JP7484865B2 - 金属皮膜の成膜装置および金属皮膜の成膜方法 - Google Patents

金属皮膜の成膜装置および金属皮膜の成膜方法 Download PDF

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Description

本発明は、基材の表面に金属イオンから金属皮膜を成膜する成膜装置および成膜方法に関する。
たとえば、特許文献1には、陽極と、陽極と陰極となる基材との間に配置された固体電解質膜と、陽極と基材との間に電圧を印加する電源部と、基材を載置する載置台と、を備えた成膜装置が提案されている。この成膜装置では、収容室を封止する固体電解質膜で基材を押圧した状態で、陽極と、陰極となる基材との間に電流を通電し、ハウジングの収容室に収容された電解液に由来した金属イオンから、金属皮膜を基材の表面に成膜することができる。
特許第5605517号公報
しかしながら、特許文献1の成膜装置では、成膜した金属皮膜の表面にわずかに電解液が残存することがある。残存した電解液が金属皮膜の表面で乾燥すると、金属皮膜が変色または変質するおそれがある。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、本発明として、成膜した金属皮膜の表面に残存する電解液の乾燥に起因した金属皮膜の変色または変質の発生を低減することができる金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法を提供する。
前記課題を鑑みて、本発明に係る金属皮膜の成膜装置は、陽極と、前記陽極と陰極となる基材との間に配置された固体電解質膜と、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加する電源部と、前記陽極とともに電解液を収容する収容室が形成され、前記収容室を封止するように前記固体電解質膜が取り付けられたハウジングと、前記ハウジングに対向するように配置され、前記基材を載置する載置台と、を少なくとも備え、前記収容室の電解液の液圧により、前記固体電解質膜で前記基材の表面を押圧した状態で、前記電圧を印加して、前記電解液に含まれる金属イオンから金属皮膜を、前記基材の表面に成膜する成膜装置であって、前記固体電解質膜が前記金属皮膜に接触した状態で、前記ハウジングと前記載置台との間において、前記金属皮膜が存在する空間が封止されており、前記成膜装置は、前記固体電解質膜が接触した状態の前記金属皮膜の表面に洗浄水が流れ込むように、封止された前記空間に洗浄水を供給する給水部と、前記金属皮膜の表面に流れ込んだ洗浄水が前記金属皮膜の表面から流れ出すように、封止された前記空間から洗浄水を排水する排水部と、をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、収容室の電解液の液圧により、固体電解質膜で基材の表面を押圧した状態で、陽極と基材との間に電圧を印加して、収容室に収容された電解液に含まれる金属イオンを、固体電解質膜に透過させ、基材の表面で金属を析出させることができる。これにより、基材の表面に金属皮膜を成膜することができる。
ここで、本発明によれば、金属皮膜に固体電解質膜が接触した状態で、ハウジングと載置台との間において、金属皮膜が存在する空間が封止されており、この封止された空間内において、金属皮膜を洗浄することができる。具体的には、給水部により、封止された空間において、固体電解質膜が接触した状態の金属皮膜の表面に、洗浄水を流し込むことができる。一方、排水部により、金属皮膜の表面に流れ込んだ洗浄水を、固体電解質膜と金属皮膜の間から流れ出させることができる。
これにより、成膜された金属皮膜に、電解液が残存したとしても、電解液が大気等に触れて乾燥することを回避しつつ、残存した電解液を金属皮膜の表面から洗い流し、洗浄水とともに、固体電解質膜と金属皮膜の間から排出することができる。このような結果、金属皮膜の表面に残存する電解液の乾燥に起因した金属皮膜の変色または変質の発生を低減することができる。
ここで、給水部および排水部による金属皮膜の洗浄を手動で行ってもよく、金属皮膜を洗浄できるのであれば特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様としては、前記成膜装置は、前記収容室から電解液を排出する液排出機構と、前記液排出機構による電解液の排出と、前記給水部の前記洗浄水の供給とを少なくとも制御する制御装置と、をさらに備えており、前記制御装置は、前記液排出機構に前記収容室内の電解液を排出させるとともに、前記給水部に前記洗浄水を供給させる。
金属皮膜の成膜が完了してから、制御装置が、液排出機構に収容室の電解液を排出させると、固体電解質膜に作用する液圧は低減されるため、固体電解質膜が基材を押圧する押圧力も低下する。これにより、固体電解質膜が基材から離れるように変形し易くなる。そこで、この態様では、電解液の排出とともに、給水部に洗浄水を供給させることにより、固体電解質膜を基材の表面から離れるように変形させて、固体電解質膜と金属皮膜との間に、洗浄水を流し込み易くなる。
特に、基材の上方から固体電解質膜を押圧して成膜する場合には、固体電解質膜には、収容室に収容された電解液の重量により、基材側に向かって、液圧が作用し易い。この態様によれば、電解液の排出により、自重により固体電解質膜に作用する液圧は低減されるので、固体電解質膜と金属皮膜との間に、洗浄水を流し込み易い。
ここで、洗浄水で金属皮膜を洗浄できるのであれば、給水部および排水部の構造は特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様によれば、前記載置台には、前記基材を収容する収容凹部が形成されており、前記給水部は、前記載置台の表面に給水溝を有し、前記排水部は、前記載置台の表面に排水溝を有し、前記給水溝と、前記排水溝とは、前記収容凹部を挟んで、対向する位置に形成されている。
この態様によれば、給水溝と排水溝が、収容凹部を挟んで、対向する位置に形成されているので、給水溝を介して、封止された空間に洗浄水を供給すると、金属皮膜の全体に、一方側から洗浄水を流し込み易くなり、流し込まれた洗浄水を、他方側の金属皮膜の排水溝を介して、封止された空間から均一に排出することができる。
本発明に係る金属皮膜の成膜方法は、ハウジングの収容室に収容された電解液の液圧により、前記収容室を封止する固体電解質膜で基材を押圧した状態で、陽極と、陰極となる基材との間に電圧を印加し、前記電解液に含まれる金属イオンから金属皮膜を、前記基材の表面に成膜する成膜方法であって、前記成膜方法は、前記ハウジングに対向するように配置された載置台に、前記基材を載置する工程と、前記載置台に載置された状態の前記基材に、前記固体電解質膜を接触させるとともに、前記液圧により、前記固体電解質膜で前記基材を押圧する工程と、前記固体電解質膜を押圧した状態で、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加することにより、前記基材の表面に前記金属皮膜を成膜する工程と、前記金属皮膜に前記固体電解質膜が接触した状態で、前記ハウジングと前記載置台との間において、前記金属皮膜が存在する空間が封止されており、封止された前記空間内において、前記金属皮膜を洗浄する工程を含み、前記洗浄する工程において、前記固体電解質膜が接触した状態の前記金属皮膜の表面に洗浄水が流れ込むように、封止された前記空間に洗浄水を供給するとともに、前記金属皮膜の表面に流れ込んだ洗浄水を封止された前記空間から排水することを特徴とする。
本発明によれば、成膜する工程において、収容室の電解液の液圧により、固体電解質膜で基材の表面を押圧した状態で、陽極と基材との間に電圧を印加する。これにより、収容室に収容された電解液に含まれる金属イオンを、固体電解質膜に透過させ、基材の表面で金属を析出させることができる。このような結果、基材の表面に金属皮膜を成膜することができる。
さらに、本発明によれば、金属皮膜に固体電解質膜が接触した状態で、ハウジングと載置台との間において、金属皮膜が存在する空間が封止されている。そのため、成膜する工程後、洗浄する工程において、封止された空間に洗浄水を供給することにより、固体電解質膜に接触した状態の金属皮膜と固体電解質膜との間に洗浄水を流し込み、金属皮膜の表面に流し込んだ洗浄水を、封止された空間から排水することができる。
このようにして、成膜された金属皮膜に、電解液が残存したとしても、電解液が大気等に触れて乾燥することを回避しつつ、残存した電解液を金属皮膜の表面から洗浄水で洗い流し、洗浄水とともに、固体電解質膜と金属皮膜の間から電解液を排出することができる。このような結果、金属皮膜の表面に残存する電解液の乾燥に起因した金属皮膜の変色または変質の発生を低減することができる。
より好ましい態様としては、前記洗浄する工程において、前記収容室から前記電解液を排出しながら、封止された前記空間に洗浄水を供給する。
この態様によれば、収容室から電解液を排出しながら、封止された空間に洗浄水を供給するので、洗浄水の液圧により、固体電解質膜を基材の表面から離れるように変形し易く、固体電解質膜と金属皮膜との間に、洗浄水を流し込み易くなる。特に、基材の上方から固体電解質膜を押圧して成膜する場合には、電解液の排出により、このような液圧は低減されるので、固体電解質膜と金属皮膜との間に、洗浄水を流し込み易い。
さらに、好ましい態様としては、前記載置台には、前記基材を収容する収容凹部が形成されており、前記収容凹部を挟んで、対向する位置に、給水溝と排水溝とが形成されており、前記洗浄する工程において、前記給水溝を介して、封止された前記空間に洗浄水を供給し、前記排水溝を介して、封止された前記空間から洗浄水を排水する。
この態様によれば、給水溝と排水溝が、収容凹部を挟んで、対向する位置に形成されているので、給水溝を介して、封止された空間に洗浄水を供給すると、金属皮膜の一方側から、金属皮膜の他方側に向かって、金属皮膜の全体に洗浄水を流すことができるため、より均一な洗浄を行うことができる。
本発明の金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法によれば、成膜した金属皮膜の表面に残存する電解液の乾燥に起因した金属皮膜の変色または変質の発生を低減することができる。
本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置に基材を載置した状態を説明する模式的断面図である。 図1に示す成膜装置の載置台をハウジング側から見た図である。 図1に示す成膜装置の給水部の変形例を説明する図である。 図1に示す成膜装置を用いた金属皮膜の成膜方法の工程を説明するフロー図である。 図4に示す金属皮膜の成膜工程を説明する模式的概念図である。 図4に示す金属皮膜の洗浄工程を説明する模式的概念図である。
以下に、図1~図6を参照しながら本発明に係る実施形態について説明する。
1.成膜装置1の構造について
図1および図2を参照しながら、本実施形態に係る金属皮膜を成膜する成膜装置1について説明する。本実施形態の成膜装置1は、固体電解質膜を用いた固相電析法で、金属皮膜を成膜する成膜装置(めっき装置)である。成膜装置1は、基材Wを陰極として、基材Wの表面に金属皮膜Fを成膜(形成)する際に用いられる。成膜装置1は、複数の基材Wの表面に金属皮膜Fを連続して成膜する際に用いてもよい。陰極となる基材Wは、銅、ニッケル、銀、または金等の金属材料からなる基材でもよく、樹脂、セラミックス等の表面に、銅、ニッケル、銀、または金等の金属下地層が形成されている基材でもよい。金属皮膜の成膜時には、この金属下地層は、後述する電源部13の負極に導通されて、陰極となる。
図1に示すように、成膜装置1は、陽極11と、陽極11と基材Wとの間に配置された固体電解質膜12と、陽極11と基材Wとの間に電圧を印加する電源部13と、を備えている。成膜装置1は、電解液Sを収容する収容室14aが形成されたハウジング14と、基材Wを載置する載置台15と、をさらに備えている。
本実施形態では、陽極11は、電源部13の正極に電気的に接続されており、載置台15は、電源部13の負極に電気的に接続されている。載置台15は、導電性の材料からなるため、基材Wは、電源部13の負極と導通する。これにより、固体電解質膜12を基材Wの表面に接触させた状態で、電源部13で陽極11と基材Wとの間に電圧を印加することにより、これらの間に電流を通電することができる。
本実施形態では、陽極11は、たとえば、板状の金属板であり、金属皮膜Fと同じ材料(たとえばCu)からなる可溶性の陽極、または、電解液Sに対して不溶性を有した材料(たとえばTi)からなる陽極のいずれであってもよい。
固体電解質膜12は、電解液Sに接触させることにより、金属イオンを内部に含浸(含有)することができ、陽極11と陰極との間を通電した時に、陰極(基材W)の表面において金属イオン由来の金属を析出可能であれば、特に限定されるものではない。
固体電解質膜12は、後述する電解液Sの液圧により可撓性を有する厚みに設定されており、固体電解質膜12の厚みは、たとえば、1μm~200μmであることが好ましい。固体電解質膜12の材料としては、たとえばデュポン社製のナフィオン(登録商標)等のフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、旭硝子社製のセレミオン(CMV、CMD、CMFシリーズ)等の陽イオン交換機能を有した樹脂を挙げることができる。
電解液Sは、金属皮膜Fの金属をイオンの状態で含有している液であり、その金属に、Cu、Ni、Zn、Ag、Sn、またはAu等を挙げることができる。電解液Sは、これらの金属を、硝酸、リン酸、コハク酸、硫酸、またはピロリン酸等の酸で溶解(イオン化)したものである。
本実施形態では、ハウジング14は、電解液Sに対して不溶性の材料からなる。ハウジング14には、陽極11ともに電解液Sを収容室14aが形成されている。ハウジング14には、下方に開口した収容室14aを封止するように、固体電解質膜12が取り付けられている。具体的には、収容室14aには、固体電解質膜12と間隔を空けて陽極11が配置されており、陽極11と固体電解質膜12との間には、これらに接触するように、電解液Sが収容されている。
本実施形態では、ハウジング14の側壁14bの端面14cには、固体電解質膜12の周縁を折り曲げた状態で、シール材17を挿入する挿入溝14dが形成されている。挿入溝14dは、収容室14aの開口を囲うように形成されている。固体電解質膜12の周縁を折り曲げた状態で、挿入溝14dにシール材17を挿入し、弾性変形したシール材17で、固体電解質膜12の周縁を押圧することにより、固体電解質膜12で、下方に開口した収容室14aを封止することができる。
ハウジング14には、電解液Sが供給される供給口14eと、電解液Sが排出される排出口14fとが形成されている。供給口14eおよび排出口14fは、配管を介してタンク21に接続されている。タンク21と供給口14eとの間には、タンク21の電解液Sを圧送する圧送ポンプ22が設けられている。これにより、タンク21から圧送ポンプ22によって送り出された電解液Sを、供給口14eから収容室14aに流入させ、流入した電解液Sを排出口14fから排出させ、排出した電解液Sをタンク21に戻すことができる。
さらに、本実施形態では、排出口14fの下流側に、圧力調整弁23が設けられており、圧力調整弁23および圧送ポンプ22により収容室14a内の電解液Sを所定の圧力まで増圧することができる。このようにして、成膜時に、電解液Sの液圧により、固体電解質膜12に接触した基材Wを、固体電解質膜12で押圧することができる(図5を参照)。これにより、基材Wを固体電解質膜12で均一に加圧しながら、基材Wに金属皮膜Fを成膜することができる。なお、本明細書では、圧力調整弁23および圧送ポンプ22が、押圧機構20に相当する。
載置台15には、基材Wの形状に応じた収容凹部15aが形成されている。本実施形態では、その一例として、基材Wを収容凹部15aに収容した状態で、収容凹部15aの側壁面と基材Wの側面との間には隙間がないことが好ましく、載置台15の表面15cと基材Wとの表面が同一平面上に形成されていることがさらに好ましい。これにより、後述する給水部40により洗浄水Aを金属皮膜Fの表面に流し込み易くなり、流し込まれた洗浄水Aを後述する排水部50により排出しやすくなる。
なお、本実施形態では、成膜装置1は、ハウジング14の上部に接続された昇降装置16を、さらに備えている。昇降装置16は、基材Wと固体電解質膜12とが離間した位置から、基材Wに固体電解質膜12が接触する位置までの区間、ハウジング14を昇降させる装置である。昇降装置16は、ハウジング14を昇降させることができるものであれば、その詳細は限定されるものではなく、たとえば、油圧式または空圧式のシリンダ、電動式のアクチュエータ、リニアガイドおよびモータ等によって構成可能である。
本実施形態では、成膜装置1は、収容室14a内に収容された電解液Sを排出する液排出機構30をさらに備えている。具体的には、液排出機構30は、収容室14aに連通する連通通路30aと、連通通路30aに取り付けられた電磁弁などの開閉弁31と、収容室14aから排出される電解液Sを収容する収容槽32と、を備えている。
収容槽32は、配管を介して、ハウジング14の側壁14bに形成された連通通路30aに接続され、連通通路30aと収容槽32との間には、開閉弁31が配置されている。開閉弁31は、開弁状態で、収容室14aから電解液Sを排出し、閉弁状態で、収容室14aの密閉性を確保する。この他にも、開閉弁31または圧力調整弁23を開弁した後、ハウジング14の供給口14eから、エアポンプ(図示せず)を介して、収容室14aにエアを圧送し、収容室14aの電解液Sを排出口14fから排出してもよい。
ところで、成膜時に、電解液Sが固体電解質膜12を透過し、金属皮膜Fの表面にわずかに電解液Sが残存することがある。残存した電解液Sは、酸性の溶液であるため、金属皮膜Fの表面で乾燥すると、金属皮膜Fが変色または変質するおそれがある。このような点を鑑みて、本実施形態では、以下の装置構成を採用している。
本実施形態では、成膜装置1は、シール材18、給水部40、および排水部50をさらに備えている。図5に示すように、固体電解質膜12が金属皮膜Fに接触した状態で、ハウジング14と載置台15との間において、金属皮膜Fが存在する空間が、シール材18により封止されている。金属皮膜Fが存在する空間とは、金属皮膜Fを囲うように封止された空間である。
シール材18は、このような封止する空間(封止空間B)を形成することができるのであれば、その構造は、特に限定されるものではなく、ゴムまたは樹脂からなる枠状の部材であってもよく、ハウジング14と載置台15とによりメカニカルシールを形成してもよい。本実施形態では、シール材18は、載置台15に配置されているが、たとえば、ハウジング14に配置されていてもよい。
図2に示すように、シール材18は、後述する給水溝41、収容凹部15a、および排水溝51を囲むように、載置台15の表面15cに配置されている。本実施形態では、昇降装置16によりハウジング14を下降させると、シール材18がハウジング14と載置台15とに挟み込まれ、圧縮変形する。これにより、ハウジング14と載置台15との間で、シール材18に囲まれた封止空間Bが形成される(図5参照)。
給水部40は、固体電解質膜12が接触した状態の金属皮膜Fの表面に洗浄水Aが流れ込むように、封止空間Bに洗浄水Aを供給するものである。給水部40は、載置台15の表面15cに形成された給水溝41と、載置台15内に形成された給水通路42とを有し、給水溝41は、接続部42aを介して給水通路42に連通している。本実施形態では、給水溝41を設けたが、たとえば、給水溝41の代わりに、給水通路42の1つまたは複数の端部を給水口として、載置台15の表面15cに設けてもよい。
給水部40は、固体電解質膜12が接触した状態の金属皮膜Fの表面に洗浄水Aを流し込むことができるものであれば、その構成は限定されるものではない。すなわち、相互に接触した固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間に、洗浄水Aを流し込むことができる圧力を確保することができるものであれば、その構成は特に限定されない。
より好ましくは、給水部40は、洗浄水Aを収容した給水槽44と、給水槽44から給水通路42に洗浄水Aを圧送する圧送ポンプ43と、をさらに備えている。これにより、給水槽44の洗浄水Aを、圧送ポンプ43で封止空間B内に圧送し、固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間に、洗浄水Aを流し込み易くなる。なお、洗浄水Aは、金属皮膜Fの表面を洗浄することができるものであれば、特に限定されるものではないが、不純物をほとんど含まない純水がより好ましい。
排水部50は、金属皮膜Fの表面に流れ込んだ洗浄水Aが金属皮膜Fの表面から流れ出すように、封止空間Bから洗浄水Aを排水するものである。排水部50は、載置台15の表面15cに形成された排水溝51と、載置台15内に形成された排水通路52とを有し、排水溝51は、接続部52aを介して排水通路52に連通している。本実施形態では、排水溝51を設けたが、たとえば、排水溝51の代わりに、排水通路52の1つまたは複数の端部を排水口として、載置台15の表面15cに設けてもよい。
より好ましくは、排水部50は、排水通路52を介して、封止空間B内の洗浄水Aを吸引する吸引ポンプ53と、吸引した洗浄水Aを収容する排水槽54と、をさらに備えている。これにより、吸引ポンプ53で、固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間に、流し込まれた洗浄水Aを吸い出して、封止空間Bから、排出し易くなる。
ここで、図2に示すように、本実施形態では、給水溝41および排水溝51は、収容凹部15aの周縁15bから間隔を空けて形成されている。さらに、給水溝41と、排水溝51とは、収容凹部15aを挟んで、対向する位置に形成されている。これにより、給水溝41を介して、封止空間Bに洗浄水Aを供給すると、金属皮膜Fの一方側から、金属皮膜Fの他方側に向かって、金属皮膜Fの全体に洗浄水Aを流すことができるため、より均一な洗浄を行うことができる。
ここでは、図1および図2に示すように、給水溝41が載置台15の表面15cに形成された例を説明したが、これに限定されず、図3に示すように、給水溝41が収容凹部15aの側面15dに形成されていてもよい。これにより、洗浄水Aを基材Wの側面に直接吹き付けることができるので、基材Wに成膜された金属皮膜Fの表面に洗浄水Aを効率的に流し込むことができる。
本実施形態では、成膜装置1は、固体電解質膜12が金属皮膜Fに接触した状態で、ハウジング14と載置台15との間に封止空間Bが形成されている。これにより、洗浄時、ハウジング14と載置台15との間に供給される洗浄水Aの漏洩を防止することができる。また、ハウジング14と載置台15との間に洗浄水Aが供給されると、洗浄水Aの液圧が高まり、洗浄水Aが固体電解質膜12と基材Wとの間に入り込み易くなる。
さらに、本実施形態では、成膜装置1は、押圧機構20の圧送ポンプ22の起動および停止と、給水部40による洗浄水Aの供給と、排水部50による洗浄水Aの排水と、液排出機構30による電解液Sの排出と、電源部13による電圧の印加およびその停止と、を制御する制御装置60をさらに備えている。具体的には、制御装置60は、押圧機構20の圧送ポンプ22と、給水部40に洗浄水Aを圧送する圧送ポンプ43と、洗浄水Aを吸引する吸引ポンプ53と、液排出機構30の開閉弁31と、電源部13とに、制御信号を送信し、これらの制御を行う。
制御装置60は、ハードウエアとしてCPU等の演算装置、RAM、ROM等の記憶装置を基本構成とする。演算装置では、圧送ポンプ22、圧送ポンプ43、吸引ポンプ53、開閉弁31、および電源部13への制御信号が演算され、これらの信号が送信される。また、記憶装置では、たとえば、予め設定された排出時間が記憶されている。
上述したように、成膜時に、金属皮膜Fの表面にわずかに電解液Sが残存することがあるため、本実施形態では、制御装置60は、液排出機構30に、収容室14a内の電解液Sを排出させるとともに、給水部40に洗浄水Aを供給させる。なお、制御装置60による制御は、図4に示す金属皮膜Fの成膜方法の各工程を説明する際に詳述する。
本実施形態の成膜装置1によれば、金属皮膜Fに固体電解質膜12が接触した状態で、ハウジング14と載置台15との間において、金属皮膜Fが存在する空間が封止されており、この封止された空間(封止空間B)内において、金属皮膜Fを洗浄することができる。具体的には、給水部40により、封止空間Bにおいて、固体電解質膜12が接触した状態の金属皮膜Fの表面に、洗浄水Aを流し込むことができる。一方、排水部50により、金属皮膜Fの表面に流れ込んだ洗浄水Aを、固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間から流れ出させることができる。特に、制御装置60が、液排出機構30に収容室14a内の電解液Sを排出させるとともに、給水部40に洗浄水Aを供給させるので、洗浄水Aを、固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間により一層流し込み易くなる。
このような給水部40から排水部50までの一連した洗浄水Aの流れによって、成膜した金属皮膜Fの表面に、電解液Sが残存したとしても、電解液Sが大気等に触れて乾燥することを回避しつつ、残存した電解液Sを金属皮膜Fの表面から洗い流すことができる。洗い流された電解液Sは、洗浄水Aとともに、固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間から排出することができる。このような結果、金属皮膜Fの表面に残存する電解液Sの乾燥に起因した金属皮膜Fの変色または変質の発生を低減することができる。
2.金属皮膜Fの成膜方法について
図4~図6を参照して、本実施形態に係る金属皮膜Fの成膜方法について説明する。なお、成膜方法は、以下に、図4に示す工程のフローに沿って、説明する。
2-1.基材Wの載置工程S1について
本実施形態に係る金属皮膜Fの成膜方法では、まず、基材Wの載置工程S1を行う。この工程では、載置台15に基材Wを配置する(図1を参照)。具体的には、ハウジング14が載置台15の上方に配置された状態で、載置台15の収容凹部15aに基材Wを収容する。これにより、固体電解質膜12に対向する位置に、基材Wが配置される。
また、本実施形態では、給水溝41と、排水溝51とは、収容凹部15aを挟んで、対向する位置に形成され、これらを囲むように、載置台15の周縁には、枠状のシール材18が配置されている。このため、収容凹部15aに基材Wを収容することにより、シール材18の枠内に、給水溝41、基材W、および排水溝51が収まった状態となる(図2を参照)。
2-2.固体電解質膜12の押圧工程S2について
次に、固体電解質膜12の押圧工程S2を行う。この工程では、図5に示すように、ハウジング14に取り付けられた固体電解質膜12を、載置された状態の基材Wに接触させるとともに、液圧により、固体電解質膜12を、基材Wに対して押圧する。
具体的には、昇降装置16で、電解液Sを収容する収容室14aが形成されたハウジング14を基材Wに向かって移動させ、ハウジング14に基材Wと対向するように取り付けられた固体電解質膜12を基材Wの表面に接触させる。このとき、ハウジング14と載置台15とで、シール材18が挟み込まれるので、ハウジング14と載置台15との間には、シール材18に囲まれた封止空間Bが形成される。
制御装置60により圧送ポンプ22を制御し、タンク21から収容室14aに電解液Sを供給して、金属皮膜Fを成膜する圧力条件で、押圧機構20(圧送ポンプ22および圧力調整弁23)により、固体電解質膜12で基材Wを押圧する。なお、押圧の際、開閉弁31は、収容室14aの密閉性を確保するために、閉弁状態である。この結果、圧送ポンプ22により電解液Sが加圧され、固体電解質膜12が基材Wに倣うとともに、圧力調整弁23によりハウジング14内の電解液Sは設定された一定の圧力になる。すなわち、固体電解質膜12は、ハウジング14内の電解液Sの調圧させた液圧で、基材Wの表面を均一に押圧することができる。
2-3.金属皮膜の成膜工程S3について
次に、金属皮膜の成膜工程S3を行う。図5に示すように、この工程では、固体電解質膜12を押圧した状態で、制御装置60による電源部13の制御により、陽極11と基材Wとの間に電圧を印加して、基材Wの表面に金属皮膜Fを成膜する。この電圧の印加により、固体電解質膜12の内部に含有する金属イオンに由来の金属が析出するため、基材Wの表面に金属イオンに由来した金属皮膜Fを成膜することができる。所望の金属皮膜Fの膜厚に成膜されてから(具体的には陽極11と基材Wとの間に一定の電流を所定の時間通電してから)、制御装置60による電源部13の制御により、陽極11と基材Wとの間の電圧の印加を停止する。これにより、金属皮膜Fの成膜を終了する。本実施形態では、成膜した金属皮膜Fに固体電解質膜12が接触した状態で、後述するように、金属皮膜Fの表面を洗浄する。
2-4.金属皮膜の洗浄工程S4について
次に、金属皮膜の洗浄工程S4を行う。図6に示すように、この工程では、給水部40により、固体電解質膜12が接触した状態の金属皮膜Fの表面に洗浄水Aが流れ込むように、封止空間Bに洗浄水Aを供給する。一方、排水部50により、金属皮膜Fの表面に流れ込んだ洗浄水Aを封止空間Bから排水する。本実施形態では、制御装置60により、封止空間Bに洗浄水Aが供給されてから、吸引ポンプ53を起動し、排水部50による洗浄した洗浄水Aの排水を制御する。
ここで、シール材18により、ハウジング14と載置台15との間で、シール材18に囲まれた封止空間Bの密閉性は確保されている。そのため、シール材18の内側に位置する給水部40により、ハウジング14と載置台15との間に洗浄水Aが供給されると、洗浄水Aの液圧が高まる。
このような結果、固体電解質膜12が金属皮膜Fに接触した状態であっても、洗浄水Aを固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間に流し込み易くなる。このように流し込んだ洗浄水Aは、固体電解質膜12と金属皮膜Fの間から流れ出し、排水部50により、封止空間Bから排水される。
ここで、収容室14aから電解液Sを排出しながら、封止空間Bに洗浄水Aを供給することが好ましい。具体的には、制御装置60は、液排出機構30に収容室14a内の電解液Sを排出させるとともに、給水部40に洗浄水Aを供給させる。本実施形態では、制御装置60は、タンク21から収容室14aへの電解液Sの供給を停止すべく、押圧機構20の圧送ポンプ22を停止するように制御信号を圧送ポンプ22に送信する。また、制御装置60は、収容室14a内の電解液Sを排出すべく、閉弁状態の開閉弁31が開弁するように制御信号を開閉弁31に送信する。さらに、制御装置60は、洗浄水Aを供給すべく、圧送ポンプ43を起動するように制御信号を圧送ポンプ43に送信する。
このようにして、金属皮膜Fの成膜が完了してから、制御装置60が、液排出機構30に収容室14aの電解液Sを排出させると、成膜時に調整した固体電解質膜12に作用する液圧は低減されるため、固体電解質膜12が基材Wを押圧する押圧力も低下する。これにより、固体電解質膜12が基材Wから離れるように変形し易くなる。そこで、本実施形態では、電解液Sの排出とともに、給水部40に洗浄水Aを供給させることにより、固体電解質膜12を基材Wの表面から離れるように変形させて、固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間に、洗浄水Aを流し込み易くなる。このようにして、金属皮膜Fの洗浄効率を高めることができる。
ここで、本実施形態では、収容室14aの下方において、固体電解質膜12が、収容室14aを封止している。したがって、収容室14aに収容された電解液Sが収容槽32に排出されると、固体電解質膜12に作用する電解液Sの自重による圧力も減少する。これにより、洗浄水Aを、固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間により流し込み易くなる。
なお、収容室14aの電解液Sの排出を開始してから、この排出が完了するまでの間に、給水部40により洗浄水Aの供給を開始してもよい。これにより、収容室14a内の電解液Sの入れ替え(具体的には、電解液Sの排出)と、洗浄水Aによる金属皮膜Fの洗浄とをより短時間で行うことができる。
制御装置60により、ハウジング14内の電解液Sの排出が完了してから、所定の時間経過後、給水部40の給水を停止してもよい。具体的には、給水の停止の際、制御装置60は、圧送ポンプ43を停止するように制御信号を圧送ポンプ43に送信する。また、制御装置60は、洗浄水Aの排水を停止すべく、吸引ポンプ53を停止するように制御信号を吸引ポンプ53に送信する。なお、必要に応じて、制御装置60は、開弁状態の開閉弁31が閉弁するように制御信号を開閉弁31に送信してもよい。これにより、洗浄水Aが固体電解質膜12と金属皮膜Fとの間を流れ易い状態を確保して、金属皮膜Fの洗浄をすることができる。
なお、ここでは、開閉弁31を制御することにより、電解液Sを排出する例を説明したが、電解液Sを収容槽32に排出可能なように、開閉弁31の下流に設けられた吸引ポンプ(不図示)により、電解液Sを排出してもよい。
2-5.基材の取り出し工程S5について
次に、基材の取り出し工程S5を行う。この工程では、金属皮膜Fを洗浄した状態の基材Wを成膜装置1から取り出す。具体的には、ハウジング14を所定の高さまで上昇させて(図1を参照)、固体電解質膜12を、金属皮膜Fの表面を洗浄した状態の基材Wから引き離す。
本実施形態では、成膜時に、金属皮膜Fの表面に、電解液Sが残っていたとしても、上述したように、金属皮膜Fの表面を洗浄しているため、残存した電解液Sが金属皮膜Fにはほとんど存在しない。そのため、固体電解質膜12を基材Wから引き離し、金属皮膜Fが空気に晒されたとしても、電解液Sの乾燥に起因した、金属皮膜Fの変色および変質を抑えることができる。
以下に、本発明を実施例により説明する。
<実施例1>
表面に成膜する基材として、ガラスエポキシ基材の表面にCu皮膜が形成されたもの(10cm×10cm×Cu皮膜の膜厚500nm)を準備した。次に、図1に示す成膜装置を用いて、図4に示す成膜方法に沿って、銅皮膜を成膜した。電解液に、光沢剤を含有した硫酸銅メッキ液を用い、陽極にはCu板、固体電解質膜には、膜厚8μmのナフィオンN212(デュポン(株)社製)を使用した。
試験条件としては、温度42℃、電流密度18A/dm、液圧0.6MPa、成膜時間388秒で、10μmの膜厚の銅皮膜を成膜した。次いで、液圧による押圧を解除した後、ハウジング内の電解液の排出を行うととともに、給水部により純水の供給を開始した。ハウジング内の電解液の排出を完了した後に、給水部による給水を停止した。その後、ハウジングを上昇させて、基材を取り出し、乾燥することで、基材の表面に銅皮膜が成膜された試験片を作製した。
<比較例1>
実施例1と同様にして、比較例1の試験片を作製した。ただし、比較例1では、給水部による給水を行わなかった点が実施例1とは異なる。具体的には、液圧による押圧を解除した後、給水部による供給を行わずに、ハウジング内の電解液の排出を行い、排出後、ハウジングを上昇させて、基材を取り出した後、金属皮膜の表面を純水で洗浄して、乾燥することで、試験片を作製した。
<結果・考察>
実施例1および比較例1の試験片の外観を観察した。実施例1の試験片には、色ムラが認められず、全体に均一な色の金属皮膜が成膜された。一方、比較例1の試験片には、赤く変色した色ムラが認められた。これは、実施例1では、成膜した後、固体電解質膜が金属皮膜に接触した状態で、金属皮膜の表面に残存する電解液が乾燥することなく、金属皮膜から電解液が洗い流されたからであると考えられる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1:成膜装置、11:陽極、12:固体電解質膜、13:電源部、14:ハウジング、14a:収容室、15:載置台、15a:収容凹部、15c:表面、40:給水部、50:排水部、15b:周縁、18:シール材、41:給水溝、51:排水溝、20:押圧機構、30:液排出機構、60:制御装置、A:洗浄水、B:空間(封止空間)、S:電解液、F:金属皮膜、W:基材、S1:載置する工程、S2:押圧する工程、S3:成膜する工程、S4:洗浄する工程

Claims (6)

  1. 陽極と、
    前記陽極と陰極となる基材との間に配置された固体電解質膜と、
    前記陽極と前記基材との間に電圧を印加する電源部と、
    前記陽極とともに電解液を収容する収容室が形成され、前記収容室を封止するように前記固体電解質膜が取り付けられたハウジングと、
    前記ハウジングに対向するように配置され、前記基材を載置する載置台と、を少なくとも備え、
    前記収容室の電解液の液圧により、前記固体電解質膜で前記基材の表面を押圧した状態で、前記電圧を印加して、前記電解液に含まれる金属イオンから金属皮膜を、前記基材の表面に成膜する成膜装置であって、
    前記固体電解質膜が前記金属皮膜に接触した状態で、前記ハウジングと前記載置台との間において、前記金属皮膜が存在する空間が封止されており、
    前記成膜装置は、
    前記固体電解質膜が接触した状態の前記金属皮膜の表面に洗浄水が流れ込むように、封止された前記空間に洗浄水を供給する給水部と、
    前記金属皮膜の表面に流れ込んだ洗浄水が前記金属皮膜の表面から流れ出すように、封止された前記空間から洗浄水を排水する排水部と、をさらに備えることを特徴とする金属皮膜の成膜装置。
  2. 前記成膜装置は、
    前記収容室から電解液を排出する液排出機構と、
    前記液排出機構による電解液の排出と、前記給水部の前記洗浄水の供給とを少なくとも制御する制御装置と、
    をさらに備えており、
    前記制御装置は、前記液排出機構に前記収容室内の電解液を排出させるとともに、前記給水部に前記洗浄水を供給させることを特徴とする請求項1に記載の金属皮膜の成膜装置。
  3. 前記載置台には、前記基材を収容する収容凹部が形成されており、
    前記給水部は、前記載置台の表面に給水溝を有し、
    前記排水部は、前記載置台の表面に排水溝を有し、
    前記給水溝と、前記排水溝とは、前記収容凹部を挟んで、対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属皮膜の成膜装置。
  4. ハウジングの収容室に収容された電解液の液圧により、前記収容室を封止する固体電解質膜で基材を押圧した状態で、陽極と、陰極となる基材との間に電圧を印加し、前記電解液に含まれる金属イオンから金属皮膜を、前記基材の表面に成膜する成膜方法であって、
    前記成膜方法は、
    前記ハウジングに対向するように配置された載置台に、前記基材を載置する工程と、
    前記載置台に載置された状態の前記基材に、前記固体電解質膜を接触させるとともに、前記液圧により、前記固体電解質膜で前記基材を押圧する工程と、
    前記固体電解質膜を押圧した状態で、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加することにより、前記基材の表面に前記金属皮膜を成膜する工程と、
    前記金属皮膜に前記固体電解質膜が接触した状態で、前記ハウジングと前記載置台との間において、前記金属皮膜が存在する空間が封止されており、封止された前記空間内において、前記金属皮膜を洗浄する工程を含み、
    前記洗浄する工程において、前記固体電解質膜が接触した状態の前記金属皮膜の表面に洗浄水が流れ込むように、封止された前記空間に洗浄水を供給するとともに、前記金属皮膜の表面に流れ込んだ洗浄水を封止された前記空間から排水することを特徴とする金属皮膜の成膜方法。
  5. 前記洗浄する工程において、前記収容室から前記電解液を排出しながら、封止された前記空間に洗浄水を供給することを特徴とする請求項4に記載の金属皮膜の成膜方法。
  6. 前記載置台には、前記基材を収容する収容凹部が形成されており、
    前記収容凹部を挟んで、対向する位置に、給水溝と排水溝とが形成されており、
    前記洗浄する工程において、前記給水溝を介して、封止された前記空間に洗浄水を供給し、前記排水溝を介して、封止された前記空間から洗浄水を排水することを特徴とする請求項4または5に記載の金属皮膜の成膜方法。
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