JP6056987B2 - 金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法 - Google Patents
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Description
本発明は、陽極と基材との間に電圧を印加して、固体電解質膜の内部に含有された金属イオンから金属を基材の表面に析出させることにより、好適に金属皮膜を成膜することができる金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法に関する。
従来から、電子回路基材などを製造する際には、ニッケル回路パターンを形成すべく、基材の表面にニッケル皮膜が成膜される。たとえば、このような金属皮膜の成膜技術として、Siなどの半導体基材の表面に、無電解めっき処理などのめっき処理により金属皮膜を成膜したり、スパッタリングなどのPVD法により金属皮膜を成膜したりする成膜技術が提案されている。
しかしながら、無電解めっき処理などのめっき処理を行なった場合には、めっき処理後の水洗が必要であり、水洗された廃液を処理する必要があった。また、スパッタリングなどのPVD法により基材表面に成膜を行った場合には、被覆された金属皮膜に内部応力が生じるため、膜厚を厚膜化するには制限があり、特に、スパッタリングの場合には、高真空化でしか、成膜できない場合があった。
このような点を鑑みて、例えば、図6(a)に示すように、陽極91と、陰極となる基材Bと、陽極91と基材(陰極)Bとの間に配置される固体電解質膜93と、陽極91と基材Bとの間に電圧を印加する電源部94とを備えた金属皮膜の成膜装置9が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ここで、上述した成膜装置9の陽極91は、金属イオンが透過可能な多孔質体からなる。陽極91に多孔質体を用いることにより、成膜時において金属イオンを含む溶液Lを陽極91に透過させ、固体電解質膜93に常時供給することができる。さらに、成膜装置9の加圧部96を設けることにより、陽極91を介して固体電解質膜93を基材Bに加圧することができる。このようにして、載置台92に載置された基材Bの表面に、固体電解質膜93を介して析出した金属からなる金属皮膜を成膜することができる。
しかしながら、特許文献1に示す如き成膜装置を用いた場合、図6(b)に示すように、固体電解質膜93が多孔質体である陽極91で加圧された状態で、陽極91と基材(陰極)Bとの間に電圧を印加して、基材Bの表面に金属皮膜Fを成膜すると、金属皮膜Fにピンホールが形成されたり、その膜厚にバラつき(成膜ムラ)(図7(a)参照)が生じたりすることがあった。
これは、成膜時に陽極91に固体電解質膜93が加圧されるので、多孔質体からなる陽極91の骨格部分91aと孔91bの部分との間に圧力ムラが生じる。このため、陽極91である多孔質体の表面状態に依存して金属が析出してしまい、陽極91の表面形状が金属皮膜Fに転写されてしまう。
また、加圧状態の陽極91の孔91bの位置に応じて金属が初期析出するため、析出した金属が核として作用し、金属皮膜Fの厚さ方向に金属結晶が成長する。これにより、金属結晶は金属皮膜Fの面内方向には広がらず、図7(b)に示すように厚さ方向に成長した柱状結晶となるため、これが成膜ムラの原因となる。このような現象は、多孔質体を用いた場合には、顕著なものとなるが、例えば、陽極の表面に微細な凹凸がある場合にも起こりうる。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、陽極の表面状態によらず、均一な膜厚の均質な金属皮膜を安定して成膜することができる金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法を提供することにある。
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、成膜時に、固体電解質膜を基材の表面に倣わせようとしたときに陽極が固体電解質膜に過度に加圧されると、陽極の表面状態が、成膜される金属皮膜に依存すると考えた。そこで、固体電解質膜を基材側から吸引して、固体電解質膜を基材の表面に倣わせれば、上述した陽極の固体電解質膜への加圧を無くすまたは低減することができると考えた。
本発明は、このような考えに基づいてなされたものであり、本発明に係る金属皮膜の成膜装置は、陽極と、前記陽極と陰極となる基材との間に配置された固体電解質膜と、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加する電源部と、を備えており、前記固体電解質膜を前記基材の表面に接触させると共に、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加して、該固体電解質膜の内部に含有された金属イオンから金属を前記基材の表面に析出させることにより、前記金属からなる金属皮膜を成膜する金属皮膜の成膜装置であって、前記成膜装置は、前記基材を載置する載置台と、前記金属皮膜を成膜する際に、前記載置台に載置された前記基材の表面に前記固体電解質膜が密着するように該固体電解質膜を前記基材側から吸引する吸引部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、金属皮膜を成膜する際に、基材の表面に固体電解質膜が密着するように基材側から固体電解質膜を吸引することができる。これにより、陽極で固体電解質膜を直接的に加圧しなくても(またはこれまでよりも加圧を低減して)、吸引部で吸引された固体電解質膜を基材の表面に均一に加圧することができる。このような結果、固体電解質膜と陽極との間に生じる陽極の表面状態に起因した圧力ムラを無くすまたはこれを低減し、陽極の表面状態に依存し難い均一な膜厚の均質な金属皮膜を安定して成膜することができる。
さらに、成膜時に基材側から固体電解質膜を吸引するので、基材が凹凸を有した表面形状、曲面形状などの形状であっても、固体電解質膜を基材表面に倣わせて加圧することができる。このようにして、基材の表面が上述した形状であっても、その表面に均一な膜厚の均質な金属皮膜を成膜することができる。
ここで、固体電解質膜を吸引することにより、陽極と固体電解質膜と間の加圧力による圧力ムラをこれまでよりも低減することができるのであれば、固体電解質膜と陽極とは接触状態、非接触状態のいずれの状態であってもよい。しかしながら、より好ましい態様としては、前記陽極と前記固体電解質膜との間には、前記金属イオンを含む溶液が前記陽極と前記固体電解質膜とに接触しつつ前記金属イオンを含む溶液を収容する溶液収容部が形成されている。
この態様によれば、溶液収容部には、金属イオンを含む溶液が収容されているので、金属イオンを常時固体電解質膜に供給することができる。また、溶液収容部を設けることにより、陽極と固体電解質膜とを離間して配置する(非接触状態にする)ことが可能となる。固体電解質膜と陽極とが非接触状態となるため、成膜時には陽極により固体電解質膜は加圧されることなく、吸引部の吸引により固体電解質膜で基材の表面は加圧される。このような結果、成膜される金属皮膜は陽極の表面状態の影響をより受け難くなる。また、多孔質体からなる電極を用いた場合であっても、陽極と固体電解質膜とは十分に離間しているので、多孔質体の孔の形状に依存した金属皮膜は成膜され難い。
さらに好ましい態様としては、前記成膜装置は、該溶液収容部内に前記金属イオンを含む溶液を循環させるための循環機構をさらに備える。この態様によれば、陽極と固体電解質膜との間に収容された金属イオンを含む溶液を循環機構により循環させながら、金属皮膜の成膜を行うことができる。これにより、溶液中の金属イオンの濃度を管理しながら金属皮膜を安定して成膜することができる。また、溶液収容部内の金属イオンを含む溶液に液圧を作用させて、固体電解質膜を基材に加圧するような構造では、一定の液圧を作用させるため、上述した循環機構を採用することは難い。しかしながら、本発明では、固体電解質膜の基材への加圧を、固体電解質膜の吸引により行うので、上述した循環機構を成膜装置に簡単に設けることができる。
また、上述した吸引部は、固体電解質膜を基材の表面に均一に加圧することができるのであれば、その吸引部の構造は特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様としては、前記吸引部は、前記固体電解質膜を吸引するための複数の膜吸引口を前記載置台の表面に有しており、該複数の膜吸引口は、前記載置台に載置された前記基材の周縁部に沿って形成されている。この態様によれば、基材の周縁部に沿って吸引しその周りの空間に負圧を発生させることができる。これにより、より効率的に基材の周縁部に接触する固体電解質膜を吸引し、これを基材の表面に均一に加圧することができる。
さらに好ましい態様としては、前記載置台に前記基材を載置した状態で前記基材の周縁部が前記各膜吸引口の一部を覆うように、前記膜吸引口が形成されている。この態様によれば、基材の周縁部により覆われなかった各膜吸引口の一部が基材の周縁部に隣接することになるので、基材の周縁部近傍に接触する固体電解質膜に、より強い吸引力を作用させることができる。これにより、基材の成膜領域全体をより均一に加圧することができる。
前記吸引部は、前記載置台に載置された前記基材を前記載置台に吸引するための基材吸引口を前記載置台の表面に有しており、前記基材吸引口は、前記基材を載置台に載置した状態で、前記載置台に対向した前記基材の表面の中央部に向かって形成されており、前記吸引部は、前記膜吸引口に接続された膜吸引口開閉弁と、前記基材吸引口に接続された基材吸引口開閉弁とをさらに備え、前記膜吸引口開閉弁による前記膜吸引口の吸引と、前記基材吸引口開閉弁による前記基材吸引口の吸引とを、個別に行える。
この態様によれば、基材を載置台に載置した状態で、基材吸引口開閉弁を開弁し基材吸引口による吸引を選択し、載置台に対向した基材の表面の中央部から、基材吸引口で基材を前記載置台に吸引することができる。続いて、膜吸引口開閉弁を開弁し膜吸引口による吸引を選択し、載置台に吸引された基材に対して、基材の周縁部に沿った位置から膜吸引口で固体電解質膜を吸引することができる。このようにして、載置台に対向した基材の表面の中央部からその周縁部に向かって、載置台と基材との間の空気を排出することができる。これにより、成膜時に載置台と基材との間に空気溜りが形成されることを抑え、載置台に基材を均一に吸着させることができる。この結果、基材に金属皮膜が成膜される表面は、載置台の表面に倣うため、基材に固体電解質膜をより均一に接触させることができる。
さらに好ましい態様としては、前記複数の膜吸引口が異なるタイミングで前記固体電解質膜を吸引可能なように、前記膜吸引口開閉弁が複数設けられている。この態様によれば、基材の周縁部に沿った異なる位置で、固体電解質膜を吸引するタイミングを変えて、固体電解質膜の吸引を行うことができる。これにより、基材の周縁部で同時に固体電解質膜を吸引することが無いので、固体電解質膜と基材との間の空気の残存を抑え、基材の表面の空気を好適に排出することができる。
さらに、成膜時において、吸引部により固体電解質膜を基材の表面に密着させることができるのであれば、載置台の形状は特に限定されるものではないが、より好ましい態様としては、前記載置台には、前記基材の表面に前記金属皮膜を成膜する際に、前記基材を収容するための収容凹部が形成されている。
この態様によれば、載置台に基材を収容する収容凹部を設けることにより、載置台の表面と基材の表面とを高さ方向においてより近づけることができる(好ましくは面一にすることができる)。このような結果、吸引部により、固体電解質膜と基材との間に効率的に負圧を発生させ、これらを密着させることができる。
本願では、金属皮膜を好適に成膜することができる成膜方法をさらに開示する。本発明に係る金属皮膜の成膜方法は、陽極と、陰極となる基材との間に固体電解質膜を配置し、前記固体電解質膜を基材に接触させると共に、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加し、該固体電解質膜の内部に含有された金属イオンから金属を前記基材の表面に析出することにより、前記金属からなる金属皮膜を前記基材の表面に成膜する金属皮膜の成膜方法であって、前記金属皮膜を成膜する際に、前記基材の表面に前記固体電解質膜が密着するように前記基材側から前記固体電解質膜を吸引することを特徴とする。
本発明によれば、固体電解質膜と陽極とを非接触状態にし、金属皮膜を成膜する際に、基材の表面に固体電解質膜が密着するように基材側から固体電解質膜を吸引するので、陽極で固体電解質膜を直接的に加圧しなくても(またはこれまでよりも加圧を低減して)、固体電解質膜を基材の表面に均一に加圧することができる。これにより、陽極の表面状態に依存し難い均一な膜厚の均質な金属皮膜を安定して成膜することができる。
さらに、成膜時に基材側から固体電解質膜を吸引するので、基材の表面が平面以外の形状であっても、固体電解質膜を基材表面に倣わせて加圧することができる。このようにして、基材の表面に均一な膜厚の均質な金属皮膜を成膜することができる。
ここで、固体電解質膜を吸引することにより、陽極と固体電解質膜と間の加圧力による圧力ムラをこれまでよりも低減することができるのであれば、固体電解質膜と陽極とは接触状態、非接触状態のいずれの状態であってもよい。しかしながら、さらに好ましい態様としては、前記陽極と前記固体電解質膜との間において、前記金属イオンを含む溶液を前記陽極と前記固体電解質膜とに接触するように金属イオンを含む溶液を収容しながら、前記金属皮膜の成膜を行う。
この態様によれば、陽極と固体電解質膜との間に、金属イオンを含む溶液が収容されているので、金属イオンを常時固体電解質膜に供給することができる。また、金属イオンを含む溶液を収容するため、陽極と固体電解質膜とを離間して配置する(非接触状態にする)ことが可能となる。固体電解質膜と陽極とが非接触状態であるので、成膜時には陽極により固体電解質膜は加圧されることなく、吸引部の吸引により固体電解質膜で基材の表面は加圧される。このような結果、成膜される金属皮膜は、陽極の表面状態の影響をより一層受け難くなる。
さらに好ましい態様としては、前記陽極と前記固体電解質膜との間に収容された金属イオンを含む溶液を循環させながら、前記金属皮膜の成膜を行う。この態様によれば、陽極と固体電解質膜との間に収容された金属イオンを含む溶液を循環させながら、金属皮膜の成膜を行うので、溶液中の金属イオンの濃度を管理しながら金属皮膜を安定して成膜することができる。
さらに好ましい態様としては、前記固体電解質膜の吸引を前記基材の周縁部に沿った位置から行う。これにより、基材の周縁部に沿って負圧を発生させるので、より効率的に基材の周縁部に接触する固体電解質膜を吸引し、これを基材の表面に均一に加圧することができる。
より好ましい態様としては、前記成膜方法は、前記基材を載置台に載置した状態で、前記金属皮膜を成膜するものであり、前記固体電解質膜の吸引と共に、前記基材の周縁部を前記載置台側に吸引する。基材の周縁部近傍に接触する固体電解質膜に、より強い吸引力を作用させることができる。これにより、基材の成膜領域全体をより均一に加圧することができる。
より好ましい態様としては、前記成膜方法は、前記基材を載置台に載置した状態で、前記載置台に対向した前記基材の表面の中央部から、前記基材を前記載置台に吸引し、該載置台に吸引された基材に対して、前記固体電解質膜の吸引を行う。この態様によれば、上述した吸引を順次行うことにより、載置台に対向した基材の中央部からその周縁部に向かって、載置台と基材との間の空気を排出することができる。これにより、成膜時に載置台と基材との間に空気溜りが形成されることを抑え、載置台に基材を均一に吸着させることができる。この結果、基材に金属皮膜が成膜される表面は、載置台の表面に倣うので、基材に固体電解質膜をより均一に接触させることができる。
さらに好ましい態様としては、前記基材の周縁部に沿った異なる位置で、前記固体電解質膜を吸引するタイミングを変えて、前記固体電解質膜の吸引を行う。この態様によれば、基材の周縁部で同時に固体電解質膜を吸引することが無いので、固体電解質膜と基材との間の空気の残存を抑え、基材の表面の空気を好適に排出することができる。
より好ましい態様としては、前記載置台には、前記基材を収容するための収容凹部が形成されており、前記基材を前記収容凹部に収容した状態で、前記基材の表面に前記金属皮膜を成膜するこのような結果、吸引部により、固体電解質膜と基材との間に効率的に負圧を発生させ、これらを密着させることができる。
本発明によれば、陽極の表面状態によらず、均一な膜厚の均質な金属皮膜を安定して成膜することができる。
以下に本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜方法を好適に実施することができる成膜装置について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の模式的概念図であり、(a)は、成膜装置の成膜前状態を説明するための模式的断面図であり、(b)は、成膜装置の成膜時の状態を説明するための模式的断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の模式的概念図であり、(a)は、成膜装置の成膜前状態を説明するための模式的断面図であり、(b)は、成膜装置の成膜時の状態を説明するための模式的断面図である。
図2は、図1に示す成膜装置の固体電解質膜、吸引部の膜吸引口、および基材の位置関係を示した平面図である。図3は、成膜時において、図2に示す成膜装置の膜吸引口周りの状態を説明するための模式的斜視断面図である。
図1に示すように、本発明に係る成膜装置1Aは、金属イオンから金属を析出させて、析出した金属からなる金属皮膜を基材Bの表面に成膜する装置である。ここで、基材Bは、アルミニウムなどの金属材料からなる基材、または樹脂またはシリコン基材の処理表面に金属下地層が形成されている基材を用いる。
成膜装置1Aは、金属製の陽極11と、陽極11と陰極となる基材Bとの間に配置された固体電解質膜13と、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加する電源部14と、を少なくとも備えている。図1では詳細に示してないが、陽極11と陰極となる基材Bとは、電源部14に電気的に接続されている。
固体電解質膜13と陽極11とは離間してケーシング15に配置されており、固体電解質膜13と陽極11とは非接触状態にある。固体電解質膜13と陽極11との間には、金属イオンを含む溶液(以下、金属溶液という)Lを収容する溶液収容部15aが形成されている。ここで、溶液収容部15aは、収容された金属溶液Lが陽極11および固体電解質膜13に直接的に接触するような構造となっている。また、ケーシング15は、金属溶液Lに対して不溶性の金属材料からなり、ケーシング15を介して陽極11は、電源部14の正極に導通している。なお、陽極11が直接電源部11の正極に導通していてもよい。
陽極11は、基材Bの成膜領域に応じた形状となっている。ここで、成膜時に金属イオンから金属をより効率的に析出させるためには、陽極11において水の分解反応(2H2O→O2+2H+−2e−)を円滑に発生させることが好ましい。すなわち、陽極におけるこの反応をより一層進行させることが、陰極である基材Bの表面の金属皮膜の成膜速度に大きく寄与することになる。
したがってこのような反応が円滑に進みかつ陽極として作用可能な導電率を有している陽極11の材料として、例えば、金属溶液に対して不溶性を有した酸化ルテニウムまたは白金、チタンまたは、金属溶液の金属からなる可溶性の陽極などを挙げることができる。また、陽極11は、多孔質体でもよいが、無孔質体であることがより好ましい。無孔質体の陽極11を用いることにより、基材Bに成膜される金属皮膜Fは、陽極11の表面の状態を受け難くなる。
金属溶液Lは、たとえば、銅、ニッケル、銀などのイオンを含む水溶液などを挙げることができる。たとえば、ニッケルイオンの場合には、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケルなどを含む溶液を挙げることができる。そして、固体電解質膜13は、固体電解質からなる膜、フィルム等を挙げることができる。
固体電解質膜13は、上述した金属溶液Lに接触させることにより、金属イオンを内部に含浸することができ、電圧を印加したときに基材Bの表面において金属イオン由来の金属が析出することができるのであれば、特に限定されるものではない。固体電解質膜の材質としては、たとえばデュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、旭硝子社製のセレミオン(CMV、CMD,CMFシリーズ)などのイオン交換機能を有した樹脂を挙げることができる。
本実施形態では、成膜装置1Aは、溶液収容部15a内に金属溶液Lを循環させるための循環機構(図示せず)をさらに備えている。このような循環機構により、金属イオンの濃度が所定の濃度に調整された金属溶液Lを、供給口15bから溶液収容部15aに供給するとともに、溶液収容部15aで成膜時に使用された金属溶液Lを排出口15cから排出することができる。なお、本実施形態に係る成膜装置1Aは、また、溶液収容部15a内の金属イオンを含む溶液に液圧を作用させて、固体電解質膜を基材に加圧するような構造では、一定の液圧を作用させるため、上述した循環機構を採用することは難い。しかしながら、本実施形態では、以下に示すように、固体電解質膜13の基材Bへの加圧を、吸引部22による固体電解質膜13の吸引により行うので、上述した循環機構を成膜装置に簡単に設けることができる。
さらに、成膜装置1Aは、基材Bを載置する載置台21と、金属皮膜Fを成膜する際に、載置台21に載置された基材Bの表面に固体電解質膜13が密着するように基材B(載置台21)側から固体電解質膜13を吸引する吸引部22と、をさらに備えている。
吸引部22は、膜吸引通路23と、膜吸引通路23の一端に接続された吸引ポンプ24とを有している。なお、吸引ポンプ24は、載置台21とは別に設置されているが、この吸引ポンプを載置台に設け、吸引ポンプと膜吸引通路とを合わせて吸引部を構成してもよい。また、膜吸引通路23を介して固体電解質膜13を基材B側から吸引することができれば、吸引ポンプ以外の他の機器を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、図3に示すように、載置台21に基材Bを収容するための収容凹部26が形成されており、収容凹部26の底面(載置台21の表面)には複数の膜吸引口23a,23a…が形成されている。複数の膜吸引口23a,23a…は、固体電解質膜13を吸引するための吸引口であり、膜吸引通路23の他端に形成され、その一部を構成している。膜吸引口23aは後述する。
ここで、収容凹部26の深さは、基材Bの厚さに一致している。これにより、基材Bを収容凹部26に収容した際に、基材Bの表面と載置台21の表面とが同一平面状に配置されることになる。このようにして、固体電解質膜13が収容凹部26の開口を塞いだ状態で、吸引部22により固体電解質膜13を吸引することができるため、固体電解質膜13により基材Bをより強い吸引力で押圧することができる。
さらに、本実施形態では、図2および図3に示すように、複数の膜吸引口23a,23a,…が、載置台21に載置された基材Bの周縁部b1に沿って等間隔に形成されている。各膜吸引口23aは、載置台21の収容凹部26に基材Bを配置(載置)した状態で、基材Bの周縁部が各膜吸引口23aの一部を覆うように、形成されている。さらに、基材Bを収容凹部26に収容することにより、収容凹部26と基材Bとの間には、基材Bを周回するように環状の溝部Rが形成される。
収容凹部26に基材Bを収容した際には、図3に示すように、収容凹部26と基材Bとの間に、基材Bを周回するように環状の溝部Rが形成され、環状の溝部Rの空間のエアは、各膜吸引口23aからの吸引により負圧となる。これにより、より効率的に基材Bの周縁部b1に接触する固体電解質膜13を吸引し、これを基材Bの表面に均一に加圧することができる。特に、基材Bの周縁部b1が、各膜吸引口23aの一部を覆いながら固体電解質膜13を吸引するので、基材Bの周縁部b1に接触する固体電解質膜により強い吸引力を作用させることができる。
さらに、本実施形態では、ケーシング15には、固体電解質膜13を囲うようにOリング19が配置されている。これにより、成膜時にOリング19が固体電解質膜13と基材Bを含む載置台21との間に密閉空間を形成するための封止部材として作用する。このような結果、密閉空間内のエアを吸引部が吸引するので、効率的に固体電解質膜13を基材Bの表面に加圧(密着)させることができる。
以下に本実施形態にかかる成膜方法について説明する。まず、載置台21の収容凹部26に基材Bを載置する。具体的には、図2に示すように、載置台21に載置された基材Bの周縁部b1に沿って、複数の膜吸引口23a,23a…が配置されるとともに、各膜吸引口23aの一部が基材Bの周縁部b1によって塞がれる。このように配置すると、基材Bと載置台21との間には、基材Bの周縁部b1を囲うように環状の溝部Rが形成される。
このような配置状態で、ケーシング15を基材Bの上方に配置し、固体電解質膜13を基材Bに接触させる。後述する吸引部22で固体電解質膜13を吸引させて、固体電解質膜13を基材Bの表面に密着させることができるのであれば、この段階で固体電解質膜13と基材Bとを必ずしも接触させなくてもよい。このような状態で、陽極11と陰極である基材Bとを、電源部14に電気的に接続する。
そして、金属皮膜Fを成膜する際に(具体的には成膜前から)、基材Bの表面に固体電解質膜13が密着するように、吸引ポンプ24を駆動させることにより、複数の膜吸引口23a,23a…で基材側から固体電解質膜13を吸引すると共に、基材Bの周縁部を載置台側に吸引する。図3に示すように、固体電解質膜13で覆われた(封止された)環状の溝部R内のエアが破線矢印に示すように膜吸引口23aから脱気され、基材の表面に固体電解質膜13が押圧される(密着する)。
上述したように、基材Bの周縁部b1に沿って複数の膜吸引口23aが配置され、さらには周縁部b1により覆われなかった各膜吸引口23aの一部が基材Bの周縁部b1に隣接することになるので、基材Bの周縁部近傍に接触する固体電解質膜13に、より強い吸引力を作用させることができる。これにより、基材Bの成膜領域全体をより均一に加圧することができ、固体電解質膜13を基材Bの表面(成膜領域)に均一に倣わせることができる。さらに、溝部Rを設けることにより、吸引時に膜吸引口23aが閉塞されることを回避することができ、成膜時に副生成物として生成されるガス(水素ガス)も膜吸引口23aから排気しながら、基材Bの表面に金属皮膜を成膜することができる。
次に、固体電解質膜13を基材Bの表面に接触させた状態で、電源部14を用いて、陽極11と陰極となる基材Bとの間に電圧を印加し、固体電解質膜13の内部に含有された金属イオンから金属を基材Bの表面に析出させ、基材Bの表面に金属皮膜Fを成膜する。この際、溶液収容部15aには、金属溶液Lが収容されているので、金属イオンを常時固体電解質膜13に供給することができる。
また、溶液収容部15aを設けることにより、陽極11と固体電解質膜13とを離間して配置することが可能となる。固体電解質膜と陽極とが非接触状態となるため、成膜時には陽極11により固体電解質膜13は加圧されることなく、吸引部22の吸引により固体電解質膜13で基材Bの表面は加圧される。このような結果、成膜される金属皮膜は陽極の表面状態の影響をより受け難くなる。また、多孔質体からなる陽極を用いた場合であっても、陽極11と固体電解質膜13とは十分に離間しているので、多孔質体の孔の形状に依存した金属皮膜は成膜され難い。
金属皮膜Fを連続して成膜する際には、陽極11と固体電解質膜13との間に収容された金属溶液Lを循環機構により循環させる。これにより、溶液中の金属イオンの濃度を管理しながら金属皮膜を安定して成膜することができる。また、金属溶液Lを随時供給することができるので、析出させることができる金属量に制限を受けることがなく、所望の膜厚の金属皮膜Fを、複数の基材Bの表面に成膜することができる。
このように、本実施形態では、金属皮膜Fを成膜する際に、基材Bの表面に固体電解質膜13が密着するように基材側から固体電解質膜13を吸引することができる。これにより、陽極11で固体電解質膜13を直接的に加圧しなくても(またはこれまでよりも加圧を低減して)、吸引部22で吸引された固体電解質膜13を基材Bの表面に均一に加圧することができる。このような結果、固体電解質膜13と陽極11との間に生じる陽極11の表面状態に起因した圧力ムラを無くす、またはこれを低減し、陽極11の表面状態に依存し難い均一な膜厚の均質な金属皮膜Fを安定して成膜することができる。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の模式的概念図であり、(a)は、成膜装置の成膜前状態を説明するための模式的断面図であり、(b)は、図1に示す成膜装置の固体電解質膜、吸引部の膜吸引口、基材吸引口、および基材の位置関係を示した平面図である。
図4は、本発明の第2実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の模式的概念図であり、(a)は、成膜装置の成膜前状態を説明するための模式的断面図であり、(b)は、図1に示す成膜装置の固体電解質膜、吸引部の膜吸引口、基材吸引口、および基材の位置関係を示した平面図である。
図4(a)に示すように、第2実施形態に係る金属皮膜の成膜装置1Bが、第1実施形態と異なる点は、吸引部22の構造である。したがって、これ以外の部分に関しては、第1実施形態に係る成膜装置1Aの部分と同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る成膜装置1Bの吸引部22は、金属皮膜Fを成膜する際に、載置台21に載置された基材Bの表面に固体電解質膜13が密着するように固体電解質膜13を吸引する膜吸引通路23と、載置台21に載置された基材Bを載置台21に吸引する基材吸引通路27と、を備えている。
膜吸引通路23の一端は、膜吸引口開閉弁(開閉スイッチ)28−1、28−2を介して、吸引ポンプ24に接続さている。膜吸引通路23の他端には、複数の膜吸引口23a,23a…が形成されている。膜吸引口開閉弁28−1、28−2が開弁した状態で、吸引ポンプ24による膜吸引通路23の膜吸引口23aからの吸引が可能となり、膜吸引口開閉弁28−1、28−2を閉弁状態に切り替えることで、吸引ポンプ24による膜吸引通路23の膜吸引口23aからの吸引を停止することができる。このようにして、膜吸引口23aによる吸引および非吸引を、膜吸引口23a,23a…に接続された膜吸引口開閉弁28−1、28−2の開閉により選択して行うことができる。
さらに、本実施形態では、複数の膜吸引口23a,23a…が異なるタイミングで固体電解質膜13を吸引可能なように、膜吸引口開閉弁28−1、28−2が複数設けられている。具体的には、本実施形態では、複数の膜吸引口23a,23a…を2つの群に分け、該群毎に、膜吸引口23a,23a…による吸引および非吸引を選択して行うように、2つの群に応じて、2つの膜吸引口開閉弁28−1、28−2が設けられている。複数の膜吸引口23a,23a…のうち、一方側に位置する(具体的には図4(b)の中心線Cよりも右側に位置する)膜吸引口23a,23a…の群は、これらに接続する通路が集約され、膜吸引口開閉弁28−1に接続されている。一方、複数の膜吸引口23a,23a…のうち、他方側に位置する(具体的には図4(b)の中心線Cよりも左側に位置する)膜吸引口23a,23a…の群は、これらに接続する通路が集約され、膜吸引口開閉弁28−2に接続されている。
本実施形態では、複数の膜吸引口23a,23a…を2つの群に分けて、これらの各群の複数の膜吸引口23a,23a,…をそれぞれ膜吸引口開閉弁28−1,28−2に接続した。しかしながら、複数の膜吸引口23a,23a,…で個別に吸引することができるのであれば、膜吸引口開閉弁の個数は、3個以上であってもよい。また、本実施形態では、その好ましい例として、膜吸引口開閉弁を2つ設けたが、成膜に影響しない範囲であれば、すべての膜吸引口23a,23a…に連結する1つの膜吸引口開閉弁のみであってもよい。
複数の膜吸引口23a,23a…は、第1実施形態と同様に、図4(b)に示すように、載置台21の収容凹部26の底面において、載置された基材Bの周縁部に沿って等間隔に形成されている。各膜吸引口23aは、載置台21の収容凹部26に基材Bを載置した状態で、基材Bの周縁部が各膜吸引口23aの一部を覆うように、形成されている。
一方、基材吸引通路27の一端は、基材吸引口開閉弁(開閉スイッチ)29を介して、吸引ポンプ24に接続されている。基材吸引通路27の他端には、基材吸引口27aが形成されている(図4(a)参照)。基材吸引口開閉弁29が開弁した状態で、吸引ポンプ24による基材吸引通路27の基材吸引口27aからの吸引が可能となり、開閉弁29を閉弁状態に切り替えることで、吸引ポンプ24による基材吸引通路27の基材吸引口27aからの吸引を停止することができる。このようにして、基材吸引口27aによる吸引および非吸引を、基材吸引口27aに接続された基材吸引口開閉弁29の開閉により選択して行うことができる。
基材吸引口27aは、載置台21に載置された基材Bを載置台21に吸引するための吸引口であり、図4(b)に示すように、載置台21の収容凹部26の底面(載置台21の表面)の中央に形成されている。より具体的には、基材吸引口27aは、収容凹部26に収容するように基材Bを載置台21に載置した状態で、載置台21に対向した基材Bの表面(すなわち基材の裏面)の中央部に向かって形成されている。すなわち、載置台21に基材Bを載置した状態では、基材吸引口27aは、基材Bの表面に覆われ、塞がれた状態となる。
このように、本実施形態では、膜吸引通路23と基材吸引通路27とに個別に膜吸引口開閉弁28−1、28−2、基材吸引口開閉弁29を設けたことにより、膜吸引口開閉弁28−1、28−2による複数の膜吸引口23a,23a…の吸引を群毎に個別に行うとともに、さらに、基材吸引口開閉弁29による基材吸引口27aの吸引をも個別に行うことができる。
以下に、第2実施形態に係る成膜装置1Bを用いた成膜方法を図5(a),(b)を参照しながら説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る金属皮膜の成膜装置を用いた成膜方法を説明するための図であり、(a)は、成膜前に基材を吸引した状態を説明するための模式的断面図であり、(b)は、成膜装置の成膜時の状態を説明するための模式的断面図である。
まず、第1実施形態と同様に、載置台21の収容凹部26に基材Bを載置する。この様態では、図4(b)に示すように、載置台21に載置された基材Bの周縁部b1に沿って、複数の膜吸引口23a,23a…が配置されるとともに、各膜吸引口23aの一部が基材Bの周縁部b1によって塞がれる。さらに、基材吸引口27aは、基材Bの表面の中央部において、その表面に覆われ塞がれる。このように配置すると、第1実施形態と同様に、基材Bと載置台21との間には、基材Bの周縁部を囲うように環状の溝部Rが形成される。
次にケーシング15を基材Bの上方に配置し、固体電解質膜13を基材Bに接触させる。後述する吸引部22の基材吸引口27aで基材Bを載置台21に吸引させて、基材Bを載置台21に密着させることができるのであれば、この段階で固体電解質膜13と基材Bとを必ずしも接触させなくてもよい。
次に、基材Bを載置台21に載置した状態で、膜吸引口開閉弁28−1、28−2を閉弁し、基材吸引口開閉弁29を開弁し、吸引ポンプ24を駆動させる。これにより、基材吸引口27aによる吸引を選択し、載置台21に対向した基材Bの表面の中央部から、基材吸引口27aで基材Bを載置台21に吸引することができる。
続いて、膜吸引口開閉弁28−1、膜吸引口開閉弁28−2の順に連続してこれらを開弁し、開閉弁29は開弁状態のまま、吸引ポンプ24の駆動を継続する。これにより、膜吸引口23aによる吸引を選択し、載置台21に吸引された基材Bに対して、基材Bの周縁部に沿った位置から膜吸引口23aで固体電解質膜13を吸引することができる。また膜吸引口開閉弁28−1、28−2を別々に開弁することにより、基材Bの周縁部に沿った異なる位置で、固体電解質膜13を吸引するタイミングを変えて、固体電解質膜13の吸引を行うことができる。
すなわち、本実施形態では、一方側から固体電解質膜13を吸引した後に、他方側から固体電解質膜13を吸引することができる。これにより、基材Bの周縁部で同時に固体電解質膜13を吸引することが無いので、固体電解質膜13と基材Bとの間の空気の残存を抑え、基材Bの表面の空気を好適に排出することができる。このようにして、載置台21に対向した基材Bの表面の中央部からその周縁部に向かって、載置台21と基材Bとの間の空気を排出することができる。
これにより、成膜時に載置台21と基材Bとの間に空気溜りが形成されることを抑え、載置台21に基材Bを均一に吸着させることができる。この結果、基材Bに金属皮膜が成膜される表面は、載置台21の表面に倣うので、この成膜される表面に固体電解質膜13をより均一に接触させることができる。
本実施形態も第1実施形態と同様に、基材Bの周縁部に沿って複数の膜吸引口23aが配置され、基材Bの周縁部で覆われなかった各膜吸引口23aの一部が基材Bの周縁部b1に隣接することになるので、基材Bの成膜領域全体をより均一に加圧することができる。これにより、固体電解質膜13を基材Bの表面(成膜領域)に均一に倣わせることができる。この結果、基材Bに金属皮膜Fが成膜される表面は、載置台21の表面に倣ってより平坦化され、この表面に固体電解質膜13をより均一に接触させることができる。
なお、本実施形態では、基材吸引口27aによる吸引を維持しつつ、膜吸引口23aによる吸引を行ったが、載置台21と基材Bとの間の空気を排出することができるのであれば、基材吸引口27aによる吸引を停止し、その後、膜吸引口23aによる吸引を行ってもよい。
上述した吸引状態を維持しつつ、第1実施形態と同様に、電源部14を用いて、陽極11と陰極となる基材Bとの間に電圧を印加し、固体電解質膜13の内部に含有された金属イオンから金属を基材Bの表面に析出させ、基材Bの表面に金属皮膜Fを成膜する。
このようにして、載置台21と基材Bとの間の空気を排出するので、固体電解質膜13をより均一に基材Bに倣わせるとともに、陽極11との間に生じる陽極11の表面状態に起因した圧力ムラを無くすまたはこれを低減することが可能となる。これにより、陽極11の表面状態に依存し難い均一な膜厚の均質な金属皮膜Fを安定して成膜することができる。
本発明を以下の実施例により説明する。
[実施例1]
表面に成膜する基材して、純アルミニウム基材(50mm×50mm×厚さ1mm)を準備し、この表面にニッケルめっき皮膜を形成し、さらにニッケルめっき皮膜の表面に、金めっき皮膜を形成し、これを純水で流水洗浄した。
[実施例1]
表面に成膜する基材して、純アルミニウム基材(50mm×50mm×厚さ1mm)を準備し、この表面にニッケルめっき皮膜を形成し、さらにニッケルめっき皮膜の表面に、金めっき皮膜を形成し、これを純水で流水洗浄した。
次に、図1(a)に示す成膜装置を用いて、この基材の表面に金属皮膜としてニッケル皮膜を成膜した。金属溶液に、1.0mol/Lの硫酸ニッケル水溶液と、0.5mol/Lの酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を用い、陽極にはPt板((株)ニラコ社製)、固体電解質膜には、膜厚50μmのナフィオンN212(デュポン(株)社製)を使用した。また、試験条件としては、吸引ポンプを駆動させて吸引部で固体電解質膜を基材側に吸引し、固体電解質膜を基材に密着させた状態で、電流密度5mA/cm2、金属溶液の流量を10ml/分、成膜時間10分間で、ニッケル皮膜を成膜した。
[比較例1]
実施例1と同じ基材を準備して、図6(a)に示す成膜装置を用いて、実施例1と同じ成膜条件で、基材の表面にニッケル皮膜を成膜した。実施例1と相違する点は、陽極に、白金が被覆された発泡チタンからなる多孔質体(三菱マテリアル製)を用い、成膜時には、陽極により固体電解質膜を0.3MPaの圧力で基材に押圧しながらニッケル皮膜を成膜した点である。
実施例1と同じ基材を準備して、図6(a)に示す成膜装置を用いて、実施例1と同じ成膜条件で、基材の表面にニッケル皮膜を成膜した。実施例1と相違する点は、陽極に、白金が被覆された発泡チタンからなる多孔質体(三菱マテリアル製)を用い、成膜時には、陽極により固体電解質膜を0.3MPaの圧力で基材に押圧しながらニッケル皮膜を成膜した点である。
<評価方法>
実施例1および比較例1に係るニッケル皮膜の表面の被覆率とピンホールを評価した。この結果を表1に示す。
実施例1および比較例1に係るニッケル皮膜の表面の被覆率とピンホールを評価した。この結果を表1に示す。
(結果1および考察1)
表1から、実施例1では、比較例1に比べてニッケル皮膜の被覆率が高く、ピンホールもなかった。また、比較例に係るニッケル皮膜は、上述した図7(a)で示した如きムラがニッケル皮膜に発生していた。
表1から、実施例1では、比較例1に比べてニッケル皮膜の被覆率が高く、ピンホールもなかった。また、比較例に係るニッケル皮膜は、上述した図7(a)で示した如きムラがニッケル皮膜に発生していた。
このような結果から、実施例1の場合には、吸引部で固体電解質膜を吸引し、この吸引された固体電解質膜で基材の表面を押圧したので、成膜されるニッケル皮膜は陽極の表面状態の影響を受け難い。
一方、比較例1の場合には、陽極を多孔質体にし、この多孔質体で固体電解質膜を基材の表面に加圧しながら、ニッケル皮膜を成膜したので、陽極の表面状態がニッケル皮膜に影響を与えたものと考えられる。なお、比較例1の場合でも、吸引部を設け、吸引部で固体電解質膜を吸引し、陽極による固体電解質膜への押圧を低減すれば、実施例1の如く、ニッケル皮膜の被覆率を高めて、ピンホールの発生を抑えることができると考えられる。
[実施例2]
実施例2と同じ基材を準備して、図4(a)に示す成膜装置を用いて、基材の表面に金属皮膜(銅皮膜)を成膜した。実施例1と相違する点は、金属溶液(電解液)に、1.0mol/Lの硫酸銅水溶液を用い、まず、図5(a)に示すように、基材吸引口で基材を吸引後、この吸引状態を維持し、図5(b)に示すように、膜吸引口で固体電解質膜を吸引し、子の吸引状態で基材に銅皮膜を成膜した点である。なお、電流密度5mA/cm2、金属溶液の流量を15ml/分、成膜時間10分間で、銅皮膜の成膜を行った。
実施例2と同じ基材を準備して、図4(a)に示す成膜装置を用いて、基材の表面に金属皮膜(銅皮膜)を成膜した。実施例1と相違する点は、金属溶液(電解液)に、1.0mol/Lの硫酸銅水溶液を用い、まず、図5(a)に示すように、基材吸引口で基材を吸引後、この吸引状態を維持し、図5(b)に示すように、膜吸引口で固体電解質膜を吸引し、子の吸引状態で基材に銅皮膜を成膜した点である。なお、電流密度5mA/cm2、金属溶液の流量を15ml/分、成膜時間10分間で、銅皮膜の成膜を行った。
[実施例3]
実施例2と同じ基材を準備して、図4(a)に示す成膜装置を用いて、実施例と同じ成膜条件で、基材の表面に金属皮膜(ニッケル皮膜)を成膜した。実施例と相違する点は、金属溶液(電解液)に、1.0mol/Lの硫酸ニッケル水溶液と0.5mol/Lの酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を用いて、ニッケル皮膜の成膜を行った。
実施例2と同じ基材を準備して、図4(a)に示す成膜装置を用いて、実施例と同じ成膜条件で、基材の表面に金属皮膜(ニッケル皮膜)を成膜した。実施例と相違する点は、金属溶液(電解液)に、1.0mol/Lの硫酸ニッケル水溶液と0.5mol/Lの酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を用いて、ニッケル皮膜の成膜を行った。
[比較例2]
実施例2と同じ基材を準備して、図6(a)に示す成膜装置を用いて、基材の表面に銅皮膜を成膜した。実施例2と相違する点は、陽極に、白金が被覆された発泡チタンからなる多孔質体(三菱マテリアル製)を用い、成膜時には、陽極により固体電解質膜を0.3MPaの圧力で基材に押圧しながら銅皮膜を成膜した点である。
実施例2と同じ基材を準備して、図6(a)に示す成膜装置を用いて、基材の表面に銅皮膜を成膜した。実施例2と相違する点は、陽極に、白金が被覆された発泡チタンからなる多孔質体(三菱マテリアル製)を用い、成膜時には、陽極により固体電解質膜を0.3MPaの圧力で基材に押圧しながら銅皮膜を成膜した点である。
<評価方法>
実施例2、3および比較例2に係る金属皮膜の表面の被覆率とピンホールを評価した。この結果を表2に示す。
実施例2、3および比較例2に係る金属皮膜の表面の被覆率とピンホールを評価した。この結果を表2に示す。
(結果2および考察2)
表2から、実施例2、3では、比較例2に比べて金属皮膜の被覆率が高く、ピンホールもなかった。また、比較例2に係る金属皮膜は、比較例1と同様に上述した図7(a)で示した如きムラが金属皮膜に発生していた。
表2から、実施例2、3では、比較例2に比べて金属皮膜の被覆率が高く、ピンホールもなかった。また、比較例2に係る金属皮膜は、比較例1と同様に上述した図7(a)で示した如きムラが金属皮膜に発生していた。
このような結果から、実施例2、3の場合には、吸引部で基材を吸引後、固体電解質膜を吸引し、この吸引された固体電解質膜で基材の表面を押圧したので、成膜される金属皮膜は陽極の表面状態の影響を受け難い。しかしながら、比較例2の場合には、陽極を多孔質体にし、この多孔質体で固体電解質膜を基材の表面に加圧しながら、金属皮膜を成膜したので、陽極の表面状態が金属皮膜に影響を与えたものと考えられる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
本実施形態では、金属皮膜を成膜する基材として基材表面が平面の基材を用いたが、この形状に限定されるものではなく、たとえば、基材の表面に複数の凸部が形成されたものであってもよく、この凸部の表面に成膜を行う場合であっても、成膜時に基材側から固体電解質膜を吸引するので、固体電解質膜を基材表面に倣わせて加圧することができる。
第2実施形態では、膜吸引口開閉弁28−1、28−2、基材吸引口開閉弁29の開閉を制御装置を用いて行っていないが、たとえば、膜吸引口開閉弁28−1、28−2、基材吸引口開閉弁29に電磁弁を用いて、その開閉を制御装置で制御してもよい。すなわち、制御装置を用いて、基材吸引口による吸引をすべく開閉弁29を開弁した後、膜吸引口による吸引をすべく膜吸引口開閉弁28−1、28−2の開弁を順次行うように、膜吸引口開閉弁28−1、28−2、基材吸引口開閉弁29を制御装置で制御しながら、金属皮膜の成膜を行ってもよい。
また、第2実施形態に係る成膜装置1Bでは、基材吸引口開閉弁29を設けたが、基材吸引口開閉弁29を省略し、膜吸引口開閉弁28−1、28−2を用いて、基材Bの周縁部に沿った異なる位置で、個別に固体電解質膜13を吸引してもよい。
1A,1B:成膜装置、11:陽極、13:固体電解質膜、14:電源部、15:ケーシング、15a:溶液収容部、15b:供給口、15c:排出口、19:Oリング、21:載置台、22:吸引部、23:膜吸引通路、23a:膜吸引口、24:吸引ポンプ、27:基材吸引通路、27a:基材吸引口、28−1、28−2:膜吸引口開閉弁、29:基材吸引口開閉弁、26:収容凹部、B:基材(陰極)、b1:周縁部、F:金属皮膜、L:金属溶液、R:溝部
Claims (16)
- 陽極と、前記陽極と陰極となる基材との間に配置された固体電解質膜と、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加する電源部と、を備えており、前記固体電解質膜を前記基材の表面に接触させると共に、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加して、該固体電解質膜の内部に含有された金属イオンから金属を前記基材の表面に析出させることにより、前記金属からなる金属皮膜を成膜する金属皮膜の成膜装置であって、
前記成膜装置は、前記基材を載置する載置台と、前記金属皮膜を成膜する際に、前記載置台に載置された前記基材の表面に前記固体電解質膜が密着するように前記基材側から該固体電解質膜を吸引する吸引部と、を備えることを特徴とする金属皮膜の成膜装置。 - 前記陽極と前記固体電解質膜との間には、前記金属イオンを含む溶液が前記陽極と前記固体電解質膜とに接触するように前記金属イオンを含む溶液を収容する溶液収容部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属皮膜の成膜装置。
- 前記成膜装置は、前記溶液収容部内に前記金属イオンを含む溶液を循環させるための循環機構をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の金属皮膜の成膜装置。
- 前記吸引部は、前記固体電解質膜を吸引するための複数の膜吸引口を前記載置台の表面に有しており、該複数の膜吸引口は、前記載置台に載置された前記基材の周縁部に沿って形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属皮膜の成膜装置。
- 前記載置台に前記基材を載置した状態で前記基材の周縁部が前記各膜吸引口の一部を覆うように、前記膜吸引口が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の金属皮膜の成膜装置。
- 前記吸引部は、前記載置台に載置された前記基材を前記載置台に吸引するための基材吸引口を前記載置台の表面に有しており、
前記基材吸引口は、前記基材を載置台に載置した状態で、前記載置台に対向した前記基材の表面の中央部に向かって形成されており、
前記吸引部は、前記膜吸引口に接続された膜吸引口開閉弁と、前記基材吸引口に接続された基材吸引口開閉弁とをさらに備え、前記膜吸引口開閉弁による前記膜吸引口の吸引と、前記基材吸引口開閉弁による前記基材吸引口の吸引とを、個別に行えることを特徴とする請求項4または5に記載の金属皮膜の成膜装置。 - 前記複数の膜吸引口が異なるタイミングで前記固体電解質膜を吸引可能なように、前記膜吸引口開閉弁が複数設けられていることを特徴する請求項6に記載の金属皮膜の成膜装置。
- 前記載置台には、前記基材の表面に前記金属皮膜を成膜する際に、前記基材を収容するための収容凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属皮膜の成膜装置。
- 陽極と、陰極となる基材との間に固体電解質膜を配置し、前記固体電解質膜を基材に接触させると共に、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加し、該固体電解質膜の内部に含有された金属イオンから金属を前記基材の表面に析出することにより、前記金属からなる金属皮膜を前記基材の表面に成膜する金属皮膜の成膜方法であって、
前記金属皮膜を成膜する際に、前記基材の表面に前記固体電解質膜が密着するように前記基材側から前記固体電解質膜を吸引することを特徴とする金属皮膜の成膜方法。 - 前記陽極と前記固体電解質膜との間において、前記金属イオンを含む溶液を前記陽極と前記固体電解質膜とに接触するように金属イオンを含む溶液を収容しながら、前記金属皮膜の成膜を行うことを特徴とする請求項9に記載の金属皮膜の成膜方法。
- 前記陽極と前記固体電解質膜との間に収容された金属イオンを含む溶液を循環させながら、前記金属皮膜の成膜を行うことを特徴とする請求項9に記載の金属皮膜の成膜方法。
- 前記固体電解質膜の吸引を前記基材の周縁部に沿った位置から行うことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の金属皮膜の成膜方法。
- 前記成膜方法は、前記基材を載置台に載置した状態で、前記金属皮膜を成膜するものであり、前記固体電解質膜の吸引と共に、前記基材の周縁部を前記載置台側に吸引することを特徴とする請求項12に記載の金属皮膜の成膜方法。
- 前記成膜方法は、前記基材を載置台に載置した状態で、前記載置台に対向した前記基材の表面の中央部から、前記基材を前記載置台に吸引し、
該載置台に吸引された基材に対して、前記固体電解質膜の吸引を行うことを特徴とする請求項12または13に記載の金属皮膜の成膜方法。 - 前記基材の周縁部に沿った異なる位置で、前記固体電解質膜を吸引するタイミングを変えて、前記固体電解質膜の吸引を行うことを特徴とする請求項14に記載の金属皮膜の成膜方法。
- 前記載置台には、前記基材を収容するための収容凹部が形成されており、
前記基材を前記収容凹部に収容した状態で、前記基材の表面に前記金属皮膜を成膜することを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の金属皮膜の成膜方法。
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