JP2022091406A - 加圧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜状部材を皺や弛み等なく被加圧物に圧接させて密着させる。【解決手段】加圧装置は、被加圧物を載置可能な載置基台と、載置基台に対して対向配置されて、内部に圧力媒体室を形成可能なハウジングと、圧力媒体を圧力媒体室内に供給可能な媒体供給部と、載置基台とハウジングとの間に、被加圧物を覆うように配置された枚葉状の膜状部材と、を有し、膜状部材を介して圧力媒体により被加圧物に対して繰り返し加圧可能な加圧装置であって、膜状部材は、枠状の第1部材及び第1部材の外周側に嵌まる第2部材を有する保持治具を介して、載置基台及びハウジングのいずれか一方に取り付けられ、保持治具は、膜状部材の外周部近傍の第1部位を第1部材及び第2部材の間に挟持すると共に、第1部位よりも内側の第2部位を第1部材の膜状部材との接触側端面に設けられた溝部に吸引可能に構成されている。【選択図】図1A

Description

本発明は、被加圧物に圧力を加える加圧装置に関する。
従来より、回路基板に搭載された半導体チップ等を樹脂封止する際に、圧縮成形法により樹脂封止を行う樹脂成形装置が知られている(下記特許文献1参照)。この樹脂成形装置は、型開き及び型締め可能な成形型の一方の型(例えば、下型)の頂面に設けられたキャビティを有する。そして、このキャビティの外側の外周部の頂面に設けられた環状の外周吸着溝と、この外周吸着溝と繋がる外周貫通路と、を備え、離型フィルムを外周吸着溝及び外周貫通路を介して外周吸着溝の内面に吸着した上で、外周吸着溝の内側に設けられた主吸着溝及びキャビティの型面に沿って吸着する。その後、キャビティ内の溶融樹脂に回路基板に搭載された半導体チップを浸漬し、溶融樹脂を硬化させて樹脂封止を行う。
一方、絶縁体からなる基材の上に導電体からなる回路パターンを形成しめっきをする場合、例えば、陽極と、この陽極に対して陰極となる回路パターンの導体層が表面に形成された樹脂部材との間に配置されるイオン伝導膜と、陽極と導体層との間に電圧を印加する電源部と、を備えた成膜装置により、固相電析(Solid Electrolyte Deposition:SED)法を用いて回路パターンの表面にめっき処理を施すことが行われている(下記特許文献2参照)。この成膜装置は、金属イオンが含有したイオン伝導膜を基材側から吸引して基材の表面に倣わせて密着させ、陽極と導体層との間に電圧を印加することにより、金属イオンを導体層の表面に析出させて、導体層上にめっきを形成し成膜を行う。
特許第6430342号公報 特許第6056987号公報
上記特許文献1に開示された従来技術の樹脂成形装置では、離型フィルムを外周吸着溝の内面に吸着して固定し、更に主吸着溝及びキャビティの型面に沿って吸着して下型に吸着する。このため、離型フィルムに均一な張力を加えて皺や弛み等の発生を防止するとしているが、特に外周吸着溝への吸着時に吸引バランスが崩れた場合等、必ずしも離型フィルムを均一な状態で固定することができず、主吸着溝や型面への吸着時に皺や弛み等が発生してしまうおそれは拭いきれない。
また、上記特許文献2に開示された従来技術の成膜装置では、基材の周縁部に設けられた複数の膜吸引口によりイオン伝導膜を基材の周縁部に沿って吸引し、基材の表面に密着させている。このため、基材の表面に密着するよりも早く膜吸引口にイオン伝導膜が吸着されてしまうと、残留空気を完全に排出することは困難となり、イオン伝導膜に皺や弛み等が発生してその密着具合にバラつきが生じ、成膜ムラが発生してしまうおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、離型フィルムやイオン伝導膜等の膜状部材を皺や弛み等なく被加圧物に圧接させて密着させることができる加圧装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る加圧装置は、被加圧物を載置可能な載置基台と、前記載置基台に対して対向配置されて、内部に圧力媒体室を形成可能なハウジングと、圧力媒体を前記圧力媒体室内に供給可能な媒体供給部と、前記載置基台と前記ハウジングとの間に、前記被加圧物を覆うように配置された枚葉状の膜状部材と、を有し、前記膜状部材を介して前記圧力媒体により前記被加圧物に対して繰り返し加圧可能な加圧装置であって、前記膜状部材は、枠状の第1部材及び該第1部材の外周側に嵌まる第2部材を有する保持治具を介して、前記載置基台及び前記ハウジングのいずれか一方に取り付けられ、前記保持治具は、前記膜状部材の外周部近傍の第1部位を前記第1部材及び前記第2部材の間に挟持すると共に、該第1部位よりも内側の第2部位を前記第1部材の前記膜状部材との接触側端面に設けられた溝部に吸引可能に構成されていることを特徴とする。
本発明に係る加圧装置において、前記溝部は、平面視環状となるように前記第1部材の前記接触側端面に形成されている。
本発明に係る加圧装置において、前記保持治具は、前記第1部材及び前記第2部材の間に配置された第1の弾性シール材を有する。
本発明に係る加圧装置において、前記保持治具は、前記第1部材の前記接触側端面における前記溝部の両側に位置する端面のうち、少なくとも前記第2部材側とは反対側の端面に配置された第2の弾性シール材を有する。
本発明に係る加圧装置において、前記保持治具の前記第1部材よりも内周側に設けられ、前記膜状部材の前記第2部位よりも内側の第3部位と接触する凸部又は凹部からなる補助接触部を更に備える。
本発明に係る加圧装置において、前記補助接触部は、前記載置基台の前記被加圧物の外周側の載置面に設けられている。また、本発明に係る加圧装置において、前記補助接触部は、非連続の突条又は溝からなる。
本発明に係る加圧装置において、前記膜状部材と前記被加圧物との間に配置された箔状部材と、前記膜状部材と前記箔状部材との間に空気を送気可能な送気機構と、を更に備える。
本発明に係る加圧装置において、前記第1部材は、前記膜状部材の前記第2部位よりも内側の第3部位の一部を、前記第1部材側から覆う板状部材を備える。
本発明に係る加圧装置において、前記圧力媒体室の形成時に前記膜状部材と前記載置基台との間に形成される下方空間を有し、前記圧力媒体室及び前記下方空間を減圧可能な減圧部を更に備える。
本発明に係る加圧装置において、前記減圧部は、前記圧力媒体室と連通する第1の流路と、前記下方空間と連通する第2の流路と、これら第1の流路及び第2の流路をバイパスするバイパス流路と、前記第1の流路を開閉する第1開閉弁と、前記第2の流路を開閉する第2開閉弁と、前記バイパス流路に接続された圧力調整機構と、を有する。
本発明に係る加圧装置において、前記減圧部は、前記圧力媒体室と連通する第1の流路と、前記下方空間と連通する第2の流路と、前記第1の流路を開閉する第1開閉弁と、前記第2の流路を開閉する第2開閉弁と、前記第1開閉弁を介して前記第1の流路に接続された第1圧力調整機構と、前記第2開閉弁を介して前記第2の流路に接続された第2圧力調整機構と、を有する。
本発明に係る加圧装置において、前記第1開閉弁は、進退移動して前記第1の流路を閉塞及び開放する弁体を有し、前記弁体は、前記第1開閉弁が閉状態のときに、進行方向先端面が前記圧力媒体室の壁面と面一又は該壁面から突出した状態となるよう構成されている。
本発明によれば、膜状部材を皺や弛み等なく被加圧物に圧接させて密着させることができる。
本発明の一実施形態に係る加圧装置の型開き状態における概略構成を示す図である。 図1Aの一部拡大断面図である。 同加圧装置の型閉じ状態における概略構成を示す図である。 同加圧装置の傾斜状態における概略構成を示す図である。 同加圧装置のハウジングを一部を断面及び省略して概略的に示す透過平面図である。 同ハウジングを概略的に示す図4のB矢視図である。 同ハウジングに固定される保持治具へのイオン伝導膜の取り付け及び膜張りを説明するための図である。 同保持治具におけるイオン伝導膜の吸膜を説明するための図である。 同加圧装置における被加圧物の導体層の近傍箇所を部分的に拡大して概略的に説明するための断面図である。 本発明の他の実施形態に係る加圧装置におけるイオン伝導膜の補助的な膜張り機構を概略的に説明するための図である。 本発明の更に他の実施形態に係る加圧装置の減圧系の回路を概略的に説明するための図である。 同加圧装置のハウジング側の減圧系の回路を概略的に示す図である。 同加圧装置の減圧系の回路の他の例を概略的に示す図である。 同減圧系の回路の液室側の減圧流路を閉塞した状態を概略的に示す図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る加圧装置を詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、本実施形態においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。また、符号を付与していないが、図中に白抜きの丸や四角で示した部分は、主要なOリング等のシール部材を表している。
図1A~図3は、本発明の一実施形態に係る加圧装置1の概略構成を示す図であり、図1Aは加圧装置1の型開き状態を、図1Bは加圧装置1の一部拡大断面を、図2は加圧装置1の型閉じ状態を、図3は加圧装置1の傾斜状態を、それぞれ示している。また、図4は、加圧装置1のハウジング4を一部を断面及び省略して概略的に示す透過平面図であり、図5はハウジング4を概略的に示す図4のB矢視図である。
なお、本実施形態に係る加圧装置1は、例えば、金属イオンを含有する電解液を加圧しつつ、金属イオン還元することで金属を析出させて、金属からなる被膜を被加圧物Cの導体層Dの表面Eに形成するめっき処理装置として用いられ得る。ただし、加圧装置1は、これに限定されるものではなく、気体や液体等の種々の圧力媒体を用いて被加圧物Cに繰り返し圧力を加えることができる装置であれば、種々のものに適用可能である。以下においては、加圧装置1をめっき処理装置として構成し、被加圧物Cに加圧及び表面処理する態様について説明する。
図1A~図5に示すように、加圧装置1は、概略的には、被加圧物Cを載置可能な載置基台2と、この載置基台2に対して対向配置され、内部に圧力媒体室としての液室(閉鎖空間、密閉空間)3を形成するハウジング4と、を備えている。また、加圧装置1は、載置基台2及びハウジング4の少なくとも一方を他方に対して相対移動させる移動機構5と、液室3内に電解液(圧力媒体)を供給又は排出する溶液供給部(媒体供給部、図示省略)と、を備えている。なお、本実施形態において、電解液は、金属イオンを含有する金属溶液を用いることができる。
さらに、加圧装置1は、被加圧物Cを覆い、これと電解液とを分離するために、ハウジング4と載置基台2との間に配置された膜状部材(イオン伝導膜6)と、この膜状部材(イオン伝導膜6)と被加圧物Cとの間に配置された箔状部材10と、を備えている。また、加圧装置1は、液室3内に配置された電極(本実施形態では陽極)となる導電性を有する籠状部材20と、この陽極となる籠状部材20に対して陰極となる被加圧物Cの導体層Dとの間に電圧を印加する電源部7と、を備えている。なお、以下の説明では、膜状部材としてイオン伝導膜6を例に挙げて説明するが、これに限定されず、例えば、離型フィルムやゴムシート等の膜状の部材を任意に採用可能である。また、ゴムシートとしては、例えば、シリコーンゴムシートやフッ素ゴムシート等の種々のゴムシートを任意に採用可能である。
載置基台2は、支持基台8とハウジング4との間に配置されており、被加圧物Cをその表面に載置可能に構成されている。本実施形態では、載置基台2は、被加圧物Cを嵌め込むことが可能なトレイ9bを有すると共に、該トレイ9bを嵌め込むことが可能な凹部を有しているが、トレイ9bを介さずに被加圧物Cを嵌め込む構成や、被加圧物Cを単に載置させる構成であっても良い。ハウジング4は、上記のように載置基台2と対向配置されると共に、例えば、移動機構5によって載置基台2側へ移動された状態のときに、載置基台2との間に閉鎖空間となる液室3を形成可能に構成されている。
載置基台2は、例えば、載置基台2の上面に開口し、載置基台2の内部を通って外部に連通する排気流路9及び排気ポート9aと、図示しない排気ポンプ(例えば、真空ポンプ)と、を有しており、イオン伝導膜6の離隔時に排気ポンプを動作させることにより、載置基台2(トレイ9bが設けられている場合にはトレイ9b)に被加圧物Cを吸着保持させるよう構成されている。
ハウジング4には、液室3内の気体を排出可能な排出流路31と、液室3に対して電解液を供給可能な供給流路41と、が形成されている。また、ハウジング4には、例えば、排出流路31に接続されてこれを開閉する開閉弁として機能すると共に、載置基台2とハウジング4との間において開閉弁が閉じられたときに形成される液室3の閉鎖空間の容積を減少させて、閉鎖空間内を加圧する加圧機構としても機能する開閉弁付き加圧機構30が設けられている。
さらに、ハウジング4には、供給流路41を開閉させる流路開閉弁40が設けられている。なお、排出流路31の液室3に臨む開口部は、例えば、供給流路41の液室3に臨む開口部よりも鉛直方向の上方側に形成されている。より具体的には、ハウジング4は、載置基台2の鉛直方向の上方に配置されており、内部上面と内部側面とを有する液室3を構成する有底筒状(有底円筒状、有底角筒状等)に形成され、排出流路31の液室3に臨む開口部は、ハウジング4の内部上面又は内部側面の上部に形成されている。
また、供給流路41の液室3に臨む開口部は、ハウジング4の内部側面の下部等の任意の箇所に形成されている。さらに、ハウジング4の内部上面は、排出流路31の開口部が最上部となるように、鉛直方向に対して傾斜し、且つ、水平方向に沿って傾斜している。
開閉弁付き加圧機構30は、排出流路31を開閉可能に構成されると共に、液室3内に供給された電解液を加圧可能に構成されている。開閉弁付き加圧機構30は、ハウジング4の壁面を貫通して形成された排出流路31の外壁面に装着され、流路開閉弁40とはハウジング4の鉛直中心に対して対向した位置(対角の位置を含む)に、ハウジング4の側面から突出するように設けられている。これら開閉弁付き加圧機構30及び流路開閉弁40は、例えばハウジング4の短辺側(図4参照)に対向配置されている。開閉弁付き加圧機構30は、開閉弁を閉じてから液室3内の容積を減少させて液室3内の電解液を加圧する。
このように、ハウジング4の内部側面の最下部には、開口部を持つ供給流路41が形成され、供給流路41に流路開閉弁40が接続される。また、ハウジング4の内部側面(好ましくは、対向した内部側面)の最上部には、開口部を持つ排出流路31が形成され、排出流路31に開閉弁付き加圧機構30が接続される。
ここで、「対向した」とは、供給流路41が、排出流路31と、ハウジング4において、ハウジング4の中心軸に対して互いに対称となる位置に配置されていることを意味する。供給流路41が排出流路31と対向して位置する構成であると、ハウジング4の液室3内への電解液及び空気の注入や排出がスムーズになる。
本実施形態では、排出流路31の開口部と供給流路41の開口部とは、対向した、すなわち、中心軸に対して180°の位置関係であるが、これに限らない。ハウジング4の液室3の内部上面の最上部に排出流路31の開口部があることが好ましく、載置基台2の最下部に接する位置に供給流路41の開口部があることが好ましい。
また、本実施形態では、開閉弁として、開閉弁付き加圧機構30と流路開閉弁40を有し、これらはハウジング4の流路それぞれに備えられている。本実施形態では、上記のように供給流路41がハウジング4内側の最下部に設けてあり、排出流路31がハウジング4内側の最上部に設けてあるので、電解液をハウジング4の液室3内で澱むことなく循環させることができ、供給流路41から電解液を容易に排除することができる。
本実施形態では、液室3の内部上面が傾斜したハウジング4において、供給流路41が、内部上面が最も低い箇所の近傍に設けてあり、排出流路31が、内部上面が最も高い箇所の近傍に設けてあるので、液室3内を電解液で満たす際に空気等の気泡を排出流路31の方向に集めて排気しやすく、液室3内から電解液を排出する際に排出流路31から空気を流入させることにより、電解液を供給流路41の方向に集めて排液しやすい構造となっている。
液室3内の電解液が供給流路41を通過して外部へ排出される際の入り口、すなわち、開口部の通路は、本実施形態では、水平で狭くなっている(例えば、供給流路41を中心としハウジング4中心に向かって広がる高さ2mm程度の扇形開口)。その後、通路は垂直に上がり、さらに流路開閉弁40内で再び水平となり、その後、通路は再び垂直に上がって給排ポート45から外部へ排出される。本実施形態によれば、供給流路41の開口部が載置基台2に面して設けられているので、電解液を排出する際に電解液が残留しにくい構造を有する。
開閉弁付き加圧機構30は、中空の開閉調整室兼加圧室で、内壁面に摺接し摺動可能な加圧兼用のスプール32を備え、例えば、外側から内側(液室3側)にかけて閉操作ポート33、開操作ポート34、及び給排ポート35が設けられている。各ポート33,34,35は、開閉弁付き加圧機構30の外側から内部の開閉調整室兼加圧室への貫通孔であり、給排ポート35はハウジング4の排出流路31と直結して接続されている。開閉弁付き加圧機構30は、給排ポート35の流路側先端を含む端部がハウジング4の壁面(外部側面)内に嵌合されることによりハウジング4に設けられている。
流路開閉弁40は、供給流路41の外壁面に装着され、開閉弁付き加圧機構30とは上記のように対向する位置に、ハウジング4の側面から突出するように設けられている。流路開閉弁40は、内部に中空の開閉調整室で内壁面に摺接して摺動可能な中実構造のスプール42を備え、外側から内側(液室3側)にかけて閉操作ポート43、開操作ポート44、及び給排ポート45が設けられている。各ポート43,44,45は、流路開閉弁40の外側から内部の開閉調整室への貫通孔であり、給排ポート45はハウジング4の供給流路41と直結して接続されている。流路開閉弁40は、給排ポート45の流路側先端を含む端部がハウジング4の壁面(外部側面)内に嵌合されることによりハウジング4に設けられている。
開閉弁付き加圧機構30及び流路開閉弁40において、各スプール32,42は、例えば、中実のピストン状部材からなる。閉操作ポート33,43の位置にスプール32,42の基端部が位置するときは、給排ポート35は排出流路31と繋がり、給排ポート45は供給流路41と繋がった状態となる。開操作ポート34,44の位置にスプール32,42の基端部が位置するときは、排出流路31及び供給流路41は塞がれた状態となる。開閉弁付き加圧機構30及び流路開閉弁40は、電解液の供給を行う溶液供給部を含む外部の液制御系とハウジング4との間に設置されている。なお、各スプール32,42は、図1Aに示す構成では開閉弁付き加圧機構30及び流路開閉弁40と一体式のシリンダ機構により動作するが、図4に示すように、別体式のシリンダ機構により動作する構成であっても良い。
なお、流路開閉弁40の開閉調整室よりも開閉弁付き加圧機構30の開閉調整室兼加圧室の方が大径に構成されている。したがって、スプール32は、スプール42よりも大径のピストン状部材からなる。開閉弁付き加圧機構30は、その動作圧を制御可能に構成されており、これにより、液室3内の圧力を容易且つ安定的に変化させることができる。すなわち、ハウジング4の内部には、液室3内の圧力をモニタリングすることが可能な圧力センサ60(図4及び図5参照)が設置されており、この圧力センサ60の計測値を基に、閉操作ポート33に供給される作動空気の圧力がフィードバック制御され得るように構成されている。この構成により、より正確に開閉弁付き加圧機構30の動作圧、延いては液室3内の圧力を制御可能となる。また、ハウジング4の内部には、液室3内の温度を計測可能な温度センサ69(図4参照)が設置されており、液室3内の温度をモニタリングして、液室3内の温度を制御可能に構成されている。
一方、移動機構5は、図3に示すように、載置基台2及びハウジング4の少なくとも一方(本例ではハウジング4)を他方(本例では載置基台2)に対して接近又は離隔する方向に相対移動させる。これにより、載置基台2及びハウジング4間に形成される液室3を開閉可能に構成されている。
本実施形態において、移動機構5は、直動ロッド51によってハウジング4を載置基台2に対して昇降させることにより離隔又は嵌合させるように構成されている。移動機構5は、載置基台2に対するハウジング4の位置制御及び圧力制御を実行可能に構成されている。
移動機構5は、具体的には、ハウジング4が載置基台2に対して最も離隔された上昇端位置(原位置:図1A参照)と、ハウジング4及び載置基台2の間に液室3を形成すると共に、該液室3及びイオン伝導膜6の下部に載置基台2と下クランプ部39とが嵌合して形成される下方空間の減圧を実行する減圧位置と、該減圧位置よりも更にハウジング4を載置基台2に接近させて加圧又は表面処理を実行する処理位置(図2参照)との少なくとも3か所において、ハウジング4を停止させることが可能に構成されている。
また、移動機構5は、例えば処理位置において、液室3の内圧を相殺する以上の力でハウジング4を載置基台2に対して押圧するよう構成されている。ただし、移動機構5は、上述した直動ロッド51を備える構成に限定されず、ハウジング4を載置基台2に対して離隔又は嵌合させることが可能な構成であれば、任意の構成を採用することができる。
また、本実施形態に係る加圧装置1は、図3に示すように、載置基台2及びハウジング4を所定の角度(例えば、2°)に傾斜させるための傾斜機構50が設けられている。本実施形態において、傾斜機構50は、直動ロッド50aによって支持基台8の側縁部の一部を昇降させることにより、載置基台2及びハウジング4を傾斜させるよう構成されている。
この傾斜機構50により、ハウジング4の液室3を含む流路系全体を所定の角度で傾斜させることで、例えば、電解液を液室3内に注入する際の残留空気をより確実に排除したり、電解液を液室3内から排出する際の残留溶液をより確実に排水したりすることが可能である。
なお、傾斜機構50により載置基台2及びハウジング4を傾斜させると、例えば、載置基台2の上面が、供給流路41の開口部近傍側を最下部として鉛直方向に対して傾斜している状態となる。載置基台2がハウジング4の下クランプ部39と嵌合したときに、供給流路41の開口部の真下になる部分が僅かに低くなる。したがって、液室3内の電解液が供給流路41の開口部付近に集まり、排液しやすくなる。このため、排液能力を高め、電解液の漏洩リスクを低減し、被加圧物Cが電解液に完全に曝露されてしまうリスクが低減される。
具体的には、傾斜機構50によって、ハウジング4は全体が傾斜すると共に、載置基台2は、ハウジング4の傾斜方向と同じ方向に傾斜する。より詳細には、据付床面に対し、流路系全体、すなわち、支持基台8、載置基台2、ハウジング4、開閉弁付き加圧機構30、流路開閉弁40、移動機構5等が、所定の角度だけ同じ方向に傾斜する。
被加圧物Cは、載置基台2の凹部(又はトレイ9b)に嵌め込まれているため、傾斜機構50によって傾斜した場合であっても、位置がずれてしまう等の問題は生じない。このように、傾斜機構50の傾斜によって排液力を増すことができるので、排液能力をさらに向上させることができる。
イオン伝導膜6は、保持治具を構成する第1部材である内枠膜治具36及び第2部材である外枠膜治具37の間に挟持された枚葉状の膜状部材である。ここで、このイオン伝導膜6を保持する保持治具としての内枠膜治具36及び外枠膜治具37は、例えばチタン(Ti)、ステンレス(SUS)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリ塩化ビニル等の、電解液の種類や処理条件に応じて必要な強度、耐薬品性、耐熱性を備えた材料からなる枠状部材により構成されており、外枠膜治具37は、内枠膜治具36の外周側に嵌まるように構成されている。これら内枠膜治具36及び外枠膜治具37はハウジング4の下部に固定されており、イオン伝導膜6は、液室3内に配置された籠状部材20の直下に配置されている。
内枠膜治具36は、例えば図6に示すように、イオン伝導膜6との接触側の端面(接触側端面)61に開口し、イオン伝導膜6を吸引する吸引溝(溝部)36aと、この吸引溝36aと連通する吸引通路36bと、を有する。内枠膜治具36の吸引溝36aは、例えば平面視環状となるように内枠膜治具36の端面61に形成されているが、これに限定されるものではなく、非連続の環状等、種々の形態を採用し得る。なお、図6は、内枠膜治具36及び外枠膜治具37共に、ハウジング4の下部への実際の固定状態とは天地が逆となっている。
内枠膜治具36には、内枠膜治具36及び外枠膜治具37の間に配置される第1の弾性シール材であるOリング62が取り付けられている。また、内枠膜治具36の端面61において、吸引溝36aの両側に位置する部分(端面61)には、第2の弾性シール材であるOリング63がそれぞれ取り付けられている。なお、これらのOリング63のうち、吸引溝36aよりも外枠膜治具37側とは反対側(内側)のOリング63は取り付けられていることが望ましいが、吸引溝36aよりも外枠膜治具37側に配置されたOリング63は、必要に応じて取り付けられなくても良い。なお、上記内側のOリング63は、液室3側の減圧(例えば、-0.1MPaG(G:ゲージ圧))や加圧(1MPaG(G:ゲージ圧))という圧力変動から吸引溝36a側を切り分ける機能を有し、吸引溝36aによる吸引圧力(例えば、-0.1~-0.01MPaG(G:ゲージ圧)程度)の変動を保護する役割を担っている。ただし、これらのOリング63は、吸引溝36aによる吸引圧力の程度及び液室3側の圧力の程度等によっては、設けられていなくても良い。
また、内枠膜治具36は、外枠膜治具37の嵌合限位置を規定可能なフランジ部36cを有している。フランジ部36cは、内枠膜治具36の閉塞側端部(イオン伝導膜6との接触側の端部とは反対側の端部)に形成されており、該閉塞側端部から径方向外側に向けて延出している。内枠膜治具36は、このようなフランジ部36cを備えることにより、イオン伝導膜6をしごく際に発生するしごき量に制限を与えることができると共に、内枠膜治具36と外枠膜治具37とを精度よく位置合わせすることができる(内枠膜治具36と外枠膜治具37との嵌合量を一定化することができる)という利点を有する。
イオン伝導膜6は、これら内枠膜治具36及び外枠膜治具37に対し、次のように取り付けられ膜張りされて、吸引(吸膜)され保持される。まず、図6(a)に示すように、枚葉状のイオン伝導膜6を、内枠膜治具36の吸引溝36a上に配置する。そして、図6(b)に示すように、外枠膜治具37を内枠膜治具36の外周側に嵌め込む。このとき、イオン伝導膜6は、Oリング62及び外枠膜治具37によりしごかれながら、その外周部近傍の第1部位6aが内枠膜治具36及び外枠膜治具37の間に嵌まり、これらの治具36,37の間で挟持される。イオン伝導膜6の第1部位6aは、内枠膜治具36及び外枠膜治具37の間において、これらの間のクリアランスを吸収した状態でOリング62により、例えば外枠膜治具37側に押し付けられた状態で挟持される。このため、この状態において、第1部位6aよりも内枠膜治具36側のイオン伝導膜6は、ある程度均一に膜張りされた状態で保持治具に保持される。
ただし、この段階では、イオン伝導膜6は、Oリング62及び外枠膜治具37によってしごかれて膜張りされた状態であるので、天地を逆にしてハウジング4に取り付けられた状態のときに、図7(a)に示すように、弛みが生じてしまう可能性がある。そこで、図7(b)に示すように、イオン伝導膜6は、例えばハウジング4に取り付けられて被加圧物Cと接触する前に、第1部位6aよりも内側の第2部位6bが、端面61に設けられた吸引溝36aに、この吸引溝36aと連通する吸引通路36bを介して吸引される。これにより、イオン伝導膜6の第2部位6bが吸引溝36aに吸引(吸膜)される。このようにして、イオン伝導膜6は、均一に膜張り及び吸膜された状態で内枠膜治具36及び外枠膜治具37からなる保持治具に保持される。このように、本実施形態の加圧装置1における保持治具は、上記のように内枠膜治具36及び外枠膜治具37でイオン伝導膜6を一旦しごいて膜張りした上で、吸引溝36aに吸膜して保持する構造を採用しているので、イオン伝導膜6を、皺や弛み等なく均一の膜張りして被加圧物Cに接触(圧接)させることが可能となる。
なお、イオン伝導膜6は、液室3内に供給された電解液に接触させることで、金属イオンを含浸し、電源部7により電圧を印加したときに金属イオン由来の金属を被加圧物Cの導体層Dの表面Eに析出可能なものであれば、特に限定されるものではない。イオン伝導膜6としては、例えば、多孔質膜、固体電解質膜等が挙げられ、ポリエチレンや、ポリプロピレン、炭化水素系樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂を用いることができる。そのため、イオン伝導膜6は、十分な柔軟性や撓み性を有するので、例えば、イオン伝導膜6で被加圧物Cを覆った後に、被加圧物Cの周辺を減圧状態にして真空度を高めた場合、被加圧物Cの表面形状の微細な凹凸等に倣って追従し確実に密着し得る。
イオン伝導膜6は、例えば数μm~数百μm(例えば、5~450μm)の膜厚で形成されている。また、イオン伝導膜6は、上記供給流路41の開口部の下方に位置する部分(第3部位6cの一部)が、例えば、その部分の上面側を覆って支持するように内枠膜治具36に取り付けられた板状部材である保護板24(図1B参照)により補強されていると良い。換言すれば、内枠膜治具36は、イオン伝導膜6の第3部位6cの一部を、内枠膜治具36側から覆う板状部材(保護板24)を備えることが好ましい。このような保護板24を供給流路41の開口部の下方側に位置するように取り付けることにより、供給流路41を介して電解液が注入・排出される際の流速増大に起因する局所的減圧効果による開口部下方に位置するイオン伝導膜6の浮き上がりを効果的に防止することができ、繰り返し使用されるイオン伝導膜6の破れ等の不具合を防止することができる。
箔状部材10は、外枠膜治具37の外側に設けられた上クランプ部38と、この上クランプ部38の下方に設けられた下クランプ部39との間で挟持され、イオン伝導膜6の直下に配置される。箔状部材10は、例えば、イオン伝導膜6側に配置された絶縁層11と、被加圧物C側に配置された通電層12と、を有するように構成されている。すなわち、絶縁層11は、通電層12とイオン伝導膜6との間に配置されている。これら絶縁層11及び通電層12は、互いに接着されていても良いし、非接着状態で積層された構成であっても良い。なお、本明細書において、「箔状」とは、厚さが、平面視における幅及び長さよりも小さい形状(薄い形状)を指し、所謂シート状、フィルム状、平板状等の形態を含む概念であり、その材質が金属等に限定されることを意図するものではない。
箔状部材10の絶縁層11は、例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィン(PO)、ガラス織布入りエポキシ樹脂等の絶縁性及び耐薬品性を有する樹脂材料により構成されている。絶縁層11としては、例えば5~125μmの厚みを有する絶縁フィルム(例えば25μmのポリイミド製絶縁フィルム)を用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。箔状部材10の通電層12は、銅、金、銀等の導電性を有する金属材料により構成されている。通電層12としては、例えば1.5~150μmの厚みを有する金属箔(例えば18μmの銅箔)を用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
ここで、電解液は、例えば、導体層Dの表面Eに析出される金属をイオンの状態で含有している液体であり、含有される金属は、例えば、銅、金、銀、ニッケル等が挙げられる。電解液は、これらの金属をイオン化したものであり、公知の各種の電解液を用いることができる。なお、電解液は、ここに例示したものに限定されるものではない。
また、本実施形態に係る加圧装置1は、図3に示すように、イオン伝導膜6と箔状部材10とを接近又は剥離させるための剥離機構52を備えている。具体的には、剥離機構52は、例えば上クランプ部38に接続された直動ロッド52aを備えており、該直動ロッド52aを進退させることで、上クランプ部38を外枠膜治具37に対して摺動させ、外枠膜治具37に固定された内枠膜治具36を下クランプ部39に対して接近又は離隔する方向に相対移動させるよう構成されている。そして、内枠膜治具36と下クランプ部39との間でイオン伝導膜6と箔状部材10とがクランプされる。
なお、上クランプ部38には、剥離機構52によるイオン伝導膜6及び箔状部材10の剥離に先立ち、イオン伝導膜6と箔状部材10との間にエアブローを行い、イオン伝導膜6と箔状部材10との密着状態を解除することができるように、空気導入流路38bが設けられている。この空気導入流路38bは、外枠膜治具37の外側において、例えば外枠膜治具37を囲むように、ハウジング4の長辺側及び短辺側の所定の位置の複数箇所(例えば、4箇所(図4参照))に、上クランプ部38の内部分岐経路38baを介して開口するように設けられている。空気導入流路38bには、図示しないコンプレッサ等の送気機構が接続されている。
さらに、イオン伝導膜6と箔状部材10との間には、図8に示すように、例えば、少なくともイオン伝導膜6側の表面に離型処理が施された離型フィルム材46が配置されていても良い。離型処理は、例えば、凹凸を付けるシボ加工やシリカ粒子を塗布する粗面化処理等が挙げられるが、これに限定されず、粗面化処理に代えて又はこれに加えて、フッ素系離型剤等の離型促進剤を塗布する処理を採用可能である。離型フィルム材46は、表面処理後のイオン伝導膜6と箔状部材10との密着状態をより簡単に解除するために用いられ得る。離型フィルム材46を用いない場合は、絶縁層11のイオン伝導膜6側の表面(イオン伝導膜6と接触する表面)に上記の離型処理が施されていても良い。
なお、下クランプ部39には、該下クランプ部39と載置基台2とが嵌合した状態において、載置基台2と箔状部材10及びイオン伝導膜6との間の下方空間の空気を排気(好適には真空排気)するための排気手段(減圧部)が設けられている。
排気手段(減圧部)は、概略的には、液室3(圧力媒体室)と連通する減圧流路71(第1の流路)と、下方空間と連通する減圧流路48(第2の流路)と、これら減圧流路71及び減圧流路48をバイパスするバイパス流路(図示せず)と、減圧流路71を開閉する流路開閉弁70(第1開閉弁)と、減圧流路48を開閉する開閉弁47(第2開閉弁)と、バイパス流路に接続された減圧ユニット(ポンプ機構を含む圧力調整機構、図示せず)とを有する。
具体的には、排気手段は、上記の下方空間を減圧するために開閉される開閉弁47を有しており、該開閉弁47は、上記の下方空間に開口すると共に下クランプ部39の下方に連通する減圧流路48の外側に配置されるように設けられている。
この減圧流路48は、図5に示すように、ハウジング4の液室3(イオン伝導膜6の上方空間)に連通する減圧流路71と、流路開閉弁70及び図示しないバイパス流路を介して接続されている。なお、バイパス流路は、可能な限り流路長が短くなるように設定され、バイパス流路には、減圧用の真空ポンプ等を有する減圧ユニット(図示せず)が接続されている。このような減圧系の回路は、開閉弁付き加圧機構30や流路開閉弁40等の溶液供給系の回路とは別回路で設けられている。
すなわち、流路開閉弁70は、内部に中空のシリンダ室でその内壁面に摺接して摺動可能な中実構造のスプール72と、このスプール72をシリンダ室内で進退動作させるシリンダ機構73と、を有している。流路開閉弁70は、シリンダ室を含む端部がハウジング4の壁面(外部側面)内に嵌合されることによりハウジング4に設けられている。なお、減圧系の回路を用いた減圧動作については、後述の加圧及び表面処理プロセスにおいて説明する。
開閉弁47は、図1A等に示すように、内部に中空の開閉調整室で内壁面に摺接して摺動可能な中実構造のスプール49を備え、下クランプ部39の外側に設けられた閉操作ポート57と、この閉操作ポート57よりも内側で且つ下クランプ部39の下側に設けられた開操作ポート58と、を備えている。各ポート57,58は、開閉弁47の外側から内部の開閉調整室への貫通孔である。開閉弁47は、例えば、電解液等の液体が透過或いは浸透しやすいイオン伝導膜6を使用した際に、開閉弁付き加圧機構30による圧縮体積以上に液体が下方空間に流れ込むと加圧できなくなってしまうことを防止するために設けられている。
また、上述した箔状部材10は、絶縁層11及び通電層12を交互に複数積層(接着又は非接着のいずれでも良い)してなるものでも良く、より好適には、絶縁層11上に通電層12が形成された可撓性プリント基板(例えばフレキシブルプリント基板)、或いは多層構造の絶縁層11及び通電層12を有する多層可撓性プリント基板(例えば多層フレキシブルプリント基板)により構成されていても良い。箔状部材10が可撓性プリント基板により構成される場合は、絶縁層11は、例えば12~25μm程度の厚みで形成され、通電層12は、例えば6~18μm程度の厚みで形成されることが好適であるが、これに限定されるものではない。
箔状部材10は、図1A及び図2に示すように、通電層12を電源部7の負極(-極)と電気的に接続させるためのコネクタ部13を備えており、図8(b)に示すように、通電層12が、上記のコネクタ部13を介して電源部7の負極と導体層Dとを導通するように、導体層Dの一部に接触可能に配置される。これと共に、箔状部材10は、絶縁層11が、導体層Dの表面Eの被処理領域の形状に応じた形状の貫通孔11aを有し、この貫通孔11aが被処理領域上に配置されるように構成される。
箔状部材10は、一例として、絶縁層11の貫通孔11aが平面視で見て矩形開口状(ロの字状)に形成されている場合、例えば、通電層12は貫通孔11aよりも僅かに大きな貫通孔12aを有するように形成される。これにより、箔状部材10は、図8(c)に示すように、表面処理時に、上記のコネクタ部13を介して通電層12を導体層Dに接触させて陰極とすることができると共に、絶縁層11を、貫通孔11aを除く部分が導体層Dの表面Eにおける非処理領域上を覆って、被処理領域上にのみイオン伝導膜6を接触させるマスク材とすることができる。なお、箔状部材10及び離型フィルム材46は、このようなマスク材として機能し得ると共に、イオン伝導膜6の弛みに対する補強材としても機能し得る。
なお、絶縁層11の貫通孔11aと通電層12の貫通孔12aとを同じ大きさとし、離型フィルム材46の貫通孔をこれら貫通孔11a,12aよりも僅かに小さい大きさとすることで、離型フィルム材46をマスク材として機能させる構成であっても良い。また、通電層12の全体に一律に電圧を印加して良い場合(例えば通電層12に形成された通電パターン毎に選択的に電圧を印加する必要が無い場合等)には、電源部7の負極を上記のコネクタ部13ではなく下クランプ部39に接続し、該下クランプ部39に通電層12を接触させることで通電層12に電圧を印加する構成としても良い。
加圧装置1におけるイオン伝導膜6は、処理毎に破棄したり取り替えたりするものではなく、繰り返し使用されることを前提にしており、加圧時や表面処理時の膜損傷等に対処するために、その変形に伴い内部に発生する応力をできるだけ低減可能な構造のものが好適である。ただし、被加圧物Cの表面の凹凸形状や導体層Dのパターン形状が微細化或いは複雑化してくると、その形状に倣うためには、イオン伝導膜6の膜厚をできるだけ薄くした上で上記構造を満たす必要が生じる。
この点、本実施形態の加圧装置1は、非常に薄い通電層12(及び絶縁層11)を有する箔状部材10により、導体層Dを陰極とすることができると共に、貫通孔11aを介してイオン伝導膜6を導体層Dの表面Eの被処理領域に接触させることができる。このため、イオン伝導膜6に求められる上記構造を満たしてイオン伝導膜6に掛かる負荷を減少させ、より微細化及び複雑化したパターン形状の導体層Dであっても、イオン伝導膜6とその表面Eとを適切に接触させて加圧や表面処理することが可能となる。
一方、籠状部材20は、例えば、ハウジング4に鉛直方向に貫通するように複数取り付けられた支持柱部21に、高さ調整スペーサ22を介して吊り下げられた状態で液室3内に配置されている。籠状部材20の底部23は、例えば、網目状に形成されており、その内部には、電解液に対して可溶性を有する球状、円柱状及び板状等の任意形状の金属(例えば、銅ボール等)が複数配置されている。
籠状部材20は、例えば、その底部23がイオン伝導膜6の直上に位置するように、高さ調整スペーサ22により液室3内の位置を調整された上で配置されている。高さ調整スペーサ22の形状や数を変更することで、籠状部材20の液室3内の位置は自在に変更し得る。籠状部材20は、支持柱部21及びハウジング4を介して、電源部7の正極(+極)に接続されている。
これにより、籠状部材20は、加圧装置1における陽極を構成する。なお、籠状部材20は、支持柱部21に吊り下げられる態様に限定されるものではなく、イオン伝導膜6の上方に配置可能であれば、種々の支持態様を採用し得る。また、陽極は、籠状部材20に限定されず、液室3内の電解液に浸かる位置に配置され得るものであれば、種々の形状(例えばプレート状等)、配置態様を採り得る。本実施形態では、籠状部材20は、その底部23がイオン伝導膜6と接しない状態で直上に配置されるのみならず、陰極となる被加圧物Cの導体層Dとの間の鉛直方向の極間距離が一定となるように配置されている。
なお、本実施形態の加圧装置1では、電解液が流れる流路は、供給流路41及び排出流路31の二つであるが、三つ以上であっても良い。また、本実施形態では、支持基台8、載置基台2及びハウジング4は、例えば、平面視で見て矩形状の外形を有し、液室3を構成する部分は角丸矩形状に形成されているが、これらはいずれも円形でも良く、矩形状や角丸矩形状には限定されない。また、載置基台2は支持基台8の上面中央に固定されているが、載置基台2が支持基台8と一体構成となったものでも良い。
ハウジング4は、図4に示すように、例えば平面視矩形状で、本実施形態においては、短辺側の側面に開閉弁付き加圧機構30及び流路開閉弁40が、並びに長辺側の側面に圧力センサ60及び流路開閉弁70が、それぞれ互いに対向する位置に差し込まれて装着された状態で固定してあり、その下部には矩形状のイオン伝導膜6等が固定してあるが、これら開閉弁付き加圧機構30、流路開閉弁40、圧力センサ60及び流路開閉弁70等は、その機能を果たせる態様であれば、固定箇所はこれに限定されるものではない。なお、本実施形態では、図1Aに示すように、ハウジング4の上部の上面全体に上ヒータ55及び絶縁部材55aを設け、載置基台2の内部に下ヒータ56を設けてあるが、被加圧物Cへの表面処理の種類によっては設けなくても良い。
また、本実施形態では、流路開閉弁40と、電解液を増圧する開閉弁付き加圧機構30とがハウジング4に直接接続され一体化されているので、高い圧力が生じる外部配管を必要とせず、装置全体の小型化を実現すると共に、電解液の加圧時に高圧となる領域をハウジング4の液室3に限定することができる。これにより、表面処理における加圧圧力が増大しても配管が破裂する心配がなく、安全性が高い。また、加圧に必要な加圧機構を弁機構と兼用することで小型化でき、加圧すべき電解液の容積を最小化できるので、その結果、電解液の圧力による配管系の膨張の影響を受けない構造となり、全体がさらにコンパクト、かつシンプルな構成となり、製造コストやメンテナンスコストも削減することができる。また、減圧系の回路においても、流路開閉弁70がハウジング4と一体化されているので、外部配管が不要であり、小型且つ簡易な構成の実現に寄与し得る。
次に、図示は省略するが、本実施形態に係る加圧装置1による加圧及び表面処理プロセスの一例について説明する。なお、ここでは、離型フィルム材46については省略して説明する。
まず、表面処理の前段階として、イオン伝導膜6を、上述したように、内枠膜治具36及び外枠膜治具37の間に第1部位6aを挟持して膜張りを行い、予めハウジング4に取り付ける。さらに、上クランプ部38と下クランプ部39とを、その間に箔状部材10を挟持した状態で固定し、図3に示すように、剥離機構52の直動ロッド52aの下端に上クランプ部38を固定する。そして、ハウジング4が載置基台2と離隔した状態(原位置:図1A参照)において、載置基台2の上面に被加圧物Cを載置する。次に、内枠膜治具36の吸引溝36aにイオン伝導膜6の第2部位6bを吸引して吸膜を行う(ステップS1)。このステップS1の吸膜は、被加圧物Cを載置した後のサイクル毎に行い、サイクル終了時には解除するが、吸膜状態が良好に維持されている場合は、必ずしもサイクル毎に行わなくても良い。
この状態において、イオン伝導膜6及び箔状部材10は、剥離機構52によって剥離されており、これらの間には隙間が形成されている。その後、剥離機構52によってイオン伝導膜6と箔状部材10とを密着させる(ステップS2)。このとき、ハウジング4とイオン伝導膜6との間には、開閉弁系以外の部分が閉鎖された常圧の液室3が形成される。
その後、ハウジング4の下クランプ部39とこれの下方に配置された被加圧物Cを載置した載置基台2とを嵌合する(ステップS3)。すなわち、ステップS2の状態から、移動機構5によって、ハウジング4を上述の減圧位置まで下降させると、下クランプ部39は載置基台2に嵌合する。このとき、下クランプ部39と載置基台2との嵌合位置は、イオン伝導膜6(及び箔状部材10)が被加圧物Cの導体層Dの表面Eと可能な限り近づいた状態となる位置に設定される。被加圧物Cは、液室3内ではなく、載置基台2とイオン伝導膜6との間に形成される下方空間内に密閉され、液室3とは隔てられる。したがって、このステップS3では、被加圧物Cは、開口部が内壁最下部に設けてある供給流路41と開口部が内壁最上部に設けてある排出流路31とを備え内部上面が傾斜したハウジング4と、イオン伝導膜6(及び箔状部材10)を隔てて載置基台2に載置される。
次に、ステップS3の状態から、下クランプ部39に設けられた開閉弁47を開状態にすると共に、上述した減圧系の流路開閉弁70を開状態にして、減圧流路48と減圧流路71を図示しないバイパス流路を介して連通させ、液室3と下方空間を同時に減圧する(ステップS4)。すなわち、このステップS4では、液室3と下方空間をイオン伝導膜6を介して等圧にする。このように液室3と下方空間を同時に減圧することで、液室3と下方空間との差圧の発生を低減することができ、後述するステップS7において、イオン伝導膜6(及び箔状部材10)を被加圧物Cの全体的な表面形状に沿って精度良く密着させることができる。
そして、例えば、この減圧状態を継続したまま、載置基台2を下クランプ部39に完全嵌合させるべく相対移動(本実施形態では、移動機構5によってハウジング4を上述の減圧位置まで下降)させて(ステップS5:図2参照)、イオン伝導膜6を導体層Dの表面Eに接近させ、上述した減圧系の流路開閉弁70を閉状態にして、液室3の減圧系の回路(バイパス流路)を遮断して(ステップS6)、液室3を大気開放させる(ステップS7)。なお、この状態においても、載置基台2とイオン伝導膜6の間は減圧状態を継続している。
なお、液室3の減圧系の回路遮断の際には、減圧系の流路開閉弁70のスプール(弁体)72の先端面(進行方向先端面)72aは、液室3の内部側面(壁面)と面一又はこの内部側面から突出するように移動して、減圧系の回路を遮断する。このように、スプール72の先端面72aが内部側面と面一又は内部側面よりも突出することで、スプール72の先端面72aが内部側面よりも引っ込んだ位置に移動した場合に起こる、内部側面と先端面72aとで形成される窪み部分に電解液が残留したり空気が残留する等の不具合の発生を無くすことが可能となる。ステップS7の大気開放が行われた場合、イオン伝導膜6は大気圧によって下方空間側に押された状態となる。
そして、このステップS7と同時に、載置基台2とハウジング4を相対移動させて該載置基台2と下クランプ部39とを完全嵌合(処理位置(図2参照)まで下降)することで、イオン伝導膜6は、被加圧物Cの中心部から最初に密着する状態となる。この際、イオン伝導膜6と載置基台2との間に残留する空気を減圧流路48から吸引することで、被加圧物Cの周囲を減圧状態とし、空気の残留を抑制することができる。そして、このようにして載置基台2と下クランプ部39を完全嵌合させた後(すなわち、載置基台2とハウジング4とを最接近させた後)に、開閉弁47を閉状態にして、下方空間の減圧系の回路を遮断する。
これにより、イオン伝導膜6(及び箔状部材10)が被加圧物Cの全体的な表面形状に沿って密着し、箔状部材10の通電層12を導体層Dの一部に接触させた状態(図8(c)参照)となる。このような各ステップを経てイオン伝導膜6及び箔状部材10を被加圧物Cに接触させることで、例えば、表面処理面(すなわち、被加圧物Cの導体層Dの表面E)に残留する微細な気泡を確実に排除してこれらを密着させることができる。
次に、傾斜機構50によって、図3に示すように、載置基台2及びハウジング4を、例えば、排出流路31側が傾斜上方となるように所定の角度で傾斜させ(ステップS8)、液室3内に、電解液を注入する(ステップS9)。すなわち、ステップS8に続くステップS9では、被加圧物Cをイオン伝導膜6で覆った状態で、ハウジング4の液室3の内部側面の最下部に開口部を有する供給流路41から電解液を液室3内に注入する。
具体的には、流路開閉弁40の給排ポート45から、液室3の内部に向かって電解液が注入される。電解液は、ハウジング4の壁面流路である供給流路41を通り、イオン伝導膜6の近傍の供給流路41の開口部から、液室3の内部を満たしていく。電解液がハウジング4の壁面上面に達すると、液室3の内部に残留している空気は、内部上壁面の傾斜に沿って移動し、開閉弁付き加圧機構30の接続流路である排出流路31から、給排ポート35に接続された外部の溶液供給部(図示省略)に排気される。電解液の注入をさらに続けると、液室3の内部は常圧の電解液で完全に満たされる。
そして、ハウジング4の内部側面の最上部に開口部を有する排出流路31から液室3内の残留空気を排出する(ステップS10)。ステップS10では、ステップS9で残留空気が排除され給排ポート45からの電解液の注入を継続した状態で、開閉弁付き加圧機構30の給排ポート35から、液室3内の残留空気と余剰の電解液が排出される。
残留空気を排出したら、ハウジング4の外部側面に装着された流路開閉弁40と開閉弁付き加圧機構30を閉じて、液室3内を密閉する(ステップS11)。ステップS11では、流路開閉弁40の閉操作ポート43に作動空気が送気され、スプール42が液室3側に移動することにより、電解液の供給流路41と給排ポート45との間が遮断され、流路開閉弁40が閉状態となる。また、開閉弁付き加圧機構30の閉操作ポート33に作動空気が送気され、スプール32が液室3側に移動し、開閉弁付き加圧機構30の給排ポート35が閉じられる。
次に、ハウジング4の外部側面に設けられた加圧機構兼開閉弁である開閉弁付き加圧機構30によって、液室3内の電解液を加圧すると共に、電源部7により籠状部材20と箔状部材10の通電層12との間に電圧を印加する。これにより、イオン伝導膜6で覆われた被加圧物Cの導体層Dの表面Eの被処理領域上に、金属イオンを析出させて金属の被膜を形成する表面処理を実行する(ステップS12)。
電解液の加圧に際しては、閉状態となった開閉弁付き加圧機構30の閉操作ポート33にさらに作動空気を送気し、スプール32をさらに液室3側に移動させて液室3内の電解液を圧縮して加圧する。作動空気の圧力を高めると、スプール32の基端部に圧力が掛かり、液室3側にスプール32が移動する。このスプール32が移動した体積分だけ液室3内が加圧され、内部を満たす電解液に掛かる圧力がその分増加する。
なお、ハウジング4に設置された液室3の内部の圧力を計測可能な圧力センサ60からの計測値を基に、閉操作ポート33に供給する作動空気圧力を制御すれば、電解液を所望の圧力に加圧制御することが可能である。この状態を所定の時間保持し、所定の電圧印加時間が経過すれば、表面処理が完了する。
被加圧物Cは、表面処理中、電解液が含まれる液室3とはイオン伝導膜6によって隔てられているが、電解液が加圧されることで、被加圧物Cには均一な加圧力が付与される。したがって、多孔質体の陽極で電解質膜ごと陰極を押圧する従来の構成と比較して、イオン伝導膜6と導体層Dの表面Eとの密着性が向上し、表面処理の品質が向上する。
加圧及び表面処理を完了したら、ハウジング4の内部側面の最下部に開口部を有する供給流路41から電解液を排出する(ステップS13)。ステップS13では、流路開閉弁40と開閉弁付き加圧機構30とを開状態にし、開閉弁付き加圧機構30の給排ポート35から低圧の空気を送気して、流路開閉弁40の給排ポート45から電解液を排液する。
流路開閉弁40に接続されているハウジング4の供給流路41は、イオン伝導膜6に接した最下部に開口部を設けているため、電解液を十分に排除することが可能である。最後に、傾斜機構50による傾斜状態を解除して、ハウジング4を載置基台2から離隔するように上昇させ、被加圧物Cを取り出す(ステップS14)。
本実施形態の加圧装置1によれば、内枠膜治具36及び外枠膜治具37によりイオン伝導膜6を膜張りした上で吸引溝36aに吸膜した状態で、さらに液室3及び下方空間を同時に減圧して被加圧物Cに接触させるので、イオン伝導膜6に皺や弛みが発生することはなく、これらに起因する不具合を防止することができる。そして、被加圧物Cの導体層Dの表面Eをイオン伝導膜6で均一に加圧しながら、箔状部材10の通電層12を導体層Dに接触させて表面Eに金属の被膜を形成することができるので、イオン伝導膜6に掛かる各種の負荷を低減することができる。
また、被加圧物Cを効率よく表面処理できるのみならず、例えば、被加圧物Cを取り出す際の電解液の漏洩リスクを低減できると共に、被加圧物Cの周囲に電解液が残留することを抑制して被加圧物Cが電解液に完全に曝露されてしまうリスクも低減できる。そして、傾斜機構50による傾斜も含めてイオン伝導膜6の上に電解液が残留しにくい構造のため、例えば、被加圧物Cを取り出す際に万が一イオン伝導膜6が破損したとしても、電解液が漏洩するリスクと、被加圧物Cが電解液に曝露されるリスクが極力低減される。
また、非常に薄いイオン伝導膜6と箔状部材10を備えるため、微細化及び複雑化したパターン形状の導体層Dを有する被加圧物Cにおいても、イオン伝導膜6を導体層Dの表面Eに適切に接触させて表面処理することができ、イオン伝導膜6の変形量を小さくして掛かる負荷を減少させることができる。
図9は、本発明の他の実施形態に係る加圧装置1におけるイオン伝導膜6の補助的な膜張り機構を概略的に説明するための図である。なお、図9を含む以降の説明においては、上記の実施形態と同一又は相当する構成要素に関しては、同一の符号を付して重複した説明を省略したり、図示そのものを省略する場合がある。また、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。
図9(a)に示すように、本実施形態の加圧装置1は、内枠膜治具36及び外枠膜治具37からなる保持治具の内枠膜治具36よりも内周側に設けられた補助膜張り機構としての補助接触部80を備えている。なお、図9(a)において、Oリング62,63等の部材については図示を省略し、被加圧物Cについては処理基材Bのみを図示している。
補助接触部80は、例えばイオン伝導膜6の第2部位6bよりも内側の第3部位6cと接触する凸部(本実施形態においては突条)からなる。この補助接触部80は、載置基台2の被加圧物C(処理基材B)の外周側の載置面に設けられている。補助接触部80は、図9(b)に示すように、例えば少なくとも排液時の電解液の流れ(図中白抜き矢印)に応じた排水箇所89を塞がないように、非連続の突条により形成されている。なお、図9(b)においては、トレイ9bや処理基材Bの図示は省略している。
このように補助接触部80を設けることで、上述したような内枠膜治具36及び外枠膜治具37による吸膜後に、万が一イオン伝導膜6に皺や弛み等が発生したとしても、その皺や弛み等を吸収して均一な膜張りを実現することが可能となるので、上述した作用効果を更に補強することが可能となる。なお、補助接触部80は、凸部(突条)の他、図示は省略するが凹部(例えば、溝)により形成されていても良い。また、補助接触部80は、ゴム材やスポンジ材等の弾性を有する材料からなるものでも良く、図示しないバネ等の弾性力或いは内部に介在されたシリンダ等の上下機構によって上下可動させることにより、膜張り力を調整可能な機構を有していても良い。さらに、補助接触部80は、載置基台2の凹部に嵌め込まれるトレイ9bの高さを高く調整、或いは凹部の深さを浅く調整することにより、載置基台2の上面とトレイ9b及び被加圧物Cの上面との間に段差を設けることによって、その機能を実現できる構成としても良い。すなわち、この場合は、トレイ9b及び/又は被加圧物Cの上面がイオン伝導膜6の第3部位6cと接触する凸部となって、補助接触部80の機能を兼ねる構成となる。
図10は、本発明の更に他の実施形態に係る加圧装置1の減圧系の回路を概略的に説明するための図であり、図11はハウジング4側の減圧系の回路を概略的に示す図である。
図10及び図11に示すように、本実施形態の加圧装置1の減圧系の回路は、ハウジング4の液室3に連通する減圧流路(第1の流路)91と、下クランプ部39を通して下方空間に連通する減圧流路(第2の流路)94と、これらの減圧流路91,94をバイパスするバイパス流路93と、減圧流路91(及びバイパス流路93)を開閉する図示しない流路開閉弁(第1開閉弁)のスプール(弁体)92と、を備えている。この減圧系の回路は、例えばハウジング4の長辺側に対向配置され、減圧流路91は、ハウジング4の長辺側において所定間隔毎に枝分かれするように設けられている(図11参照)。なお、減圧流路94についても同様に設けられていても良い。具体的な実装の際には、減圧流路91が水平方向に分かれ、バイパス流路93及び減圧流路94が更に枝分かれする構造を採用することもできる。この場合、減圧流路91は図示のものよりも水平方向の流路がより細くなり、バイパス流路93及び減圧流路94の流路は更に細くなる。
バイパス流路93は、例えば外枠膜治具37を上下方向に貫通するように設けられており、その流路長は可能な限り短くなるよう構成されている。このバイパス流路93には、図示しない真空ポンプ等の減圧手段が接続されている。このような構成の減圧系の回路においても、上述したステップS4のような減圧工程において、液室3と下方空間を同時に減圧することが可能となる。なお、液室3と下方空間を同時に減圧した場合であっても、液室3側の減圧流路91等の流路抵抗と、下方空間側の減圧流路94等の流路抵抗とが同じであれば、液室3に比べると下方空間の方が空間容積が小さいため先に真空度が高まるが、両者が共に減圧されるため真空度は等しくなる。そうすると、イオン伝導膜6は、まずは上述したように被加圧物Cの中心部から最初に密着するように下方に向けて凸状に撓むこととなるが、液室3と下方空間の圧力が等圧となったときにイオン伝導膜6は撓みが解消されて元の膜張り状態に戻るため、その後の工程においては問題は生じない。
図12は、加圧装置1の減圧系の回路の他の例を概略的に示す図であり、図13はこの減圧系の回路の液室3側の減圧流路101を閉塞した状態を概略的に示す図である。
図12に示すように、本例の減圧系の回路は、ハウジング4の液室3に連通する減圧流路(第1の流路)101と、下クランプ部39を通して下方空間に連通する減圧流路(第2の流路)102と、これらの減圧流路101,102をバイパスするバイパス流路103と、減圧流路101(及びバイパス流路103)を開閉する図示しない流路開閉弁(第1開閉弁)のスプール(弁体)104と、を備えている。なお、減圧流路101の一部には、ハウジング4に設けられた吸気流路105及び流路開閉弁(第1開閉弁)を介して真空ポンプ等を有する第1の減圧手段(第1圧力調整機構)106が接続され、減圧流路102の一部には、下クランプ部39に設けられた吸気流路107及び流路開閉弁(第2開閉弁)108を介して真空ポンプ等を有する第2の減圧手段(第2圧力調整機構)109が接続されている。また、図12の向かって左側の状態は上述した原位置のときを、向かって右側の状態は上述した減圧位置のときを、それぞれ描画方向を反転して示している。
このような構成の減圧系の回路においても、液室3と下方空間を同時に減圧することが可能となると共に、第1の減圧手段106及び第2の減圧手段109の動作制御をすることによって、より繊細な減圧動作を行うことが可能となる。なお、イオン伝導膜6と載置基台2との間に残留する空気は、減圧流路101(及びバイパス流路103)を図示しない流路開閉弁により閉状態とした後においても、減圧位置から処理位置へ至る間に亘って、スプール104の周縁で繋がった吸気流路105及びバイパス流路103を介して第1の減圧手段106により減圧を続けることで、吸引し続けることができる。また、この吸引を補助するために、流路開閉弁108を開状態にしたまま第2の減圧手段109により減圧を続けるようにしても、吸気流路107を介して吸引し続けることができる。また、第2の減圧手段109の機能を流路開閉弁108等のバルブ機構の組み合わせで実現することもできるため、第2の減圧手段109を設けずにより簡易な構成とすることも可能である。
なお、図13に示すように、減圧流路101(及びバイパス流路103)を閉状態とした場合、図示しない流路開閉弁(第1開閉弁)のスプール(弁体)104の先端面(進行方向先端面)104aは、上述したように液室3の内部側面(壁面)と面一又はこの内部側面から突出するように移動して、減圧系の回路を遮断するので、内部側面と先端面104aとで形成される窪み部分に電解液が残留したり空気が残留する等の不具合の発生を無くすことができる。
以上のように、上述した実施形態の加圧装置1によれば、内枠膜治具36及び外枠膜治具37によりイオン伝導膜6を膜張りした上で吸引溝36aに吸膜した状態で、さらに液室3及び下方空間を同時に減圧して被加圧物Cに接触させることができる。これにより、イオン伝導膜6に皺や弛みを発生させることなく、被加圧物Cに圧接させて密着させ、表面処理を行うことが可能となる。
なお、上記の説明では、開閉弁付き加圧機構30の作動に空気圧を使用した例を示したが、液圧或いは電動の方式を採用することもできる。また、流路開閉弁40及び開閉弁付き加圧機構30を含む各種開閉弁は、空気圧駆動を想定した弁構造について説明を行ったが、液圧での駆動や、一般の電磁弁、ボールねじ機構、ラックアンドピニオン機構等の種々の手段を用いることも可能である。さらに、これらの作動機構を弁構造から独立させ、各種の汎用作動機構部品を用いることも可能である。
また、ハウジング4を上下動させる移動機構5は、空気圧シリンダ機構や電動のリニア駆動機構等の種々の構成を任意に用いることが可能である。これらの直動機構には、位置検出センサ及び圧力検出センサが設けられることが好ましい。なお、作動空気の制御系、電解液の制御系については、一般の流体制御系の回路が使用できるため、詳細の説明は省略する。このような種々の構成は、剥離機構52についても適宜採用可能である。
上述した作用効果と共に、加圧装置1によれば、ハウジング4の内部に被加圧物Cを加圧し表面処理する液室3を形成し、その液室3に臨む加圧機構を直接取り付けてあるので、不要な配管や圧力ポンプ等を排除して小型化することができる。また、載置基台2とハウジング4を離隔させることにより、被加圧物Cを容易に取り出すことができる。
また、表面処理の後、液室3の内部を排液させた上で載置基台2とハウジング4を離隔させるので、電解液の漏洩を極力防ぐことができる。さらに、供給流路41を液室3の最下部に、また、排出流路31を液室3の最上部にそれぞれ設けてあるので、液室3内に満たされた電解液は給気排気口から空気を入れることにより、空気圧と重力を利用して給液排液口から効率良く排出され得る。このように、液室3内に電解液が残留していなければその漏洩のリスクは著しく低くなる。
また、加圧機構(開閉弁付き加圧機構30)を小型化するためには、電解液を注入する際、液室3内の残留空気の排除が重要となる。加圧装置1は、液室3の上面を最上部にある給気排気口(排出流路31)に向けた傾斜構造とすることにより、液室3内の空気を容易に排除することができる。また、液室3内の空気を排除した状態で、加圧機構により加圧を行うことにより、効率よく加圧することができるようになるだけでなく、効率が良くなったことによる加圧機構の小型化を図ることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記の実施形態では、液室3内の籠状部材20を陽極とすると共に、箔状部材10の通電層12が表面Eに接触した被加圧物Cの導体層Dを陰極として、イオン伝導膜6を導体層Dの表面Eに密着させて電圧を印加し、金属を析出させるめっき処理を例に挙げて説明したが、表面処理としては、このようなめっき処理に限定されるものではない。例えば、真空下の雰囲気内で部材間の接着界面の気泡を排除した貼り合わせ処理や樹脂封止処理等の各種処理も表面処理に含まれる。また、加圧装置1は、電源部7の正極及び負極の極性を入れ替え、被加圧物Cの導体層Dを陽極、ハウジング4内に配された電極(上記の実施形態では籠状部材20)を陰極とすることにより、被加圧物Cの導体層Dのエッチング処理や洗浄処理等に利用することも可能である。
また、例えば、上述した実施形態に係る加圧及び表面処理プロセスでは、電解液を増圧して通電により金属を析出させる表面処理プロセスについて説明したが、被加圧物Cを加熱する必要がある場合は、図1Aに示したハウジング4の上面と、載置基台2の下面側とに、上ヒータ55及び下ヒータ56を配置し、被加圧物Cを所望の温度に設定することが可能である。また、溶液供給部に、電解液の加熱ユニット及び冷却ユニットを設ければ、被加圧物Cの温度をさらに急速に変化させることも可能である。
また、加圧装置1としては、載置基台2の上方にハウジング4が設けられた、いわゆる縦型の加圧装置を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、これらの上下関係が反対となった構成等、種々の構成を採用し得る。また、排出流路31の液室3に臨む開口部が、ハウジング4の内部側面の最上部に設けられるものとして説明したが、これに限定されず、液室3内の気体を排出させるという機能を阻害しない範囲において、排出流路31の開口部の位置は任意に変更可能である。そのため、例えば、ハウジング4の内部上面に開口部が形成される構成としても良い。
また、供給流路41の液室3に臨む開口部が、ハウジング4の内部側面の最下部に設けられるものとして説明したが、これに限定されず、液室3に対して電解液を供給・排出するという機能を阻害しない範囲において、供給流路41の開口部の位置は任意に変更可能である。そのため、例えば、載置基台2に開口部が形成される構成としても良い。
また、ハウジング4の(液室3の)内部上面が排出流路31の開口部側を最上部として鉛直方向に対して傾斜するものとして説明したが、これに限定されず、ハウジング4の(液室3の)内部上面の一部のみが鉛直方向に対して傾斜する構成や、ハウジング4の(液室3の)内部上面が鉛直方向に対して傾斜せずに平坦な構成など、種々の構成を採用することができる。
さらに、上述した実施形態では、開閉弁付き加圧機構30及び流路開閉弁40や減圧系の流路開閉弁がハウジング4の外部側面に装着されるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、ハウジング4の側壁内に埋め込まれるように、加圧装置1に一体的に設けられる構成、或いは流路系の配管等を介して完全に外部に別体として設けられる構成等、これらの設置位置は任意に変更可能である。
その他、ハウジング4に開閉弁付き加圧機構30が設けられるものとして説明したが、これに限定されず、加圧装置1が液室3内に充填された電解液を加圧可能な構成であれば良く、例えば、液室3の形成後にさらにハウジング4を載置基台2に対して接近させる(又は載置基台2をハウジング4に対して接近させる)ことで、液室3内の電解液を加圧する構成等であっても良い。また、開閉弁付き加圧機構30の設置位置は、液室3内の電解液を加圧するという機能を阻害しない範囲において、任意に変更可能である。
また、移動機構5が、直動ロッド51を備えるものとして説明したが、これに限定されず、載置基台2及びハウジング4の少なくとも一方を他方に対して接近又は離隔する方向に相対移動させることが可能な構成であれば、例えば空気式又は油圧式のシリンダ機構、ボールねじ機構、ラックアンドピニオン機構及びトグル機構等の種々の機構を採用することが可能であり、このような構成は、剥離機構52についても採用可能である。
なお、移動機構5は、載置基台2及びハウジング4が相対移動不能となるよう位置保持(ロック)可能な構成、例えば、液室3内の圧力(内圧)以上の圧力で載置基台2及びハウジング4の少なくとも一方を押さえ込むことで載置基台2及びハウジング4の相対移動を規制する構成や、物理的なロック機構等の構成をさらに備えることが挙げられる。
1 加圧装置
2 載置基台
3 液室
4 ハウジング
5 移動機構
6 イオン伝導膜
6a 第1部位
6b 第2部位
6c 第3部位
7 電源部
8 支持基台
9 排気流路
9a 排気ポート
9b トレイ
10 箔状部材
11 絶縁層
12 通電層
13 コネクタ部
20 籠状部材
21 支持柱部
22 高さ調整スペーサ
23 底部
24 保護板
30 開閉弁付き加圧機構
31 排出流路
32,42,49 スプール
33,43,57 閉操作ポート
34,44,58 開操作ポート
35,45 給排ポート
36 内枠膜治具
36a 吸引溝
36b 吸引通路
37 外枠膜治具
38 上クランプ部
38b 空気導入流路
39 下クランプ部
40 流路開閉弁
41 供給流路
46 離型フィルム材
47 開閉弁
48 減圧流路
50 傾斜機構
50a 直動ロッド
51 直動ロッド
52 剥離機構
52a 直動ロッド
55 上ヒータ
55a 絶縁部材
56 下ヒータ
60 圧力センサ
61 端面
62,63 Oリング
70 流路開閉弁
71 減圧流路
72 スプール
72a 先端面
80 補助接触部
B 処理基材
C 被加圧物
D 導体層
E 表面

Claims (13)

  1. 被加圧物を載置可能な載置基台と、
    前記載置基台に対して対向配置されて、内部に圧力媒体室を形成可能なハウジングと、
    圧力媒体を前記圧力媒体室内に供給可能な媒体供給部と、
    前記載置基台と前記ハウジングとの間に、前記被加圧物を覆うように配置された枚葉状の膜状部材と、を有し、
    前記膜状部材を介して前記圧力媒体により前記被加圧物に対して繰り返し加圧可能な加圧装置であって、
    前記膜状部材は、枠状の第1部材及び該第1部材の外周側に嵌まる第2部材を有する保持治具を介して、前記載置基台及び前記ハウジングのいずれか一方に取り付けられ、
    前記保持治具は、前記膜状部材の外周部近傍の第1部位を前記第1部材及び前記第2部材の間に挟持すると共に、該第1部位よりも内側の第2部位を前記第1部材の前記膜状部材との接触側端面に設けられた溝部に吸引可能に構成されている
    ことを特徴とする加圧装置。
  2. 前記溝部は、平面視環状となるように前記第1部材の前記接触側端面に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の加圧装置。
  3. 前記保持治具は、前記第1部材及び前記第2部材の間に配置された第1の弾性シール材を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の加圧装置。
  4. 前記保持治具は、前記第1部材の前記接触側端面における前記溝部の両側に位置する端面のうち、少なくとも前記第2部材側とは反対側の端面に配置された第2の弾性シール材を有する
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載の加圧装置。
  5. 前記保持治具の前記第1部材よりも内周側に設けられ、前記膜状部材の前記第2部位よりも内側の第3部位と接触する凸部又は凹部からなる補助接触部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載の加圧装置。
  6. 前記補助接触部は、前記載置基台の前記被加圧物の外周側の載置面に設けられている
    ことを特徴とする請求項5記載の加圧装置。
  7. 前記補助接触部は、非連続の突条又は溝からなる
    ことを特徴とする請求項5又は6記載の加圧装置。
  8. 前記膜状部材と前記被加圧物との間に配置された箔状部材と、
    前記膜状部材と前記箔状部材との間に空気を送気可能な送気機構と、を更に備えた
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項記載の加圧装置。
  9. 前記第1部材は、前記膜状部材の前記第2部位よりも内側の第3部位の一部を、前記第1部材側から覆う板状部材を備える
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項記載の加圧装置。
  10. 前記圧力媒体室の形成時に前記膜状部材と前記載置基台との間に形成される下方空間を有し、
    前記圧力媒体室及び前記下方空間を減圧可能な減圧部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項記載の加圧装置。
  11. 前記減圧部は、
    前記圧力媒体室と連通する第1の流路と、
    前記下方空間と連通する第2の流路と、
    これら第1の流路及び第2の流路をバイパスするバイパス流路と、
    前記第1の流路を開閉する第1開閉弁と、
    前記第2の流路を開閉する第2開閉弁と、
    前記バイパス流路に接続された圧力調整機構と、
    を有することを特徴とする請求項10記載の加圧装置。
  12. 前記減圧部は、
    前記圧力媒体室と連通する第1の流路と、
    前記下方空間と連通する第2の流路と、
    前記第1の流路を開閉する第1開閉弁と、
    前記第2の流路を開閉する第2開閉弁と、
    前記第1開閉弁を介して前記第1の流路に接続された第1圧力調整機構と、
    前記第2開閉弁を介して前記第2の流路に接続された第2圧力調整機構と、
    を有することを特徴とする請求項10記載の加圧装置。
  13. 前記第1開閉弁は、進退移動して前記第1の流路を閉塞及び開放する弁体を有し、
    前記弁体は、前記第1開閉弁が閉状態のときに、進行方向先端面が前記圧力媒体室の壁面と面一又は該壁面から突出した状態となるよう構成されている
    ことを特徴とする請求項11又は12記載の加圧装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116238744A (zh) * 2023-05-11 2023-06-09 浏阳掌中勺食品有限公司 一种预制菜保鲜用封膜装置

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