以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に示すように、本実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び内枠(図示しない)が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
ジョグダイヤル68の左右両側方には、本発明の獲得利得の種別を指定操作可能な操作手段として、左にはラウンド数指定ボタン41、ジョグダイヤル68の右には時短回数指定ボタン43が設けられている。
なお、獲得利得或いは獲得利得の種別とは、本実施例では大当り遊技状態或いは時短遊技状態を示唆する。また、獲得利得の利得態様とは、大当り遊技状態におけるラウンド数、或いは時短遊技状態における時短回数を示唆する。よって、遊技者は、ラウンド数指定ボタン41を操作することで、大当り遊技状態を獲得利得と指定すると共にラウンド数を獲得利得の利得態様として指定する。また、時短回数指定ボタン43を操作することで、時短遊技状態を獲得利得と指定すると共に時短回数を獲得利得の利得態様として指定する。
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。なお、図1の49は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠49に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形で形成されると共に、上述したように遊技者が発射ハンドル64を操作することで発射された遊技球が流下する遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普通図柄作動ゲート22が設置されている。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行われる。
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。本パチンコ機50は、第1始動口11、第2始動口12のいずれに入球しても共通の特別図柄が変動される。第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。
第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。
なお、第1始動口11及び第2始動口12は、共に本発明の始動口を構成する。
また、センターケース5に向かって右側には、内部に取り込んだ遊技球を振り分けて、該振り分け結果に基づいて、遊技者に供与される利得の大きさを決定するための、本発明の振分装置16が設けられている。振分装置16は、利得の多寡を決定するために主制御装置が実行する大当り決定処理にて機能する構成であって、その際には、遊技者は所謂右打ちを行うことで、容易に遊技球を当該振分装置16に入球可能な位置に配設されている。
本発明の要部を構成する振分け装置16は、振り分けた遊技球の帰趨に因って、大当り遊技状態中のラウンド数或いは大当り遊技状態終了後の時短回数を決定するものである。なお、振分装置16の構成及び作用については後で詳述する。
また、センターケース5の下方であって、第1,第2始動口11,12に向かって右側には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技(状態)の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口20が配置されている。後で詳述するが、大入賞口20は、大当り遊技状態となると、所定のラウンド数だけ開放し、該開放によって遊技球が入球可能な状態となり、当該開放時に入球した遊技球毎に所定の賞球が遊技者に利益として供与されるものである。
遊技盤1に向かって右下の領域には、7セグメントの特図表示装置9と、4個のLEDからなる特図保留数表示装置23と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄(装飾図柄とも呼称する)の変動表示や、各種報知表示等を行うことで、特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出や、大当り遊技状態中の各種演出や各種報知等が行われる。また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。また、遊技領域3の左下部には、一般入賞口25、26、27が設けられている。なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
次に、本発明の要部である振分装置16の構成及び作用について図3を参照して説明する。尚、当該図は、便宜上、内部の振分構造等が判り易いように筐体前面部を省略した概略説明図となっている。
振分装置16は、上述したように、所謂右打ちによって発射されて遊技領域3の右側流下経路を流下する遊技球を内部に取込可能なように上方に向かって開口してなる取込口16aを備える。また振分装置16は、取込口16aに連通してなると共に図示略逆Y字状に形成される振分誘導路を備え、該逆Y字状の振分誘導路の向かって左下部には第1ゲート18を備え、同じく右下部には第2ゲート19を備える。前記振分誘導路の分岐には、回動可能に枢設されて起立状態から左右に傾倒可能な振分部材17を備える。該振分部材17は、後述する振分ソレノイド17aを駆動手段として左右に傾倒動作するよう構成されている。振分ソレノイド17aの駆動制御は、主制御装置80が後述する振分装置制御処理(S760)によって直接実行する構成となっている。但し、振分ソレノイド17aの駆動制御手段として、振分ソレノイド駆動制御基板を備えて、主制御装置80は、該振分ソレノイド駆動制御基板を介して、間接的に振分部材17の駆動態様を制御するように構成しても良い。更に、第1ゲート18及び第2ゲート19に連通すると共に図示左方向に下り傾斜して形成される排出誘導路を備え、該排出誘導路の左端部には、第1ゲート18或いは第2ゲート19を通過した遊技球を遊技領域3に排出する排出口16bが開設されている。
このように構成される振分装置16の作用について説明する。先ず、振分装置16の振分部材17は、後述する大当り決定処理の振分装置制御処理(S760)において、振分ソレノイド17aが駆動制御されることで、枢軸を中心として図示左右方向に向けて傾倒動作を反復継続して行う。この左右の傾倒動作は、各々例えば5sec毎に切換わって実行される。このような傾倒動作の実行中において、振分装置16は、取込口16aから遊技球を取り込むと、該遊技球を直下の振分部材17に向けて誘導する。誘導された遊技球は、振分部材17の傾倒動作によって実現される振分態様に基づいて、第1ゲート18或いは第2ゲート19の何れかに振り分けられ、何れかのゲートを通過することで第1ゲートスイッチ18a或いは第2ゲートスイッチ19aが検知信号を生成する。上記何れかのゲートを通過した遊技球は、排出誘導路を下り傾斜に従って流下し、排出口16bから遊技領域3に向けて排出される。
更に図3(a)及び(b)を参照して詳述する。図3(a)は、振分部材17が左方向に傾倒動作して左側の振分誘導路を遮蔽することで、遊技球を右下方に誘導する右振分態様を示し、図3(b)は、振分部材17が右方向に傾倒動作して右側の振分誘導路を遮蔽することで、遊技球を左下方に誘導する左振分態様を示している。図3(a)の右振分態様の場合、遊技球は第2ゲート19を通過するように振り分けられ、図3(b)の左振分態様の場合、遊技球は第1ゲート18を通過するように振り分けられる。
本実施例では、遊技球が第2ゲート19を通過したことに起因して、メイン利得決定用乱数を取得(抽出)するように構成されている。また、第1ゲート18或いは第2ゲート19を遊技球が通過したことに基づいて、役物連続作動装置の作動開始契機を発生するように構成されている。
すなわち、本実施例の振分部材17は本発明の振分手段を構成する。また、本実施例の第1ゲート18は、本発明の第1所定領域を、第2ゲート19は第2所定領域を構成する。
このように、本実施例の振分装置16は、メイン利得としての、ラウンド数或いは時短回数を決定する機能の他、第1ゲート18或いは第2ゲート19への遊技球の通過に基づいて役物連続作動装置の作動開始契機を発生させる機能を備える。
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11、第2始動口12に入球した遊技球を検出する始動口スイッチ(当図ではSWと表記。他の構成についても同様)11a、普通図柄作動ゲート22に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW22a、一般入賞口25〜27に入球した遊技球を検出する入賞口SW25a等からの検出信号が入力される。
また、このほかにも、大入賞口20に入球した遊技球を計数するためのカウントSW20a等からの検出信号が入力される。さらに、振分装置16に設けられて、第1ゲート18を通過した遊技球を検出する第1ゲートSW18a、同装置に設けられた第2ゲート19を通過した遊技球を検出する第2ゲートSW19a等からの検出信号が入力される。また、ラウンド数指定ボタン41が押されたことを示すラウンド数指定SW41aからの検出信号が入力され、時短回数指定ボタン43が押されたことを示す時短回数指定SW43aからの検出信号が入力される。
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特図表示装置9,特図保留数表示装置23,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
また、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド(当図ではSOLと表記する場合もあり。他の構成についても同様)20bを制御することで大入賞口20の開閉を制御すると共に、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
さらに、主制御装置80は、上述した振分部材17を駆動させる振分ソレノイド17aを駆動制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。このように、主制御装置80はパチンコ機50の遊技を統括制御する本発明の主制御手段である。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ30を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW31の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW31の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、ガラス枠開放SW45,内枠開放SW46,球切れSW33,払出SW31,満杯SW32からの信号が入力され、満杯SW32により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW33により球タンク(図示しない)に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ30を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW32,球切れSW33も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ30の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板34を介してCRユニット(プリペイドカードユニット)56と交信することで払出モータ30を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW31に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板34は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン(球貸SWを具備)57、精算を要求するための精算ボタン(精算SWを具備)58が設けられている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置84は、発射モータ40を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW38からのタッチ信号、発射停止SW39から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW39を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ28を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67,ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67,ジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)等の演出画面を表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより繰り返し実行される。本実施形態では、当該メインルーチンが1回起動される毎にS10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄および普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値としての例えば「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)については、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値としての例えば「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数更新処理(S20)で設定(作成)された値となる。この値が150であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が一巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から+1されていく。そして、再び大当り決定用乱数が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は、常に「7」である。この当り決定用乱数は普通図柄の抽選に使用し、初期値乱数、大当り決定用乱数、リーチ判定用乱数は特別図柄の抽選に使用し、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数は、普通図柄の抽選・特別図柄の抽選の双方に用いる。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「119」の120個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S45に続いて本実施例の主制御装置80は、S47において利得決定用乱数更新処理を実行する。当該処理では、本発明の要部に係るメイン利得決定用乱数及びサブ利得決定用乱数を更新する。
ここで、図19(a)を参照して、メイン利得決定用乱数及びサブ利得決定用乱数について説明する。
メイン利得決定用乱数は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。メイン利得決定用乱数の抽出は、後述する第2ゲート19を遊技球が通過した時期に起因して実行される。
サブ利得決定用乱数は、「0」〜「8」の9個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。サブ利得決定用乱数の抽出は、第1始動口11或いは第2始動口12に遊技球が入球した時期に起因して実行される。
因みに、繰り返しになるが、上述した大当り図柄決定用乱数は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。大当り図柄決定用乱数の抽出は、第1始動口11或いは第2始動口12に遊技球が入球した時期に起因して実行される。
なお、サブ利得決定用乱数の大きさは、上述したように「0」〜「8」の9個の乱数により構成される。これに対して、抽出時期を同じとする上記大当り図柄決定用乱数の大きさは、「0」〜「9」の10個の乱数により構成されるようになっている。これにより、両乱数の更新処理が反復継続されるにしたがって、両乱数の値が1対1の関係となることを防止し、ひいては、後述するサブ利得選択テーブルにおいて、当該両乱数の値に基づいて決定される時短回数或いはラウンド数が、ランダムに選択されるようになっている。
大当り図柄決定用乱数、メイン利得決定用乱数及びサブ利得決定用乱数を用いた、時短回数或いはラウンド数の選択決定処理については、本発明の要部として後で詳述するものとする。図5に戻って、再度メインルーチンについて説明する。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認、普通図柄作動ゲート22の遊技球の通過の確認、及び本実施例のパチンコ機に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
すなわち、当該処理にて、第1ゲート18及び第2ゲート19に関して、遊技球の通過を確認する処理も併せて実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数、これらに加えて、本発明の時短回数やラウンド数を決定するためのサブ利得決定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12を合わせて4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が対応する始動口に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。当否判定処理(S55)では、特別図柄および普通図柄のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。この当否判定処理(S55)に続く不正監視処理(S60)は、一般入賞口25〜27に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けられている。
続く各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド20b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球信号を送信する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が一巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/300である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
始動入賞確認処理(S50の一部)の概要を図6に示す。主制御装置80は、まず始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、更に上述した本発明のサブ利得決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、特別図柄の保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。すなわち、本発明の始動口への入球に起因して数値データとしての大当り決定用乱数を抽出する。
保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を保留記憶として記憶し、特別図柄保留数表示装置23の点灯態様を1増加させる(S110)。なお、特別図柄保留数表示装置23は2個のLEDの点灯または消灯させることにより2進法により保留記憶されている数を表す(ただし保留記憶数が4個の場合は2個のLEDを共に点滅させる)もので、「点灯態様を1増加させる」とは2進法で示される数を1つ増やすという意味である。また、S110では保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信する。こうして当処理を終了(リターン)する。第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S100:no)、又は保留記憶が満杯の場合(S105:yes)、はそのまま当処理を終了する。
S55の当否判定処理の内、特別図柄に係る当否判定などを行なう処理は、図7〜10に示すようなもので、主制御装置80は、条件装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8のS250に移行し、特別図柄の保留記憶(S110による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S250:yes)、保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。S270では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機が高確率遊技状態(確変状態とも言う)であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は10で、7〜16である。つまり当り確率は1/30となる。S270が否定判断された場合(S270:no)は、S280にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。ここで当り値は7のみである。つまり当り確率は1/300となる。
すなわち、S275及びS280は、本発明の始動口への入球に起因して抽出した数値データとしての大当り決定用乱数に基づいて、大当りとするか否かの当否判定を実行する本発明の当否判定手段である。
S275またはS280の判定が行なわれると、S285にて大当りか否かを判定(当否判定)し、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって特図の大当り図柄(単に当り図柄ともいう)を決定する(S290)。こうして大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。なお、S285において外れと判定された場合は、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S305)、ハズレ設定処理(S310)を行なう。なお、S305の変動パターン決定処理で決定した変動パターンに基づいて変動時間が決定するが、当該処理においては、現時点が時短遊技状態であるか否かによって選択される変動パターンが異なるように構成されている。
ここで、本実施例の時短遊技状態について説明する。時短遊技状態では、普通図柄の変動時間が通常遊技状態の場合よりも短時間に変更される。また、普通図柄が当選した場合に開放作動する普通電動役物としての第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長時間に変更される。これにより、単位時間あたりの当りとなる可能性が高まり、通常遊技状態に比較して、遊技者に有利な状態となる。さらに、本実施例では、これに加えて、特別図柄の変動時間も短縮されるように構成されている。時短回数は、このような状態が維持される期間を、特別図柄の変動回数に換算したものである。
次に、S310のハズレ設定処理では、確変回数のデクリメント(確変フラグが1のとき)が行なわれる。また、時短回数のデクリメント処理(時短フラグが1のとき)も行われる。S305及びS310は、本発明の時短遊技状態を所定期間である時短回数だけ実行するための構成であり、本発明の有利遊技状態制御手段を構成する。S300、又はS310に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力する(S315)。なお、S315の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄を設定し、その変動表示を開始するが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。また、特別図柄が変動する際には必ず演出図柄も変動され、且つ演出図柄が変動されるときには特別図柄も変動されるので、これらの図柄が変動することを単に「図柄が変動する」とも言う。S315が終了すると、大当り決定処理を行う。
図7において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図9のS350に移行し、図柄変動時間(S300、又はS305にて設定された変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば本処理を終了して大当り決定処理へ移行し、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから本処理を終了して大当り決定処理へ移行する。
図7において確定図柄を表示中と判定された場合(S210:yes)には、図10のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば本処理を終了して大当り決定処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示終了処理(S405)を行なってから大当りになる組合せか否かを判定する(S410)。肯定判断なら確変フラグが1か否かを判定し(S415)、肯定判断なら(S415:yes)確変フラグを0にし(S420)、S425に移行する。否定判断なら(S415:no)そのまま、S425に移行する。
S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。
S435では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。そしてS445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。
すなわち、S435は、当否判定の結果が大当りとなったことに基づいて条件装置を作動させる、本発明の条件装置作動手段である。
大当り開始演出処理が終了すると、大当り決定処理を行なう。S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450に移行して確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S450:yes)であれば、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S455:yes)、S460にて確変フラグを0にし、S465に進む。確変フラグが1でないとき(S450:no)、または確変回数が0ではないとき(S455:no)は、そのままS465に移行する。
S465では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S470)。時短回数が0であれば(S470:yes)、S475にて時短フラグを0にしてS480に進む。時短回数が0ではないとき(S470:no)又は時短フラグが1でないとき(S465:no)はそのままS480に移行する。
S465、S470、及びS475は、本発明の有利遊技状態としての時短遊技状態を、予め定めた所定期間としての時短回数だけ実行するために機能する構成であって、本発明の有利遊技状態制御手段を構成する。
S480では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、大当り決定処理を実行する。図7のS200で特別電動役物が作動中と判定された場合も大当り決定処理を実行する。
ここで、後述する本発明の大当り決定処理において参照する各種利得選択テーブル等について、図19乃至図21を参照して説明する。図19乃至図21は、主制御装置80が大当り決定処理にて用いる各種利得決定用乱数及び各種選択テーブルを説明する表図1乃至3である。
先ず、図19(a)には、上述したように、本実施例において各種獲得利得(例えば、大当り遊技状態や時短遊技状態)の利得態様(例えば、ラウンド数や時短回数)の多寡を決定するために用いられる大当り図柄決定用乱数、メイン利得決定用乱数、及びサブ利得決定用乱数の構成及び抽出タイミングが示されている。当該説明については、先に行ったため、ここでは割愛する。
図19(b)には、大当り図柄決定用乱数に対応する各種図柄と大当りの種別に関して示されている。大当り図柄決定用バッファには、大当り図柄決定用乱数としての0乃至9までの10個の乱数値が設定されている。さらに、該各乱数値に対応して、特図表示装置9にて表示される大当り図柄、及び演出図柄表示装置6にて表示される装飾図柄、及び当該図柄が表示された場合に実行される大当りの種別が設定されている。
例えば、大当り図柄決定用乱数が「0」の場合、大当り図柄は「図柄0」、装飾図柄は「777」であり、大当り種別は「直撃確変大当り」となっている。因みに、直撃確変大当りの場合は、後述する利得選択フラグや、第1ゲート18或いは第2ゲート19の何れのゲートを遊技球が通過したか否か、に関係なく、大当り遊技状態のラウンド数を16Rとし、時短回数を100回とすることが無条件に決定される大当り種別である。
また、大当り図柄決定用乱数が「1」乃至「9」の場合、大当り図柄は「図柄1」乃至「図柄9」となる。
また、大当り図柄が「図柄1」及び「図柄2」の場合、装飾図柄は「333」となり、「図柄3」及び「図柄4」の場合は「555」となり、「図柄5」乃至「図柄7」の場合は「222」となり、「図柄8」及び「図柄9」の場合は「444」とななる。
さらに、装飾図柄が「333」或いは「555」の場合、大当り種別は当否抽選の抽選確率が高確率である確変大当りとなり、「222」或いは「444」の場合、大当り種別は当否抽選の抽選確率が低確率である通常大当りとなる。
次に、図19(c)を参照して、利得選択フラグが0の場合に用いる各種選択テーブルの種別について説明する。後述する本実施例の「ラウンド数決定ゲーム中」において、遊技球が第1ゲート18を通過した場合、ラウンド数の決定に際しては、大当り図柄が「図柄0」乃至「図柄9」の何れの図柄であっても、ラウンド数選択テーブル00を用いる。同じく時短回数の決定に際しては、大当り図柄が「図柄0」の場合、サブ利得選択テーブル20を用い、大当り図柄が「図柄1」乃至「図柄9」の場合、サブ利得選択テーブル22を用いる。また、遊技球が第2ゲート19を通過した場合、ラウンド数の決定に際しては、大当り図柄が「図柄0」乃至「図柄9」の何れの図柄であっても、ラウンド数選択テーブル01を用いる。同じく時短回数の決定に際しては、大当り図柄が「図柄0」の場合、サブ利得選択テーブル20を用い、大当り図柄が「図柄1」乃至「図柄9」の場合、サブ利得選択テーブル22を用いる。
次に、図19(d)を参照して、利得選択フラグが1の場合に用いる各種選択テーブルの種別について説明する。後述する本発明の「時短回数決定ゲーム中」において、遊技球が第1ゲート18を通過した場合、ラウンド数の決定に際しては、大当り図柄が「図柄0」乃至「図柄9」の何れの図柄であっても、ラウンド数選択テーブル10を用いる。同じく時短回数の決定に際しては、大当り図柄が「図柄0」の場合、サブ利得選択テーブル21を用い、大当り図柄が「図柄1」乃至「図柄9」の場合、サブ利得選択テーブル23を用いる。また、遊技球が第2ゲート19を通過した場合、ラウンド数の決定に際しては、大当り図柄が「図柄0」乃至「図柄9」の何れの図柄であっても、ラウンド数選択テーブル11を用いる。同じく時短回数の決定に際しては、大当り図柄が「図柄0」の場合、サブ利得選択テーブル21を用い、大当り図柄が「図柄1」乃至「図柄9」の場合、サブ利得選択テーブル23を用いる。
次に、上述した各種選択テーブルについて、図20を参照して説明する。
図20(a)には、ラウンド数選択テーブル00の設定内容を示した。図示のとおり、大当り図柄決定用乱数が0の場合にはラウンド数は16ラウンドが選択され、1乃至9の場合には10ラウンドが選択される。
図20(b)には、ラウンド数選択テーブル01の設定内容を示した。図示のとおり、大当り図柄決定用乱数が0の場合には、メイン利得決定用乱数が0乃至9すなわちメイン利得決定用乱数の値に関係なく、ラウンド数は16ラウンドが選択される。また、大当り図柄決定用乱数が1乃至9の場合であって且つ、メイン利得決定用乱数が、0、2、4、6、8の場合には、ラウンド数は4ラウンドが選択される。さらに、大当り図柄決定用乱数が1乃至9の場合であって且つ、メイン利得決定用乱数が、1、3、5、7、9の場合には、ラウンド数は16ラウンドが選択される。
すなわち、利得選択フラグが0つまりラウンド数を選択決定する場合、第1ゲート18を通過した場合に参照されるラウンド数選択テーブル00と、第2ゲート19を通過した場合に参照されるラウンド数選択テーブル01と、を比較すると、利得態様としてのラウンド数の選択率が異なるように構成されている。
便宜上、直撃確変大当りとなる大当り図柄決定用乱数が0の場合を除外して、つまり大当り図柄決定用乱数が1乃至9の場合で詳述する。ラウンド数は、4ラウンド、10ラウンド、及び16ラウンドが設けられている。ラウンド数選択テーブル00において、各ラウンド数の選択率は、4ラウンドが0%、10ラウンドが100%、16ラウンドが0%となる。また、ラウンド数選択テーブル01において、各ラウンド数の選択率は、4ラウンドが50%、10ラウンドが0%、16ラウンドが50%となる。このように、第1ゲート18と第2ゲート19は、遊技球の通過に基づいて決定される大当り遊技状態におけるラウンド数に関して、選択率が各々異なるように構成されている。
また、本実施例では、ラウンド数選択テーブル00とラウンド数選択テーブル01において、大当り図柄決定用乱数が0の場合の16ラウンドを除外すると、双方のテーブルに共通のラウンド数が設定されていないが、これに限らず、双方に共通のラウンド数を設定し、これの選択率を異なるようにしても無論構わない。例えば、ラウンド数選択テーブル01に10ラウンドを付加して設定しても良い。つまり、メイン利得決定用乱数が0、2、4、6の場合は4ラウンド、1と8の場合は10ラウンド、3、5、7、9の場合は16ラウンドと設定する。これにより、ラウンド数選択テーブル00では10ラウンドが選択される選択率は100%であるのに対して、ラウンド数選択テーブル01で10ラウンドが選択される選択率は20%となり、異なる選択率となる。後述する時短回数選択テーブル10、及び11においても、同様の構成を許容するものである。
図20(c)には、時短回数選択テーブル10の設定内容を示した。図示のとおり、大当り図柄決定用乱数が0の場合には時短回数は100回が選択され、1乃至9の場合には50回が選択される。
図20(d)には、時短回数選択テーブル11の設定内容を示した。図示のとおり、大当り図柄決定用乱数が0の場合には、メイン利得決定用乱数が0乃至9すなわちメイン利得決定用乱数の値に関係なく、時短回数は100回が選択される。また、大当り図柄決定用乱数が1乃至9の場合であって且つ、メイン利得決定用乱数が、0、2、4、6、8の場合には、時短回数は10回が選択される。さらに、大当り図柄決定用乱数が1乃至9の場合であって且つ、メイン利得決定用乱数が、1、3、5、7、9の場合には、時短回数は100回が選択される。
すなわち、利得選択フラグが1つまり時短回数を選択決定する場合、第1ゲート18を通過した場合に参照される時短回数選択テーブル10と、第2ゲート19を通過した場合に参照される時短回数選択テーブル11と、を比較すると、利得態様としての時短回数の選択率が異なるように構成されている。
便宜上、直撃確変大当りとなる大当り図柄決定用乱数が0の場合を除外して、つまり大当り図柄決定用乱数が1乃至9の場合で詳述する。時短回数は、10回、50回、及び100回が設けられている。時短回数選択テーブル10において、各時短回数の選択率は、10回が0%、50回が100%、100回が0%となる。また、時短回数選択テーブル11において、各時短回数の選択率は、10回が50%、50回が0%、100回が50%となる。このように、第1ゲート18と第2ゲート19は、遊技球の通過に基づいて決定される大当り遊技状態終了後の時短遊技状態における時短回数に関して、選択率が各々異なるように構成されている。
なお、このように例えば時短回数が50回のように、一方の選択率が0%で、他方の選択率が100%という場合も、本発明の選択率が各々異なる状態に含まれる。
図20(e)には、サブ利得選択テーブル20の設定内容を示した。図示のとおり、大当り図柄決定用乱数が0であり、且つサブ利得決定用乱数が0乃至8の場合には時短回数は100回が選択される。
図20(f)には、サブ利得選択テーブル21の設定内容を示した。図示のとおり、大当り図柄決定用乱数が0であり、且つサブ利得決定用乱数が0乃至8の場合にはラウンド数は16ラウンドが選択される。
図20(g)には、サブ利得選択テーブル22の設定内容を示した。図示のとおり、大当り図柄決定用乱数が1乃至9であり、且つサブ利得決定用乱数が0、3、6の場合には時短回数は10回が選択され、サブ利得決定用乱数が1、4、7の場合には時短回数は50回が選択され、サブ利得決定用乱数が2、5、8の場合には時短回数は100回が選択される。
図20(h)には、サブ利得選択テーブル23の設定内容を示した。図示のとおり、大当り図柄決定用乱数が1乃至9であり、且つサブ利得決定用乱数が0、3、6の場合にはラウンド数は4ラウンドが選択され、サブ利得決定用乱数が1、4、7の場合にはラウンド数は10ラウンドが選択され、サブ利得決定用乱数が2、5、8の場合にはラウンド数は16ラウンドが選択される。
このように、本発明の「ラウンド数決定ゲーム中」や「時短回数決定ゲーム中」には、ラウンド数や時短回数を決定するに際して、各種選択テーブルが予め設定されており、これに基づいてラウンド数や時短回数の振り分けが行われる。当該振り分けの内容を、図21に示した。なお、大当り図柄が「図柄0」の場合には、利得選択フラグ及び遊技球が通過したゲートの種別に拘わらず、ラウンド数は16ラウンドが設定され、時短回数は100回が設定されるようになっている。
図21(a)を参照して、利得選択フラグが0の場合の振り分けについて説明する。本発明の「ラウンド数決定ゲーム中」において、遊技球が第1ゲート18を通過した場合、且つ図柄1乃至図柄9が表示されるとき、何れも選択されるラウンド数は10ラウンドとなる。一方、時短回数は、10回、50回、及び100回が各々約33.3%の割合で振り分けられる。また、「ラウンド数決定ゲーム中」において、遊技球が第2ゲート19を通過した場合、且つ図柄1乃至図柄9が表示されるときのラウンド数は、50%は16ラウンド、50%は4ラウンドが選択される。一方、時短回数は、10回、50回、及び100回が各々約33.3%の割合で振り分けられる。
図21(b)を参照して、利得選択フラグが1の場合の振り分けについて説明する。本発明の「時短回数決定ゲーム中」において、遊技球が第1ゲート18を通過した場合、且つ図柄1乃至図柄9が表示されるとき、何れも選択される時短回数は50回となる。一方、ラウンド数は、4ラウンド、10ラウンド、及び16ラウンドが各々約33.3%の割合で振り分けられる。また、「時短回数決定ゲーム中」において、遊技球が第2ゲート19を通過した場合、且つ図柄1乃至図柄9が表示されるときの時短回数は、50%は100回、50%は10回が選択される。一方、ラウンド数は、4ラウンド、10ラウンド、及び16ラウンドが各々約33.3%の割合で振り分けられる。
このように一般的な弾球遊技機同様、本実施例の大当り遊技状態は、ラウンド数に応じて入賞数ひいては獲得出来る賞球数、つまり本発明の所定利益が異なる複数種類の大当り遊技状態を備えている。また、本実施例の時短遊技状態は、時短回数によって換算された本発明の所定期間が異なる複数種類の時短遊技状態(本発明の有利遊技状態)を備えている。
次に、上述したような各種選択テーブル等を用いることで本発明の獲得利得の利得態様としてのラウンド数や時短回数を決定する本発明の要部である大当り決定処理1について、図11乃至図13を参照して説明する。
図11乃至図13は、本実施例の主制御装置80が実行する大当り決定処理1のフローチャートである。上述したように、主制御装置80は、2msの定時割り込み毎に当該処理を実行する。
先ず、主制御装置80は、S710において、条件装置が作動中であるか否かを判定する。すなわち、S435の条件装置作動開始処理にて条件装置が作動開始されたか、つまり大当りフラグに1が設定されているか否かを判定する。否定判定であれば(S710:no)、本処理を終了し、肯定判定であれば(S710:yes)、S715に処理を移行する。
次に、主制御装置80は、S715において、役物連続作動装置が作動中であるか否かを判定する。すなわち、大当り遊技状態が実行中か否かを判定する。肯定判定であれば(S715:yes)、本処理を終了し、否定判定であれば(S715:no)、S740に処理を移行する。
主制御装置80は、S740において、利得種別変更期間が終了したか否かを判定する。
本実施例の利得種別変更期間は、条件装置が作動したことにより開始し(図17(b)及び(c)を参照。図には「選択期間」と示す)、ラウンド数か時短回数を遊技者が選択可能な期間である。当該選択は、図1にて説明したラウンド数指定ボタン41或いは時短回数指定ボタン43を遊技者が操作することによって、選択可能であり、当該ラウンド数指定ボタン41及び時短回数指定ボタン43は、本発明の操作手段を構成する。
本実施例では、振分装置16による振り分け結果(第1ゲート18或いは第2ゲート19の何れを遊技球が通過したか)に基づいて決定する獲得利得の利得態様を、ラウンド数から時短回数に、或いは時短回数からラウンド数にと、遊技者の操作手段の操作結果に応じて変化(変更)可能に構成している。これにより遊技者は、利得種別変更期間中であれば、獲得利得の種別を任意に変更することが出来る。なお、本実施例では、利得種別変更期間は、例えば10secが設定されている。
主制御装置80は、S740の判定結果が、肯定判定であれば(S740:yes)、S760に処理を移行し、否定判定であれば(S740:no)、S745に処理を移行する。
主制御装置80は、S745において、利得種別変更操作があったか否かを判定する。否定判定であれば(S745:no)、本処理を終了し、肯定判定であれば(S745:yes)、S750に処理を移行する。
主制御装置80は、S750において、ラウンド数指定ボタン41が操作された場合は利得選択フラグに0を設定し、時短回数指定ボタン43が操作された場合には利得選択フラグに1を設定する処理を実行して、本処理を終了する。
主制御装置80は、S760において、振分装置16の振分部材17に係る駆動制御処理を実行し、S765に処理を移行する。
図12を参照して、主制御装置80は、S765において、利得選択フラグが0か否か、すなわち振分装置によって決定する獲得利得の利得態様がラウンド数であるか否か、を判定する。否定判定であれば(S765:no)、S805に処理を移行し、肯定判定であれば(S765:yes)、S770に処理を移行する。
S745、S750、及びS765は、ラウンド数指定ボタン41及び時短回数指定ボタン43の操作に基づいて、第1ゲート18或いは第2ゲート19を遊技球が通過したことにより利得態様が決定される獲得利得の種別を、大当り遊技状態から時短遊技状態へ、また、時短遊技状態から大当り遊技状態へ変更する処理であって、本発明の利得種別変更手段である。
主制御装置80は、S770において、第1ゲートSW18aが遊技球を検知したか否か、を判定する。肯定判定であれば(S770:yes)、S775に処理を移行し、否定判定であれば(S770:no)、S785に処理を移行する。
主制御装置80は、S775において、ラウンド数選択テーブル00(図19(c)、図20(a)参照)に基づいて大当り遊技状態におけるラウンド数を選択する処理を実行し、S780に処理を移行する。
主制御装置80は、S780において、サブ利得選択テーブル20又は22(図19(c)、図20(e)、(g)参照)に基づいて大当り遊技状態終了後の時短回数を選択する処理を実行し、S840に処理を移行する。
すなわち、今回の条件装置作動の契機となった大当り図柄が「図柄0」、すなわち直撃確変大当りの場合にはサブ利得選択テーブル20に基づき、また、大当り図柄が「図柄0」以外の「図柄1」乃至「図柄9」の場合にはサブ利得選択テーブル22に基づいてサブ利得としての時短回数を選択する。
主制御装置80は、S785において、第2ゲートSW19aが遊技球を検知したか否か、を判定する。肯定判定であれば(S785:yes)、S790に処理を移行し、否定判定であれば(S785:no)、本処理を終了する。
主制御装置80は、S790において、メイン利得決定用乱数を抽出する処理を実行し、S795に処理を移行する。
メイン利得決定用乱数は、第2ゲートSW19aの検知信号発生に基づいて抽出されると共に、利得選択フラグが0である当該条件においてメイン利得であるラウンド数を、4ラウンドと16ラウンドの何れとするかを抽選するための乱数である。
主制御装置80は、S795において、ラウンド数選択テーブル01(図19(c)、図20(b)参照)に基づいて大当り遊技状態におけるラウンド数を選択する処理を実行し、S800に処理を移行する。
主制御装置80は、S800において、サブ利得選択テーブル20又は22(図19(c)、図20(e)、(g)参照)に基づいて大当り遊技状態終了後の時短回数を選択する処理を実行し、S840に処理を移行する。
すなわち、今回の条件装置作動の契機となった大当り図柄が「図柄0」、すなわち直撃確変大当りの場合にはサブ利得選択テーブル20に基づき、また、大当り図柄が「図柄0」以外の「図柄1」乃至「図柄9」の場合にはサブ利得選択テーブル22に基づいてサブ利得としての時短回数を選択する。
図13を参照して、主制御装置80は、S765にて否定判定(S765:no)、すなわち利得選択フラグが0では無く1で振分装置16における遊技球の帰趨によって獲得利得の利得態様をラウンド数ではなく時短回数とする場合、S805において、第1ゲートSW18aが遊技球を検知したか否か、を判定する。肯定判定であれば(S805:yes)、S810に処理を移行し、否定判定であれば(S805:no)、S820に処理を移行する。
主制御装置80は、S810において、時短回数選択テーブル10(図19(d)、図20(c)参照)に基づいて大当り遊技状態終了後における時短回数を選択する処理を実行し、S815に処理を移行する。
主制御装置80は、S815において、サブ利得選択テーブル21又は23(図19(d)、図20(f)、(h)参照)に基づいて大当り遊技状態におけるラウンド数を選択する処理を実行し、S840に処理を移行する。
すなわち、今回の条件装置作動の契機となった大当り図柄が「図柄0」、すなわち直撃確変大当りの場合にはサブ利得選択テーブル21に基づき、また、大当り図柄が「図柄0」以外の「図柄1」乃至「図柄9」の場合にはサブ利得選択テーブル23に基づいてサブ利得としてのラウンド数を選択する。
主制御装置80は、S820において、第2ゲートSW19aが遊技球を検知したか否か、を判定する。肯定判定であれば(S820:yes)、S825に処理を移行し、否定判定であれば(S820:no)、本処理を終了する。
主制御装置80は、S825において、メイン利得決定用乱数を抽出する処理を実行し、S830に処理を移行する。
メイン利得決定用乱数は、第2ゲートSW19aの検知信号発生に基づいて抽出されると共に、利得選択フラグが1である当該条件においてメイン利得である時短回数を、10回と100回の何れとするかを抽選するための乱数である。
主制御装置80は、S830において、時短回数選択テーブル11(図19(d)、図20(d)参照)に基づいて大当り遊技状態終了後における時短回数を選択する処理を実行し、S835に処理を移行する。
主制御装置80は、S835において、サブ利得選択テーブル21又は23(図19(d)、図20(f)、(h)参照)に基づいて大当り遊技状態におけるラウンド数を選択する処理を実行し、S840に処理を移行する。
すなわち、今回の条件装置作動の契機となった大当り図柄が「図柄0」、すなわち直撃確変大当りの場合にはサブ利得選択テーブル21に基づき、また、大当り図柄が「図柄0」以外の「図柄1」乃至「図柄9」の場合にはサブ利得選択テーブル23に基づいてサブ利得としてのラウンド数を選択する。
図12に戻って、主制御装置80は、S840において、ラウンド数及び時短回数を設定する処理を実行し、S845に処理を移行する。すなわち、上述したS775、S780、S795、S800、S810、S815、S830、或いはS835において選択したラウンド数或いは時短回数を所定の記憶バッファに記憶設定する。
主制御装置80は、S845において、役物連続作動装置の作動を開始する処理を実行し、本処理を終了して、特別遊技処理に移行する。
S845は、第1ゲート18或いは第2ゲート19を遊技球が通過したときに、役物連続作動装置の作動を開始する、本発明の役物連続作動手段である。
このように本実施例の大当り決定処理においては、大当り図柄が表示されることで条件装置が作動を開始すると、遊技者の操作手段の操作に基づいて、大当り遊技状態(の利得態様であるラウンド数)か、時短遊技状態(の利得態様である時短回数)を変更設定し、該変更設定された結果と、すなわち大当り遊技状態或いは時短遊技状態かと、第1ゲート18或いは第2ゲート19の何れを遊技球が通過したかの結果に基づいて、大当り遊技状態が変更設定されているならばラウンド数を、また時短遊技状態が変更設定されているならば時短回数を、選択する構成となっている。換言すれば、遊技者の操作によって変化(決定)した獲得利得について、該獲得利得の利得態様の多寡を、振分装置16における遊技球の帰趨に基づいて決定するようになっている。
次に、大当り決定処理に続いて実行する特別遊技処理について説明する。
特別遊技処理の概要は図14〜16のようになっており、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口20が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口20の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口20が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって当処理を終了(リターン)する。大当り開始演出時間が経過していない場合は(S520:no)、そのまま当処理を終了する。
S505で大入賞口20が開放中であると判定された場合は、図15のS550に進み、大入賞口20に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。なお、大当り決定処理にて開放されたシャッターは、大当り遊技中も開放されたままとなり、開放された側のゲートを通過して出口16bから流出した遊技球が大入賞口20に向かう。また、シャッターが開放されなかった側の保留部からあふれ出た遊技球も大入賞口20に入賞する可能性がある。大入賞口20に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。このように大入賞口20が閉鎖されることとなる大入賞口20への入球数(ここでは10個)を規定数という。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口20に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口20の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、各ラウンドの最大開放時間は29秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
図14のS510でインターバル中であると判定された場合は、図15のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口20が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口20を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口20を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図14のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図16のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そしてS615にて大当り終了後に確変状態に移行するか否かを判定し、肯定判断(S615:yes)なら確変回数設定処理(S620)を行なう。ここでは確変回数として10000回が設定される。そして確変フラグに1をセット(S625)し、S630に移行する。S615が否定判断の場合は、そのままS630に移行する。S630では大当り終了後に時短状態(時短遊技状態とも呼称する)に移行するか否かを判定する。肯定判断の場合(S630:yes)はS635に移行し、時短回数設定処理を行なう。そして時短フラグに1をセット(S640)し、S645に移行する。S630が否定判断された場合は、そのままS645に移行する。
このように、S630、S635、及びS640の処理によって、大当り遊技状態の終了後には、設定された時短回数(本発明の所定期間)に亘って、時短遊技状態が実行される。時短遊技状態は、上述したように、通常遊技状態と比較して、遊技者に有利な遊技状態である。したがって、S630、S635、及びS640の処理は、本発明の有利遊技状態制御手段を構成する。
なお、このような有利な遊技状態が発生することは、遊技者にとって利得である。したがって、大当り遊技状態と併せて、時短遊技状態は、本発明の獲得利得である。そして、大当り遊技状態において、ラウンド数は利得の多寡(有り様)を示す本発明の利得態様であり、同じく時短遊技状態において、時短回数が利得の多寡(有り様)を示す本発明の利得態様である。
そして、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S645)、状態指定コマンド送信処理を実行(S650)し、特別遊技処理を終了(リターン)する。状態指定コマンド送信処理(S650)の内容は、S480の処理と同様であるが、S650では特に、振分フラグを0にし、稼動されたシャッター(第1シャッター47又は第2シャッター48)を閉鎖する処理(具体的には、対応する第1シャッターソレノイド47b又は第2シャッターソレノイド48bを制御)も行なう。S600にて大当り終了演出時間が経過していないと判断された場合には、そのまま特別遊技処理を終了する。図14で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)も特別遊技処理を終了する。
すなわち、本実施例の特別遊技処理は、条件装置が作動した後で役物連続作動装置が作動したことに基づいて大入賞口を複数回だけ開放して予め定められた所定利益を遊技者に供与する大当り遊技状態とする大当り遊技制御手段である。
続いて、図17及び図18を参照して、本実施例の大当り決定処理実行時における演出表示態様について説明する。図17及び図18は、本実施例のサブ統合制御装置83が、大当り決定処理時に演出図柄表示装置6において実行する画像表示の表示態様図である。
特別図柄の変動表示が、大当りを示唆する何れかの大当り図柄で確定表示されるのに伴って、演出図柄表示装置6では前記大当り図柄に対応して装飾図柄が確定表示される。図17(a)では、装飾図柄「333」が確定表示されると共に「確変大当り!!」の報知表示が為される。当該状態は、大当り図柄として「図柄1」又は「図柄2」(図19(b)参照)が選択されて確定表示された状態を示している。なお、このときS435において条件装置の作動が開始されており、大当り遊技状態の開始条件は、役物連続作動装置の作動開始を待って成立する状態である。
図17(b)のように、大当り決定処理1が開始されると、先ず利得種別変更期間(選択期間と図示)が開始され、獲得利得の利得態様であるラウンド数と時短回数の何れかを遊技者が選択可能となる。演出図柄表示装置6には、現時点が利得種別変更期間である旨を明示する「選択期間中」が表示される。また、本発明の操作手段としてのラウンド数指定ボタン41及び時短回数指定ボタン43が表示され、さらに「ラウンド数か、時短回数を選んでね」という表示によって何れかのボタンを操作することを促進する。
遊技者の操作によって、例えばラウンド数が選択され、S740の判定処理にて利得種別変更期間が終了したと判定されると、図17(c)に示す態様の表示となる。すなわち、演出図柄表示装置6には、利得種別変更期間が終了した旨を明示する「選択期間終了」が表示される。また、選択操作結果の内容を、「ラウンド数に決定!!」と報知すると共に、併せてラウンド数指定ボタン41を点滅表示することで選択操作された操作手段であることを明示する。
遊技者の操作によって、例えばラウンド数が選択され、S740の判定処理にて利得種別変更期間が終了したと判定されると、図17(c)に示す態様の表示となる。すなわち、演出図柄表示装置6には、利得種別変更期間が終了した旨を明示する「選択期間終了」が表示される。また、選択操作結果の内容を、「ラウンド数に決定!!」と報知すると共に、併せてラウンド数指定ボタン41を点滅表示することで選択操作された操作手段であることを明示する。なお、このとき、S750にて利得選択フラグに0が設定されている状態である。
利得種別変更期間が終了すると、S760にて振分装置制御処理が実行され、振分部材17が各々一定間隔で右振分態様、及び左振分態様に変化する。当該状態では、図17(d)に示すように、獲得利得の利得態様がラウンド数に決定されているため、「ラウンド数決定ゲーム中」であることが報知される。また、獲得利得の利得態様(ラウンド数)を任意に選択可能とするために、第1ゲート18への振分ルートを明示した振分装置16の図を表示している。併せて、第1ゲート18を遊技球が通過した場合に獲得できるラウンド数が10ラウンドである旨を「今なら10RGETで安心」というコメント表示により報知している。これにより、現時点が如何なる振分態様であるかを遊技者が一目瞭然に判断可能としている。本実施例では、当該左振分態様に制御される期間に振分部材16に入球させれば、遊技球を第1ゲート18に通過させることが出来、16ラウンドほど多くはないが、4ラウンドほど少なくもない、中庸な程度の10ラウンドを確実に獲得可能となっている。
上述した図17(d)の左振分態様が例えば5sec維持された後、右振分態様に切換わると、図17(e)の表示態様となる。図17(d)と同様に、現時点が如何なる振分態様であるかを遊技者が一目瞭然に判断可能とするために、「ラウンド数決定ゲーム中」であることが報知され、第2ゲート19への振分ルートを明示した振分装置16の図を表示している。併せて、第2ゲート19を遊技球が通過した場合に獲得できるラウンド数が、抽選により4ラウンド或いは16ラウンドとなる旨を「今なら4Ror16の勝負!!」というコメント表示により報知している。本実施例では、当該右振分態様に制御される期間に振分部材16に入球させれば、遊技球を第2ゲート19に通過させることが出来る。この場合、第2ゲート19を遊技球が通過したときに抽出する(S790)メイン利得決定用乱数に基づいて、抽選(図20(b)参照)により16ラウンド或いは4ラウンドの何れかのラウンド数が決定される。
図17(e)に示すラウンド数決定ゲーム中に第2ゲート19を遊技球が通過すると、上述した抽選によってラウンド数が決定され(S795)、併せて時短回数が決定されると(S800)、例えば図17(f)に示すような表示が実行される。
この場合は、抽選によりラウンド数が16ラウンドに決定され、時短回数は100回となった旨の報知が行われると共に役物連続作動装置が作動して大当り遊技状態が開始する旨の「大当たりスタート」の表示も行われる。
次に、利得種別変更期間中に時短回数を選択した場合の表示態様例を、図18(a)に示す。すなわち、演出図柄表示装置6には、利得種別変更期間が終了した旨を明示する「選択期間終了」が表示される。また、選択操作結果の内容を、「時短回数に決定!!」と報知すると共に、併せて時短回数指定ボタン43を点滅表示することで選択操作された操作手段であることを明示する。なお、このとき、S750にて利得選択フラグに1が設定されている状態である。
利得種別変更期間が終了すると、S760にて振分装置制御処理が実行され、振分部材17が各々一定間隔で右振分態様、及び左振分態様に変化する。当該状態では、図18(b)に示すように、獲得利得の利得態様が時短回数に決定されているため、「時短回数決定ゲーム中」であることが報知される。また、獲得利得の利得態様(時短回数)を任意に選択可能とするために、第1ゲート18への振分ルートを明示した振分装置16の図を表示している。併せて、第1ゲート18を遊技球が通過した場合に獲得できる時短回数が50回である旨を「今なら時短50回GETで安心」というコメント表示により報知している。これにより、現時点が如何なる振分態様であるかを遊技者が一目瞭然に判断可能としている。本実施例では、当該左振分態様に制御される期間に振分部材16に入球させれば、遊技球を第1ゲート18に通過させることが出来、100回ほど多くはないが、10回ほど少なくもない、中庸な程度の50回を確実に獲得可能となっている。
上述した図18(b)の左振分態様が例えば5sec維持された後、右振分態様に切換わると、図18(c)の表示態様となる。図18(b)と同様に、現時点が如何なる振分態様であるかを遊技者が一目瞭然に判断可能とするために、「時短回数決定ゲーム中」であることが報知され、第2ゲート19への振分ルートを明示した振分装置16の図を表示している。併せて、第2ゲート19を遊技球が通過した場合に獲得できる時短回数が、抽選により10回或いは100回となる旨を「今なら時短10回or100回の勝負!!」というコメント表示により報知している。本実施例では、当該右振分態様に制御される期間に振分部材16に入球させれば、遊技球を第2ゲート19に通過させることが出来る。この場合、第2ゲート19を遊技球が通過したときに抽出する(S825)メイン利得決定用乱数に基づいて、抽選(図20(d)参照)により100回或いは10回の何れかの時短回数が決定される。
図18(c)に示す時短回数決定ゲーム中に第2ゲート19を遊技球が通過すると、上述した抽選によって時短回数が決定され(S830)、併せてラウンド数が決定されると(S835)、例えば図18(d)に示すような表示が実行される。
この場合は、抽選により時短回数が10回に決定され、ラウンド数は16ラウンドとなった旨の報知が行われると共に役物連続作動装置が作動して大当り遊技状態が開始する旨の「大当たりスタート」の表示も行われる。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について図22〜25を用いて説明する。なお、以下の説明では、第1実施例との相違点を主として説明し、共通の構成及び作用等については適宜割愛するものとする。詳しくは、両実施例が大当り決定処理において大きく相違するため、図22乃至図24を参照して本実施例の大当り決定処理2を説明し、当該大当り決定処理2を実行する際の表示態様について図25を参照して説明するものとする。
先ず、端的に相違点を説明すると、第1実施例は、振分装置16における遊技球の帰趨により利得態様(ラウンド数或いは時短回数)の多寡を決定する獲得利得の種別(大当り遊技状態或いは時短遊技状態)に係る変化(変更)を遊技者の操作手段の操作に基づいて実行する構成となっていた。これに対して、第2実施例では、第1実施例の構成に加えて、前記獲得利得の種別に係る変化(変更)を、予め定められた所定時間が経過したことに基づいて、実行する構成を備えている点において相違する。詳述すると、前記所定時間に到達したことに起因して、獲得利得の種別を時短遊技状態から大当り遊技状態に変更するよう制御する。大当り遊技状態に獲得利得を変更することで、獲得利得の利得態様は時短回数からラウンド数に変更されるよう構成されている。以下、図22乃至図24を参照して、具体的な制御の流れを説明する。
図22乃至図24は、第2実施例における主制御装置80が実行する大当り決定処理2のフローチャートである。
主制御装置80は、先ず、S1700において、所定時間が経過したか否かを判定する。肯定判定であれば(S1700:yes)、S1705に処理を移行し、否定判定であれば(S1700:no)、S1710に処理を移行する。
本実施例では、所定時間は遊技店の営業開始から起算して予定される営業終了する時刻の15min前の時刻までの時間となっている。例えば、午前9時から午後10時45分まで営業する遊技店において、午前8時に電源を立ち上げるとして、閉店の15min前の午後10時30分までの時間、すなわち14時間30分を所定時間とする。本実施例では、図示しないが、電源投入時から起動する計時タイマを備え、該計時タイマにより14時間30分に到達するか否かを、S1700で判定する。要するに、大当り遊技状態終了後の時短遊技状態を消化するにあたり、時間的に充分な余裕があるとは言い難い、閉店間際のタイミングとなったか否かの判定を行うものである。
主制御装置80は、所定時間が経過したと判断したとき、S1705において、利得種別固定フラグに1を設定して、S1710に処理を移行する。
利得種別固定フラグは、1が設定されることによって、所定時間経過後に条件装置が作動した場合に、振分装置16によって決定する獲得利得の利得態様を、大当り遊技状態のラウンド数に固定するためのフラグである。なお、利得種別固定フラグは、電源遮断時或いは電源投入直後において0に設定するように構成される。
次いで、主制御装置80は、S1710において、条件装置が作動中であるか否かを判定する。すなわち、S435の条件装置作動開始処理にて条件装置が作動開始されたか、つまり大当りフラグに1が設定されているか否かを判定する。否定判定であれば(S1710:no)、本処理を終了し、肯定判定であれば(S1710:yes)、S1715に処理を移行する。
次に、主制御装置80は、S1715において、役物連続作動装置が作動中であるか否かを判定する。すなわち、大当り遊技状態が実行中か否かを判定する。肯定判定であれば(S1715:yes)、本処理を終了し、否定判定であれば(S1715:no)、S1720に処理を移行する。
主制御装置80は、S1720において、利得種別固定フラグが1であるか否かを判定する。すなわち、当該条件装置の作動以前に所定時間が経過したか否かを判定する。換言すれば、当該大当りが所定時間を経過してから発生した閉店間際の大当りであるか否かを判定する。肯定判定であれば(S1720:yes)、S1730に処理を移行し、否定判定であれば(S1720:no)、S1725に処理を移行する。
主制御装置80は、S1725において、利得種別変更フラグに1を設定して、S1730に処理を移行する。すなわち、条件装置が作動したタイミングで所定時間が経過していなければ利得種別変更フラグに1が設定される。
利得種別変更フラグは、1が設定されることで、条件装置が作動したタイミングで所定時間が経過していない限り、それ以降に所定時間が経過して利得種別固定フラグに1が設定されたとしても、これに優先して遊技者に因る任意の利得種別変更を有効とするためのフラグである。
主制御装置80は、S1730において、利得種別変更フラグが1であるか否かを判定する。肯定判定であれば(S1730:yes)、すなわち遊技者の操作に因り獲得利得の利得態様を変更するならば、S1740に処理を移行し、否定判定であれば(S1730:no)、すなわち所定時間の経過により獲得利得の利得態様を大当り遊技状態のラウンド数に固定するならば、S1735に処理を移行する。なお、肯定判定であれば(S1730:yes)、利得種別変更期間を開始する処理を行う。
主制御装置80は、S1735において、利得種別固定報知処理(図25(b)参照)を実行して、S1755に処理を移行する。なお、当該S1735において、獲得利得の利得態様を大当り遊技状態のラウンド数に固定するため、利得選択フラグに0を設定する処理を併せて行う。
主制御装置80は、S1740において、利得種別変更期間が終了したか否かを判定する。
本実施例の利得種別変更期間は、条件装置が作動したことにより開始し(図17(b)及び(c)を参照。図には「選択期間」と示す)、ラウンド数か時短回数を遊技者が選択可能な期間である。当該選択は、図1にて説明したラウンド数指定ボタン41或いは時短回数指定ボタン43を遊技者が操作することによって、選択可能である。
本実施例では、振分装置16による振り分け結果(第1ゲート18或いは第2ゲート19の何れを遊技球が通過したか)に基づいて決定する獲得利得の利得態様を、ラウンド数から時短回数に、或いは時短回数からラウンド数にと、遊技者の操作手段の操作結果に応じて変化(変更)可能に構成している。これにより遊技者は、利得種別変更期間中であれば、獲得利得の利得態様を任意に変更することが出来る。なお、本実施例では、利得種別変更期間は、例えば10secが設定されている。
主制御装置80は、S1740の判定結果が、肯定判定であれば(S1740:yes)、S1755に処理を移行し、否定判定であれば(S1740:no)、S1745に処理を移行する。
主制御装置80は、S1745において、利得種別変更操作があったか否かを判定する。否定判定であれば(S1745:no)、本処理を終了し、肯定判定であれば(S1745:yes)、S1750に処理を移行する。
主制御装置80は、S1750において、ラウンド数指定ボタン41が操作された場合は利得選択フラグに0を設定し、時短回数指定ボタン43が操作された場合には利得選択フラグに1を設定する処理を実行して、本処理を終了する。
主制御装置80は、S1755において、振分装置16の振分開始時刻が到来したか否かを判定する。否定判定であれば(S1755:no)、本処理を終了し、肯定判定であれば(S1755:yes)、S1760に処理を移行する。
主制御装置80は、S1760において、振分装置16の振分部材17に係る駆動制御処理を実行し、S1765に処理を移行する。
図23を参照して、主制御装置80は、S1765において、利得選択フラグが0か否か、すなわち振分装置によって決定する獲得利得の利得態様がラウンド数であるか否か、を判定する。否定判定であれば(S1765:no)、S1805に処理を移行し、肯定判定であれば(S1765:yes)、S1770に処理を移行する。
主制御装置80は、S1770において、第1ゲートSW18aが遊技球を検知したか否か、を判定する。肯定判定であれば(S1770:yes)、S1775に処理を移行し、否定判定であれば(S1770:no)、S1785に処理を移行する。
主制御装置80は、S1775において、ラウンド数選択テーブル00(図19(c)、図20(a)参照)に基づいて大当り遊技状態におけるラウンド数を選択する処理を実行し、S1780に処理を移行する。
主制御装置80は、S1780において、サブ利得選択テーブル20又は22(図19(c)、図20(e)、(g)参照)に基づいて大当り遊技状態終了後の時短回数を選択する処理を実行し、S1840に処理を移行する。
すなわち、今回の条件装置作動の契機となった大当り図柄が「図柄0」、すなわち直撃確変大当りの場合にはサブ利得選択テーブル20に基づき、また、大当り図柄が「図柄0」以外の「図柄1」乃至「図柄9」の場合にはサブ利得選択テーブル22に基づいてサブ利得としての時短回数を選択する。
主制御装置80は、S1785において、第2ゲートSW19aが遊技球を検知したか否か、を判定する。肯定判定であれば(S1785:yes)、S1790に処理を移行し、否定判定であれば(S1785:no)、本処理を終了する。
主制御装置80は、S1790において、メイン利得決定用乱数を抽出する処理を実行し、S1795に処理を移行する。
メイン利得決定用乱数は、第2ゲートSW19aの検知信号発生に基づいて抽出されると共に、利得選択フラグが0である当該条件においてメイン利得であるラウンド数を、4ラウンドと16ラウンドの何れとするかを抽選するための乱数である。
主制御装置80は、S1795において、ラウンド数選択テーブル01(図19(c)、図20(b)参照)に基づいて大当り遊技状態におけるラウンド数を選択する処理を実行し、S1800に処理を移行する。
主制御装置80は、S1800において、サブ利得選択テーブル20又は22(図19(c)、図20(e)、(g)参照)に基づいて大当り遊技状態終了後の時短回数を選択する処理を実行し、S1840に処理を移行する。
すなわち、今回の条件装置作動の契機となった大当り図柄が「図柄0」、すなわち直撃確変大当りの場合にはサブ利得選択テーブル20に基づき、また、大当り図柄が「図柄0」以外の「図柄1」乃至「図柄9」の場合にはサブ利得選択テーブル22に基づいてサブ利得としての時短回数を選択する。
図24を参照して、主制御装置80は、S1765にて否定判定(S1765:no)、すなわち利得選択フラグが0では無く1で振分装置16における遊技球の帰趨によって獲得利得の利得態様をラウンド数ではなく時短回数とする場合、S1805において、第1ゲートSW18aが遊技球を検知したか否か、を判定する。肯定判定であれば(S1805:yes)、S1810に処理を移行し、否定判定であれば(S1805:no)、S1820に処理を移行する。
主制御装置80は、S1810において、時短回数選択テーブル10(図19(d)、図20(c)参照)に基づいて大当り遊技状態終了後における時短回数を選択する処理を実行し、S1815に処理を移行する。
主制御装置80は、S1815において、サブ利得選択テーブル21又は23(図19(d)、図20(f)、(h)参照)に基づいて大当り遊技状態におけるラウンド数を選択する処理を実行し、S1840に処理を移行する。
すなわち、今回の条件装置作動の契機となった大当り図柄が「図柄0」、すなわち直撃確変大当りの場合にはサブ利得選択テーブル21に基づき、また、大当り図柄が「図柄0」以外の「図柄1」乃至「図柄9」の場合にはサブ利得選択テーブル23に基づいてサブ利得としてのラウンド数を選択する。
主制御装置80は、S1820において、第2ゲートSW19aが遊技球を検知したか否か、を判定する。肯定判定であれば(S1820:yes)、S1825に処理を移行し、否定判定であれば(S1820:no)、本処理を終了する。
主制御装置80は、S1825において、メイン利得決定用乱数を抽出する処理を実行し、S1830に処理を移行する。
メイン利得決定用乱数は、第2ゲートSW19aの検知信号発生に基づいて抽出されると共に、利得選択フラグが1である当該条件においてメイン利得である時短回数を、10回と100回の何れとするかを抽選するための乱数である。
主制御装置80は、S1830において、時短回数選択テーブル11(図19(d)、図20(d)参照)に基づいて大当り遊技状態終了後における時短回数を選択する処理を実行し、S1835に処理を移行する。
主制御装置80は、S1835において、サブ利得選択テーブル21又は23(図19(d)、図20(f)、(h)参照)に基づいて大当り遊技状態におけるラウンド数を選択する処理を実行し、S1840に処理を移行する。
すなわち、今回の条件装置作動の契機となった大当り図柄が「図柄0」、すなわち直撃確変大当りの場合にはサブ利得選択テーブル21に基づき、また、大当り図柄が「図柄0」以外の「図柄1」乃至「図柄9」の場合にはサブ利得選択テーブル23に基づいてサブ利得としてのラウンド数を選択する。
図23に戻って、主制御装置80は、S1840において、ラウンド数及び時短回数を設定する処理を実行し、S1845に処理を移行する。すなわち、上述したS1775、S1780、S1795、S1800、S1810、S1815、S1830、或いはS1835において選択したラウンド数或いは時短回数を所定の記憶バッファに記憶設定する。
主制御装置80は、S1845において、役物連続作動装置の作動を開始する処理を実行し、S1850に処理を移行する。
S1845は、第1ゲート18或いは第2ゲート19を遊技球が通過したときに、役物連続作動装置の作動を開始する、本発明の役物連続作動手段である。
主制御装置80は、S1850において、S1725で1に設定した利得種別変更フラグに0を設定して、本処理を終了し、特別遊技処理に移行する。
続いて、図25を参照して、本実施例の大当り決定処理2実行時における演出表示態様について説明する。図25は、本実施例のサブ統合制御装置83が、大当り決定処理時に演出図柄表示装置6において実行する画像表示の表示態様図である。なお、当該図では、本実施例の特徴であるところの、所定時間経過によって獲得利得の利得態様がラウンド数に固定された場合の表示態様について示した。
第1実施例と同様に、特別図柄の変動表示が、大当りを示唆する何れかの大当り図柄で確定表示されるのに伴って、演出図柄表示装置6では前記大当り図柄に対応して装飾図柄が確定表示される。図25(a)では、装飾図柄「333」が確定表示されると共に「確変大当り!!」の報知表示が為される。当該状態は、大当り図柄として「図柄1」又は「図柄2」(図19(b)参照)が選択されて確定表示された状態を示している。なお、このときS435において条件装置の作動が開始されており、大当り遊技状態の開始条件は、役物連続作動装置の作動開始を待って成立する状態である。
当該条件装置の作動以前において、S1700にて肯定判定すなわち所定時間が経過したと判定された場合の表示態様例を、図25(b)に示す。
本実施例では、利得種別固定フラグに1が設定されると、利得種別変更期間が開始されず、且つ利得種別固定報知が行われる。図示したように、「選択不能」と表示することで利得種別変更期間が開始されない旨、また、「閉店が近づいているのでラウンド数に固定します」の表示により獲得利得の利得態様をラウンド数に固定する旨を報知している。加えて、ラウンド数指定ボタン41を点滅表示することで獲得利得の利得態様をラウンド数に固定したことを明示する。
このようにして、獲得利得の利得態様をラウンド数に固定され、S1755にて振分開始時間に到達したと判定されると、「ラウンド数決定ゲーム」が開始される。図25(c)及び(d)は、ラウンド数決定ゲーム中の表示態様例であり、図25(e)はラウンド数決定ゲーム終了後の表示態様例である。
振分開始時間に到達すると、S1760にて振分装置制御処理が実行され、振分部材17が各々一定間隔で右振分態様、及び左振分態様に変化する。当該状態では、図25(c)に示すように、獲得利得の利得態様がラウンド数に固定されているため、「ラウンド数決定ゲーム中」であることが報知される。また、獲得利得の利得態様(ラウンド数)を任意に選択可能とするために、第1ゲート18への振分ルートを明示した振分装置16の図を表示している。併せて、第1ゲート18を遊技球が通過した場合に獲得できるラウンド数が10ラウンドである旨を「今なら10RGETで安心」というコメント表示により報知している。これにより、現時点が如何なる振分態様であるかを遊技者が一目瞭然に判断可能としている。本実施例では、当該左振分態様に制御される期間に振分部材16に入球させれば、遊技球を第1ゲート18に通過させることが出来、16ラウンドほど多くはないが、4ラウンドほど少なくもない、中庸な程度の10ラウンドを確実に獲得可能となっている。
上述した図25(c)の左振分態様が例えば5sec維持された後、右振分態様に切換わると、図25(d)の表示態様となる。図25(c)と同様に、現時点が如何なる振分態様であるかを遊技者が一目瞭然に判断可能とするために、「ラウンド数決定ゲーム中」であることが報知され、第2ゲート19への振分ルートを明示した振分装置16の図を表示している。併せて、第2ゲート19を遊技球が通過した場合に獲得できるラウンド数が、抽選により4ラウンド或いは16ラウンドとなる旨を「今なら4Ror16の勝負!!」というコメント表示により報知している。本実施例では、当該右振分態様に制御される期間に振分部材16に入球させれば、遊技球を第2ゲート19に通過させることが出来る。この場合、第2ゲート19を遊技球が通過したときに抽出する(S1790)メイン利得決定用乱数に基づいて、抽選(図20(b)参照)により16ラウンド或いは4ラウンドの何れかのラウンド数が決定される。
図25(d)に示すラウンド数決定ゲーム中に第2ゲート19を遊技球が通過すると、上述した抽選によってラウンド数が決定され(S1795)、併せて時短回数が決定されると(S1800)、例えば図25(e)に示すような表示が実行される。
この場合は、抽選によりラウンド数が16ラウンドに決定され、時短回数は100回となった旨の報知が行われると共に役物連続作動装置が作動して大当り遊技状態が開始する旨の「大当たりスタート」の表示も行われる。
このように本実施例では、所定時間が経過した以後に条件装置が作動した、すなわち閉店間際に大当り図柄が確定表示された場合、獲得利得の利得態様をラウンド数に固定することで、残り時間の少ない状況において、今から実行される大当たり遊技状態の利得態様(ラウンド数)を選択させるようにする。これにより、獲得利得の利得態様として、ラウンド数及び時短回数を備えつつも、遊技者の不利益となる可能性のある条件下においては、遊技者の嗜好よりも利益を優先した処理を実行可能とすることが出来る。
以上、本発明に係る実施例を説明してきたが、本発明の技術思想から逸脱しない限り、これに限定することはない。
例えば、上述した実施例では、遊技球の通過に基づいて決定される獲得利得の利得態様に係る選択率が各々異なる第1所定領域と第2所定領域を備えた振分装置を設けて、何れの所定領域を遊技球が通過したかに基づいて獲得利得の利得態様が決定される構成を例示した。すなわち、獲得利得の種別が例えば大当り遊技状態に設定されているとき、第1ゲート18を遊技球が通過すれば利得態様が10ラウンドに、また、第2ゲート19を遊技球が通過すれば利得態様が4ラウンド或いは16ラウンドの何れかに抽選されて決定され、要するに振分装置6の振分結果に起因するものを例示した。しかし、これの他の構成として、遊技者が操作可能な操作ボタン等の選択操作手段を備えて、該選択操作手段の操作結果に基づいて、利得態様を10ラウンドとするか、又は、抽選に因って4ラウンド或いは16ラウンドの何れかとするか、を選択可能な構成としても良い。これにより、狭隘な遊技領域を振分装置の設置領域として充当する必要や、振分制御等の制御負担もなくなる。また、遊技者の選択意思の反映が確実に行える。
なお、上述した実施例における振分手段としての振分部材17は、主制御装置80が実行する振分装置制御処理により、遊技者の意思の及ばない状態で、駆動制御される構成を例示した。しかし、これに限らず、例えば遊技者が操作することで、振分部材を任意の振分態様とすることが可能な振分態様操作手段(ボタン)を備えて、該操作結果に基づいて振分部材17を駆動制御するものでも良い。このように構成することによって、遊技者は振分部材の振分態様が任意の状態となるのを待たずに、自由なタイミングで任意の振分態様に設定することが出来、一層、遊技者の意思を介入させるに資する。
[特許請求の範囲との対応]
第1始動口11及び第2始動口12は、始動口に相当する。
主制御装置80は、主制御手段に相当する。
S275及びS280は、当否判定手段に相当する。
S435は、条件装置作動手段に相当する。
特別遊技処理が、大当り遊技制御手段に相当する。
S305、S310、S465、S470、S475、S630、S635、及びS640が、有利遊技状態制御手段に相当する。
S845、及びS1845は、役物連続作動手段に相当する。
S745、S750、及びS765は、利得種別変更手段に相当する。
大当り遊技状態或いは時短遊技状態が、獲得利得に相当する。
振分部材17が、振分手段に相当する。
第1ゲート18が第1所定領域に、第2ゲート19が第2所定領域に相当する。
ラウンド数指定ボタン41及び時短回数指定ボタン43が、操作手段に相当する。