのずれ量を演算するにあたり、まず、C第1位置ずれ量LsA1c、K第1位置ずれ量LsA1k、Y第1位置ずれ量LsA1y、M第1位置ずれ量LsA1m、C第2位置ずれ量LsA2c、K第2位置ずれ量LsA2k、Y第2位置ずれ量LsA2y、M第2位置ずれ量LsA2mを算出する。
例えば、C第1位置ずれ量LsA1cについては、下記(式1)
C第1実測値LsA1c=C第1時間t1Ac×ベルト線速vb−Ls1c (式1)
によって算出する。
K,Y,Mについても同様にして、
LsA1k=t1Ak×vb−Ls1k、
LsA1y=t1Ay×vb−Ls1y、
LsA1m=t1Am×vb−Ls1m
という数式により、K第1位置ずれ量LsA1k、Y第1位置ずれ量LsA1y、M第1位置ずれ量LsA1mを算出する。
同様に、C第2位置ずれ量LsA2c、K第2位置ずれ量LsA2k、Y第2位置ずれ量LsA2y、M第2位置ずれ量LsA2mを算出する。
LsA2c=t2Ac×vb−Ls2c、
LsA2k=t2Ak×vb−Ls2k、
LsA2y=t2Ay×vb−Ls2y、
LsA2m=t2Am×vb−Ls2m
次のタイミングで形成され検出されたテストパターンについても同様に算出する。上述の数式に対し、Aの記述がBに変わるだけで、同様の計算式で算出できるので、説明は省略する。
それぞれ算出された位置ずれ量は、それぞれの同じ画像位置を計測した値の平均値を下記(式2)にて算出する。
C第1位置ずれ量Ls1c=(C第1位置ずれ量LsA1c+C第1位置ずれ量LsB1c)/2 (式2)
同様に、その他の画像位置についても同様の数式、
K第1位置ずれ量LsC1k=(LsA1k+LsB1k)/2、
Y第1位置ずれ量LsC1y=(LsA1y+LsB1y)/2、
M第1位置ずれ量LsC1m=(LsA1m+LsB1m)/2、
C第2位置ずれ量LsC2c=(LsA2c+LsB2c)/2、
K第2位置ずれ量LsC2k=(LsA2k+LsB2k)/2、
Y第2位置ずれ量LsC2y=(LsA2y+LsB2y)/2、
M第2位置ずれ量LsC2m=(LsA2m+LsB2m)/2
で算出する。
上記数式により、感光体ドラムの偏心による位置ずれ検出誤差分を除去したテストパターンの位置ずれ量Qxが求められる。得られた値を用い、色ずれ量演算部12にて色ずれ量を算出することにより、感光体ドラムの偏心による位置ずれ検出誤差が除去された色ずれ量を求めることが可能となる。
一方、テストパターン検出時にセンサ11の検出誤差やサンプリング時間のずれによって、各マークの基準距離とのずれがテストパターン検出毎に発生することが考えられる。しかしながら、各テストパターンの各マークの実測値には同じずれ分が含まれており、それらは後述する色ずれ量の算出時に、Kの位置ずれ量に対する各色の位置ずれ量との差分を求めた値を用いるため、基準距離とのずれがキャンセルされるため問題はない。
次に、算出した位置ずれ量Qxから色ずれ量を演算する方法を説明する。
色ずれの主な成分としては、スキューずれ、副走査方向のレジストずれ(マージンずれ、オフセットずれともいう)、主走査方向の倍率誤差、主走査方向のレジストずれが挙げられる。
本実施形態における色ずれ検出用テストパターンから色ずれ量を演算する方法は、例えば、特許第3773884号に開示された方法を応用したものである(詳細は特許第3773884号参照)。
以下に、基準色ブラック(K)に対する各色(C,M,Y)の色ずれ量の演算方法を説明する。
まず、位置ずれ量Cによって得られたマーク間の距離を図6に示すように定義する。単位はmmとする。
基準色Kのマーク61Kと対象色(例えばC)のマーク61Cとの測定された距離をL1cとする。M,Yも同様にL1m,L1y(未図示)とする。また、同色のマーク61とマーク62との測定された距離をL2とし添え字にその色を表す。例えばシアンであればL2cとする。
L1c及びL2cを下記式で表す。
L1c=LsC1c−LsC1k (式3)
L2c=LsC2c−LsC1c (式4)
M及びYのマークも同様とする。
また、基準色Kのマーク61Kと対象色(例えばC)のマーク61Cとの理想的な距離(つまりテストパターン生成部1が出力するマーク間の距離)をL1refとする。
KとYのマーク間の距離も同一でありL1refとし、KとMとの横線マーク間の距離はその倍の2×L1refとする。
さらにセンサ11の位置(例えば、図10に示すa,b,c)それぞれにおいて測定される上記の距離には、それぞれ「_a」,「_b」,「_c」を付けて区別する。
また、センサ位置aとc間の距離をLacとする。
このように測定された距離を定義すると、各成分の色ずれ量の演算は以下の式で表すことができる。
各色(C,M,Y)のブラック(K)に対するスキューずれ(式5)
d(C)=(L1c_c−L1c_a)/Lac
d(M)=(L1m_c−L1m_a)/Lac
d(Y)=(L1y_c−L1y_a)/Lac
各色(C,M,Y)のブラック(K)に対する副走査方向のレジストずれ(式6)
f(C)=((0.25・L1c_a+0.5・L1c_b+0.25・L1c_c)−L1ref)・κ
f(M)=((0.25・L1m_a+0.5・L1m_b+0.25・L1m_c)−2・L1ref)・κ
f(Y)=((0.25・L1y_a+0.5・L1y_b+0.25・L1y_c)−L1ref)・κ
ここで、κは距離の単位を[mm]から[dot]に変換する係数で、例えば画像データが1200dpiとすると、κ=1200/25.4である。
各色(C,M,Y)のブラック(K)に対する主走査方向の倍率誤差(式7)
a(C)=((L2c_c−L2k_c)−(L2c_a−L2k_a))/Lac
a(M)=((L2m_c−L2k_c)−(L2m_a−L2k_a))/Lac
a(Y)=((L2y_c−L2k_c)−(L2y_a−L2k_a))/Lac
各色(C,M,Y)のブラック(K)に対する主走査方向のレジストずれ(式8)
c(C)=((L2c_a−L2k_a)−Lbd・a(C))・κ
c(M)=((L2m_a−L2k_a)−Lbd・a(M))・κ
c(Y)=((L2y_a−L2k_a)−Lbd・a(Y))・κ
ここで、Lbdは走査光学系内に各色毎に備えられ光ビームが通過した時にライン同期信号を生成する同期検知センサとセンサ11aとの距離を示す。
Lbd・a(C)の項は、主走査方向の同期位置となる同期検知センサからセンサ位置aまで走査する期間に、主走査方向の倍率誤差によって生じる位置ずれを、レジストずれから減じて校正する項である。
なお、テストパターンを図10の54の位置に形成する場合は、(式6)を下記(式6’)に変えれば良く、他の各ずれ成分は同一の式で求められる。
F(C)=((0.5・L1c_a+0.5・L1c_c)−L1ref)・κ (式6’)
(M)、(Y)も同様にする。
また、テストパターンは図6に示した形態に限定されず、適宜他の形態のテストパターンを適用し、それぞれの色ずれ量の成分を求めるようにしても良い。
このように、テストパターンをテストパターン書出指示による時刻で形成された直前のテストパターンと、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間が経過した時刻で形成した後のテストパターンにて算出した色ずれ量による補正手段は、従来の機械制御によって色ずれ補正を行なう場合にも適応可能である。この補正により、生産性を低下させることなく、感光体ドラムの偏心によって発生する位置ずれ検出誤差の影響を除去することができる。
次に、画像データ補正部3において、上記色ずれ量を補正する方法を説明する。
画像データ補正部3は、中間転写体上の前記各色の画像の位置合わせにおいて、色ずれ量を補正するように各色の画像の座標変換を行なう。この画像補正方法については、特開2012−63499に記載された画像補正方法を利用することができる(詳細な説明は特開2012−63499参照)。
まず、画像データ補正部3への入力画像(入力画像データ及びテストパターン)の座標系を(x,y)と表記し、補正画像データ(図2参照)22c、22M、22Y、22Kの座標系を(x’,y’)と表記し、中間転写体である転写ベルト8上に形成される座標系を(x”,y”)と表記する。
ブラック(K)に対するC、M、Yの各色の上記色ずれ量の各成分を用いて、書込み制御部以降で生じる色ずれは、各色それぞれ下記(式9)で示す座標変換で表すことができる。
Figure 2014109755

(式9)
なお、上記(式9)のずれ量aは主走査方向の倍率誤差を表すので、主走査方向の全体倍率はa’=1+aとなる。
よって、画像データ補正部3では、各色毎に上記色ずれ量(a’、c、d、f)を参照して、上記(式9)の行列A(以下、「色ずれ変換行列」ともいう)の逆行列A−1(以下「色ずれ補正行列」ともいう)を求め、下記(式11)の座標変換を行なうようにすれば、中間転写体である転写ベルト8上に形成される画像の色ずれ量が補正される。
Figure 2014109755

(式10)
上記式9及び式10より、
Figure 2014109755

(式11)
図12は、色ずれ量演算部12において、2組のテストパターンから色ずれ量を演算する方法を示すフローチャートの一例である。
以下に説明するフローは、各色(C,M,Y)で実行される。
ステップS101は、色ずれ量の初期値を設定するステップである。色ずれ量の初期値を色ずれ量保持部4に設定する。
初期値は、色ずれ量なし(a'=1、c=0、d=0、f=0)、または前回使用時に記憶された最後の色ずれ量の値を初期値としても良い。また、テストパターンを形成し、センサ11の測定結果の情報からテストパターンの検出結果の補正を行ない、得られた結果から上述の色ずれ量を算出する色ずれ量初期値検出ステップを含み、これを初期値として設定しても良い。
ステップS102は、保持されている色ずれ量を参照し、その逆変換となる色ずれ補正行列を求め、該補正行列に従って補正した直前のテストパターンのセンサ出力をサンプリングする。
最初のテストパターンを形成するタイミングは、前述したように、感光体ドラムの回転位置が検出されたタイミングで形成される。サンプリングのタイミングは前述したように印刷ジョブ開始信号に従って定められる。そのタイミングまではこのステップで待機となる。
ステップS103は、ステップS102でサンプリングしたテストパターンにおけるセンサ11の出力に対し、検出部15で位置ずれ量Anを算出する。
次に、ステップS104で、ステップS103におけるテストパターンの検出回数(n回)が2回目以降かどうか(n>1であるか否か)を判断し、1回目(n=1)の場合は、ステップS109へ移行し、算出した位置ずれ量Anを保持する。
ステップS103におけるテストパターンの検出回数が2回目以降の場合は、ステップS105へ移行し、位置ずれ量Qxを算出する。
ステップS105は、直前に保持した位置ずれ量An−1と位置ずれ量Anの値を用い、前述の(式2)に従い、感光体ドラム周期の偏心による位置ずれ検出誤差を除去した位置ずれ量Qxを算出する。
ステップS106は、ステップS105の結果を用いて前述の(式5)〜(式8)に従って色ずれ量を計算する。
ステップS102でサンプリングしたセンサ出力は、保持されている色ずれ量に従って補正されたものであるので、ここで算出される色ずれ量が保持されている色ずれ量からの変化分である。得られた値は、n番目のテストパターンにより算出される変化量であるので、添え字nを付けてΔa(n)、Δc(n)、Δd(n)、Δf(n)と表す。
ステップS107は、ステップS106で算出された色ずれ量の変化値Δa(n)、Δc(n)、Δd(n)、Δf(n)から新しい色ずれ量a(n)、c(n)、d(n)、f(n)を演算する。
単純には、保持されている色ずれ量(n−1番目のテストパターンにより算出された結果なのでa(n-1)、c(n-1)、d(n-1)、f(n-1)と表す)に色ずれ量の変化値をそれぞれ加算して、
a(n)=a(n-1)+Δa(n)
とすればよい。他の成分も同様である。
ただし、2組のテストパターンから算出した1回分のずれ量には、感光体ドラムの偏心による位置ずれ以外に、テストパターン形成時の誤差や、センサの読み取り誤差などが含まれることがある。よって、得られたずれ量を単純に加算すると、誤差(ノイズとして作用するため、以下「ノイズ」ともいう)に反応して、演算される色ずれ量にばらつきが生じることがある。
(※請求項6)
色ずれ量演算手段12は、前記色ずれ量の変化量に所定の係数を乗じた値と、現在の色ずれ量とを加算した新たな色ずれ量を演算して色ずれ量を更新する。ここで、前記所定の係数は、位置ずれ量を取得する間隔に応じて定められる値である。
含まれる誤差(ノイズ)を制限するために、下記(式12)のように色ずれ量の変化値に、所定の係数を掛けた値を加算して新しい色ずれ量a(n)、c(n)、d(n)、f(n)を計算する。
これによりノイズ成分が平滑化されるため高精度に色ずれ量が求められる。
a(n)=a(n-1)+Kp・Δa(n) (式12)
または、下記(式13)のように、いわゆる比例積分型(PI)制御となるようにして新しい色ずれ量a(n)、c(n)、d(n)、f(n)を計算する。
a(n)=a(n-1)+Kp・Δa(n)+Ki・ΣΔa(n) (式13)
他の成分も同様である。
ここで、ΣΔa(n)は1〜nまでの色ずれ量の変化値Δa(n)の積算値、Kpは比例ゲイン係数、Kiは積分ゲイン係数であり、KpとKiのゲイン係数により制御帯域が決まり、この制御帯域より高周波成分のノイズが制限される。
つまり、これまでのような感光体ドラムの回転周期の整数倍に至る複数組のテストパターンを形成し、それらの平均値を求める必要がなくなり、少ないテストパターンでも十分精度良く色ずれ量が求められるようになる。
また、この制御帯域以下の変動に対して追従して色ずれ量が求められる。
さらに、色ずれ量の変化値Δa(n)の積算値も反映しているので、定常誤差も低減できる。
本実施形態においては、温度変化などに起因する緩やかな変動に対して追従するよう色ずれ量を求めればよいので、例えば、サンプリング周期を数秒オーダーとすれば、制御帯域はサンプリング周期の数十分の1〜数百分の1でよく、そのようにKp及びKiを決めればよい。
またa、c、d、fの各要素ごとに要求される制御帯域が異なる場合(例えば、温度変化に敏感な要素がある場合など)であれば、当該要素に対するKp,Kiのみを変えても良い。
また、各要素に対するKp,Kiを変えて、制御帯域を互いに異なるようにして、各要素のずれ量補正が互いに干渉しないようにしてもよい。
ステップS108は、色ずれ量保持部4に保持される色ずれ量の値を、前のステップS107で求めた新しい色ずれ量a(n)、c(n)、d(n)、f(n)に更新する。
その後、ステップS109へ移行し、検出した位置ずれ量Anの値を直前に保持してあった位置ずれ量An−1から更新し、これを保持した後、ステップS102に戻る。次のテストパターンは、更新された色ずれ量に従って補正される。
図12に示すフローチャートに従って色ずれ量を更新すれば、経時変化にも追従し、常にその時点における最新の色ずれ量が得られ、その値が保持される。通常画像はこの色ずれ量に従って補正されるので、常に色ずれの補正がなされた画像を形成することができる。
なお、上記のように演算される色ずれ量の各成分うち、主走査方向のレジストずれおよび副走査方向のレジストずれは、書込制御部5における主走査同期信号の遅延または副走査同期信号のライン単位の遅延により補正することもできる。よって、これらの成分の色ずれ量の整数部は書込制御部5へ(図2の点線で表す)出力してそれぞれの同期信号の遅延制御を行ない、小数部のみ色ずれ量保持部4に保持し、画像データ補正部3において補正するようにしても良い。
図13は、色ずれ量演算部12、色ずれ保持部4、及び印刷ジョブ制御部13の機能を果たすプログラムなどが実行されるハードウェア構成の一例を示した図である。
また、この構成は、前述した画像形成装置内各部の動作タイミング制御を行なうエンジンコントローラと兼ねても良い。
A/D変換器101は、入力されたセンサ出力をデジタルデータへ変換し、I/O(入出力)ポート105へ接続される。または、フィルタ処理などの信号処理を行なう図示しない信号処理部やバッファメモリなどを介してI/Oポート105へ接続される。
I/Oポート105は、A/D変換器101および外部ブロックと接続され、CPU102との入出力信号のやり取りを行う。印刷要求信号の入力や印刷ジョブ開始指示信号の発行、画像データ補正部3への色ずれ量の更新などは、このI/Oポート105を介して行なう。
演算処理装置CPU102は、I/Oポート105を介して外部との入出力が行われ、位置ずれA,B及びCの演算や色ずれ量の演算、印刷ジョブ開始制御などが実行される。またメモリバス106を介してRAM103およびROM104と接続される。
ROM104は、色ずれ量を演算するためのプログラムを始め、各種プログラムが格納されている。
前記連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量は、一定の間隔で実施されるサンプリングにより取得されるが、次に実施されるサンプリングにおいて、前記書出許可信号の受信と、直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングとが一致せず、前記書出指示信号が発行されないことが予測されたときの対応について図14〜図16に基づき説明する。
なお、検出するテストパターン1組毎のサンプリング間隔が長くなると、制御ゲインが下がってしまい、制御精度が低下してしまうことが考えられるため、適切なサンプリング間隔で定期的にデータを取得することが好ましい。
連続して印刷ジョブが実行される場合、一定の速度で印刷が行なわれ、画像領域と紙間領域は常に一定の間隔を保って実行される。よって、連続印刷中において、紙間となる時間を容易に推測することができる。
図14は、2回目以降のテストパターン形成において、テストパターン書出許可信号がHighのときと、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間を経過したタイミングがサンプリング時間St近傍の所定範囲で一致しない場合を回避する方法の一例を説明する図である。図14は、次に実施されるサンプリングにおいて、前記書出許可信号の受信と、直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングとが一致せず、前記書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、直前のサンプリングで取得した位置ずれ量の情報を破棄し、前記色ずれ量演算手段が、次に連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出することを示している。
図14に示すように、(A)の位置ずれ量検出要求のタイミングで、テストパターン書出許可信号がHighとなる時刻T1で、(B)に示すテストパターン書き出し指示が発行され、最初のテストパターン形成が行われる。次のサンプリング時間St1近傍の所定範囲で、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間を経過した時刻と、パターン書き出し許可信号がHighとなる時間が一致しないことが推測でき、さらに次のサンプリング時間St2近傍の時間まで、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間を経過した時刻T2と、パターン書き出し許可信号がHighとなる時間が一致しないと推測、判定された場合は、その直前に行なったテストパターンによって取得され保持された位置ずれ量(図14のA1)を破棄し、次のサンプリング間隔St1近傍の時刻T1’における形成位置(□印)においてテストパターンを形成し、これを検出し、算出された新たな位置ずれ量A1’を取得する。
そして、次のサンプル時間St2では、T1’に対する時刻から感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間を経過した時刻とパターン書き出し許可信号のタイミングが一致するタイミングでテストパターン書出し信号T2’を発行し、そのタイミングにおける形成位置(■印)でテストパターン形成を行ない、検出、算出された位置ずれ量A2を取得する。
取得された位置ずれ量A1’及びA2から、位置ずれ量Q1を求めることにより、一定のサンプリング間隔Stで位置ずれ量を求めることが出来、その時刻における位置ずれ量の制御精度を高く維持することができる。
図15は、色ずれ量演算部12において、2組のテストパターンから色ずれ量を演算する方法を示すフローチャートの一例であり、図14に示すテストパターン形成方法におけるフローである。以下のフローは各色(C,M,Y)で実行される。なお、図12に示すフローチャートと同じステップ番号においては同様の処理が行なわれるため、説明を省略する。
ステップS110は、直前に形成されたテストパターンの形成位置に対して、ドラム1周期の整数倍+半周期となる時間で形成され、検出、算出された位置ずれ量であるか否かを判断する。
直前に形成したテストパターンの形成位置に対して、ドラム1周期の整数倍+半周期となる時間で形成され、検出、算出された位置ずれ量である場合は、ステップS105へ進み位置ずれ量Qxの算出を行う。一方、図14のA1’のように、新たな周期で形成、検出、算出された位置ずれ量である場合は、ステップS109へ進み、直前の位置ずれ量A1を破棄し、新たな位置ずれ量A1’を保持する。
図16は、2回目以降のテストパターン形成において、テストパターン書出許可信号がHighのときと、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間を経過したタイミングがサンプリング時間St近傍の所定範囲で一致しない場合を回避する方法を示す他の例である。図16は、前記書出許可指示手段が、テストパターンの書き出しを許可する領域が拡張された書出許可信号を発行することを示した図である。
図16に示すように、色ずれ制御が開始される際に発行される位置ずれ量検出要求のタイミングで実施したテストパターンを形成した時刻T1から、次のテストパターン形成が行われるタイミングまでの時間が、予め設定したサンプリング時間Stの2倍の時間となるような場合は、(B)に示すように、書出許可のタイミングを部分的に拡張することができる。
テストパターン書出許可信号とテストパターン書出指示信号とが一致するように、書出許可領域を拡張することにより、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期となる時刻と、パターン書出許可信号のタイミングが一致するT2のタイミングでテストパターン書出指示信号を発行することが可能になる。
このとき、テストパターン書出指示部17から印刷ジョブ制御13へ、書出許可タイミングの延長要求信号を発行する(不図示)。
一方、紙間の領域を拡げることにより、前述した逆位相となる書き出し位置のテストパターンの形成が可能になる場合は、印刷ジョブを制御し、その間の通常画像印刷の要求を停止させても良い。この場合において、サンプリング間隔St1は、予め設定した時間よりも長くなる。
ここで、感光体ドラムの直径がφ60mm、線速度が350mm/sである場合において、ドラム1回転に要する時間は約0.5秒である。拡げる紙間領域を感光体ドラム周期の半周期分とした場合、半回転に要する時間は約0.25秒である。通常画像印刷の要求を停止させる時間は0.25秒となり、その時間分の紙間領域(94mm)を一時的に拡げてテストパターンを挿入することになる。よって、時間的なダウンタイムは非常に小さくて済み、生産性を低下させることなく、定期的に位置ずれ量を取得できるようになる。
また、図14で説明したテストパターンの形成方法と図16にて説明したテストパターンの形成方法を、組み合わせて制御してもよい。
連続して形成された2つのテストパターンから位置ずれ量を取得するために、一定の間隔で実施されるサンプリングにおいて、次回のサンプリングのタイミングが、書出許可信号を受信し、かつ直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングと一致せず、前記テストパターン書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、取得される位置ずれ量の変化が小さい場合には、直前のサンプリングで取得した位置ずれ量の情報を破棄し、次に形成されるテストパターンから得た新たな位置ずれ量の情報を保持し、取得される位置ずれ量の変化が小さい場合には、前記書出許可領域を拡張することができる。
装置の立ち上げ時など、温度変化などの影響で取得する位置ずれ量の変化量が大きくなってしまうような場合は、多少の生産性が低下しても位置ずれ量を安定に保つようにしたいので、図16に示した方法によって、位置ずれ量を取得することができる。一方、位置ずれ量の変化量が小さい場合は、サンプル周期が低下しても問題ないので、図14に示した方法によって、位置ずれ量を取得することができる。
このように、位置ずれ量の変化量に応じて位置ずれ量の取得方法を切り替えることで、制御精度を低下させることなく、安定した色ずれ量の算出が可能になる。
さらに、他の方法により所定のサンプリング間隔で定期的にテストパターンの形成を行い、位置ずれ量を取得する方法の一例を図17に示す。
位置ずれ量の検出は、所定のサンプリング間隔で定期的に行なわれ、位置合わせを行なう際に形成されるテストパターンも、算出した色ずれ量に基づいて座標変換された画像データを用いて常に形成されるため、テストパターンの検出値と基準値との検出誤差が小さい状態で形成される。よって、位置ずれを検出するセンサの検出位置からも大きく外れることがないので、テストパターンの形状を小さくしても検出が可能になる。
そこで、テストパターンとして、第一のテストパターンと、前記第一のテストパターンよりも副走査方向の長さが短い第二のテストパターンとを有する態様とし、位置ずれ量検出における検出誤差の大きさに応じて、形成されるテストパターンを切替手段により切り替えることができる。
例えば、図6に示すテストパターンを第一のテストパターン(本実施形態では「テストパターンA」という)とし、図17に示すテストパターンを第二のテストパターン(本実施形態では「テストパターンB」という)とを含む構成とすることができる。
図17に示すテストパターンは、図6に示すテストパターンよりも、パターン全体のpLの長さが約1/2程度短い例である。例えば、図6示すテストパターンAを、感光体ドラムに対して1/4周期分の長さに収まるような寸法で構成した場合、図17に示すテストパターンBを、感光体ドラムの1/8周期分の長さに収まる寸法で構成すれば良い。このテストパターンBが、センサの検出位置がパターンの中央部にくるように転写ベルト上に複数形成される。
図17(A)に示すテストパターンBは、転写ベルト移動方向の副走査方向に対して、パターンの長さを短くしただけであり、マークの並び順や形状は図6に示すテストパターンAとは変わらないので、詳細な説明は省略する。なお、副走査方向に長さが短くなったことにより、各色のマーク間の距離が変わるが、テストパターンAとは、基準距離が違うだけなので、位置ずれを算出する際の基準となる検知時間と基準距離を変えるだけで、前述した色ずれ量の算出方法により、同様にして色ずれ量を算出することができる。
このような構成とすることにより、1回のサンプリングのタイミングで、それぞれのテストパターンの形成位置が逆位相となる位置に2組のテストパターンを形成することが可能となり、精度の良い色ずれ量を算出することが可能になる。また、副走査方向に加え、主走査方向のパターン幅も小さくできるので、色ずれ検出時に消費される、トナーの消費量を低減させることができる。
図18は、図6に示すテストパターンAと図17(A)に示すテストパターンBとを利用して、所定のサンプリング間隔で定期的にテストパターン形成を行ない、位置ずれ量を取得する方法の一例を示す説明図である。
図18に示すように、(B)のテストパターン書出許可信号が常にHighの状態となっている(通常画像印刷が行われていない)とき、例えば、電源投入時あるいは、装置休止状態からの復帰時や、一定時間経過した後の通常画像印刷開始前などのタイミングで、位置ずれ検出要求を発行する。
(C)のテストパターン書出指示信号が発行されるタイミング(T1,T2)で、色ずれ検出用テストパターンAを形成し、これらを検出し、それぞれの位置ずれ量A1及びA2から算出した位置ずれ量Q1から色ずれ量を算出する。算出された各色の色ずれ量に基づいて、画像データの座標変換を行なう。
ここで、位置ずれ量検出時の検出誤差が所定の範囲を超えている間は、テストパターンAによる位置ずれ量の検出を繰り返し行なう。一方、位置ずれ量の検出誤差が所定の範囲内((A)に示す[1]のタイミング)となったとき、形成するテストパターンをテストパターンBに切り替えることができる。
また、テストパターンBに切り替えた後、何らかの原因(突発的な事象)により、位置ずれ量の検出誤差が大きくなってしまい、テストパターンBによる位置ずれ量の検出が困難となったとき((A)に示す[2]のタイミング)は、形成されるテストパターンを再度テストパターンAに切り替えることができる。
テストパターンBによる位置ずれ量検出が困難となった状態の例を図17(B)に示す。
図17(B)では、センサ検出波形が隣り合うパターンの検出波形と重なってしまうような場合は、位置ずれ量の検出誤差が大きくなっている。
図18に示す方法により、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間を経過した時刻と、パターン書出許可信号のタイミングが一致する時刻のタイミングで、2組のテストパターンを同じサンプリングのタイミングで形成することが可能になる。
また、テストパターン書出許可信号とテストパターン書出指示信号が一致したタイミングで、2組のテストパターンBを形成するようにすれば、直前のサンプリングで形成した感光体ドラムの周期位置に対し、逆位相となる位置に形成する必要がなくなり、その時点における感光体ドラム周期の駆動ムラを除去した位置ずれ量を検出することができる。
2組の位置ずれ量の平均値から色ずれ量を算出することが可能となるので、感光体ドラム1回転周期の整数倍+半周期の時間が所定の時間一致しない場合にも、直前に保持した位置ずれ量を破棄して、新たな時刻で形成したテストパターンから位置ずれ量を新たに取得したり、テストパターンを所定の位置に形成するために紙間領域を拡大したりする必要がなくなる。これにより、制御精度を低下させることなく、常に安定した色ずれ量を算出することが可能になる。
また、頻繁に色ずれ検出が可能な場合は、複数回のサンプリングで算出したそれぞれの位置ずれ量の平均値に基づいて色ずれ量を算出してもよい。このように算出することにより、感光体ドラム周期の偏心による位置ずれを含む検出誤差が平滑化されるので、より高精度な色ずれ量が得られる。
図19は、色ずれ量演算部12において、2組のテストパターンから色ずれ量を演算する方法を示すフローチャートの一例であり、図18に示すテストパターン形成方法におけるフローである。以下のフローは各色(C,M,Y)で実行される。なお、図12に示すフローチャートと同じステップ番号においては同様の処理が行なわれるため、説明を省略する。
また、図2に示した印刷ジョブ制御部13において、図18(A)に示すタイミングで、テストパターンAとテストパターンBとが切り替えられて形成され、検出した位置ずれ量に基づいて、色ずれ量が算出される。
まず、図19のステップS111で、テストパターンAによる位置ずれ検出を行なう。検出は図12に示すフローチャートと同様である。
S112で、検出された位置ずれ量の検出誤差が所定の範囲内となっているかを判断し、所定の範囲内である(Yes)場合はBへ移行し、テストパターンBによる位置ずれ量の検出を開始する。一方、検出誤差が所定の範囲外である(No)場合は、引き続きテストパターンAによる位置ずれ量の検出を行なう。
ステップS113は、検出回数nがn>1回となったときに、ステップS105からステップS108の処理が行なわれ、色ずれ量保持値が更新された後に、検出回数をクリア(n=1)する。
そして、ステップS114で、位置ずれ量の検出誤差が所定の範囲外であるか、または検出エラーとなった(位置ずれ量が検出できない)か否かを判断し、検出誤差が所定範囲内または検出エラー(Yes)となった場合は、ステップS102へ移行し、テストパターンBによる位置ずれ量検出を継続して行なう。一方、検出誤差が所定範囲内であるか、検出エラーではない(No)場合は、Aへ移行し、テストパターンAによる位置ずれ量検出へ戻る。
1 テストパターン生成部
3 画像データ補正手段(画像データ補正部)
4 色ずれ量保持部
6 走査光学装置(露光装置)
7 感光体ドラム
8 中間転写体(転写ベルト)
9 二次転写装置
10 用紙搬送路
11 センサ
12 色ずれ量演算手段(色ずれ量演算部)
13 印刷ジョブ制御部
14 画像形成部
17 テストパターン書出指示部
30 画像形成装置
32 帯電装置
33 現像装置
34 一次転写装置
35 クリーニング装置
36 定着装置
37 給紙カセット
38 レジストローラ
39 クリーニング装置
特開平8−85236号公報 特開2005−274919号公報 特許第3496548号公報 特許第4559124号公報 特開2012−63499号公報

Claims (8)

  1. 色の異なる画像を形成する複数の感光体ドラムと、
    形成された各色の画像が重ねて転写される中間転写体と、
    前記中間転写体上にテストパターンを形成するテストパターン形成手段と、
    テストパターンの書き出しを許可する領域を指示する書出許可信号を発行する書出許可指示手段と、
    テストパターン形成を指示する書出指示信号を発行する書出指示手段と、
    形成されたテストパターンの位置ずれ量を検出するセンサと、
    連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出する色ずれ量演算手段と、
    得られた色ずれ量を補正するように前記各色の画像の座標変換を行なう画像データ補正手段とを少なくとも備え、
    前記書出指示信号は、検出要求信号を受信したタイミング、または直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングで発行され、前記書出許可信号及び前記書出指示信号に基づいてテストパターンが形成されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が、前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と半周期を加算した期間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量は、一定の間隔で実施されるサンプリングにより取得され、
    次に実施されるサンプリングにおいて、前記書出許可信号の受信と、直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングとが一致せず、前記書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、
    前記色ずれ量演算手段が、直前のサンプリングで取得した位置ずれ量の情報を破棄し、
    次に連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量は、一定の間隔で実施されるサンプリングにより取得され、
    次に実施されるサンプリングにおいて、前記書出許可信号の受信と、直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングとが一致せず、前記書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、
    前記書出許可指示手段が、テストパターンの書き出しを許可する領域が拡張された書出許可信号を発行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  5. 前記連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量は、一定の間隔で実施されるサンプリングにより取得され、
    次に実施されるサンプリングにおいて、前記書出許可信号の受信と、直前のテストパターンを形成した時刻から前記感光体ドラムの1回転周期の整数倍と所定の周期を加算した期間が経過したタイミングとが一致せず、前記書出指示信号が発行されないことが予測されたとき、
    取得される位置ずれ量の変化が小さい場合には、直前のサンプリングで取得した位置ずれ量の情報を破棄し、前記色ずれ量演算手段が、次に連続して形成された2つのテストパターンの位置ずれ量の平均値に基づき、色ずれ量を算出し、
    取得される位置ずれ量の変化が大きい場合には、前記書出許可指示手段が、テストパターンの書き出しを許可する領域が拡張された書出許可信号を発行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  6. 前記色ずれ量演算手段が、前記色ずれ量の変化量に所定の係数を乗じた値と、現在の色ずれ量とを加算した新たな色ずれ量を演算して色ずれ量を更新するものであり、
    前記所定の係数は、位置ずれ量を取得する間隔に応じて定められる値であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. テストパターンとして、第一のテストパターンと、前記第一のテストパターンよりも副走査方向の長さが短い第二のテストパターンとを有し、
    位置ずれ量検出における検出誤差の大きさに応じて、形成されるテストパターンを切り替える切替手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記切替手段が、前記第二のテストパターンによる位置ずれ量検出において、検出誤差の大きさが所定の範囲外となった場合、または前記第二のテストパターンにより位置ずれ量が検出できない場合に、形成されるテストパターンを前記第一のテストパターンへ切り替えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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